北陸におけるインターネット消費の動向 ·...

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1 2018年8月30日 日本銀行金沢支店 北陸におけるインターネット消費の動向 北陸の個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善が続くもと、着実に持ち直し ている。こうした中、スマートフォン等の通信デバイスの普及もあって、インター ネットを経由した消費(以下ネット消費)が急速に増加している。家計支出に関 する統計をみると、北陸におけるネット消費額は 2002 年~2017 年までの 15 年間 で約 8 倍に増加し、更に拡大を続けている。北陸の EC(Electronic Commerce) 市場規模を消費額から推計すると、2017 年時点で 796 億円となっており、既に百 貨店やホームセンターの販売額を上回る規模にまで成長している。 一方で、全国と比較すると、北陸の1世帯当たり月間ネット消費額は全国平均 の 7 割弱に止まっており、北陸は比較的ネット消費が少ない地域といえる。この 背景には、ネット消費に積極的な 20 代~50 代の人口比率が低く、単身者世帯も 少ないという社会構造的要因のほか、人口対比で小売店数が多く実店舗の利便性 が高いことや、電子決済に不安を感じる人の割合が高いことも一因と考えられる。 従来の販売統計では十分に把握されていないネット消費が北陸の個人消費全体 に与える影響を推計したところ、2018 年1~3月時点で+0.7 ポイントの押し上 げ効果が確認された。ラフな推計であるため、結果については幅を持って解釈す る必要があるが、ネット消費は、今のところ景気判断に影響を与えるほどの規模 ではないとみられる。ただし、ネット消費の影響は年々大きくなっており、今後 の動向をしっかりと把握していく必要がある。 ネット消費は先行き更なる拡大が見込まれる一方、実店舗も接客力の向上で消 費者に訴求する等、消費意欲の喚起を積極的に行っている。店舗販売と EC 業界 の双方で、消費者のニーズを捉えた取り組みがお互いに切磋琢磨し合いながら進 み、北陸における消費活動が更に活発化していくことを期待したい。 [ ]

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Page 1: 北陸におけるインターネット消費の動向 · おけるネット消費の動向を分析・考察するため、以下、2.では、北陸におけるネッ ト消費の概観を整理する。3.では、全国と比較した北陸のネット消費の特徴につい

1

2018 年 8 月 30 日

日本銀行金沢支店

北陸におけるインターネット消費の動向

北陸の個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善が続くもと、着実に持ち直し

ている。こうした中、スマートフォン等の通信デバイスの普及もあって、インター

ネットを経由した消費(以下ネット消費)が急速に増加している。家計支出に関

する統計をみると、北陸におけるネット消費額は 2002年~2017年までの 15年間

で約 8 倍に増加し、更に拡大を続けている。北陸の EC(Electronic Commerce)

市場規模を消費額から推計すると、2017年時点で 796億円となっており、既に百

貨店やホームセンターの販売額を上回る規模にまで成長している。

一方で、全国と比較すると、北陸の1世帯当たり月間ネット消費額は全国平均

の 7割弱に止まっており、北陸は比較的ネット消費が少ない地域といえる。この

背景には、ネット消費に積極的な 20代~50代の人口比率が低く、単身者世帯も

少ないという社会構造的要因のほか、人口対比で小売店数が多く実店舗の利便性

が高いことや、電子決済に不安を感じる人の割合が高いことも一因と考えられる。

従来の販売統計では十分に把握されていないネット消費が北陸の個人消費全体

に与える影響を推計したところ、2018年1~3月時点で+0.7ポイントの押し上

げ効果が確認された。ラフな推計であるため、結果については幅を持って解釈す

る必要があるが、ネット消費は、今のところ景気判断に影響を与えるほどの規模

ではないとみられる。ただし、ネット消費の影響は年々大きくなっており、今後

の動向をしっかりと把握していく必要がある。

ネット消費は先行き更なる拡大が見込まれる一方、実店舗も接客力の向上で消

費者に訴求する等、消費意欲の喚起を積極的に行っている。店舗販売と EC 業界

の双方で、消費者のニーズを捉えた取り組みがお互いに切磋琢磨し合いながら進

み、北陸における消費活動が更に活発化していくことを期待したい。

[ 要 旨 ]

