意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...design examiner...

12
意匠審査官採用案内 2019 経済産業省 特許庁 意匠審査官の採用について 経済産業省 特許庁 審査第一部 意匠課 企画調査班(採用担当) 東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー20TEL03-3581-1101(内線2907E-mail[email protected] http://www.jpo.go.jp/shoukai/saiyou/isyou_sinsakan.htm 発行:20192

Upload: others

Post on 12-Aug-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

意匠審査官採用案内2019経済産業省 特許庁

意匠審査官の採用について経済産業省 特許庁審査第一部 意匠課 企画調査班(採用担当)東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー20階TEL:03-3581-1101(内線2907)E-mail:[email protected]://www.jpo.go.jp/shoukai/saiyou/isyou_sinsakan.htm

発行:2019年2月

Page 2: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

時代と共に発展するデザイン18世紀後半に欧州ではじまった産業革

命は、モノの生産システムを手工業から機械工業へと変え、人々の生活を変革させる工業製品が量産されるようになりました。しかし、それらは、手仕事によって生み出されてきた従来のモノのように、必ずしも人々の生活に馴染む洗練されたものではありませんでした。こうした背景の下、機械化によってモノから失われた質や人間性を回復させ、新しい産業と生活との調和をもたらす営みとして近代的なデザインの概念が生まれたのです。一方、米国では、20世紀初頭になると、

著しい経済発展と共に世界に先駆けて大量生産・大量消費の時代が到来。人々は市場においてデザインの優劣が製品の売

上げを大きく左右することに気づき始めます。生産性に配慮しつつも、人々の多様なニーズに適合するようデザインされた製品が市場を席巻するようになっていったのです。こうした欧米の動きを追随してきた日

本においても、20世紀中盤になると、デザインが産業界の中で本格的に導入され始めます。高度な技術に裏打ちされ、日本的な美意識の元にデザインされた高品質な自動車や家電製品などは、海外においても「メイド・イン・ジャパン」として評価され、高度経済成長を牽引していきました。そして現代。人々の価値観が多様化し、

高度情報化社会や高齢化社会への対応、持続可能な社会の実現など、新たな社会

的課題が顕在化する中で、我々の身の回りの製品には、より豊かな生活の実現、経済の発展、あるいは社会的課題の解決のためのイノベーションが絶えず求められています。デザインは、既存技術を基にユーザーや環境の視点から製品に新たなカタチを与えるばかりでなく、理想的なカタチを提示することで、新たなイノベーションを牽引する手段ともなります。今まさにデザインにはイノベーションの原動力となることが期待されているのです。

時代と共に発展するデザイン。デザイン、ビジネス、イノベーション を支える意匠審査官。

デザイン、ビジネス、イノベーションを支える意匠審査官デザインという知的な創作活動は、

様々な知的財産を生み出します。この知的財産のうち、モノのカタチとしてのデザイン、すなわち「意匠」は、美しさ、使いやすさ、作りやすさなど、製品自体に魅力や利点をもたらすだけでなく、ブランドイメージをも形成し得るため、企

業の競争力、経営資源となる重要なものです。この「意匠」を、意匠法という法律に

従って公的に保護する仕組みが意匠制度です。意匠を保護するには、その意匠を特許庁に出願し、審査を経て登録を受ける必要がありますが、ここで、意匠の独占権である「意匠権」の付与という重要な役割を担う国家公務員が特許庁の「意

匠審査官」なのです。また、意匠審査官の役割は、審査だけ

に限りません。意匠に関する施策の企画立案、制度設計、国際業務、調査研究など、意匠制度を取り巻く多様な業務を通じてデザイン、ビジネス、イノベーションを支え、産業の発達に寄与しているのです。

経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

0201

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

携帯用表示器付き電子計算機(平成2年)意匠登録第910949号

織物縞(明治22年)意匠登録第1号

電話器(大正15年)意匠登録第31726号

渦巻線香(大正3年)意匠登録第10466号

タイプライター(昭和18年)意匠登録第88222号

電気炊飯器(昭和31年)意匠登録第121606号

ラジオ受信機(昭和33年)意匠登録第144811号

紙箱(昭和27年)意匠登録第100537号

自動車(昭和33年)意匠登録第136782号

電子計算機(昭和41年)意匠登録第264735号

腰掛(昭和31年)意匠登録第123839号

テレビ受像機(昭和32年)意匠登録第130707号

いす(昭和48年)意匠登録第372684号

テーププレーヤー(昭和59年)意匠登録第628435号

ラジオ受信機付テープレコーダー(昭和48年)意匠登録第362394号

運動ぐつ(昭和44年)意匠登録第281879号

乗用自動車(昭和47年)意匠登録第394194号

デジタルカメラ(平成13年)意匠登録第1169581号

携帯無線電話機(平成4年)意匠登録第945569号

携帯電話機(平成12年)意匠登録第1119715号

自立歩行ロボットおもちゃ(平成11年)意匠登録第1076843号

乗用自動車(平成14年)意匠登録第1192409号

電気バイオリン(平成9年)意匠登録第1009182号

衣類乾燥機付電気洗濯機(平成15年)意匠登録第1182557号

携帯情報端末(平成21年)意匠登録第1356982号

乗用自動車(平成27年)意匠登録第1521541号

産業用ロボット(平成26年)意匠登録第1507942号

電動四輪車(平成27年)意匠登録1523614号

ヘッドマウントディスプレイ(平成27年)意匠登録第1535694号

裁縫機のフレーム(昭和7年)意匠登録第57766号

ラジオ受信機(昭和5年)意匠登録第49313号

三輪自動車(昭和15年)意匠登録第84989号

電子オルガン(昭和60年)意匠登録第655936号

カメラ(昭和56年)意匠登録第548348号類似第2号

腕時計本体(昭和57年)意匠登録第473703号類似第6号

乗用自動車(昭和43年)意匠登録第289039号

耕耘機(昭和44年)意匠登録第306118号

写真機(昭和36年)意匠登録第171548号

キッチンユニット(昭和52年)意匠登録第448598号

組立家屋(昭和52年)意匠登録第447569号

包装容器(昭和54年)意匠登録第500401号

デジタルオーディオディスクプレーヤー(平成5年)意匠登録第934409号

包装用瓶(平成23年)意匠登録1411571号

ロボット(平成9年)意匠登録第1019892号

ゲーム機用操作器(平成6年)意匠登録第952253号

言語処理機(昭和57年)意匠登録第595849号

テープレコーダー(昭和36年)意匠登録第170954号

パズルおもちゃ(昭和57年)意匠登録第573929号

電気掃除機本体(平成14年)意匠登録第1172270号

はさみ(平成14年)意匠登録第1179308号

ビデオテープレコーダー付テレビカメラ(昭和61年)意匠登録第702414号

専売特許所大手町庁舎(1885年当時)

商工省特許局三年町庁舎(1934年完成)

現在の特許庁庁舎(1989年完成)

