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意外と簡単!?AccessOracle Oracle Migration Workbench による MS-AccessOracle 移行」 Creation Date: Oct 01, 2004 Last Update: Mar 08, 2005 Version: 1.1

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意外と簡単!?Access⇔Oracle

「Oracle Migration Workbench による

MS-Access→Oracle 移行」

Creation Date: Oct 01, 2004 Last Update: Mar 08, 2005 Version: 1.1

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はじめに 「意外と簡単!?」シリーズは、Oracle Database 10g を使用してこれからシステム構築を

行い、運用していく方向けに作成しており、初心者の方でも容易に構築/運用ができるよう

全編にわたり極力 GUI ツールを利用した説明として構成しております。 システム構築の方法や運用にはさまざまな方法が存在しますが、「意外と簡単!?」シリー

ズでは特定のハードウェア上で小中規模のシステムを構築/運用することを目的とした実践

的な資料として構成している関係上、個々の機能の説明等は最小限に留めております。 また基本的に Standard Edition で利用可能な機能の範囲にて説明しております。 「意外と簡単!?」シリーズが皆様のシステム構築/運用の一助になれば幸いです。

「意外と簡単!?」シリーズの資料構成

「意外と簡単!?」シリーズは、現在以下のシリーズから構成しております。

Oracle Database 10g ・

Access ⇔ Oracle (本編)

.NET で Oracle

Windows ソリューション

本資料の構成

本シリーズ「意外と簡単!? Access⇔Oracle」では Microsoft Access をご利用の方

向けに簡単に Oracle を使用していくための情報を提供していきます。

本資料は「Oracle Migration Workbench による Access→Oracle 移行」編として、

以下のような内容で構成しています。

1. Oracle Migration Workbench とは

2. Oracle Migration Workbench for Microsoft Access のインストール

3. Oracle データベースへの移行

4. Access データベースの変更

5. 付録

データの移行のみの場合は、3 までを、データを移行して後に Access のフォー

ム/レポートを使用して移行後の Oracle データベースに接続する場合は、4 までを

参照してください。

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本資料におけるシステム構成

クライアント PC

OS: Microsoft Windows 2000 Professional + SP4

AP: Microsoft Access 2000

データベース・サーバ

OS: Microsoft Windows 2000 Professional + SP4

DBMS: Oracle Database 10g Standard Edition for Windows

システム構成

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Oracle Migration Workbench とは Oracle Migration Workbench(Migration Workbench / OMWB)は、他社製のデータベ

ース管理システムから Oracle Database(Oracle8i /9i および Oracle Database 10g)への

移行を容易にするツールです。 Migration Workbench を利用すると、トリガーやストアド・プロシージャを含むデータ

ベース・ スキーマ全体の移行を統合した環境で行うことができます。 本資料ではこの Migration Workbench を使用して Access から Oracle への移行を行いま

す。

Migration Workbench の特徴 Migration Workbench は 100% Pure Java のアプリケーションで、ウィザード画面

にしたがって操作を行うことで容易に GUI ベースで移行を行うことができます。

また、Migration Workbench 本体と Workbench プラグインという 2 つの主要なコ

ンポーネントから構成されています。Oracle Database へ移行するデータベースの種

類に応じて異なるプラグインを使用することで異なる種類のデータベースからの

移行を可能としています。

Migration Workbench のアーキテクチャ

ポイント:2005/2 月現在、日本でサポートされているプラグインは以下

のとおりです。

・Microsoft SQL Server 6.5,7.0,2000

・Microsoft Access 2.0,95,97,2000

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主要な機能

Migration Workbench の主要な機能は以下のとおりです。

・ オブジェクト名の重複による衝突を自動解決

・ ユーザー、表、索引、及び表領域のカスタマイズ

・ デフォルト・データタイプの指定

・ データ型のマッピング及びカスタマイズ

・ 複数のデータベースを 1 つのデータベースに統合

・ データのアンロード、及び SQL*Loader スクリプトの自動生成

・ データ自体の移行

・ 移行レポートの生成

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Oracle Migration Workbench for Microsoft Access のインストール この項では Access からデータベースを移行するために、Migration Workbench を PC に

インストールする手順を解説します。

環境について

この項では、冒頭のシステム構成におけるクライアント PC に対して Migration

Workbench やその他関連ソフトウェアのインストールを行います。

また、システム構成に記述のある OS、Access などはインストールされているも

のとします。移行する Access データベース(mdb)のバージョンと、クライアント

PCにインストールされている必要のあるAccessのバージョンは以下のようになり

ます。

移行する Access データベース 必要な MS-Access ソフトウェア

MS-Access 2.0, 95, 97 MS-Access 97

MS-Access 2000 MS-Access 2000

今回、使用している Access のバージョンは Access 2000 ですので、本資料にお

いては Access 2000 のデータベースを Oracle に移行していきます。

ソフトウェアおよびドキュメントの入手

OMWB 関連ファイルの入手

Oracle Technology Network Japan (OTN-J)より必要なソフトウェアおよびドキ

ュメントを入手します。

現在(2005/02/28)ダウンロード可能な最新のバージョン(10.1.0.2)では以下の

ファイルが必須となります。

・ Oracle Migration Workbench 10.1.0.2 本体 - Omwb.zip

・ Microsoft Access 用プラグイン - MSAccess.jar

必要に応じ以下のファイルもダウンロードしてください。

・ Oracle Migration Workbench 日本語ヘルプ

また、以下のドキュメントも入手し目を通すようにしてください。

・ Oracle Migration Workbench リリース・ノート

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・ Oracle Migration Workbench ユーザーズ・ガイド

