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『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 調査結果報告 2013 年 3 月 29 日発行

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『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 調査結果報告

2013 年 3 月 29 日発行

Page 2: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

要旨

1. グローバル展開に成功するためには、自社のグローバル展開を支える「主要な人材」

を正確に認識し、その人材を継続して輩出するための「採用→育成→維持」という流

れ―「人材パイプライン」―の構築が重要だということが本調査から示唆された。 2. 各企業のグローバル展開の段階によって「主要な人材」は異なる。グローバル展開に

成功している企業が実施している人事施策は次のとおりである。 (ⅰ)ほぼ全ての現地法人で日本本社からの駐在員がトップマネジメントを務める段階

にある企業 ①日本本社社員の採用や育成に関する工夫 ②駐在員帰任後のキャリアアップの仕組み

(ⅱ)日本本社からの駐在員が主だが、一部の現地法人では現地人材がトップマネジメ

ントを務める段階にある企業 上記①②に加えて ③日本本社・現地法人間の人材マネジメント基本方針の共有 ④現地人材の発掘・育成

(ⅲ)多くの現地法人で現地人材がトップマネジメントを務める段階にある企業 上記①③④に加えて

⑤現地人材のキャリアアップの仕組み ⑥日本本社・現地法人間の人事制度の共通化

3. 但し、グローバル展開に成功している企業でも、他の施策に比べて③および⑥に関し

ては実施率が低く、各国で異なる考え方を統合するのに困難があることがうかがえた。

日本企業のグローバル展開を推進するための課題と言える。

コンサルティング部 鈴木 貴

Tel: 03-3591-7280 E-mail:[email protected]

牛坂 英伸 Tel: 03-3591-7363

E-mail:[email protected]

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目次

Ⅰ リポート .....................................................................................................................1

1 本調査の背景と目的...................................................................................................2 2 仮説と検証 .................................................................................................................2

(1) 大きな仮説 .........................................................................................................2 (2) 検証方法 .............................................................................................................3

①調査概要 ............................................................................................................3 ②指標の設定 .........................................................................................................3 ③回答企業の属性..................................................................................................5

(3) 各ステージにおける仮説と検証 .........................................................................6 ①ステージⅰについて............................................................................................6

(ア)日本本社社員の採用および育成に関する工夫..........................................8 (イ)駐在員帰任後のキャリアアップの仕組み...............................................12

②ステージⅱについて..........................................................................................13 (ア)日本本社社員の採用および育成に関する工夫........................................14 (イ)駐在員帰任後のキャリアアップの仕組み...............................................18 (ウ)日本本社・現法間の人材マネジメント基本方針の共有 .........................18 (エ)現地人材の発掘・育成 ...........................................................................19

③ステージⅲ以上について ..................................................................................22 (ア)日本本社・現法間の人材マネジメント基本方針の共有 .........................24 (イ)現地人材の発掘・育成について .............................................................25 (ウ)現地人材のキャリアアップの仕組み ......................................................28 (エ)日本本社社員の採用および育成に関する工夫........................................29 (オ)日本本社・現法間の人事制度の共通化 ..................................................33

3 その他の特筆すべき調査結果 ..................................................................................37 4 まとめと提言 ...........................................................................................................39

Ⅱ 資料編 .......................................................................................................................41 ・ 調査結果詳細 【参考】アンケート用紙

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Ⅰ リポート

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2

1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

と認識されている。例えば、日本経済新聞社の国内主要企業 100 社向けのアンケート1によ

れば、2013 年の経営課題は「新興国など海外事業の拡大」が 66.7%で最多であり、引き続

きグローバル展開を推進していくことがうかがえる。これは大手企業に限ったことではな

く、中小企業においても海外直接投資件数は増加傾向にある。海外にビジネスチャンスを

求めるという能動的な理由によるものもあるが、取引先の海外移転に追随せざるを得ない

という事情もあるためである2。 このような状況において、グローバル人材マネジメントがますます注目されており、各

種メディアでは多くの企業事例や専門家の意見が紹介されている。「留学生向けの採用活

動」や「若手社員の海外派遣」、「世界共通の人事制度構築」等、枚挙に暇がない。しかし、

それが自社に適しているものなのか、また、今取り組むべきものなのかという点について、

企業はどう判断すべきだろうか。 本調査の目的はこの疑問に解を出すことにある。すなわち、グローバル展開をしている、

または、検討中の多くの企業が抱える問い―「自社にとって有効な人事施策は何なのか」

―に答えることである。 2 仮説と検証 (1) 大きな仮説

本調査は次のような大きな仮説を持って臨んでいる。 「グローバル展開のステージによって、その展開を成功に導く主要な人材は異なる。し

たがって、その主要な人材を的確に把握して人事施策を実施している企業は、そうでな

い企業と比較してグローバル展開に成功している」 上記文中の「グローバル展開のステージ」を次のように定めている。 Ⅰ 販売や生産の機能のみを海外現地法人(以下、「現法」と略記)に持たせているステ

ージ Ⅱ 研究開発やマーケティングなど、従来日本本社が担っていた機能の一部を現法に移

管し、権限委譲を進めるステージ Ⅲ 製品やサービスを生み出し、顧客に届けるための各機能が世界各国に展開され、日

本本社と現法という区分を超越した有機的なつながりを持つステージ 日本企業の全てがステージⅢを目指さなければならないものではなく、また、このステ

ージ通りに進んでいくとも限らない。しかし、世界の各市場の細やかなニーズを把握し、

品質とコストの両方で国際競争力の高い製品・サービスを生み出すためにはより上のステ

ージに優位性があると考えられる。グローバル企業として世界的に有名な GE やネスレ、

JT 等はこのステージにあると言ってよい。 1 日本経済新聞 2012.12.24 朝刊 2 日本政策金融公庫「中小企業の海外進出に関する調査結果」(2012)

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(2) 検証方法 ①調査概要 ア)調査方法

調査票配布によるアンケート調査 イ)対象企業

アンケート用紙は、海外現地法人を持つ東証1部および2部上場、その他の上場

企業約 1700 社に対して郵送し、そのうち 87 社より回答を得た。(回答率 5.0%) ウ)調査期間

2012 年 11 月下旬~12 月上旬 エ)記入者

アンケートの送付先を「人事部門責任者」としており、実際に人事部門の管理職

階の方々によって回答がなされている。 ②指標の設定

a)グローバル展開の成否を測る指標、b)施策の実施状況を測る指標、c)日本企業の

グローバル展開のステージを測る指標を次のように設定した。 a)グローバル展開の成否を測る指標

業界により、好ましい海外売上高比率やその前年比伸長率等の数値は異なると考

えられるため、絶対的な数値基準を設定することは困難である。 そこで、「業界平均と比較した際の海外売上高比率伸長度(以下、「伸長度」と略

記)の大小」を指標に用いることとした。回答者の主観が入るという限界はあるも

のの、業界動向がどのような状況であっても、その中での回答企業の位置づけを判

断することができる。回答者には伸長度を「大きい」「やや大きい」「やや小さい」「小

さい」「わからない」の5択から選んでもらい、次のように定義することとした。 伸長度大(「大きい」「やや大きい」) ・・・「グローバル展開に成功している」 伸長度小(「やや小さい」「小さい」) ・・・「グローバル展開に成功していない」 ※「わからない」は分析対象から除外

b)施策の実施状況を図る指標

「実施している」「実施に向けて準備中」「実施するか検討中」「実施する予定はな

いまたは未検討」の4択から選んでもらった。 施策の効果がグローバル展開の成功に結びつくのは、「実施している」を選択した

場合のみだが、「実施に向けて準備中」または「実施するか検討中」を選択している

場合は、回答企業に課題認識があると解釈することができる。

c)日本企業のグローバル展開のステージを測る指標 グローバル展開のステージが進むほどに現法への権限委譲が進み、日本本社と現

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法という区分も薄れていくことは述べた。これにしたがって、現法のトップマネジ

メント人材も「日本本社からの駐在員」→「現地人材」→「日本、現地、第三国の

中での最適な人材」と変化していくことが指摘されている3。 従来日本本社が持っていた機能の移管が進んでいると言っても、日本本社の分身

と言える駐在員が現法トップマネジメントを務めているのでは、十分に権限委譲が

進んでいるとは言いがたい。「現法の最終意思決定者が誰なのか」ということが実際

のグローバル展開のステージに近いと思われるため、「現法のトップマネジメントを

務める人材の属性」を指標に用いることにした。 先行研究より、多くの日本企業がステージⅠに属することが予想されたため、3

区分のステージの細分化を試みた。ステージⅠとステージⅡおよびステージⅡとス

テージⅢの間に移行期としてのステージを設けて5段階とし、次のように設定した。

ⅰ)ほぼ全ての現法が日本本社の人材 ⅱ)多くの現法が日本本社の人材だが、一部の現法は現地人材 ⅲ)ほぼ全ての現法が現地人材 ⅳ)多くの現法が現地人材だが、一部の現法は日本本社、現地、第三国の中での 最適な人材 ⅴ)ほぼ全ての現法が、日本本社、現地、第三国の中での最適な人材

3 根本孝ら『国際経営を学ぶ人のために』(世界思想社、2001)

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③回答企業の属性 回答企業の属性は次のとおりである。

ア)業種(製造業/非製造業)

(社) 製造業 非製造業 計

61 26 87

イ)従業員数(国内子会社、現法を含めた連結ベース)

(社) 300 人未満 300~999 人 1000~2999 人 3000 人以上 計

10 20 23 34 87

ウ)グローバル展開のステージと伸長度

(社)

伸長度 大

伸長度 小

わからない ・無回答

ステージⅰ 13 17 6 36 ステージⅱ 13 13 8 34 ステージⅲ 3 1 1 5 ステージⅳ 5 1 1 7 ステージⅴ 0 0 1 1 無回答 2 2 0 4 計 36 34 17 87

