地方創生時代の生涯学習 - tanabe · 1、社会を取り巻く環境の激変...

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2018年3月26日 国立大学法人和歌山大学クロスカル教育機構 生涯学習部門 准教授 西川 一弘 (万呂コミュニティセンター) 平成29年度 6回田辺市社会教育委員会議定例会研修 地方創生時代の生涯学習 ~「教育/学習」を支える社会教育委員と公民館~

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2018年3月26日国立大学法人和歌山大学クロスカル教育機構

生涯学習部門 准教授 西川 一弘(万呂コミュニティセンター)

平成29年度 第6回田辺市社会教育委員会議定例会研修

地方創生時代の生涯学習~「教育/学習」を支える社会教育委員と公民館~

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1、社会を取り巻く環境の激変

・グローバル化 ・無縁社会 ・人工知能(AI)化

・核家族(世帯数増)化

⇒地域(コミュニティ)力・社会の包容力低下

・新自由主義(小さな政府)と小さな社会?

・ガバナンス、改革、コンプライアンス強化

・遊び・余裕・ゆとり・のりしろの喪失

⇒“冗長性”がない社会と組織

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2、地方創生とは何か?

→まち・ひと・しごと創生総合戦略(努力義務)

→東京一極集中是正

→「子育て支援」策の拡充

20~39歳の女性

自治体が消滅する??

人口の再生産力

子育て支援

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3、地方創生は教育に何を期待するのか?

①まち・ひと・しごと創生総合戦略と文科省「地方創生に資する文部科学省関係の制度」

http://www.mext.go.jp/a_menu/chihousousei/1355575.htm

・予算(44項目)、計画(11項目)、制度(3項目)

→地域イノベーション、地方活性化、人材育成、地方大学の

の活性化、公立小中学校の適正規模

②中教審答申を受けた「次世代の学校・地域」創生プラン「次世代の学校・地域」創生プラン~学校と地域の一体改革による地域創生~」

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/01/1366426.htm

・開かれた学校から“地域とともにある学校”へ

・子供も大人も学び合い育ち合う教育体制の構築

・次代の郷土をつくる人材育成

・学校を核としたまちづくり

→地域資源や課題を学校教育・社会教育に活かす

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4、地方創生施策における社会教育の位置づけ

【1】まち・ひと・しごと創生総合戦略 アクションプラン

1)「ふるさと」に対する誇りを高める施策の推進

【課題】人口減少や超高齢化が進行する中で、全国で多くの「ふるさと」がその存在そのものの危機に瀕しつつある状況

【必要な対応】⇒「ふるさと」の誇りの泉源となる、固有の自然や歴

史、文化について、今一度体系的に深く掘り下げ、再発見する活動

をふるさと学」として整理し、地方公共団体やNPO等に情報提供し

ながら、小・中・高等学校における教育、公民館、図書館等におけ

る社会教育などの様々な機会において学ぶ活動を推進する。

③「社会教育」の語句が明記されている計画

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4、地方創生施策における社会教育の位置づけ

2)「小さな拠点」(多世代交流・多機能型拠点)の形成

「まち・ひと・しごと創生総合戦略 付属文書 アクションプラン(個別施策行程表)」http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/info/pdf/20141227siryou6.pdf

【課題】中山間地域等において、生活に必要な各種の機能・サービスや周辺集落との交通ネットワークの適切な維持・確保が課題

【必要な対応】⇒地域の文化・芸術、スポーツ資源の活用による特色

あるまちづくり等の推進を支援し、地域コミュニティの維持・活性

化を図る。また、社会教育施設や大学等において、NPO 等と連携し

つつ生涯学習活動を通じ、地域を担う人材を育成し、学びによる地

域の課題解決やまちづくりにつなげる。

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4、地方創生施策における社会教育の位置づけ

【2】中央教育審議会 生涯学習分科会(抜粋)「まち・ひと・しごと創生総合戦略」から生涯学習政策局関連部分の抜粋(さらに社会教育・公民館が大きく関係しそうなところを西川が再抜粋)

(1)地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする

・女性、高齢者・障がい者が活躍できる地域社会の実現/就労支援

(2)地方への新しいひとの流れをつくる

・学校を核とする「学校―地域」の連携と協働

「まち・ひと・しごと創生総合戦略(生涯学習政策局関連部分抜粋)」http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/siryou/__icsFiles/afieldfile/2015/04/13/1356543_5.pdf

(3)若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる

・子ども、子育て支援の充実/教育費用負担の軽減

(4)時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と

地域を連携する

・地域コミュニティの活性化 ・ふるさと学の推進

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5、今一度、生涯学習・社会教育・公民館を考える

生涯学習

生涯教育

その他の学習活動

(非組織的・個人も含む)

学校教育

社会教育

〇生涯学習とは

〇教育とは何か?・教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成

者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して

行われなければならない。(教育基本法1条)

・「学校だけが教育か」という問い(後述)

(公民館、図書館、博物館)

(学校)

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①社会教育・公民館を取り巻く環境

1)地域を取り巻く環境

・少子高齢化の急速な進展(都市部より地域)

・コミュニティの崩壊、関係性の希薄化と「絆」社会

・山積する地域の生活諸課題(買い物難民/無縁社会)

・希望格差社会?若者は希望を持てるのか?

