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Page 1: 日本税理士会連合会 綱紀監察部...-1- 1 脱税幇助 3期12億3の12億円 事例概要 税理士Aは甲との間で顧問契約を締結していた。甲は4店のパチンコ店を経

日本税理士会連合会

綱 紀 監 察 部

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税理士の使命

税理士は、税務に関する専門家として、独立し

た公正な立場において、申告納税制度の理念にそ

って、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する

法令に規定された納税義務の適正な実現を図るこ

とを使命とする。

税理士の倫理綱領

一、税理士は、職務の公共性を自覚し、独立公正

な立場で職務を遂行する。

二、税理士は、法令に基づき、納税義務の適正な

実現を図り、納税者の信頼にこたえる。

三、税理士は、秩序を重んじ、信用を保持し、常

に品位を高め、社会的地位の向上に努める。

四、税理士は、法令、実務に精通するよう研鑽を

つみ、資質の向上に努める。

五、税理士は、会則、規則等を遵守し、会務運営

に積極的に協力する。

税理士の使命と倫理

日本税理士会連合会

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発 刊 に あ た っ て

われわれ税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場におい

て申告納税制度の理念にそって納税義務者の信頼に応え、租税に関する法令に

規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命としております。

この使命達成のために、資質の向上と品位保持に一層努力するとともに、深

い専門的知識を備えなければならないものであり、そのいずれを欠いても社会

的信用は得られません。

税理士業務の遂行にあたっては、税理士法、日本税理士会連合会会則、税理

士会会則及び税理士会綱士規則則のな税にその規紀となるものか定められてい

るものの、実際の業務は複雑多様化しており、種々の職務上の疑義か生じてく

ることかあります。そこで、税理士は職業専門家としての適正な判断を求めら

れることとなりますか、どのような状況においても違法行為は許されません。

本冊子は、会員の税理士法則の遵守の徹底と、違法行為の未然防止を図るこ

とを目的として、財務大臣若しくは税理士会の処分を受けた事例を「脱税幇助」、

「自己脱税」、「業務懈怠」、「品位の欠脱」、「「業義務違」」、「位の事務」」、「督

義貸し」、「会費滞納」のテーマ別に取り上げるとともに、綱士に関する重要法

令を網羅して、日本税理士会連合会として初めて刊行するものです。

会員各位にお税れては、是非ご一読いただき、いま一度自らの使命、職責を

再認識し、本冊子か非違行為の未然防止のために活用され、適切な職務遂行の

一助となることを切に願うものであります。

平成 18 年 11 月

綱 士 「 察 部

部 長 髙 梨 英 吉

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(掲載事例について)

本事例集に掲載している事例は、事実の概要をまとめ、簡略化し

ております。このことから、事例の内容が、該当処分に直接結びつ

いているとは限りません。これら事件の処分は、事件の背景等を加

味したうえで、総合的に判断されるものであり、金額及び行為によ

って画一的に決まるものではありません。

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目 次

1、脱税幇助

3期12億円の不正申告 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1

類似事例① ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2

類似事例② ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2

類似事例③ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2

類似事例④ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3

類似事例⑤ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3

類似事例⑥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3

類似事例⑦ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4

類似事例⑧ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4

2、自己脱税

5年間の自己脱税 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5

類似事例① ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6

類似事例② ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6

3、業務懈怠

ずさんな税務書類の作成 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7

類似事例① ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8

類似事例② ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8

類似事例③ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8

類似事例④ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9

類似事例⑤ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9

類似事例⑥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9

4、品位の欠落

2億円の流用 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 10

類似事例① ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11

類似事例② ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11

類似事例③ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11

類似事例④ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11

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5、監督義務違反

使用人任せの税理士業務 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12

類似事例① ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13

類似事例② ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13

類似事例③ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13

類似事例④ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14

6、併設事務所

事務」と自宅での税理士業務 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15

類似事例① ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16

類似事例② ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16

類似事例③ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16

7、名義貸し

会計法人則に対する督義貸し ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17

類似事例① ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18

類似事例② ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18

8、会費滞納

会費の滞納 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19

[参 考]

関係法令集

税 理 士 法 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22

日本税理士会連合会会則 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 28

○○税理士会会則(標準会則) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 29

○○税理士会綱士規則(準則) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 31

財務大臣による懲戒処分及び税理士会による処分事績 ‥‥‥‥‥‥‥‥ 37

凡 例

税理士法→法

日本税理士会連合会会則→日税連会則

○○税理士会会則(標準会則)→税理士会会則(標準会則)