※サンプル数が少ないため、この後の分析では、ステージⅲ~ⅴをまとめて「ステ

ージⅲ以上」としている。

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(3) 各ステージにおける仮説と検証

①ステージⅰについて

A)仮説 現法A 日本本社 現法B 現法C

管理職

一般社員

労働市場

現法の経営を担うトップマネジメントが「主要な人材」であることは自明だと考え

られる。ステージⅰにおいてそれを担う人材は「日本本社からの駐在員」である。 日本本社からの駐在員を継続して輩出するために必要なことは、次の3点である。 a)将来駐在員となる資質のある日本本社社員を採用すること b)駐在員に必要とされる能力を習得させること c)駐在員候補者の離職を防ぐこと

c)については、まず現法での報酬水準や福利厚生のあり方が考えられる。周囲の

社員との公平性を一定程度は保ちつつも、「割に合わない」と駐在員に感じさせないた

めにはどうすればよいのかという点は悩ましい。しかし、国や地域によって労働慣行

は多種多様であり、実際の水準設定等については他の研究に譲りたい。 但し、駐在員の苦労や成果に対して、「帰任後に報いているか」という点には着目し

ている。海外赴任経験のある社員は、一定の期間を経て再度駐在員となる可能性は十

分にある。1回目の赴任後の処遇によっては、「二度と赴任したくない」という心情か

ら最悪の場合、離職に結びつく恐れがある。また、こうした離職を目の当たりにした

駐在員候補者(赴任未経験者)にも悪影響を与えることは明らかである。駐在員候補

者から自ら外れようとしたり、他社で駐在員を目指したりする可能性が考えられる。

以上の点から、ステージⅰにおいては、下記を有効な人事施策と仮定した。 (ア)日本本社社員の採用および育成に関する工夫 (イ)駐在員帰任後のキャリアアップの仕組み

:日本本社人材 :現地人材凡例 :人材の移動 :育成を経ての登用 :主要な人材

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なお、このステージの現法は、マーケティングや研究開発等の上流工程を担ってい

ないことから、一般社員クラス間での業務上のやりとりは少ないと考えられる。ゆえ

に、彼ら・彼女らを現法のトップマネジメントと同等のレベルで「主要な人材」と言

うことはできないだろう。

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B)検証 (ア)日本本社社員の採用および育成に関する工夫

ア-1 日本人の新卒採用に関する取組 「海外で活躍する若手・中堅社員の姿の紹介」を除き、「伸長度大」の方が各施策

の実施率が高い。とりわけ差異が明確なのは「海外留学経験者や帰国子女を対象と

したPR」、「語学力の選考基準化」であり、採用対象群や選考に関する工夫が功を

奏していると言える。

92%

81%

54%

25%

46%

63%

15%

13%

15%

13%

15%

13%

8%

19%

8%

8%

38%

15%

19%

31%

25%

6%

23%

25%

23%

6%

46%

56%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

海外留学経験者や帰国子女を対象としたPR

海外で活躍する若手・中堅社員の

姿の紹介

語学力の選考基準化

海外赴任を期待していることのPR(就職説明会や募集要項等)

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ア-2 日本本社社員の育成に関する取組 ほぼ全ての施策の全階層において、「伸長度大」の方が実施率が高い。とりわけ差

異が明確なのは、異動や研修を通じた海外派遣の若手・中堅社員への実施である【グ

ラフ a)、b)】。できるだけ早いうちから海外での仕事のやり方、文化、言語に触れる

ことの重要性を示していると言える。また、企業内研修の実施についても差異が大

きい【グラフ c)】。海外進出を果たして一定の年月を経ている企業においては、駐在

員経験者の知見を後身に伝えられる仕組みを整えていくことが有効だと考えられる。

a)日本から現法への異動の積極化

100%

65%

77%

59%

62%

41%

12%

8%

18%

8%

24%

18%

15%

18%

31%

12%

6%

6%

24%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

b)海外研修(ビジネススクールや語学学校等への派遣)

31%

25%

69%

38%

62%

44%

31%

6%

8%

6%

8%

6%

15%

25%

8%

19%

23%

19%

23%

44%

15%

38%

8%

31%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

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c)企業内研修(国際ビジネス知識や異文化コミュニケーション等)

62%

6%

54%

12%

54%

18%

15%

12%

15%

12%

15%

12%

15%

35%

23%

35%

23%

35%

8%

47%

8%

41%

8%

35%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

d)自己啓発に関する費用補助(語学学校への通学や通信教育等)

77%

76%

85%

76%

85%

76%

8%

8%

8%

6%

6%

6%

15%

18%

8%

18%

8%

18%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

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e)昇格・昇進基準への語学力指標(TOEIC 等)の導入

31%

18%

15%

12%

23%

12%

8%

8%

6%

8%

23%

24%

31%

24%

31%

29%

38%

59%

46%

59%

38%

59%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

f)優秀人材に対する特別な配属先の設定や教育機会の付与

46%

24%

38%

24%

23%

24%

8%

15%

23%

23%

18%

23%

24%

31%

18%

23%

59%

23%

53%

23%

59%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

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(イ)駐在員帰任後のキャリアアップの仕組み

● 海外赴任の昇格要件化 赴任前後の階層に関わらず、また、伸長度の大小に関わらず、現時点で海外赴任

を昇格の要件としている企業は少ないが、「伸長度大」の方が実施率はやや高い。ま

た、「要件化に向けて準備中」「要件化するか検討中」の割合を見ると、「伸長度小」

よりも多いことから、課題認識を持っていることがうかがえる。 「伸長度小」においては、赴任前後の階層に関わらず、8割以上が「要件化する

予定はないまたは未検討」と回答している。一定数のグローバル人材は必要だが、

管理職以上の全ての社員がそうである必要はないという意識を反映しているものと

思われる。しかしながら、海外赴任を自らのキャリアアップに必要な経験と位置づ

けることは、駐在員候補者のモチベーション向上に有効だと考える。反対に、帰任

後に海外赴任経験が活かされない部署に配属されたり、思うようにキャリアアップ

しない等で赴任経験者が日本本社に不適応を起こす事例が報告されていることを考

えると尚更である4。

8%

6%

15%

15%

8%

15%

6%

15%

18%

62%

88%

62%

82%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

要件化している 要件化に向けて準備中 要件化するか検討中 要件化する予定はないまたは未検討

(赴任前)一般社員→(赴任後)管理職

(赴任前)管理職→(赴任後)役員クラス

4 浅川和宏『グローバル経営入門』(日本経済新聞社、2003)

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②ステージⅱについて A)仮説 現法A 日本本社 現法B 現法C

管理職

一般社員

労働市場

ステージⅱでは、現法のトップマネジメントを務める人材の多くは日本本社からの

駐在員であり、一部で現地人材が担っているという状態である。このため、ステージ

ⅰで述べた日本本社からの駐在員を継続して輩出するための以下の人事施策は、この

ステージにも必要であると考えられる。 (ア)日本本社社員の採用および育成に関する工夫 (イ)駐在員帰任後のキャリアアップの仕組み これに加えて、現法のトップマネジメントを務める現地人材を継続して輩出するた

めに必要な人事施策に注力することが求められる。現法内部からトップマネジメント

を輩出する流れを作ることに成功した現法を成功事例とし、他の現法に水平展開して

いくことは、ステージⅲへの移行を促すだろう。反対に、現法内部からのトップマネ

ジメント輩出が十分にできていない場合、日本本社からの駐在員に頼らざるを得なく

なる。これは言うまでもなくステージⅰに後退することを意味している。すなわち、

ステージⅱはグローバル展開の今後を占う重要な分岐点と言える。 現法のトップマネジメントを務める現地人材を継続して輩出するための、日本本社

の関与とはどのようなものが考えられるだろうか。例えば、日本本社の人事部が現地

で採用活動を実施することは現実的ではないとしても、求める人材像についての方針

を現法の人事部と共有することは可能である。また、人事評価や研修等の機会を活用

して優秀人材を発掘し、育成する仕組みを考えることもできる。 以上の点から、ステージⅱにおいては、上記(ア)(イ)に加えて、下記を有効な人

事施策と仮定した。 (ウ)日本本社・現法間の人材マネジメント基本方針の共有 (エ)現地人材の発掘・育成

:日本本社人材 :現地人材凡例 :人材の移動 :育成を経ての登用 :主要な人材

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B)検証 (ア)日本本社社員の採用および育成に関する工夫

ア-1 日本人の新卒採用に関する取組 全ての施策において「伸長度大」の方が実施率が高い。「語学力の選考基準化」に

ついては、ステージⅰの「伸長度大」と比較して 20 ポイント以上高くなっており (p8 参照)、一層選考に関する工夫が功を奏していると言うことができる。

100%

69%

55%

15%

45%

23%

36%

8%

8%

8%

18%

23%

9%

15%

27%

38%

36%

31%

45%

38%

23%

18%

38%

23%

9%

38%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

海外留学経験者や帰国子女を対象としたPR

海外で活躍する若手・中堅社員の

姿の紹介

語学力の選考基準化

海外赴任を期待していることのPR(就職説明会や募集要項等)

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ア-2 日本本社社員の育成に関する取組 「自己啓発に関する費用補助(語学学校への通学や通信教育等)」【グラフ d)】、「昇

格・昇進基準への語学力指標(TOEIC 等)の導入」【グラフ e)】を除く施策のほぼ

全ての階層において、「伸長度大」の方が実施率が高い。とりわけ差異が明確なのは、

異動や研修を通じた海外派遣の若手・中堅社員への実施【グラフ a)、b)】および「優

秀人材に対する特別な配属先の設定や教育機会の付与」【グラフ f)】である。前者の

見解はステージⅰと重複するので割愛するが、後者の施策の特徴は育成のポリシー

にある。同一階層の社員を一定の時間をかけて底上げするのではなく、早期育成の

ために少数の優秀人材を特別扱いすることになる。ステージⅱはステージⅰよりも

現法数が多い傾向にあることから(資料編 p42 参照)、駐在員育成にスピードが求め

られることが要因として考えられる。

a)日本から現法への異動の積極化

46%

46%

46%

38%

46%

23%

15%

8%

23%

8%

15%

31%

38%

8%

23%

23%

31%

8%

38%

8%

31%

8%

38%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

b)海外研修(ビジネススクールや語学学校等への派遣)

8%

8%

31%

15%

38%

15%

8%

15%

8%

15%

8%

23%

15%

15%

23%

31%

23%

23%

69%

62%

38%

38%

31%

38%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

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16

c)企業内研修(国際ビジネス知識や異文化コミュニケーション等)

23%

15%

31%

23%

46%

31%

15%

15%

15%

15%

8%

23%

23%

23%

38%

23%

38%

15%

38%

46%

15%

38%

8%

31%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

d)自己啓発に関する費用補助(語学学校への通学や通信教育等)

