macのススメ - 東京大学kurodalab.bs.s.u-tokyo.ac.jp/member/fujii/japanese/... · 2018. 11....
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Macのススメ右も左もわからない人用
Ver. 3.03
平成 24 年 4 月 11 日版
広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻現象数理学研究室藤井 雅史
目 次 目 次
目 次
第1章 はじめに 5
第2章 身近で疎遠なコンピュータ 6
1 コンピュータを使うにあたって 6
2 Macとは? 7
第3章 開発環境を整える前に・・・ 9
3 プログラミング言語 9
4 コンパイラ 9
5 ターミナル 9
第4章 Cコンパイラを手に入れよう! 10
6 Mac OS Xのインストールディスクからインストールする. 10
7 インターネット上からダウンロードする. 10
第5章 TEXのインストール 12
8 MacTEX 12
9 bigpTEX 12
9.1 Lion/Snow Leopardの場合 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13
9.2 Leopardの場合 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13
10 TEXShopの設定 14
第6章 fink 15
11 finkのインストール 15
11.1 ディスクイメージからのインストール . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15
11.2 ソースファイルを解凍してインストール . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15
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目 次 目 次
12 finkを使って gimp、Tgifなどのインストール 16
第7章 gnuplot + readline 17
第8章 GLSC 18
第9章 CLAPACK 19
第10章 bashファイルの設定 20
13 .bashrcの作成 20
14 .bash profileの作成 21
第11章 最後に 22
付 録 23
A TEXの環境設定 23
A.1 Leopardの場合 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23
A.2 Snow Leopardの場合 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 25
A.3 Lionの場合 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 27
B GLSCを使うときのバイナリファイル 28
B.1 cglsc . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 28
B.2 cglscd . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 29
B.3 iglsc . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 30
B.4 iglscd . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 31
C 参考:.bashrcの例 32
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第1章
はじめに本書では、Macについて、筆者の経験を踏まえ、書かれています.本書を書くに至った経緯として、毎年のように筆者の所属研究室1に入ってくる研究生のコンピュータを研究が出来るように設定するのが面倒になったので、マニュアルを作成して、各自でやってもらおうと思ったのがきっかけです.注意して頂きたいのは、細かい設定は筆者や所属研究室で使用している設定ですので、使用する環境によっては上手く機能しない場合があるということです.設定には他の機器との兼ね合いもあり、本書で行っている設定が必ずしも正しいわけではないことを、あらかじめご了承下さい.本書の内容で、おそらくはC言語使える環境になり、簡単なシミュレーションを描画するソフトやグラフを描画するソフトなどが使えるようになると思います2.コンピュータ初心者にも出来るだけ分かりやすくコンピュータを理解してもらい、環境の設定を行ってもらえるように書いているつもりですが、理解しづらい箇所も多いと思います.また、拙い文章で、不愉快な思いをされるかも知れませんので、先に言っておきます.申し訳ありません.何卒ご容赦下さい.
1広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻現象数理学研究室2C言語そのものやシミュレーションの描画法などは本書ではカバーしていません.参考書を買って勉強し
たり、広島大学で行われている「計算数学演習」「計算数理A演習」などの大学の演習のホームページなどを参考にされるのが良いと思います.
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1 コンピュータを使うにあたって
第2章
身近で疎遠なコンピュータコンピュータは我々の生活に非常に身近な存在です.近年では、携帯電話や電子書籍などのモバイルメディアが多様化し、それまでWebページの閲覧ぐらいにしか使わなかったコンピュータを、モバイルメディアとの同期などで使う機会が増えた人も少なくはないと思います.一方で、コンピュータの仕組みや詳細な設定には目をつぶっている人も多いのが現状です.その理由の多くは、
• コンピュータの構造が複雑で混乱するから.
• 出てくる単語が横文字ばかりでよくわからないから.
• 仕組みなんかは分からなくても、ちゃんと動くから.
などが挙げられるのではないでしょうか.しかしながら、研究でコンピュータを使う者にとっては、このようなことばかりは言ってはいられないのも現実です.なにしろ、開発環境を整えることが出来なければ、研究は出来ないのです。仮に、設定を誰かにしてもらったとしても、いざ不具合が見つかった場合に自力で対処することが出来ず、知り合いの詳しい人にお世話になるか、大金をはたいて修理に出すという事態に陥ってしまいます.そのようなことにならないために、コンピュータについて勉強し、自力であらゆる設定をし、コンピュータを使いこなすようになる必要があるのです.
