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1 実務者向け知的財産権制度説明会 意匠の審査基準及び審査の運用 特許庁審査第一部意匠課意匠審査基準室

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実務者向け知的財産権制度説明会

意匠の審査基準及び審査の運用

特許庁審査第一部意匠課意匠審査基準室

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目次

1. 意匠審査基準とは

2. 意匠審査基準の運用について

3. その他

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意匠審査基準とは、出願の審査が一定基準に従って、公平・妥当かつ効率的に行われるように、意匠法等の関連する法令の適用について、現時点で 善と考えられる基本的考え方をまとめたもの。

1.意匠審査基準とは

直近の改訂

平成30年4月◎ 第2部第1章 工業上利用することができる意匠◎ 第7部第1章 部分意匠◎ 第11部第8章 部分意匠の国際意匠登録出願改訂された意匠審査基準は、平成30年5月1日以降に審査される意匠登録出願に適用。

平成30年6月◎ 第3部 新規性喪失の例外

改訂された意匠審査基準は、平成29年12月9日以降に公開された意匠について、平成30年6月9日(施行日)以降の出願に適用。そのため、平成29年12月8日以前に公開された意匠については、平成30年6月9日(施行日)以降に出願しても、改正意匠法第4条の規定は適用されず、意匠が公開された日から6か月以内に意匠登録出願されなければ、適用は受けられません。

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平成30年4月改訂意匠審査基準の概要

平成27年5月にハーグ協定ジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際登録制度が利用可能となって以降、我が国においても多くの国際意匠登録出願

について審査運用の実績を積んでいるところですが、特に願書及び図面の記載は各国において要件が異なることから、より一層の国際協調を意識した

審査運用の見直しの必要性が高まっています。

そこで、願書及び図面の記載要件に関する意匠審査基準について、出願意匠の開示の具体性を損なうことのない範囲でその運用を緩和することによ

り、国内外の出願人に対する手続きの負担を軽減し、意匠制度の利便性のさらなる向上を図りました。

1.底⾯図の記載が不⾜する出願の願書及び図⾯の記載の取扱い

2.意匠登録を受けようとする部分の特定⽅法に関する願書の記載の取扱い

※概要資料のため、一部の記載、説明を省略しています。詳細については意匠審査基準をご覧ください。

<底面図がなくても意匠が具体的であると認められるものの例>

床面や卓上などに置いて使用するものや車両などの重量物であって通常は底面を見られることがなく、かつ、底面図が不足していても、他の願書及び図面の記載を総合的に判断すれば、具体的な意匠の内容を導き出すことができる場合は、意匠が具体的であるものと認めることとしました。

「意匠登録を受けようとする部分」を特定するための説明がなくても、図面等の具体的な表現(実線及び破線により明確に描き分けられた図面等の記載)によって、願書及び図面の記載を総合的に判断すれば、部分意匠として「意匠登録を受けようとする部分」が明らかである場合は、当該意匠が具体的であるものと認めることとしました。

<意匠が具体的なものと認められる場合の例>

意匠に係る物品「デジタルカメラ」

(説明)願書に添付した図面の各図が実線と破線により明確に描き分けられており、部分意匠の欄、及び意匠登録を受けようとする部分を特定する方法についての意匠の説明がなくても、実線部分について意匠登録を受けようとする部分意匠の意匠登録出願であると当然に導き出すことができる。

【背面図】 【正面図】 【右側面図】

【平面図】

【斜視図】

(注)床面や卓上に置いて使用するものとは、使用時に持ち上げることのないものをいいます。例えばティーポットのように、持ち上げて使用するものは除きます。

意匠に係る物品「スピーカー」 意匠に係る物品「テープカッター」

【左側面図】 【正面図】 【右側面図】

【平面図】

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第四条 意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた意匠は、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同項及び同条第二項の規定の適用については、同条第一項第一号又は第二号に該当するに至らなかつたものとみなす。

2 意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた意匠(発明、実用新案、意匠又は商標に関する公報に掲載されたことにより同項第一号又は第二号に該当するに至つたものを除く。)も、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同項及び同条第二項の規定の適用については、前項と同様とする。

3・4 (略) 5

平成30年6月改訂意匠審査基準の概要

意匠法第4条の改正

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意匠法第4条の改正に伴う意匠審査基準の改訂及び適用関係

「公開日」を基準にした場合

「出願日」を基準にした場合

公開日 :意匠が公開された日例外期間:意匠登録出願がこの期間内であれば、第4条第1項又は第2項の適用を受けることができる。

例外期間:意匠が公開された日がこの期間内であれば、第4条第1項又は第2項の適用を受けることができる。

例外期間にはならない(6月前の日前)

平成29年12月8日以前

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拒絶理由通知

若しくは

拒絶通報

拒絶査定補

正書

意見書

国際出願

知財高裁

高裁

拒絶査定不服審判

無効審判

方式審査

国際登録

国際公表

方式審査

意匠登録出願

登録査定

実体審査

意匠公報

設定登録

意匠登録出願に関する手続の主な流れ

※ 破線で囲われた部分が意匠審査基準が適用される主な範囲

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① 意匠登録出願に係る意匠の認定 9② 一意匠一出願 12③ 登録要件 13④ 先願 57⑤ 関連意匠制度 62⑥ 部分意匠制度 69⑦ 画像を含む意匠 83⑧ パリ条約による優先権等の主張の手続 99⑨ 意匠登録出願の分割 103⑩ 出願の変更 105⑪ 秘密意匠制度 107⑫ ハーグ協定に基づく意匠の国際登録制度 108⑬ 特徴記載制度 118

2.意匠審査基準の運用について

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意匠登録出願に係る意匠の認定は、以下の点に関して、その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて願書の記載及び願書に添付した図面を総合的に判断して行う。

- 意匠に係る物品

当該意匠に係る物品の使用の目的、使用の状態等に基づき、用途及び機能を認定

- 意匠に係る物品の形態当該意匠に係る物品の形態を認定

【書類名】 意匠登録願【整理番号】 ○ ○ ○ ○ ○【提出日】 平成30年10月 1日【あて先】 特許庁長官 殿【意匠に係る物品】 テープカッター【意匠を創作した者】

【住所又は居所】 東京都千代田区霞が関3-4-3【氏名】 特許 太郎

【意匠登録出願人】【識別番号】 012345678【住所又は居所】 東京都千代田区霞が関3-4-3【氏名又は名称】 特許 太郎 印又は識別ラベル【電話番号】 03-3581-1101

(【手数料の表示】)(【予納台帳番号】)(【納付金額】)

【提出書類の目録】【物件名】 図面 1

(【意匠に係る物品の説明】)

【意匠の説明】背面図は正面図と対称にあらわれるため省略する。

<願書>

<願書添付図面>

① 意匠登録出願に係る意匠の認定

意匠審査基準 第1部第2章 P4

意 匠

用途機能物 品

形状模様色彩

形 態

【正面図】

【平面図】

【書類名】 図面

・・(省略)・

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- 意匠に係る物品の用途及び機能等の理解を助けるための参考図

使用状態を示す参考図 各部の機能、名称等を示す参考図

- 必要図に記入できない説明のための線・図形・彩色等を表した、出願に係る意匠を特定するための参考図

透明部を示す参考図

参考図の取扱い

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第2章 意匠登録出願に係る意匠の認定

意匠登録出願に係る意匠の認定は、以下の点に関して、その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて願書の記載及び願書に添付した図面等を総合的に判断して行う。

これは、意匠登録を受けようとする者が意匠登録出願をする際には、願書に必要な事項を記載し、意匠登録を受けようとする意匠を願書に添付した図面等により表して特許庁長官に提出しなければならない(意匠法第6条)とされ、また登録意匠の範囲を定める際にも、願書の記載及び願書に添付した図面等により表された意匠に基づいて行われなければならない(意匠法第24条)とされているからである。

したがって、願書又は願書に添付した図面等に該当しない書類、例えば、特徴記載書、優先権証明書、意匠法第4条第2項の規定の適用を受けるための証明書等は、意匠登録出願に係る意匠の認定の際には、その基礎となる資料とはしない。

また、願書に添付した図面等に参考図として表された図については、一組の図面及びその他必要な図に表されたものと異なる形状、模様又は色彩が表されている場合には、出願の意匠の形態に係る認定において、それら異なる要素そのものは考慮しない。

参考図の取扱い

意匠審査基準 第1部第2章 P4

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航空機

船舶

飛行船

飛行機

船舶用かじ

船舶用いかり

船舶用スクリ

ュー

船外機

漁船

カヌー

オー

ルボー

ヨット用マスト

ヨット

モー

ター

ボー

貨物船

客船

物品の区分

三六 船舶及

び航空機

- 意匠登録出願は、経済産業省令で

定める物品の区分により意匠ごとにしなければならない。 (意匠法第7条)

- 意匠法第7条の経済産業省令で定

める物品の区分は、別表第一の物品の区分の欄に掲げるとおりとする。

(意匠法施行規則第7条)

< 別表第一 >(抜粋)

- 別表第一の下欄に掲げる物品の区

分のいずれにも属さない物品について意匠登録出願をするときは、【意匠に係る物品の説明】の欄にその物品の使用の目的、使用の状態等物品の理解を助けることができるような説明を記載する。

(意匠法施行規則様式第2[備考]39 )

② 一意匠一出願 (意匠法第7条)

意匠審査基準 第5部 51.1 P79

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i) 工業上利用することができる意匠であること

(意匠法第3条1項柱書)

ii) 新規性を有する意匠であること

(意匠法第3条1項各号)

iii) 容易に創作することができた意匠でないこと

(意匠法第3条2項)

iv) 先願意匠の一部と同一又は類似の後願意匠でないこと

(意匠法第3条の2)

③ 登録要件意匠審査基準 第2部 P5

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- 意匠を構成するものであること(イ) 物品と認められるものであること(ロ) 物品自体の形態であること(ハ) 視覚に訴えるものであること(ニ) 視覚を通じて美感を起こさせるものであること

- 意匠が具体的なものであること(イ) 意匠に係る物品の使用の目的、使用の状態等に基づく用途及び機能(ロ) 意匠に係る物品の形態

- 工業上利用することができるものであること(イ) 工業的技術を利用して同一物を反復して多量に生産しうること

工業上利用することができる意匠に該当するための要件

i) 工業上利用することができる意匠であること(意匠法第3条1項柱書)

意匠審査基準 第2部第1章 21.1 P8

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意匠法の対象とする物品とは、有体物のうち、市場で流通する動産をいい、以下のものは原則物品と認められない。

- 原則として動産でないもの- 固体以外のもの- 粉状物及び粒状物が単に集合しているもの- 物品の一部であるもの(通常の取引状態において独立した製品として取引されないもの)

花火噴水夜景

粉状物 アイコン

XX

X X XTypeface X

- 意匠を構成するものであること(イ) 物品と認められるものであること

i) 工業上利用することができる意匠であること(意匠法第3条1項柱書)

意匠審査基準 第2部第1章 21.1 P8

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ただし、必ずしも製品設計図面のように意匠の全体について等しく高度な正確性をもって記載されていることが必要となるものではない。

