北東アジア青少年環境活動リーダー育成事業 ·...

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北東アジア青少年環境活動リーダー育成事業 テーマ「湿地文化と都市生活」 2018 年 8 月 21 日(火)~ 22 日(水) 中国遼寧省瀋陽市 主催:中国遼寧省、日本国富山県

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北東アジア青少年環境活動リーダー育成事業

テーマ「湿地文化と都市生活」

2018年 8月 21日(火)~ 22日(水)

中国遼寧省瀋陽市

主催:中国遼寧省、日本国富山県

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1-1

目 次

1 プログラム ··························································································· 2-1

2 活動発表資料

遼寧省(風光明媚な景色を味わい、瀋陽の雰囲気を楽しむ) ·························· 3-1

黒龍江省(美しい千鶴島湿地) ································································· 4-1

富山県(富山発 ~地球共生マインド~) ··················································· 5-1

江原道(河川浄化活動及び環境広報活動) ·················································· 6-1

慶尚南道(ジュナム貯水池のモニタリングを通じた湿地生態保全活動) ················· 7-1

沿海地方(沿海地方チュグエフカ町の A.A.ファデエフ記念総合学校のエコクラブ

「エーデルワイス」の環境保護ボランティア活動の体験から) ················ 8-1

トムスク州(市内を流れる河川の環境状況調査) ········································· 9-1

ハバロフスク地方(国際的に重要な国立自然保護区「ボロニスキー」湿地

における鳥が多く集まる場所の調査) ·························· 10-1

〈参考資料 活動発表以外の活動報告資料〉

富山県(Save Our Ocean! 「富山湾の現在と未来~生物多様性と景観~」) ···· 11-1

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2-1

プログラム

日付 時間 主な日程

8.21

(火)

7:00-7:50 朝食

7:50-8:20 入場 会議場所:1F多目的ホール

8:30-8:50 北東アジア青少年環境活動リーダー育成事業開会式

8:30-8:40 遼寧省環境保護庁幹部による挨拶

8:40-8:50 富山県理事生活環境文化部次長による挨拶

8:50-11:00 環境活動の発表

8:50-09:00 環境宣言文

9:00-09:15 遼寧省による発表

9:15-09:30 黒龍江省による発表

9:30-09:45 日本富山県による発表

9:45-10:00 韓国江原道による発表

10:00-10:15 韓国慶尚南道による発表

10:15-10:30 ロシア沿海地方による発表

10:30-10:45 ロシアトムスクによる発表

10:45-11:00 ロシアハバロフスクによる発表

11:00-12:00 各団体による出し物

12:00-13:00 昼食

13:40-14:40 五里河公園へ移動

14:40-16:00 五里河公園での環境体験

16:00-17:00 遼寧ビルへ移動

18:00-19:00 夕食

19:30-20:30 引率者打合せ

8.22

(水)

7:00-7:50 朝食

8:10-9:10 蓮花湖湿地へ移動

9:10-11:00 蓮花湖湿地での環境体験

11:00-12:00 遼寧ビルへ移動

12:00-13:00 昼食

14:00-14:10 遼寧ビル前に集合

14:10-14:50 瀋陽大学自然博物館へ移動

14:50-16:20 瀋陽大学自然博物館での環境体験

16:20-17:00 遼寧ビルへ移動

18:00-19:00 夕食

19:30-20:30 引率者会議

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3-1

風光明媚な景色を味わい、瀋陽の雰囲気を楽しむ

1 自治体名:中国遼寧省

2 発表者名:李 煜桐(Li Yutong)(瀋陽市第二高校 1年生)