デジタルカメラ(平成26年)意匠登録第1508620号

Page 3: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

初代特許庁長官 高橋 是清

目 次

P.01 イントロダクションP.03 特許庁の役割と組織P.05 知的創造活動を支援する産業財産権制度P.07 意匠制度の概要P.09 意匠審査官の業務 ①審査官、審判官としてP.10 意匠審査官の業務 ②行政官としてP.11 入庁後のキャリアパスP.12 充実した研修制度P.13 業務紹介とメッセージP.18 意匠審査官の一週間P.19 若手座談会:意匠審査官はどんな仕事?P.21 採用情報P.22 特許庁へのアクセス

特許庁の役割と組織

特許庁は、長官、特許技監、総務部、審査業務部、審査第一部、審査第二部、審査第三部、審査第四部、審判部から組織され、①産業財産権の適切な付与、②産業財産権施策の企画立案、③国際的な制度調和と途上国協力の推進、④産業財産権制度の見直し、⑤中小企業・大学等に対する支援、⑥産業財産権情報提供の拡充等、我が国産業の発展に向けた取組を積極的に進めています。

特許庁の役割と組織

●:審査・審判業務を中心に行う部署◎:審査・審判周辺業務その他の業務を行う部署

長官

特許技監

総務部 ◎秘書課◎総務課◎会計課◎企画調査課◎普及支援課◎国際政策課◎国際協力課

審査業務部 ◎審査業務課◎出願課◎商標課●商標審査部門

審査第一部

審査第三部 ●特許審査部門(主に化学関係)

審査第四部 ●特許審査部門(主に電気、通信、情報関係)

審判部 ◎審判課●意匠審判部門(第34部門)

審査第二部 ●特許審査部門(主に機械関係)

◎調整課●特許審査部門(主に物理、光学、社会基盤関係)

◎意匠課●意匠審査部門

‐ 情報・交通意匠‐ 環境・基盤意匠‐ 生活・流通意匠

経済産業省

特許庁

特許庁 霞が関本庁舎

目次

経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

0403

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

Page 4: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

知的財産権と産業財産権知的財産権とは、人間の幅広い知的創

造活動によって生み出されたものを、財産として一定の期間保護する権利です。そのうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つを総称して、産業財産権といいます。産業財産権に含まれない知的財産権には、例えば著作権があります。

産業財産権制度の目的産業財産権制度は、公益的観点から権

利者と第三者それぞれの利益のバランスを考慮し、産業の発達に寄与することを

目的としています。権利者から見ると、創作された技術

(特許・実用新案)、デザイン(意匠)、名称やマーク(商標)について独占権を与え、模倣防止のために保護することによって、新たな創作意欲や研究開発を促進したり、取引上の信用を維持したりすることで、産業の発達を促します。第三者から見ると、特許庁に出願され

た特許情報や登録意匠の情報等を公開することによって、他人と重複した研究や開発の無駄を省いたり、新しい創作のヒントを与えたりすることで、産業の発達

を促します。その一方で、権利者は独占権を得た内

容を開示する義務を負い、また、第三者は他人が得た独占権を尊重する義務を負います。産業財産権制度は、権利者と第三者そ

れぞれが、互いに権利を得つつも義務を負うことで、産業の発達に寄与しています。

主な知的財産権 知的財産の複合的保護の例

知的創造活動を支援する産業財産権制度

産業財産権と知的創造サイクル産業財産権制度は、①研究開発(創

造)された優れた成果を保護(権利化)し、②産業財産権の活用等によって収益を生み出し、③そして再び新しい研究開発に役立てるという、知的創造サイクルの原動力となっています。

産業財産権の活用形態権利者は、取得した産業財産権を独占

的に活用することができます。活用形態には以下があります。

(1)自己実施権利者自らが、独占的に実施すること

により、自社製品の製造販売等を有利に行えます。(2)許諾(ライセンス)取得した権利は、他人に許諾(ライセ

ンス)して、その対価を得ることができます。(3)移転(譲渡・担保)財産権として、権利自体を移転(譲

渡・担保化)することができます。

知的財産の複合的保護一つの製品に関して、技術的アイデア

は特許権、外観のデザインについては意匠権、商品名やロゴ、マークについては商標権を取得するなど、複数の知的財産権により複合的な保護を図ること(いわゆる「知的財産権ミックス」)で、様々な模倣に対抗することができるようになり、ひいてはブランドの形成、企業の競争力の強化に寄与することができます。

知的創造サイクル

知的創造活動を支援する産業財産権制度

知的創造活動を支援する産業財産権制度

経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

0605

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

産業財産権

知的財産権

意匠権(意匠法)

●考案(技術的アイデアのうち、物品の形状、構造等に関するもの)を保護●出願から最長10年の保護●例:ベルトに取付け可能なスマートフォンカバー形状に関する考案

●意匠(物品の形状、模様、色彩)を保護●登録から最長20年の保護●例:美しく使いやすい電話機の形状

●商標(商品やサービスを他者と区別するための名称やマーク)を保護●登録から10年(更新可)の保護●例:電話機メーカーが他者製品と区別するために表示するマーク

●著作物(思想、感情の創作的な表現)を保護●作者の死後70年(映画は公表後70年)の保護

実用新案権(実用新案法)

商標権(商標法)

著作権(著作権法)

特許権(特許法)

●発明(技術的アイデアのうち、高度なもの)を保護●出願から最長20年の保護●例:通信の高速化、携帯電話の通信方式に関する発明

パーソナルモビリティ「WHILL Model A」※WHILL株式会社より画像提供

特許権

商標権

意匠権操作装置および電動モビリティ特許第5763231号 電動四輪車

意匠登録第1523614号

商標登録第5537186号

座席に着席した状態で操作者の側方に配置されるハンドルに設けられた操作装置に手を載置した状態で、走行速度と操舵方法とをそれぞれ適切に操作することが可能な電動モビリティ

Page 5: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

意匠権で保護された身の回りの製品デザインの例

出願から登録までの流れ意匠制度とは魅力的なデザインは、市場での競争力

を高める一方で、模倣の対象になり得ます。意匠制度は、新しく創作された意匠を創作者の財産と位置付け、その保護と利用のルールについて定めることにより、意匠の創作を奨励し、産業の発達に寄与することを目的としています。

意匠法の保護対象携帯情報端末、包装用瓶から電気洗濯

機、指輪、椅子、乗用自動車、即席麺に至るまで、あらゆる製品のデザインが「意匠」として意匠権で保護されています。意匠法の保護対象となる「意匠」とは、

物品の形状、模様、色彩やこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものです。意匠制度ユーザーの要望や技術の進展に伴い、現在では物品の「部分」のデザインや、機器の操作画像のデ

ザインなども「意匠」に含まれます。

意匠の登録制度意匠権による保護を受けるためには、

保護を受けようとする意匠について、特許庁に意匠登録出願をし、意匠登録を受けなければなりません。出願をする場合、願書にその意匠を表す図面または写真などを添付して特許庁に出願する必要があります。意匠審査官は意匠登録出願を審査し、