- 意匠が具体的なものであること(イ) 意匠に係る物品の使用の目的、使用の状態等に基づく用途及び機能(ロ) 意匠に係る物品の形態

i) 工業上利用することができる意匠であること(意匠法第3条1項柱書)

意匠審査基準 第2部第1章 21.1.2 P11

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※不備があっても具体的な意匠と認められる場合

1)その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて総合的に判断した場合に合理的に善解し得る場合

2)いずれかが正しいか未決定のまま保留しても意匠の要旨の認定に影響を及ぼさない程度の微細な部分についての記載不備である場合

i) 工業上利用することができる意匠であること(意匠法第3条1項柱書)

物品の用途・機能、形態が具体的であることが必要

意匠審査基準 第2部第1章 21.1.2 P11

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「学習机」

机の向きが誤り

袖引き出しの位置が誤り

図面上での不備があっても具体的な意匠と認められた事例

◇1971.12.22 大阪地裁 昭和44年(ワ)第3847号(審決取消訴訟判決集 S46年 63頁)

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<本件登録意匠> <イ号意匠>

「車輪用ナット」

※ネジ溝の有無の差異点について、登録意匠においては、ネジ溝の記載は省略したとする原告の主張は採用されず、両意匠は非類似と判断された。

図面上での不備があっても具体的な意匠と認められたものの、出願人の意図に反した認定をされた事例

◇S52. 2. 16 東京地裁 昭和49年(ワ)第3436号(審決取消訴訟判決集 S52年 63頁)

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- 出願に関する書類について、法律又は所定の様式に照らして誤記や不明瞭な記載などの記載不備がある場合に、その記載不備を治癒するために当該出願書類等を訂正又は補充する行為

- 適法な手続補正書を提出することによって、出願

書類等は出願当初から補正後の状態で提出されたものとして取り扱われる

補正 (意匠法第60条の24)

意匠審査基準 第8部第1章 81.1 P197

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- 内容的制限

出願当初の書類等の誤記や不明瞭な記載などの訂正又は補充に限る。

- 時期的制限

審査、審判又は再審に係属している場合に限る。

補正の制限について意匠審査基準 第8部 第1章81.1.1及び81.1.2 P198

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意匠の同一の範囲を超えて変更する補正は、出願

当初の願書の記載又は願書に添付した図面等の要旨を変更するものと認める。

このような補正を認めることは、先願主義の趣旨に反し、第三者に不測の不利益を与えることになる

要旨の変更・補正の却下 (意匠法第17条の2)

意匠審査基準 第8部 第2章82.1 P199

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- 審判の請求

- 補正後の意匠についての新出願

- 手続補正書の再提出

- 補正の却下の決定に対して応答しない

補正の却下の決定に対する対応意匠審査便覧 32.02

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意匠法第3条1項各号

公然知られた意匠又は刊行物などに記載された意匠

は、新規性のない意匠として、意匠登録を受けることができない。

また、公知となった意匠と同一の意匠だけでなく、類似する意匠も新規性がないとされる。

意匠審査基準 第2部 第2章22.1 P20

ii) 新規性を有する意匠であること(意匠法第3条1項各号)

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- 両意匠の要旨の認定- 意匠に係る物品の用途・機能についての共通点及び差異点の認定- 形態についての共通点及び差異点の認定- 共通点及び差異点の評価

(1) その形態を対比観察した場合の、注意を引く部分か否かの認定及びその注意を引く程度の評価

(2) 先行意匠群との対比に基づく、注意を引く程度の評価

共通点及び差異点を意匠全体として総合的に観察・評価して 終的な類否判断を行う。

共通点や差異点の形態が、先行意匠において公然知られているか否か、ありふれているか否か、等により行う。

共通点や差異点の形態が、意匠全体に対して占める割合が大きいか小さいか、物品の特性に基づき観察されやすい部分か否か、等により行う。

意匠審査基準 第2部第2章 22.1.3.1.2 P29

ii) 新規性を有する意匠であること(意匠法第3条1項各号)

意匠の類否判断の手法

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物品

形態

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ii) 新規性を有する意匠であること(意匠法第3条1項各号)

同一 類似 非類似

同一

類似

非類似

同一の意匠

類似する意匠 非類似の意匠

類似する意匠

類似する意匠

非類似の意匠

非類似の意匠 非類似の意匠 非類似の意匠

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類否判断の原則

1. 判断主体は需要者(取引者を含む)

2. 直接対比観察

3. 肉眼による全体観察

4. 先行意匠群との対比に基づく判断

意匠審査基準 第2部 第2章22.1.3 P28

ii) 新規性を有する意匠であること(意匠法第3条1項各号)

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共通点及び差異点の一般的な評価ポイント 1

見えやすい部分は、相対的に影響が大きい

意匠登録第1193615号 (本意匠)「液晶テレビジョン受像機」

意匠登録第1193716 号 (関連意匠) 「液晶テレビジョン受像機」

類似

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意匠登録第1164463号「電子計算機」

意匠登録第1164462号「電子計算機」

正面図 背面図正面図背面図

非類似

共通点及び差異点の一般的な評価ポイント 1

見えやすい部分は、相対的に影響が大きい

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意匠登録第 896055号

「タオル掛け」

意匠登録第 896055号の類似第1号「タオル掛け」

類似

共通点及び差異点の一般的な評価ポイント 2

ありふれた形態の部分は、相対的に影響が小さい

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意匠登録第 1050871号

「自転車」

意匠登録第1050871号類似第2号

「自転車」

類似

共通点及び差異点の一般的な評価ポイント 3

大きさの違いは、当該意匠の属する分野において常識的な範囲内のものであれば、ほとんど影響を与えない

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意匠登録第 1068756号

「買い物かご」

類似

共通点及び差異点の一般的な評価ポイント 4

色彩や材質のみの違いは、形状又は模様の差異に比して、ほとんど影響を与えない

意匠登録第 1068756号類似第1号「買い物かご」

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創作非容易性の判断のポイント

1.その意匠の属する分野において通常の知識を有する者(当業者)

2.公然知られた形態に基づく意匠

3.公然知られた形態を当業者にとってありふれた手法で創作した意匠であること

意匠審査基準 第2部 第3章 P37

iii) 容易に創作することができた意匠でないこと (意匠法第3条2項)

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34

創作容易と認められる例1 (寄せ集めの意匠)

ありふれた寄せ集め

「スピーカーボックス」

【容易に創作できたものとはいい難い事例】

公然知られた意匠を当業者にとってありふれた手法により寄せ集めたものとは認められない可能性もある。

<参考>

公然知られた意匠:スピーカーボックス

公然知られた意匠:スピーカー

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35

「オートバイおもちゃ」

公然知られた意匠:自動二輪車

商慣行上の転用

【容易に創作できたものとはいえない事例】

当事者にとって商慣行上通常なされる程度の変形を超えているため。

当業者であっても容易に創作することのできたものとはいえない。

<参考> 「自動車おもちゃ」

創作容易と認められる例2 (商慣行上の転用による意匠)

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36

先願意匠の一部と同一又は類似の後願意匠は意匠登録を受けることができない。

※ ただし、次の要件を双方共に満たす場合は意匠登録を受けることができる。

①意匠登録出願の出願人と先の意匠登録出願の出願人とが同一の者であること

②先願の意匠公報発行の日前の意匠登録出願であること

後願

「のこぎり」

先願

「のこぎり」

部分意匠

後願

「のこぎり用柄」

先願

「のこぎり」

意匠審査基準 第2部 第4章 P55

iv) 先願意匠の一部と同一又は類似の後願意匠でないこと(意匠法第3

条の2)

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37

「カメラ」(部分意匠)

後願

「カメラ」(部分意匠)

先願

先願の意匠が部分意匠の場合は、「意匠登録を受けようとする部分」だけでなく「その他の部分」も含めて判断する。

意匠審査基準 第2部 第4章 24.1.3.2 P56

iv) 先願意匠の一部と同一又は類似の後願意匠でないこと(意匠法第3

条の2)

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38

通常意匠

秘密意匠

同人による出願であれば登録可能な出願期間

公報発行設定登録 公知

図面等掲載(公報)

公知秘密期間

意匠法第3条の2ただし書の規定の適用の判断

設定登録

iv) 先願意匠の一部と同一又は類似の後願意匠でないこと(意匠法第3

条の2)

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39

意匠の新規性喪失の例外規定

原則、意匠登録出願より前に公開された意匠は、意匠登録を受けることができない。

しかし、展示や刊行物等によって自らの意匠を公開した後に、その意匠について一切意匠登録を受けられないとすると、創作者に酷な場合もあり、また、産業の発達への寄与という意匠法の趣旨にもそぐわない。

よって、特定の要件の下で意匠が公開された後に意匠登録出願された場合には、先の公開によってその意匠の新規性は喪失しないものとして取り扱う旨規定したものである。

意匠法第4条の規定

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40

意匠法第4条第2項の規定を適用するための要件(31.1.1)

公開意匠が、意匠法第4条第2項の規定を適用するためには以下の(1)から(3)の要件を満たしていなければならない。

(1)意匠登録を受ける権利を有する者(意匠の創作者又はその承継人)の行為に起因して、その意匠が以下の①又は②の意匠に該当するに至ったものであること。

①意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠。

②意匠登録出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠。

(2)上記(1)の意匠について意匠登録を受ける権利を有する者が、意匠登録出願をしていること。

(3)上記(1)の意匠が初めて公開された日から1年以内に意匠登録出願されていること。

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

適用要件 意匠審査基準 第3部 31.1.1 P65

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意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

本規定が適用されると、証明書に記載された公開の事実によって公知となった意匠は、出願された意匠の新規性・創作性の判断において、公知の意匠ではないものとして扱われる。

◆新規性喪失の例外規定は、あくまでも、ついうっかり公開してしまった場合の非常手段

◆使わないで済むなら、使わない方が望ましい

◆公開は、必ず意匠登録出願をした後に行う習慣を付けるのが大切!

