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Mindsフォーラム2017患者・市民のための診療ガイドライン
シンポジウム
「診療所での診療ガイドラインの活用について」
平成29年1月28日公益社団法人東京都医師会副会長 近藤太郎
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たとえば内科診療所での外来
• 疾病• 高血圧、糖尿病、脂質異常症
• 脳卒中後遺症、めまい、頭痛
• かぜ、インフルエンザ、感染性胃腸炎
• 認知症
• 年代 赤ちゃんからお年寄りまで
• アレルギーの有無、合併症、既往歴、生活背景などなど
• ひとりひとりの患者さん=口頭試問を受けているような・・・
• アレルギー性鼻炎
• 気管支喘息
• めまい
• その他いろいろ
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•ひとりで考えるよりも
•誰かの助言があれば助かる
•これは医師も患者も同じではないか?
•医師と患者が、じゅうぶんな話し合いをもとに検査や治療方針を決めていくことが求められている
•こころのゆとり、時間のゆとり
•診療の補助があれば心強い
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しかし・・・
•ガイドラインはどれも膨大な量
•目的にかなった項目を見つけ出すのは容易ではない
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・ ホームページには2014、2015年版・最新のGL エッセンスだけでもMindsアプリに・ 「少なくともこの点だけはかかりつけ医で」
・分厚い本よりも医療現場ではアプリが有用・地域の医師が見出し(症状、所見、検査データ 記述が大事)、もしくは疑い、専門医につなげる・診療にかかわるポイントの確認・ トレンドはどうなっているのか
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医療現場の変化
• 医療は進歩している
• 5年経つと大幅な進歩
• 内科の教科書の厚み• 教授の学生時代に比べておよそ3倍
• 先端医療では数名以上の医師がチームを編成して対応
• この10年で、医師の仕事量は2倍以上?
• 宿直?、当直?、夜間勤務?
• 研修医制度の改革(平成16年度から)
平成21年6月3日 東京都医療情報の理解を促進する会委員として、首都大学東京オープンユニバーシティーで講話
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東京都医療情報の理解を促進する会で作成したHP
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かかり方についての説明
情報提供のための協働体制に向けて
2016年8月8日(月)
がん患者アドボカシー支援者サミットCancer Patient Advocacy Supporters Summit
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CPASS 大井賢一先生の了承済み
患者さん・ご家族にとってより良いがん医療に必要なものは…?
支援Support
患者はどのような支援を求めているか?
協働Collaboration
患者支援団体と企業はどのように関わっていくべきか?
情報Information
患者はどのような情報を求めているか?
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CPASS 大井賢一先生の了承済み
より良いがん医療のために必要な情報とは…?
医師患者関係 患者支援団体
医師 患者
A社
B社C
社
企業
何ができるか?/できないか?
知っていてほしい情報
知りたい情報
A会
B会C
会
何ができるか?/できないか?
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CPASS 大井賢一先生の了承済み
がん情報ナビゲーションシステムの構築(案)
スマートフォンパソコン
ホームページ 書籍 冊子
データベースシステム
患者団体 各種セミナー等
がん診療連携拠点病院がん相談支援センター
デリバリーシステム
システム手帳
マッチングシステム
データベース
クオリティコントロールシステム
情報
情報情報
情報情報
情報 情報
情報情報
資材アプリ 人材
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CPASS 大井賢一先生の了承済み
がん情報プラットフォーム構築支援(案)
がん情報のプラットフォーム
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CPASS 大井賢一先生の了承済み
製薬企業のパンフレット(近藤提案)
これまで・・・
疾患について
単独の薬剤のみ
監修は専門医の誰か
これから・・・
疾患について(より幅広く)
関連する薬剤すべて
監修は対応する学会