1 コンピュータを使うにあたってコンピュータを使うにあたって注意すべき点がいくつかあります.
コンピュータの構造は繊細である 一つ目はコンピュータは頑丈に見えて、その実繊細でデリケートです.よほどの事態に陥らない限り、使用中に電源ボタンを押して電源を切ったり電源プラグを抜いたりしないことをお勧めします.作業中のデータが壊れたり、最悪の場合コンピュータが使い物にならなくなることがあります.また、コンピュータをむやみに分解しても、壊れる可能性があります.例えば、メモリを触った瞬間に、バチッと静電気が走っただけでメモリは壊れてしまいます.基盤上にほこりが付いた状態で電源を入れると、ショートして、二度と起動しないこともあります.
コンンピュータのデータも繊細である 次にインターネットを使う場合や、他の人も自由に使える状態である場合はウイルスや情報漏洩に気をつけてください.Macの場合ウイルスにかかることはほとんどないが、絶対ではありません.最近ではファイル共有ソフトによる個
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2 MACとは?
人情報の流出といった事件が多発しています.コンピュータを使う以上、他人事ではないことをしっかり自覚してください.最後に、コンピュータを活用していく中でわからないところも出てくると思います.その場合はまず自分の力で問題点を調べ、自分の力で解決策を探す努力をしてみましょう.人に頼ってばかりではいつまでも強くはなれません.解決法は (問題にもよるが)専門書やインターネット上にいくらでも存在しています.自分で調べることをすれば自ずと技術も磨かれ、調べていく過程でより多くの知識が身に付き、今後の糧になると思います.『わからなかったらまず調べよ』の精神です.
2 Macとは?ところで、先ほどからMac、Macと言っていますが、Macとはいったい何なのでしょうか?知らない人はここで勉強しましょう.知っている人はさっさと次のセクションに行ってしまいましょう.
Mac(正式名称”Macintosh”)はアメリカの apple社が開発したパーソナルコンピュータです.その特徴は、コンピュータの製造からOS3の開発、果ては各ソフトウェアの開発まで、全て appleが行っていることです4.さてOSという単語が出てきたので、OSの話をついでにしましょう.OSという言葉を聞いてWindowsを思い浮かべる人もいると思います.WindowsもOSで、こちらはMicrosoft
社の製品です.筆者は、研究などにガシガシ使うのはMac、家庭用でネットサーフィン程度に使うのはWindowsという勝手なイメージを持っているが、同様に思う人は少なくないと思います5.MacのOS名はそのままMac OSです.Mac OS X以降のOSはUNIXベースとなっているので、これまでの UNIXユーザーがMacを利用するようになったりもしていますが、ここではあまり細かいことは述べません6.現行の最新バージョンはMac OS X バージョン 10.6です7.すでにMacをお持ちの方は、左上にあるちょっぴり欠けたリンゴのマークをクリックし、『この Mac について』という部分をクリックして見てみてください.『Mac OS X』の下に『◯.△.×』とあると思います.”
×”の部分はバージョン『◯.△』の中でもさらに何番目ですよという意味です.バージョンのこのような表示はコンピュータのソフトでもよく見かけるので、大体の意味だけを理解しておけば、使っているソフトの新旧が把握出来ます.最初の2つの数字8が同じものはほとんど機能的には同じです.ただ数字が大きい方がバグ9の修正やウイルスに対しての対策が施されていることが高いので、出来れば最後の数字が大きい方が良いです.もし現在Macをお持ちでなければ、お持ちになったときにご確認あれ.最新バージョン 10.6は Snow Leopardと
3オペレーティングシステムの略.ここでは『アプリケーション等を使用する際に色々画面に表示して分かりやすくしてくれるもの』程度に覚えておく程度で.
4一部の部品を、参加の企業や連携企業と開発しているものもありますが・・・.5もちろんWindowsも開発環境を整えれば研究に用いることはできる.ただ、設定が結構面倒くさい.6人によってはMacのことを、「あれは appleが作った皮を被った UNIXだよ」と言う人もいる.72010年 12月 15日現在8今回で言えば◯と△のこと9プログラム上の不備や誤作動の原因のこと.
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2 MACとは?