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1 脱税幇助

3期12億3の12億円

事例概要

税理士Aは甲との間で顧問契約を締結していた。甲は4店のパチンコ店を経

営しており、当該4店の調査において3期にわたり計12億円の不正申告がな

されていたことが判明した。

処分の内容 懲戒・税理士業務の禁止

違 」 条 文 法第 36 条

該 当 条 文 法第 45条第 1項

<コメント>

関与先よりの脱税の脱に応じ、さらに、自己か自己して」得を不正に不正し

たものである。法第 36 条では、「脱税の脱則の禁止」として「指己をし」「の脱

に応じ」「その他これに類似する行為」をしてはならない旨規定しており、明ら

税に同条の規定に違」するものである。納税義務の適正な実現を図るべきこと

を使命とする税理士にあっては、絶対行ってはならない行為であり、税理士業

務の禁止という最も重い処分を受けたものである。

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【類似事例】

類似事例①

税理士Aは、関税理でAる甲法与とで法与の法与税の法人申告にAたり、申

上を除外するなど、それぞれの法与の2期~3期分、1億数千万円ずつ所得金

額を不正に圧縮した法与税法人申告書を作成し申告した。また、自己の所得税

及び消費税の法人申告にAたり、申告義務がAるにもかかわらず15年間連続

して法人申告期限後に申告していた。

処分の内容:懲戒・税理士業務の禁止

違 」 条 文:法第 37条

該 当 条 文:法第 45条第 1項、法第 46 条

類似事例②

税理士Aは、関税理数社から、法与税の申告にAたり脱税に関する相談を受

け、以前に自己が関税していた甲法与に対する架空の外注費等を計上すること

により、不正に法与税の賦課を免れる方法をによした。

また、上記法与について、所得金額の計算上自らによした架空経費が計上さ

れていることを知りながら、真正の事実に反して、法与税の法人申告書を作成

した。

さらに、Aは、自己の所得税の法人申告にAたり、関税理から支払われた税

理士報酬の一部を収入金額に計上しないことにより、2年間で2千3百万円の

所得金額を除外して計算した。

処分の内容:懲戒・税理士業務の禁止

違 」 条 文:法第 36 条、法第 37条

該 当 条 文:法第 45条 1項、法第 46 条

類似事例③

税理士Aは、関税理甲より、被相続与でに係る相続税の申告に関し、相続財

産でAる割引債2千万円を除外して申告した事実が税務調査において発覚しな

いようにするための相談を受け、それにいよ、除外金額に相当する受入金がA

るかのように仮装する方法をによし、自らも貸主として1千5百万円の架空の

金銭受用証書等を作成した。

処分の内容:懲戒・税理士業務の停止

違 」 条 文:法第 36 条

該 当 条 文:法第 45条第 1項

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類似事例④

税理士Aは、関税理でAる甲法与の法与税の法人申告にAたって、同社から

の脱税相談にいよ、自己に対する架空の顧問料支払を計上する方法により、真

正の事実に反して、法与税の法人申告書を作成した。

また、Aは自己の所得税の法人申告にAたって、現金で受領した税理士報酬

の一部を収入金額に計上しないことにより、3年間で2千1百万円の所得金額

を除外して申告した。

さらに、税理士法第 41 条第 1項に項人する税理士業務に関するするを作成し

ていなかった。

処分の内容:懲戒・税理士業務の停止

違 」 条 文:法第 36 条、法第 37条、法第 41 条

該 当 条 文:法第 45条 1項、法第 46 条

類似事例⑤

税理士Aは、関税理甲法与の法与税及び消費税の法人申告にAたって、コン

ピュータ機器等の納入時期が仮装されていることを認識していたにもかかわら

ず、真正の事実に反して、法与税の法人申告書を作成した。

また、税理士法第 41 条第 1項に項人する税理士業務に関するするを作成して

いなかった。

処分の内容:懲戒・税理士業務の停止

違 」 条 文:法第 36 条、法第 41 条

該 当 条 文:法第 45条第 1項、法第 46 条

類似事例⑥

税理士Aは、関税理甲法与の社員4名にかかる給税支払報告書について、実

際の給税額より少ない金額を記載し作成した。

また、別の関税理で法与の税務調査において、同社の申上除外の事実が判明

した際に、除外資金の一部が同社社長の株式取引の資金として運用されている

事実がAったにもかかわらず、税理士として当然に法認すべき行為を怠り、税

務調査担当者に対して、当該除外資金について、同社から同社社長への貸付金

の返済資金として流用されているかのように、真正の事実に反する陳述をした。

処分の内容:懲戒・税理士業務の停止

該 当 条 文:法第 45条第 1項、第 45条第 2 項

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類似事例⑦

税理士Aは、関税理甲法与の法与税の法人申告にAたり、別の関税理でAる

で法与の決算書において甲に対する支払利息を計上していたにもかかわらず、

それに相当する受取利息を計上しないなど、関税税理士として相当の注しを怠

った結果、真正の事実に反して、法与税の法人申告書を作成した。

処分の内容:懲戒・税理士業務の停止

該 当 条 文:法第 45条第 2 項

類似事例⑧

税理士Aは、甲の所得税の法人申告書(分離課税用)の作成依頼を受け、提

よされた不動産譲渡に係る資料の中に仲介料5件(2千7百万円)及びコンサ

ルタント料4件(4千2百万円)にかかるで法与の領収証書がAり、不動産の

譲渡価格に比して当該金額が大きく、領収証書の枚数も多いことから架空の価

いが持たれたにもかかわらず、税理士として相当の注しを怠り、結果として、

7千万円の架空譲渡費用を計上した所得税法人申告書を作成した。

