日本結合組織学会ニュースレター jsmbm...

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1 日本結合組織学会ニュースレター JSMBM Newsletter (2016 年 10 月発行) ==目次================================ 1. 理事長あいさつ 2. 第 48 回 日本結合組織学会学術大会をふり返って 3. 第 49 回 日本結合組織学会学術大会開催のお知らせ 4. 学会印象記: Metalloproteinases and their inhibitors カンファレンス 5. 学会会則および細則の改訂について 6. 評議員推薦のお願い 7. 会費納入のお願い ==================================== 1.ニュースレター配信に寄せて 日本結合組織学会 (JSMBM) 理事長 稲垣 豊 8月後半から全国各地で相次ぐ台風に見舞われておりますが、残暑もようやく落ち着いた 頃には秋の学会シーズンを迎え、会員の皆様にはご多忙な日々をお過ごしのことと拝察いた します。秋のニュースレターをお届けする時期となりました。 この秋のニュースレターは、会員の情報交換を活発化すべく、鍋島前理事長の発案により 昨年度から新たに発刊されたものです。学会年会費の納入書を同封して郵送でお届けする 春のニュースレターと異なり、総務委員会(佐藤 隆委員長)で作成頂いた後に広報委員会 (吉田利通委員長)を通じてメーリングリストにより皆様のアドレスにメール配信しています。 お近くの会員で、お手元に本ニュースレターが届かない方がおられましたら、事務局(学協会 サポートセンター)に会員登録情報の変更・更新をするようにお伝え頂ければ幸いです。 さて、本ニュースレター発刊間際の9月19日、日本結合組織学会の第3代会長をお勤めに なられた森 陽 東京薬科大学名誉教授のご逝去の報が届きました(享年84歳)。森先生の 本学会ひいては我が国の結合組織研究への多大なご貢献については言うに及びませんが、 大事なことはそのご研究が伊東 晃元理事長、そして佐藤 隆現理事に引き継がれて学問の 潮流として綿綿と受け継がれていることです。森先生のご功績に改めて思いを寄せ、心から ご冥福をお祈りいたします。 今年の学術大会は宇谷厚志会長のもとで、長崎市で開催されました。宇谷会長には学術 大会を終えられてのご挨拶を寄稿頂いております。昨年に引き続いて若手の参加者も多く、 たいへん活気ある素晴らしい会となりました。学会会期の前後は、梅雨前線の活発化により

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Page 1: 日本結合組織学会ニュースレター JSMBM …瀬先生とGill先生がこの分野を開拓、先導してきたおかげであり、その偉大さに改めて感銘し

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日本結合組織学会ニュースレター JSMBM Newsletter (2016 年 10 月発行)

==目次================================

1. 理事長あいさつ

2. 第 48回 日本結合組織学会学術大会をふり返って

3. 第 49回 日本結合組織学会学術大会開催のお知らせ

4. 学会印象記: Metalloproteinases and their inhibitors カンファレンス

5. 学会会則および細則の改訂について

6. 評議員推薦のお願い

7. 会費納入のお願い

====================================

1.ニュースレター配信に寄せて

日本結合組織学会 (JSMBM)