54%

67%

54%

54%

54%

54%

25%

23%

31%

31%

8%

31%

8%

31%

15%

15%

15%

15%

15%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

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17

e)昇格・昇進基準への語学力指標(TOEIC 等)の導入

15%

31%

15%

38%

15%

31%

38%

8%

46%

8%

31%

15%

46%

62%

38%

54%

54%

54%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

f)優秀人材に対する特別な配属先の設定や教育機会の付与

38%

8%

38%

15%

38%

15%

8%

31%

31%

31%

31%

38%

38%

31%

46%

31%

23%

23%

23%

23%

15%

23%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

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18

(イ)駐在員帰任後のキャリアアップの仕組み

● 海外赴任の昇格要件化 赴任前後の階層に関わらず、「伸長度大」では 15%の企業が海外赴任を昇格の要件

としている一方、「伸長度小」で要件化している企業はない。しかし、「伸長度小」

の「要件化に向けて準備中」「要件化するか検討中」を合わせると3割以上になるこ

とから、課題認識を持っている企業も一定数いることがわかる。

15%

15%

15%

15%

15%

15%

23%

69%

69%

85%

62%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

要件化している 要件化に向けて準備中 要件化するか検討中 要件化する予定はないまたは未検討

(赴任前)一般社員→(赴任後)管理職

(赴任前)管理職→(赴任後)役員クラス

(ウ)日本本社・現法間の人材マネジメント基本方針の共有

「人材の確保」および「人材の育成」においては、「伸長度大」の方が「共有して

いる」と回答した企業の割合が大きいものの、全般的に基本方針を共有している企

業は少数であった。一方で、「共有に向けて準備中」と「共有するか検討中」を合わ

せた割合は大きい。 これらを踏まえると、基本方針の共有に対して必要性を感じているものの、実施

に至っていない状況があると考えられる。現法との擦り合わせや共有の方向性を見

出すことに関する困難があるものと思われる。

15%

8%

8%

8%

8%

15%

38%

15%

38%

38%

23%

38%

15%

54%

31%

38%

31%

31%

38%

23%

31%

15%

38%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

共有している 共有に向けて準備中 共有するか検討中 共有する予定はないまたは未検討

人材の育成(研修、OJTなど)

人材の処遇(評価、報酬など)

人材の確保(採用、選抜など)

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19

(エ)現地人材の発掘・育成 エ-1 日本本社で業務に従事する外国人採用の目的

「伸長度大」では「将来の現法経営幹部を担ってもらうため」と回答した企業が

3割弱であったのに対し、「伸長度小」では見られなかった。 現法のトップマネジメントを担う人材は、現法採用人材に限定する必要はない。

日本本社で経営幹部として育成した後に、現法に赴任(帰国と言っても良い)させ

ることも可能である。先の3割弱の企業はこうした方法で現法のトップマネジメン

トを輩出しようとしているものと考えられる。 【伸長度大】 【伸長度小】

その他18%

日本本社社員のグローバル意識を高めるため

9%

海外との取引に関する目下の業務を

担ってもらうため46%

将来の現法経営幹部を担ってもらうため

27%

日本本社社員のグローバル意識を高めるため

57%

その他0%

海外との取引に関する目下の業務を

担ってもらうため43%

将来の現法経営幹部を担ってもらうため

0%

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20

エ-2 現法人材の発掘 「現法での人事評価や職務経歴情報の参照」および「日本本社での研修開催およ

び研修中の言動観察」において、「伸長度大」の方が実施率が高い。人事評価や研修

等の機会を活かし、現法人材の発掘に努めていることがわかる。 一方で、「現法の上司による推薦情報の収集」および「日本本社人事部スタッフの

派遣による直接観察」では「伸長度小」の方が実施率が高いことから、有効な人事

施策とは言いきれない。理由としては、現法の上司の推薦基準が日本本社が求める

基準と合わないことや、人事部スタッフ派遣では長期間の働きぶりを見ることが難

しいと想定されるため、優秀人材を的確に見極められないことが推測される。

17%

17%

23%

33%

23%

23%

25%

23%

33%

8%

8%

8%

42%

38%

25%

23%

42%

31%

58%

31%

17%

38%

25%

46%

25%

38%

42%

38%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

現法の上司による推薦情報の収集

日本本社での研修開催および

研修中の言動観察

日本本社人事部スタッフの派遣による直接観察

現法での人事評価や職務経歴情報

の参照

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21

エ-3 現法社員の育成に関する取組 「日本本社の関係部門への出向や業務研修への派遣」(管理職、中堅社員対象)に

おいて、「伸長度大」の方が実施率が高い【グラフ a)】。マネジメント能力の伸長が

求められる階層に対して、日本本社が主導権を持って育成していることがわかる。

一方、若手社員対象の出向や派遣は、技術・技能の習得・向上が主目的と考えられ

る。このため、現法トップマネジメント人材の輩出との関連性は低いものと推測さ

れる。 「日本本社における、リーダーシップ開発やマネジメントに関する研修への派遣」

においては、「伸長度小」の方が実施率が高かったが、「実施するか検討中」の割合

は「伸長度大」の方が高く、課題認識が強いことがわかる【グラフ b)】。

a)日本本社の関係部門への出向や業務研修への派遣

15%

8%

31%

15%

31%

38%

8%

23%

8%

38%

38%

38%

38%

38%

31%

38%

54%

8%

46%

23%

31%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

b)日本本社における、リーダーシップ開発やマネジメントに関する研修への派遣

8%

15%

15%

8%

8%

8%

8%

8%

8%

8%

54%

31%

54%

23%

46%

23%

31%

46%

38%

54%

46%

62%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

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22

③ステージⅲ以上について5

A)仮説 現法A 日本本社 現法B 現法C

管理職

一般社員

労働市場

ステージⅲ以上での主要な人材は、現法のトップマネジメント、日本本社の一般社

員および現法の一般社員である。このステージで初めて一般社員を指摘する理由は、

上流工程や主要な機能を担う現法の増加に伴い、一般社員クラス間においても、業務

上のやりとりが増加すると考えられるためである6。異なる文化や価値観を持つ人材と

効果的にコミュニケーションを取りながら仕事を進める能力が求められる。 現法のトップマネジメントの供給方法は、現法の一般社員からの内部昇格または外

部からの招聘である。これを実現するために必要なことは次の3点である。 a)将来現法のトップマネジメントとなる資質のある現法社員を採用すること (外部からの招聘の場合は、求める人材像と合致した人材を採用すること) b)トップマネジメントに必要とされる能力を習得させること c)トップマネジメント候補者の離職を防ぐこと

したがって、次の人事施策が有効と考えられる。 (ア)日本本社・現法間の人材マネジメント基本方針の共有 (イ)現地人材の発掘・育成 (ウ)現地人材のキャリアアップの仕組み7

5 ステージⅴに該当する企業は 1 社のみであったため、ステージⅲ、ⅳを中心とした仮説を構築した。 6 経済産業省「『グローバル人材マネジメント研究会』報告書」(2007)においても、「現地において人材が

育ち、組織としての自立性が高まれば、本社とのコミュニケーションが一方通行でなくなり、相互に調整

する場面が増大する」と指摘されている。 7 金銭的報酬も重要であるが、国や地域、職務内容によって、水準や福利厚生のあり方に関する最適な解

は異なると考えられるため、本調査では取り上げていない。

:日本本社人材 :現地人材凡例 :人材の移動 :育成を経ての登用 :主要な人材

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23

日本本社の一般社員の供給方法は労働市場からの獲得に他ならない。したがって、

ステージⅰ、ⅱのような「駐在員を輩出する」という観点ではないものの、引き続き

下記人事施策は重要ということになる。 (エ)日本本社社員の採用および育成に関する工夫 最後に、現法の一般社員の供給方法であるが、これも労働市場からの獲得であるた

め、上記(ア)(イ)に包含される。 主要な人材という切り口から離れて、ステージⅲ以上の特徴を2点補記したい。 1点目は、現地人材によるマネジメントが行われる現法が増加すると、日本本社の

目が行き届きにくくなるため、現地人材のトップマネジメントにより多くの意思決定

が委ねられることである。こうした状況で日本本社がすべきことは、「現法のトップマ

ネジメントに真に相応しい現地人材」を見極める仕組みを作ることである。具体的に

は、等級制度の共通化によって現地人材の能力を可視化することが考えられる。 2点目は、いかに能力の高い現地人材がトップマネジメントを担おうとも、独自の

価値観ややり方によって、世界規模での業務標準化が妨げられたり、ブランドイメー

ジに傷をつけられたりする恐れがあることである。このため、企業理念や価値観、業

務のやり方に関して日本本社・現法間で共有することが重要だと考える。方法として

は、日本本社が期待する行動をしたトップマネジメントが正しく評価される、日本本

社・現法共通の仕組みが考えられる。 以上2点の特徴から、ステージⅲ以上における有効な人事施策として次のものを追

加したい。 (オ)日本本社・現法間の人事制度の共通化

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24

B)検証

(ア)日本本社・現法間の人材マネジメント基本方針の共有 全ての項目において、「伸長度大」の方が「共有している」の割合が高いが、その

割合は 13%であり、現時点では少数派と言える。しかし、「共有に向けて準備中」、「共

有するか検討中」を合わせるとその割合は半数に上ることから、必要性を感じてい

るが、実施に至っていない状況と言える。

13%

13%

13%

13%

13%

38%

50%

25%

25%

50%

50%

50%

100%

50%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

共有している 共有に向けて準備中 共有するか検討中 共有する予定はないまたは未検討

人材の育成(研修、OJTなど)

人材の処遇(評価、報酬など)

人材の確保(採用、選抜など)