いう別名があります.ちなみにバージョンが 10.4はTiger、10.5は Leopard、開発中の 10.7
はLionとのこと.Macのバージョンにはこのようにネコ科の名前が付けられているため、興味のある方は色々調べてみると面白いかもしれません.基本的なツールは大体最初からインストールされていますが、他にも有用なアプリケーションはだいたいアップル社が無償で提供していたり、フリーソフトでネット上にゴロゴロ落ちています.この点は筆者はMacを勧める理由の一つでもあります.余談ですが、最近ではMac向けのAppStoreなんてのも現れ、appleが今後アプリケーション市場でどのような位置に着くのか、なかなか楽しみな話題です.とにもかくにも、Macは慣れれば離れることができなくなるものなのです.
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5 ターミナル
第3章
開発環境を整える前に・・・この章では研究開発に色々有用だと思われる知識を少しだけ紹介します.
3 プログラミング言語物事を伝えるときに当然必要となってくるのが言語です.我々の日常生活においての言語と言えば日本語や英語、フランス語といったものや、手話・点字、手旗やモールス信号など、多数の言語が存在しています.それと同様に、コンピュータにも言語があります.そのコンピュータに命令をするために必要となるのがプログラミング言語です.筆者が主に使っているのはC/C++と呼ばれる言語です.他にも java言語、FORTRANなど様々な言語が存在しますので、それぞれに合ったプログラミング言語を見つけて下さい.この本ではC言語による開発環境を整えます.その他の言語を使う環境は各自で調べて設定してください10.ちなみにPerlなどはスクリプト言語と呼ばれ、厳密に言うとプログラミング言語とは意味が異なります.
4 コンパイラ早速意味の分からない単語が出てきたと思っている方もいるかもしれません.コンパイラとは簡単に言ってみれば翻訳のようなものと思ってもらうと良いかもしれません.コンパイラはプログラミング言語で書かれた命令をコンピュータが読めるように機械言語に翻訳してくれます.このコンパイラは 3で説明したプログラミング言語に対応したものでなければなりません.C言語を用いたプログラムを翻訳するにはCコンパイラ、java言語を用いたプログラムには javaコンパイラといったように、こっちの話した言葉を理解してくれる通訳が必要なのです.
5 ターミナル実際に作ったプログラムを翻訳するときにはターミナルで行います.Finderという人の青色と水色の顔をしたアイコンをクリックして、ファイル→新規 Finderウインドウをクリック、新しく開いたウインドウの左側にあるウインドウのアプリケーション→ユーティリティでターミナルがあると思います.11.他にも xtermや ktermなどといったターミナルもあるが、それらについては各自調べてください.
10ただし、この章ではどの言語にも共通するような知識を記したいと思うので、C言語を使わない方も一応目を通して頂ければ役に立つと思います.
11Windowsにおけるターミナルはコマンドプロンプトにあたる.
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7 インターネット上からダウンロードする.
第4章
Cコンパイラを手に入れよう!コンパイラとは何かということは 4でだいたいわかったと思います.ではCコンパイラとはどこにあるのだろうか?Cコンパイラは最初から入ってる訳ではありません.Cコンパイラを手に入れる方法は色々あるが、ここではDeveloper Toolsを『Mac OS Xのインストールディスク』からインストールする方法と、インターネット上からダウンロードする方法の2種類を紹介します.
Developer Toolsには標準的なCコンパイラである gccが一緒に入っています.さらに、プログラムを書くのに使いやすいエディタ12のXcodeが使えて、しかも無料と、何ともお得なパックなのです.
6 Mac OS Xのインストールディスクからインストールする.(1) : Mac OS Xのインストールディスクを ディスクドライブに入れる.
(2) : ウインドウが新たに現れると思うので、そのなかのOptional Installsのフォルダを開く.
(3) : XcodeToolsというのがあると思うので、それをダブルクリック.
(4) : XcodeTools.mpkgをダブルクリックしてインストール開始.
(5) : インストーラは全部『OK』または『続ける』で問題ないが、利用規約等はざっと目を通すことくらいはしましょう.
7 インターネット上からダウンロードする.インターネットからでもXcode Toolsをダウンロードすることもできます.まず apple社のApple Developer Connection(略称ADC)のサイトに行きます.ここでは会員にならないとダウンロード出来ないが、無料で入れる上に数々の有用ソフトが手に入るので入会することをお勧めします.
(1) : ADC Member Siteから、Apple IDを持ってる方は IDとパスワードを入力して login
を、持っていない方は Join Nowをクリックして流れに沿って入会する.会員情報の登録が終われば自動的にログインする.