◆出願日が遡及するわけではない出願前に、第三者がその意匠について公開、出願をすると、意匠登録を受けられないことがある

◆国によって法令の内容が異なる日本で意匠登録されても、海外で意匠登録を受けられないことがある

注意点

新規性・創作性の判断において引用意匠とならなくなる

意匠Aと異なる意匠でもよい

意匠Aを公開 出 願

新規性・創作性の

判断において引用意匠になる

第三者が意匠Aを独自に公開又は出願

意匠法第4条第2項の

適用申請

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42

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して意匠A,Bを公開した

公開意匠A 公開意匠B

出願意匠D

公開意匠 A 及び B について新規性喪失の例外適用の手続

出願意匠C

公開意匠 B に ついて新規性喪失の例外適用の手続

出願意匠B

公開意匠 B について新規性喪失の例外適用の手続

出願意匠A

公開意匠 A について新規性喪失の例外適用の手続

●意匠を公開してから1年以内に出願する。

●出願と同時に当該規定を受けたい旨を記載した書面 (特記事項を記載した願書) を提出する。

●出願から30日以内に、公開意匠A、公開意匠Bが当該規定の適用を受けることができる意匠であることを証明する書面を提出する。

意匠審査基準 第3部 P65

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【書類名】 意匠登録願【整理番号】【特記事項】 意匠法第4条第2項

の規定の適用を受けようとする意匠登録出願

(【提出日】 平成 年 月 日)【あて先】 特許庁長官 殿【意匠に係る物品】

・・・・

【書類名】 新規性の喪失の例外証明書提出書

【提出日】 平成 年 月 日【あて先】 特許庁長官 殿【事件の表示】

【出願番号】【提出者】

【識別番号】【住所又は居所】【氏名又は名称】

【代理人】・・・

意匠の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための証明書

1.公開の事実・・・

2.意匠登録を受ける権利の承継等の事実・・・

記載事項が事実に相違ないことを証明します。

平成○○年○○月○○日

出願人○○○ ㊞

(意匠法施行規則 様式第1) (様式なし)

(願書に当該規定の適用を受けたい旨記載した例)

(意匠法施行規則 様式第2 備考30)

願書 新規性の喪失の例外証明書提出書とその証明書

手続書類

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

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「証明する書面」の書式例

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

意匠の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための証明書

1.公開の事実① 公開日② 公開場所③ 公開者④ 公開意匠の内容(意匠の写真等を添付する)

2.意匠登録を受ける権利の承継等の事実① 公開意匠の創作者② 意匠の公開の原因となる行為時の意匠登録を受ける権利を有する者(行為時の権利者)③ 意匠登録出願人(願書に記載された者)④ 公開者⑤ 意匠登録を受ける権利の承継について(①の者から②の者を経て③の者に権利が譲渡されたこと)

⑥ 行為時の権利者と公開者との関係等について(②の者の行為に起因して、④の者が公開をしたこと等を記載)

上記記載事項が事実に相違ないことを証明します。

平成○○年○○月○○日出願人○○○ ㊞

意匠審査基準 第3部 31.1.3.1 P68

※第三者によらず出願人自身が署名・捺印した「証明する書面」であっても、一定の証明力があるものとして許容します。

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展示(展示会・見本市・博覧会等)の場合

① 開催日② 展示会名、開催場所③ 公開者④ 公開された意匠の内容

(意匠の写真等を添付する)

逐次刊行物、書籍等に記載した場合

① 発行年月日② 刊行物③ 公開者名④ 公開された意匠の内容

(意匠の掲載頁や奥付等の原本又は写しを添付する)

「1.公開の事実」の欄の記載例

ウェブサイトによる場合

①ウェブサイトの掲載日②ウェブサイトのアドレス③公開者④公開された意匠の内容(ウェブサイトのトップページ及び意匠が掲載されているページの印刷物を添付する)

「証明する書面」に記載すべき事項

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

※ウェブサイトによる場合については、以下3点が明らかとなるように記載して下さい。

・意匠が掲載されているウェブサイトの存在の事実・意匠が掲載されているページの存在の事実・意匠の掲載日(当該意匠に公衆がアクセス可能となった日)

例えば、②については、当該ウェブサイトのトップページ及び意匠が掲載されているページのアドレスを記載し、④については、当該ウェブサイトのトップページ及び意匠が掲載されているページの印刷物を添付して下さい。なお、意匠が掲載されているページの印刷物には、できるだけ意匠が当該ウェブサイトに掲載された日が記載されていることが望まれます。

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「1.公開の事実」の欄の記載例展示会において公開したケース

意匠の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書

1.公開の事実①開催日 ○○○○年○○月○○日②展示会名、開催場所 第5回国際アクセサリー・雑貨フェア

日本デザイン展示場(東京都○○区・・・)③公開者 ○○株式会社④公開された意匠の内容 ○○株式会社が第5回国際アクセサリー・雑貨フェアにて、意匠太郎が創

作したネックレス及びイヤリングの意匠を公開した

【注意事項】・必ず意匠の写真を添付してください。(この記載例の場合、意匠が展示された際の写真を添付する。)・公開された意匠が明らかに分かる程度の写真を添付してください。・六面図での開示までは必要ありません。・写真の大きさに特に規定や制限はありません。・紙に写真を貼り付けても、データ上で貼り込んだ写真を印刷してもいずれでも結構です。

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47

意匠の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書

1.公開の事実①発行日 ○○○○年○○月○○日②刊行物 ○○株式会社 ○○○○年秋新製品カタログ第○頁③公開者 ○○株式会社④公開された意匠の内容

○○株式会社が、上記カタログにて、関連次郎が創作したスマートフォンケースの意匠を公開した。(公開した意匠の内容は別紙のとおり。)

「1.公開の事実」の欄の記載例カタログ掲載により公開したケース(別紙体裁)

○○株式会社○○○○年○○月○○日発行

別紙

別紙

秋の新製品を

リリースしました!

製品番号AA12345

価格○○○○○円(税抜)

別紙

※カタログ原本又はコピーを別紙として添付することができます。表紙、意匠掲載ページ、発行日付が確認できるページ等を含めて下さい。

※ウェブサイト、刊行物等での公開についても、同様に別紙として添付して構いません。

○○株式会社○○○○年秋新製品カタログ~新製品のご紹介~

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○○株式会社 ウェブサイト○○○○年ニュースリリース

別紙意匠の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書

1.公開の事実①ウェブサイトの掲載日 ○○○○年○○月○○日②ウェブサイトのアドレスhttp://www.ishou-design.co.jphttp://www.ishou-design.co.jp/news.html

③公開者 ○○株式会社④公開された意匠の内容 ○○株式会社が、上記アドレスのウェブサイトにて、意匠一郎が創作した皿および置物の意匠を公開した。(公開した意匠の内容は別紙のとおり。)

・○○○○年秋の新製品をご紹介します。

○○○○年○○月○○日

○○株式会社 ウェブサイトトップページ

http://www.ishou-design.co.jp/news.html

http://www.ishou-design.co.jp

別紙

「1.公開の事実」の欄の記載例ウェブサイトへの掲載により公開したケース(別紙体裁)

※ウェブサイトのトップページ及び意匠が掲載されているページの印刷物を添付して下さい。なお、意匠が掲載されているページの印刷物には、できるだけ意匠が当該ウェブサイトに掲載された日が記載されていることが望まれます。

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書式に従って作成された「証明する書面」が提出されている場合(31.1.3.1)

審査官は、原則として、公開意匠が31.1.1に記載の要件を満たすことについて証明されたものと判断し、意匠法第4条第2項の規定の適用を認める。

ただし、「公開意匠」が意匠法第4条第2項の規定の適用を受けることができる意匠であることに疑義を抱かせる証拠を発見した場合には、審査官は、同条同項の規定の適用を認めない。

異なる書式による「証明する書面」が提出されている場合(31.1.3.2)

提出された「証明する書面」に、31.1.3.1 に示す書式と同程度の内容が記載されていれば、審査官は、原則として、公開意匠が31.1.1に記載の要件を満たすことについて証明されたと判断し、意匠法第4条第2項の規定の適用を認める。

ただし、31.1.3.1に示す書式と同程度の内容が記載された「証明する書面」が提出され

ていても、「公開意匠」が意匠法第4条第2項の規定の適用を受けることができる意匠であることに疑義を抱かせる証拠を発見した場合には、審査官は、同条同項の規定の適用を認めない。

証明する書面に基づく第4条第2項の適用の判断手順

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

※後から拒絶理由や無効理由が生じる可能性を回避するために、可能な限り、出願人自らによる「証明する書面」に記載した事項が事実であることを裏付ける資料を提出しておくことが望ましいと考えられます(資料の例:展示会等の主催者による証明書、放送局による証明書、立会人による証明書等)。

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同一の意匠が複数回にわたり公開された場合の取り扱い

意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して、同一の意匠が複数回公開された場合(31.1.4.1(1))

第4条第2項の規定の適用を受けるためには、原則として、それぞれの「公開の事

実」が「証明する書面」に記載されていなければならない。

ただし、意匠登録を受ける権利を有する者が、意匠登録出願前に公知の意匠に該

当するに至った意匠を、先の公開に基づいて複数回に亘って事後公開した場合には、

その先に公開された意匠について意匠法第4条第2項の規定の適用を受けるもので

あれば、その先の公開に基づく第2回以降の公開によっても、その意匠は公知の意

匠に該当するに至らなかったものとする。

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

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51

意匠法第4条第2項の「該当するに至った日」と意匠登録出願の間に第三者が「該当するに至った意匠」と同一の意匠を公開した場合(31.1.4.1(2))

原則として、その意匠は第三者の公開によって公知の意匠に該当したものとする。

ただし、第三者の公開が「該当するに至った意匠」の公開に基づくことが明らかなときは、

その公開によっても、その意匠は公知の意匠に該当するに至らなかったものとする。

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

同一の意匠が複数回にわたり公開された場合の取り扱い

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出願する意匠と異なる意匠を公開した場合の手続

相互に類似する意匠A及び意匠A’が意匠登録出願前に公開され、意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする意匠登録出願Aの「証明する書面」には公開意匠Aのみが記載された場合の取扱い

• 当該意匠登録出願Aにおいて、意匠法第4条第2項の規定を適用し、公知の意匠に該当するに至らなかったものとみなすことができるのは、公開意匠Aのみである。

• その出願前に公知の意匠に該当するに至った公開意匠A’に類似する意匠登録出願Aの意匠は、意匠法第3条第1項第3号に該当し意匠登録を受けることができない。

• 意匠登録出願Aにおいて、公開意匠A及びA’を「証明する書面」に記載し、所定の要件を満たした場合は、公開意匠A及び公開意匠A’について、意匠法第4条第2項の規定を適用し、公知の意匠に該当するに至らなかったものとみなす。

公開意匠Aについて意匠法第4条第2項の規定の適用を

受けようとする意匠登録出願

意匠登録出願

A

A’

公開された意匠

拒絶

A

公開意匠Aと公開意匠A’ は相互に類似

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

意匠審査基準 第3部 31.1.4.2.1 P71

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本意匠である意匠登録出願Aについては、意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとして「証明する書面」にその意匠登録出願前に公開された公開意匠Aを記載したが、その後、関連意匠として出願した意匠登録出願A’については、意匠法第4条第2項の規定の適用を受けるための所要の手続をしなかった場合における、意匠登録出願A’についての公開意匠Aの取扱い

• 関連意匠の意匠登録出願A’については、意匠法第4条第2項の規定の適用を受けるための所要の手続がなされていないのであるから、公開意匠Aを公知の意匠に該当するに至らなかったものとみなすことはできない。

• その出願前に公知の意匠に該当するに至った公開意匠Aに類似する意匠登録出願A’の意匠は、意匠法第3条第1項第3号に該当し意匠登録を受けることができない。

• 関連意匠の意匠登録出願A’において、意匠法第4条第2項の規定の適用を受けるための手続をし、公開意匠Aを「証明する書面」に記載して所定の要件を満たした場合は、意匠法第4条第2項の規定を適用し、公開意匠Aについて公知の意匠に該当するに至らなかったものとみなす。

公開意匠Aについて意匠法第4条第2項の規定の適用を

受けようとする意匠登録出願

意匠法第4条第2項の規定の適用を受けない意匠登録出願

本意匠

関連意匠

意匠登録出願

A

公開された意匠

拒絶

A

A’