意匠権を与えるか否かを判断しますが、この判断にあたっては、主に次の要件が重要になります。

(1)新規性(今までにない新しい意匠であるか)出願前に、出願された意匠と同一又は

類似の意匠が国内外で公然知られていないこと。

(2)創作性(容易に創作をすることができたものでないか)その意匠の分野について通常の知識を

有する者が容易に創作することができた意匠ではないこと。

意匠登録の効果意匠審査官による審査の結果、「登録

査定」を受けると、出願人が所定の手続きを行うことにより、意匠権の設定の登録がなされ、その登録内容を周知するための意匠公報が発行されます。この意匠権は、意匠登録を受けた意匠

(登録意匠)と同一又はこれに類似する意匠にまで効力が及び、その権利を有する者(意匠権者)は、類似する意匠をも含めた登録意匠をビジネスにおいて実施(製品の製造、使用、輸出入など)をする権利を専有することができます。意匠権の存続期間は、意匠権の設定の

登録の日から最長20年間です。

意匠権に期待される効果の例

意匠制度の概要

意匠制度の概要

意匠制度の概要

経済産業省特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

0807

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

Page 6: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

審査官の業務審査官の主な業務は、もちろん意匠審査です。意匠審査では、

一人ひとりの審査官が、複数の物品分野の審査を担当しています。審査官は、担当する物品分野の業界や、製品のデザイン・技術等に対する理解を深めるために、製品開発を行う企業のデザイナーや技術者、知財担当者と意見交換したり、展示会に参加したりするなど、日頃から情報収集を積極的に行います。

意匠審査の流れ①意匠の理解願書と願書に添付された図面を読み込み、物品の用途や機能、

物品全体の形態、各部の形態を正確に把握し、先行意匠調査を行う範囲を決定します。②先行意匠調査約1,000万件の意匠情報が蓄積されている「意匠検索システ

ム」を用いて、過去の意匠登録出願、国内外の意匠公報、国内外のカタログ・雑誌、ウェブサイトを対象として、検討の際に参考となる先行意匠を調査します。また、必要に応じて、公開特許公報や登録実用新案公報なども調査します。③新規性・創作性等の検討出願された意匠と、先行意匠とを比較するなどして、出願さ

れた意匠が、今までにない新しい意匠であるか(新規性)、容易に創作をすることができたものでないか(創作性)など、意匠法により定められた観点に照らして検討します。④判断(登録/拒絶)出願された意匠が拒絶の理由に該当しないと判断した場合は

「登録査定」を行い、拒絶の理由があると判断した場合は「拒絶理由通知」を行います。(拒絶の理由が解消しない場合、「拒絶査定」を行います。)審査結果は書面により出願人に通知するため、平易な表現で要点が的確に伝わるように記載することが必要です。審査官補は、すべての案件について指導審査官と協議を行い、作成した文書の内容についてチェックを受けます。

審判官の業務拒絶査定に不服がある場合、出願人は審判請求を行うことが

できます。「拒絶査定不服審判」では、審判官の合議体が、判断をするための調査を行った上で、審査官による拒絶査定が妥当であったか否かを審理し、審決を行います。また、本来、権利にはならない意匠に対して意匠権が与えら

れた場合、その意匠権を無効とし、初めからなかったものとする手段として、「無効審判」の制度があります。無効審判では、審判廷で審判請求人と意匠権者が直接主張や立証、反論を行い、審判官の合議体が、その意匠権が無効であるか否かを審理し、審決を行います。

行政官の業務行政官の業務には、意匠に関する施策の企画立案、制度設計、

国際業務、調査研究、普及支援、ITシステム開発などがあり、意匠審査官が活躍する場面は多岐に渡ります。以下に業務の具体例を紹介します。

・施策の企画立案の例模倣品の発生など緊急性を要する場合に、企業が意匠権によ

る早期の対策を図ることができるよう、「早期審査制度」を企画立案、運用しています。また、出願人の出願の意図を正確に理解することで的確な審査を一層推進するため、出願人や代理人と直接対面でコミュニケーションを図りながら審査を行う「出張面接審査」の企画立案を行い、運用しています。

・制度設計の例外部有識者から構成される審議会の答申で示された方向性な

どを踏まえ、意匠法の改正を行います。また、有識者や産業界の意見を踏まえながら、特許庁の意匠審査の指針を示した意匠審査基準の改訂を行います。

・国際業務の例意匠分野の国際協力のため、「意匠五庁(ID5)会合」をは

じめとする様々な国際会議へ出席し、世界の知的財産庁の意匠責任者・担当者と議論をします。また、新興国の知的財産庁に赴いて審査実務の講義を行ったり、新興国の知的財産庁の意匠審査官を研修生として日本国内に受け入れたりすることにより、新興国に対する人材育成等の支援を行います。

・調査研究の例特許庁の意匠に関する施策の企画立案や意匠審査業務のため

の基礎資料、また、日本企業が意匠出願戦略を策定するための基礎資料としての利用を目的とし、国際的な意匠動向やデザイン分野別の意匠動向を定量的・定性的に把握する「意匠出願動向調査」などを行います。

・普及支援の例意匠法の改正や意匠審査基準の改訂の具体的なポイントを意

匠制度ユーザーに伝えるために、全国主要都市で「意匠制度の改正に関する説明会」を開催します。

・ITシステム開発の例意匠審査官が先行意匠調査を行う際に利用する「意匠検索シ

ステム」の開発・改善などを行います。

①意匠の理解

②先行意匠調査

③新規性・創作性等の検討

デザイナー向けの説明会

意匠審査官の業務

意匠審査官の業務

意匠審査官の業務 ①審査官、審判官として 意匠審査官の業務 ②行政官として

行政官としての業務の例審査官としての業務の例

④判断(登録/拒絶)

経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

1009

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

意匠五庁(ID5)会合

産業競争力とデザインを考える研究会

意匠出願動向調査

Page 7: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

採用後は、学業等の経験に応じ、2~4年間の審査官補の期間を経て、審査官に昇任します。審査官昇任後は、審査官として意匠の審査業務に従事するほか、行政官として意匠に関する施策の企画立案、制度設計、国際業務、調査研究、普及支援、ITシステム開発などに携わる機会があります。また、経済産業省や独立行政法人などへ出向する機会もあります。審査・審判と行政の両方の経験を十分積んだ後は、意匠審査・審判を統括するマネージャーや意匠行政の中核を担うリーダーとしての活躍が期待されます。

意匠審査官には、デザインだけでなく、法律に関する高度な知識も求められます。そのため、入庁から審査官に昇任するまでの審査官補の期間には、法律や審査実務の知識を学ぶための研修や指導審査官による実務指導などの体系的な育成プログラムが用意されています。これにより、審査官に求められる基礎知識を習得することができます。また、審査官として更なるスキルアッ