3 活動状況

(1) 渾河 (Hun River)水質の測定

毎年 9 月に、社会団体のメンバーは渾河長春 (Changchun)橋から出

発し、岸に沿って歩きながら河川水の観察を行う。王家湾橡胶

(Wangjiawan Xiangjiao)ダムに着いたら、渾河の水質、汚染状況と pH

値などについて測定し、また、前年度のデータと比較する。

(2) 大渓地 (Daxidi)湿地の観察活動

毎年 5 月に、全校 2 年生は北校区の近くにある大渓地湿地公園に行

き、“春・尋”というテーマの研究学習活動を行う。生徒たちは自分の

興味を持つ課題について、調査・研究し、最後は報告書をとりまとめる。

多くの課題の中、特に“大渓地公園における人気の観光景観とその理

由に関する探究”と“大渓地湿地公園における環境問題に関する観察と

分析”などの課題は深く掘り下げられて研究されていた。

2014年 8月 21日に、高2の生徒は環境保全研究会に率いられて、瀋

北(Shenbei)新区蒲河(Pu River)沿岸で蒲河の種について調査研究

し、2つのグループに分けて、それぞれ、動物と植物について深く探究

していた。最終的に報告書を作成し、第2高校の公式サイトと「環境教

育」という雑誌で発表した。

環境保全研究会のメンバーは定期的に近くの水域や公園に行き、沿岸

のごみを収集し、処分する。統計によると、飲料瓶・ペットポトルがご

み全体の 74%を占める。回収した利用可能なごみを洗浄し、売り、義援

金として現地の環境保全機構に寄付し、造林活動に使う。

(3) 湿地生態の効果・利益に関する基調講演

2017年 9月 4日に、環境保全研究会会長馮典坤 (Feng Diankun )さ

んは研究会の夏季活動について取りまとめ、また、湿地の考察結果を公

表した。湿地生態環境の効果・利益および保護措置について紹介し、生

徒たちの湿地保護意識の向上につながった。

(4) キャンパス知識・科学の普及

2015 年 7 月に、環境保全研究会はキャンパス内の鳥の巣の下で、環

境保全に関する知識について、景品付きのクイズ大会を行い、多くの生

徒の注目と参加を得られた。クイズは主に、湿地保護、世界地球デー、

環境汚染などに関する内容で、生徒たちは楽しみながら環境保全に関

する知識を学び、環境保全の意識を高めることができた。

(5) 環境保全に関する本の展示

2018 年 5 月に、環境保全研究会のメンバーは大渓地生態湿地を見学

した後、湿地の生態環境に関する本をデザインし作成した。また、大渓

地生態湿地の現状、生態環境の問題およびその解決策について、意見と

見解を交換した。その本は内容が豊富で、絵画も美しく、好評を得た。

4 発表要点

瀋陽第二高校の環境保全研究会は 1986 年に設立し、30 年来、環境保全に最大限の努力を払い、

全校ひいては瀋陽市で環境教育の道しるべになる一心で頑張ってきた。メンバーは環境問題に着

目・探究し、学校側の支援をもらい、また、学校側と協力しながら定期的に環境活動・イベントを

実施し、環境教育と宣伝にも力を入れてきた。さらに、大渓地の現地調査をキャンパスの通常活動

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に組み入れ、より多くの生徒に環境保全活動にかかわる機会を与える。夏季の渾河水質測定、蒲河

の生物活動探究、河岸のごみ処分などの活動を通じて、関連した教養と知識を身につけ、今後一層

環境活動を実施することに貴重な経験を積むことができた。また、環境保全研究会は絶えず外部と

の連携を強化し、指導者の張孟華 (Zhang Menghua)先生、左明秀 (Zuo Mingxiu)先生は積極的に国

際環境保全教育実践交流活動に参加し、中国の環境保全教育の現状を紹介している。18 期副会長の

王語潇 (Wang Yuxiao)さんは国際会議に参加し、中国の高校生が環境問題についてどのように考え、

かかわっているのかを国際社会に見せていた。

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美しい千鶴島湿地

1 自治体名:中国黒龍江省

2 発表者名:張 丁元(肇東市第 11中学校 3年生)

3 活動期間:2017 年 9月

4 活動場所:千鶴島( qian he dao)湿地公園

5 活動参加人数:7名

6 発表要旨:

昨年の夏休みに千鶴島湿地公園を見学した。

千鶴島湿地は黒龍江省肇東市黎明町( Zhaodong City Liming Town) に位置し、松花江(Songhua

River) 流域において最も整備され、最も景色が美しく、湿地多様性の特徴が際立った天然遺跡の一

つである。敷地面積は 5000 ムー( 約 3.3km2) で、環境が優美で、水資源がきわめて豊富で、水鳥の

生息・繁殖に最適な場所である。

湿地保護区にタンチョウ鶴、コウノトリ、ダイサギ、カモ、カモメなど、31 種類の希少鳥類と 37

種類の魚類が生息している。千鶴島湿地は大変魅力的な場所で、船に乗って遊覧することが一番良

いと聞き、私たちも船に乗って、緑一面の葦を眺めた。また、千鶴島湿地の奥地となる鳥島( niao

dao) に近づき、タンチョウ鶴、ダイサギなどの希少鳥類と触れ合った。そこには、水草が茂ってお

り、魚類が豊富で、希少生物に大変素晴らしい生息環境を提供している。また、木造桟道を使い、

湿地のあちこちを歩き回り、近距離で特有の生態学の湿地文化を体験した。

美しい湿地は私たちに忠告している。自然を保護することにより、郷土も守られることとなる。

長い年月の中、人類活動と湿地生態系の相互作用により、大きな水域面積と多くの魚が生息する池

を主体として人工湿地が形成され、独自の人工湿地生態学の特徴を形成している。また、急速な経

済成長は湿地生態系環境にある程度の破壊をもたらした。

これから、美しい大自然・生態系が本来の姿に回復するように、我々はできることから始めるべ

きだと思う。そして、遠くない将来に、湿地はもっと素晴らしい姿を我々に見せてくれるに違いな

い。湿地という地球上最も不思議な生態系がその独特な魅力と影響力を我々にさらに見せてくれる

だろう。

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富山発 ~地球共生マインド~

1 自治体名:日本富山県

2 発表者名:廣岡 愛波(HIROOKA Manaha)、藤井 志帆(FUJII Shiho)、高島 拓馬(TAKASHIMA

Takuma)

富山国際大学付属高等学校 2年生

3 活動を始めた経緯等

(1)各種講演参加、活動発表: 2001 年から、学校や各種団体で実施

高校主催の国際理解講座や富山ジオパークの可視化ワークショップ、

環日本海環境協力シンポジウムなどに参加し、地球規模の諸問題につ

いて知り、多角的な視点で解決策を模索している。活動で得たことを、

文化祭や弁論大会において多くの人に向けて発表し、協働の輪を広め

ている。

(2)幸せ遺産プロジェクト: 2015 年から、国際英語コースとユネスコ部が中心になって実施

「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」の 17 目標を達成する

ためにはどうしたらよいのかについて、様々な活動を通して考えてい

る。世界各国にある7つの姉妹校の生徒達と共に、後世に残したいもの

を 100の遺産選定を行っている。

(3)清掃活動: 1999 年から校内のリーダーやユネスコ部により実施

学校の近辺や富山湾の海岸清掃を定期的に行っている。特に、富山湾

の清掃において漂着物の調査を行い、私たちの生活の在り方を考える

機会としている。

(4)エコキャップ回収活動: 2005 年から、学校全体で実施

環境保全と発展途上国の子どもたちを救うことなどの社会貢献を目

的とし、ペットボトルのキャップを回収している。キャップ約 860 個

で1本のワクチンに換えることができ、一人でも多くの子どもたちを

救おうと呼びかけている。

(5)服の力プロジェクト: 2011年から、学校全体で実施

UNCHRやユニクロと協力し、不要になった洋服を世界の貧しい子ども

たちに届けている。本来なら廃棄する洋服を有効活用することで、生活

の中から難民救済の意識を高める。

(6)国境なき医師団寄付: 2017年から、学校全体で実施

募金自販機を設置し、売り上げに比例して利益の一部をMSF(国境

なき医師団)に寄付している。生徒会が生徒に呼びかけ、国際協力の理

念を共有している。

4 発表要旨:

学校主催の国際理解講座において環境破壊問題や貧困問題などの地球規模の諸問題を知ることで、

国際協力の理念を共有している。さらに、2012 年からユネスコスクールに認定されたことを機に、

幸せ遺産プロジェクトを始動した。「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」の 17 目標を達成す

るため、世界各国にある7つの姉妹校の生徒達とともに、後世に残したいもの 100 の遺産選定を行っ

ている。地球市民として我々の住む美しい地球を保全するために私たちにできることとして学校近辺

や海岸清掃に従事し、ペットボトルのエコキャップ回収や募金自販機を活用して国境なき医師団に寄

付、不要な洋服を途上国に贈る「服の力プロジェクト」を継続活動することで、自分たちでできるこ

とを社会貢献に繋げている。2017 年 12 月に「環日本海環境協力シンポジウム」に参加した際、日本

の海洋保全のためにはアジア諸国が連携し解決しなければならないと痛感した。それから、富山ジオ

パークの可視化ワークショップに参加し、2020 年のユネスコ世界ジオパーク認定を目指している立

山黒部の環境保全のための「看板作り」を学識者とともに行っている。

これらのマインドをアジア諸国の方々に共有し、次世代に美しい地球を引き継いでいけるよう、働

きかけていきたい。

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河川浄化活動及び環境広報活動

1 自治体名:韓国江原道

2 発表者名:パク・ヒョンジュン(Park Hyeonjun)イ・フガン( Lee Hwokang )

(春川高等学校(Chuncheon high school)2年生)

3 活動期間:2018年 1月 1 日~ 11月 30日

4 活動場所:校内及び春川市一帯(河川)

5 活動参加人数:サークルメンバー 22人

6 活動を始めた経緯:

春川高校の環境サークル(STEAM)は、クリーン都市であり、湖畔の都市である春川市で活動し

ている。春川市では、自然に優しい観光事業および複数のイベントや祭りが開催されている。私

たちはこのような特色ある故郷春川について正しく知り、市民に知ってもらうために自然環境に

ついて事前調査を実施して市民に環境汚染の深刻さをお知らせしている。さらに、環境を守る方

法について説明し、市民や道民の環境への関心や認識の変化のために活動するサークルである。

7 発表要旨:

1学期のサークル活動としては、春川市内で主に二つの環境活動を実施した。一つは環境フェス

ティバルで環境ブースを運営し、もう一つは春川市シンサウ洞に位置している「マジャン川」の

水質モニタリングのため、1次河川水質調査をした。

一番目の活動は、6月に春川市で開催された環境フェスティバルでのブース運営である。私たち

は、どのようなテーマで環境ブースを運営するか議論する過程で、新-再生可能エネルギー、環境

意識の高揚、ローカルフードの3つにテーマを絞った。その中で、最近、化石エネルギーの使用量

増加につれて環境汚染がますます進んでいくという点を考慮し、それに対する解決策の一つであ

る新-再生可能エネルギーをテーマにブース活動をすることにした。

我々は持続可能な新-再生可能エネルギーの一つである太陽光を知ってもらうために、太陽光で

動く携帯用ミニ扇風機を参加者が自分の手で作ることにより、太陽光エネルギーを実際に体感し

てもらった。また、最近問題になっているPM2.5、気象異変などについても簡単に説明した後、太

陽光エネルギーの特徴、太陽光と太陽熱の違いについて参加者の年齢層に合わせて説明した。

二番目の活動ではマジャン川に行って、生息する魚類を採取し、流速測定や水質の状態、水温

などを調査するため、マジャン川の各調査地を下流、中流、上流に分類し、これをMJ1、MJ2、MJ3

として、それぞれの生息環境と生息生物、水の流れ、水温などを測定して記録した。

流速 水温 水深 周辺植生の有無

MJ-1(下流) 3cm/s 17 ℃ 70~80cm クロモ、オイカワ、ヤリタナゴ、イシガイ、

ヤナギなど

MJ-2(中流) 5cm/s 20.7℃ 40cm コガネムシ、ナマズ、コイ、オイカワ

MJ-3(中流) 7cm/s 23 ℃ 30cm ナマズ、コウライギギなど

まず、MJ1では流速は最も小さくて、水温は最も低く、水深は最も深かった。90%が泥で構成さ

れていた。MJ2では流速と水温が他の2地点の中間で水深はMJ1の半分程度だった。70%が泥で構

成されていて、小さな砂利類が30%程度だった。最後に、MJ3は流速が前の二つよりも速く、水温

は高めで、水深は30cm程度だった。また、泥が50%程度で、大きな岩類が50%程度だった。

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8 今後の活動計画及び感想:

1学期の間に行われた環境活動は、環境ブース運営活動とマジャン川の1次水質調査など二つの

活動が主に行われ、今後2学期は、2次水質調査や環境浄化活動が3回ほど行われる計画である。

環境ブースサークル活動を通じて市民に環境汚染の危険性や環境保全の必要性を知らせること

ができた。特に、新-再生可能エネルギーの中で、太陽光エネルギーの発展の可能性や駆動原理な

どを年齢層に合わせて説明し、新再生可能エネルギーについて市民の関心や興味を持ってもらい

好評だった。1次河川水質調査及び河川浄化活動を通じて水質への関心はさらに高まって、水質改

善の難しさを通じて水の大切さと私たちの故郷春川に対する愛郷心を感じることができた。

体験の範囲が限られていて、より多くの市民に体験の機会を提供することが出来なかったこと

は大変残念だった。また、このようなサークル活動に加え、マジャン川水質調査活動を通じて春

川市河川の水中生態系を確認することができた。生息生物や環境、水温、流速など様々な項目に

ついて直接体系的に水中生態環境を調査し、生息環境による生息生物の変化について知ることが

できて、水中生物の生態について学ぶことができた。ただ、マジャン川の下流、中流、上流の明確

な違いが調査結果に現れなかったことが残念だった。

9 活動写真:

< 環境フェスティバルのブース活動及びマジャン川の水質調査活動写真 >

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ジュナム(Junam)貯水池のモニタリングを通じた湿地生態保全活動

1 自治体名:韓国慶尚南道

2 発表者名:姜 採沅(KANG CHAE WON)(昌原 大山(Changwon Daesan)高等学校 1年生)