・遠くなる「公」(市町村合併など)

2)社会教育行政を取り巻く環境

・専門職(社会教育主事等)、社会教育委員の減少

・「何やっているかわからない」と言われる

・前年度踏襲の事業ばかり

・サークルや講座のお手伝い、貸館がメイン

・民間委託論、整理統廃合vs役割の再定義化、活発化

・ネットワーク行政の中での再編(首長部局化)

・「社会教育の自由」の存立危機事態

5、今一度、生涯学習・社会教育・公民館を考える

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3)社会教育関係職員を取り巻く環境

・さまざまな事業をこなしていく

・人員削減などによって人手が足らない。専門職ははるか昔

・前年度踏襲事業で精一杯、新しいことは出来ない

・異動で来たけど、何して良いかわからん

・地域の仕事は大変やけど、時に支えてくれるときもある

②現代日本の取り巻く環境(一部再掲)

・課題先進国と課題解決先進国!?

・モデルなき時代…「成解」時代

・日本の債務と社会保障、税、インフラ更新、小さな政府?

・山積する諸課題→「行政」だけでは解決出来ない

「公助」の減退/「自助」のもとの放置

⇒「新しい公共」による新しい仕組みの動きも

5、今一度、生涯学習・社会教育・公民館を考える

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●厳しい時代だからこそ「社会教育・公民館」への期待!

①「学校だけが教育か」論・19世紀末の「新教育運動」、1970年代の「脱学校論」

・生涯教育(学校教育+社会教育の連携)を提唱したラングランは

1965年パリで開催された第3回成人教育推進国際委員会(U

NESCOの諮問機関)でワーキングペーパーを出す

→学校教育だけでは人類の前に立ちはだかる難題の解決はできない

⇒難題解決には多様な情報、見解、価値観を突き合わせながら、最

善の道を探す必要(⇔教えられる枠組み/唯一の価値観)

②地域磨きと当事者意識(誇り)への貢献(小田切徳美)・無いものねだりよりもあるもの探し(歴史・文化・自然…)

・地域の可能性を見出す→暮らしのモノサシづくり

→これらを耕す土壌に「公民館」活動がある

5、今一度、生涯学習・社会教育・公民館を考える

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6、コアとしての社会教育・公民館論

1)各行政部局課題の人づくり・学習事業の接点が社会教育

地域自治を支える人づくり=社会教育

産業

経済

商工

環境

観光

福祉健康防災

人権子供

・・・

総合行政=

社会教育部局は人づくりのプロフェッショナル

首長部局は個別テーマのプロフェッショナル

⇒社会教育部局と首長部局は相互連携して、課題を解決する市民、理解者を紡いでいく

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6、コアとしての社会教育・公民館論

⇒公民館(+社会教育部局)と首長部局は相互連携して、課題の地域的理解・討議を行う

【各部局の個別課題】

産業

商工

環境

観光

福祉

防災

地域公民館

地域

テーマ

公民館

【学習課題化・討議・キーパーソンとの橋渡し】

2)各行政部局の課題の地域的、学習的接点が公民館

公民館は地域とつながっている強みがある

①地域のキーパーソンを知っている

②公民館の背後に地域の応援団が居る

③地域の声・現状を拾い発信できる

⇒地域のアンテナ・センサーとしての公民館

公民館はいろんなテーマで地域を見ることができる

⇒自分たちの地域の福祉は?教育は?産業は?子育ては?高齢化率は?(⇔平等論を乗越え)

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7、社会教育委員論(現代的課題)

①意見具申・政策提言などが出されていない

②会議のマンネリ化、形骸化。年に1回の会議で決算と計画を議論

③教育委員会の会議での意見陳述はほとんどない

➃研修・研究調査費など財政処置が厳しく参加できない

⑤社会教育委員活動について現場や住民に情報提供出来ていない

⑥事務局担当者との連携・意識&支える事務局の基盤が脆弱に

H18国立教育政策研究所社会教育センターの調査+西川の調査

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7、社会教育委員論(現行の法的任務)

○社会教育委員の職務(法第一七条)

一、社会教育に関する諸計画を立案

⇒毎年の年次計画でも長期総合計画に基づく中期計画でもよい

⇒計画の重要性(計画行政、首長が変わって不変)

二、会議の開催&教育委員会の諮問への意見・答申

⇒議論すべきこと(論点)を定めておく必要

⇒議論になるためには、会議の開催数は一定必要

三、必要な調査研究を行う

⇒計画づくり、会議、意見・答申のために必要な調査全般

⇒現状把握としての調査は“第一歩”

2、教育委員会・会議に出席して社会教育の意見陳述

⇒ハードル高ければ意見交換会から始める

3、青少年教育に関する特定の事項について助言と指導

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7、社会教育委員論(委員の二面性)