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2

1.はじめに

スマートフォン等の通信デバイスが普及する中で、インターネットを経由した消費

の存在感が急速に高まっている。インターネットで購入できる商品・サービスの拡充

に加え、配送時間の短縮や荷物の受取方法の多様化といった配送サービスの充実も相

俟って、ネット消費の利便性は近年飛躍的に高まっている。こうした中、日本におけ

る EC(Electronic Commerce)市場規模は 16.5兆円まで拡大しており、物販部門にお

ける EC化率は 5.79%まで上昇している 1(図1)。このように、ネット消費は成長著

しく、個人消費の動向を把握するうえで重要な要素となっている。本稿では、北陸に

おけるネット消費の動向を分析・考察するため、以下、2.では、北陸におけるネッ

ト消費の概観を整理する。3.では、全国と比較した北陸のネット消費の特徴につい

て考察する。4.では、販売統計では捕捉し切れていないネット消費が北陸の個人消

費に与える影響について推計する。5.では、全体をまとめる。

2.北陸におけるネット消費の概観

(1)北陸におけるネット消費の全体像

家計支出に関する統計2をみると、北陸におけるネット消費額は着実に増加している。

1世帯当たり月間ネット消費額は、2002年には 929円に過ぎなかったが、2017年には

7,247 円と 15 年間で約 8 倍に増加している(図2)。また、ネット消費を行った世帯

の割合も3割近くまで上昇しており、ネット消費が着実に浸透していることが分かる。

1 経済産業省「平成 29 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」では、EC をコン

ピュータネットワーク上で受発注を行う取引として定義している。EC市場規模は、B to C(Business

to Consumer)の取引金額についてのもの。物販系分野とは、食品や家電製品等の財の販売に関す

る分野。サービス系分野とは、旅行、飲食等のサービスの供給に関する分野。デジタル系分野とは、

オンラインゲームや電子書籍等のデジタルコンテンツの販売に関する分野。EC 化率とは、物販系

分野について、電話や相対等を含めた全ての商取引市場規模に対する EC 市場規模の割合。

2 本稿では、第2章、第4章では総務省の「家計消費状況調査」、第3章では JADMA 通販研究所

「県民通販大調査」を主に利用した。「家計消費状況調査」については、県別の計数が公表されてい

ないことから、本稿では北陸3県だけでなく新潟県もサンプルに含む北陸地域の計数を使用した。

同統計は、2015 年から調査委託会社の変更に伴う段差が生じている。なお、世帯区分は、図 3、4

は総世帯、その他の図は2人以上世帯の計数を使用した。

0

1

2

3

4

5

6

7

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

10 11 12 13 14 15 16 17

(%) (兆円)

EC市場規模

EC化率(右軸)

【図 1】EC市場規模(全国)

出所:経済産業省「平成 29 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」 注:EC 化率は BtoC の物販系分野についてのもので、サービス系分野やデジタル系分野は含まれていない。

市場規模(2017年)

前年比

物販系分野 8兆6,008億円 7.5%

サービス系分野 5兆9,568億円 11.3%

デジタル系分野 1兆9,478億円 9.5%

合計 16兆5,054億円 9.1%

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1 世帯当たり月間ネット消費額から北陸における EC市場規模を推計3すると、2017

年時点で 796 億円となる。その規模は、既に百貨店やホームセンターの販売額を上

回る規模であり、北陸においても ECは相応の市場を形成していることが分かる(図

3)。また、EC市場規模の前年比増加率は、他業態と比較すると突出して高く、極め

て成長率が高い市場であることが分かる(図4)。

3 総務省の「家計消費状況調査」における 1 世帯当たり 1 か月間のインターネットを利用した支

出額(北陸、総世帯)を 12 倍して算出した年間支出額に、北陸 3 県の総世帯数を乗じて市場規

模を試算した。スーパーやコンビニ等の市場規模は、経済産業省「商業動態統計」の 2017 年の

販売額を使用した。EC 市場規模は、物販系だけでなくサービス系分野等も含む推計値。

607

740

796

896

2,054

2,516

2,953

0 1,000 2,000 3,000

ホームセンター

百貨店

EC

家電量販店

ドラッグストア

コンビニ

スーパー

(億円)

▲ 0.2

▲ 1.7

18.7

1.8

5.6

1.8

1.4

▲ 10 0 10 20

ホームセンター

百貨店

EC

家電量販店

ドラッグストア

コンビニ

スーパー

(%)

