地域で守り続ける き 大地が生成した眺望旭滝 景 観 ·...

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観光地エリア景観計画 ① 旭滝の眺望景観 ② 自然と観光が調和した地域振興の拠点 大平地区 (伊豆市) 地域で守り続ける 大地が生成した眺望 旭滝

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Page 1: 地域で守り続ける き 大地が生成した眺望旭滝 景 観 · 行くことができるので、「柱状節理」を間近で観察でき、夏の新緑や秋のもみじとの眺望景観を楽しむことができます。

観光地エリア景観計画

① 旭滝の眺望景観 ② 自然と観光が調和した地域振興の拠点

1.目指すべき景観像

大平地区

(伊豆市)

地域で守り続ける大地が生成した眺望 旭滝

Page 2: 地域で守り続ける き 大地が生成した眺望旭滝 景 観 · 行くことができるので、「柱状節理」を間近で観察でき、夏の新緑や秋のもみじとの眺望景観を楽しむことができます。

「伊豆半島ジオパーク」のジオサイトに指定されている大平地区の旭滝は、一定の園路等の造園施設が整備された隠れた名所でありましたが、2018年4月に「伊豆半島ジオパーク」がユネスコ世界ジオパークに認定されたことに伴い、大勢の人が訪れる賑やかな景観スポットに変化しつつあります。また、伊豆縦貫自動車道 天城北道路からも旭滝が眺望できるようになり、交通拠点である「大平IC」と観光拠点である「旭滝」の連続性を活かした観光地エリアの形成が求められています。

① 旭滝の眺望景観

(1) 間近に眺める旭滝

2.地域特性と景観形成の方向性

(2) 遠くから眺める旭滝

〈景観形成の主な課題〉

・多くの来訪者受け入れのための駐車場の不足 ・遠近からの眺望を遮る旭滝周辺の支障木の存在

・視点場となる展望台の不足 ・天城北道路 大平IC及び周辺のICからの案内看板の不足

溶岩が冷えて固まる過程で作られた柱状節理(柱のような形をした岩)の断面が、まるで巨大な石垣のように見

える岩の斜面と、その表面を滑るように流れる滝とが織りなす景色は壮観です。園内の遊歩道を歩いて滝の真横まで

行くことができるので、「柱状節理」を間近で観察でき、夏の新緑や秋のもみじとの眺望景観を楽しむことができます。

「伊豆半島ジオパーク」がユネスコ世界ジオパークに認定されたことに伴い、隠れた名所であった旭滝が大勢の人が

訪れる賑やかな景観スポットに変わりつつあります。行楽シーズンに車で訪れる観光客や国内外からの観光バスの増

加に対応するための駐車場整備や、自然景観に配慮しつつ景色を堪能できる展望台の整備などが必要です。

柱状節理と渓流滝がおりなす景観

遠景でも眺望できる滝として地元から愛されている旭滝。とりわけ、狩野川越しに見える旭滝が朝日に輝く景色は地元の自慢です。伊豆縦貫自動車道 天城北道路からも眺められるようになり、観光客の目にもとまりやすくなったことで、その魅力をより多くの方にご覧いただけるようになりました。旭滝の豊かな表情を遠くからも望めるようにするため、旭滝周辺の支障木の伐採や展望台の新設などが必要です。

ふるさとの誇り 狩野川越しに見える旭滝

Page 3: 地域で守り続ける き 大地が生成した眺望旭滝 景 観 · 行くことができるので、「柱状節理」を間近で観察でき、夏の新緑や秋のもみじとの眺望景観を楽しむことができます。