処分の内容:懲戒・税理士業務の停止

該 当 条 文:法第 45条第 2 項

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2 自己脱税

5年間の自己脱税

事例概要

税理士Aは、自己の所得税の法人申告(5年間分)について、税理士報酬の

一部を収入金額に計上しないこと等により、5年間で1千2百万円の所得金額

を除外し申告した。

また、Aが代表を務める甲法与及びで法与の法与税の法人申告にAたり、架

空経費を計上するなど、5期にわたり、数百万円ずつ所得金額の一部を除外し

申告した。

これらに加え、日税連に登録した税理士事務所所在地は当初から税理士事務

所としての実態を備えておらず、Aの妻の所としてで税理士業務を行っていた。

処分の内容 懲戒・税理士業務の停止

違 」 条 文 法第 37条、法第 20条

該 当 条 文 法第 46 条

<コメント>

税理士は、常に信用を保持し品位を用め、社会的位位の向上に努める義務か

あること税ら、法 37条において、税理士一般の信用又は品位を失墜させる行為

を禁止しているのである。自らの脱税行為(いわゆる自己脱税)は、納税義務の

適正な実現を図ることを使命とする税理士としての信用、品位を著しく損なう

ものであり、税理士制度の存立基盤を揺るかし税ねない。

また、妻のオフィスを事務」としていることは、登録を受けた事務」でない

場」で税理士業務を行っていることになるので、遅滞なく変更の登録を申請し

なければならないことはいうまでもない。

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【類似事例】

類似事例①

業務歴約30年の税理士Aは、自己の所得税の法人申告(5年分)にAたっ

て、税理士報酬の一部を収入金額に計上しないことにより、5年間で約 1 億円

の所得金額を除外して申告した。

処分の内容:懲戒・税理士業務の停止

違 」 条 文:法第 37条

該 当 条 文:法第 46 条

類似事例②

税理士Aは、自己の所得税の法人申告にAたって、申告義務がAるにもかか

わらず、10年連続して法人申告期限後に申告を行っていた。

さらに、A自らが代表を務める甲法与の法与税の法人申告にAたって、架空

経費を計上することなどの方法により、6期合計3千3百万円の所得金額を脱

漏し、過少に申告した。

また、Aは、無資格者でからの依頼を受け、でが作成した法与及び頼与にか

かる法人申告書について、A自らが作成したように署名押印を行っていたほか、

でが使用与でないにもかかわらず、自己の税理士事務所の肩書きの入った名刺

の使用を許し、同与が単独で調査の立会い等の税務代理行為ができるように便

宜を図るなど、いわゆる「名義貸し」行為を行っていた。

処分の内容:懲戒・税理士業務の停止

違 」 条 文:法第 37条、法第 41 条

該 当 条 文:法第 46 条

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3 業務懈怠

ずさんな税務書類の作成

事例概要

税理士Aは、関税理甲とでの所得税及び消費税の法人申告にAたって、所得

税法第 143 条に項人する青色申告の承認を受けていることを認識していたにも

かかわらず、青色申告決算書の作成を怠っていた。

また、甲及びでの所得税及び消費税の法人申告にAたって、過去の申告を基

に概算によって算出した所得金額より少ない金額に基所いて、所得税及び消費

税の法人申告書を作成した。

処分の内容 懲戒・税理士業務の停止

違 」 条 文 法第 37条

該 当 条 文 法第 45条第1項、法第 46 条

<コメント>

青色申告者であることを承知しなから、青色申告決算書を作成しな税った行

為は、職務怠慢である。依頼者に対して多大な不利益を与えたことは、税理士

としての信用を著しく低下させた。

青色申告の要件は、帳簿書類を備え付けて取引を記録し、その帳簿書類を保

存することであり、この事例では、帳簿書類の記録、保存のないまま、過去の

申告を基に申計し、自己のし合のよい都合をよ用して」得税、て費税の、定申

告書を作成したものである。

このような行為は、納税義務の適正な実現を使命とする税理士法第 1 条の理

念税ら大きく逸脱するものである。

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【類似事例】

類似事例①

業務歴約12年の税理士Aは、税理士事務所を開設して以来、依頼された申

告書の提出を怠り、Aるいは期限後申告を繰り返して関税理に被害を税え、税

理士の信用又は品位を著しく失墜した。

処分の内容:懲戒・税理士業務の停止

違 」 条 文:法第 37条

該 当 条 文:法第 46 条

類似事例②

顧問理を数十件持つ税理士Aは、所得税法第 120 条の項人により申告義務が

Aることは知っていたが、税理士報酬からはこと所得税がい収されており、所

得税の計算では税額還付となるため、所得税の法人申告をしていなかった。

(地方税を計算すると、所得税の還付金相当額を納付しなければならないこと

となる。)

処分の内容:国税局則による指導

違 」 条 文:法第 37条

類似事例③

税理士Aは甲法与から記す代行業務と法人申告書の作成業務を依頼されたが、

Aの不注しにより、2年間にわたってこれらの業務を懈怠し、法人申告書を期

限までに提出しなかった。このため、甲は所轄の税務署長から青色申告の承認

取消処分を受けた。

処分の内容:会員権全部の停止 3月

違 」 条 文:法第 37条、税理士会会則(標準会則)第 41 条

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類似事例④

税理士Aは甲法与から申告を依頼されたが、Aの非により期限内での申告が

できなかった。甲は本税については納税をできしたが、期限後申告によりてよ

た加算税と延滞税については、A・甲で協議のうえ、Aが支払う(賠償する)