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

出願する意匠と異なる意匠を公開した場合の手続 意匠審査基準 第3部 31.1.4.2.2 P72

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相互に類似する意匠A及び意匠A’が意匠登録出願前に公開され、意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする意匠登録出願A及び意匠登録出願A’がなされたが、それぞれの「証明する書面」には出願の意匠と同一の公開意匠しか記載されていない場合の取扱い

• 両出願の意匠が本意匠と関連意匠の関係にあるか否かにかかわらず、意匠登録出願Aについて、意匠法第4条第2項の規定の適用により公知の意匠に該当するに至らなかったものとみなすことができる意匠は、「証明する書面」に記載された公開意匠Aのみであり、同様に、意匠登録出願A’について、意匠法第4条第2項の規定の適用により公知の意匠に該当するに至らなかったものとみなすことができる意匠は、「証明する書面」に記載された公開意匠A’のみである。

• その出願前に公知の意匠に該当するに至った公開意匠A’に類似する意匠登録出願Aの意匠、及び、その出願前に公知の意匠に該当するに至った公開意匠Aに類似する意匠登録出願A’の意匠は、いずれも意匠法第3条第1項第3号の意匠に該当し、意匠登録を受けることができない。

• 意匠登録出願A及び意匠登録出願A’において、それぞれ公開意匠A及び公開意匠A’を「証明する書面」に記載し、所定の要件を満たした場合は、いずれも公開意匠A及び公開意匠A’について、意匠法第4条第2項の規定を適用し、公知の意匠に該当するに至らなかったものとみなす。

公開意匠Aについて意匠法第4条第2項の規定の適用を

受けようとする意匠登録出願

公開意匠A’について意匠法第4条第2項の規定の適用を

受けようとする意匠登録出願

本意匠

関連意匠

意匠登録出願

A

A’

公開された意匠

拒絶

A

A’

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条2項)

出願する意匠と異なる意匠を公開した場合の手続 意匠審査基準 第3部 31.1.4.2.3 P73

54

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意匠法第4条第1項の規定を適用するための要件(31.1.5)

公開意匠が、意匠法第4条第1項の規定を適用するためには以下の(1)から(3)の要件を満たしていなければならない。

(1)意匠登録を受ける権利を有する者(意匠の創作者又はその承継人)の意に反して、その意匠が以下の①又は②の意匠に該当するに至ったものであること。

①意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠。

②意匠登録出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠。

(2)上記(1)の意匠について意匠登録を受ける権利を有する者が、意匠登録出願をしていること。

(3)上記(1)の意匠が初めて公開された日から1年6月以内に意匠登録出願されていること。

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条1項)

適用要件 意匠審査基準 第3部 31.1.5 P74

55

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31.1.6 意匠法第4条第1項の規定の適用を受けるための手続

意匠法第4条第1項の規定の適用を受けるための手続(意匠法第4条第1項の規定の適用を受けたい旨を記載した書面の提出、あるいは、願書面への適用を受けたい旨の記載、意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して公開された事実を証明する書面の提出に関する時期的制限等)は、意匠法第4条第3項に規定していない。

したがって、意匠登録出願人は、公開意匠が意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して公開された事実が判明した時、例えば、当該意匠登録出願について意匠法第3条第1項第3号の規定により拒絶の理由が通知された際に、意見書又は上申書等により上記31.1.5の要件を満たす事実を明示すると共に証明すればよい。

なお、意匠登録出願前に上記31.1.5の要件を満たす公開意匠の存在が判明している場合には、意匠登録出願人は、意匠登録出願の際にその事実を証明する書面を提出してもよい。

意匠の新規性喪失の例外規定(意匠法第4条1項)

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意匠法第9条の規定

意匠登録制度は、新たな意匠の創作に対し一定期間独占権を付与するものである。したがって、一の創作について二以上の権利を認めるべきではない。

意匠法第9条は、そのような重複した権利を排除する趣旨から、同一又は類似の意匠について二以上の意匠登録出願があったときには、一の意匠登録出願人のみが意匠登録を受けることができる旨規定したものである。

④ 先願(意匠法第9条)意匠審査基準 第6部 61.1 P82

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類似の意匠について異なった日に他人による二以

上の意匠登録出願があった場合は、意匠法第9条第1項の規定により、 先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。

類似の意匠について異なった日にされた意匠登録出願

(1)先願と後願とで出願人が異なる場合

意匠審査基準 第6部 P82

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類似の意匠について異なった日に同一人による二以上の意匠登録出願があった場合は、意匠法第10条第1項の規定に該当するものであるときに限り、自己の意匠登録出願に係る意匠又は自己の登録意匠のうちから選択した一の意匠(以下「本意匠」という。)及びこれに係る関連意匠として意匠登録を受けることができる。

(2)先願と後願とで出願人が同一の場合

意匠審査基準 第6部 P84

類似の意匠について異なった日にされた意匠登録出願

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類似の意匠について同日に他人による二以上の意

匠登録出願があった場合は、意匠法第9条第2項に該当し、意匠法第9条第4項の規定により、協議指令の対象となり、協議により定めた一の意匠登録出願のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。

類似の意匠について同日にされた意匠登録出願

(1)出願人が異なる場合

意匠審査基準 第6部 P84

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類似の意匠について同日に同一人による二以上の意

匠登録出願があった場合は、当該二以上の意匠登録出願は、意匠法第9条第2項前段の規定により定めた一の意匠登録出願以外は原則として意匠登録出願を受けることができないが、同一人による意匠登録出願である場合には、意匠法第10条第1項の規定に該当するものであるときに限り、本意匠及びこれに係る関連意匠として意匠登録を受けることができる。

類似の意匠について同日にされた意匠登録出願

(2)出願人が同一の場合

意匠審査基準 第6部 P85

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「関連意匠制度」とは

- 「一つのデザイン・コンセプト」から創作された多数のバリエーションの意匠について、同等の価値を有するものとして保護するもの

- 関連意匠として登録された意匠も、各々について独自に権利を行使することが可能

⑤ 関連意匠制度意匠審査基準 第7部 第3章 P128

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関連意匠

本意匠

関連意匠

第三者による実施意匠

関連意匠の効力が及ぶ

本意匠の効力範囲

関連意匠の効力範囲

関連意匠の効力範囲

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(1)本意匠の出願人(意匠登録後は意匠権者)と同一の意匠登録出願人による意匠登録出願であること

(2)本意匠に類似する意匠に係る意匠登録出願であること

(3)本意匠の意匠登録出願の日以後であって、本意匠に係る意匠公報の発行の日前に出願された意匠登録出願であること

関連意匠の意匠登録を受けるための要件

意匠審査基準 第7部第3章 73.1.1 P129

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通常意匠

秘密意匠

関連意匠出願可能期間

公報発行設定登録 公知

図面等掲載(公報)

公知秘密期間

出願人 意匠権者

関連意匠の出願可能時期

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登録1375955号 登録1387037号登録1387038号登録1387035号

「包装用容器」

本意匠 関連意匠 関連意匠 関連意匠

関連意匠事例

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「はさみ」

登録1194091号 登録1194217号

本意匠 関連意匠

関連意匠事例

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「包装用箱」

登録1468407号登録1468136号

本意匠 関連意匠

関連意匠事例

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69「部分意匠」として登録 第三者による実施

制度の目的

独創的で特徴ある創作部分を第三者に模倣されることを防止する

⑥ 部分意匠制度意匠審査基準 第7部 第1章 P90

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- 部分意匠の意匠に係る物品は、意匠法の対象とする物品と認められなければならない

- 当該物品全体の形態の中で一定の範囲を占める部分である

- 当該物品において、他の意匠と対比する際に対比の対象となり得る部分である

意匠審査基準第7部第1章 71.1 P91

部分意匠の定義

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【参考】「物品」と認められない例

意匠に係る物品:「繊維製品に付す模様」

「ティーシャツ」

意匠審査基準 第7部第1章 71.4.1.1.1 P95

「物品」と認められる例

「ティーシャツ正面に表れた模様が、意匠登録を受けようとする部分である。」

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「意匠登録を受けようとする部分」が稜線のみのもの

= 稜線は面積を持たないものであるため、一定の範囲を占める部分に該当しない。

「建築用コンクリートブロック」

意匠審査基準第7部第1章 71.4.1.1.5 P97

「意匠登録を受けようとする部分」が、一定の範囲を占める部分と認められない例

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「包装用容器」「炊飯器」

意匠登録第1096585号

意匠審査基準第7部第1章 71.4.1.1.6 P98

「意匠登録を受けようとする部分」が、対比の対象となり得る例

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-「その他の部分」も含め、意匠に係る物品全体の形態について、一組の図面が必要

-実線及び破線で表現する際には、「意匠登録を受けようとする部分」を実線とし、「その他」の部分を破線とする

-図面表現上、境界が不明となる場合には、 一点鎖線を用いて範囲を特定する

【底面図】

【正面図】 【右側面図】

【平面図】

【背面図】【左側面図】

「実線で表した部分が、部分意匠として

意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」

意匠審査基準 第7部第1章 71.2.2 P92

図面の作図方法

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外部から視認できないもの 視覚に訴えない

「スイッチボックス」

【右側面図】

【A-A線断面図】【平面図】

【正面図】 【平面図中央横断面図】

【斜視図】

A A

意匠審査基準 第7部第1章 71.4.1.1.3 P96

通常見えない部分の部分意匠の取扱い

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【斜視図】【正面図】

【平面図】

【左側面図】 【B-B線断面図】

「孔」を囲む壁面が「意匠登録を受けようとする部分」

「ケーブル収納用内管保持具」

意匠登録を受けようとする部分が「孔」の形状の場合

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◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

図形中の破線等によって特定された位置に、その他の部分を有する

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「その他の部分」

「建築用壁板」

下図のように認定します。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

図形の内側に「その他の部分」を有するとき

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【正面図】

【平面図】

実線+破線で表した場合 その他の部分を薄墨で表した場合

【平面図】

【正面図】

「包装用容器」

【意匠の説明】の欄に、薄墨を配した部分以外の部分が、意匠登録を受けようとする部分である旨の記載が必要

部分意匠の作図例

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【正面図】

液晶画面側?操作ボタン側??【平面図】

【正面図】スピーカー

スピーカー部の位置不明

「携帯電話」

スピーカー部の位置特定

破線部の効果

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1096515「メモリーカード用データ表示器」

1100368「オーディオ用メモリーカードプレーヤー」

1100369「メモリーカード及びデジタルビデオディスク用データ表示機」

本意匠 関連意匠

ありふれた範囲内審査基準 71.4.2.2.1(5) P104

意匠審査基準 第7部第1章 71.4.2.2.1(5) P104

「位置」、「大きさ」、「範囲」

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以下のいずれかに該当する場合は、「一意匠」として取扱う

形態的な一体性がある場合例:「腕時計用側」

機能的な一体性がある場合例:「理容用はさみ」

意匠審査基準 71.7.1.2 P109

物理的に分離した2以上の部分が含まれる場合

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形態的な一体性も機能的な一体性も認められない事例

「自転車」

物理的に分離した2以上の部分が含まれる場合

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意匠法2条1項:この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。第八条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。