①社会教育“委員”としての顔・会議体としての取り組み・教育委員会への意見具申、調査研究

②地域の社会教育“実践者”としての顔・個人としての活動・自らの社会教育実践やその職務

②→① 現場の声を会議に反映させる

①→② 会議での議論・討議を現場へ

A社会教育委員さん

⇒社会教育委員には二面性があることに留意

⇒この二面性をどのように関係づけ、繋ぎ合わせるのか

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7、社会教育委員論(任務の三重性)

①社会教育委員の“本務”・社会教育法17条

→教育委員との懇談→計画の策定・意見具申

・総合教育会議へのコミット

③社会教育“委員のある人の実践”・地域での実践

・「独任制」=個人への委嘱=選出団体を背負う必要はない

A社会教育委員さん

②社会教育“委員としての活動“・社会教育委員による「講座」の開催

・社会教育事業への参画

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8、公民館論(役割と歴史を振り返る)

<寺中作雄・・・戦後の「寺中構想」>

①民主的な社会教育機関、②社交機関、③郷土産業振興機関

④町村民の民主主義の訓練の場 ⑤中央と地方の文化が接触交流する場

⑥全町村民を対象とする機関、⑦郷土振興の基礎を作る機関

(1940年代)法制化→ (50年代)模索奨励期→(60年代)建設増加期→(70年代)活動

充実期→(80年代)停滞転換期→(90年代)行革・民活・合理化期→(00年代)組織

運営の転換期→(2010年代)??

00年代)組織運営の転換期・・・学習成果活用、地域づくりへの発展ボランティア・NPO連携指定管理者制度、首長部局移転

10年代)二極分化期?⇒①今一度役割が見直されて活発化・地方創生と公民館論

②整理統合・廃止の増加

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民主的社会教育機関です村の茶の間です

親睦交友を深める施設です産業振興の原動力です

民主主義の訓練場です

文化交流の場です

郷土振興の機関です

(出典:「公民館図説」S29刊行、寺中作雄監修・小和田武紀編著)

●戦後の「寺中構想」

8、公民館論(役割と歴史を振り返る)

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9、こんな時代だからこそ、公民館の出番

1)人々の関係性再構築のきっかけ

・安全安心の地域 ・防災減災 ・多世代交流(大人との接点)

・「支え合い、励まし合い、高め合う」関係

・地域内協働、行政との協働、館長主事との協働関係

⇒アイデアや物事は「かかわり」の中から生み出される

2)多様な「学び」を支える拠点として【教委型】・公民館は「教育施設」。法的には学校と同じ。ただし、学習指導

要領がない/サポート・ノーコントロールの原則。

⇒“政治”と“教育”の距離

・物事の賛否両論/判断や思考を支える学び

⇒「学習の自由」を基盤とし、首長行政に縛られない

⇒ここに教委型・教育施設としての公民館の役割と出番!

・“人材”への焦点/人間発達(教育基本法1条)

⇒平和で民主的な国家及び社会の形成者

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9、こんな時代だからこそ、公民館の出番

4)多元的な価値の評価軸を

・単眼的思考から複眼的思考へ。多様に物事を捉える

・公民館は「無駄な施設」「カネのかかる施設」なのか?

⇒公民館のある時⇔ない時。無い時にかかるコストは?ど

こで負担するのか(繋がりづくりにいくらかかる?)

⇒公民館がある時の多元的価値とは?

3)自治・自主・自律の拠点として・自治体の自立とコミュニティの自治力は比例関係

・「自分たちの地域をどうするのか」…回答は住民の中にある

⇒ひとりひとりの回答を表明してすり合わせる作業

⇒リーダーシップよりフォロアーシップ(人間は社会的動物)

・文化教養的知識の伝達から「地域経営力」の獲得へ

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10、これからの生涯学習の論点

【中央教育審議会諮問】「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」

①関係者の連携と住民の主体的な参画による新しい地域づくりに向けた学習・活動の在り方について→地域課題解決、多様な主体との連携、学校連携、高校生・大学生、社会教

育主事・社会教育主事、激変社会への対応

②公民館、図書館、博物館等の社会教育施設に求められる役割について→社会教育施設論、多様な機能論とミッション

③社会教育施設が求められる役割を果たすために必要な具体的方策について→公立博物館などの所管、多様な資金調達方法

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11、生涯学習を通じた人の発達・人財育成

「人口減少時代の“人財”育成戦略」を教育(人づくり)から

●教育と人材育成

“一人ひとりの市民の自己実現や成長・発達の過程

社会教育…人間発達の過程/学校教育…人格形成の過程

→「個人の発展」vs「社会の発展」⇒私事性を乗り越える

→「消費サービス主体としての市民」か「主権者市民」か

→狭いアウトプットや官製の目的に回収されないこと

●教育の過程をどうとらえる?

1)消費の過程としてとらえるのか?

2)人権としてとらえるのか?

⇒権利としての社会教育/学校教育

⇒「学習権宣言」(ユネスコ)

“なりゆき任せの客体から、歴史を綴る主体へ”