プに対応した研修メニューも充実しています。主な研修の内容は以下のとおりです。

審査官補コース研修入庁後の約3か月間をかけて、法令・

条約、審査実務の初歩的な知識を修得します。この研修を修了すると、審査官補に任用されます。

審査官コース研修(前期・後期)審査官補の期間に、法令・条約、審査

実務の専門知識を前期(約2か月間)・後期(約1か月間)の2回に分けて習得します。この研修を修了すると、審査官に昇任します。

審判官コース研修審査官として実務経験を積んだ後、約

3か月間かけて、審判実務の専門知識を習得します。この研修を修了すると、審判官に昇任する機会が得られます。

語学研修語学学校に通学するなどして、英語、

ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語などを修得します。

法律研修法律専門家による講演、大学法学部へ

の派遣聴講により、産業財産権法やその周辺の様々な法律の知識を習得します。

技術研修デザイナーによる講演、見本市への派

遣参加により、最新の製品やデザインに関する知識を習得します。

留学制度海外の大学に留学し、先端のデザイン

に関する研究を行います。

P.14

入庁後の主な研修制度

入 庁

キャリアパスのイメージ

入庁後のキャリアパス

充実した研修制度

充実した研修制度

係長等

課長補佐

管理職(課室長等)

行政官として

審査官・審判官として

経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

1211

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

入庁後のキャリアパス

審査官補

管理職(審査長、審判長等)

審判官

審査官

P.18

審査官補コース研修

審査官コース研修

(前期)

審査官コース研修

(後期)

指導審査官による実務指導(OJT)

語学研修

法律研修

技術研修

審査官に昇任

審査官補に任用(7月)

庁(4月)

2~4年間

P.15

P.13

P.14

P.16

P.18

英国留学中の意匠審査官

Page 8: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

産業競争力強化を支援する意匠審査官意欲的でチャレンジ精神のある皆さんに期待

情報・交通意匠上席審査長

KIMURA, Kyoko木村 恭子<主な経歴>1988年 特許庁入庁1992年 審査官1994年 英国留学1998年 通商産業省 生活産業局

文化関連産業課 課長補佐1999年 /繊維課 課長補佐2001年 審判部 審判官

/審判課 課長補佐2002年 意匠課 意匠審査基準室2006年 主任上席審査官2007年 意匠課 意匠制度企画室長

/上席総括審査官2011年 審査長2016年 現職

産業競争力強化を支援する意匠審査官■ 18世紀に英国で起こった産業革命が、紡績・織物を中心とする軽工業から蒸気機関を用いた動力機器を中心とする重工業へと拡大したのと同様に、我が国の近代産業も、繊維産業等の軽工業から始まりました。意匠制度を含む我が国の産業財産権制度は、近代産業の黎明期である明治時代に相次いで導入されましたが、意匠登録第1号は織物地の意匠であるなど、当時の国内産業の動向を反映したものとなっています。そして、意匠制度はその制定以来、人

間の創造活動によって生み出されたデザインを適正に権利化する道筋を作り、創作者の保護、効果的な模倣排除、企業間の適正な競業秩序の維持を実現しながら、産業の発展と共に歩んできました。

■ さて、イノベーションとは、社会の見えないニーズを察知し、新しい価値に結び付けて提供することで、社会に改革をもたらすことを指すといわれています。革新的な技術を開発するだけでイノベーションが起きるのではなく、利用者視点でニーズを見極め、新しい価値に結び付けることが、広い意味での「デザイン」

そのものだともいわれます。デザインすることによって出来上がっ

た成果を、目に見えるカタチとして保護していくのが意匠制度であり、そのカタチから創作の主眼を読み解き、適切に判断することにより、「世界最速、最高品質」の意匠権を設定していくのが意匠審査官、審判官の役割になります。

■ 現在、AIやIoTなどの新しい技術が急速に普及し、第4次産業革命という大きな変革期を迎えています。あらゆる製品やサービスがインターネットにつながる時代、新技術の特性を活かした新たな製品やサービスのために創作されたデザインを適切に保護できるような制度の整備も進んでいます。意匠制度は、企業の産業競争力強化を絶えず支援し、意匠審査官、審判官もまた、社会の要請に応えられるよう、持続的な経済発展を知財の側面から支援していきます。

意欲的でチャレンジ精神のある皆さんに期待意匠審査官は、意匠法に基づき、客観

的で公正な判断を行う仕事です。「デザイン」とは、どちらかというとコトバで

表すのが難しいものですが、審査結果を書面で出願人に通知する際、法律や幅広い分野の知識から、カタチとして表された創作をいかに論理的で納得感のあるコトバで説明できるかが重要となる、やりがいのある仕事です。入庁後の業務内容も多岐にわたります。

意匠審査官というスペシャリストの仕事だけでなく、意匠制度に関する企画立案、審査運用の改善、審査を支えるシステム開発、国際機関や各国官庁とのグローバルな協力、意匠制度の普及支援や情報提供等、多くの活躍の機会があります。また、ワークライフバランスを大切に

し、職員相互尊重の⼟壌のある働きやすい職場環境であり、一生を通じて社会貢献ができるやりがいのある有意義な仕事です。意欲的でチャレンジ精神のある皆さん

と一緒に仕事ができることを期待しています。

業務紹介とメッセージ

業務紹介とメッセージ

経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

1413

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

業務紹介とメッセージ

生活・流通意匠審査官

YAMANAGA, Shigeru山永 滋<主な経歴>2005年 特許庁入庁2009年 審査官2009年 意匠課 意匠審査基準室/意匠制度企画室2010年 意匠課 企画調査班 企画調査係長2012年 総務部 普及支援課 調査班 意匠計画係長2013年 総務部 普及支援課 地域調整班

地域業務第四係長2015年 意匠課 意匠審査基準室 課長補佐2016年 現職

意匠審査を通じて社会に貢献大学生の頃に魅力的に感じるデザイン

といえば、デザイナーによるクリエイティブな作品や洗練された美的な製品が多いかもしれません。いわゆる、見て美しく、デザイン(外観)そのものが製品の主要な価値となり得るものです。もちろん、それらはデザインの先鋭的

な一側面であって、その価値は大きなものですが、意匠審査を経験すると、そうしたデザインだけが社会を構成しているわけではないことを知ることができます。朝、扉を開けるドアノブ、自転車のペ

ダル、駅の改札機の傾斜角度、エレベータの階数表示画面、廊下の壁面パネル、椅子のキャスター、キーボードのキー形状、多種多様なものごとが、誰かの創意工夫により計画され、設計されていることに気がつくことができます。意匠審査官は、そうした「誰かの創意

工夫」を知ることができる仕事です。そして、それらの出願人の方々が、その創作を保護したい、それにより自らのビジネスを発展させたいとの思いを、意匠権の付与という業務を通じて支えることのできる仕事です。

業務を通じて、社会を広く知ることができ、また、審査判断を行うという責任を果たすこともできます。非常に奥行きのある、発見とやりがいのある仕事であると思っています。また、2015年5月13日から我が国は

ハーグ協定に基づく意匠の国際登録制度を利用できるようになったため、従来の国内出願に加えて、国際意匠登録出願の審査も行っています。私が審査を担当しているバッグや装身

具の分野では、海外の有名ブランドからの多くの国際意匠登録出願があります。また、より手軽に出願ができるようになったことから、いままで日本に出願していなかったブランドや、これまで出願の少なかったトルコや北欧等の国からの出願を目にする機会が増えました。これまでとは異なる国際的なデザイン