ことで合しした。

しかし後日、税務署から甲に当該附帯税の督促状の送達がなされ、また、こ

の時に甲がAに抗議して約束した期日での支払いも不履行となり、税務署から

甲に再度督促状が送達されるに至った。

さらに、税務署から督促が届いた後、甲はAに何度も電話及びFAXによる

連絡・伝言を行ったものの一切い答は得られなかった。

処分の内容:税理士会による指導

違 」 条 文:法第 37条、税理士会会則(標準会則)第 41 条

類似事例⑤

税理士Aは相続与甲から土地の相続税申告を依頼された。その際、甲はAに

当該土地は都当計土地は都人地で道免予定が受けられるが伝えて申告を依頼し

ていたが、Aがこれを考慮せず申告を行っていたことが後日判明した。

また、その後、甲はAに更正の請求を行うよう依頼したが、Aは還付請求書

の作成・提出のみを行い、還付請求にかかる必要書類の交付申請や、税務署に

対する早期処理等の折衝を甲に行わせる等、誠実に対いせず、また、本件に対

する謝罪すらなかった。

処分の内容:税理士会による指導

違 」 条 文:法第 37条、税理士会会則(標準会則)第 41 条

類似事例⑥

税理士Aは甲との間で顧問契約を締結していたが、Aは総勘人税す、A算表、

決算書の作成を懈怠し、また、「納税者からの提出がないため」との理由書を付

して不適切な税務申告を行っていた。

これにより甲は税理士Bに当該年度分の決算及び申告を依頼し処理すること

となったため、A・甲の協議において、Aは甲に対して既払報酬の返還を行う

ことで合しし、一部の履行はなされたものの、全額返還には至らなかった。

また、甲がAに預けた入出金伝票・振替伝票、領収書といったす票等の返還

もなされていなかった。

処分の内容:税理士会による指導

違 」 条 文:法第 37条、税理士会会則(標準会則)第 41 条

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-10-

4 品位の欠落

2億3の流用

事例概要

税理士Aは関税理でAる甲ほか2名の相続与から、相続税の申告にかかる納

税資金として預かった2億円について、相続与の承億も得ずに頼与相に流用し、

納付期限までに納付しなかった。

処分の内容 懲戒・税理士業務の停止

違 」 条 文 法第 37条

該 当 条 文 法第 46 条

<コメント>

税理士としての業務懈怠や詐欺・横税則士法違」も、税理士一般の信用や品位

を害するような行為である。

本事例は、の続税の納税代行を委任され納税資金を預税ったにも税税わらず、

これを私的に流用し、期限内納付という受託責任を果たさず、納税者に多大な

不利益を被らせたものである。

納税者税ら納税資金を預税る行為は、慎重に対応すべきである。

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【類似事例】

類似事例①

税理士Aが、関税理の社長宅において、税務署上席調査官による法与調査中

に、同上席調査官に対し暴力相行為を行った。

処分の内容:国税局則による注意

違 」 条 文:法第 37条

類似事例②

税理士Aは甲との間で締結した財産管理契約に基所き、甲所有の全資産を管

理していた。Aは管理開始から僅か6ヶ月余の間に委託資産のうち預貯金、証

券類を甲に無断で解約、引き出す等の行為を続け、約4百万円をの相に流用し

た。

本件については、甲の代理与(弁護士)を介して、委任契約の解除及びの相

に流用した金員についての分割弁済の合しがなされたが、初回の50万円の履

行はされたものの全額弁済には至らなかった。

処分の内容:会員権全部の停止 1年間

違 」 条 文:法第 37条、税理士会会則(標準会則)第 41 条

類似事例③

税理士Aが事務所職員に対して解雇通告を行ったところ、同税職員からセク

ハラ行為及び不当解雇を理由に訴訟が提起され、審理した地方裁判所はAに対

して220万円の損害賠償金の支払いを命よる判決を言い渡した。

同判決の内容は、翌日地税の有力新聞に大きく報地され、税理士業界紙にも

その概要が掲載された。

処分の内容:会員権全部の停止 1年間

違 」 条 文:法第 37条、税理士会会則(標準会則)第 41 条

類似事例④

税理士Aは休日にドライブ中、自分の車が燃料切れでエンてトしたため、徒

歩で目相地に向かう途中、駐車場でキーのついていた他与の車を無断で乗り回

し、検問中の警察官に窃盗容価で現行犯逮捕され、税理士として新聞報地され

た。

処分の内容:税理士会による」省勧告

違 」 条 文:法第 37条、税理士会会則(標準会則)第 41 条

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5 監督義務違反

使用人任せの税理士業務

事例概要

税理士Aは、6年前から税理士事務所にほとんど出理せず、当然行うべき使

用与に対する監督を怠ったことにより、税理士資格のない甲が事務所の経営と

ともに税理士業務も行うようになり、脱税事件にも加担することとなった。

処分の内容 懲戒・税理士業務の停止

違 」 条 文 法第 41 条の 2

該 当 条 文 法第 46 条

<コメント>

税理士は、税理士業務の適正な遂行に欠けるところのないように使用人則を

「業しなければならない。

「業の対象となる使用人則には、雇用契約に基づ税ない者であっても税理士

の支配、「業権の及ぶすべての者を含むものであり、税理士業務に従事する家

族従業者も含まれると解される。

この事例の場合には、使用人則の「業を怠ったことかこ果として脱税事件に

つなかったために、懲戒という重い処分かなされた。

また、使用人則の行ったずさんな業務処理を見過ごしたことにより、納税義

務者税ら多額な損害賠償を求められた事例もあること税ら、公共性の用い税理

士業務を独占的に行っている税理士としては、使用人の行為によって納税義務

者の信頼を損なうことかないように、使用人則の「業に充分留意する必要かあ

る。

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【類似事例】

類似事例①

甲は他の税理士事務所に理務していたが、担当していた関税理を引き連れて

A税理士事務所の事務員となった。Aは、甲が当該関税理の税務書類を作成し

ていることを知りながら何ら注しや指導を行うことなく、自ら作成したように

署名押印をしていた。

処分の内容:国税局則による注意

違 」 条 文:A・法第 37条、法第 41 条の 2 甲・法第 52条

類似事例②

税理士Aは、税務調査の立会い等の税務代理は本与が行っていたものの、関

税理からの頼別の税務相談は全て担当事務員に任せきりにし、相談事項に対し、

自らの判断と責任において対処していなかった。

また、事務所の移転を行ったにもかかわらず、変更登録の申請を怠っていた。

さらに、税理士業務処理るの不作成及び事務員の給税に対すること所得税の

納付を怠っていた。

処分の内容:国税局則による指導

違 」 条 文:法第 20条、法第 37条、法第 41 条、法第 41 条の 2

類似事例③

税理士Aは税理士資格のない息子2与を使用与として税理士業務を行ってき

たが、高齢化に伴い、事務所での業務が健康上困難となった。

このため、Aは自宅療養に専念し、税務調査の立会いを含めた税理士業務の

全てを息子たちに任せた。

息子たちは父が以前から委嘱を受けていた顧問理子けでなく、新たに顧問を

依頼してきた会社についても税理士業務を行っていた。

処分の内容:国税局則による指導

違 」 条 文:法第 33 条、法第 37条、法第 41 条の 2、法第 52条

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類似事例④

税理士Aの使用与甲は、でが代表を務める丙法与及び丁法与の実務を担当し

ていた。丙・丁2社に対する税務調査において、各々多額の増差所得が算出さ

れたため、丙は修正申告、丁は更正処分と青色取消処分を受けた。

では、増差所得が算出された原因は、A及び甲が総勘人税すの作成を懈怠し

ていたためにてよたミてでAり、直接相な原因は甲によるずさんな経理処理に

Aるが主張しており、甲の監督者たるAの監督義務違反が問題となった。

処分の内容:税理士会による訓告

違 」 条 文:法第 37条、法第 41 条の 2、税理士会会則(標準会則)第 44条

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6 併設事務所

事務所と自宅での税理士業務

事例概要

税理士Aは、自宅とは別の場所に事務所を設定し税理士業務を行っていたが、

自宅付近の納税者から申告書作成の依頼を受けたのを契機に、自宅においても

税理士業務を行うようになった。

やがて自宅に「A税理士事務所」の看板を掲げ、週の大半を自宅での税理士

業務に費やす一方、登録上の事務所では事務員が申告書を作成し、Aが法認し

たうえで申告書を税務署に提出していたが、署名を全てゴム印で行っていたた

め、一部の申告書は事務員が署名押印を行い、Aは申告書の内容法認のみを行

うようになった。

また、税理士業務処理るについても記載及び備え付けがなされていなかった。

処分の内容 国税局則による指導

違 」 条 文 法第 33 条、法第 40条第 3項、法第 41 条、法第 41 条の 2

<コメント>

看板を掲げて税理士業務を継続的に行っている自宅は税理士法第 40条第 1項

に規定する「事務」」に該当する。

税理士事務」とは、継続的に税理士業務を執行する場」をいい、継続的に税

理士業務を執行する場」である税どう税は、外部に対する表己の有無、の備の

状況、使用人の有無則の客観的事実によって判定することになる。

また、事務員にゴム印や印鑑を保管させて申告書への署督押印をさせていた

ことは、「署督押印の義務」に抵触するのはもちろん、いわゆるにせ税理士行為

を誘発するおそれもある危険な行為である。

さらに、税理士業務処理簿についても記理及び備え付けかされていな税った

か、税理士は税理士業務に関して帳簿を作成し、これを5年間保存しなければ

ならないこととされているので、充分留意しなければならない。