【図 3】市場規模(2017年、北陸) 【図 4】市場規模の前年比(2017年、北陸)

0

5

10

15

20

25

30

35

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 8 0 9 1 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7

(%)

18年

ネット消費額(1世帯当たり1か月)

ネット消費を行った世帯の割合(右軸)

(千円、1世帯当たり1か月)

【図 2】月間ネット消費額および世帯割合(北陸)

出所:総務省「家計消費状況調査」

出所:総務省「家計消費状況調査」、「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」

経済産業省「商業動態統計」、中部経済産業局電力・ガス事業北陸支局「北陸地域の百貨店・スーパー販売概況」

2002年 2017年

ネット消費額(1世帯当たり1か月) 929円 7,247円

ネット消費を行った世帯の割合 4.1% 28.8%

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(2)北陸におけるネット消費の内訳

北陸におけるネット消費の内訳をみると、物販系分野が約6割、サービス系分野が

約3割、その他が約1割という構成になっている(図5)。物販系分野については、

衣料品や飲食料品等の幅広い分野に支出されている。サービス系分野については、旅

行関係費の構成比が高い。また、分野別の消費額の推移をみると、物販系、サービス

系ともに増加傾向にある(図6)。

―― なお、より仔細な品目が確認できる全国消費実態調査(2014年)をみると、家

電製品や、航空運賃、外国パック旅行費等は特にネットでの購入割合が高い(図

7)。

衣料品13%

化粧品・健康食

品・医薬品12%

飲食料品11%

家具家電9%

書籍・各種ソフト5%贈答品

3%

自動車等関係用品

3%

旅行関係費20%

保険6%

チケット

3%

デジタルコンテンツ

2%

その他13%

【図 5】ネット消費の構成比(北陸、2017 年)

【図 7】ネットでの購入割合が高い品目(北陸、2014 年)

出所:総務省「家計消費状況調査」

出所:総務省「平成 26 年 全国消費実態調査」

注:購入金額全体に占めるインターネットによる購入金額の割合。

物販系

サービス系

【図 6】分野別のネット消費額(北陸)

出所:総務省「家計消費状況調査」

0 10 20 30 40 50 60

他の教養娯楽用耐久財

航空運賃

外国パック旅行費

パソコン

音楽・映像収録済メディア

カメラ

楽器

他の交通

炊事用電気器具

ビデオレコーダー・プレイヤー

インターネットによる

購入割合

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

16/1 7 17/1 7 18/1

物販系支出額

サービス系支出額

(百円、1世帯当たり1か月<12か月移動平均>)

ネット消費項目の内訳

衣料品 紳士用衣類、婦人用衣類、履物・その他の衣類

化粧品・健康食品・医薬品 化粧品、健康食品、医薬品

飲食料品 食料品、飲料、出前

家具家電 家具、家電

書籍・各種ソフト書籍、音楽・映像ソフト、パソコン用ソフト、ゲームソフト

贈答品 贈答品

自動車等関係用品 自動車等関係用品

旅行関係費 宿泊料、運賃、パック旅行費

保険 保険

チケット チケット

デジタルコンテンツ電子書籍、ダウンロード版の音楽・映像、アプリなど

その他 上記に当てはまらない商品・サービス

物販系

サービス系

(月) (%)

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3.北陸のネット消費の特徴

(1)他地域との比較

前章では、北陸におけるネット消費が着実に増加していることを確認したが、以下では

北陸におけるネット消費の規模感を確認する。1世帯当たり月間ネット消費額を地域別に

みると、北陸は全国9地域の中では下位にあり、金額は全国平均の7割弱に止まっている

(図8、9)。年間通販利用額(都道府県別、ネット以外の通販も含む)をみても、北陸3

県はそれぞれ下位に位置している(図 10)。これらのことから、全国的にみれば北陸にお

けるネット消費の規模はそれほど大きくないといえる。

―― 北陸におけるネット消費を行った世帯の割合は全国を下回っている。この点、本稿

で使用している1世帯当たり月間ネット消費額は、算出上の分母(世帯数)に、ネッ

ト消費を行っていない世帯も含まれているが、実際にネット消費を行った世帯割合を

考慮した同消費額をみても、北陸は全国平均を下回っている(図9)。

0

2

4

6

8

10

12

東京

千葉

宮城

京都

埼玉

大阪

愛知

福島

高知

福岡

神奈川

兵庫

北海道

大分

滋賀

岐阜

栃木

愛媛

岡山

鳥取

佐賀

長崎

広島

岩手

山口

奈良

香川

三重

秋田

山梨

新潟

群馬

熊本

長野

島根

福井

徳島

和歌山

富山

茨城

宮崎

静岡

山形

青森

沖縄

鹿児島

石川

(万円)