3 活動期間:2013 年 ~ 現在

4 活動場所:慶尚南道 昌原市(Changwon) 東邑(Dongeup) ジュナム貯水池

5 活動参加人数:‘ハンメ(hanmoe)エコレンジャー’サークル会員 12人(2018 年現在)

6 活動をはじめた経緯:

- 学校のカリキュラムの中で、意味のあるボランティア活動をするために資料を調査している

中、本校に非常に近いジュナム貯水池は、2008 年にラムサール総会開催時に多くの外国人が

訪れ、今でも多くの人々が沢山の冬の渡り鳥を見るために訪問していることが分かった。毎

年、世界的に絶滅危惧種であるマナヅルが飛来し冬を過ごしているが、開発と保全という二

つの価値が対立しながら生態保全が脅かされていることを確認した。ジュナム貯水池の様々

な生態環境を継続的にモニタリングし、その生態保全に役立つための活動を開始した。

7 発表要旨:

a. 活動動機及びサークルの紹介 : 昌原大山高校にて毎月 1 回、ジュナム貯水池の様々な生態環

境及び人文環境をモニタリングし、資料を収集、分析するボランティア活動サークル

b. ジュナム貯水池の生態環境現況紹介 : ジュナム貯水池の一般現況を紹介

c. 2013 年から現在までの活動過程及びその内容が含まれる活動写真並びにモニタリングの結果

紹介

- ジュナム貯水池一帯の水生植物、底棲性水棲動物(底生生物)、ツバメ、冬の渡り鳥の現状、

水質などを観察調査分析した。探訪客と地域住民を対象にした認識調査を行い、以前年度と

の変化を比較分析し、年末に該当分野の専門家指導者を招待したモニタリング結果の発表及

びアドバイスを聞くモニタリング結果発表会を開催した。

d. 2018 年下半期の活動計画

9月 地域住民に認識モニタリング ジュナム貯水池周辺の地域居住住民を対象に、ジュナム貯

水池に対する認識についての聞き取り調査を実施する

10月 探訪客の認識モニタリング 探訪客を対象に、ジュナム貯水池の認識についての聞き取

り調査を実施する

11月 資料整理及び以前年度の資料と

の比較分析

年間モニタリング結果の資料を前年度資料と比較分析し

て資料を整理する

12月 モニタリングの結果発表会 専門家指導者を招待した発表会を開催するとともに校内

サークル発表会へ参加する

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沿海地方チュグエフカ町の A.A.ファデエフ(Fadeev)記念総合学校のエコクラブ

「エーデルワイス」(Edel`veis)の環境保護ボランティア活動の体験から

1 自治体名:ロシア沿海地方

2 発表者名:ガリナ・ラデャンスカヤ(Galina Radyanskaya)

(チュグエフスキー地区(Chuguevskii)チュグエフカ町(Chuguevka) A.A.ファデエ

フ(Fadeev)記念総合学校、10年生)

3 活動期間:10年間

4 活動場所:沿海地方、チュグエフスキー地区、チュグエフカ町

5 活動参加人数:100名

6 活動を始めた経緯:地区の自然と文化遺産の保護、青少年の想像力育成、環境教育、愛国心教

育の目的で始めた活動

7 発表要旨:

ロシア連邦国立公園「トラの呼びかけ」の一部はチュグエフスキー地区に位置している。2018 年

6 月 2 日は国立公園にとって記念すべき日である。その日に国立公園の誕生を祝う大きな行事があ

った。その日から、エコクラブ「エーデルワイス」のメンバーは国立公園の発展のため積極的に参

加し始めた。国立公園のロゴを決めるコンクールや「国立公園「トラの呼びかけ」における観光開

発」というプロジェクトに参加するとともに、ヒマラヤスギ保護活動を実施した。

エコクラブ「エーデルワイス」は 20 年間環境ボランティア活動を行っている。「エコクラブ「エ

ーデルワイス」は環境にやさしい将来への道である!」というスローガンで活動している。

エコクラブの任務は地区の自然・文化遺産の保護、青少年の想像力育成、環境教育、愛国心教育

である。

我々の課題は、環境教育に貢献すること、環境保護活動に町の住民を参加させること、地区の自

然遺産を保護するために、市民の積極性を促進することである。

エコクラブのメンバーは、ロシア、日本、中国、韓国において開催された環境活動リーダー事業

に何度も参加している。その事業では、環境問題の解決策に関する意見交換を行った。ロシアのア

ストラハン市で開催された青少年環境フォーラム「緑の地球」にも参加した。

毎年、我々の学校の生徒は鳥のための餌入れ、ムクドリの巣箱を作って設置している。2018 年は

ロシアでは「コウノトリ年」として宣言されている。我々もコウノトリ保護アクションに参加した。

「鳥へ温もりを!」という作文と絵のコンクールに 156 名の生徒が参加した。

毎年校庭清掃からスタートして、「きれいな町は我々の手で」というアクションに参加している。

その他に、住民と環境について話し合い、ビラ配り等をして、町の環境改善にできる範囲で貢献し

ている。「トラの日」、「地球の日」に参加して、環境問題に住民の関心を集めるために、中央通りを

行進して呼びかけている。3 月「アースタイム」、4 月「自分の木を植えよう!」というアクション

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8-2

に参加して、様々な木の苗を植えている。

「自分の木を校庭、町、家、森に植えよう」というプロジェクを継続している。学校周辺では、

汚染された土を取り除いて、きれいな土に入れ替え、苗を植えている。今回、1 年生から 11 年生ま

でのすべてのクラスがこの作業に参加した。すべてのクラスが担当する苗木のお世話をすることに

した。

エコクラブ「エーデルワイス」のメンバーも保護者と一緒に中央競技場の周辺において、ごみを

回収し苗を植えた。

何年間も、我々のエコクラブは様々なプロジェクトに取り組み「エコクラブ「エーデルワイス」

は環境にやさしい将来への道である!」というスローガンを現実のものにしている。市民である

我々は、じっとしているわけではない。我々は行動している。

エコクラブのメンバーは次から次へと卒業し、社会に出ていく。しかし、これまでの活動を止め

ることなく、大学生活の中でも環境問題に多くの卒業生が取り組んでいる。

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市内を流れる河川の環境状況調査

1 自治体名:ロシアトムスク州

2 発表者名:ウラジーミル・クルスィ(Vladimir Kurus )(トムスク市プサヒエ( Psahie)記念学校、8 年生)、

エカテリナ・リスィフ(Ekaterina Lysykh)(セヴェルスク( Seversk) 市第 90 号総合学校、8 年

生)、

<指導者:M.S.アンドリシック(M.S.Andolshik)、E.G.ヴァルザロヴァ(E.G. Varzarova)>

3 活動期間:2017 年~2018 年

4 活動場所:トムスク州トムスク市、セヴェルスク閉鎖都市※ ※閉鎖都市:軍事産業または原子力・核兵器に関する産業などが存在するため、旅行や居

住が制限されている都市)

5 活動参加人数:10名

7 活動を始めた経緯:水資源の環境を保護するために始めた活動

8 発表要旨:

トムスク州は、川、湖、湿地の数の多さに関して特色のある地域である。トムスク州の主な河川であるオビ川( Ob) は、1,620 の小さな河川から水が流れ込んでおり、この地域で最大の河川である。また、州のちょうど真ん中を流れている。

人間活動による河川への負荷が年々増えている。トムスク市やセヴェルスク市の周辺に流れてい

る小さな河川の環境状況は、オビ川の環境にも影響を与えている。 私たちの活動の目的は、トムスク市、セヴェルスク市の河川の汚染状況を調査し、環境改善・清

掃活動などのイベントを企画、実施し、水資源の環境改善及び保全への提案をまとめることである。 ホロモフカ川( Hromovka) とその支流の周辺では、新しい住宅街が建設されていることから、私

たちの研究チームはここから調査を始めた。支流が合流する前と後で水のサンプルを採取した。表1に有害化学物質濃度及び pHの調査結果を記載した。

表 1 2017年 三つの河川水の有害化学物質の成分濃度

数値 ラリンカ川

( Larinka)

ホロモフカ川

(支流合流前)

ホロモフカ川

(支流合流後)

ウシャイカ川

( Ushayka)

(ホロモフカ川

合流前)

ウシャイカ川

(ホロモフカ川

合流後)

最大許容

濃度

pH 7.3 7.1 7.2 7.4 7.4 6.5-8.5

硝酸塩

( mg/l) 101.32±0.78 83.2±0.64 85.2±0.82 91.2±1.08 90.09±1.41 >45

( mg/l) 0.77± 0.1 0.35 0.58±0.14 1.31±0.12 1.48±0.2 >0.3

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同様な調査はセヴェルスク市でも行った。調査で分かったことは、セヴェルスク市内に流れるトミ川( Tom) に影響を与えているのは、シベリア化学コンビナート( Siberian Chemical Combine ) からの廃水及び市街から流れる雨水であった。

表 2 2017 年 河川水(トミ川)の有害化学物質の成分濃度 ( mg/l)

有害化学物質の成分

採水箇所

最大許容濃度 ポンプ所

(汚水排出口より

4キロ上流)