傾向を見て取ることができたり、国際的な意匠制度を学ぶことであったり、国内出願の審査とはまた異なる面白さのある業務です。

審査には日々発見がある見学にいらした学生の方とお話しして

いると、「意匠審査の面白いところは何ですか」と問われることがあります。こうした質問を受けると、あらためて何だろうかと考えるのですが、一つは、様々な新しい創作や製品を知ることができて、「日々、発見ができる仕事である」ということ、さらにもう一つ言えば、そうした意匠を審査し権利化のお手伝いをすることで、(月並みな表現ですが)「世の中のために仕事ができる」という点ではないかと思います。出張先で実際の製造現場を見せていた

だけることや、展示会や研修の場でメーカーやデザイナーの方のお話を聞くこと、各種法令や意匠制度、語学等に関する研修を受講できるなど、審査や関連業務を通じて、貴重な機会を得られる仕事だと思います。

意匠審査を通じて社会に貢献審査には日々発見がある

Page 9: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

意匠課課長補佐(企画調査班長)

YOSHIDA, Hideo吉田 英生<主な経歴>2003年 特許庁入庁2006年 審査官2006年 米国ペンシルバニア州立大学 客員研究員2007年 意匠課2008年 審査業務部 統合運営基盤企画室2009年 総務部 情報システム室2011年 意匠課 意匠制度企画室2013年 世界知的所有権機関(WIPO)

ハーグ登録部 アソシエートオフィサー2016年 総務部 国際協力課 課長補佐

(意匠政策班長)2018年 現職

国際機関での経験で得た新たな視点入庁してから今日まで、意匠審査官と

して、また行政官として経験した様々な仕事の中で、特に思い出深いのが、「ハーグ協定」という、意匠の国際登録に関する条約への加盟に向けた一連の仕事です。この仕事では、まずは特許庁で約2年間、協定加盟にあたっての課題の検討に関する調査研究や、課題解決に向けた世界知的所有権機関(WIPO)との調整に従事しました。その後は、スイス・ジュネーブにあるWIPOに出向し、3年間勤務しました。 WIPOでは、それまでの特許庁での経験を活かし、ハーグ協定の規則等の改正案の検討や国際会議用資料の準備、ユーザー向けのガイドラインの作成、新興国や途上国に対する法的助言やハーグ協定への加盟支援活動の企画・実施といった様々な業務に取り組みました。WIPOでは、いずれの業務も日本のように組織ぐるみでこなすというよりは、スタッフ一人ひとりに託されるため、重責とともに、大きなやりがいをもって遂行することができました。また、私は、日本の意匠審査官としては、初めてのWIPOへの出向者であったため、先

例のないことばかりで、様々な失敗や苦労も経験しましたが、逆に、変に先例に縛られることなく、自由な発想で仕事に取り組むことができました。

WIPOでは特に、国連機関の一職員として、出身国の利益ではなく、常に世界全体の利益を考え、適切なバランス感覚をもって物事を判断することが求められました。そのような経験を通じて、いつしか、自分がそれまで信じて疑わなかった価値観や考え方に疑問を持つようになりました。 WIPOでは、様々な局面で「誰のために」働くのかを問われました。それは、「日本のために、日本国民のために」という、日本の国家公務員としてのそれまでの私の常識に「世界全体のユーザーのために」という新たな視点を与えてくれました。

世界の同僚と意匠制度の未来を築く私たちが生きるこの現代社会は、複雑

多様で、常に目まぐるしく変化しています。そんな中、世界中の意匠関係者と共に、あるべき意匠制度の未来について議論を交わしながら、新規で優れたデザインが保護される世界を構築することがで

きる仕事は、意匠審査官を除いて他にはありません。しかし、そんな意匠審査官自身が、既存の考え方や枠組みに固執してしまっていては、この社会のダイナミックな変化には適切に対応できません。幸いなことに、私はこれまで、国際業務を始め、意匠制度や審査環境の構築に関わる様々な業務を通じて、従前の考え方を客観的に捉えなおすことができる機会に恵まれていた気がします。これは、意匠審査官にとってとても重要なことであり、この仕事の面白さでもあると思います。常に新しいものや社会の変化に高い感

度をもって対応できる柔軟性と好奇心、豊かな創造性を持つ人たちと、同じ意匠審査官としてこれから一緒に仕事ができることを、心から楽しみにしています。

業務紹介とメッセージ

業務紹介とメッセージ

経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

1615

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

意匠課 意匠審査基準室長環境・基盤意匠 上席総括審査官SHIMOMURA, Keiko

下村 圭子<主な経歴>1994年 特許庁入庁1998年 審査官1999年 英国留学2001年 総務部 国際課 地域政策班

地域政策第二係長2002年 意匠課 意匠制度企画室2006年 意匠課 意匠審査基準室2011年 審判部 審判官2012年 意匠課 審査基準室 課長補佐2016年 主任上席審査官2017年 生活・流通意匠 上席総括審査官2018年 現職

適正な審査判断を行うために仕事と育児を両立できる職場環境

適切な審査判断を行うために意匠登録出願の審査は、意匠法などの

法令に基づいて行います。審査には公平で的確な判断が求められますので、特許庁では、審査官による法令の解釈と適用が、適切に効率よく統一的に行われるように、「意匠審査基準」を定めて公表しています。現在、私は、意匠審査基準室に所属し、

この意匠審査基準の管理や改訂、ユーザーの方々への周知などの業務を担当しています。審査基準などというと、何か複雑な印

象を持たれるかもしれませんが、ユーザーと審査官との、まさに直接的な接点となる日々の審査に関して、手続の利便性や、諸外国での運用、様々な裁判例などに照らしながら、最善の法解釈と運用を考える、とても興味深い仕事です。審査基準の改訂を行う際は、ユーザー

の方々をはじめ、法学者の先生や弁護士・弁理士の先生方に、改訂の方向性について検討していただく委員会を開催します。こうした機会を通じて、様々な方々のご意見をお聞きすることや、準備の過程で、基準室の仲間と議論を尽くす

ことは、私にとってとても貴重な勉強と気づきの機会となっています。また、自己の先入観にとらわれないことの大切さや、難しく思われることでも掘り下げていくうちに面白さに変わることがあることなど、日々本当に多くのことを体得させていただいています。

仕事と育児を両立できる職場環境学生時代は、好きなことを好きなだけ

追及できる充実感を感じる一方、もっと幅広い知識や経験を得て、豊かな人間に成長したいという焦りを感じていました。特許庁では、多種多彩な業務を男女分け隔てなく経験することができますし、研修制度も充実していますので、入庁後は、そうした焦りはすぐに一蹴されました。一方、日々の仕事にとてもやりがいを感じていましたので、出産前は、もしも育児をすると責任をもって仕事をすることが難しくなってしまうのではないか、また、仕事をしていると子どもとしっかり向き合えなくなってしまうのではないかと不安でいっぱいでした。しかしながら、特許庁では育児休業や

短時間勤務制度といった制度が充実して

います。こうした制度を男女ともに積極的に活用しており、職場内には、ワークライフバランスを大切にしようという意識が浸透しています。現在、私は、2人の子どもの育児中で