東京 114,025円

全国平均 87,342円

福井県 36位 79,625円

富山県 39位 77,788円

石川県 47位 70,488円

【図 10】都道府県別年間通販利用額(2016年)

【図 9】ネット消費額及び世帯割合(2017年)

出所:JADMA 通販研究所「県民通販大調査」

0

2

4

6

8

10

12

14

16

関東

近畿

東海

北海道

中国

四国

九州・沖縄

北陸

東北

2007年(10年前) 2012年(5年前) 2017年

(千円、1世帯当たり1か月)

出所:総務省「家計消費状況調査」

注 1:ネット消費を行っていない世帯も含む 1 世帯当たり 1 か月の消費額。 注 2:ネット消費を行った世帯のみでみた 1 世帯当たり 1 か月の消費額。

【図 8】地域別のネット消費額

出所:総務省「家計消費状況調査」

(1世帯当たり1か月、円、%)

北陸 全国(参考)

関東

7,247 10,586 13,903

28.8 32.8 39.7

24,647 30,894 34,127ネット消費を行った世帯における

ネット消費額2

ネット消費額1

ネット消費を行った世帯の割合

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(2)北陸のネット消費が比較的少ない背景

北陸のネット消費額が比較的少ないのは、人口構成等の「社会構造的要因」や買

い物の仕方といった「ライフスタイル要因」など、様々な要因が複合的に作用して

いると推察される。以下ではそうした要因について確認する。

① 社会構造的要因

(イ)年齢構成

地域別にみた年齢構成や世帯構成の違いは、ネット消費の利用率に影響を与えてい

るとみられる。年齢別ネット消費利用率をみると、20~30代では利用率が 6割を超

えているが、年齢階層が上がるにつれて利用率が下がっており、若年層の方が高齢層

よりネット消費の利用率が高い傾向がみられる(図 11)。この点、北陸の人口構成は、

ネット消費利用率が平均を上回る 20代~50代の人口比率が全国対比低い一方、平均

を下回る 60歳以上の人口比率が高いため、ネット消費の利用が相対的に少なくなっ

ていると考えられる(図 12)。都道府県ごとに年齢構成(20-59歳比率)と通販利用

額の関係をみても、正の相関関係がみられる(図 13)。

0

10

20

30

40

50

60

70

80

15~

19歳

20~

29歳

30~

39歳

40~

49歳

50~

59歳

60~

69歳

70~

79歳

80歳

以上

(%)

年齢別ネット消費利用率

全年齢平均

【図 11】年齢別ネット消費利用率 (全国)

出所:総務省「平成 29 年通信利用動向調査」 出所:総務省「平成 27 年国勢調査 人口等基本集計」

▲ 1.5

▲ 1.0

▲ 0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

15~

19歳

20~

29歳

30~

39歳

40~

49歳

50~

59歳

60~

69歳

70~

79歳

80歳

以上

(北陸-全国、%P)

全国より多い

全国より少ない

【図 12】北陸の年齢構成 (全国との差)

R² = 0.3528

6

7

8

9

10

11

12

40 42 44 46 48 50 52 54 56 58

年齢構成(20-59歳比率、%)

年間通販利用額(万円)

6500070000750008000085000

1

福井

富山

石川

【図 13】年齢構成と通販利用額の関係

出所:JADMA 通販研究所「県民通販大調査」

総務省「平成 27 年国勢調査 人口等基本集計」

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(ロ)世帯構成

世帯構成の違いもネット消費の利用率に影響しているとみられる。世帯構成別ネッ

ト消費利用率をみると、単身世帯のネット利用率は高い一方、世帯人員が多くなるほ

どネット消費の利用率が低下する傾向がみられる(図 14)。これは、世帯内に買い物

の担い手が多いほど、実店舗で買い物を済ませることが容易であることと関係してい

る。この点、北陸は、3人以上の家族の構成比が高い一方で、単身世帯の構成比が全

国を大きく下回っていることから、ネット消費の利用が相対的に少なくなっていると

みられる(図 15)。都道府県ごとに単独世帯割合と通販利用額の関係をみても、正の

相関関係がみられる(図 16)。

30

40

50

60

70

単身 2人

家族

3人

家族

4人

家族

5人

家族

6人

家族

7人以

上家族

(%)