シベリア化学

コンビナート

汚水排出口

オルロフカ村

(Orlovka)

(汚水排出口から 20

キロ下流)

硝酸塩 5.88 6.81 7.11 45.0

フェノール 0.0005 - 0.0005 0.1

鉄 0.51 0.71 1.03 0.3

フッ化物 0.2 0.46 0.2 1.5

塩化物 10.2 10.9 11.1 350.0

硫酸塩 12.5 41.4 18.7 500.0

重合リン酸塩 0.1 0.1 0.1 3.5

界面活性剤 0.025 0.025 0.025 0.5

鉛 0.003 0.001 0.001 0.3

亜鉛 0.01 0.01 0.007 1.0

カドミウム 0.0002 0.0002 0.0002 0.001

銅 0.0067 0.001 0.004 1.0

石油製品 0.024 0.09 0.02 0.3

活動していく中でトムスク市とセヴェルスク市の本川、支川などの水系について新たな知識を得

た。また、河川の環境状況を調査するにあたって、水質の分析方法を学習し、学習した分析方法のうち、水質の感覚的指標(色、匂い、沈殿物の有無)、水質分析(pH, 硝酸塩含有量)、生物相の有無などについて実際に行った。

人間活動による影響を防ぐため、生徒が参加する自然保護、環境教育及び啓発活動が行われてい

る。10年以上開催されている「市街の川にきれいな岸を!」という環境アクションプランにも私たちは参加している。セヴェルスク市のすべての学校と住民は「クリーン川岸・湖岸」というエコアクションに参加している。これまでに、トミ川とウシャイカ川で数十立方メートルのごみが回収された。毎年この事業には 500 人以上の小中高生と一般住民が参加している。また、今年の 9月には、トムスク市とセヴェルスク市の学校間で、川辺のごみ回収大会というスポーツ大会のようなイベントを企画している。

プサヒエ記念学校とサムスィ学校( Samus) の学校新聞に、私たちが提案した川の環境を保全・改善するための記事が掲載された。

私たちの活動の中で、川の水質状況の保全、水質の更なる悪化の防止等が次の項目を実施することによって、可能であるという結論に達した。

森林の面積減少を防ぐこと; 水源保護区の制度を守ること(水源保護区の制度がないところではそれを作るこ

と); ダム、運河、排水路など水を活用した施設を良好な状態で維持すること

すべての条件が満たされた場合、河川環境や人々の健康等を守ることができる。

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国際的に重要な国立自然保護区「ボロニスキー」(Bolon`skii)

湿地における鳥が多く集まる場所の調査

1 自治体名:ロシアハバロフスク地方

2 発表者名:マカリン・アンドレイ(Makarin Andrei)アムルスク市立補足教育施設「自然愛好

家」青少年環境・生物センター、7年生

3 活動期間: 2018年の調査結果のまとめ

4 活動場所:ハバロフスク地方アムールスキー地区

5 活動参加人数:30名(少年環境探検隊「フォルミカ」(Formika)の参加者)

6 活動を始めた経緯:スレドネ・アムールスカヤ低地に位置しているすべての湿地において鳥が

多く集まる場所の環境状況調査の一環として始めた。

7 発表要旨:

ハバロフスク地方には、多くの水鳥が生息している湿地が豊富にある。湿地は独特な機能を持

ち、多くの民族の生活様式の重要な要素になっている。

湿地は薬用植物の特別な源となっている。湿地は、植物と動物の多様性という点が特徴的であ

る。

スレドネ・アムールスカヤ低地( Sredneamurskaya) は、ロシア連邦の極東地方の南部に位置し、

多数の冠水草原、沼地、泥炭地、淡水湖、小川、河川、水路がある。

少年環境探検隊「フォルミカ」( Formika) のメンバーは、数年間をかけて、スレドネ・アムー

ルスカヤ低地の北東部に位置しているボロニ湖( Bolon) とその周辺の湿地を調査した。

主な調査対象は、ここで生息している水鳥と移動時期に来る渡り鳥である。

ボロニ湖は、ボロニスキー国立自然保護区( Bolon) の中にあり、その面積は 338km2である。ボ

ロニ湖には、ハルピ川( Harpi) 、セミ川( Semi) 、セムニュル川( Semnyur) を含めて 49 の川が流

れ込む。

スレドネ・アムールスカヤ低地の湿地には、300 種類の植物があり、そのうち 5 種類はロシア

連邦とハバロフスク地方のレッドデータブックに記載されている。

代表的な動物は、両生類及び爬虫類が 11 種類、魚が 52 種類、鳥が 179 種類、ほ乳類が 40 種

類である。

湿地の快適な環境のおかげで、鳥の多様性が高く、集中的にその周辺で巣を作っている。渡り

鳥の移動時期には、ここに約 120 万羽の鳥が集まっている。アムール川( Amur) 周辺及び極東地

方の南部に生息するほとんどの鳥をここで見ることができる。

179 種類の鳥のうち、コウノトリ(Oriental stork)、ナベズル(Hooded crane)、タンチョウ(Red-

crowned crane)、サカツラガン(Swan goose)、カリガネ(Lesser white-fronted goose)、オオワシ(Steller's