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25

(イ) 現地人材の発掘・育成

イ-1 日本本社で業務に従事する外国人採用の目的 「伸長度小」の2社はいずれも「その他」を選択している。1社は外国人採用を

実施していないため、もう1社は「優秀な人材なら国籍を問わない」ためであった。

「伸長度大」では「その他」が最多であるが、内容は「日本人/外国人の区別なく

採用している」というものであった。 本ステージでは伸長度の大小に関わらず、外国人を特別視していない意識がうか

がえる。 【伸長度大】 【伸長度小】

その他33%

日本本社社員のグローバル意識を高めるため

17%

海外との取引に関する目下の業務を

担ってもらうため33%

将来の現法経営幹部を担ってもらうため

17%その他100%

将来の現法経営幹部を担ってもらうため

0%

海外との取引に関する目下の業務を

担ってもらうため0%

日本本社社員のグローバル意識を高めるため

0%

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26

イ-2 現法人材の発掘に関する取組 「伸長度小」では、全ての施策について実施されておらず、「伸長度大」との差異

は明確である。 「伸長度大」において実施率が最も高かった施策は「現法での人事評価や職務経

歴情報の参照」であった。現法の人事評価制度の整備や、日本本社が評価結果を把

握できる仕組みが有効であることが示唆される。

38%

13%

13%

25%

13%

25%

25%

25%

13%

38%

100%

50%

100%

63%

100%

63%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

現法の上司による推薦情報の収集

日本本社での研修開催および

研修中の言動観察

日本本社人事部スタッフの派遣による直接観察

現法での人事評価や職務経歴情報

の参照

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27

イ-3 現法人材の育成に関する取組 「伸長度小」では、全ての施策について実施されておらず、「伸長度大」との差異

は明確である。 「伸長度大」では「日本本社における、リーダーシップ開発やマネジメントに関

する研修への派遣」は実施率が低く【グラフ b)】、「日本本社の関係部門への出向や

業務研修への派遣」の実施率が高い【グラフ a)】。研修よりも日本本社の実務を経験

させることによる能力開発に注力していることがわかる。多くの現法を日本本社以

外の人材に委ねているステージにおいても、日本本社が主導権を持って育成に関与

することの重要性がうかがえる。

a)日本本社の関係部門への出向や業務研修への派遣

38%

38%

25%

25%

50%

13%

25%

38%

50%

50%

100%

50%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

b)日本本社における、リーダーシップ開発やマネジメントに関する研修への派遣

13% 38%

38%

25%

50%

100%

63%

100%

75%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

Page 32: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

28

(ウ)現地人材のキャリアアップの仕組み 「伸長度大」において、国籍・採用地不問のサクセションプランを実施している

企業が6割以上に上る。今後はその割合がさらに増えるとともに、「日本人のみ」と

回答した企業がなくなることに注目すると、国籍・採用地に関わらない人材登用の

動きが加速していくことは間違いない【グラフ a)】。 また、現時点で外国人をポスト登用している企業は「伸長度大」において4社中

3社の割合に上っており、外国人に対してキャリアの門戸は開かれていると言える

【グラフ b)】。 a)日本本社や現法の重要な幹部ポストのサクセションプラン(後継者育成計画)の

対象者(現状および今後の予定)

63%

75% 13%

13%

50%

50%

25%

50%

13%

50%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

日本人および外国人(日本本社採用・現法採用は不問)

日本人および外国人(日本本社採用のみ)

日本人のみ

誰にも実施していない/実施する予定はない

今後

現状

b)外国人のポスト登用

75% 25%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

登用している 登用に向けて準備中 登用するか検討中 登用する予定はないまたは未検討

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29

(エ)日本本社社員の採用および育成に関する工夫

エ-1 日本本社社員の新卒採用に関する取組 「伸長度小」においては、全ての施策について実施されておらず、「伸長度大」と

の差異は明確である。しかし、「語学力の選考基準化」については、「伸長度大」に

おいても実施している企業は皆無であり、「実施する予定はないまたは未検討」も8

割以上であった。 これにはいくつかの理由が考えられる。例えば、ステージⅲ以上になるとグロー

バル企業としての知名度が高まり、選考基準化をしなくても語学力のある人材が確

保できること、もしくは、重要なのは積極性や交渉力、異文化理解力等なのであり、

語学力ではないという考え方があることなどである。

86%

43%

57%

14%

14%

17%

14%

14%

100%

29%

100%

29%

100%

83%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

海外留学経験者や帰国子女を対象としたPR

海外で活躍する若手・中堅社員の

姿の紹介

語学力の選考基準化

海外赴任を期待していることのPR(就職説明会や募集要項等)

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30

エ-2 日本本社社員の育成に関する取組 「伸長度小」では、全ての施策について実施されておらず、「伸長度大」との差異

は明確である。 「伸長度大」の結果において印象的なのは、「日本から現法への異動の積極化」に

おいて対象階層が低くなるほど実施率が高く、若手社員対象では4社中3社の割合

に上ることである【グラフ a)】。これはステージⅰ、ⅱでは見られなった結果である

(p9、p 15 参照)。ここから示唆されることとしては、できるだけ早いうちから、研

修以上に現地の実務を経験させることを重視し、海外での仕事のやり方や文化、言

語を学ばせることが効果的だということである。

a)日本から現法への異動の積極化

50%

63%

75%

13%

50%

13%

38%

50%

25%

100%

25%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

b)海外研修(ビジネススクールや語学学校等への派遣)

38%

50%

50%

13%

13%

25%

25%

13%

25%

100%

25%

100%

25%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

Page 35: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

31

c)企業内研修(国際ビジネス知識や異文化コミュニケーション等)

25%

38%

50%

13% 38%

38%

25%

25%

100%

25%

100%

25%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

d)自己啓発に関する費用補助(語学学校への通学や通信教育等)

50%

75%

75%

13%

13%

25%

38%

100%

13%

100%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

Page 36: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

32

e)昇格・昇進基準への語学力指標(TOEIC 等)の導入

38%

13%

13%

13%

25%

13%

50%

100%

63%

100%

75%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

f)優秀人材に対する特別な配属先の設定や教育機会の付与

25%

25%

25%

38%

38%

50%

38%

100%

38%

100%

25%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

中堅社員

若手社員

管理職

Page 37: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

33

(オ)日本本社・現法間の人事制度の共通化 オ-1 日本本社・現法間の等級制度の共通化

伸長度の大小に関わらず、等級制度を共通化している企業はほとんど見られなか

った。しかし、「伸長度大」においては「共通化するか検討中」の割合が多く、課題

意識を持っていることがうかがえる。必要性を感じるものの、実現に困難があるこ

とが推測される【グラフ a)】。 困難の内容を知る手がかりとして、「共通化する予定はないまたは未検討」と回答

した企業のその理由を見てみると、「現法の独立性を重視しているため」「各国事情

を優先しているため」というものであった。これらは2つの意味に解釈できる。 1つは、人材マネジメントの基本方針の共有化と同様に、現法との擦り合わせが

難しく、独立性や各国事情を重視・優先「せざるを得ない」ということである。こ

れが、「共通化する」という意思決定を躊躇させる要因でもあるとすれば、「共通化

するか検討中」と回答した企業にも通じる困難なのではないかと推測される。伸長

度の大小に関わらず、日本本社で半数を占める職能資格制度が、現法では皆無であ

ることも象徴的である【グラフ b)、c)】。社員の格付けの軸を能力とするか、役割ま

たは職務とするかという考え方に隔たりが大きいことが考えられる。 もう1つの解釈は、現法任せでうまくマネジメントできているため、共通化する

必要性を感じないということである。しかし、現在うまくいっていることが継続す

る保証はない。次世代の現法トップマネジメントを務めうる人材を明確にし、その

中から登用するという仕組みが必要であろう。「伸長度小」の企業では、こうした課

題意識が高くない可能性がある。

a)日本本社・現法間の等級制度の共通化

13% 63%

75%

50%

25%

100%

25%

100%

50%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

共通化している 共通化に向けて準備中 共通化するか検討中 共通化する予定はないまたは未検討

管理職

一般社員

経営トップや役員クラス

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34

b)日本本社の等級制度

<経営トップや役員クラス> 【伸長度大】 【伸長度小】

<管理職> 【伸長度大】 【伸長度小】

<一般社員> 【伸長度大】 【伸長度小】

わからない0%

等級制度はない13%

職能資格制度74%

職務等級制度0%

役割等級制度13%

職能資格制度49%

わからない0%

職務等級制度0%

役割等級制度38%

等級制度はない13%

職能資格制度49%

わからない0%

職務等級制度0%

役割等級制度13%

等級制度はない38%

職能資格制度50%

わからない50%

職務等級制度0%

役割等級制度0%

等級制度はない0%

職能資格制度50%

わからない50%

職務等級制度0%

役割等級制度0%

等級制度はない0%

職能資格制度50%

わからない50%

等級制度はない0%

職務等級制度0%

役割等級制度0%

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35

c)現法の等級制度

<経営トップや役員クラス> 【伸長度大】 【伸長度小】

<管理職> 【伸長度大】 【伸長度小】

<一般社員> 【伸長度大】 【伸長度小】

職能資格制度0%

わからない25%

職務等級制度13%

役割等級制度13%

等級制度はない49%

職能資格制度0%

わからない25%

職務等級制度13%

役割等級制度13%

等級制度はない49%

わからない25%

職能資格制度0%

職務等級制度13%

役割等級制度13%

等級制度はない49%

わからない100%

職能資格制度0%

等級制度はない0%

役割等級制度0%

職務等級制度0%

わからない100%

職能資格制度0%

等級制度はない0%

役割等級制度0%

職務等級制度0%

わからない100%

職能資格制度0%

等級制度はない0%

役割等級制度0%

職務等級制度0%

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36

オ-2 日本本社・現法間の評価制度の共通化 「共通化している」と回答した企業は、経営トップや役員クラスにおいて、「伸長

度大」の 13%にとどまった。しかし、等級制度の共通化と同様に、「伸長度大」では

「共通化するか検討中」が多く、課題認識を持っていることがうかがえる。

13% 13% 50%

63%

25%

25%

100%

38%

100%

75%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

共通化している 共通化に向けて準備中 共通化するか検討中 共通化する予定はないまたは未検討

管理職

一般社員

経営トップや役員クラス

オ-3 評価情報等に関するデータベースの整備 「整備が完了している」と回答した企業は、「伸長度大」で 13%、「伸長度小」で

皆無だった。伸長度の大小に関わらず、「整備する予定」、「整備するか検討中」と回

答した割合は半数以上であることから、関心の高い施策であることは間違いない。

世界に散らばる人材の評価情報等を日本本社で把握できるシステムの整備は、能力

の可視化をより推進すると考えられる。

13% 25%

50%

50% 13%

50%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

伸長度 大

伸長度 小

整備が完了している 整備する予定 整備するか検討中 整備する予定はないまたは未検討

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37

3 その他の特筆すべき調査結果 ここでは、「2 仮説と検証」の枠組みには該当しないものの、分析の中で発見した特筆

すべき調査結果について付記したい。

● 日本本社・現法間の人材マネジメント基本方針の共有 「共有している」と回答する企業は、当初ステージⅲ以上で最も多くなると考え

ていたが、全項目でステージⅰが最多であった。これは意図的な施策の表れという

よりは、駐在員という、いわば「日本本社の分身」が現法をマネジメントしているた

め、自然と共有できていると認識されているものと思われる。

21%

15%

9%

33%

11%

8%

3%

22%

16%

15%

6%

25%

15%

24%

11%

30%

23%

26%

31%

20%

8%

26%

17%

17%

31%

26%

6%

26%

15%

41%

19%

23%

15%

29%

22%

47%

54%

41%

50%

32%

54%

29%

28%

41%

62%

38%

36%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

共有している 共有に向けて準備中 共有するか検討中 共有する予定はないまたは未検討

人材の処遇(評価、報酬など)