・ Oracle Migration Workbench Microsoft Access 2.0、95、97、2000 からの移行の

ためのリファレンス・ガイド リリース 9.2 for Microsoft Windows 98/2000/NT

and Microsoft Windows XP

ポイント:2005/02/28 現在、Migration Workbench 関連ファイルは以下の

Web サイトよりダウンロードできます。

http://otn.oracle.co.jp/software/tech/migration/

ODBC ドライバ・バージョンのチェックと入手

以下のように、Access のバージョンに応じて適切な ODBC ドライバがインスト

ールされている必要があります。

Access のバージョン ODBC ドライバのバージョン

MS-Access 2.0, 95, 97 Microsoft ODBC driver release 4.00.4202.00 以降

MS-Access 2000 Microsoft ODBC driver release 4.00.4203.00 以降

ドライバの入手や最新版の Microsoft Data Access Components(MDAC)の入手は

Microsoft の以下の Web サイトから行えます。

http://www.microsoft.com/japan/msdn/data/

ドライバ・バージョンは以下の手順でチェックすることができます。

1. Windows の [スタート] → [設定] → [コントロールパネル] → [管理ツー

ル] より、「データソース(ODBC)」を起動します。「ODBC データソース

アドミニストレータ」というタイトルのアプリケーションが起動します。

2. 「ドライバ」タブをクリックします。

3. 「Microsoft Access Driver(*mdb)」のバージョンをチェックします。

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ODBC ドライバのバージョン確認

インストール要件の確認

Migration Workbench をインストールする前に、製品のリリースノートを参照し、

「ハードウェア要件」および「ソフトウェア要件」を満たしていることを確認し

てください。

Oracle Migration Workbench 10.1.0.2 ではそれぞれ以下のようになります。

ハードウェア要件 ・ Intel 80486 以上のプロセッサが搭載されているパーソナル・コンピュータ。

(Pentium 233Mhz 以上を推奨)

・ 128MB の RAM(256MB 推奨)

・ 65MB のハードディスク領域(Migration Workbench およびそのコンポーネ

ントのインストール用)

・ VGA ビデオ(SVGA 推奨)

・ Microsoft Windows 98/NT/2000/XP と互換性のあるネットワーク・アダプタ

ソフトウェア要件 ・ OS:Microsoft Windows NT 4.0(Service Pack 6.0a)または Microsoft Windows

98/2000/XP

・ Workbench リポジトリを作成する表領域で、30MB 以上の領域が使用可能で

あること。

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Migration Workbench のインストール

OTN-J よりダウンロードして入手した Migration Workbench をインストールしま

す。

注意: Migration Workbench をインストールするには zip ファイルを解

凍できる解凍ツールが必要です。

1. Windows を起動し、管理者権限をもつユーザとしてログオンします。

2. 必要に応じ、Migration Workbench をインストールするディレクトリを作成し

ます。

例) D:¥Oracle¥ を作成し、インストールディレクトリとします。

3. ダウンロードしたOmwb.zipをMigration Workbenchをインストールするディ

レクトリに解凍します。解凍すると、Omwb というディレクトリが作成され、

その中に Migration Workbench のコンポーネントがインストールされます。

Migration Workbench の解凍・インストール

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ポイント: この文書ではインストールディレクトリの下の Omwb ディレ

クトリを OMWB_DIR と表記します。

例のように D:¥Oracle¥ に Migration Workbench を解凍した場合、

D:¥Oracle¥Omwb¥ が OMWB_DIR となります。

Access プラグインのインストール

OTN-J よりダウンロードした Access 用プラグインをインストールします。

1. Migration Workbench がまだインストールされていない場合、先の手順に従っ

てインストールします。

2. ダウンロードした MSAccess.jar ファイルを、OMWB_DIR¥Plugins ディレク

トリにコピーします。

例) D:¥Oracle¥Omwb¥Plugins ディレクトリにコピーします。

Access プラグインのインストール

※ すでに Plugins ディレクトリに同名のファイルがある場合は、新しいほ

うのファイルを使用するようにします。

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Oracle データベースへの移行 この章では OMWB を使用した Microsoft Access から Oracle データベースへの具体的な