(2) : ログインしたら、4つある項目のうち、Downloadをクリック.
(3) : 右のボックスの中のDownloadsのDeveloper Toolsをクリック.
12文字を書くもの.Windowsで言えばメモ帳など.
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7 インターネット上からダウンロードする.
(4) : Leopardの方はXcode3.0を、Tigerの方はXcode2.5 Developer Toolsをダウンロードする.どちらも選択肢が二つあるがDisk Imageの方をクリックして、保存を選ぶ.
(5) : ダウンロードには結構時間がかかる13ので、気長に待つ.
(6) : あとは 6と同じようにしてインストールする.
13通信速度にもよるが、だいたい 20分から 30分くらいだろうか.
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9 BIGPTEX
第5章
TEXのインストールTEXとは、論文などの書類をかっこ良く書くためのものです.例えばWordなどを使って書類をかっこ良く書こうとすると、フォントの設定や字の大きさなどを設定するのは面倒で、さらに数式やグラフなどの図表を貼付けたり、参考文献・脚注などをいちいち個別に書いていてはかなりの労力を費やすことになります.それが TEXShop を使えばちょっとしたコマンドで数式を美しく書いてくれたり、自動でフォントの調節などを行ってくれるという、何ともありがたいソフトウェアなのです14.また、スライドを作るときに数式を使いこともあると思います.数式を使うならMicrosoft
PowerPointに数式エディタが付いているとは思いますが、少しTEXをかじっていればLATEXiT!を使った方が数倍楽に、かつ美しい数式が書けるようになります.
8 MacTEX
MacTEXというのは、TEXが使えるソフトウェアの TEXShopや LATEXiT!などのTEXのツールが全部入っています.MacTEXは容量が大きく、ダウンロード・インストールに時間はかかりますが、全部まとめて一度入れてしまえばあとはこれらの便利なソフトが使えるので、ぜひ入れておきましょう.
TEXの使い方に関してはここでは詳しくは述べませんので、各自で参考書なりネットなりで検索するなりしてください.
MacTEXのインストール方法 MacTEXはインターネット上からダウンロードする.
• webサイト http://www.tug.org/mactex/に行き、図 8-1の赤丸の部分をクリックしてダウンロード.
• ダウンロードしたらdmgファイルを開いて、中にあるmpkgファイルをダブルクリック.
• インストーラが起動するので、指示に従ってインストールする.
9 bigpTEX
日本語を使うなら bigpTEXも入れておいた方が良いです.TEXの日本語化パッチは様々ありますが、ここでは熊本学園大学の小川先生の小川版 pTEXを使用します.
14ちなみにこの覚え書きも TEXで書いています.
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9 BIGPTEX 9.1 Lion/Snow Leopardの場合
図 8-1: MacTEXダウンロード
図 9-1: bigpTEXダウンロード
9.1 Lion/Snow Leopardの場合• webサイトhttp://www2.kumagaku.ac.jp/teacher/herogw/に行き、pTEX関連パッケージの pTEX(sjis) + JMacoros package for MacOSX (ppc/intel)の項目の Download(図9-1の赤丸の部分)をクリック.
• ダウンロードした dmgファイルを開いて、中にある big-ptex.pkgをダブルクリック.
• インストーラが起動するので、指示に従ってインストールする.
9.2 Leopardの場合※現在は,以下で紹介する bigpTEXの配布は終了しています.bigpTEXを持っている人が周りにいなければ,上の「Lion/Snow Leopardの場合」と同様の方法で試して下さい (未確認).
• webサイトhttp://www2.kumagaku.ac.jp/teacher/herogw/に行き、Drag & Drop UpTEX
をダウンロード.
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10 TEXSHOPの設定
• ダウンロードした dmgファイルを開いて、中にある◯◯.pkgをダブルクリック.
• インストーラが起動するので、指示に従ってインストールする.
• また,UpTEX.appをアプリケーションフォルダにコピーする.(/Application/UpTeX.app
となるように)
10 TEXShopの設定TEXShopを使うときに、場合によっては設定が必要になることがあります.もし何かTEX
のファイル (拡張子.tex)を開きタイプセットするときにエラーが出た場合は、付録に筆者の設定を載せておくので、それを参考にしてもらえればエラーがなくなるかもしれません.ただし、これはあくまでも筆者の環境に対応した設定であって、他にも環境に応じて設定は異なります.また、Snow LeopardではPATHの設定が異なるので、それも書いておきました.恐らく、OSのバーションアップに伴うライブラリ等の変更が影響していると思われます15.TEXShopのバーションアップに伴い、環境設定が一部変更されているので、それぞれ対応する部分を変更してください.