人材の確保(採用、選抜など)

人材の育成(研修、OJTなど)

● 日本本社・現法間の等級制度の共通化について ステージに関わらず、「共通化している」と回答した企業は少なかった。「共通化

する予定はないまたは未検討」の理由としては、「ローカル色が強い」「業務や職責

の比較ができない」「現法独自の給与体系がある」「各国事情がある」というものが

挙げられた。各国で異なる考え方を統合するのに困難があることがうかがえる。 「共通化している」と回答する企業は、当初ステージⅲ以上かつ「伸長度大」で

最も多くなると考えていたが、ステージⅰかつ「伸長度小」が最多であり、これら

の企業の全てが日本本社の職能資格制度を現法にも適用していた。職務価値を等級

の軸に置く海外の考え方と適合しづらい職能資格制度では、現法社員の的確な格付

けを行いにくく、結果として優秀社員を活用しづらい可能性があることが示唆され

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38

る。ステージⅱかつ「伸長度大」の企業の「共通化する予定はないまたは未検討」

の理由に、「日本の職能等級制度は現法に馴染まない」というものが挙げられていた

ことも付記しておきたい。

13%

13%

8%

8%

15%

24%

9%

8%

15%

24%

7%

8%

24%

11%

31%

15%

15%

11%

23%

15%

15%

8%

15%

15%

33%

63%

31%

54%

38%

24%

37%

75%

46%

54%

38%

24%

31%

50%

38%

69%

31%

12%

43%

25%

100%

31%

23%

31%

53%

43%

25%

100%

31%

23%

31%

53%

54%

50%

100%

46%

31%

46%

65%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

全体

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

全体

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

伸長度 大

伸長度 小

共通化している 共通化に向けて準備中 共通化するか検討中 共通化する予定はないまたは未検討

一般社員

経営ト

ップや役員クラス

管理職

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

:全て職能資格制度

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39

4 まとめと提言 ステージによってグローバル展開を成功に導く主要な人材は異なる。その人材を的確に

捉えて「採用→育成→維持」という流れ―「人材パイプライン」―をつくる施策を実施し

ている企業が、グローバル展開に成功していることが判明した。まずは、自社のグローバ

ル展開を支える「主要な人材」を正確に認識することが肝要である。 グローバル展開に成功している企業でも、採用や育成に関する施策に比べて、等級・評

価といった人事制度の共通化の実施率は低い。しかし、「共通化に向けて準備中」「共通化

するか検討中」と回答した企業も多いことから、その必要性を感じていることがわかった。

共通化まで踏み込めない理由としては、「ローカル色が強い」「業務や職責の比較ができな

い」「現法独自の給与体系がある」「各国事情がある」が挙げられており、各国で異なる考

え方を統合するのに困難があることがうかがえた。 人材マネジメント基本方針の共有や人事制度の共通化は、社員の能力を可視化すること

による適材適所の実現や、企業理念・価値観の共有といった観点から有益であると考えら

れる。実際に大手の日本企業が取り組みを始めている(富士フイルムや日立、富士通、JXなど)。一方で、例えば等級制度において日本本社の職能資格制度をそのまま現法に適用す

る等、日本のスタンダードをそのまま移植している企業はグローバル展開に成功している

とは言えなかったことから、共通化においては世界のスタンダードとの適合性を十分に検

討する必要があることが示唆された。 人材マネジメント基本方針の共有や人事制度の共通化に関する取り組みが成果として表

れるまでには今暫く時間が必要である。しかし、世界に散らばる様々な人材の活用を促す

基盤と言えるこれらの施策が、日本企業を次なるグローバル展開のステージへと押し上げ

る可能性は十分にあるだろう。

以上

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Ⅱ 資料編

調査票の設問番号順に調査結果を掲載。全体および各ステージの社数は次の通り。

(社)

全体(ステージ計) 87

ステージⅲ以上 13 ステージⅱ 34 ステージⅰ 36 無回答 4

なお、自由記述の設問を除いていることや、1つの設問で複数の内容を尋ねることがあ

るため、設問番号がとぶ場合や、複数表れる場合がある。

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42

Q1 現法の数 調査企業全体で、「10 社未満」が最多の 64%を占めている。ステージが進むほど多くの

現法を抱える割合が高くなる。 現法の数が多くなるほど、日本本社からの駐在員のみによるマネジメントに限界が生じ

るため、現地人材の活用と権限委譲が必要になるものと思われる。

2%

8%

3%

7%

15%

9%

3%

27%

23%

26%

31%

64%

54%

62%

67%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

100社以上 50社以上100社未満 10社以上50社未満 10社未満

Q2 最初の現法を設立した年代 いずれのステージの企業においても、過半数が最初の現法を設立してから 20 年以上の歴

史を有するが、ステージが進むほどその歴史が長い傾向がある。 最初の現法設立から時間をかけて、ステージの段階を徐々に上げていっていると推測で

きる。

40%

46%

38%

39%

26%

31%

35%

17%

13%

8%

12%

17%

16%

15%

12%

17%

6%

3%

11%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

1970年代以前 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代

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43

Q3 最重要地域 調査企業全体では、アジアを最重要地域とする傾向が強いが、ステージが進むにつれ、

北米や欧州を最重要視する傾向が高まる。また、アジアを最重要地域とする傾向はステー

ジが低いほど高くなる。 Q2 で見たようにステージが進んだ企業ほど早くから海外進出しており、当時魅力の大き

かった北米や欧州を今でも重視している一方、ステージが進んでいない企業では、近年急

激に市場規模を拡大しているアジアを重視していることがうかがえる。

17%

38%

21%

6%

77%

38%

73%

94%

3%

15%

3%

8%

1%4%1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

北米 中南米 アジア オセアニア 欧州 中東 アフリカ

Q4 現法のトップマネジメントを担う人材 調査企業全体で、「ほぼ全ての現法が日本本社の人材」と「多くの現法が日本本社の人材

だが、一部の現法は現地人材」の合計が 84%を占める。 多くの日本企業のグローバル展開は、日本本社の人材によって進められており、現地人

材や第三国人材の活用が進んでいないことがうかがえる。 ※この設問の回答によって回答企業のステージを定義しているため、ステージⅰ、ⅱは特定の

選択肢で 100%となる。

8% 54% 38%

41%

100%

43%

100%

1% 8% 6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

ほぼ全ての現法が、日本本社、現地、第三国の中での最適な人材

多くの現法が現地人材だが、一部の現法は日本本社、現地、第三国の中での最適な人材

ほぼ全ての現法が現地人材

多くの現法が日本本社の人材だが、一部の現法は現地人材

ほぼ全ての現法が日本本社の人材

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44

Q5 現法のトップマネジメント(日本本社からの駐在員)の日本本社での階層 調査企業全体で、部長クラスが過半数を占めているが、ステージⅰの方が役員クラスや

部長クラスの割合は下がり、課長クラスの割合が高くなる。 ステージが進んでいない企業ほど現法の有する機能も高度化していないため、トップマ

ネジメントの日本本社における階層も低くなる傾向があると推測される。

25%

30%

17%

58%

64%

56%

15%

6%

25%

1%

3%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

役員クラス 部長クラス 課長クラス 非管理職クラス

※この設問は、ステージⅲ以上の企業は回答対象外 Q6 現法のトップマネジメント人材(外国人含む)の充足状況 調査企業全体で、80%程度の企業が不足を感じているが、ステージⅲ以上の企業では「概

ね充足」と感じる企業が相対的に多数を占める。ステージが進むほど、充足感も高くなる

傾向がある。 ステージが進んだ企業では、高度な機能を有する現法を経営していけるだけの人材を継

続的に調達・育成する仕組みがより整備されているものと推測できる。

2%

6%

19%

38%

21%

6%

50%

31%

53%

56%

26%

23%

26%

28%

3%

8%

6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

充足している 概ね充足している やや不足している 大いに不足している わからない

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45

Q7 日本本社・現法間の人材マネジメント基本方針の共有 調査企業全体で、確保・育成・処遇のいずれにおいても「検討中」または「予定なし/

未検討」が過半数を占めている。また、確保・育成・処遇のいずれも「共有している」ま

たは「準備中」の割合が最も高いのはステージⅰの企業であり、合計で 40%以上を占めて

いる。 日本本社からの人材がトップマネジメントとなる場合が多いステージⅰは、日本本社の

方針を現法と共有しやすい一方、ステージが進むほど現地や第三国の人材を活用する割合

が高まるため、確保・育成・処遇に関しても現法の独立性が高まり、独自の方針をもつ傾

向にあるものと推測される。

21%

15%

9%

33%

11%

8%

3%

22%

16%

15%

6%

25%

15%

24%

11%

30%

23%

26%

31%

20%

8%

26%

17%

17%

31%

26%

6%

26%

15%

41%

19%

23%

15%

29%

22%

47%

54%

41%

50%

32%

54%

29%

28%

41%

62%

38%

36%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

共有している 共有に向けて準備中 共有するか検討中 共有する予定はないまたは未検討

人材の処遇(評価、報酬など)

人材の確保(採用、選抜など)

人材の育成(研修、OJTなど)

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46

Q8 グローバル展開に必要な人材の確保(日本本社内) 調査企業全体で 84%の企業が不足を感じている(「やや不足」と「大いに不足」の合計)

が、企業のグローバル展開のステージが進むほど、必要な人材の充足度が増している。 日本本社内に必要な人材が充足しているという基盤があってこそ、現法への権限委譲を

進められるという構図が見て取れる。

2%

8%

3%

10%

23%

12%

6%

52%

46%

50%

50%

32%

23%

29%

42%

3%

6%

3%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

充足している 概ね充足している やや不足している 大いに不足している わからない

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47

Q9 日本人の新卒採用に関する取組 調査企業全体で、「海外赴任を期待していることのPR」を実施している企業の割合が

81%と高い。ステージⅲ以上の企業の特徴として、「海外で活躍する若手・中堅社員の姿の

紹介」「語学力の選考基準化」を実施している企業の割合が、ステージⅰ、ⅱに比べて高い。 ステージⅲ以上の企業では、日本本社の新入社員の大多数に対し、キャリアの初歩段階