意匠法2条2項:前項において、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合には、物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像であつて、当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるものが含まれるものとする。

⑦ 画像を含む意匠

(1) 物品の表示部に表示される画像が、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められるものであること

意匠登録出願の意匠に含まれる画像が、意匠法の保護対象となる意匠を構成するためには、以下の(1)又は(2)のいずれかに該当しなければならない。

(2) 意匠に含まれる画像が、意匠法第2条第2項において規定する画像を構成するものであること

また、上記(1)又は(2)の条件に該当するためには、物品の表示部に表示される画像が、その物品に記録された画像であることを要する。

意匠審査基準 第7部 第4章 74.1 P136

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物品の表示部に表示される画像が、意匠法第2条第1項に規定する物品の

部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められるためには、以

下の全ての要件を満たしていなければならない。

(1)画像を含む意匠の意匠に係る物品が、意匠法の対象とする物品と認められるものであること(第2部「意匠登録の要件」第1章「工業上利用することができる意匠」21.1.1.1「物品と認められるものであること」参照)

(2)物品の表示部に表示される画像が、その物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像であること

(3)物品の表示部に表示される画像が、その物品に記録された画像であること

物品の表示部に表示される画像が、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められるものであること 意匠審査基準 第7部第4章 74.4.1.1.1.1 p141

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【意匠に係る物品】 腕時計本体

意匠法第2条1項により保護される画像の例

【意匠に係る物品】 湿度計

【意匠に係る物品の説明】

デジタルカメラの水平状態測定表示機能。表示部に表された図形は、撮影時に水平状態を確認するための水準器表示である。

【意匠に係る物品】 デジタルカメラ 【意匠に係る物品】

方位計測機能付き電子計算機

方位を表示中の画像

方位計測機能

電子計算機ソフトウェアをインストール

ソフトウェアのインストールに基づく電子計算機の付加機能の画像

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意匠に含まれる画像が、意匠法第2条第2項において規定する画像を構成するためには、以下のすべての要件を満たしていなければならない。

(1) 画像を含む意匠の意匠に係る物品が、意匠法の対象とする物品と認められ

るものであること(第2部「意匠登録の要件」第1章「工業上利用することができる意匠」21.1.1.1「物品と認められるものであること」参照)

(2) 物品の機能を発揮できる状態にするための操作の用に供される画像であること

(3) 当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示される画像であること

(4) その物品に記録された画像であること

意匠審査基準 第7部第4章 74.4.1.1.1.2 p143

意匠に含まれる画像が、意匠法第2条第2項において規定する画像を構成するものであること

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【意匠に係る物品】 携帯電話機 【意匠に係る物品】 磁気ディスクレコーダー

(物品自体が有する表示部に表示される画像の例)

※表示部に表示された画像は通話機能等、物品の機能を発揮できる状態にするために行われる操作に用いられることが前提となる。

(当該物品と一体として用いられる物品(例、テレビモニター)に表示される画像の例)

※録画予約機能等、物品の機能を発揮できる状態にするために行われる操作に用いられる画像であることが前提となる。

意匠法第2条2項により保護される画像の例

はがき作成機能

宛名作成機能を発揮させるための画像

【意匠に係る物品】はがき作成機能付き電子計算機

電子計算機

【意匠に係る物品】 複写機 【意匠に係る物品】 複写機

特定機能をアップデート

ソフトウェアをインストール

ソフトウェアのインストールに基づく電子計算機の付加機能の画像 物品があらかじめ有する機能のアップデート画像

印刷のための各種設定を行う画像 印刷のための各種設定を行う画像

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物品の外部からの信号による画像(インターネットの画像、テレビ番組の画像等)

表示部の背景を装飾するための画像(いわゆる壁紙)

記録媒体に記録された画像

(例)「動画再生機能付き電子計算機」の動画再生用画像

ゲームソフトにより表示される画像

コンテンツ表示部

コンテンツ表示部であることを参考図又は願書の説明欄の記載により示すことが望ましい

コンテンツ部分の記載がなければ登録可能

物品の機能から独立したコンテンツの画像を表示したもの

意匠審査基準 第7部第4章 74.4.1.1.2 p150

意匠を構成する画像に該当しないもの

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電子計算機が本来的に有する機能は情報処理機能のみであるため、意匠に係る物品を「電子計算機」とする意匠の場合、任意のソフトウェア等により表示される画像は、情報処理を既に実行している画像であって、物品(電子計算機)の情報処理機能を果たすために必要な表示ではないことから、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に該当しない。また、ソフトウェアにより表示される画像は、物品(電子計算機)の情報処理機能を既に発揮している状態の画像に該当するため、意匠法第2条第2項に規定する画像にも該当しない。

ただし、電子計算機の情報処理機能に係るBIOS(入出力のための基本システ

ム)の画像や、ハードウェアとしての電子計算機の機能調整に関する画像(例えば、画面一体型の電子計算機における画面照度調整の画像等)については、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合、又は、意匠法第2条第2項に規定する画像に該当する。

意匠審査基準 第7部 第4章74.4.1.1.1.3.1 P147

電子計算機の画像

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電子計算機は、それ単体では情報処理機能しか有さないものの、ソフトウェアと一体化することにより、具体的な機能を有する新たな物品を構成し得る。この電子計算機にソフトウェアをインストールすることにより、電子計算機が通常有する以外のハードウェアを要さずに成立する新たな物品を、付加機能を有する電子計算機と位置付ける。

付加機能を有する電子計算機については、情報処理機能のみならず、付加された具体的機能を有する物品であることから、当該付加機能を果たすために必要な表示を行う画像である場合には、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に該当する。

また、当該付加機能を発揮できる状態にするために行われる操作の用に供される画像である場合には、意匠法第2条第2項に規定する、物品の操作の用に供される画像に該当する。

意匠審査基準 第7部第4章 74.4.1.1.1.3.2 P148

付加機能を有する電子計算機の画像

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【意匠に係る物品】

歩数計機能付き電子計算機

【意匠に係る物品】

はがき作成機能付き電子計算機

歩数計測データを表示する画像

宛名作成機能を発揮させるための画像 切削加工内容の設定を行うための画像

【意匠に係る物品】

マシニングセンタ制御機能付き電子計算機

【意匠に係る物品】

方位計測機能付き電子計算機

方位を表示中の画像

付加機能を有する電子計算機として認められる例

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図のように表される物品は、切削加工をその用途及

び機能とする物品であって、切削加工の実現のた

めに電子計算機以外のハードウェアを必須の構成

要素とする物品と認められる。

よって、この場合の【意匠に係る物品】は、

○「マシニングセンタ」

×「マシニングセンタ機能付き電子計算機」

×「マシニングセンタ制御機能付き電子計算機」

【正面図】 【意匠登録を受けようとする部分の部分拡大図】

(切削加工内容の設定を行うための画像)

「一体として用いられる物品」に該当しない物品

【意匠に係る物品】

画像画像

クライアント端末「スマートフォン」 「タブレット」 「パソコン」等

指示結果

ネットワークを通じて電子計算機間で用いられる画像

サーバー(クラウド環境のものを含む)

× 「○○機能付き電子計算機」

入力指示に基づき、結果をフィードバック表示

ネットワークコンピューティング

電子計算機

電子計算機

電子計算機以外のハードウェアを必須の構成要素とする物品で用いられる画像

付加機能を有する電子計算機の画像として意匠を構成するものと認められない例

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93

(部分意匠として画像を含む意匠を出願する場合)

~ 中略 ~

【部分意匠】【意匠に係る物品】 携帯電話機~ 中略 ~

【意匠に係る物品の説明】正面図中の表示部に表された画像

は、通話機能を発揮できる状態にするための画像であって、アドレス帳から任意のグループを選択する操作を行うものである。画面右寄りの横長長方形部にグループ名が表示され、それらを選択して操作を行う。

【意匠の説明】正面図中の実線で表された部分が意匠登録を受けようとする部分である。

【書類名】 図面

画像の意匠に関する願書及び図面の記載事例当該物品自体が有する表示部に表示される場合

画像の用途及び機能の説明を【意匠に係る物品の説明】の欄に明確に記載する必要がある。

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94

(部分意匠として画像を含む意匠を出願する場合)

【部分意匠】【意匠に係る物品】 チューナー付磁気ディスクレコーダー

【意匠に係る物品の説明】本物品は、ハイビジョン放送を受信可能なチュー

ナーを有し、受信したテレビ番組の録画、再生を行うための磁気ディスクレコーダーである。

画像図に示す画像は、当該物品と一体として用いられる表示機器に表示されるものである。画像図は、録画した番組の再生を行うための機能を発揮できる状態にするための画像であって、画面中央に番組が表示され、その右方に配された操作ボタンによって選択、決定等の各種操作を行うものである。

【意匠の説明】実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。意匠に係る物品全体の形態を表す一組の図面は、意匠登録を受けようとする部分が表れないため、省略する。

【書類名】 図面

画像の用途及び機能の説明を【意匠に係る物品の説明】の欄に明確に記載する必要がある。

また、「当該物品と一体として用いられる物品に表示される画像」について出願をする場合には、一体として用いられる物品が表示機器である旨の説明を記載する。

一組の図面を省略した場合にはその旨の記載が必要となる 一組の図面は省略可能

画像の意匠に関する願書及び図面の記載事例当該物品と一体として用いられる他の表示機等に表示される場合

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適切な例 不適切な例

『○○機能』の記載

(a) 付加機能により「経路誘導機」と同等の機能を有するものである場合、「経路誘導機能付き電子計算機」

(b) 付加機能により「デジタルカメラ」と同等の機能を有するものである場合、「カメラ機能付き電子計算機」

(c) 付加機能により「歩数計」と同等の機能を有するものである場合、「歩数計機能付き電子計算機」

(d) 物品の区分と同程度の付加機能を同時に複数有する電子計算機において、それらの中から実行に移すものを選択、決定するためのメニュー画像について意匠登録出願する場合、「ホームメニュー機能付き電子計算機」

(a) 付加機能として総括的な機能を記載したもの

例、「事務処理機能付き電子計算機」

(b) 付加機能として抽象的な機能を記載したもの

例、「決定機能付き電子計算機」、「選択機能付き電子計算機」

(c) 一の具体的な付加機能を表したものでないもの

例、「携帯情報端末機能付き電子計算機」、「情報処理機能付き電子計算機」

付加機能を有する電子計算機の画像の場合の 「意匠に係る物品」の欄の記載

(例)

願書及び図面の記載

意匠審査基準第7部第4章 74.2.1(2)、74.7.1.1 及び 74.7.1.2 p136及び182

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変化前の画像と変化後の画像が、以下の要件を満たす場合のみ、複数の画像を含んだ状態で一意匠と認定する。

物品の同一機能のための画像であり

かつ

変化の前後の画像に形態的関連性が認められる場合

変化する画像の一意匠の考え方(意匠法第2条1項、同第2条2項共通)