(1) 安心安全の遊歩道

園内は遊歩道が整備され、車いすを利用する方でも旭滝の眺望を楽しむことができます。さらに、誰でも園内をのん

びり散策しながら、より一層眺望を楽しめる空間とするために、自然景観に配慮した広場や休憩所の整備、安心して

鑑賞していただくための手すりの設置などユニバーサルデザインに配慮した施設整備が必要です。

また、自然景観に配慮した落石対策や、夜間でも安全に散策できる照明設備の設置などにより、さらに安心して

散策することができます。

(3) 地域で守る旭山地元が主体となった活動の継続とさらなる発展

2.地域特性と景観形成の方向性

② 自然と観光が調和した地域振興の拠点

のんびり楽しむことができる園内整備

大平地区では旭滝(旭山)を守るため地元団体による沿道の花の植栽、トイレ清掃、旭滝周辺の伐採などが行

われています。こうした活動を継続していくとともに沿道と園内の草刈りによるおもてなし空間の創出、旭滝周辺の支

障木伐採による天城北道路からの景観改善などの実施により効果的な旭滝の維持保全につなげていきます。

また、旭滝に関する環境・景観教育、イベントなどによる地域住民の意識醸成や旭滝の魅力を充分にPRするため

の地元ジオガイドの育成など、次世代に景観資産を引継ぐための適切な維持管理体制を構築する必要があります。

〈景観形成の主な課題〉

・ベンチ、トイレなど旭滝をのんびり楽しむための休憩施設の不足 ・景観資産を次世代に引継ぐための体制の未構築

・地域振興施設(サイクルステーションなど)の不足 ・不十分なユニバーサルデザイン

・サイクリストなどの周辺地域からのアクセス性の不良

地域振興施策の推進

(2) 住んでよし訪れてよしの大平(おおだいら)

近年の自転車人気や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の自転車競技伊豆市開催を契機とした伊

豆半島全体の自転車振興気運醸成に向けて、サイクルステーション機能の充実や観光施設の整備、周辺地域か

らの広域アクセスの向上など、サイクリストなどの来訪者が気軽に立ち寄れる仕組みづくりが求められます。

その他にも大平や旭滝の歴史文化を周知、案内できるような資料館、バスでの来訪者に対応した屋根とベンチ付

きのバス待合所なども必要です。

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3.対象エリア

アクセス

アクセス4

大平IC

旭滝

国道136号伊豆縦貫自動車道修善寺道路

伊豆縦貫自動車道天城北道路

修善寺IC

国道136号

対象エリア

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地域特性や景観づくりの方向性から、景観目標と景観づくり方針を整理します。

地域で守り続ける大地が生成した眺望 旭滝

目標1

景観づくり方針

4.景観目標と景観づくり方針

目標2

自然と観光が調和した拠点の景観づくり

①住民と観光客で賑わう地域振興の場づくり

②地域の取組みを継続する仕組みづくり

景観づくり方針

①旭滝の眺望を魅力的に見せる景観づくり

②安心・安全にのんびり散策を楽しめる景観づくり

のんびりと散策を楽しめる旭滝の景観づくり

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目標1 のんびりと散策を楽しめる旭滝の景観づくり

方針1-① 旭滝の眺望を魅力的に見せる景観づくり

取組み 実施主体

短期

●旭滝の景観を阻害する樹木の伐採、倒木の除去(近景、遠景)●自然景観に配慮した展望台の設置●夜間でも散策を楽しめる照明の整備(夜間景観の演出)

●地域住民、関係団体、市など

●市など

●地域住民、市など

中・長期

●周辺の自然環境に配慮した旭滝周辺の樹木や施設などの維持管理●周辺の自然環境に調和した誘導サインの設置(自然的な石碑等)

●地域住民、関係団体、市など

●地域住民、関係団体、市など

方針1-② 安心・安全に散策を楽しめる景観づくり

取組み 実施主体

短期

●周辺施設から旭滝への安全、安心な歩道の整備●自然景観とユニバーサルデザインに配慮した施設整備、落石対策●長時間滞在するための休憩所、ベンチ、トイレなどの園内整備●必要最小限の滞留機能を有する小規模な広場の整備●国道からのアプローチ道路における誘導ラインの設置(夜間対応)●地中埋込型LEDアッパーライトの敷設