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CPASS 大井賢一先生の了承済み
がん情報プラットフォームの効果(近藤提案)
患者さん、ご家族にとっての貴重な(正しい)情報源
医師からの説明用資料としても有用
かかりつけ医にとっては生涯学習の資材となる
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CPASS 大井賢一先生の了承済み
・共通の認識・できれば共通のことばで
Minds の取り組み
• Medical Information Network Distribution Service• 公益社団法人日本医療機能評価機構が、質の高い医療の実現を目指して運営する事業
• 患者と医療者が、じゅうぶんに科学的合理性が高いと考えられる診療方法の選択肢について情報を共有し、患者の希望・信条や、医療者としての倫理性、社会的な制約条件等も考慮して、患者と医療者の合意の上で、最善の診療方法を選択できるように、情報面からの支援をする。
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Minds部会(一部のみ)
•患者・市民専門部会•患者・市民に向けた情報提供のあり方、診療カイドラインヘの患者・市民参加のあり方を検討し、実践を図る
•Minds診療ガイドライン活用促進部会•携帯端末用のシステムの運用
•診療カイドラインの活用状況調査や有効性評価を行い、活用促進の具体的方策を検討する。
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地域包括ケアを支える診療所医師の役割
医療だけでなく、服薬指導、健康相談、介護保険の相談
高齢者の日常生活の不具合も含む早期発見、早期治療
高齢者の長期にわたる慢性かつ複数疾患の医学的管理
疾病予防や健康管理
かかりつけ医の役割、機能の重要性が増していく
26年3月30日 日本医師会第131回代議員会代表質問での横倉義武会長の答弁から
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外来診療で行われるさまざまな判断
•地区医師会、医会のベテランの先生方による経験に基づいた何気ない判断
•これらを若い医師に伝えていきたい
•専門領域外の先生方にとって有用
•教科書だけからでは学べないこと
•診療中、ちょっと確認しておきたいことも多い
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求められるアプリケーション
•目の前の患者さんの年齢、性別、疾病名、症状、検査所見等を入力すると
•ガイドラインをもとに、道筋とともにエビデンスやその根拠を示してくれる
•いくつかの疾病を合併していてもOK•臨床現場の医師たちにとって心強い診療補助となり得るだろう
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エッセンスを示して欲しい
東京都で必要とされる医療の特徴
•これまでどおりの急性期医療、初期治療• 5疾病の医療連携(とくにがん、脳卒中への対応)• 交通網による患者さんの受療行動=圏域を越えて
•生活圏域で求められる高齢者医療• 近隣での医療、健康管理• 複数の疾患への対応
• 新たな疾病の発見 ⇒ 地域で診る? それとも急性期?
• ADL低下、認知症、ひとり暮らし ⇒ 在宅医療、訪問診療• 地域リハビリテーション• 緩和ケア
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地域のかかりつけ医• 診療のレベルはひとりひとりの努力、経験の積み重ね
• 日々、患者さんを診ることによる鍛錬
• 担当する患者さんに対応しながら、さまざまな経験を積む
• 経験は貴重な財産
• 総合臨床力の向上を目指す
• 地元のシステム・制度を熟知、介護、福祉など
• おたがいをよく知っている
• 地区医師会、都道府県医師会は「総合医局」であってほしい• かかりつけ医に対する相談支援体制
• みなをその気にさせるムード作り
• 生涯研修は大変重要な場(情報共有、交流など) 21
•地域での医療ほど、応用問題ではないのか?• 複数の疾病、合併症、すまいなど社会的課題
• 単身高齢者、足腰の弱り、夏の暑さ対策
• アルコール依存
• 精神疾患
• 認知症
• 地域包括支援センターとのかかわり
•すべての医師が在宅医療・療養にかかわるべきか?• 得手不得手
• ホーム と アウェイ、できること と できないこと
• それでも、ひとりでも多く、かかわる医師を増やすべき22
地域のかかりつけ医として大切なこと
•よりそう医師、逃げない医師
• be with
•傾聴、共感、コミュニケーション、ナラティブ
•すべては 「ひと」 と 「ひと」
•自分ひとりで⇒みなとの協働で
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・ 医療は常に進化している・ ここまではかかりつけ医のところで、専門医にお願いする境、タイミングはどこか?
・連携の中で、現場の医療がより良くなっていけば
新しいガイドラインのお知らせが欲しい・発行したとのアナウンス・かかりつけ医が踏まえておくべきエッセンスが
HPやアプリに掲載されているとよい