意匠審査基準 第7部第4章74.7.1.3 P185

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音楽再生

プレイリスト

ラ ンダ ム

STORE

アルバム名から選ぶ

音楽再生

プレイリストプレイリスト

ラ ンダ ムラ ンダ ム

STORESTORE

アーティスト名から選ぶ

【正面部分拡大図】 【変化後を示す正面部分拡大図】

【表示部拡大図】 【変化後を示す表示部拡大図】

【表示部拡大図】 【表示部拡大図2】 【表示部拡大図3】 【表示部拡大図4】 【表示部拡大図5】

携帯情報端末機

音楽再生機付き携帯電話機 音楽再生機

変化の前後を示す画像として、複数の画像を含んだ状態で一つの意匠として認められる例

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【変化後を示す画像図】【画像図】

<異なる機能のため、複数の画像が一意匠として認められない例>

変化前の画像は、音楽再生機能のための画像であるのに対し、変化後の画像は経路誘導機能のための画像であって、物品の同一機能のための画像とは認められない。

<形態的な関連性がなく、複数の画像が一意匠として認められない例>

【正面図】 【変化後を示す正面図】

レイアウトが大きく異なり形態的関連性がない。

変化の前後を示す画像として、複数の画像を含んだ状態で一つの意匠としては認められない例

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- パリ条約による優先権主張の効果

同盟国の一国への 初の出願の日から他の同盟国への優先権の主張を伴う後の出願の日までの期間内にされた他の出願又は公知の事実等によって、後の出願が不利な取扱いをうけない(パリ4条B)

パリ条約による優先権を主張するための手続(特43条)・パリ条約の同盟国の国名及び出願の年月日を記載した書面を意匠登録出願と同時に提出・優先権証明書を我が国の意匠登録出願の日から3月以内に提出(意15条)

パリ条約による優先権を主張する場合の優先期間同盟国の一国への 初の出願の日から6か月(パリ4条C(1)、E(1))

パリ条約による優先権を主張の効果が認められるための要件(1)同盟国の第一国の出願は、正規にした 初の出願であること(2)我が国への出願人は 初の出願をした者又はその承継人であって、条約の利益を享受する

ことができる者であること(3)第一国への 初の出願は意匠登録出願又は実用新案登録出願であること(パリ4条E(1))(4) 初の出願の意匠と同一であること

⑧ パリ条約による優先権等の主張の手続意匠審査基準 第10部 101.1 P210

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(1)意匠の表現形式にかかわらず優先権証明書の中に我が国への意匠登録出願の意匠と実質的に同一の意匠が示されていればよい。(意匠審査便覧15.07)

(2)優先権証明書の中に我が国への意匠登録出願の意匠が示されているか否かは、その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて、優先権証明書全体の記載内容から総合的に判断することにより行う。

(3)優先権証明書に記載された意匠の認定(意匠に係る物品、物品の形状、模様、色彩、意匠登録を受けようとする部分の意匠全体に対する位置・大きさ・範囲等)は、第一国( 初に出願した国)の法令等も考慮する。

基本的な考え方

パリ条約による優先権等の主張の効果の認否における「意匠の同一」について

意匠審査基準 第10部 101.3 P212

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101

第一国出願:腕時計用文字盤の意匠で正面図のみ記載されている。また、部分意匠の出願であるか否かの記載はない。

我が国への出願:実線で表した一組の図面が記載された全体意匠の出願。これら一組の図面は優先権証明書記載の正面図と一致す

る。

例① 優先権証明書の添付図面に物品全体の形態が表されていない場合において、物品全体の形態が表された意匠を我が国への意匠登録出願の意匠とした場合

(説明) 腕時計用文字盤は、通常板状であり、平面、底面及び左右側面の形態は、正面図の幅や高さに対応した、厚みのほとんどないものとして導き出すことができる。また、背面の形態は、通常、腕時計用文字盤の意匠において、機械内部に隠れるものであるから、特段の装飾は施されておらず、正面図に表れた針等を通すための孔部と左右対称に孔が開いている状態として特定ができる。したがって、優先権証明書記載の意匠と我が国への意匠登録出願に係る意匠とは、優先権の認否において同一であると認められる。

(第一国出願)

XII

(我が国への出願)

XII

意匠審査基準 第10部 P216

<両意匠が同一と認められる例>

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<両意匠が同一と認められる例>第一国出願:折り畳み式の携帯電話機の意匠で、閉じた状態の形態を表す図面のみ記載されており、開いた状態の内側の形態は記載されていない。また、部分意匠の出願であるか否かの記載はない。

日本出願:開いた状態の内側を破線で表し、閉じた状態で表れる部分を「意匠登録を受けようとする部分」とする、部分意匠の出願。

(説明) 諸外国では、必ずしも我が国のように願書に部分意匠の出願であることの明示を要求されない。また、携帯電話機については、我が国では、閉じた状態で現れる部分のみ意匠登録を受けようとする場合であっても、開いた状態の内側の形態を破線で表した図面が必要であるが、諸外国では必ずしも必要とはされていない。

優先権証明書の記載を総合的に判断すると、第一国出願は、携帯電話機の閉じた状態で表れる部分のみについて意匠登録を受けようとするもので、我が国の制度に当てはめれば部分意匠の出願と認められ、かつ、閉じた状態で表れる部分の携帯電話機全体に対する位置・大きさ・範囲は明確なことから、優先権証明書記載の意匠と我が国への意匠登録出願に係る意匠とは、優先権の認否において同一であると認められる。

(第一国出願)

例② 優先権証明書記載の意匠において具体的形態が表されていた部分について意匠登録を受けようとする部分とし、表されていない部分をそれ以外の部分とする部分意匠の出願とした場合

(我が国への出願)

開いた状態で現れる操作部や表示部等の内側の形状を破線で表す。

意匠審査基準 第10部 P217

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二以上の意匠を包含する意匠登録出願の一部を一又は二以上の新たな意匠登録出願とすることができる

適法な分割と認められる要件

i) 意匠登録出願が審査、審判又は再審に係属していること

ii) 意匠登録出願人が同一であること

iii) 二以上の意匠が包含されている意匠登録出願についての分割であること

iv) 分割による新たな意匠登録出願に係る意匠は、もとの意匠登録出願に包

含されていた二以上の意匠のうちいずれかと同一の意匠であること

⑨ 意匠登録出願の分割意匠審査基準 第9部第1章91.1.1 p202

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適法な分割とは認められない例

i) 意匠ごとに出願され、意匠法第7条に規定する要件を満たしている意匠登録出願

を、その物品を構成する部品ごとに分割した場合

ii) 意匠法第8条に規定する要件を満たしている組物の意匠の意匠登録出願を、構

成物品ごとに分割した場合

iii) 新たな意匠登録出願に表された意匠がもとの意匠登録出願に包含されていた二

以上の意匠のいずれからみても要旨を変更するものである場合

意匠審査基準 第9部第1章91.1.2 p203

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出願の変更とは、出願内容の変更ではなく、もとの特許出願又は実用新案登録出願と変更された後の意匠登録出願との間の出願形式の変更

意匠登録出願への変更と認められる要件

i) 特許出願から意匠登録出願への変更の場合は、もとの特許出願について拒絶をすべき旨の 初の査定の謄本の送達があった日から3か月以内であること

ii) 実用新案登録出願から意匠登録出願への変更の場合は、もとの実用新案登録出願が特許庁に係属していること

iii) 変更による新たな意匠登録出願の出願人と、もとの特許出願人又はもとの実用新案登録出願人とは同一であること(承継人の場合を除く)

iv) もとの特許出願又は実用新案登録出願の 初の明細書及び図面中に、変更による新たな意匠登録出願の意匠が明確に認識し得るように具体的に記載されていること

v) 変更による新たな意匠登録出願の意匠が、もとの特許出願又は実用新案登録出願の初の明細書及び図面に表された意匠と同一であること

⑩ 出願の変更意匠審査基準 第9部第2章 92.1.1 p205

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※ ただし、もとの明細書及び図面中に明確に認識し得るように具体的な記載が複数あった場合には、一つの特許出願等から、複数の意匠登録出願へと変更が可能

適法な変更の手続きとは認められない例

i) もとの特許出願又は実用新案登録出願の 初の明細書及び図面中に、変更による新

たな意匠登録出願の意匠が明確に認識し得るような具体的な記載が無い場合

ii) 変更による新たな意匠登録出願の意匠が、もとの特許出願又は実用新案登録出願の

初の明細書及び図面に明確に認識し得るような具体的な記載による表された意匠

と同一でないと認められる場合

iii) 変更による新たな意匠登録出願の意匠が、もとの特許出願又は実用新案登録出願の

初の明細書及び図面の記載以外のものを付加した場合

意匠審査基準 第9部第2章 92.1.2 p206

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秘密意匠制度のポイント

- 意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、登録意匠を秘密にすることができる

- 秘密意匠の請求をする場合は、以下の事項を記載した書類を出願と同時に、又は意匠登録の第1年分の登録料の納付時と同時に提出しなければならない- 意匠登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所- 秘密にすることを請求する期間

- 手数料 5,100円

⑪ 秘密意匠制度 (意匠法第14条)

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【ジュネーブ改正協定に基づく手続】

【従来の手続】

各国別の意匠登録出願

複数国・複数意匠( 大100意匠)を一括で出願

単一の言語・書式・通貨で出願

各国で現地代理人不要(出願時)

複数国の意匠権を一括で維持管理

海外での意匠権取得の

低廉化、簡便化

出願人

WIPO国際事務局

A国 B国 C国

単一の意匠登録出願(国際出願)

EU、韓国、米国(日本と同日に発効)を含む54の国・政府間機関が協定に加盟。(2018年6月時点)

中国、カナダ、ASEAN諸国※等も、加入検討中。(※シンガポール、ブルネイ加入済)

⑫ 意匠の国際登録制度の概要

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109ホーム > 制度・手続 > 国際出願 > 意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく国際出願に関してハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際登録制度(リーフレット) https://www.jpo.go.jp/seido/s_ishou/pdf/hague-geneva/leaflet.pdf

意匠の国際登録制度の手続概要

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ただし、国内出願とは手続形式が異なる国際出願を新たに取り扱うこととなるため、以下のような観点から意匠審査基準を追加整備した

① 国際意匠登録出願を我が国の意匠登録出願として適切に審査するために、明確にする必要がある事項 (第11部 国際意匠登録出願 の新設)

例)国際登録簿に記録された事項と意匠登録出願の願書又は図面に記載すべき事項との対応関係

② 国際出願の受入れによって生じる国内出願の審査への影響

例)先願が国際意匠登録出願である場合の先後願の判断

③ ジュネーブ改正協定の趣旨を踏まえた審査手続の進め方

例)拒絶の通報をすべき場合

我が国を指定国とする国際出願は、国際登録され、国際公表されると我が国の意匠登録出願とみなされることから、その出願(国際意匠登録出願)の実体的要件に関する審査判断は、国内出願についての審査判断に準じて行う

国際意匠登録出願の実体審査の概要

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国際登録簿に記録された事項 意匠登録出願の願書の記載事項