152011/2/28 Leopardと同様の設定でも動作することを確認.
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11 FINKのインストール
第6章
fink
finkとは便利なソフトが大量に入ったバイナリパッケージです.finkをインストールするだけで、ImageMagickや gnuplot、gimpなどのツールが使えるようになります.実際に使えるツールは各自で調べてください.また、インストール方法は、ディスクイメージを開いてインストールする方法と、ソースファイルを解凍して手作業でインストールする方法との2通りあります.前者の方が楽な上に、最新のことが多いのでオススメします.
11 finkのインストール11.1 ディスクイメージからのインストール(1) : webサイト上からダウンロードする16.
(2) : それぞれ PCに対応したディスクイメージをダウンロードし、中にあるインストーラを起動する.
(3) : ターミナルが開いたら色々設定を聞かれるので、変更したい場合は変更する17.
(4) : ターミナルを一旦終了する.
(5) : .bashrc、.bash profileなどでパスの設定をする (第 10 章を参照のこと).
(6) : ターミナルをもう一度起動する.
(7) : ターミナル上で fink scanpackages; fink indexと入力し、実行.
(8) : fink selfupdateと入力し、実行.
以上で finkの最新版がインストールされたことになるハズです.
11.2 ソースファイルを解凍してインストール(1) : webサイト上からダウンロードする18.
(2) : ダウンロードしたファイルを解凍する (ダブルクリックで良い).
16詳しくは http://www.finkproject.org/download/index.php?phpLang=ja に書いてある.17基本的にはメインサーバー (ひたすら returnキーを押す)でも問題ないが、自分のいる国のサーバーに設定すると早くなるとの説もある.初心者はいじらない方が良いと思います.
18ファイル名は fink-○.○.○.tar.gz
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12 FINKを使ってGIMP、TGIFなどのインストール
(3) : ターミナルを開き、解凍したフォルダに移動する.
(4) : ターミナル上で./bootstrapと入力し、実行.
(5) : 色々設定を聞かれるので、変更したい場合は変更する19.
(6) : ターミナルを一旦終了する.
(7) : .bashrc、.bash profileなどでパスの設定をする (第 10 章を参照のこと).
(8) : ターミナルをもう一度起動する.
(9) : ターミナル上で fink scanpackages; fink indexと入力し、実行.
(10) : fink selfupdateと入力し、実行.
以上で finkの最新版がインストールされたことになるハズです.
12 finkを使ってgimp、Tgifなどのインストール11で最新の finkがインストールされ、パスも通したら、ターミナル上で fink install gimp
と入力し実行してみましょう.すると自動で gimpをインストールしてくれます20.途中設定を変更するか聞かれる場合もありますが、そのときは finkをインストールしたときと同様、変更したい場合は変更しましょう.その他のツールも同様に、fink install ○○と入力し実行すればインストール出来ます.gnuplotは readlineなどの関係上、fink経由ではなく、次章で示すような直接インストールすることをお勧めします.
19基本的にはメインサーバー (ひたすら returnキーを押す)でも問題ないが、自分のいる国のサーバーに設定すると早くなるとの説もある.初心者はいじらない方が良いと思います.
20場合によっては半端なく時間がかかる場合があるので、時間に余裕のあるときや、寝てる間にインストールを実行するなどした方が良い
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第7章
gnuplot + readline
http://ftp.gnu.org/pub/gnu/readline/から readline-6.2.tar.gzをダウンロード&解凍.
cd readline-6.2
./configure --prefix=/usr/local/
shlib/Makefile 内の "-dynamic" の部分を "-dynamiclib" に変更make
sudo make install
http://www.gnuplot.info/から gnuplot-4.4.3.tar.gzをダウンロード&解凍.
cd gnuplot-4.4.3
./configure --with-readline=/usr/local/
make
sudo make install
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第8章
GLSC
http://www602.math.ryukoku.ac.jp/˜ nakano/software/index.htmlからglsc-3.5.a.tar.Zをダウンロード&解凍.
cd glsc-3.5.a
make
cp ./libs/*.a ~/lib (ホーム下に libを作っておく)
~/bin/cglsc, ~/bin/cglscdを作成 (付録を参照)
~/bin/cglsc, ~/bin/cglscdのアクセス権を 755にしておく(実行可能にする: chmod 755 ~/bin/cglsc*).