移行手順を説明します。この章の手順を実行することで、Access データベースのデータを

Oracle データベースへと移行することができます。 本資料では、移行元となる Access のデータベースの例として、Access(2000)に標準のサ

ンプルアプリケーションである"ノースウィンド・サンプルデータベース(Northwind.mdb)"を使用します。

移行前の準備 実際に移行プロセスを行う前の、準備作業について説明します。

Access 側の準備

Microsoft Access データベースを移行する前に、以下の手順を実施します。

1. Access データベースファイルのバックアップを作成します。

2. 移行元となる Access データベースに適した Microsoft Access ソフトウェアが

インストールされていることを確認します。(前章を参照)

3. 以下の点を確認し、該当する場合は「Oracle Migration Workbench ユーザーズ

ガイド」を参照し、適切に対処してください。(10.0.2 では 3-7 ページを参照)

今回使用するサンプルでは特に対処の必要はありません。

Access データベースのセキュリティが有効である場合 •

他の Access データベースにリンクされた表がアプリケーションに含

まれている場合

Access データベースがマスターでなく、レプリカ・データベースであ

る場合

4. 移行の対象となる Access データベース(Access MDB)が Migration Workbench

をインストールした環境からアクセス可能であることを確認します。

今回は、ローカルにノースウィンドサンプルの Access MDB があるものとし

ます。サンプルが Access からきちんと開けることを確認してください。

5. Access で「ツール」→「データベース ユーティリティ」→ 「最適化/修復」

を選択して、Access データベース・ファイルを最適化します。

XML ファイルへのエクスポート

Access データベースの取得の準備として、Access データベースのスキーマ情報

を XML ファイルにエクスポートします。

この作業は Oracle Migration Workbench Exporter for Microsoft Access(Exporter)と

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いうツールを用いて行います。このツールは Access MDE ファイルとしてパッケー

ジされており、MDB ファイルを XML にエクスポートすることができます。

手順は以下のとおりです。

1. Access のバージョンに応じて適切な Exporter をオープンします。

Access 2.0, 95, 97 の場合

OMB_DIR¥msaccess_exporter¥omwb97.mde

・ Access 2000 の場合

OMB_DIR¥msaccess_exporter¥omwb2000.mde

OMWB Exporter

2. Export のタイプを選択する画面が起動します。

「Export Database Schema...」を選択します。

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Exporter 起動画面

3. 移行する Access データベース(MDB ファイル)と出力される XML ファイル

の選択画面が起動します。それぞれを入力し、「Export」ボタンを押します。

XML ファイルはデフォルトでは選択した MDB ファイルの位置に<MDB フ

ァイルと同じ名前.xml>というファイル名で作成されます。

ここでは、Northwind.xml が作成されます。

Access データベースの指定画面

4. エクスポートが終了すると以下のようなメッセージが表示されます。

OK をクリックし、あとは「Exit」ボタンを押して Exporter を終了してくだ

さい。

5. Access の移行対象オブジェクトに日本語が含まれている場合は、以下の手順

を実行し、生成された XML ファイルを編集します。ファイルは 3.の手順で

指定した場所にあります。

ここでは、Northwind.xml を編集します。

① 生成された XML ファイルのファイル属性を変更する

XML ファイルを右クリックしてプロパティを表示し、プロパティ

の「読み取り専用」のチェックをはずします。

② notepad など の エ デ ィ タ を 使 っ て Northwind.xml を 開 き 、

「encoding="ISO-8859-1"」の部分を、「encoding="Shift_JIS"」に変

更し、ファイルを保存します。

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XML ファイルの encoding を変更

ソース・データベースの取得

移行にあたって、移行元となるデータベースからデータベースの構造の情報を

抽出します。Migration Workbench ではこの情報ををソース・モデルとよび、ソ

ース・モデルを取得する一連のプロセスをソース・データベースの取得と呼び

ます。

また、実際に Oracle にデータを移行する前に、移行先の Oracle データベースに

あわせた移行先データベースの構造を作成する必要があります。Migration

Workbench ではこの構造を Oracle モデルと呼び、先に取得しておいたソース・

モデルの情報を使用して Oracle モデルを作成します。

ソース・データベースの取得には以下の 2 つの方法があります。

・ オンラインによる取得

この方法では、Migration Workbench を使用してソース・データベースに接続

し、データベース構造を取得してソース・モデルに移入します。

・ オフラインによる取得

Migration Workbench の取得スクリプトを使用してソース・データベースに接

続し、データベース構造を記述する一連のファイルを作成します。その後、

これらファイルを利用してソース・モデルに移入します。

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今回はオンラインによる取得を行う手順を説明していきます。

OMWB の起動とリポジトリの作成

まずは以下の手順で OMWB を起動し、リポジトリの作成をおこないます。

1. 以下のいずれかの方法で Migration Workbench を起動します。

「スタート」→「ファイル名を指定して実行」を選択し、以下を入力し、

OK をクリックします。

OMWB_DIR¥bin¥omwb.bat

例) d:¥oracle¥Omwb¥bin¥omwb.bat

OMWB_DIR¥bin¥omwb.bat のアイコンをダブルクリックします。

Migration Workbench の起動

2. Migration Workbench のリポジトリを選択します。

ここでは、「Default Repository」を選択します。

(Default Repository を選択すると、Migration Workbench に含まれている Oracle

Lite データベースが格納先として使用されます。)