世帯構成別ネット消費利用率

全世帯平均

▲ 8

▲ 6

▲ 4

▲ 2

0

2

4

単身 2人

家族

3人

家族

4人

家族

5人

家族

6人

家族

7人

以上

家族

出所:総務省「平成 29 年通信利用動向調査」

(北陸-全国、%P)

全国より多い

全国より少ない

【図 14】世帯構成別ネット消費利用率 (全国)

【図 15】北陸の世帯構成 (全国との差)

出所:総務省「平成 27 年国勢調査 人口等基本集計」

R² = 0.3286

6

7

8

9

10

11

12

20 25 30 35 40 45 50

単独世帯の割合(%)

年間通販利用額(万円)

6500070000750008000085000

1

福井

富山

石川

【図 16】単独世帯割合と通販利用額の関係

出所:JADMA 通販研究所「県民通販大調査」

総務省「平成 27 年国勢調査 人口等基本集計」

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8

② ライフスタイル要因

社会構造的要因のほかにも、ライフスタイルの違いから生じる要因も影響している

と考えられる。すなわち、消費者がネット消費と実店舗での消費におけるメリット・

デメリットをどのように捉えるかによって、買い物の仕方には差が生じる(図 17)。

そこで、福井県におけるアンケート結果(図 18)をみると、ネット消費を利用した

ことがない理由として、「利用するのに不安がある」、「近くに買い物できる場所があ

り必要性を感じない」との回答が多く、この2点について具体的に検証する。

【図 18】インターネット通販を利用したことがない理由(福井県、2015 年)

出所:福井商工会議所「インターネット通販の利用に関するアンケート調査結果報告書」

【図 17】ネット消費と実店舗での消費のメリット・デメリット

注:総務省「平成 27 年度版 情報通信白書 社会課題解決のための新たな ICT サービス・技術への人々の意識に関する調査研究」、新日本スーパー

マーケット協会「2018 年版スーパーマーケット白書 拡大する EC 市場と食品市場」を参考に作成。

ネット消費 実店舗での消費

メリット

・24時間利用できる・自宅で(どこでも)注文できる・持ち帰るのが大変な重いものが手軽に買える・同一商品の価格比較が容易・品揃えが豊富・買いたいものが検索ですぐに見つかる・口コミを参考に出来る

・すぐに手に入る・品質を実際に確認できる・店舗や街を歩く楽しみが得られる・季節感を感じることができる・店員に直接聞くことができる

デメリット

・注文~配達まで時間が掛かる・受け取りの手間が掛かる・品質を実際に確認できない・送料等の手数料が掛かる・会員登録等の手間が掛かる・クレジットカード等の決済手段が必要・セキュリティへの不安感がある

・来店の手間が掛かる・営業時間に縛られる・品揃えに限りがある・欲しい商品を探すのに時間が掛かる・休日等に混雑することがある・重いものを持ち帰るのが大変

0 10 20 30 40 50 60

利用するのに不安がある

近くに買い物できる場所があり必要性を感じない

インターネット通販を利用できる環境にない

利用したいが方法がわからない

その他

(%)

男性

女性

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9

まず、「近くに買い物できる場所がありネット消費の必要性を感じない」との理

由は、実店舗で買い物をする傾向が強いため、ネット消費が少ないことを示してい

る。実際、北陸は人口対比の小売店数が多く、実店舗の利便性が高い環境にある。

この点、都道府県ごとに人口当たり小売店数と年間通販利用額の関係をみても、負

の相関関係(小売店数が多いほど通販利用額が減少するとの関係)が確認できる(図

19)。更に、北陸は1人当たり乗用車保有台数が多く、乗用車をメインの移動手段

とする行動範囲の広い消費者が多いと考えられることから、実店舗の買い回りも行

い易いと推察される(図 20)。

R² = 0.3721

6

7

8

9

10

11

12

4 5 6 7 8 9 10 11 12

人口千人当たり小売店数(店)

年間通販利用額(万円)