※ iccでも使えるようにするには: Makefile内の CCを iccに変更して、同様に行う.ただし、libglscs.aと libglscd.aをそれぞれ libiglscs.aと libiglscd.aなどに変更しておく.
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第9章
CLAPACK
http://www.netlib.org/clapack/から clapack.tgzをダウンロード解凍.
cd CLAPACK
cp -f INSTALL/make.inc.LINUX ./make.inc
make f2clib
make blaslib
cd SRC
make
cd ../TESTING/MATGEN/
make
cd ../../
cp *.a ~/lib
詳しくは http://www.mathkeisan.com/usersguide/J/lapack.html等を参照
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13 .BASHRCの作成
第10章
bashファイルの設定bashファイルはひとまず2種類作ります..bashrcと.bash profileです..bashrcはxterm21用で、.bash profileはターミナル用になっています.ちなみに最初が『. (ドット)』で始まるファイルはシステムファイルといい、通常 Finderなどでは隠れていて見ることが出来ないと思います.しかし、ターミナルのホーム上で『ls -a』と実行してみるとファイルが存在しているのが分かると思います.
11で finkをインストールすると、ローカルフォルダ上22に swというフォルダが作られていると思います.しかしそのままではせっかくインストールした finkを使うことは出来ません.そのために bashファイルを作成する必要があります.
13 .bashrcの作成.bashrcはテキストエディタなどで作成します.必要なことは2つ.
source /sw/bin/init.sh
PATH = $PATH:$HOME/bin:/usr/local/bin:/usr/X11/bin
が入っていれば基本的に問題ありません.
『source /sw/bin/init.sh』
は、finkが使えるようにする為のコマンドです.詳しいことは各自で調べて下さい.
『PATH = $PATH :$HOME/bin :/usr/local/bin :/usr/X11/bin』
は、バイナリファイルは現在参照しているPATH上か、ホームディレクトリのbinというフォルダか、/usr/localの binというフォルダか、/usr/X11の binというフォルダにありますよという意味です.バイナリファイルについては詳しくは述べないが、簡単に言えばコマンドのショートカットと思ってもらって構いません.あとは自分の使いたいコマンドがあると思います.例えば『ls -a』を『la』に省略したいと思ったら、『alias la=’ls -a’』の一行を入れておけば『la』が使えます.この程度のことなら必要ないと思うかもしれませんが、これがもし長くなればどうでしょうか?例えば、Mac
でOpenGL使うC言語のプロファイルをコンパイルする際には、
cc -framework OpenGL -framework GLUT -framework Foundation
というコマンドを打たなければなりません.これを21x11に入ってるターミナル22ターミナル上で『cd /』と実行するとローカルフォルダ上に移動できます.Finderでは左側にMacintosh
HDと表示されているところをクリックすればローカルフォルダに移動できます.
– 20 –
14 .BASH PROFILEの作成
alias CC=’cc -framework OpenGL -framework GLUT -framework Foundation’
としておけば、『CC』だけで済むのです.このように aliasの設定をしておくと,何かと便利なので、あとはいろいろと試してはいかがでしょうか?保存の方法は、一旦『bashrc.txt』などのテキストファイルの形式でホームディレクトリに保存してから、ターミナルのホーム上で『cp bashrc.txt .bashrc』などでコピーするのが良いでしょう.そうすれば何か間違いが見つかったり、追加したいことがあったときに、テキストエディタで『bashrc.txt』を編集し、もう一度『cp bashrc.txt .bashrc』で上書きコピーするだけで済みます.もちろん、使い方が分かれば『vi』などで修正しても問題ありません.
14 .bash profileの作成さて次は『.bash profile』の作成なのですが・・・.実は作成というほど手間のかかることではありません.『.bashrc』をコピーしても良いですが、もっと手っ取り早い方法があるのです.実は『source .bashrc』の一行だけを書けば大丈夫です.これで『.bash profile』が『.bashrc』を参照するので、『.bashrc』を使ってターミナルを立ち上げたのと同じ状況になります.さらにこの方法の利点がもう一つ.修正したいことがあるときは、『.bashrc』を修正するだけで済みます.なぜなら『.bash profile』は、毎回『.bashrc』を参照していることを考えれば、お分かりになると思います.