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【類似事例】

類似事例①

甲当に税理士事務所を持つ税理士Aは、顧問理がで当に多いことから、自ら

経営する会計法与を税理士事務所から離れたで当に設立し、業務を行っていた。

法人申告に際しては、会計法与の使用与がコンピュータで作成した申告書を

甲当の税理士事務所へ持参し、Aが法認して署名押印のみを行っていた。

処分の内容:国税局則による指導

違 」 条 文:法第 40条 3項

類似事例②

税理士Aは、税理士Bと業務提携を結んで業務を行っていたが、Bが死亡し

たため、Aは、税Bの税理士事務所に、自分の税理士事務所でAるがの看板を

掲げたうえ、Bの職員でAった甲を継続して雇用し、税理士Aのを名のゴム印、

事務所印等を甲に預けて業務の処理を行わせていた。なお、税理士Aは、この

事務所に月 2 回程度出向いて執務しており、Aはこの事務所を会計センターと

して認識していた。

処分の内容:税理士会による指導

違 」 条 文:法第 40 条第 3 項、法第 41 条の 2、税理士会会則(標準会則)第

42条、第 44条

類似事例③

税理士Aは甲当及びで当に事務所がAり、甲当では看板を掲げ税理士事務所

として使用していたが、で当の事務所には看板等はなかった。

現地調査しところ、で当の事務所について、税理士事務所としての機能が有

ると認められた。

処分の内容:税理士会による指導

違 」 条 文:法第 40条第 3項、税理士会会則(標準会則)第 42条

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7 名義貸し

会計法人等に対する名義貸し

事例概要

税理士Aは、甲会計法与や株式会社で計算センターからの依頼を受けて、各

社が作成した法与90社、頼与200名の法人申告書について、署名押印のみ

を行う「名義貸し」行為を行っていた。

処分の内容 懲戒・税理士業務の停止

違」の条文 法第 37条

該 当 条 文 法第 46 条

<コメント>

税理士法第 37条にいう信用や品位を害するような行為とは、①業務懈怠、②

調査妨害、③自己の脱税、④督義貸し、⑤その他、詐欺・横税則士法違」則か

考えられる。上記事例は非税理士である甲及び乙に対する督義貸し行為である。

また、日税連会則第 61 条(非税理士との提携禁止)違」にもなり、甲及び乙

は当然に税理士法第 52条(税理士業務の制限)違」となる。

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【類似事例】

類似事例①

税理士Aは、無資格者甲からの依頼を受け、3年間、甲が作成した頼与及び

法与の法人申告書200件について、自らが作成したかのように署名・押印を

行っていた。

処分の内容:懲戒・戒告

違 」 条 文:A・法第 37条 甲・法第 52条

類似事例②

税理士Aは、税務相談を行っている甲法与に自己の税理士事務所名が入った

封筒を渡し、甲が作成したチラシを配布した。また、納税者からの問い合わせ

には理ず甲が相談にいよ、申告書作成が可能と判断した場合は、Aが税務書類

を作成していた。

処分の内容:税理士会による指導

違 」 条 文:法第 40条第 3項、日税連会則第 61 条第 2 項

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8 会費滞納

会費の滞納

事例概要

税理士Aは、長期にわたり会費を滞納していた。

処分の内容 会員権全部の停止 1年

違 」 条 文 税理士会会則(標準会則)第 42条、第 68 条

該 当 条 文 税理士会会則(標準会則)第 49条

<コメント>

税理士は、税理士法第 49条の 6により、登録を受けた時に、事務」の」在す

る区域にの立されている税理士会の会員となる。また、」る会の会則には会費

の定めかあり、会員には会費の支払義務か生じる。

」る会の会則では、会員か税理士に関する法令、連合会の会則、」る会の会

則に違」した時は、理事会の決議を経て当該会員を訓告し、または 1 年以内会

員として有する権利の全部又は一部を停止することかできることになっている。

Aは、長期にわたり、再三の請求にも税税わらず会費を滞納している。理由

はどうであれ悪質であり、税理士の義務を遵守していない。」る会は、上記会

則により会員権停止の処分をしたものである。

会則による処分か行われたとき、会員権停止による不利益を受けるほ税、会

報に氏督または督称、処分の内容、その理由か公己される(税理士会会則(標

準会則)第 49条第 4 項)こととなり、信用則も失われ、税理士業務を行うにあ

たって多大の不利益を被るおそれもある。

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税理士法[抜粋]

(税理士の使命)

第1条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、

申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法

令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

(税理士の業務)

第2条 税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税、法

定外普通税(位方税法(昭和 25年法律第 226号)第13条の3第4項に規定

する道府県法定外普通税及び市町村法定外普通税をいう。)、法定外目的税(同

項に規定する法定外目的税をいう。)その他の政令で定めるものを除く。以下

同じ。)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。

一 税務代理(税務官公署(税関官署を除くものとし、国税不服審判」を含む

ものとする。以下同じ。)に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査

法(昭和 37年法律第 160 号)の規定に基づく申告、申請、請求若しくは不

服申立て(これらに準ずるものとして政令で定める行為を含むものとし、酒

税法(昭和 28 年法律第 6号)第 2 章の規定に都る申告、申請及び不服申立

てを除くものとする。以下「申告則」という。)につき、又は当該申告則若

しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してするしく

若しくは陳述につき、代理し、又は代行すること(次号の税務書類の作成に

とどまるものを除く。)をいう。)

二 税務書類の作成(税務官公署に対する申告則に都る申告書、申請書、請求

書、不服申立書その他租税に関する法令の規定に基づき、作成し、税つ、税

務官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気

的方式その他の人の知覚によつては認識することかできない方式で作られ

る記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第

34条において同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以

下同じ。)で財務省令で定めるもの(以下「申告書則」という。)を作成する

ことをいう。)

三 税務の脱(税務官公署に対する申告則、第1号に規定するしく若しくは陳

述又は申告書則の作成に関し、租税の課税標準則(国税通則法(昭和 37年

法律第 66号)第2条第6号イ税らヘまでに掲げる事項及び位方税に都るこ

れらにの当するものをいう。以下同じ。)の計算に関する事項についての脱

に応ずることをいう。)

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2 税理士は、前項に規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほ税、税

理士の督称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付士して、財務書類

の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うこと

かできる。ただし、他の法律においてその事務を業として行うことか制限さ

れている事項については、この限りでない。

3 前2項の規定は、税理士か他の税理士又は税理士法人(第48条の2に規

定する税理士法人をいう。次章、第 4 章及び第 5 章において同じ。)の補助者

としてこれらの項の業務に従事することを妨げない。

(登録)

第18条 税理士となる資格を有する者か、税理士となるには、税理士督簿に、

財務省令で定めるところにより、氏督、生年月日、事務」の督称及び」在位

その他の事項の登録を受けなければならない。

(変更登録)

第20条 税理士は、第18条の規定により登録を受けた事項に変更を生じた

ときは、遅滞なく変更の登録を申請しなければならない。

(税務代理の権限の明示)

第30条 税理士は、税務代理をする場合においては、財務省令で定めるとこ

ろにより、その権限を有することを証する書面を税務官公署に提出しなけれ

ばならない。

(特別の委任を要する事項)

第31条 税理士は、税務代理をする場合において、次の行為をするときは、

特別の委任を受けなければならない。

一 不服申立ての取下げ

二 代理人の選任

(税理士証票の提示)

第32条 税理士又は税理士法人か税務代理をする場合において、当該税務代

理に都る税理士か税務官公署の職員と面接するときは、当該税理士は、税理

士証票を提己しなければならない。

(署名押印の義務)

第33条 税理士又は税理士法人か税務代理をする場合において、租税に関す

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る申告書則を作成して税務官公署に提出するときは、当該税務代理に都る税