からグローバル関連業務に従事することを想定しているものと推測される。「海外で活躍す

る若手・中堅社員の姿の紹介」「語学力の選考基準化」といった取組は、業務実態に関する

入社予定者の認識ギャップを埋める効果があると思われる。

81%

75%

84%

77%

34%

25%

34%

37%

45%

58%

38%

49%

11%

18%

16%

6%

5%

3%

9%

8%

8%

6%

11%

14%

8%

19%

11%

13%

9%

13%

14%

1%

3%

19%

8%

25%

20%

20%

28%

17%

27%

34%

26%

13%

25%

13%

11%

39%

58%

34%

31%

20%

33%

16%

23%

49%

73%

38%

54%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

海外で活躍する若手・中堅社員の

姿の紹介

語学力の選考基準化

海外赴任を期待していることのPR(就職説明会や募集要項等)

海外留学経験者や帰国子女を対象としたPR

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48

Q10 外国人の新卒採用に関する取組 調査企業全体で、「日本への留学生を対象とした就職説明会」を実施している企業の割合

が 58%と高い。「インターンシップの受入」「日本語要件を緩和した選考」を実施している

企業の割合は、ステージⅲ以上の企業の方が高い。 「インターンシップの受入」「日本語要件を緩和した選考」は、他の取組に比べてハード

ルが高いと思われるが、こうした取組を行うだけの、現地の文化や風土を許容する日本本

社内の体制があるものと推察される。

58%

50%

63%

56%

11%

7%

15%

30%

40%

26%

31%

18%

10%

19%

23%

20%

20%

19%

23%

21%

30%

11%

27%

3%

7%

3%

10%

4%

6%

7%

8%

5%

10%

8%

6%

10%

7%

4%

5%

4%

8%

15%

10%

15%

20%

24%

20%

26%

27%

23%

20%

22%

23%

30%

40%

37%

19%

26%

20%

26%

27%

21%

20%

26%

15%

23%

40%

15%

24%

62%

70%

63%

58%

41%

40%

44%

38%

47%

40%

44%

50%

48%

50%

48%

46%

53%

50%

59%

50%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

インターンシップの受入

通年採用の実施

外国語表記バージョンを設ける等

HPでのPRの工夫

日本語要件を緩和した選考

日本への留学生を対象とした就職説明会

海外の大学における就職説明会

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49

Q11 国際ビジネス経験が豊富な人材の中途採用の予定 調査企業全体で、「日本人、外国人ともに採用する予定」とする企業の割合が過半数とな

っている。ステージⅲ以上の企業では、ステージⅰ、ⅱの企業に比べて、外国人を採用す

るか、日本人を採用するかを明確にする企業の割合が高い。 ステージⅲ以上の企業では、獲得したい人材がより明確になっているものと想定できる。

55%

50%

55%

61%

4%

8%

3%

16%

17%

15%

14%

25%

25%

27%

25%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

日本人、外国人ともに採用する予定

外国人は採用する予定だが、日本人は採用する予定はない

日本人は採用する予定だが、外国人は採用する予定はない

日本人、外国人ともに採用する予定はない

Q12 外国人採用の目的 調査企業全体で、過半数の企業が「海外との取引に関する目下の業務を担ってもらう」

ことを目的としている。ステージⅲ以上の企業では、ステージⅰ、ⅱの企業に比べて、「将

来の現法経営幹部を担ってもらう」ことを目的とする企業の割合が相対的に高い。また、

44%を占める「その他」の内容は、「日本人/外国人の区別なく採用している」というもの

が大半であった。 ステージⅲ以上の企業では、日本本社で外国人社員を業務に従事させる目的を、長期的

な時間軸で捉えているものと思われる。

13%

11%

20%

8%

55%

22%

56%

67%

20%

22%

16%

21%

12%

44%

8%

4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

日本本社社員のグローバル意識を高めるため

海外との取引に関する目下の業務を担ってもらうため

将来の現法経営幹部を担ってもらうため

その他

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50

Q13 外国人社員の3年以内離職率 日本本社で業務に従事する外国人社員の 3 年以内の離職率は、25%未満とする企業が調

査企業全体で 84%となっている。グローバル展開のいずれのステージの企業でも、80%以

上の企業が離職率を 25%未満としており、大きな差異は見られない。

84%

80%

88%

80%

9%

10%

12%

8%

5%

10%

8%

2%

4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

25%未満 25%以上50%未満 50%以上75%未満 75%以上

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51

Q14 外国人社員の主な離職理由 調査企業全体で、「日本の文化、日本本社での働き方への不適応」「キャリアパスに対す

る不満」の順で多い。ステージⅲ以上の企業では、ステージⅰ、ⅱの企業に比べて、「キャ

リアパスに対する不満」を離職理由とするケースが相対的に少ない。 ステージⅲ以上の企業では、外国人社員のキャリアパスにグラスシーリングがないもの

と推測される。

18

15

5

5

12

4

1

1

1

0

6

8

1

1

5

6

6

3

3

6

0 10 20

日本の文化、日本本社での働き方への不適応

キャリアパスに対する不満

賃金に対する不満

採用当初から3年以内に帰国する意向だった

その他

日本の文化、日本本社での働き方への不適応

キャリアパスに対する不満

賃金に対する不満

採用当初から3年以内に帰国する意向だった

その他

日本の文化、日本本社での働き方への不適応

キャリアパスに対する不満

賃金に対する不満

採用当初から3年以内に帰国する意向だった

その他

日本の文化、日本本社での働き方への不適応

キャリアパスに対する不満

賃金に対する不満

採用当初から3年以内に帰国する意向だった

その他

ステー

ジⅰ

ステー

ジⅲ以上

ステー

ジⅱ

全体

(2つまで選択可。単位は社数)

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52

Q15 外国人社員が働きやすい環境を整備するための取組 調査企業全体で、「メンター等による仕事面、生活面のサポート」を行う企業の割合が、

他の選択肢に比べて高い。ステージⅲ以上の企業では、ステージⅰ、ⅱの企業に比べて、「日

本語や日本文化に関する教育」「周囲の日本人社員向けの異文化教育」については同率程度

の企業が実施しているのに対し、「日本人社員以上にきめ細かいキャリア面談の実施」を行

っている企業はない。 ステージⅲ以上の企業では、Q14 でも述べたとおり、グラスシーリングがなくキャリア

展望を描きやすいため、キャリア面談を行う必要性が低いものと思われる。

16%

11%

15%

16%

15%

8%

25%

24%

11%

19%

32%

13%

11%

15%

12%

17%

11%

23%

16%

2%

4%

8%

8%

12%

3%

11%

4%

6%

15%

9%

11%

12%

5%

11%

4%

4%

5%

22%

4%

16%

12%

24%

29%

11%

27%

33%

27%

22%

23%

32%

23%

11%

19%

28%

22%

11%

23%

28%

17%

11%

19%

20%

60%

89%

65%

48%

53%

78%

62%

42%

43%

67%

42%

36%

55%

78%

56%

48%

56%

67%

50%

52%

76%

67%

73%

80%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

メンター等による仕事面、生活面の

サポート

周囲の日本人社員向けの

異文化教育

労働時間削減や有給休暇取得奨励など、日本本社の働き方を国際基準に近づける

取組

会議、メール等の国際共通語化

日本語や日本文化に関する教育

日本人社員以上にきめ細かい

キャリア面談の実施

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53

Q16 現法の優秀社員を発掘するための取組 調査企業全体で、「日本本社での研修開催および研修中の言動観察」を行う企業の割合が、

他の選択肢に比べて高い。ステージⅲ以上の企業では、ステージⅰの企業に比べて、「現法

での人事評価や職務経歴情報の参照」については同率程度の企業が実施しているのに対し、

他の施策を実施する企業の割合は低い。 ステージⅲ以上の企業では、日本本社のスタッフによる評価以上に、現法における評価

を重視する傾向がうかがえる。信頼のおける現法の評価制度が基盤にあるものと推測され

る。

18%

23%

6%

23%

22%

15%

18%

26%

29%

15%

30%

34%

19%

15%

9%

28%

16%

8%

21%

17%

16%

8%

18%

20%

7%

6%

11%

5%

3%

8%

24%

23%

33%

17%

19%

15%

24%

17%

19%

15%

33%

6%

23%

8%

36%

14%

42%

46%

39%

43%

42%

62%

39%

37%

45%

69%

30%

49%

53%

77%

52%

50%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

日本本社での研修開催および

研修中の言動観察

日本本社人事部スタッフの派遣による直接観察

現法での人事評価や職務経歴情報

の参照

現法の上司による推薦情報の収集

Page 58: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

54

Q17 日本本社の社員のグローバル人材としての育ち度合い 調査企業全体では、育っていない(「あまり育っていない」と「ほとんど育っていない」

の合計)とする企業が 90%に達する。ステージⅲ以上の企業では、育っていないと回答す

る企業が 69%と低減する。 Q8 と同様に、日本本社の社員が育っているという基盤があってこそ、現法への権限委譲

を進められるという構図が見て取れる。

9%

23%

6%

8%

64%

38%

73%

64%

26%

31%

21%

28%

1%

8%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

十分に育っている 概ね育っている あまり育っていない ほとんど育っていない わからない

Q18 現法の社員のマネジメント人材としての育ち度合い 調査企業全体では、育っていない(「あまり育っていない」と「ほとんど育っていない」

の合計)とする企業が 70%に達する。ステージⅲ以上の企業では、育っていないと回答す

る企業が 54%と低減する。また、日本本社の社員のグローバル人材育成に比べて、「概ね育

っている」とする企業の割合が、グローバル展開のいずれのステージの企業でも、高い傾

向にある。 ステージが進んだ企業では現地人材に対する教育体制が整っていると推察される。また、

日本本社の社員との育ち度合いに関する差は、会社が社員に対して抱く期待値の違いを表

していると考えられる。

19%

31%

21%

14%

53%

46%

58%

50%

17%

8%

15%

22%

10%

15%

6%

14%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

十分に育っている 概ね育っている あまり育っていない ほとんど育っていない わからない

Page 59: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

55

Q19 各階層の日本本社社員に対する育成施策 調査企業全体で、「日本から現法への異動の積極化」【グラフ a)】、「自己啓発に関する費

用補助」【グラフ d)】は、半数程度の企業がどの階層においても実施している。「日本から

現法への異動の積極化」は、ステージⅲ以上の企業では、下位の階層であるほど、実施率

が高いのに比べ、ステージⅱ以下の企業では、上位の階層であるほど実施率が高い。また、

「企業内研修」【グラフ c)】については、中堅社員、若手社員を見るとステージⅲ以上の企

業の方が、ステージⅰ、ⅱの企業に比べて、実施割合が高い。 ステージⅲ以上の企業では、若手・中堅の人材に積極的に現法での業務経験をさせ、そ

のサポートを企業内研修という形式で行うことで、グローバル人材への育成を狙っている

ものと考えられる。一方で、ステージⅰ、ⅱの企業においては、人材の育成面以上に現法

で即戦力として活躍できる管理職層を配置面で重視していることが考えられる。

a)日本から現法への異動の積極化

59%

54%

47%

69%

53%

62%

41%

58%

43%

69%

26%

47%

7%

9%

6%

11%

15%

11%

15%

24%

14%

15%

15%

18%

14%

17%

8%

21%

19%

19%

24%

19%

20%

31%

26%

11%

18%

31%

24%

11%

23%

31%

26%

19%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

若手社員

管理職

中堅社員

Page 60: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

56

b)海外研修(ビジネススクールや語学学校等への派遣)