すが、周囲の皆さんの理解もあり、仕事と育児、どちらの時間も一層貴重で大切なものと感じています。

国際機関での経験で得た新たな視点世界の同僚と意匠制度の未来を築く

Page 10: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

経済産業省 商務情報政策局商務・サービスグループクールジャパン政策課デザイン政策室課長補佐・室長補佐

KIKUCHI, Takuya菊地 拓哉<主な経歴>2009年 特許庁入庁2011年 審査官2012年 総務部 企画調査課

意匠動向係長・活用企画係長2014年 意匠課 意匠分類企画係長2016年 意匠課 企画調査係長2018年 現職

業務紹介とメッセージ

意匠審査官の一週間

意匠審査官の一週間

経済産業省特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

1817

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

60周年を迎えたデザイン政策意匠政策のミッションが、意匠の保護

を通じたデザインの奨励だとすれば、デザイン政策のミッションは、デザインの活用促進やデザイン業の活性化を通じたデザインの奨励だと言えるでしょう。政府は、意匠政策とデザイン政策、この両輪でデザインの発展を支えてきました。デザイン政策が本格的に始まったのは、

今から約60年前の1958年のこと。経済産業省の前身である通商産業省がデザイン課を設置して以来、時代に即して組織や施策を変化させながら現在まで続いてきました。初期には、日本企業による欧米製品の

デザイン盗用が国際問題化していたため、「グッドデザイン商品選定(Gマーク)制度」(特許庁が創設し、通商産業省に移管)や輸出品デザイン法の運用などを通じて、輸出貿易の健全な発展を目指していました。その後、高度経済成長を経て、二度の

「デザインイヤー」の開催やGマーク制度の拡充などにより、社会や産業界におけるデザインへの理解が徐々に浸透していくと、盗用防止による輸出振興を中心

とした政策の役割は縮小していきます。しかし、2000年代に入ると、経済のグ

ローバル化やアジア企業の躍進による国際競争の激化などを背景として、より戦略的なデザインの必要性が叫ばれるようになりました。こうした中、経済産業省は、2003年に「デザインはブランド確立への近道【競争力強化に向けた40の提言】」を公表。2007年には、「感性価値創造イニシアティブ」を策定するなど、現在のクールジャパン政策に繋がる流れも形成されていきました。そして、第四次産業革命の只中にある

2018年、経済産業省と特許庁は、「産業競争力とデザインを考える研究会」の報告書として『「デザイン経営」宣言』を策定。デザインを経営の根幹に据え、ブランド構築力とイノベーション力を向上させることによって、企業の競争力を高める「デザイン経営」の必要性が謳われ、大きな反響を呼びました。

特許庁での経験活かし、新たな政策課題に挑む現在、経済産業省のデザイン政策室で

は、クールジャパン政策をはじめ、関連

する省内外の政策との連携も図りながら、デザイン政策を推進しています。例えば、日本の地域資源を国内外のデ

ザイナーのクリエイティブによって、いかに磨き上げ、ビジネスの拡大や地域の活性化に繋げられるか。また、経済のグローバル化や新技術の浸透により、劇的に変化する世界の中で、社会やビジネスの課題を創造的に解決する産業人材はいかに育成可能か。こうした問いに対し、地域へのデザイナー派遣事業や人材育成をテーマとした調査研究事業など、具体的な施策で応えようとしています。現職に着任する以前、特許庁では、意

匠の審査のみならず、調査研究や制度の普及啓発など、多様な業務を経験してきました。そして今、デザインという営みに対する探求心と、これまでの経験を携え、同僚や民間の有識者と協働しながら、新たな政策課題に挑んでいます。この採用案内を読まれている皆さんも

また、自分自身の想い、経験を礎に、意匠政策やデザイン政策を担う意匠審査官の道に挑戦されることを期待しています。

自分が審査を担当する出願の内容を確認。願書と図面の記載から、その物品の形状を理解することはもちろん、需要者目線に立って使用状態についても考えます。確認ができたら、検索システムを使って、先行意匠のサーチを開始します。

庁内で実施する研修に参加。この日は、企業のデザイナーの方から、製品やサービスのデザイン、さらにはデザインを中心に据えた経営手法について、講演していただきます。普段は聞くことのできない貴重なお話は、非常に興味深いものばかりです。

指導審査官と案件協議。サーチ結果から、自分なりに類否判断の方向性をまとめ、審査経験豊かな指導審査官に相談します。判断に悩む時もありますが、審査長も交えてじっくり話し合い、最終的に納得のいく結論を導き出します。

外勤で担当の物品分野の展示会へ。実際に製品を間近で見たり、ブースにいる企業の方から説明を受けたりすることで、その分野のデザイン動向や製品の使用方法を学ぶことができます。質の高い審査を行うためにも、展示会には積極的に足を運んでいます。

いよいよ判断を終えた案件の起案をします。拒絶理由通知を起案する際には、出願人・代理人の方に少しでも納得していただけるよう、判断理由や根拠条文を明確にし、今後の応答方法についても丁寧に記載するように心掛けています。

審査:

審査官補の一週間

他国知財庁の意匠行政・審査担当者との意見交換を実施。日本側の窓口として事前調整や当日の同行等を行います。今までメールや電話でコミュニケーションをとっていた他国の知財庁職員と直接会って意見交換をし、意匠審査制度・実務について相互理解を深めます。

今後予定されている多国間国際フォーラムの会場の下見。ホテル担当者と会場レイアウト等の打ち合わせを行います。一見、地味な仕事ですが、各国の意匠制度・実務を日本のユーザーの皆様に周知する機会としての適切な“場づくり”も重要な仕事のひとつです。

主要国との今後の交流の進め方・対応について、メールや電話を利用して、海外駐在員と調整。世界各国で活躍している職員から、鮮度と信頼性の高い情報を得て、今後の施策立案に役立たせます。終業後は、海外駐在員からのアドバイスがきっかけで始めたフランス語の語学研修。千里の道も一歩から、と感じています。

ユーザー団体と意見交換を行い、国・地域に対するニーズを聴取します。企業等のユーザーの皆様の活動に国境はありませんが、意匠制度や運用は国ごとに異なるため、それらを少しでも調和することができないか、庁内関係者で検討するべく、ユーザーの皆様から頂いた情報や、各国の意匠制度情報を整理します。

スイス・ジュネーブにある世界知的所有権機関(WIPO)で開催される、ハーグ作業部会への出席に向けての最終準備。作業部会では、意匠の国際登録制度であるハーグ制度の法的枠組みの見直しや制度運用の利便性向上に向けて議論を行います。どれだけ準備をしても不安は拭えませんが、ミッション完遂を目指して出発です。

60周年を迎えたデザイン政策特許庁での経験活かし、新たな政策課題に挑む

行政:

係長の一週間

総務部 国際協力課意匠政策係長

TSURUTA, Megumi

鶴田 愛

<主な経歴>2012年 特許庁入庁2016年 審査官2017年 現職

審査第一部情報・交通意匠審査官補

ISHIKAWA, Amano

石川 天乃

<主な経歴>2016年 特許庁入庁2016年 審査第一部 環境・基盤意匠2015年 審査官補2018年 現職

Page 11: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

環境・基盤意匠審査官補KOSONE, Tomonari小曽根 智成2017年入庁

情報・交通意匠審査官補UTSUNOMIYA, Keimei宇都宮 啓明2017年入庁

意匠課 企画調査班意匠分類企画係長ITO, Shoko伊藤 翔子2014年入庁

環境・基盤意匠審査官HASEGAWA, Shohei長谷川 翔平2014年入庁

ここに集まったのは若手の審査官、審査官補の4人。どのようなきっかけで意匠審査官を志望し、入庁してからどのような経験を積み、そして今、何を思うのか。彼ら・彼女らに語ってもらいました。

若手座談会

若手座談会

経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

2019

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

若手座談会:意匠審査官はどんな仕事?