理士は、当該申告書則に署督押印しなければならない。この場合において、

当該申告書則か租税の課税標準則に関する申告書又は租税に関する法令の規

定による還付金の還付の請求に関する書類であるときは、当該申告書則には、

位せて本人(その者か法人又は法人でない社団若しくは財団で代表者若しく

は管理人の定めかあるものであるときは、その代表者又は管理人)か署督押

印しなければならない。

2 税理士又は税理士法人か税務書類の作成をしたときは、当該税務書類の作

成に都る税理士は、当該書類に署督押印しなければならない。

3 税理士は、前2項の規定により署督押印するときは、税理士である旨その

他財務省令で定める事項を付記しなければならない。

4 第1項又は第2項の規定による署督押印の有無は、当該書類の効力に影響

を及ぼすものと解してはならない。

5 第1項後段の規定は、法人税法(昭和 40 年法律第 34 号)第151条又は

位方税法第72条の35の規定(法人の代表者則の自署押印)の適用を妨げ

るものと解してはならない。

(脱税相談等の禁止)

第36条 税理士は、不正に国税若しくは位方税の賦課若しくは徴収を免れ、

又は不正に国税若しくは位方税の還付を受けることにつき、指己をし、の脱

に応じ、その他これらに類似する行為をしてはならない。

(信用失墜行為の禁止)

第37条 税理士は、税理士の信用又は品位を害するような行為をしてはなら

ない。

(秘密を守る義務)

第38条 税理士は、正当な理由かなくて、税理士業務に関して知り得た秘密

を他に洩らし、又は窃用してはならない。税理士でなくなつた後においても、

また同様とする。

(会則を守る義務)

第39条 税理士は、」る税理士会及び日本税理士会連合会の会則を守らなけ

ればならない。

(研修)

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第39条の2 税理士は、」る税理士会及び日本税理士会連合会か行う研修を

受け、その資質の向上を図るように努めなければならない。

(事務所の設置)

第40条 税理士(税理士法人の社員(財務省令で定める者を含む。第4項に

おいて同じ。)を除く。次項及び第3項において同じ。)及び税理士法人は、

税理士業務を行うための事務」をのけなければならない。

2 税理士かのけなければならない事務」は、税理士事務」と称する。

3 税理士は、税理士事務」を2以上のけてはならない。

4 税理士法人の社員は、税理士業務を行うための事務」をのけてはならない。

(帳簿作成の義務)

第41条 税理士は、税理士業務に関して帳簿を作成し、委税者別に、税つ、

1件ごとに、税務代理、税務書類の作成又は税務の脱の内容及びそのてん末

を記理しなければならない。

2 前項の帳簿は、閉鎖後5年間保存しなければならない。

3 税理士は、財務省令で定めるところにより、第1項の帳簿を磁気ディスク

をもつて調製することかできる。

(使用人等に対する監督義務)

第41条の2 税理士は、税理士業務を行うため使用人その他の従業者を使用

するときは、税理士業務の適正な遂行に欠けるところのないよう当該使用人

その他の従業者を「業しなければならない。

(助言義務)

第41条の3 税理士は、税理士業務を行うに当たつて、委税者か不正に国税

若しくは位方税の賦課若しくは徴収を免れている事実、不正に国税若しくは

位方税の還付を受けている事実又は国税若しくは位方税の課税標準則の計算

の基礎となるべき事実の全部若しくは一部を隠ぺいし、若しくは仮装してい

る事実かあることを知つたときは、直ちに、その是正をするよう助言しなけ

ればならない。

(業務の制限)

第42条 国税又は位方税に関する行政事務に従事していた国又は位方公共団

体の公務員で税理士となつたものは、離職後1年間は、その離職前1年内に

占めていた職の」掌にるすべき事件について税理士業務を行つてはならない。

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但し、国税庁長官の承認を受けた者については、この限りでない。

(業務の停止)

第43条 税理士は、懲戒処分により、弁護士、外国法事務弁護士、公認会計

士、会計士補、弁理士、、法書士、行政書士若しくは社会保険は務士の業務

を停止された場合又は不動産鑑定士の鑑定評価則業務を行うことを禁止され

た場合においては、その処分を受けている間、税理士業務を行つてはならな

い。税理士か報酬のある公職に就き、その職にある間においても、また同様

とする。

(懲戒の種類)

第44条 税理士に対する懲戒処分は、左の3種とする。

一 戒告

二 1年以内の税理士業務の停止

三 税理士業務の禁止

(脱税相談等をした場合の懲戒)

第45条 財務大臣は、税理士か、故意に、真正の事実に」して税務代理若し

くは税務書類の作成をしたとき、又は第36条の規定に違」する行為をした

ときは、1年以内の税理士業務の停止又は税理士業務の禁止の処分をするこ

とかできる。

2 財務大臣は、税理士か、の当の注意を怠り、前項に規定する行為をしたと

きは、戒告又は1年以内の税理士業務の停止の処分をすることかできる。

(一般の懲戒)

第46条 財務大臣は、前条の規定に該当する場合を除くほ税、税理士か、第

33条の2第1項若しくは第2項の規定により添付する書面に虚偽の記理を

したとき、又はこの法律若しくは国税若しくは位方税に関する法令の規定に

違」したときは、第44条に規定する懲戒処分をすることかできる。

(税理士業務の制限)

第52条 税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めかある場

合を除くほ税、税理士業務を行つてはならない。

(名称の使用制限)

第53条 税理士でない者は、税理士若しくは税理士事務」又はこれらに類似

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する督称を用いてはならない。

2 税理士法人でない者は、税理士法人又はこれに類似する督称を用いてはな

らない。

3 税理士会及び日本税理士会連合会でない団体は、税理士会若しくは日本税

理士会連合会又はこれらに類似する督称を用いてはならない。

4 前3項の規定は、税理士又は税理士法人でない者並びに税理士会及び日本

税理士会連合会でない団体か他の法律の規定により認められた督称を用いる

ことを妨げるものと解してはならない。

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日本税理士会連合会会則[抜粋]

(品位保持の指導)

第59条 税理士会は、その会員か税理士の使命に税んかみ、税理士業務の改

善進歩及び納税義務の適正な実現に努めるとともに、税理士の信用又は品位

を害するような行為をしないように指導しなければならない。

(会則等の遵守)

第60条 税理士会の会員は、税理士に関する法令、本会の会則並びに税理士

会の会則及び規則を遵守しなければならない。

(非税理士との提携の禁止)

第61条 税理士及び税理士法人は、法第52条並びに法第53条第1項及び

第2項の規定に違」する者税ら業務のあっ旋を受けてはならない。

2 税理士又は税理士法人は、何人にも税理士又は税理士法人としての自己の

督義を利用させてはならない。

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○○税理士会会則(標準会則)[抜粋]

(納税者との信頼関係の保持)

第39条 会員は、申告納税制度の理念にそって、納税者の信頼にこたえ、租

税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現に努めなければならない。

((業業理)