6500070000750008000085000

1

福井

富山

石川

【図 19】小売店数と通販利用額の関係

出所:JADMA 通販研究所「県民通販大調査」

総務省「統計でみる都道府県のすがた 2018」

出所: 総務省「人口推計」

自動車検査登録情報協会「都道府県別・車種別自動車保有台数(軽自動車含む)」

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

群馬

茨城

栃木

山梨

富山

長野

福井

福島

岐阜

三重

山形

石川

宮崎

徳島

新潟

佐賀

鳥取

香川

岡山

静岡

大分

島根

秋田

山口

岩手

沖縄

鹿児島

熊本

和歌山

青森

滋賀

高知

宮城

愛知

愛媛

北海道

長崎

広島

福岡

奈良

千葉

埼玉

兵庫

京都

神奈川

大阪

東京

(台)

【図 20】1人当たり乗用車保有台数

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10

次に、「ネット消費の利用に対する不安」については、北陸は、インターネット

の利用自体について不安を感じる人の割合は高くないものの、電子決済の信頼性に

対して不安を感じる人の割合は、全国で最も高い(図 21)。実際に、北陸の消費者

は日常的な支払いにおいて現金の利用率が高い一方で、クレジットカードの利用率

が低い「現金主義」の傾向がみられる(図 22)。都道府県ごとに一人当たりクレジッ

トカード契約数と年間通販利用額の関係をみても、正の相関関係が確認でき、北陸

のネット消費が相対的に少ない背景には、こうした電子決済への慎重なスタンスが

一因となっている可能性がある(図 23)。

0

10

20

30

40

50

60

70

1千円

1千~

5千円

5千~

1万円

1万~

5万円

5万円

(%)

北陸

全国

30

40

50

60

70

80

90

100

1千円

1千~

5千円

5千~

1万円

1万~

5万円

5万円

(%)

北陸

全国

【図 22】日常的な支払い(買い物代金等)の主な資金決済手段

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(平成 29 年)」

注:2人以上の世帯

<現金> <クレジットカード>

R² = 0.3104

6

7

8

9

10

11

12

1.0 1.5 2.0 2.5

一人当たりクレジットカード契約数(件)

年間通販利用額(万円)

6500070000750008000085000

1

福井

富山

石川

出所:JADMA 通販研究所「県民通販大調査」

日本クレジット協会「日本のクレジット統計 2017 年(平成 29 年)版」

【図 23】クレジットカード契約数と通販利用額の関係

【図 21】インターネットを利用する際の不安

出所:総務省「平成 29 年通信利用動向調査」

注:11 地域(北海道、東北、北関東、南関東、北陸、甲信越、

東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄)中の順位。

(%、位)

順位

55.9 9 58.0

うち電子決済の信頼性への不安があると回答した割合

42.9 1 32.9

全国北陸

インターネットの利用に不安を感じると回答した割合

Page 11: 北陸におけるインターネット消費の動向 · おけるネット消費の動向を分析・考察するため、以下、2.では、北陸におけるネッ ト消費の概観を整理する。3.では、全国と比較した北陸のネット消費の特徴につい

11

4.ネット消費が北陸の個人消費に与える影響

前章までの分析を通して、北陸におけるネット消費は着実に増加しているが、全

国の中では相対的に少ない水準にあることを確認した。以下では、ネット消費が北

陸の個人消費全体に与える影響度を確認する。

まず、家計側からネット消費のシェアをみると、北陸の家計支出に占めるネット

消費の割合は、2018/3月時点で約 2.6%となっている。同比率は、年々上昇してお

り、家計の中でネット消費が存在感を高めている状況がうかがえる(図 24)。

しかしながら、個人消費の動向を確認するために主に利用されている商業動態統

計やその他の販売統計では、当地のネット消費の動向を捕捉することが難しい。す

なわち、商業動態統計では、地域内の実店舗がネット販売を行う場合(ネットスー

パー等)は、販売額の合計値には含まれるものの、内訳が公表されていないため、

北陸におけるネット販売額は分からない。また、小売業におけるネット販売額は東

京・大阪の事業所が4割以上を占めるなど、一部の都道府県に偏重していることか

ら、北陸の消費者のネットを通じた支出の大部分は域外で計上されているとみられ

る(図 25)。

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 8 0 9 1 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 18年

(%)