理事長 稲垣 豊

8月後半から全国各地で相次ぐ台風に見舞われておりますが、残暑もようやく落ち着いた

頃には秋の学会シーズンを迎え、会員の皆様にはご多忙な日々をお過ごしのことと拝察いた

します。秋のニュースレターをお届けする時期となりました。

この秋のニュースレターは、会員の情報交換を活発化すべく、鍋島前理事長の発案により

昨年度から新たに発刊されたものです。学会年会費の納入書を同封して郵送でお届けする

春のニュースレターと異なり、総務委員会(佐藤 隆委員長)で作成頂いた後に広報委員会

(吉田利通委員長)を通じてメーリングリストにより皆様のアドレスにメール配信しています。

お近くの会員で、お手元に本ニュースレターが届かない方がおられましたら、事務局(学協会

サポートセンター)に会員登録情報の変更・更新をするようにお伝え頂ければ幸いです。

さて、本ニュースレター発刊間際の9月19日、日本結合組織学会の第3代会長をお勤めに

なられた森 陽 東京薬科大学名誉教授のご逝去の報が届きました(享年84歳)。森先生の

本学会ひいては我が国の結合組織研究への多大なご貢献については言うに及びませんが、

大事なことはそのご研究が伊東 晃元理事長、そして佐藤 隆現理事に引き継がれて学問の

潮流として綿綿と受け継がれていることです。森先生のご功績に改めて思いを寄せ、心から

ご冥福をお祈りいたします。

今年の学術大会は宇谷厚志会長のもとで、長崎市で開催されました。宇谷会長には学術

大会を終えられてのご挨拶を寄稿頂いております。昨年に引き続いて若手の参加者も多く、

たいへん活気ある素晴らしい会となりました。学会会期の前後は、梅雨前線の活発化により

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長崎をはじめ九州各地で大雨や土砂崩れ等の被害も発生して、その間隙を縫っての開催で

運営スタッフの方々にはいろいろご苦労もあったことと思います。そのご尽力に、心から感謝

を申し上げます。

来年の学術大会は、吉田利通会長のもと三重県津市で開催されます。吉田会長には、本

ニュースレターに開催ご案内をお寄せ頂きました。また、再来年の節目となる第 50 回の学術

大会会長には、福岡大学の鍋島一樹先生が選出されました。いずれも、多くの会員のご参加

とご発表をお願い申し上げます。

今回、新たな企画として、望月早月先生にイギリス、オックスフォード大学にて開催された

“Metalloproteinases and their inhibitors: Beginning, past and future” の印象記をご寄稿頂き

ました。旧マトリックス研究会で二宮先生がご尽力なさっていた「マトリックスニュース」には、

毎回学会印象記があったことが思い起こされました。今後も、海外で開催されたマトリックス

関連の学会・研究会にご参加された方には、是非とも学会印象記のご寄稿をお願い申し上げ

ます。同様に、留学先からのお便りや、新たに立ち上げたラボの紹介等も歓迎いたします。

本ニュースレターをさらに意義深いものにするため、ひいては私どもの学会がいっそう発展

するよう、会員の皆様からの忌憚ないご意見やご提言をお待ちしております。

2.第 48回日本結合組織学会学術大会を終えて

第 48回日本結合組織学会学術大会

会長 宇谷 厚志

(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学)

第 48回日本結合組織学会学術大会を、長崎大学医学部の良順会館で開催しました。

さて、一般に学会に参加して自分の研究領域を発表し、また他の研究者の発表を聞くこと

で多いに刺激されることを期待していると思います。本学会は、全ての発表が結合組織関連

であり、細胞外マトリックスを網羅しています。このような学会においては、全てを理解するに

はもちろん広範な知識を必要とされますが、全ての発表が刺激的で興味をひくものでした。参

加した研究者のこれからの研究を多いに刺激するきっかけになったことを願います。

以下に本学会の内容を記します。

一般演題 89題

一般口演: 47題

ポスター: 30題

若手フォーラム(講演+ポスター): 12題

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招待講演

Dr.Yoshihiko Yamada (Senior Investigator, Laboratory of Cell Developmental Biology,

NIDCR)

「Specific factors regulate dental epithelial stem cell commitment to dental epithelial cell

lineages and differentiation」

特別講演 1

影山 龍一郎 先生(京都大学ウイルス研究所 教授)

「Dynamic control of neural stem cells」

特別講演 2

佐野 栄紀 先生(高知大学医学部皮膚科 教授)

「Recent advances in research and treatment for psoriasis」

マイスター・レクチャー

関口 清俊 先生(大阪大学蛋白質研究所 教授)

「Untangling the complexity of the extracellular matrix: From the matrixome database to

the innovation of stem cell technology」

シンポジウム「真皮マトリックスへの多面的アプローチによる病態解明」

磯貝 善蔵 先生(国立長寿医療センター皮膚科 医長)