国際登録の対象である意匠を構成する一若しくは二以上の製品又は国際登録の対象である意匠が使用されることとなる一若しくは二以上の製品

【意匠に係る物品】

国際登録名義人の氏名又は名称及びその住所 【意匠登録出願人】の氏名又は名称及び住所又は居所

国際登録の対象である意匠の創作をした者の氏名及びその住所

【意匠を創作した者】の氏名及び住所又は居所

国際登録簿に記録された事項と意匠登録出願の願書又は図面に記載すべき事項との対応関係

[表1]意匠法第6条第1項に定める事項についての対応関係

・国際意匠登録出願の場合、

「国際登録簿に記録された事項」は、「意匠法第6条第1項の規定により提出した願書に記載された事項」

「国際登録簿に記録された意匠」は、

「意匠法第6条第1項の規定により提出した図面に記載された意匠登録を受けようとする意匠」

とみなされるため、国際意匠登録出願の場合には、以下の対応関係に従って意匠の認定を行う [意60の6(3),(4)]

国際意匠登録出願に係る意匠の認定(1/2)

意匠審査基準 第11部 第1章 112.1 P225

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国際登録簿に記録された事項 意匠登録出願の願書の記載事項

出願の対象である意匠の複製物又は特徴についての簡潔な説明

【意匠の説明】又は【意匠に係る物品の説明】

※国際意匠登録出願においては、これらの区別なく、いずれも【意匠の説明】の欄に記載される。

本出願若しくは本登録又は本意匠の表示 【本意匠の表示】

新規性喪失の例外に関する宣言 【特記事項】の欄の「意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする意匠登録出願」の記載

先の出願の優先権を主張する旨の申立て 【パリ条約による優先権等の主張】

[表2]意匠法第6条第1項に定める以外の事項についての対応関係

国際登録簿に記録された意匠の複製物 意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面

[表3]意匠の複製物と図面についての対応関係

意匠審査基準 第11部 第1章 112.1 P226

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国際意匠登録出願に係る意匠の認定(2/2)

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■意匠が具体的とは認められない例

意匠が具体的なものであるか否かの判断基準は、国内出願と同様

ジュネーブ改正協定に基づく国際出願は、出願の様式や記載要件が国内出願とは異なるため、国内出願の方式要件を満たさないもの(立体物の意匠について一組の図面(六面図)が揃っていないものなど)の出願も想定されるが、意匠が具体的でないと判断される場合、当該出願は拒絶の対象となる

補正指令(方式)

(理由)一組の図面が揃っていない

拒絶 (拒絶の通報)(理由)意匠が具体的でない

・立体物の全体意匠が1図のみで表されている ※具体的な意匠ともいえない

意匠が具体的なものであること

国内出願

国際意匠登録出願

意匠審査基準 第11部 第1章 113.1.2 P229

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■意匠法第7条に違反する出願の例(物理的に分離した部分意匠の場合)

国際登録の対象である意匠が意匠法第7条(一意匠一出願)の要件を満たさない場合には、拒絶の対象となる

※複数の意匠を含む国際出願の場合、我が国では「国際登録の対象である意匠ごと」の出願とみなされるが、それがそのまま、意匠法第7条に規定する「経済産業省令で定める物品の区分により意匠ごと」にした出願を意味することとはならない

・サドルと後輪を実線、その他を破線で記載し、破線部は保護を求めない旨を説明記載

意匠法第7条に規定する「意匠ごと」の出願とは認められないため、拒絶の対象となる

・一方のみに限定する補正が可能

・出願の分割により、他方を新たな出願(通常の国内出願)とすることも可能

限定(一部削除)補正 分割出願(国内出願)

※後輪のみ実線 ※サドルのみ実線

(説明のために他の部分の記載を省略)

一意匠一出願

意匠審査基準 第11部 第1章 116.1 P234

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国際出願では、図面中に図示されるが「保護を求めないもの」を、点線、破線若しくは着色、又は出願様式中の説明欄の記載によって表すことが認められている

国際出願の出願様式には、「部分意匠」の欄の記載が認められていない※ 国内出願では、出願人の意図を明確にするための「部分意匠」の欄の記載、及び、「意匠登録を受けようとす

る部分」を特定するための記載(図面及び説明)が必要

国際意匠登録出願の場合、以下の条件が満たされている場合に、我が国の「部分意匠」に相当すると判断する

・図面及び説明の記載の双方において、物品の部分について意匠登録を受けようとするものであることが明確に示されている

・その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて、願書及び図面の記載から以下の点についての具体的内容を直接的に導き出すことができる

① 意匠に係る物品② 「意匠登録を受けようとする部分」の用途及び機能③ 「意匠登録を受けようとする部分」の位置、大きさ、範囲④ 「意匠登録を受けようとする部分」の形態

※部分意匠に相当すると判断される場合、他に拒絶の理由があれば出願人の手続補正により、他に拒絶の理由がなければ審査官が、「部分意匠」の欄の追記を行う

部分意匠(1/2)

意匠審査基準 第11部第8章 118.1 P241

115

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■「部分意匠」に相当すると認められる例

・図面中で「意匠登録を受けようとする部分」と「その他の部分」とを実線と破線により明確に描き分けており、説明も記載されている

<図面中に「保護を求めないもの」を表した具体例>

DM/081639(意匠番号2)

・車体前部以外を青色に着色

・説明に「・・・the blue marked parts are not coming into the scope of the industrial design (disclaimer)・・・」と記載

DM/072618(意匠番号7)・ヘッド部を破線で記載・説明に「・・・The broken line disclosure (handle; neck) does not form part of the claimed design・・・」と記載

DM/076606(意匠番号6)

・前面部以外の部分を破線で記載

・説明に「・・・No protection is sought for the features of the designs indicated by broken lines, shown in the representations・・・」と記載

他の図は省略 他の図は省略 他の図は省略

部分意匠(2/2)

意匠審査基準 第11部第8章 118.1 P237

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WIPO国際事務局を経由しての拒絶の通報を行うのは、国際意匠登録出願が「法令に基づく保護の付与の条件を満たしていない場合」といえる以下の場合

①当該国際意匠登録出願が拒絶理由(意匠法第17条各号)に該当する場合(※拒絶の通報によって拒絶理由通知を代替)

②当該国際意匠登録出願に関する手続又は処分の確定を待つ必要がある場合

③当該国際意匠登録出願以外の出願に関する処分の確定を待つ必要がある場合(待ち通知)

一度拒絶の通報を行った場合、以後の手続では、拒絶理由の通知等は、WIPO国際事務局を経由しての拒絶の通報にはよらずに、通常の拒絶理由通知等により、特許庁から直接通知を行う

WIPO国際事務局を経由しての拒絶の通報は、英語で行う

拒絶の通報

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特徴記載制度の効果

- 審査官が、当該記載内容を見ることにより、審査における的確なサーチ範囲の決定のための参考情報となることから、審査の迅速化が期待できる。

- 登録された場合には、意匠の特徴及び説明図の記載内容を意匠公報に掲載することにより、第三者に、その登録意匠の創作に関する出願人の主観的意図を知らせることができる。

- 特徴記載書の記載内容は、意匠法第24条に規定する登録意匠の範囲を定める基礎とはしないため、権利範囲に対しては、直接的に影響を与えない。

提出手続

- 任意の手続であって、必須ではない。

- 提出は、願書を提出するとき、又は出願が審査、審判若しくは再審に係属しているときに限りすることができる。

⑬ 特徴記載制度 (意匠法施行規則第6条)

意匠審査基準 第13部 第1章131.1 P268

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http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/souki/pdf/isyou_soukisinri.pdf

※詳細は以下の特許庁ホームページにてご確認ください。

意匠登録出願の早期審査及び早期審理のためのガイドライン

119

3.その他

早期審査制度

早期審査とは意匠登録出願について所定事項の記載された「早期審査に関する事情説明書」が提出され、選定の結果、早期審査の対象となった案件について、審査官はすみやかに審査を開始し、その後も遅滞なく処分が終了するように審査手続を進めるもの(手数料不要)。

◆対象となる意匠登録出願

(1) 権利化について緊急性を要する実施関連出願

出願人自身又は出願人からその出願の意匠について実施許諾を受けた者(ライセンシー)が、その出願の意匠を実施しているか又は実施の準備を相当程度進めている意匠登録出願であって、以下のいずれかに該当し、権利化について緊急性を要するものであること。

i ) 第三者が許諾なく、その出願の意匠若しくはその出願の意匠に類似する意匠を実施しているか又は実施の準備を相当程度進めていることが明らかな場合

ii ) その出願の意匠の実施行為(実施準備行為)について、第三者から警告を受けている場合iii ) その出願の意匠について、第三者から実施許諾を求められている場合

(2) 外国関連出願 (国際意匠登録出願含む)

出願人がその出願の意匠について日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している意匠登録出願であること。

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震災により被災された企業等の知財を活用した復興を支援するため、平成23年8月1日から「震災復興支援早期審査・早期審理」を実施しています。

◆対象となる意匠登録出願(以下の(ア)又は(イ)に該当する意匠登録出願)

(ア)出願人の全部又は一部が、災害救助法(昭和22 年法律第118 号)の適用される地域(東京

都を除く。以下、「特定被災地域」という。)に住所又は居所を有する者であって、地震に起因した被害を受けた者による意匠登録出願。

(イ)出願人が法人であり、当該法人の特定被災地域にある事業所等が地震に起因した被害を受けた場合であって、当該事業所等の事業として創作された意匠又は実施される意匠に係る意匠登録出願。

ホーム > 制度・手続 > 意匠 > 手続 > 審査に関する情報 > 早期審査について > 意匠登録出願の震災復興支援早期審査・早期審理について

震災復興支援早期審査

※詳細は以下の特許庁ホームページにてご確認ください。

http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/souki/isyou_souki_sinsai.html

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◆「意匠」 → 「基準・便覧・ガイドライン」 →「審査」・意匠審査基準・意匠審査基準英語版(仮訳)・意匠法施行規則別表第一・別表第二・意匠法施行規則別表第一・別表第二(仮訳)・意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引きの改訂について・意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引き・意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引き(仮訳)・画像意匠登録事例集・部分意匠の関連意匠登録事例集・意匠審査便覧・意匠登録出願等の手続のガイドライン・面接ガイドライン【意匠審査編】・意匠の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための手続について

詳しくは特許庁HPをご参照くださいhttp://www.jpo.go.jp

◆「意匠」 → 「よくある質問」・意匠登録出願書類の意匠登録願の記入例を見せてください(外部サ

イトへリンク)・意匠に関する申請書類について教えてください(外部サイトへリンク)・意匠登録出願書類の図面の記入例について見せてください(外部サ

イトへリンク)・「見本」、「ひな形」に関するQ&A・協議指令に応答する手続書類についてのQ&A・平成18年改正意匠法の運用に関するよくある質問・「部分意匠」に関するQ&A・国際意匠登録出願の拒絶の通報への対応について(よくある質問)・意匠の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための手続について

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◆【意匠の国際出願】ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく国際出願に関して

・ハーグ協定のジュネーブ改正協定による国際出願制度について・ハーグ協定のジュネーブ改正協定による国際出願手続について・ハーグ協定関係手数料について・WIPOが提供するユーザー向け情報・WIPOからの重要なお知らせ・ハーグ協定のジュネーブ改正協定及び関係規則について・関係法令等・外国産業財産権制度情報・ハーグ協定のジュネーブ改正協定に関するQ&A・国際意匠登録出願に係る国際登録番号と出願番号対応一覧の掲載について

http://www.jpo.go.jp

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(参考資料)

1.意匠法第4条の改正に伴う意匠審査基準の適用について

2.同一出願人により異日に出願された二以上の意匠登録出願についての意匠法第9条及び第10条の適用について

3.意匠の調査について

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1.意匠法第4条の改正に伴う意匠審査基準の適用について

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平成29年12月8日以前に公開行為を行っていたか?