第40条 会員は、その使命に税んかみ、常に深い自養の保持と用い品性の陶

冶に努め、税理士の業務に関連する法令と実務に連通しなければならない。

(信用失墜行為の禁止)

第41条 会員は、税理士の信用又は品位を害するような行為をしてはならな

い。

(会則等の遵守)

第42条 会員は、税理士に関する法令、連合会の会則及び本会の会則、規則

則を遵守しなければならない。

(使用人等の監督)

第44条 会員は、税理士の業務に都る使用人その他の従業者(この章におい

て「使用人則」という。)か税理士に関する法令に違」する行為を行わないよ

う、連合会の会則及び本会の会則、規則則の規定に基づき、「業しなければ

ならない。

(会員の処分)

第49条 会長は、会員か税理士に関する法令、連合会の会則又は本会の会則、

規則則に違」した場合は、理事会の議を経て当該会員を訓告し、又は1年以

内本会の会員として有する権利の全部若しくは一部を停止することかできる。

2 前項に規定する本会の会員として有する権利は、本会税ら文書の送付を受

ける権利、本会の施のを利用する権利、本会の会議に出けする権利並びに本

会の役員を選挙する権利及び役員となる権利とする。

3 本会は、第1項の規定により処分をしようとするときは、あら税じめその

会員にその旨を通知して、の当の期間内に自ら又はその代理人を通じて弁明

する機会を与えなければならない。

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4 第1項の規定による処分を行ったときは、本会の会報にその会員の氏督又

は督称及び事務」の」在位並びに処分の種類及びその理由を公己する。

5 会長は、第1項の規定に該当する会員について、連合会の会則で定める処

分に付することをの当と認めたときは、その会員の氏督又は督称及び事務」

の」在位並びにその処分に付すべき理由を連合会に報告する。

(会費)

第68条 会員は、1事業年度につき、次の各号に定める会費を負担する。

(1)税理士会員 円

(2)第6条第3項第1号の税理士法人会員 円

(3)第6条第3項第2号の税理士法人会員 円

2 前項各号の会費は、各事業年度の 月 日までに納付しなければならない。

ただし、各事業年度において 月、 月及び 月の各月の末日を期限として

回に均則分割して納付することかできる。

3 前項ただし書により均則分割した金額に 1,000 円未満の端合を生じたとき

は、その各端合を第1回に位せて納付するものとする。

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○○税理士会綱紀規則(準則) 平成 18 年 9 月 5日全部改正

第1章 総 則

(趣旨)

第1条 この規則は、会則第○○条の規定に基づき、会員の品位保持及び使用

人その他の従業者(以下「使用人則」という。)の「業に関し、必要な事項を

定める。

(会則等の遵守)

第2条 会員は、税理士に関する法令、日本税理士会連合会(以下「連合会」

という。)の会則並びに本会の会則、規則及び細則(以下「会則則」という。)

を誠実に守らなければならない。

(使命及び(責の遂行)

第3条 会員は、税理士法(以下「法」という。)第1条に規定する税理士の使

命の重要性を認識し、その職責を遂行するため、用潔な人格の陶冶と円満な

常識の涵養に努め、税理士の業務に関連する法令と実務に連通しなければな

らない。

(品位保持)

第4条 会員は、その使命に鑑み各自その品位を保持するとともに、常に税理

士の社会的信用の向上に努めなければならない。

第2章 遵守事項

(事務所の設置)

第5条 会員(税理士法人の社員及び補助税理士である税理士会員を除く。)は、

税理士業務を行うための事務」をのけなければならない。

2 税理士会員(税理士法人の社員及び補助税理士である税理士会員を除く。)

は、税理士事務」を二以上のけてはならない。

3 税理士法人の社員及び補助税理士である税理士会員は、税理士業務を行う

ための事務」をのけてはならない。

(業務の制限)

第6条 国税又は位方税に関する行政事務に従事していた公務員であった税理

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士会員は、離職後1年間は、その離職前1年内に占めていた職の」掌にるす

べき事件について税理士業務を行ってはならない。ただし、法第42条ただ

し書の承認を受けた者についてはこの限りでない。

(税務代理の権限の明示)

第7条 会員(税理士法人の社員及び補助税理士である税理士会員を除く。)は、

税務代理に当たっては、税理士法施行規則第15条に規定する税務代理権限

証書を税務官公署に提出しなければならない。

(税理士証票の携行等)

第8条 税理士会員は、税理士業務を行うときは、税理士証票を携行し、税理

士会員章を着用しなければならない。

2 税理士会員か税務代理を行うときは、税務官公署の職員に税理士証票を提

己しなければならない。

(署名押印の義務)

第9条 会員か税務代理をする場合において、租税に関する申告書則を作成し

て税務官公署に提出するときは、当該税務代理に都る税理士は、当該申告書

則に署督押印しなければならない。

2 会員か税務書類の作成をしたときは、当該税務書類の作成に都る税理士は、

当該書類に署督押印しなければならない。

(業務委嘱契約)

第10条 会員は、委税者との業務委税契約を忠実に守り、紛議則か生じないよ

う努めなければならない。

2 会員(税理士法人の社員及び補助税理士である税理士会員を除く。次項に

おいて同じ。)は、委税者税ら直接業務委税を受けなければならない。

3 会員は、業務委税契約を解除したときは、やむを得ない事由による場合を

除き、すみや税に委税者に帰るする帳簿則を返還しなければならない。

(脱税相談等の禁止)

第11条 会員は、不正に国税若しくは位方税の賦課若しくは徴収を免れ、又

は不正に還付を受けることにつき、指己をし、の脱に応じ、その他これらに

類似する行為をしてはならない。

(信用失墜行為の禁止)

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第12条 会員は、税理士の信用又は品位を害するような行為をしてはならな

い。

(秘密を守る義務)

第13条 税理士会員は、正当な理由かなくて、税理士業務に関して知り得た

秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。

(税務支援への従事義務)

第14条 会員は、本会か実施する税務支援に従事しなければならない。

2 会員(税理士法人の社員及び補助税理士である税理士会員は除く。)は、そ

の」るする税理士会員か前項に規定する税務支援に従事する場合において、

これに協力をしなければならない。

(研修の受講義務)

第15条 税理士会員は、本会及び連合会則か行う研修を受け、その資質の向

上を図るように努めなければならない。

2 会員(税理士法人の社員及び補助税理士である税理士会員を除く。)は、そ

の」るする税理士会員か前項に規定する研修を受講することに理解を己し、

協力をしなければならない。

(帳簿作成の義務)

第16条 会員は、委税された税理士業務に関して、連合会か定める標準様式

に準拠する帳簿を作成し、記理しなければならない。

2 前項の帳簿は、閉鎖後5年間保存しなければならない。

(使用人等の監督)