●市など

●市など

●事業者、市など

●市など

●市など

●市など

中・長期

- ー

5.景観施策(

案)

と実施主体・時期

Page 7: 地域で守り続ける き 大地が生成した眺望旭滝 景 観 · 行くことができるので、「柱状節理」を間近で観察でき、夏の新緑や秋のもみじとの眺望景観を楽しむことができます。

目標2 自然と観光が調和した地域振興拠点の景観づくり

方針2-① 住民と観光客で賑わう地域振興の場づくり

取組み 実施主体

短期

●観光客、観光バス受け入れのための誘導サイン設置、駐車場整備●ウォーキング、サイクリング向けの周辺マップの作成●売店、バス待合い所の設置(屋根、ベンチ)●修善寺駅、修善寺温泉場、湯ヶ島方面などからの周遊性を高めるための広域アクセスの向上

●市など

●地域住民、事業者、市など

●地域住民、事業者、市など

●市など

中・長期

●地域振興施設・観光施設の整備(サイクルステーションなど)●大平地区の歴史文化等の資源に関する周知・案内(資料展示など)●地域住民による旭滝を活用したイベント等の開催

●関係団体、市など

●地域住民、事業者、関係団体、市など

●地域住民、関係団体など

方針2-② 地域の取組みを継続する仕組みづくり

取組み 実施主体

短期

●樹木の伐採、園内やトイレの清掃など適切な維持管理●季節の花を楽しむことができる沿道の植栽の手入れ、管理、草刈りなどおもてなしの空間づくり

●地域住民、関係団体、市など

●地域住民、関係団体、市など

中・長期

●旭滝に関する環境・景観教育による地域住民の意識醸成(地元ジオガイドの育成など)

●地域住民、関係団体など

5.景観施策(

案)

と実施主体・時期

Page 8: 地域で守り続ける き 大地が生成した眺望旭滝 景 観 · 行くことができるので、「柱状節理」を間近で観察でき、夏の新緑や秋のもみじとの眺望景観を楽しむことができます。

凡例 紫字:短期的な取組み緑字:中・長期的な取組み

目標1 のんびりと散策を楽しめる旭滝の眺望景観づくり

6.景観施策(

案)

のイメージ図

目標2 自然と観光が調和した地域振興拠点の景観づくり

・観光バス、観光客向け駐車場の拡充、整備

・売店、バス待合所の設置(屋根、ベンチなど)

・地域振興施設・観光施設の整備

(サイクルステーションなど)

・大平地区の歴史文化等の資源に関する周知・案内(資料展示など)

・沿道の植栽、草刈りなどおもてなしの空間づくり

136伊豆縦貫自動車道天城北道路

全体

・ウォーキング、サイクリング向けの周辺マップ作成

・修善寺駅、修善寺温泉場、湯ヶ島方面からの周遊性を高

めるための広域アクセスの向上

・旭滝に関する環境・景観教育による地域住民の意識醸成

(地元ジオガイド育成など)

大平インターチェンジ

大平インターチェンジ周辺

・インターチェンジ周辺から旭滝への案内看板設置

・自然景観に配慮した展望台の設置

・道路における誘導ラインの設置(夜間対応)

・地中埋込型LEDアッパーライトの敷設

旭滝

旭滝周辺

・旭滝周辺の樹木の伐採、倒木の除去 ・必要最小限の滞留機能を有する小規模な広場の整備

・自然景観に配慮した展望台の設置 ・園内、トイレの清掃など適切な維持管理

・夜間でも散策を楽しめる照明の整備(夜間景観の演出) ・周辺の自然環境に配慮した樹木や施設の維持管理

・周辺施設からの安心、安全な歩道でのアクセス整備 ・周辺の自然環境に調和した誘導サインの設置(自然的な石碑等)

・自然景観やユニバーサルデザインに配慮した施設整備、落石対策など ・地域住民による旭滝を活用したイベント等の開催

・長時間滞在するための休憩所、ベンチ、トイレなどの園内整備