sea eagle)、ヘラシギ( Spoon-billed sandpiper) の 7 種類が絶滅危惧に瀕している。

ボロニスキー国立自然保護区の中でコウノトリの巣が 51 確認された。その巣うち 15 が人工の

柱に存在した。少年環境探検隊「フォルミカ」の観察結果によると、保護区に生息するコウノト

リの個体数は安定しているということである。

コウノトリを含めた自然界の鳥を保護するためには、保護区及び天然自然公園を増やしたり、

人工の柱を設置したり、森林火災をなくす運動をする必要がある。

ボロニスキー国立自然保護区及びスレドネ・アムールスカヤ低地の湿地は、水鳥調査の観点か

ら、国内外の生態学者、鳥類学者、エコツアーにとって関心の高い場所である。

私たちは様々な国からここに集ってきたが、それぞれの国にもきっとこのような特別な湿地が

あるでしょう。その湿地を保全することによって、地球の生物多様性を保護することができるで

しょう。

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〈参考資料〉

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Save Our Ocean! 「富山湾の現在と未来~生物多様性と景観~」

1 自治体名:日本富山県

2 学校名:富山県立高岡高等学校

3 活動期間:平成27年度より継続して、2年探究科学科「課題研究」においてNOWPAP(ナウパップ)

班として活動を展開している。

4 活動場所:高岡高校および六渡寺海岸(富山県射水市)

5 活動参加人数:8名(NOWPAP班)

6 活動を始めた経緯:

私たちは海が身近な富山県に住み、その恩恵を受けて生活している。一方で、海は人間の出す

ゴミによって年々汚染されている。海洋ゴミは景観を損ねるだけでなく、海洋生物にも悪影響を

与えており、今や大きな国際問題である。この状況の中、美しく豊かな海をつくり守っていくに

は、海洋環境の現状を自分たちの目で確かめ、問題や原因を把握し、高校生として何ができるか

を考え、行動しなければならないと思い、「課題研究」において活動を始めた。

7 活動要旨:

2015 年度、NOWPAP 班を立ち上げた。この年は、NPEC 職員の協力を得て、高岡市の浜辺の漂着

ゴミの調査をしたり、本校生や保護者の海洋ゴミについての意識調査をしたり、環日本海諸国の

海洋ゴミに対する取組について調べたりした。

平成 28 年度は、海洋ゴミとして国際的に問題になっていたマイクロプラスチックに着目し、

その有害性について調査・実験を行った。マイクロプラスチックの認知度調査を行ったところ認

知度が低かったので、海洋ゴミに対する意識を高めるために校内向けの海岸清掃を行おうと考え、

県内の海岸清掃にボランティアとして参加して地域の人々と交流を深めながら情報を収集し、そ

れを活かして六渡寺海岸清掃を企画・運営した。

昨年度(2017 年度)は、前年度の研究を引き継ぎ、本校生の海洋環境保全の意識を高めること

を目標に掲げ、六渡寺海岸清掃を企画・運営した。前年度より参加人数を増やすべく、効果的な

情報発信の在り方を探った。以上のような研究内容は、校内外の発表会や大会で発信したり、海

外研修で訪れたアメリカで、交流した学生やニューヨークNY富山県人会の方々の前で発表した

りしている。

今年度の NOWPAP 班は、富山湾の美しさの象徴である生物多様性と景観に着目し、富山湾の現

在と将来の問題を明らかにし、解決策を探っていきたいと考えている。日本海固有水の酸性化と

呼ばれる問題に焦点をあて、酸性化が富山湾の海洋生物に与える影響を調べ、実験でその影響を

確認するとともに、富山湾の多様な生物を酸性化から守るための防止策を見つけたい。また、富

山湾には立山連峰を臨む雨晴海岸という名勝地がある一方で、多数のゴミが漂着する六渡寺海岸

のような場所も存在する。六渡寺海岸のゴミの量や種類を調査してそれを校内で情報発信すると

ともに、昨年度同様、六渡寺海岸清掃を行って本校生の海洋環境保全の意識の啓発に努める。