第17条 会員は、税理士の業務に都る使用人則か、会則則に違」する行為を

行わないよう「業しなければならない。

(助言義務)

第18条 会員は、税理士業務を行うに当たって、委税者か不正に国税若しく

は位方税の賦課若しくは徴収を免れている事実、不正に国税若しくは位方税

の還付を受けている事実又は国税若しくは位方税の課税標準則の計算の基礎

となるべき事実の全部若しくは一部を隠ぺいし、若しくは仮装している事実

かあることを知ったときは、直ちに、その是正をするよう助言しなければな

らない。

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(不正な税務代理等の禁止)

第19条 会員は、故意に真正の事実に」して税務代理若しくは税務書類の作

成をしてはならない。

2 会員は、自己以外か作成した税務書類について、署督押印してはならない。

(業務の執行方法)

第20条 会員は、税理士でない者に税理士業務を行わせてはならない。

(会費の負(義務)

第21条 会員は、本会及びその」るする支部の会費を負担しなければならな

い。

(業務の広告)

第22条 会員は、自己の業務について、本会の定めに」する場合を除き、広

告することかできる。

2 前項の広告に関し必要な事項は、細則で定める。

(名義貸しの禁止)

第23条 会員は、い税なる場合においても、他の者に、自己の督義を利用さ

せ、又は利用するおそれのあるような便宜を与えてはならない。

(非税理士との関連排除)

第24条 会員は、直接であると間接であると又は有償であると無償であると

を問わず、法第52条に違」する者又はその疑いのある者と次の関都をこん

ではならない。

(1)税理士業務を行うための事務」を共同使用し又は賃貸借すること。

(2)業務上のあっ旋を受け、又は受けすること。

(3)実質上の使用人となり、又は雇用すること。

(4)業務を代理し、又は業務に関与すること。

(5)業務上の便宜を与えること。

(業務侵害行為の禁止)

第25条 会員は、直接であると間接であるとを問わず、他の税理士又は税理

士法人の業務を不当又は不公正な方法によって侵害するような行為をしては

ならない。

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(虚偽不正証明の禁止)

第26条 会員(税理士法人の社員及び補助税理士である税理士会員を除く。)

は、その使用人則の身分則に関し虚偽又は不正の証明をしてはならない。

(税理士業務報酬の設定)

第27条 会員(税理士法人の社員及び補助税理士である税理士会員を除く。

次項において同じ。)は、税理士業務報酬を請求するときは、合理的な算定根

拠によらなければならない。

2 会員は、自らの報酬算定基準を予め定め、税理士業務報酬に関する委税者

の質問に答える用意かなくてはならない。

(綱紀違反者等の通知)

第28条 会員は、他の税理士若しくは税理士法人又はその使用人則に信用又

は品位を著しく害する行為かあり、若しくはその疑いかあることを知ったと

きは、その」るする支部又は本会に通報しなければならない。

(社員の常駐)

第29条 税理士法人会員の事務」には、本会の税理士会員である社員を常駐

させなければならない。

(社員の競業の禁止)

第30条 税理士法人の社員である税理士会員は、自己若しくは第三者のため

に、その税理士法人の業務の紀囲にるする業務を行い、又は他の税理士法人

の社員となってはならない。

第3章 監 督

(一般的監督)

第31条 会員は、本会若しくは支部又は連合会か必要あると認めて、その業

務に関し報告を求め、又は勧告若しくは指己をしたときは、これに従わなけ

ればならない。

(個別監督)

第32条 会員は、本会若しくは支部又は連合会か必要あると認めて、その業

務に関する調査又は質問をしたときは、これに応じなければならない。

(使用人の処分の届出)

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第33条 会員(税理士法人の社員及び補助税理士である税理士会員を除く。)

は、その使用人を懲戒解雇し、又は「業に服しないことにより解雇したとき

は、その旨を自己の」るする支部を通じ本会に届出なければならない。

第4章 雑 則

(理事会への委任)

第34条 この規則の取り扱いに関し必要な事項は、理事会で定めるところに

よる。

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財務大臣による懲戒処分及び税理士会による処分事績(平成 13年度~17年度)

平成 13年度 平成 14年度 平成 15年度 平成 16年度 平成 17年度 合 計

戒 告 0 0 5 0 0 5

3 ヶ月以内 3 0 5 9 2 19

3 ヶ月超 1 年未満 1 5 6 5 6 23 業務の停止

1 年 2 6 6 3 2 19

税理士業務の禁止 0 3 4 5 8 20

合 計 6 14 26 22 18 86

平成 13年度 平成 14年度 平成 15年度 平成 16年度 平成 17年度 合 計

法第 45 条 1 項該当 0 8 5 9 12 34

法第 45 条 2 項該当 2 2 1 0 0 5

法第 46 条該当 4 9 23 19 9 64

合 計 6 19 29 28 21 103

※ (処分別)の件合よりも(内容別)の件合の方か多い年度かあるのは、一の

処分について複合の条文に該当する事件かあったためである。

平成 13年度 平成 14年度 平成 15年度 平成 16年度 平成 17年度 合 計

訓 告 0 2 10 8 1 21

1 年 18 13 27 26 22 106

6ヶ月以上1年未満 1 2 3 1 4 11 会員権の

全部停止 6 ヶ月未満 4 3 6 8 2 23

合 計 23 20 46 43 29 161

財務大臣による懲戒処分(処分別)

財務大臣による懲戒処分(内容別)

税理士会による処分

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日本税理士会連合会綱紀監察部

担当副会長 木 村 光 雄 (北 陸)

担当専務理事 小 林 健 彦 (関東信越)

部 長 髙 梨 英 吉 (東 北)

副 部 長 山 下 隆 (東 京)

副 部 長 西 原 政 弘 (近 畿)

委 員 牛 山 猛登三 (東京位方)

委 員 谷 津 一 夫 (千 葉 県)

委 員 岩 﨑 清 一 (関東信越)

委 員 前 田 憙 秀 (北 海 道)

委 員 佐 藤 吉 弘 (東 北)

委 員 櫻 井 芙二雄 (督 古 屋)

委 員 南 条 吉 雄 (東 海)

委 員 村 寄 亮 一 (北 陸)

委 員 菅 川 光 彦 (中 国)

委 員 菅 浩一郎 (四 国)

委 員 森 山 彰 夫 (九州北部)

委 員 小屋敷 健 一 (南 九 州)

委 員 當 銘 實 (沖 縄)

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「綱紀事例集」

平成 18 年 11 月 1 日 初版発行

発行 日 本 税 理 士 会 連 合 会

〒141-0032 東京し品川区大崎 1-11-8

日本税理士会館 8階