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第11章
最後にこれまでのことが理解できれば、ある程度のPCについての知識は身に付いたと思います.しかし、これでPCについて1から100まで全て学んだと思う人がいたら、それは大きな間違いです.実際、筆者はまだ1を学んでいる段階の人間です.そして、このPCの世界においては、終わりは100ではなく、1000でも10000でもなく、果てしなくゴールは移動しています.しかし、気が遠くなる必要はありません.実際に我々が使う部分はほんの一部だし、必要なところでわからないところが出てくれば、その都度学習したり試行錯誤して解決して行けば良いのです.筆者としては本書が (落書きの様なものだが)皆さんの知識欲に火がつくきっかけとなれば、と思います.もし本書を通して、おかしい点、抜けている点等があれば、遠慮なく言ってください.最後に、筆者にこれだけの知識を惜しみなく教えてくださった、広島大学の秋山正和氏 (現
: 北海道大学)と同じく広島大学の河合良介氏に心より感謝の気持ちを送りたいと思います.
参考HP
Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/
BathyScapheWiki
http://bathyscaphe.sourceforge.jp/cgi-bin/wiki.cgi
マイコミジャーナルhttp://journal.mycom.co.jp/pc/
Fink Project
http://www.finkproject.org/index.php?phpLang=ja
MacWiki gnuplot
http://macwiki.sourceforge.jp/wiki/index.php/gnuplot
寿限無http://jugemchosuke.blogspot.com/2011/11/gnuplot-on-mac-osx-lion.html
MathKeisanユーザーズガイドhttp://www.mathkeisan.com/usersguide/J/lapack.html
Ball-RW氏ホームページ (Snow LeopardでTEXのページ)
http://ballrw.web.fc2.com/tex/install snowleopard new.html
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A TEXの環境設定
A TEXの環境設定A.1 Leopardの場合設定は 2008/12/30現在.
図 A-1: LeopardTEXShop設定 - 書類 図 A-2: LeopardTEXShop設定 - プレビュー
図 A-3: LeopardTEXShop設定 - 詳細 図 A-4: LeopardTEXShop設定 - タイプセット
• パス設定
\item どちらも/usr/local/bin
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A.1 Leopardの場合 A TEXの環境設定
• pdfTeX
TeX: pdftex --shell-escape
LaTeX: pdflatex --shell-escape
• TeX + dvips + distiller
TeX: ~/Library/TeXShop/bin/ptex2pdf-sjis
LaTeX: ~/Library/TeXShop/bin/platex2pdf-sjis
– 24 –
A TEXの環境設定 A.2 Snow Leopardの場合
A.2 Snow Leopardの場合設定は 2010/12/15現在.
図 A-5: Snow LeopardTEXShop設定 - 書類 図 A-6: Snow LeopardTEXShop設定 - プレビュー
図 A-7: Snow LeopardTEXShop設定 - コンソール
図 A-8: Snow LeopardTEXShop設定 - タイプセット
• パス設定
– 25 –
A.2 Snow Leopardの場合 A TEXの環境設定
図 A-9: Snow LeopardTEXShop設定 - 内部設定
図 A-10: Snow LeopardTEXShop設定 - コピー
図 A-11: Snow LeopardTEXShop設定 - 詳細(pdf)TeX: /Applications/TeX/pTeX.app/teTeX/bin
Distiller (Ghostscript): /usr/local/bin
• pdfTeX
TeX: pdftex --shell-escape
LaTeX: pdflatex --shell-escape
• TeX + dvips + distiller
TeX: ~/Library/TeXShop/bin/ptex2pdf-sjis
– 26 –
A TEXの環境設定 A.3 Lionの場合
LaTeX: dotexshop
A.3 Lionの場合• TEXShop環境設定を開いて,書類タブの設定プロファイルをクリックし,pTeX(Shift
JIS)を選択.
• 内部設定タブのパス設定の「(pdf)TeX(デフォルト:/usr/texbin)」の部分を,
/Applications/UpTeX.app/teTeX/bin
に変更.
• 同じく内部設定タブのTeX + dvips + distillerの中の「LaTeX(デフォルト:simpdftex
latex)」を
Xtexshop
に変更.
• TEXShopを再起動する.以上で終了.