出所:総務省「家計消費状況調査」、「家計調査」 注:後方 12 か月移動平均

【図 24】家計支出に占めるネット消費の割合(北陸)

0

1

2

3

4

5

6

7

8

東京

大阪

埼玉

神奈川

愛知

京都

兵庫

福岡

千葉

静岡

長崎

群馬

北海道

広島

香川

岡山

宮城

新潟

岐阜

三重

茨城

和歌山

長野

鹿児島

奈良

滋賀

福井

熊本

宮崎

石川

福島

山口

大分

山形

愛媛

栃木

富山

徳島

山梨

島根

青森

秋田

岩手

高知

沖縄

佐賀

鳥取

(千億円)

北陸3県の

シェアは1.3%

東京、大阪のみで

43%のシェア

【図 25】都道府県別インターネット販売額(小売業、2014 年)

出所:経済産業省「商業統計調査」

18/3月

2.6%

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12

このように、従来の販売統計では成長著しいネット販売の捕捉率が十分でないこ

とに加え、ネット販売の増加が北陸における実店舗の売上減少圧力となっている場

合には(BOX参照)、販売統計のみを参照すると北陸における個人消費支出の実態を

過小評価するおそれがある。このため、以下では、各種の販売統計に家計側のネッ

ト消費の統計を加えた合成指数を試算する形で、捕捉し切れていないと考えられる

ネット消費分を加味した個人消費の全体像の把握を試みた。

―― 具体的には、財・サービスの各種販売・供給統計と、家計消費状況調査のネッ

ト消費支出額を、2010年の家計消費支出のウェイトで加重平均して合成し、指

数を算出した。

試算結果をみると、ネット消費を加えることで+0.7ポイント(2018/1Q<1-3月>

時点)の押し上げ効果が推計された(図 26)。従来からの販売統計にネット消費を単

純に加えただけのラフな推計であるため、結果については幅を持って解釈する必要

があるが、ネット消費が北陸の個人消費全体に与える影響は、今のところ「着実に

持ち直している」との景気判断に影響を与えるほどの規模ではないとみられる。但

し、2014年時点では、+0.1ポイントに過ぎなかった両指数の乖離幅が少しずつ広

がっていることを踏まえると、先行きは個人消費の動向がネット消費によって大き

く左右される可能性がある点には留意が必要である。このため、今後もネット消費

の動向はしっかりと把握していく必要がある。

96

98

100

102

104

106

108

110

112

114

1 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7

ネット消費含む

ネット消費除く

(実質、季節調整済、2010=100)

18/3月

104.7

104.0

1 8 年

【図 26】個人消費の合成指数(北陸)

(実質、季節調整済、2010=100)

<財> <サービス>

1 8年 96

98

100

102

104

106

108

1 5 1 6 1 7

ネット消費含む

ネット消費除く

18/3月

102.5

101.9

(実質、季節調整済、2010=100)

100

102

104

106

108

110

112

114

116

1 5 1 6 1 7

ネット消費含む

ネット消費除く 18/3月

108.3

107.6

1 8年 出所:日本銀行金沢支店

17 18

4Q 1Q

ネット消費含む 103.6 103.0 103.4 105.3 105.3 104.8

ネット消費除く 103.5 102.7 103.0 104.6 104.6 104.1

差 0.1 0.3 0.4 0.6 0.7 0.7

14 15 16 17

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BOX.EC 市場が拡大する中での実店舗の動向

北陸における実店舗の販売動向をみると、雇用・所得環境の着実な改善が続く

もとで、食料品が堅調に推移していることや、ドラッグストアを中心に新規出店

がなされていることなどから、売上高は前年比プラスが続いている(図 27、28)。

もっとも、消費市場全体の拡大が緩やかな状況にある中で、EC市場が急速に拡大

していると仮定すると、EC市場の拡大は実店舗の売上に対する下押し圧力として

働いていると考えられる(図 29)。こうした下押し圧力は、統計上ではまだはっ

きりと確認できないものの、企業ヒアリングでは、ECとの競合の強まりを指摘す

る声が多く聞かれる。

t i m e →

←市

実店舗 市場規模

EC 市場規模

【図 29】実店舗と ECの競合関係(イメージ図)

実店舗市場

縮小

EC 市場拡大

▲ 4

▲ 3

▲ 2

▲ 1

0

1

2

3

4

5

6

16/7 17/1 7 18/1

家電量販店 ホームセンター

ドラッグストア コンビニ

スーパー 百貨店

合計

(前年比、%)