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リポジトリ選択

3. リポジトリ作成

最初に起動したときは以下のようにリポジトリを作成します。

① リポジトリ作成のプロンプトが出ます。Yes を押して続行します。

② リポジトリが作成が終了すると図のようなメッセージが表示されます。

Close をクリックしリポジトリの作成を終了します。

4. プラグインを選択する画面が自動で起動します。今回使用する「Microsoft

Access 2.0/95/97/2000 Plugin」を選択して、OK をクリックします。

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5. リポジトリを初めて作成した場合は Capture Wizard が自動で起動します。

(初めてでない場合は OMWB のメイン画面が表示されます)

次項へ進みます。

Capture Wizard によるソース・モデルの取得

リポジトリを作成した後は、Capture Wizard を使用してソース・モデルを取得し、

そこから Oracle モデルを生成します。

リポジトリを作成すると、Capture Wizard の初期画面は自動で起動します。

(自分で起動するには、OMWB のメイン画面より「Action」→「Capture Source

Database」を選択して起動します。)

1. Capture Wizard の初期画面が起動します。Next をクリックして先へ進みます。

2. 「Select Database to Capture」画面が表示されます。

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ここでは以下の手順を行い、「XML ファイルへのエクスポート」の項で生

成した XML ファイルを読み込みます。

① 「Add XML File」をクリックします。 ② 「Select XML File」ダイアログが表示されます。「XML ファイルへの

エクスポート」の項で作成した XML ファイルを選択して「OK」をク

リックします。 例) d:¥Oracle¥AccessDB¥Northwind.xml きちんと追加されると画面下部の「Microsoft Access XML File」の項

に追加した XML ファイルが表示されます。 ③ 「Next」をクリックし、次へ進みます。

3. 「Data Type Mappings」画面が表示されます。 Access のデータ型が類似の Oracle のデータ型にマッピングされているこ

とが確認できます。 通常変更の必要はありませんので、「Next」をクリックして次へ進みます。

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4. 「Create Oracle Model」画面が表示され、Oracle モデルを自動的に作成す

るかどうかを選択します。 Oracle Model の作成前に OMWB の設定を行う必要があるため、ここでは

「No」を選択して「Next」をクリックし次へ進みます。

5. サマリー情報が表示されます。 内容を確認し、「Finish」をクリックして Capture を開始します。

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6. ソース・モデルの取得が開始されます。 以下のような画面が起動し、取得状況を表示します。

7. 以下のようなメッセージが出て Capture が完了します。 「OK」をクリックして一旦終了します。

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OMWB の設定とソース・モデルのチェック

移行ウィザードを一旦終了すると、左右 2 ペインで構成された Migration

Workbench のメイン画面が表示されます。左側がツリーになっており、項目をクリ

ックすると右側に詳細が表示されます。また、上部にはメニューがあり、各種ツ

ールやウィザードの起動、OMWB の設定などを行うことができます。

まずは OMWB の設定として、移行先 Oracle データベースで作成されるデータ

ベースのデータ・ファイルの位置を設定します。

1. メニューから「Tools」→「Options...」を選択します。

2. 「Options」画面が起動します。

データ・ファイル・ディレクトリの指定

3. 「General」タブ(デフォルトで開いています)の「Data file directory」に移

行するデータベースの(表領域の)データベース・ファイルを作成するディレ

クトリを入力します。

データベース・ファイルの作成される場所ですから、このディレクトリは

データベース・サーバのディレクトリであることに注意してください。多

くの場合、データベース管理者はデータベース関連ファイルを配置する場

所を決めて管理しています。管理者のいる場合は、データファイルを配置

するディレクトリについて確認してください。

入力例) D:¥oracle¥oradata¥orcl

入力が済んだら「OK」をクリックし設定を確定してください。

続いて、Capture されたソース・モデルの確認をします。左のペインにあるツリ

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ー項目を開き、右側に表示される詳細とあわせ、各項目に問題がないかどうか一

通り確認してください。

取得したソース・モデル(Tables)

Northwind サンプルデータベースで必要な変更

ここまでの手順で Access2000 の Northwind.mdb を移行してきたところで、ソー

ス・モデルの「Relations」(リレーション)を確認してみると、図のようにおかし

な名前になっています。

ソース・モデルのリレーション

このまま Oracle モデルを生成し、Oracle への移行を実行すると、移行中に以下

のようなエラーが発生してしまいます。

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これは Access のリレーションにつけられている名前の問題で、Capture されたソ

ース・モデルのリレーションの名前が{5AD529B-BEA.....}のように中カッコで囲ま

れた Oracle の SQL では使用できない名前となっているために発生します。(古いバ

ージョンの mdb などからアップグレードした mdb などで発生するようです。)

この問題を修正するには以下の二つの方法があります。 ① Access 上でリレーションを再作成する。

再作成すると、リレーションは正常な名前となりますので、再度

XML ファイルをエクスポートし、手順どおりにソース・モデルを

作成します。 ② 「XML ファイルへのエクスポート」の項で生成した XML ファイ

ルのリレーションの項目を修正する。 以下は、②の手順について説明します。 1. エクスポートした XML ファイル(Northwind.xml)を notepad などのエ