16%

9%

26%

36%

38%

24%

46%

40%

46%

29%

46%

15%

31%

9%

14%

8%

8%

9%

6%

9%

8%

12%

9%

20%

23%

21%

20%

21%

23%

29%

14%

20%

15%

26%

17%

49%

46%

62%

40%

35%

31%

38%

34%

31%

31%

32%

29%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

若手社員

管理職

中堅社員

c)企業内研修(国際ビジネス知識や異文化コミュニケーション等) 23%

23%

15%

28%

30%

38%

26%

28%

40%

46%

41%

33%

13%

8%

18%

11%

10%

15%

11%

9%

12%

11%

25%

31%

18%

28%

31%

31%

29%

31%

27%

23%

26%

28%

39%

38%

50%

33%

29%

31%

29%

31%

24%

31%

21%

28%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

若手社員

管理職

中堅社員

Page 61: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

57

d)自己啓発に関する費用補助(語学学校への通学や通信教育等)

65%

38%

64%

72%

67%

54%

59%

75%

67%

54%

59%

75%

5%

9%

3%

5%

9%

3%

6%

12%

3%

10%

15%

18%

3%

10%

15%

18%

3%

10%

23%

15%

3%

20%

46%

9%

22%

18%

31%

15%

19%

17%

23%

15%

19%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

若手社員

管理職

中堅社員

e)昇格・昇進基準への語学力指標(TOEIC 等)の導入

22%

31%

21%

19%

16%

8%

24%

11%

17%

8%

24%

14%

5%

6%

3%

5%

3%

6%

3%

3%

3%

22%

15%

21%

25%

26%

23%

26%

28%

25%

15%

24%

31%

52%

54%

53%

53%

53%

69%

47%

56%

54%

77%

50%

53%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

若手社員

管理職

中堅社員

Page 62: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

58

f)優秀人材に対する特別な配属先の設定や教育機会の付与

28%

31%

21%

33%

25%

23%

24%

28%

23%

23%

24%

22%

10%

21%

3%

8%

12%

6%

9%

12%

8%

23%

23%

29%

17%

25%

23%

32%

19%

28%

31%

35%

19%

39%

46%

29%

47%

41%

54%

32%

47%

40%

46%

29%

50%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

若手社員

管理職

中堅社員

Page 63: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

59

Q20 各階層の現法社員に対する育成施策 調査企業全体では、「日本本社における、リーダーシップ開発やマネジメントに関する研

修への派遣」【グラフ b)】に比べて、「日本本社の関係部門への出向や業務研修への派遣」【グ

ラフ a)】を実施する企業が多い。この施策は、ステージⅲ以上の企業においては、若手社

員より管理職、中堅社員に対して実施する傾向にあるのに対し、ステージⅰ、ⅱの企業で

は若手社員に対してより重点的に実施する傾向が高い。 ステージⅲ以上の企業では、現法の管理職や中堅社員に対し、研修で育成を行うだけで

はなく、日本本社での管理職、中堅社員としてのポストを用意する等、現法の人材をトッ

プマネジメントへ育成するための施策がより推進されているものと考えられる。結果とし

て、Q21 から分かるように、ステージⅲ以上の企業では、62%の企業が外国人を現法のト

ップマネジメントや日本本社のマネジャーとして登用しており、ステージⅰ、ⅱの企業に

比べてその比率が高い。

a)日本本社の関係部門への出向や業務研修への派遣

23%

31%

15%

29%

31%

31%

29%

33%

34%

23%

32%

41%

7%

6%

11%

9%

9%

14%

6%

6%

9%

21%

23%

32%

9%

21%

15%

32%

11%

21%

23%

29%

12%

49%

46%

47%

51%

39%

54%

29%

42%

39%

54%

32%

38%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

若手社員

管理職

中堅社員

Page 64: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

60

b)日本本社における、リーダーシップ開発やマネジメントに関する研修への派遣

20%

23%

9%

28%

14%

8%

6%

23%

5%

3%

9%

6%

6%

8%

8%

6%

14%

6%

6%

9%

25%

23%

35%

17%

26%

23%

32%

20%

29%

23%

29%

29%

49%

54%

50%

47%

52%

69%

56%

43%

60%

77%

62%

54%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

実施している 実施に向けて準備中 実施するか検討中 実施する予定はないまたは未検討

若手社員

管理職

中堅社員

Q21 現法のトップマネジメントや日本本社のマネジャーへの外国人の登用

39%

62%

48%

19%

11%

9%

17%

20%

15%

12%

28%

31%

23%

30%

36%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

登用している 登用に向けて準備中 登用するか検討中 登用する予定はないまたは未検討

Page 65: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

61

Q22 サクセションプラン(後継者育成計画)の対象者 採用地を不問とする割合は、ステージⅲ以上の企業とステージⅰ、ⅱの企業とを比較す

ると、現状ではステージⅲ以上の企業での割合が高いが、今後に関してはその差異が縮小

する傾向にある。 ステージⅲ以上の企業では、現法で採用した人材に法人の重要なポストを担わせる体制

をこれまでに整えてきたが、今後はステージⅰ、ⅱの企業も同様の人材登用を進めていく

ものと考えられ、グローバル展開のステージをより高いステージへと推進していくことが

想定される。

24%

46%

32%

6%

49%

54%

47%

50%

15%

12%

25%

20%

8%

24%

19%

33%

23%

24%

44%

14%

15%

12%

14%

28%

31%

32%

25%

17%

23%

18%

17%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

日本人および外国人(日本本社採用・現法採用は不問)

日本人および外国人(日本本社採用のみ)

日本人のみ

誰にも実施していない/実施する予定はない

現状

今後

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62

Q23 日本本社から現法への赴任に難色を示す日本人社員 調査企業全体で 40%強の企業が多い傾向にある(「やや多い」と「多い」の合計)と回答

している。ステージⅲ以上の企業では、ステージⅰ、ⅱの企業と比べて、難色を示す社員

が少ない傾向にある。 ステージⅲ以上の企業では、海外で勤務することが人材採用の段階で社員に対し当然と

認識されている度合いが高いものと推測される。

15%

23%

15%

14%

28%

31%

26%

25%

33%

15%

38%

36%

9%

8%

9%

8%

15%

23%

12%

17%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

少ない やや少ない やや多い 多い わからない

Page 67: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

63

Q24 日本本社から現法への赴任に難色を示す理由 調査企業全体で、「家族の事情によるもの(介護や育児など)」「日本を離れることへの抵

抗感によるもの」「赴任先の治安・住環境(生活インフラ等)によるもの」の順で多い。こ

の順序について、グローバル展開のステージによる大きな差異はない。一方で、「赴任中の

待遇によるもの(評価や報酬など)」「帰任後のキャリアに関する不安によるもの」につい

ては、ステージの低い企業の方が、若干だが高い傾向がある。 グローバル展開のステージが進んでいるほど、現地での待遇や現法赴任後のキャリアパ

スについて、制度の整備、社員への周知が進んでいると推測される。

28

25

18

13

12

11

1

3

3

1

2

1

0

0

11

11

8

3

2

4

1

13

9

8

7

8

7

0

0 10 20 30

家族の事情によるもの(介護や育児など)

日本を離れることへの抵抗感によるもの

赴任先の治安・住環境(生活インフラ等)によるもの

赴任中の待遇によるもの(評価や報酬など)

現法の業務や組織への不安によるもの

帰任後のキャリアに関する不安によるもの

その他

家族の事情によるもの(介護や育児など)

日本を離れることへの抵抗感によるもの

赴任先の治安・住環境(生活インフラ等)によるもの

赴任中の待遇によるもの(評価や報酬など)

現法の業務や組織への不安によるもの

帰任後のキャリアに関する不安によるもの

その他

家族の事情によるもの(介護や育児など)

日本を離れることへの抵抗感によるもの

赴任先の治安・住環境(生活インフラ等)によるもの

赴任中の待遇によるもの(評価や報酬など)

現法の業務や組織への不安によるもの

帰任後のキャリアに関する不安によるもの

その他

家族の事情によるもの(介護や育児など)

日本を離れることへの抵抗感によるもの

赴任先の治安・住環境(生活インフラ等)によるもの

赴任中の待遇によるもの(評価や報酬など)

現法の業務や組織への不安によるもの

帰任後のキャリアに関する不安によるもの

その他

ステージⅰ

ステージⅲ以上

ステージⅱ

全体

(複数回答。単位は社数)

