世界のnvdaコミュニティとnvda日本語版の最新情報
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世界における NVDA の開発者、ユーザー、支援する企業や 団体などの状況、最近の NVDA の改良点と日本語対応、 日本語チームの体制と今後の課題などをお話します。TRANSCRIPT
世界のNVDAコミュニティとNVDA日本語版の最新情報
NVDA日本語チーム
西本卓也
NVDAワールド2013横浜 Session 1
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挙手してください
• NVDAを使っている?
– NVDA日本語版 2013.1.1jp
• Windowsを使っている?
– Windows 8, 7, Vista, XP
– Windows 8 タッチ対応
– ラップトップ、デスクトップ
• スマートフォンやタブレットを使っている?
– iPhone, iPad, Android
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環境の変化
• マンモスの絶滅
• タブレットは2013年にポータブルPCを、2015年にはPC全体を上回ると予想– http://news.mynavi.jp/news/2013/05/29/111/index.html
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新しい常識
• すべてのディスプレイはタッチになる
• OSは毎年バージョンアップする
• 審査されたアプリだけをインストールできる
• スクリーンリーダーはOS標準機能
• 音声合成と音声認識もOS標準機能
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高速リリースサイクル
• Mozilla Firefox は6週間ごとにリリース– Web ブラウザは、他のアプリケーションと異なり、
Web という「生き物」を相手にしています。HTML5 や CSS3 など新たな標準技術が次々に考案され、ソーシャルメディアなどのトレンドも目まぐるしく変わっています。Web の進化するスピードが速くなっているので、これまでのように半年から 1 年周期のアップデートでは間に合わなくなっているのです。
– http://www.mozilla.jp/firefox/preview/faq/
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NVDAのリリースサイクル
• Generally, final releases will be due on the closest feasible business day to 22 February,22 May, 22 August and 22 November.– http://community.nvda-project.org/wiki/ReleaseProcess
• 1年に4回(3か月ごとに)バージョンアップ
–日々バグ修正や改良を続ける
– リリース予定日が来たらリリースする
• フルタイムの開発者が1年中開発を続ける
6
Jamie & Mick
7
NVDA Project: James Teh, Michael Curran
NVDA Workshop in Japan (2012年9月)
ユニバーサルデザイン
• 米国リハビリテーション法508条改正
–障害者が連邦政府機関を訴えてよいという話
• 正しい役割分担
– OS(誰でも使える)
–アプリケーション(誰でも使える)
– コンテンツ(誰でも使える)
–スクリーンリーダー
–使う人の技能
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ユニバーサルなスクリーンリーダー
• スクリーンリーダーの役割を広げすぎない– OS、アプリ、コンテンツも責任を果たすべき
–ポータブル版(ビデオドライバ不要)
• 他のソフトの欠陥を繕わない– OSのバグはOSベンダーが直すべき
–アプリのバグはアプリ開発者が直すべき
• 標準規格への対応(泥臭くない高機能)
• 全世界の言語に一つのソフトで対応–言語ごとに機能を切り替えたりしない
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NVDAの歴史
• 2006年4月28日最初のリリース
• 2007年1月
– Mozillaから支援:Firefoxウェブブラウザ対応
–世界から開発者が参加し始める
–助成金や寄付金による非営利活動
• 2011年1月ユーザーに募金を呼びかけ
• 2012年~世界の当事者団体の資金援助
–途上国支援、東アジア言語、PowerPoint
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NVDAの存在意義
• NV Access Limited (オーストラリア)
– NVDA を開発する非営利組織
–晴眼者と同じコストでコンピューターを利用したい
–政府や福祉団体だけが責任を負うべきでない
• 晴眼者の開発者や指導者による利用
–合理的配慮の根拠
–日本でもWebアクセシビリティJISの裏付けとして
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オープンソースソフトウェア
• 誰でも利用してよい
• 誰でも再配布してよい
• 本当は無料で配布しなくてもよい
• GPL: ソースコード(素材)を隠すことが禁止
–誰でも「NVDA○○版」を作ってよい
• 部品化・再利用=技術が「不死身」になる
– Linux Orca - NVDA - Android Talkback
–イノベーションの源泉
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NVDA日本語版の開発
• 2013.1jp でひとまず完成
–音声合成、日本語文字入力、点字出力
• 本家版から半自動で日本語版ソース生成
–バージョン管理ツールを活用
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NVDA日本語版の課題
• 日本語独自拡張の本家版への統合– 1年に8回リリースするか、4回にするか
–技術的・政治的な困難
–技術が「不死身」になるために必要• 音声合成 espeak
• 点訳 liblouis
• 本家版で日本語関連バグ修正が始まる–バグを再現してもらうのに苦労した日々
–機能の追加はこれから
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NVDA日本語チームの活動
• NVDA本家版の日本語翻訳
• NVDA日本語独自版の開発
–電子署名(本当は1年に約6万円)
• 本家開発者へのバグ報告や要望
• コミュニティアドオンの翻訳
• 独自アドオンの開発
• イベント開催
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NVDA日本語チームの実態
• メーリングリスト:42人
• 実作業:1人~2人
–楽しいから
–勉強になるから
–失敗すると心が折れることも
• Skype会議:毎週10人前後
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課題
• 幅広い当事者の意見が反映されるべき
–意思決定と実作業の分離?
– Nothing About Us Without Us
• 任意団体としての体制の整備
–事業計画、事業報告
–予算案、会計の承認
–人事、規約
• 世界のNVDAコミュニティへの貢献
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NVDAの未来
• Windowsの未来: 8.2, 8.3, 8.4 (?)
–ナレーターしか使えなくなる?
–ナレーターさえあればいいという時代が来る?
–でも XP, Vista, 7, 8もすぐにはなくならない
• きっとNVDAは永遠ではない
• でもNVDAが築く技術の資産は永遠
• NVDAの未来を決めるのはユーザーの皆様
–技術者としてその未来を見届けたい
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