平成30年6月9日以降に意匠登録出願をしたか(するか)?

改正意匠法4条が適用される。

(例外期間は1年)

改正前の意匠法4条が適用される。(例外期間は6月)

改正意匠法の施行日である平成30年6月9日以降に出願したとしても、経過措置により、改正前の意匠法4条が適用され

る。(例外期間は6月)

はい

はい

いいえ

いいえ

<参考条文>不正競争防止法等の一部を改正する法律 附則第 12 条第十二条 意匠法第三条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当するに至った日が、第二号施行

日の六月前の日前である意匠については、第四条の規定(附則第一条第二号に掲げる改正規定に限る。)による改正後の意匠法第四条第一項及び第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

意匠法第4条の改正に伴う意匠審査基準の適用関係

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2.同一出願人により異日に出願された二以上の意匠登録出願についての意匠法第9条及び第10条の適用について

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<取扱いの原則>

(1) 同人による類似の意匠について異なった日に二以上の意匠登録出願があった場合は、拒絶の理由のない 先の意匠登録出願に係る意匠を登録する。

(2) 後の意匠登録出願に係る意匠については、その出願が 先の意匠登録出

願に係る意匠公報(秘密にすることを請求した意匠に係る意匠公報であって、願書の記載及び願書に添付した図面等の内容が掲載されたものを除く。)の発行の日前までに出願されており、 先の意匠登録出願に係る意匠を本意匠とする関連意匠の出願である場合には登録する。

(3) 後の類似する出願には、先の出願の査定等の確定を待って何らかの通知を

行う旨の通知書(待ち通知)を送付するが、類似する先願の出願番号は記載しない。

意匠審査便覧 44.06

先後願の関係(意匠法第9条、第10条等)

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同人による類似の意匠について異なった日にされた意匠登録出願の取扱い

<凡例>

:通常の意匠登録出願

:関連意匠:類似する関係

:類似しない関係:本意匠―関連意匠

:本意匠

先後願の関係(意匠法第9条、第10条等)

本 関

意匠審査便覧 44.06

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(1)後の意匠登録出願に係る意匠が先の意匠登録出願に係る一の登録出願と類似している場合

先後願の関係(意匠法第9条、第10条等)

同人による類似の意匠について異なった日にされた意匠登録出願の取扱い

①後願が関連意匠として出願されていない場合

A 先願 A 先願

B 後願 B 後願

登録

登録

・先願Aに拒絶の理由がなければ登録する。・先願Aの登録査定が確定していない場合、後願Bには「待ち通知」を行う。・先願Aの登録査定が確定した場合に、後願Bに対して、意9条1項の拒絶理由を通知する。(この際、「なお、この意匠登録出願に対して上記意匠登録第○○○号の意匠(意匠A)を本意匠とする補正をした場合には、この拒絶理由は解消します。」との旨の「なお書き」を記載する。)・後願Bについて、意匠Aを本意匠とする関連意匠の出願に補正された場合には、後願Bを登録する。

意匠審査便覧 44.06

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②後願が先願である関連意匠にのみ類似する通常出願に係る意匠の場合

(1)後の意匠登録出願に係る意匠が先の意匠登録出願に係る一の登録出願と類似している場合

先後願の関係(意匠法第9条、第10条等)

同人による類似の意匠について異なった日にされた意匠登録出願の取扱い

A 先願

B 先願

C 後願

B 先願

登録 C 後願

A 先願

登録

・先願A及び先願Bに拒絶の理由がなければ登録する。・後願Cには「待ち通知」を行う。・先願Bの登録査定が確定した場合に、後願Cに対して意匠Bを引用意匠とする意9条1項の拒絶理由を通知する。(この際、「なお、この意匠登録出願を、上記意匠登録第○○○号の意匠(意匠B)を本意匠とする関連意匠に補正しても、意匠登録第○○○号の意匠(意匠B)は関連意匠として登録されているので、意匠法第10条第1項の規定の適用を受けることができないため、本願の意匠は登録を受けることができません」との旨の「なお書き」を記載する。)・後願Cが意匠Bを本意匠とする関連意匠に補正された場合には、意匠Bが既に関連意匠として登録されているので10条1項の規定の適用を受けることができないことから、意9条1項の拒絶の理由が解消されないので拒絶する。

意匠審査便覧 44.06

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A 先願 B 先願

C 後願

A 先願 B 先願

本関

登録 登録

登録

C 後願

(1)後の意匠登録出願に係る意匠が先の意匠登録出願に係る一の登録出願と類似している場合

同人による類似の意匠について異なった日にされた意匠登録出願の取扱い

③先願が同日の出願で相互に類似している場合

先後願の関係(意匠法第9条、第10条等)

・先願A及び先願Bに意9条4項に基づく協議を指令する。・後願Cには「待ち通知」を行う。・協議の結果、先願Bを本意匠に先願Aを関連意匠に補正し、先願Bの登録査定が確定した場合に、後願Cに対して意匠Bを引用意匠とする意9条1項の拒絶理由を通知する。(この際、「なお、この意匠登録出願に対して上記意匠登録第○○○号の意匠(意匠B)を本意匠とする補正をした場合には、この拒絶理由は解消します。」との旨の「なお書き」を記載する。)・後願Cが意匠Bを本意匠とする関連意匠に補正された場合には、後願Cを登録する。

意匠審査便覧 44.06

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(2)後の意匠登録出願に係る意匠が先の意匠登録出願に係る二以上の登録意匠と類似している場合

同人による類似の意匠について異なった日にされた意匠登録出願の取扱い

①先願が本意匠と関連意匠の関係であった場合

A 先願 B 先願

本 関

C 後願C 後願

A 先願 B 先願

本 関 登録登録

先後願の関係(意匠法第9条、第10条等)

・先願A及び先願Bに拒絶の理由がなければ登録する。・後願Cには「待ち通知」を行う。・先願A及び先願Bの登録査定が確定した場合に、後願Cに対して、両先願意匠を引用意匠とする意9条1項の拒絶理由を通知する。(この際、「なお、この意匠登録出願に対して上記意匠登録第○○○号の意匠(意匠A)を本意匠とする補正をした場合には、この拒絶理由は解消します。」との旨の「なお書き」を記載する。)・後願Cについて、意匠Aを本意匠とする関連意匠に補正された場合は登録する。

登録

意匠審査便覧 44.06

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(2)後の意匠登録出願に係る意匠が先の意匠登録出願に係る二以上の登録意匠と類似している場合

同人による類似の意匠について異なった日にされた意匠登録出願の取扱い

②先願がそれぞれ単独で登録になっている場合A 先願 B 先願

C 後願

A 先願 B 先願

C 後願

登録登録

先後願の関係(意匠法第9条、第10条等)

・先願A及び先願Bに拒絶の理由がなければ登録する。・後願Cには「待ち通知」を行う。・先願A及び先願Bの登録査定が確定した場合に、後願Cに対して両先願意匠を引用意匠とする意9条1項の拒絶理由を通知する。(この際、「なお、この意匠登録出願を上記登録意匠のいずれかを本意匠とする関連意匠の出願に補正しても、他方の登録意匠に対しては意匠法第10条第1項の規定の適用を受けることができないため、登録を受けることができません」との旨の「なお書き」を記載する。)・後願Cがいずれかの先願の意匠を本意匠とする関連意匠の出願に補正された場合には、他方の先願に係る拒絶の理由により拒絶する。

意匠審査便覧 44.06

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3.意匠の調査について

・ 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)・ 画像意匠公報検索支援ツール(Graphic Image Park)

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特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

特許情報プラットフォームは、日本国特許庁や海外の知財庁が発行する特許・

実用新案・意匠・商標に関する1億件を超える「公報情報」や、出願時、審査・審判

時、登録後の状況などの経過が分かる「経過情報」等を照会できるサービスです。

特許情報プラットフォームは、工業所有権情報・研修館(INPIT)が提供しており、

インターネットを通じて、いつでも無料で利用することができます。

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特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

「意匠公報テキスト検索」、「日本意匠分類・Dターム検索」等の検索サービスから、

公報情報、経過情報等を調べることができます。

「ヘルプ一覧」から、

各サービスの利用

方法やマニュアルの

ページにアクセスで

きます。

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特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ お知らせ

特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)による書類内容の提供

現在、J-PlatPatによる書類内容の提供は、特許・実用新案の審査段階の書類に限られております。

平成31年5月(予定)からは、提供範囲が拡大され、意匠については登録となった

案件の申請書類・応答書類等(意匠登録願、拒絶理由通知書、手続補正書、意見書、面接記録、応対記録等)について、新たに提供が開始されます。

提供対象は、平成31年1月以降に特許庁に提出された書類及び特許庁が作成した書類となる予定です。

特許庁総務課情報技術統括室 特許情報企画調査班

電話 :03-3581-1101(内線2361)

電子メール:[email protected]

お知らせ「特許情報プラットフォームによる書類内容の提供」について

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画像意匠公報検索支援ツール(Graphic Image Park)https://www.graphic-image.inpit.go.jp/

画像意匠公報検索支援ツールは、我が国で登録された、画像を含む意匠について

効率的に調査できるものです。

画像を含む登録意匠を公報発行日順に表示したり、利用者が入力した画像を、画像

を含む登録意匠の画像部分と機械的に照合し、入力した画像に近いと評価されたもの

から順に表示したりすることができます。

画像意匠公報検索支援ツールは、工業所有権情報・研修館(INPIT)が提供しており、

インターネットを通じて、いつでも無料で利用することができます。

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利用者が入力した画像を、画像を含む登録意匠の画像部分と機械的に照合し、入力した画像に近いと評価されたものから順に表示

139

機能1

画像意匠公報検索支援ツール(Graphic Image Park)https://www.graphic-image.inpit.go.jp/

画像データをドラッグ&ドロップ!

登録番号をクリックすると意匠公報が参照できる

照合したい画像

機能2

照合結果が表示される

画像を含む登録意匠が公報発行日順に表示される

画像を含む登録意匠を公報発行日順(新→旧)に表示

結果を表示ボタンをクリック!

結果を表示ボタンをクリック!

登録番号をクリックすると意匠公報が参照できる

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特許情報プラットフォーム

画像意匠公報検索支援ツールに関するお問い合わせ先

ヘルプデスク 電話 :03-6666-8801

電子メール:[email protected]

独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)知財情報部 情報提供担当

電話 :03-3581-1101(内線2413)

電子メール:[email protected]

特許情報プラットフォームの操作方法に関すること

画像意匠公報検索支援ツールの操作方法に関すること

特許庁総務課情報技術統括室 特許情報企画調査班

電話 :03-3581-1101(内線2361)

電子メール:[email protected]

お知らせ「特許情報プラットフォームによる書類内容の提供」について