ディタで開きます。 2. OMWB の「Relations」以下に表示されているエントリの名前を検索し、

適切な名前に書き換えます。

- 意外と簡単!? Access⇔Oracle Oracle Migration Workbenchによる移行 - 23

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例)リレーション名変更前

例)リレーション名変更後

修正項目例

検索するエントリ 修正後の名前

{5AFD529B-BEA8-11D2-8735-00AA00B48B98} 運送会社受注

{5AFD529C-BEA8-11D2-8735-00AA00B48B98} 仕入先商品

{5AFD529D-BEA8-11D2-8735-00AA00B48B98} 社員受注

{5AFD529E-BEA8-11D2-8735-00AA00B48B98} 受注受注明細

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{5AFD529F-BEA8-11D2-8735-00AA00B48B98} 商品区分商品

{5AFD52A0-BEA8-11D2-8735-00AA00B48B98} 商品受注明細

{5AFD52A1-BEA8-11D2-8735-00AA00B48B98} 得意先受注

3. XML ファイルの変更を保存します。 4. OMWB より、Capture Wizard を起動し、「Capture Wizard によるソー

ス・モデルの取得」の項の手順で再度 XML ファイルを読み込み、ソース・

モデルを作成します。 5. OMWB よりソース・モデルを確認し、リレーションの名前が修正されてい

る事を確認します。

Oracle モデルの作成

ソース・モデルを取得し内容をチェックしたら、続いてソース・モデルを元に

Oracle モデルを作成します。

1. メニューから「Action」→「Create Oracle Model...」を選択します。 2. 「Destination Database」画面が表示されます。

ここでは移行先データベースとして指定するOracleデータベースのタイプ

を以下のタイプから選択します。 ① Oracle8i/Oracle9i/Oracle10g ② Oracle9iLite ここでは①を選択して「Next」をクリックし、次へ進みます。

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3. Oracle モデルの作成が開始されます。 以下のような画面が起動し、取得状況を表示します。

4. 以下のようなメッセージが出て完了します。 「OK」をクリックして終了します。

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データベースの移行

前項までは、ソース・データベース(ここでは移行元の Access データベース)の

情報を取得し、移行先の Oracle のモデルを作成しました。この項では、取得・作

成した情報を元に実際の移行作業を行います。

その手順は以下のようになります。

① データの入れ物を移行します。具体的には表領域、ユーザおよび表を

移行します。

② データを移行します。

③ 残りのスキーマ・オブジェクトを移行します。

また、移行を実施するにあたっては以下の 3 つの方法をとることができます。

a) スキーマを作成し、データをオンラインで送信

b) スキーマをオンラインで作成し、データをオフラインで送信

c) スキーマの作成およびデータの送信をオフラインで行う

オフラインでの方法はスクリプトをベースに行い、大量のデータがあるときや、

オンラインでターゲットとなるデータベースに接続できない場合などに使用し

ます。

今回は a)のオンラインによる方法で移行を行います。

Migration Wizard(移行ウィザード)

1. OMWB のメニューから「Action」→「Migrate to Oracle...」を選択してウィ

ザードを起動します。

「Next」をクリックして次へ進みます。

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2. 「Destination Database Details」画面が表示されます。

移行先データベースへの接続に必要な情報を入力します。

入力項目と内容

項目 入力内容

Username 移行に必要な権限を持つユーザ名

Password 上記ユーザのパスワード

Host 移行先 Oracle データベースのサーバ名

Port 同 Oracle のリスナーのポート番号(デフォルト 1521)

SID 同 Oracle SID

入力例

項目 入力内容

Username system

Password manager

Host sample.oracle.com

Port 1521

SID orcl

ポイント:これらの接続情報がわからないときは、移行先の Oracle デー

タベース管理者に確認するか、付録の「データベースへの接続情報の確

認」の項を参照して接続情報を確認してください.

3. 「Migrate Tablespace, Users, and User Tables」画面が表示されます。「Next」

をクリックして次へ進みます。

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4. 「Migrate Table Data」画面が表示されます。

テーブルデータを移行するかしないのかを選択する必要がありますので、

「Yes」を選択し、「Next」をクリックして次へ進みます。

5. 「Select Schema Objects to migrate」画面が表示されます。

全てのスキーマ・オブジェクトが選択された状態になっていますので、こ

のまま「Next」をクリックして次へ進みます。

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6. 「Summary」画面が表示されます。

サマリー情報を確認して「Finish」をクリックします。

7. 実際の移行プロセスが開始され、以下の画面のように進行状況が表示され

ます。

8. 移行プロセス中に、以下のようにエラーのダイアログが出ることがありま

す。とりあえずエラーを無視してこのまま続行する場合は、「Ignore Error」

をクリックして続行します。

※ Access2000のNorthwind.mdbでは、一部のリレーションが不適切なため、

エラーが発生します。「Northwind サンプルデータベースで必要な変更」

の項を参照し、問題を修正しておいてください。

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ポイント:移行中のエラー発生などのトラブルが発生した場合は、

