工作機械・工具を 安全に使用するために...労働安全衛生法第28条第1項...

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工作機械・工具を 安全に使用するために 1 技術室 工作班 機械・回路工作係 松下 雄貴 産研 安全講習会 平成27518

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Page 1: 工作機械・工具を 安全に使用するために...労働安全衛生法第28条第1項 工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」 3 ・危険を防止するため、フェールセーフ等の機能を有すること。

工作機械・工具を

安全に使用するために

1

技術室 工作班 機械・回路工作係

松下 雄貴

産研 安全講習会 平成27年5月18日

Page 2: 工作機械・工具を 安全に使用するために...労働安全衛生法第28条第1項 工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」 3 ・危険を防止するため、フェールセーフ等の機能を有すること。

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目次

Page 3: 工作機械・工具を 安全に使用するために...労働安全衛生法第28条第1項 工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」 3 ・危険を防止するため、フェールセーフ等の機能を有すること。

労働安全衛生法第28条第1項

工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」

3

・危険を防止するため、フェールセーフ等の機能を有すること。

・工作機械の外面に危険な部分がないこと。

・長期間の使用に耐える丈夫な構造とすること。

・手等がはさまれるおそれのある透き間を生じないこと。

・過負荷安全装置を設けることが望ましいこと。

など 工作機械は基本的には安全にできている

工作機械の安全に関する法律

事故はヒューマンエラーで起こることが多い

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ハインリッヒの法則

29

300

不安全状態や不安全行動を無くすことが重要

重傷災害

軽いけが

けがにならなかった事故

ヒヤリハット(災害予兆)

発生した労働災害の統計を見ると330件の災害のうち、300件は無傷で、29件は軽い障害を伴い、1件は重い障害を伴う。

数千に達する 不安全行動・不安全状態

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工作機械で事故を起こさないために

正しい服装で作業する

知識を持つこと

◦ 機械操作・材料・加工など

熟練者に教えを乞うこと

◦ 知ってるつもりは事故の元

5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)

1人または多人数で加工しない

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手袋

正しい服装で作業する 必要に応じて

・防じんメガネ

・防じんマスク

・遮光メガネ

・手袋

共通して

・長袖・長ズボン・白衣は禁止

・サンダル スリッパ禁止

・ネクタイ・タオルを首にまかない

・回転部を持つ機械の手袋禁止

タオル

スリッパ

ボタンを

しめる

やる気が無い

体調不良

タオル

出来れば

安全靴

安全メガネ

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必要に応じた保護具を着用する

セーフティシューズ

樹脂製の先芯

防じんマスク 防じんメガネ

安全メガネ

イヤーマフ

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手袋を使う場面について

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◆基本的に工作機械を使う時は手袋をつけない

└巻き込まれ防止の為

◆必要に応じで手袋をつける場面

・グラインダー作業・溶接作業 革手袋(耐火性)

・カッターナイフ作業 ケブラー手袋(耐切創性)

・材料準備・組立 ゴム手袋(滑り止め・保護)

・油作業 耐油手袋(滑り止め・保護)

革手袋 ケブラー手袋 組立手袋

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簡単そうに見える機械でも熟練者に教えを乞うこと

【よくある事故】 ボール盤で薄板を加工中、ドリルが板に 食い込み、材料が振り回されて指を負傷

知ってるつもりは事故の元

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簡単そうに見える機械でも熟練者に教えを乞うこと

材料はしっかりと固定するのが基本

5mm程度のドリルでも食い込む

知ってるつもりは事故の元

クランプ等で固定 小さいものはバイスで固定

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簡単そうに見える機械でも熟練者に教えを乞うこと

大径ドリルは食い込みやすい

薄板用のツールを使う

知ってるつもりは事故の元

ホルソー ローソク研ぎ

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簡単そうに見える機械でも熟練者に教えを乞うこと

【よくある事故】 帯のこ盤で丸棒を切断中、材料が回され、材料のふちで指を負傷

知ってるつもりは事故の元

角材 丸棒

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帯のこ盤での注意

丸棒は必ず固定する

手で持たず捨て材で保持

刃の延長線に手を置かない

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・工具は本来の使用目的以外で使用しない

スパナをハンマー代わりに使う等

・異常が認められた場合は使用しない

割れ、欠け、摩耗、変形等

・無理な姿勢で作業しない

足元をかため、バランスを保つように作業する

・改造しない

加熱、加工等を行うと著しく品質の低下を招く

工具に共通する注意事項

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よくあるトラブル

【状態】

1.ねじ頭の破損

2.ねじの変形

3.焼き付き

【原因】

・ドライバーが不適切

・刃先の変形・摩耗

・締めすぎ

・潤滑油をつけて締めた

・摩擦が大きい

・シールテープの巻忘れ

《ねじが外れなくなる》

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ドライバー・ニッパー注意事項

・ネジの溝に合った物を使う

・サイズが合わない物を使用しない

切断能力にあったものを使う

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モンキーレンチの使用法

①レンチを奥まで差し込む ①モンキーレンチを本体から下アゴの方に向かって回す

②本体をボルトに当てる

③アゴを調整しサイズを合わせる

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モンキーレンチ使用時の注意事項

•逆回しすると下あごに無理な力が掛 かる(下あごが破損する恐れ有)

•レンチとボルトの間に隙間があるとボ ルトを痛める・レンチがはずれて怪我 をするおそれがある

•レンチをボルトに対して傾けない (ボルトに対し直角で水平に回す)

•レンチの柄にパイプ等を差し込んで使用しない(破損の原因になる)

•レンチの柄にハンマ等で衝撃を与え ない(破損の原因になる)

すき間

逆回し

延長

斜め

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スパナの使用法

①スパナの口を奥まで差し込む 逆手で緩める

②手前に引くようにして締める

7分の力で3分は安全確保 ②手前に引くようにして緩める

7分の力で3分は安全確保

①スパナの口を奥まで差し込む

① ② ②

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まとめ

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工作機械の取り扱い

・正しい服装で作業すること

・知識を身につけること

・材料をしっかりと固定すること

工具の取り扱い

・誤った用途で使わない

・工具の種類や特徴をよく理解する

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最後に

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初心忘れるべからず

慣れたころに事故を起こす

過ちは、難しい時ではなく、易しい時に起きる

作業中は集中してるのでミスをしない

掃除中に手を切るなど

工作機械・工具でわからないことがあれば

試作工場 機械加工室まで