住吉 秀明 先生(東海大学医学部基盤診療学系 講師)

中邨 智之 先生(関西医科大学薬理学講座 教授)

ワークショップ「マトリックスコネクション 2016」 10題

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3.第 49回日本結合組織学会学術大会開催のお知らせ

第 49回日本結合組織学会学術大会

会長 吉田 利通

(三重大学大学院医学系研究科修復再生病理学)

第 49回日本結合組織学会学術大会を、2017年 6月 16日(金)と 17日(土)に三重県津市

にある三重県総合文化センターで開催させていただくことになりました。三重大学では、マトリ

ックスバイオロジー研究センターを設置しており、大学としても発展が期待されている分野の

一つであります。本研究センターでご活躍の先生方のご協力を得て、本学術大会を三重の地

でお世話させて頂くことは、たいへんな名誉であり意義深いことと考えております。

学会の内容についてはまだ固まっておりませんが、シンポジウムはテネイシンやオステオ

ポンチンを始めとする Matricellular proteins を主題にして開催したいと考えております。海外

からの研究者として、テネイシン-C の癌間質での発現とその役割について研究されている、

Strasbourg 大学の Gertraud OREND 先生 (http://med.unistra.fr/fre/Recherche/FMTS/Pro

gramme-Cancerologie/Microenvironmental-Niche-in-Tumorigenesis-and-Targeted-Therapy

-MN3T-INSERM-U1109/OREND)に講演していただきます。また、海外で活躍されておられま

す日本人研究者数名にもご講演いただく予定でおります。

本学会では新しい試みとして、ワークショップの企画を公募いたします。古い枠組みではな

く新しい研究の方向性が示されるようなワークショップの企画を歓迎いたします。また、若い

研究者の方が主体となるような提案をお待ちしております。詳細については公募の案内を近

日中に送付いたしますので、ご検討の上奮ってご応募をお願いいたします。

学会開催にあたって、不慣れなために至らぬ点やご迷惑をおかけすることも多々あるかと

思いますが、マトリックス研究者の結集の場として、実り多い有意義でかつ「楽しい」学術大会

を目指して、スタッフ一同最後まで努めて参ります。会員の皆様方には、お誘い合わせの上

多数ご参加いただきますよう、心よりお待ち申し上げています。

ホームページは、http://www.medic.mie-u.ac.jp/pathol_matrix/jsmbm2017/に設置しました。

メールアドレスは、[email protected] です。ご利用ください。

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4.学会印象記:「Metalloproteinases and their inhibitors」カンファレンス に参加して

順天堂大学医学研究科 整形外科学講座

望月 早月

「Metalloproteinases and their inhibitors: Beginning, past and future」が 2016年 8月 4-5

日にイギリス、オックスフォード大学にて開催されました。本会議は世界の MMP&TIMP 研究

のパイオニアであり、日本結合組織学会にも貢献されてきた永瀬秀明先生と Gillian Murphy

先生の貢献を記念したカンファレンスであり、両先生の愛弟子である Yoshifumi Ito (Oxford 大

学)先生, Linada Troeberg (Oxford大学)先生, Jelena Gavrilovic (East Anglia大学)先生の主催

で開催されました。

8 月のオックスフォードは夏とはいえ朝晩は涼しく、日中も 22℃~24℃と大変過ごしやす

い季候で、会場の Keble College は長い伝統と格式高い建物で厳かな雰囲気があり、まさに

映画「ハリーポッター」の世界でした(写真 1,2)。

2 日間の会議でしたが、MMP&TIMP 研究の歴史的な流れにはじまりメタロプロテアーゼ

(MMP/ADAM/ADAMTS)の生化学や構造学などの基礎的な研究から、分子標的薬研究、細

胞生物学・疾患研究の最新のデータの発表など内容の濃いシンポジウムになりました。これ

まで日本結合組織学会でも講演された Zena Werb (UCSF, US)先生、Chris Overall (UBC,

Canada)先生、Rama Khokha (OCI, Canada)先生、Suneel Apte (Cleveland Clinic, US)先生など

世界中のメタロプロテアーゼ研究を牽引してきた研究者約 100 名が集うことができたことも永

瀬先生とGill先生がこの分野を開拓、先導してきたおかげであり、その偉大さに改めて感銘し

ました。日本からは順天堂大学の岡田保典先生と私(望月)、岡山大学の廣畑聡先生の 3 名

の参加となりました。(参加者全員の写真 3)