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B GLSCを使うときのバイナリファイル
B GLSCを使うときのバイナリファイルB.1 cglsc
#!/bin/csh -f
if ($#argv >= 1) then
if( ’-d’ == "$1" ) then
set glsc=glscd
set exflag=-DG_DOUBLE
shift
else
set glsc=glscs
set exflag=-DG_SINGLE
endif
endif
if ($#argv == 0) exit 0
set main=$1:r cmd=("cc -g -O")
foreach f ($argv)
set cmd=($cmd ${f:r}.c)
end
exec $cmd $exflag -I/usr/X11/include -I$HOME/include -o $main
-L$HOME/lib -l$glsc -L/usr/X11R6/lib -lX11 -lm
– 28 –
B GLSCを使うときのバイナリファイル B.2 cglscd
B.2 cglscd
#!/bin/csh -f
if ($#argv >= 1) then
if( ’-s’ == "$1" ) then
set glsc=glscs
set exflag=-DG_SINGLE
shift
else
set glsc=glscd
set exflag=-DG_DOUBLE
endif
endif
if ($#argv == 0) exit 0
set main=$1:r cmd=("cc -g -O2")
foreach f ($argv)
set cmd=($cmd ${f:r}.c)
end
exec $cmd $exflag -I/usr/X11/include -I$HOME/include -o $main
-L$HOME/lib -l$glsc -L/usr/X11R6/lib -lX11 -lm
– 29 –
B.3 iglsc B GLSCを使うときのバイナリファイル
B.3 iglsc
#!/bin/csh -f
if ($#argv >= 1) then
if( ’-d’ == "$1" ) then
set glsc=glscd
set exflag=-DG_DOUBLE
shift
else
set glsc=glscs
set exflag=-DG_SINGLE
endif
endif
if ($#argv == 0) exit 0
set main=$1:r cmd=("icc -g -O")
foreach f ($argv)
set cmd=($cmd ${f:r}.c)
end
exec $cmd $exflag -I/usr/X11/include -I$HOME/include -o $main
-L/$HOME/lib -li$glsc -L/usr/X11R6/lib -lX11 -lm
– 30 –
B GLSCを使うときのバイナリファイル B.4 iglscd
B.4 iglscd
#!/bin/csh -f
if ($#argv >= 1) then
if( ’-s’ == "$1" ) then
set glsc=glscs
set exflag=-DG_SINGLE
shift
else
set glsc=glscd
set exflag=-DG_DOUBLE
endif
endif
if ($#argv == 0) exit 0
set main=$1:r cmd=("icc -g -O2")
foreach f ($argv)
set cmd=($cmd ${f:r}.c)
end
exec $cmd $exflag -I/usr/X11/include -I$HOME/include -o $main
-L$HOME/lib -li$glsc -lbasici -L/usr/X11R6/lib -lX11 -lm
– 31 –
C 参考:.BASHRCの例
C 参考:.bashrcの例参考程度に私が使っている『.bashrc』を載せておく.いちいち説明はしないので、興味があれば各自で調べてもらいたい.間違いがあればこっそり教えていただきたい.
#export LSCOLORS="ExFxCxDxBxEGEDABAGACAD"
export LSCOLORS="GxFxCxDxBxEGEDABAGACAD"
export TERM="xterm-color"
# User specific aliases and functions
#alias ls=’ls --color’
alias la=’ls -alGv’
alias pa=’ps aux’
alias rm=’rm -i’
alias rn=’rm -f’
alias cp=’cp -i’
alias c=’clear’
alias mkae=’make’
alias CC=’cc -framework OpenGL -framework GLUT -framework Foundation’
alias emac:wqs=’open -a Emacs.app’
alias mxdvi=’open -a Mxdvi.app’
alias xcode=’open -a Xcode.app’
alias xterm="xterm &"
# Source global definitions
if [ -f /etc/bashrc ]; then
. /etc/bashrc
fi
# linux/Mac/FreeBSDESC$B$G;H$o$l$k$3$H$rA[DjESC(B
if [ $OSTYPE == "linux" ]; then
alias ls=’ls -F --color’
elif [ $OSTYPE == "darwin10.0" ]; then
alias ls=’ls -F -G -w’
elif [ $OSTYPE == "FreeBSD" ]; then
alias ls=’ls -w -F -G’
fi
– 32 –
C 参考:.BASHRCの例
ulimit -d unlimited
ulimit -s 65532
HISTSIZE=10000
HISTFILESIZE=10000
#path
PATH=$PATH:$HOME/bin:/usr/local/bin:$HOME/lib:/usr/X11/bin
LANG=ja_JP.UTF-8
PS1="\[\033[31m\]work\[\033[0m\] at:[\[\033[036m\]\W\[\033[0m\]]$"
– 33 –