【図 27】小売店の売上動向(北陸)

出所:経済産業省「商業動態統計」、中部経済産業局電力・ガ

ス事業北陸支局「北陸地域の百貨店・スーパー販売概況」

90

95

100

105

110

115

15/7 16/1 7 17/1 7 18/1

百貨店 スーパー

コンビニ ドラッグストア

ホームセンター 家電量販店

(2015/7月=100)

【図 28】店舗数の増減(北陸)

出所:経済産業省「商業動態統計」

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実店舗と EC の競合に対する企業の声

スーパー

鮮度や安全性が重視される食料品は、他の品目と比べて EC との競合が

少ないとされてきたが、最近は、ビールや米等の重くて日持ちする商

品を中心に、EC へのシフトが進みつつある。また、食品の鮮度維持技

術が急速に発達していることから、先行きは生鮮食品まで EC に顧客を

奪われることを懸念している。

百貨店

当社の提携クレジットカードの利用実績をみると、百貨店だけでなく

大手 EC サイトでの利用も多く、EC の台頭に対する危機感を強めてい

る。

コンビニ 電子書籍へのシフトにより、雑誌類の売上高は前年比▲1割以上減少

している。

旅行会社

国内旅行を中心に、低価格で利便性の高いオンライン予約サイトに顧

客を奪われている。従来、消費者は旅行会社の店頭でのアドバイスを

もとに旅行していたが、最近では、インターネットで旅行先のクチコ

ミ等を自分で調べて旅行する傾向が強まっており、旅行会社の優位性

が薄れている。

EC 事業者

かつての消費者は、実店舗を回って衣料品を探していたが、最近の消

費者は SNS で魅力的な商品を見つけたら、そのまま当社サイトで購入

するなど、スマホの中でショッピングを完結させている。

このように EC市場の拡大が逆風となる中で、実店舗側も様々な戦略を打ち出して

消費を取り込んでいる。具体的には、接客力向上や体験型イベントの開催等により、

実店舗ならではの強みを強化する動きがみられる。また、主軸である実店舗だけで

はなく、ネット上のサービスを追加してネットと実店舗の両面で消費者との接点を

持つなど、競争力強化に向けた様々な取り組みを進めている。

EC市場が拡大する中での企業の成長戦略

スーパー

実店舗の最大の強みである接客力を強化している。店頭での魚の調理

や、旬の食材に応じた献立提案は、EC にはまねができない。また、生

鮮食品の鮮度の良さが伝わるディスプレイや、季節感の演出等で、買

い物をする楽しさが感じられる店づくりをしている。

商業施設 店頭での体験型イベントや、人気ゲームとタイアップした企画などで

集客力を高め、実店舗ならではのコト消費の需要を取り込んでいる。

百貨店

店頭で化粧品サンプルを試した後に、当社のオンラインサイトで購入

できるようにするなど、実店舗とネットの利点を融合させて、売上増

加につなげている。

交通 スマホのGPS機能を利用したタクシーの配車システムを導入するなど、

スマホ社会に対応する取り組みを進めている。

対個人

サービス

ネットで注文して宅配便で受け渡しする、ネットクリーニングサービ

スを導入した。

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15

5.おわりに

消費者のライフスタイルや価値観が多様化する中で、消費行動も変化しており、本

稿ではその象徴であるネット消費を取り上げた。分析を通じて、北陸におけるネット

消費は、全国の中では相対的に少なく、現段階では景気判断に影響を与えるような規

模ではないと考えられること、一方で着実にその存在感を高めており、個人消費の全

体像をみるうえで、しっかりと今後の動向を把握すべき存在であることを確認した。

また、EC市場との競合が強まる中で、実店舗側も様々な取り組みを進めて需要を取り

込んでいることを確認した。先行きも、EC業界、実店舗の双方で消費者に寄り添った

取り組みが進み、北陸における消費活動が更に活発化していくことを期待したい。

以 上

本件に関するお問い合わせは、日本銀行金沢支店営業課・広報担当(電話 076-223-9520)までお願いいたします。なお、本ペーパーは日本銀行金沢支店のホームページ(http://www3.boj.or.jp/kanazawa/)でもご覧いただけます。

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金沢支店までご相談ください。転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。