プログラムは午前から午後までオーラルセッションが開催され、その合間にポスターセッショ

ンがありました。主催者が若手のメタロプロテアーゼ研究者によるオーラルとポスター発表も

重要視しており、若手の Poster prize と Oral presentation prizeを設けると同時にランチは、

ポスターの前で軽食を食べながら気軽にディスカッションできました。そのため、ポスターセッ

ションは様々なメタロプロテアーゼ研究を網羅的に学びながら、参加者間の距離を非常に近く

することができる場ともなっていました。

この会議は、終始和やかな雰囲気で進められ参加した研究者間の繋がりの深さを感じまし

た。また、MMP のゴードンカンファレンスのようにお互い自由にディスカッションし、若手からシ

ニアな研究者までフランクに過ごすことができ、大変勉強にもなりました。今後は、我々が永

瀬先生と Gill 先生に引き続きメタロプロテアーゼ研究を大きく推進しなければならないと決意

した次第です。

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写真 1. 写真 2.

写真 3

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5.学会会則および細則の改訂について

さる 6月 23日に開催された理事・監事会、次いで 6月 25日に開催された評議員会と総会

において、学会会則と細則の一部改訂が行われました。主な改訂点は、①今後、大高賞決定

に際しては応募者全員に理事長ならびに選考委員長の連名で選考結果の通知を行うこと、

②ここ数年試行してきたように、Young Investigator Award 受賞者に対しては原則として当該

大会期間中に大会長より賞状・副賞を授与すること、になります。新たな会則および細則と、

理事・監事会議事録は、いずれも日本結合組織学会ホームページの会員専用ページに掲載

されています。パスワードは「mtxjsmbm」です。

6.評議員推薦のお願い

本会のさらなる発展のために、新たな評議員の推薦をお願いいたします。新評議員候補者

は、現評議員 2 名以上の推薦を付して、本人の履歴書および主たる業績の目録を理事長宛

に送付頂いた上で、理事会で審議を行います。評議員推薦の要件等は、学会細則に記載さ

れております。また、当該要件を満たさなくとも、本学会員であって、特に顕著な研究業績を

有する者は、理事会および評議員会で賛同が得られた場合には評議員に就任できます。

よろしくご推薦の程、お願い申し上げます。

7.会費納入のお願い

本学会の会計年度は、4月1日~3月末日です。会員の皆様には、4月のニュースレターに

会費納入状況のお知らせとともに振替用紙を同封させて頂きました。ご承知のように、本会

の運営経費のほとんどが納入頂いた会費に依存しており、主として学術大会開催補助事業

に使用されます。今年度ならびに過年度の年会費が未納入の会員の皆様におかれましては、

すみやかな年会費納入にご協力を賜りますよう、重ねてお願いを申し上げます。

会費納入にあたり、会員個人名でなく会社名・大学名等で送金頂きます時は、必ず学協会

サポートセンター 日本結合組織学会 (JSMBM) 担当者宛に、メール([email protected])

等にてご連絡下さい。会費納入の照合が困難となりますので、ご協力の程、お願い申し上げ

ます。また、諸事情により郵便振替でなく銀行入金をご希望の際には、以下の口座に送金を

お願いいたします。

銀 行 名: 三菱東京 UFJ銀行 本厚木支店(265)

口座番号: (普通預金) 0098732

口座名義: 日本結合組織学会 理事長 稲垣 豊 (ニホンケツゴウソシキガッカイ イナガキユタカ)