「Oracle Migration Workbench Microsoft Access 2.0、95、97、2000 からの移

行のためのリファレンス・ガイド リリース 9.2」4 章トラブルシューティ

ング を参照してください。

9. 移行プロセスが終了すると、次項で説明する Access 側の変更のための

Access データベースの変更ウィザードが自動で起動しますが、ここはいっ

たん終了するために「キャンセル」をクリックし、ウィザードを終了しま

す。

10. 終了メッセージが表示されます。また、発生したエラー数などもレポート

されます。

「OK」をクリックし、移行のプロセスを終了してください。

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11. 移行プロセスのログが表示されます。

「OK」をクリックして終了します。

以上で Access データベースから Oracle データベースへのデータ移行は終了です。

移行された Oracle データベースはデフォルトでは以下のように作成されていま

す。パスワードなどはデフォルトで oracle となっていますので、必要に応じて

変更してください。

Oracle 移行後のデータベース情報(カッコ内は northwind での例)

項目 入力内容

表領域 access のデータベース名 (northwind)

ユーザ名 access のデータベース名 (northwind)

パスワード oracle

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Access データベースの変更 この章では、Oracle データベースに移行したデータをもとの Access データベースで使用

していたフォームやレポートから使用するために、Access データベースを変更するための

手順について説明します。

Access から利用する必要性 システムとしてみた場合、移行とは単純にデータのみを移行すればすむわけで

はありません。それを利用するアプリケーションの移行も考える必要があります。

Access からの移行を考えた場合、アプリケーションの移行は大きく分けて以下

の 2 つのパターンが考えられます。

① Access で作成したフォームやレポートを、移行先の Oracle データベースに

接続して使用出来るように修正する。

② アプリケーションを新規に作成しなおす。

幸い、Access にはリンクテーブルという仕組みがあるので、これを利用するこ

とで、単純な Access のフォームやレポートは比較的簡単に Oracle データベースを

利用するように変更することができます。

また、②のパターンでもアプリケーションを一括で移行するのは大変な作業で

あることが多いですから、①で一旦以降後に必要な単位で段階的にアプリケーシ

ョンを移行していくという方法をとることも考えられます。

環境について

追加ソフトウェア ODBC を使用して Oracle データベースに接続する必要があるため、本資料冒頭

のシステム構成に加え、以下のソフトウェアコンポーネントがクライアント PC に

インストールされており、ターゲットとなる Oracle データベースに接続できるよ

うに構成されている必要があります。

・ Oracle Net クライアント

・ Oracle ODBC ドライバ

例えば、Oracle データベースや Oracle Client がインストールされている環境では

デフォルトで上記ソフトウェアコンポーネントがインストールされますので、特

に追加の必要はありません。

本資料ではこの両コンポーネントが含まれている「Oracle Data Access Software

(ODAC)」から「Oracle Client」「Oracle ODBC Driver」を Access のあるクライア

ント PC にインストールして使用します。

- 意外と簡単!? Access⇔Oracle Oracle Migration Workbenchによる移行 - 33

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追加した後のシステム構成は次のようになります。

システム構成(追加)

ポイント:ODAC は OTN-J よりダウンロードできます。

現在、「Oracle ODBC Drivers for Oracle 10.1.0.2」をダウンロードすると

ODAC に ODBC ドライバが含まれる形でダウンロードされます。

Oracle データベースへの接続構成について

前項までで作成した移行先の Oracle データベースへの接続の構成を行っておく

必要があります。

構成方法については、付録の「Oracle Net 構成 -リモート DB への接続構成」

を参照してください。

Access データベースの変更

ここでは Northwind.mdb を変更し、Access のフォームなどを移行先の Oracle デ

ータベースに接続して使用出来るようにしていきます。

リンクテーブルのための ODBC 接続の設定

1. 対象となる Access データベースを起動します。

ここでは、サンプルの Northwind.mdb を開きます。

2. メニューから「ファイル」→「外部データの取り込み」→「テーブルのリ

ンク」を選択します。

3. 「リンク」の指定をする画面が表示されます。

「ファイルの種類(T)」から「ODBC Databases()」を選択します。

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4. 「データ ソースの選択」画面が表示されます。

すでに登録されたものを使用する場合はそれを選択しますが、ここではデ

ータソースを新規に作成していきます。

「新規作成」をクリックします。

5. 「データ ソースの新規作成」画面が表示されます。

リストの中から Oracle ODBC ドライバを選択して「次へ」をクリックしま

す。

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ポイント:通常 Oracle ODBC ドライバは「Oracle in <インストール時指定

した Oracle ホーム名>」という名前になっています。

例) Oracle in OracleClient10g_home1

6. 作成するデータソースの名前を入力します。

わかり易い任意の名前を入力してください。

7. 作成するデータソースのサマリーが表示されます。

「完了」をクリックし、データソースを作成します。

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8. Oracle への接続情報を入力する画面が表示されます。