――意匠審査官を志望した動機は何ですか?

宇都宮 学生時代にプロダクトデザインを専攻し、企業との共同研究で製品評価やデザイン開発に携わったことで、企業やデザイナーによって創作されたデザインを客観的に評価し保護する必要性を感じ、デザイン界の発展に貢献したいと思ったことがきっかけでした。

長谷川 大学ではプロダクトデザインを専攻していました。在学中に意匠審査官という職種を知り、国家公務員という公正な立場から大局的な視点でデザインの保護に携わることができるところに魅力を感じ、志望しました。

伊藤 私は大学で機械工学を専攻し、卒業後は地方自治体の技術職に就いていましたが、学生時代に募集ポスターを見て面白そうな仕事だなと思っていた意匠審査官を忘れられずにいました。もともとデザインに関心があり、何かを工作することも好きだったので、意匠の審査などを通じて、日本のものづくり全体を支援

できたらと思い、採用試験を受験することにしました。

小曽根 小さい頃からものづくりが好きで、大学のデザイン学科に入りましたが、勉強していくうちに、デザインの背景を調べることの方に興味があることに気づきました。大学の授業で意匠制度を学んだことを思い出して、業務説明会に参加してみたのですが、そこで自分の興味や適性を活かして世の中に貢献できる仕事だと感じたので志望しました。

――実際に入庁して印象が変わったことはありますか?

長谷川 意匠の審査と聞くと、格好よくスタイリングされ、一般消費者になじみのあるプロダクトデザインだけを扱うという印象がありました。もちろんそうした出願もありますが、実際には、例えば道路設備や水道管といったインフラ関係のデザインなどの出願もあって、広範な業界、産業分野に関わっているのだなと感じました。

伊藤 審査の判断結果を書面で通知するためにモノのカタチを文章化するところに緻密さを感じるとともに、意匠審査が厳格なルールに基づいて行われていることが明確になりました。あと、一番驚いたのは、意匠の審査室内が静かで落ち着いた空間だったことです。先行するデザインの調査などに集中できる環境だと思いました。

宇都宮 意匠課は庁内外とのやりとりが多く、意匠の審査室内とは対照的に活発な印象を受けました。また、職場有志のサークル活動が文化系もスポーツ系も盛んで、アクティブに活動する人が多いなと思いました。業務以外で集まって何かしらの活動をするイメージがなかったので意外でした。

小曽根 実を言うと、印象はほとんど変わっていません。業務説明会に参加して、業務内容や職場環境について丁寧に教えてもらいましたが、それが見栄えをよくしたものではなく、実情をありのままに伝えてくれたのだということが分かりました。

――特許庁の人材育成や研修プログラムについて感想を教えてください

宇都宮 一般企業では、入社後の研修は最初の1か月のみという職場もあると聞くので、約3か月間の審査官補コース研修は長いのではないかと初めは思いましたが、それほど人材育成に力を入れているということだと思います。

小曽根 意匠審査官は専門性の高いプロフェッショナルな職種なので、審査官補としてじっくり学べる期間が設けられていることが有り難いと思います。指導審査官の指導の下、審査の補助を行っていると、まだまだ身につけなければならないことは多いと感じます。また、特許審査官、商標審査官、事務職員と合同で受講する研修も多く、多様なバックグラウンドをもつ多くの職員と交流を深めることができます。

長谷川 学生時代には法律の知識はほとんどありませんでしたが、入庁後に基礎から学び、レポート課題などを通じて知識を深めています。法律を勉強することで物事を論理的に思考する力も伸ばすことができたと感じます。最新のデザインを学ぶ技術研修など自己研鑽できる場も充実しています。

伊藤 審査官補の期間は指導審査官から審査実務の指導を受けることができます。デザインの調査や判断理由の具体化を行うなかで困ったときにいつでも相談ができるので、とても心強いです。また、現在、語学研修を受講していて、語学学校に通って講師とマンツーマンで英会話をしています。他にもグループレッスンや自宅で学習するもの、短期間の合宿形式のものなど様々なコースが用意されているので、やる気がある人はどんどん自分の能力を伸ばすことができる環境が整っていると思います。

――意匠審査官の仕事の魅力・やりがいは何ですか?

伊藤 自分が審査を担当した製品を街中で見かけると嬉しくなります。さらに、企業を訪問した際に、意匠権を行使して模倣品の輸入差止めに成功したといった話を聞くと、審査が役に立っていることが実感でき、やりがいを感じます。

小曽根 登録の可否がデザイン界や産業

界の今後に関わってくる仕事だというところです。一つひとつの出願に対して審査を行う審査官を見ると、重責を担っていると感じますが、出願人だけでなく社会全体の役に立っているという実感が得られると思います。また、審査では過去のデザインを調査しますが、古いデザインや、どういった変遷をたどって今のデザインが生まれたのかということを知ることは、デザインに関心がある人にはたまらないと思います。

宇都宮 国家公務員の中でも、デザインのスペシャリストである側面と、行政官として法律改正や国際関係などの業務にも取り組むジェネラリストである側面を併せ持つ珍しい職種だと思います。意匠という専門性を軸に、広いフィールドで仕事に取り組むことが出来るところが大きな魅力です。行政官としても活躍する先輩方を目標に、審査業務に取り組んでいます。

長谷川 最新のデザインに日々出会い、それを審査するところです。企業を訪問してデザイン開発の現場を拝見したり、創作者からデザイン上の工夫について熱の入った話を伺ったりすると、意匠制度の目指すべき姿について考えを巡らせることもあります。行政官として意匠制度を設計する道が開かれていることも大きな魅力です。

――意匠審査官の仕事は生活とのバランスをとりやすいですか?

長谷川 霞が関一帯は「不夜城」だと聞いたことがある方もいるかもしれませんが、意匠審査はスケジュールに沿って計画的に行えば、定時に退庁することもできます。

小曽根 ⼟日はしっかり休むことができます。休息が十分取れるからこそ仕事にも精を出せると思いますし、逆に言えば、仕事をして生活の基盤が作れるからこそ趣味にも打ち込めますし、仕事と生活が相互に良い影響を与えていると思います。

伊藤 女性審査官が出産後も時短勤務やフレックス制度を活用して子育てをしながら仕事を続けているのを見ると、女性にとって働きやすい職場だと感じます。育児休暇を取得したり子供の保育園の送り迎えをしたりする男性審査官もいて、子育てに参画しやすい環境だと思います。

私自身も1か月間のスケジュールをうまく立てて、定時で帰る日を積極的に設けています。

宇都宮 フレックス制度などは、制度が整っていたとしても実際に使いやすい環境であるかどうかが重要だと思いますが、特許庁は取得しやすいと思います。上司が多様な働き方を認めてくれる風⼟があるので、仕事と生活のバランスは取りやすいです。この夏は勤務時間を前倒しにする「ゆう活」を活用し、夕方の時間を有意義に使うことができました。

――学生時代にやっておくべきことなど、読者に向けてメッセージをお願いします

小曽根 あまり頭でっかちにならずに、自分の好きなことに取り組むのがよいと思います。旅行先でその⼟地にはどんなデザインがあるかを見るなど、興味のあることのなかでデザインを少し意識してみると、将来的に活きてくるかもしれません。あとは、仕事は体が資本だと思いますので、健康に留意して体力をつけておくとよいと思います。

伊藤 英語での出願を審査することに加え、将来的には国際業務に携わる機会があるかもしれないので、英語など語学の勉強に力を入れるのもよいかもしれません。

長谷川 まとまった時間がなければできないことをやっておくのがよいと思います。現在も⼟日は自由に時間が使えますが、長期の旅行は学生時代にしておくとよいですね。

宇都宮 国家公務員の一員として働くことになるので、経済や社会情勢、日常のニュースに対してアンテナを張っておくのがよいと思います。様々な知識を吸収すると、新しい仕事に取り組むときにも、人とコミュニケーションを取るときにも役に立つのではと思います。

Page 12: 意匠審査官採用案内 2019 - jpo.go.jp...DESIGN EXAMINER 経済産業省特許庁|意匠審査官採用案内 2019 携帯用表示器付き 電子計算機(平成 2 年)

意匠審査官は、特許庁へ出願される様々な製品デザイン(意匠)の審査を行う国家公務員です。また、審査のほか、意匠に関する施策の企画立案、制度設計、国際業務、調査研究、普及支援、ITシステム開発など、活躍の場面は多岐に渡ります。

意匠審査官になるには特許庁で行う「特許庁意匠審査職員採用試験」(試験区分:

意匠学)(国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)相当)を受験し、合格する必要があります。この試験の詳細については、以下の特許庁ウェブページに掲載されている「受験案内」をご覧ください。

意匠審査官の採用についてhttp://www.jpo.go.jp/shoukai/saiyou/isyou_sinsakan.htm

試験に関するお問い合わせ先特許庁 総務部 秘書課 任用第一係TEL:03-3581-1101(内線2016)

2019年度 特許庁意匠審査職員採用試験○ 受付期間 2019年4月1日(月)~4月17日(水)○ 第1次試験 2019年4月28日(日)○ 第2次試験 2019年5月26日(日)○ 第3次試験 2019年7月中旬○ 試験地 東京都(※特許庁六本木仮庁舎)

採用後の処遇(2019年4月1日時点)

※( )書きは、大学院修士課程修了者の場合の例(地域手当含む)

上記のほか次のような諸手当が支給されます。

勤務時間・休暇勤務時間は原則として1日7時間45分で、⼟・日曜日及び祝

日等の休日は休みです。休暇には、年次休暇(年20日(4月1日採用の場合、採用の年は15日)。残日数は20日を限度として翌年に繰越し)のほか、病気休暇、特別休暇(夏季・結婚・出産・忌引・ボランティア等)及び介護休暇があります。また、ワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭生活の両立)支援制度として、育児休業制度等があります。

勤務地東京都(霞が関本庁舎または六本木仮庁舎)での勤務が基本

となりますが、海外勤務の可能性もあります。

採用実績

※( )内は女性の内数

業務説明会(職場見学)意匠審査業務や意匠制度などに関する個別の業務説明会(職

場見学)を随時実施しています。ご希望の方は下記の担当までお気軽にお問合せください。

業務説明会に関するお問い合わせ先特許庁 審査第一部 意匠課 企画調査班TEL:03-3581-1101(内線2907)E-mail:[email protected]

Q&AQ.意匠審査官のバックグラウンドを教えてください。A.現役の意匠審査官(補)の学生時代の専攻は、デザインに限らず、芸術・美術学、建築学、機械工学、教育学、生活科学、環境情報学、図書館情報学など様々です。

Q.過去の採用試験問題を入手することはできますか?A.過去の試験問題の一部は、特許庁ウェブページ「過去の試験問題について」で確認することができます。また、情報公開制度により、過去10年分までは試験問題を取り寄せることもできます(有料)。請求は、郵送または特許庁の情報公開推進室窓口で受け付けています。

過去の試験問題についてhttp://www.jpo.go.jp/shoukai/saiyou/isho_kakomon.htm

特許庁の情報公開へようこそhttps://www.jpo.go.jp/shiryou/koukai/tt1303-080_info.htm

情報公開に関するお問い合わせ先特許庁 総務部 秘書課 情報公開推進室TEL:03-3581-1101(内線2767)

採用年度 28年度 2017年度 2018年度

意匠学 2(2) 2(0) 2(2)

給与行政職俸給表(一)

2級1号俸(2級9号俸)

222,240円(249,480円)

扶養手当 扶養親族のある者に、子月額10,000円等

住居手当 借家(賃貸のアパート等)に住んでいる者等に、月額最高27,000円

通勤手当 交通機関等を利用している者に、1箇月当たり最高55,000円

本府省業務調整手当

本府省内部部局の業務に従事する者(8,800円:行政職(一)2級の定額)

期末手当・勤勉手当 1年間に俸給等の約4.5月分

PHOTOS BY Y.TAMURA (COVER, P.04,13-20,22)

採用情報

特許庁へのアクセス

特許庁 六本木仮庁舎(住友不動産六本木グランドタワー15階~20階)

六本木仮庁舎(意匠課・意匠審査部門ほか)東京都港区六本木3-2-1住友不動産六本木グランドタワー15階~20階

●南北線「六本木一丁目駅」西改札直結●日比谷線・大江戸線「六本木駅」5番出口●銀座線・南北線「溜池山王駅」13番出口●丸ノ内線「国会議事堂前駅」13番出口●日比谷線「神谷町駅」2番出口

溜池山王駅

神谷町駅

虎ノ門駅

霞ヶ関駅

六本木一丁目駅

六本木駅

乃木坂駅

赤坂駅

国会議事

堂前駅

特許庁 六本木仮庁舎(住友不動産六本木グランドタワー)

特許庁 霞が関本庁舎

経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

2221

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER

JAPAN PATEN

T OFFICE |

DESIGN

EXAMIN

ER経済産業省 特許庁 | 意匠審査官 採用案内 2019

採用情報

霞が関本庁舎(秘書課ほか)東京都千代田区霞が関3-4-3

●丸ノ内線・千代田線・日比谷線「霞ケ関駅」A13番出口●丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前駅」3番出口●銀座線「虎ノ門駅」5番出口●南北線・銀座線「溜池山王駅」8番出口