各項目を入力し、「OK」をクリックして設定を完了します。

ユーザ名・パスワードは Oracle Model 作成時に OMWB が決めた値、もしく

は移行の際にカスタマイズした値になります。(※POINT 参照)

(これらの値はデータベースの接続時に変更することも可能です。)

入力項目

項目 入力内容

サービス名 Oracle Net のネット・サービス名

ユーザー名 接続に使用する Oracle のユーザ名

パスワード 上記ユーザのパスワード

入力例

項目 入力内容例

サービス名 orcl

ユーザー名 northwind

パスワード oracle

ポイント:OMWB では移行先の Oracle データベースに移行するデータを

所有するユーザの、ユーザ名として Access データベース名、パスワード

として oracle をデフォルト値として設定します。

9. 再度「データソースの選択」画面が表示されます。

先に登録したデータソースを選択し、「OK」をクリックして先へ進みます。

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10. 8.と同様に Oracle への接続情報を入力する画面が表示されます。

同様に入力し、「OK」をクリックして接続します。

11. 「テーブルのリンク」画面が表示されます。

リストにはOracleのテーブル名が<スキーマ名.テーブル名>の形式で表示さ

れていますので、目的のスキーマ、ここでは NORTHWIND.~を探します。

12. リストの NORTHWIND.~の中から、Access のオブジェクトでテーブルの項

に表示されているものをクリックして選択し、「OK」をクリックして次へ

進みます。

今回、選択するのは以下の 9 つのテーブルです。

運送会社 / 仕入先 / 社員 / 受注 / 受注明細 /

商品 / 商品区分 / 都道府県 / 得意先

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13. Access のテーブルの画面に以前からのテーブルと、今作成したリンクテー

ブルが表示されます。

14. 作成されたリンクテーブルは「<スキーマ名>_<テーブル名>」になっていま

すが、こちらを Access のフォームなどから使用したい(≒Oracle 上のテー

ブルを使用したい)ので、アプリケーションの使用するテーブル名に変更

する必要があります。

また、元々のテーブルは使用しないため削除もしくはリネームしておく必

要があります。

今回は、元のテーブルを「BK_<テーブル名>」、リンクテーブルの名前を

NORTHWIND _運送会社、などから元々のテーブル名に入れ替えをします。

15. まず、もともとのテーブルの名前を「BK_<元のテーブル名>」に変更しま

す。

例)「仕入先」→「BK_仕入先」

16. 次いで、リンクテーブル名を元々のテーブル名に変更します。

例)「NORTHWIND_仕入先」→「仕入先」

- 意外と簡単!? Access⇔Oracle Oracle Migration Workbenchによる移行 - 39

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17. 以上で Access データベース側の変更は終了です。

フォームなどを起動して、以前と同様に使えることを確認してみてくださ

い。

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付録

Oracle Net 構成 -リモート DB への接続構成 リモート(もしくはローカルでも※)の Oracle データベースに接続して使用す

るには、あらかじめ Oracle Net の必要部分を構成しておく必要があります。(例え

ば、ODBC データソースを ODBC 接続の使用前にあらかじめ作成しておくような

イメージです。)

※ 通常は必要がない場合が多いですが、ローカルに複数のデータベースが

存在する場合などには設定する必要があるケースがあります。

注意:この構成を行い、Oracle Net を使用するには、使用している PC に

Oracle データベースか、Oracle Client が(厳密には必要とされる Oracle Net

のコンポーネントが)インストールされている必要があります。

1. Net Configuration Assistant(NetCA)起動

Oracle もしくは Oracle Client をインストールしたディレクトリを

ORACLE_HOME とすると、 ORACLE_HOME¥bin¥netca.bat

を実行します。

2. 「Oracle Net Configuration Assistant へようこそ」画面が表示されます。

「ローカル・ネット・サービス名構成」を選択し、「次へ」をクリックしま

す。

3. 「ネット・サービス名の構成」画面が表示されます。

「追加」を選択し「次へ」をクリックします。

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4. 「ネット・サービス名の構成-サービス名」画面が表示されます。

接続先データベースのサービス名を入力します。

わからない場合は、データベース管理者に問い合わせるか、付録の「Oracle

データベースへの接続情報の確認」の項を参考に確認してください。

5. 「ネット・サービス名の構成-プロトコルの選択」画面が表示されます。

「TCP」を選択し、「次へ」をクリックします。

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6. 「ネット・サービス名の構成-TCP/IP プロトコル」画面が表示されます。

データベースのあるホスト名を入力し、「次へ」をクリックします。

7. 「ネット・サービス名の構成-テスト」画面が表示されます。

必要に応じ接続のテストを行います。

特に必要がなければ、「いいえ」を選択して次へ進みます。

8. 「ネット・サービス名の構成-ネット・サービス名」画面が表示されます。

任意のネットサービス名を入力し、「次へ」をクリックします。

これが Oracle ODBC や Oracle クライアントから使用する際のサービス名に

なります。

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9. 「他のネット・サービス名を構成しますか」で「いいえ」を選択し、NetCA

を終了します。

8. で設定したネット・サービス名でサービスが追加されます。

データベースへの接続時など、構成した PC 上でデータベースを利用する際

にサービス名を要求される場合は、このネット・サービス名を入力してく

ださい。

Oracle データベースへの接続情報の確認

Oracle データベースに接続するには、対象となるデータベースへの接続情報が

わかっている必要があります。わからない場合は、対象データベースの管理者に

問い合わせるか、以下の手順に従ってデータベースへの接続情報を取得する必要

があります。

1. 対象となるデータベースのサーバへログオンします。

2. 以下のコマンドを実行し、データベースへの接続情報を表示します。 prompt> lsnrctl status

例えば、以下のような結果が表示されます。 STATUS of the LISTENER

------------------------

Alias LISTENER

Version TNSLSNR for 32-bit Windows: Version 10.1.0.2.0 -

Production

Start Date 08-12 月-2004 18:40:54

Uptime 0 days 0 hr. 22 min. 21 sec

Trace Level off

Security ON: Local OS Authentication

SNMP OFF

Listener Parameter File E:¥oracle¥10.1.0.2EE¥network¥admin¥listener.ora

Listener Log File E:¥oracle¥10.1.0.2EE¥network¥log¥listener.log

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Listening Endpoints Summary...

(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sample.mydomain.com)(PORT=1521)))

(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sample.mydomain.com)(PORT=8080))

(Presentation=HTTP)(Session=RAW))

(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sample.mydomain.com)(PORT=2100))

(Presentation=FTP)(Session=RAW))

Services Summary...

Service "ora10g" has 1 instance(s).

Instance "ora10g", status READY, has 1 handler(s) for this service...

Service "ora10gXDB" has 1 instance(s).

Instance " ora10gXDB", status READY, has 1 handler(s) for this service...

The command completed successfully

3. 上記の実行結果から必要な情報を確認します。

まず、サーバ名と Presentation が HTTP/FTP でないエントリのポートを確認

します。

上記サンプルでは以下の行になります。 (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sample.mydomain.com)(PORT=1521)))

ここより以下の接続に必要な項目がわかります。

サンプルでの項目と値の例

項目 値

プロトコル tcp

ホスト名 sample.mydomain.com

ポート番号 1521

ポイント:Oracle データベースのデフォルトのポート番号は 1521 です。

4. 使用可能な Oracle データベースのサービスを確認します。

~XDB とあるのは XML DB のサービスですので、ここでは無視します。

サンプルでは以下の行を確認します。 Service "ora10g" has 1 instance(s).

Instance "ora10g", status READY, has 1 handler(s) for this service...

上段がサービス名、下段が SID をそれそれ表します。つまり、各値は以下

のようになります。

サンプルでの項目と値の例

項目 値

サービス名 ora10g

SID ora10g

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※ 以下のようにサービス名と SID が異なる場合もありますので、注意が必

要です。(以下は日本語でのメッセージ例) サービス"ora10gr1.mydomain.com"には、2件のインスタンスがあります。

インスタンス"ora10gr1"、状態 UNKNOWN には、このサービスに対する 1件のハンドラ

があります...

インスタンス"ora10gr1"、状態 READY には、このサービスに対する 1件のハンドラが

あります...

注意:データベースインスタンスが複数ある場合、サービスのエントリ

は複数あることになります。したがって、どのサービスが対象のデータ

ベースであるか分からない時は、データベース管理者に確認する必要が

あります。

ODBC ドライバと接続の設定

1. Oracle ODBC ドライバがインストールされていることを確認します。

Oracle Universal Installer もしくは「ODBC データソースアドミニストレー

タ」から確認できます。

通常、Oracle Client のインストールされている環境ではインストールされ

ていますが、されていない場合は、

Oracle Database Server/Client のメディア ・

・ Oracle Data Access Software for Windows (OTN-J よりダウンロード可能)

などから「Oracle ODBC Driver」をインストールします。

Universal Installer:ODBC ドライバの確認

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2. Oracle ODBC データソースを登録します。

登録は以下のような手順で行います。

① Windows の [スタート] → [設定] → [コントロールパネル] →

[管理ツール] より、「データソース(ODBC)」を起動します。

「ODBC データソースアドミニストレータ」というタイトルのアプ

リケーションが起動します。

② 「User DSN」タブで「追加」をクリックします。

③ 「データソースの新規作成」画面が表示されます。

リストの中から「Oracle in <Oracle_HOME 名>」のドライバを選択

して「完了」をクリックします。

④ 「Oracle ODBC ドライバ構成」画面が表示されます。

下記の項目を入力し、「OK」をクリックして作成します。

また、「TNS サービス名」は「Oracle Net 構成」の項で設定してあ

れば、選択可能なサービス名がプルダウンから選択できます。

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項目 値

データソース 任意のデータソース名

TNS サービス名 OracleNet 構成で設定したサービス名

ユーザ ID データベース・ユーザ名

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