Page 68: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

64

Q25 現法から日本本社への赴任を打診した際、難色を示す外国人社員(現法採

用) 調査企業全体で、79%の企業が「わからない」と回答している。一方で、10%程度の企

業がそれぞれ多い傾向(「やや多い」と「多い」の合計)、少ない傾向(「少ない」と「やや

少ない」の合計)と回答し、拮抗している。ステージⅱ以上の企業では、難色を示す外国

人社員が多い企業の割合が相対的に高いのに対し、ステージⅰの企業では難色を示す外国

人社員が少ない企業の割合が相対的に高い。 多くの企業において、現地法人から日本法人への赴任の発生頻度が少なく、判断ができ

ないものと推測される。また、グローバル展開のステージの低い企業ほど、外国人社員が

日本本社に赴任するキャリアパスが用意されているわけではなく、企業の経営の中枢を担

う日本本社への赴任への受け止めが肯定されやすい環境にあるものと推測される。

5%

8%

3%

6%

6%

3%

12%

11%

15%

9%

12%

79%

77%

85%

71%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

少ない やや少ない やや多い 多い わからない

Page 69: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

65

Q26 現法から日本本社への赴任を打診した際、難色を示す理由 外国人社員が日本本社への赴任に難色を示す理由は、調査企業全体で、「現地を離れるこ

とへの抵抗感によるもの」「日本本社の業務や組織への不安によるもの」「家族の事情によ

るもの(介護や育児など)」の順で多い。「現地を離れることへの抵抗感によるもの」につ

いては、ステージの高い企業の方が、若干だが低い傾向がある。 グローバル展開のステージが進んでいるほど、日本人社員とのキャリアパスの差異を感

じにくく、現地を離れることへの抵抗感は薄れるものと推測される。

8

8

7

5

4

2

0

1

2

2

1

1

0

0

3

3

2

2

1

1

0

4

3

3

2

2

1

0

0 10

現地を離れることへの抵抗感によるもの

日本本社の業務や組織への不安によるもの

家族の事情によるもの(介護や育児など)

帰任後のキャリアに関する不安によるもの

赴任先の住環境(物価等)によるもの

赴任中の待遇によるもの(評価や報酬など)

その他

現地を離れることへの抵抗感によるもの

日本本社の業務や組織への不安によるもの

家族の事情によるもの(介護や育児など)

帰任後のキャリアに関する不安によるもの

赴任先の住環境(物価等)によるもの

赴任中の待遇によるもの(評価や報酬など)

その他

現地を離れることへの抵抗感によるもの

日本本社の業務や組織への不安によるもの

家族の事情によるもの(介護や育児など)

帰任後のキャリアに関する不安によるもの

赴任先の住環境(物価等)によるもの

赴任中の待遇によるもの(評価や報酬など)

その他

現地を離れることへの抵抗感によるもの

日本本社の業務や組織への不安によるもの

家族の事情によるもの(介護や育児など)

帰任後のキャリアに関する不安によるもの

赴任先の住環境(物価等)によるもの

赴任中の待遇によるもの(評価や報酬など)

その他

ステージⅰ

ステージⅲ以上

ステージⅱ

全体

(複数回答。単位は社数)

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66

Q27 日本本社の各階層における海外赴任の昇格・昇進要件化 「管理職→役員クラス」「一般社員→管理職」のいずれのパターンにおいても、グローバ

ル展開のステージの差異に関わらず、70%以上が「予定なし/未検討」としている。また、

いずれのパターンとも、「準備中」と「検討中」の合計は、ステージⅱ以下の企業では合計

20%前後であり、ステージⅲ以上の企業(合計 16%)より相対的に多い。 現状では多くの企業で「海外赴任の昇格・昇進要件化」の必要性をまだ認識しておらず、

グローバル人材のキャリア・ステップ開発に対する意識は十分ではないと推測される。一

方で、ステージⅰ、ⅱの企業では、日本本社の人材が海外赴任することが一般化しきれて

おらず、「海外赴任の昇格・昇進要件化」への課題認識が相対的に高いものと推測される。

7%

8%

9%

6%

7%

8%

6%

8%

5%

6%

6%

5%

9%

3%

11%

8%

15%

11%

11%

8%

12%

14%

77%

85%

71%

78%

77%

85%

74%

75%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

要件化している 要件化に向けて準備中 要件化するか検討中 要件化する予定はないまたは未検討

(赴任前)管理職→(赴任後)役員クラス

(赴任前)一般社員→(赴任後)管理職

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67

Q28 日本本社・現法間の等級制度の共通化 調査企業全体で、いずれの階層においても「検討中」と「予定なし/未検討」の合計が 80%

前後を占めている。また、全ての階層において共通化している割合が最も高いのは、ステ

ージⅰの企業だが、役員クラス以上・管理職においては、「共通化している」と「準備中」

の合計ではステージⅰとⅱでほぼ拮抗した割合(25%前後)となる。 日本本社の人材がトップマネジメントとなる場合が多いステージⅰの企業では、日本本

社の職能資格制度をそのまま共通化しているケースが多い一方、ステージが進むにつれ現

法の独立性が高まり、等級制度も独自のものを導入・運用しているケースが多いため、「検

討中」、「予定なし/未検討」の割合が高くなるものと推測される。

13%

8%

6%

19%

9%

3%

19%

7%

17%

11%

21%

6%

11%

18%

6%

8%

9%

6%

33%

54%

35%

25%

37%

62%

41%

25%

31%

38%

44%

17%

43%

38%

38%

50%

43%

38%

38%

50%

54%

62%

47%

61%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

共通化している 共通化に向けて準備中 共通化するか検討中 共通化する予定はないまたは未検討

一般社員

経営トップや役員クラス

管理職

Page 72: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

68

Q30 日本本社の各階層の等級制度 調査企業全体で、全ての階層で職能資格制度の割合が相対的に高く、特に管理職・一般社

員では半数を超えている。また、いずれの階層もステージが低い企業ほど、職務等級制度

の割合が高くなる傾向がみられる。 現状では、いずれの階層も従来からの職能資格制度運用を続けているケースが多いもの

の、ステージが進んでいない企業では、日本本社の機能も生産や販売など比較的限定され

た企業が多いと推測され、業務特性上なじみやすい職務等級制度の導入が進んでいる状況

がうかがえる。

34%

54%

28%

29%

53%

54%

56%

52%

60%

69%

59%

59%

18%

15%

22%

18%

21%

31%

19%

18%

11%

15%

16%

6%

12%

9%

18%

20%

19%

27%

23%

19%

32%

30%

23%

34%

32%

1%

8%

1%

8%

5%

8%

6%

3%

5%

8%

6%

3%

5%

8%

6%

3%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

職能資格制度 役割等級制度 職務等級制度 等級制度はない わからない

一般社員

経営トップや役員クラス

管理職

Page 73: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

69

Q30 現法の各階層の等級制度 調査企業全体で、全ての階層で「等級制度なし」と「わからない」を合計した割合が半

数以上を占めている。また、いずれの階層もステージが低い企業ほど職務等級・役割等級

制度を導入している割合が高く、ステージⅰの企業では全ての階層で職務等級・役割等級

の合計が職能資格の割合を上回っている。 現状では、現法の等級制度に関し十分に把握しきれていない(「等級制度なし」、「わから

ない」)様子がうかがえる。また、ステージが進んでいない企業ほど生産や販売拠点として

の機能に限定された現法が多いと推測され、業務特性上、職務等級・役割等級制度が比較

的なじみやすい傾向があると考えられる。

11%

12%

15%

15%

18%

18%

14%

15%

20%

14%

8%

12%

18%

14%

8%

6%

24%

8%

8%

6%

11%

14%

8%

15%

12%

17%

8%

18%

15%

18%

8%

9%

26%

28%

31%

24%

30%

19%

31%

18%

15%

20%

31%

24%

14%

33%

54%

36%

24%

36%

54%

39%

27%

39%

54%

45%

29%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

職能資格制度 役割等級制度 職務等級制度 等級制度はない わからない

一般社員

経営トップや役員クラス

管理職

Page 74: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

70

Q31 日本本社・現法間の評価制度の共通化 調査企業全体で、いずれの階層も「予定なし/未検討」が半数程度の割合を占めており、

「共通化している」の割合は全ての階層で 20%前後に過ぎない。また、いずれの階層におい

てもステージが低い企業ほど「共通化している」の割合が高い傾向がみられる。 階層に関わりなく、現状ではまだ多くの企業で評価制度を共通化できていない(または

必要性を感じていない)状況がうかがえる。ステージが進んでいない企業では日本本社に

よる人材マネジメントが行き届いている場合が多いと推測される一方、ステージが進むに

つれ現法の独立性が高まり、独自の評価制度を運用しているケースが多くなるものと推測

される。

22%

8%

21%

28%

20%

18%

25%

16%

15%

19%

6%

8%

6%

6%

8%

12%

8%

3%

3%

6%

28%

31%

29%

19%

26%

46%

26%

17%

22%

15%

32%

11%

45%

54%

44%

47%

46%

54%

44%

50%

59%

85%

50%

64%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

共通化している 共通化に向けて準備中 共通化するか検討中 共通化する予定はないまたは未検討

一般社員

経営トップや役員クラス

管理職

Page 75: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

71

Q32 日本本社・現法間の報酬制度の共通化 調査企業全体で、いずれの階層においても「予定なし/未検討」が半数以上の割合を占

めている。「共通化している」の割合は全ての階層で 25%以下だが、階層が高いほど割合が

高い傾向がみられる。また、いずれの階層もステージが進んでいない企業ほど「共通化し

ている」の割合が高い傾向がみられる。 階層に関わりなく、等級制度・評価制度と同様に現状ではまだ多くの企業で報酬制度を

共通化できていない(または必要性を感じていない)状況がうかがえる。やはりステージ

が進んでいない企業では日本本社による人材マネジメントが比較的行き届いている場合が

多いと推測される一方、ステージが進むにつれて現法の独立性が高まり、独自の報酬制度

を運用しているケースが多くなるものと推測される。

25%

8%

26%

28%

20%

18%

25%

16%

15%

19%

5%

8%

6%

3%

5%

9%

3%

2%

3%

3%

17%

8%

24%

14%

18%

15%

21%

17%

18%

29%

14%

53%

77%

44%

56%

57%

85%

53%

56%

63%

100%

53%

64%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

共通化している 共通化に向けて準備中 共通化するか検討中 共通化する予定はないまたは未検討

一般社員

経営トップや役員クラス

管理職

Page 76: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

72

Q33 グローバル人材の評価情報等に関するデータベース 調査企業全体では、「整備が完了している」と「整備する予定」の合計と、「検討中」、「予

定なし/未検討」の割合がほぼ拮抗している。全体および各ステージ別のいずれにおいて

も、60%以上の企業が「検討中」以上の段階にある。 社員の人事情報に関するデータベースについては、ステージの段階に関わりなく整備の

必要性が認識されていると考えられる。また昨今、一部のグローバル人材マネジメント先

進企業の事例が紹介される機会が増しており、少なくとも検討が必要との認識も高まって

いると考えられる。

8%

15%

3%

8%

26%

23%

24%

33%

33%

31%

38%

25%

32%

31%

35%

33%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

整備が完了している 整備する予定 整備するか検討中 整備する予定はないまたは未検討

Page 77: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

73

Q34 日本本社・現法間の人事制度を共通化する目的 人事制度の共通化に関する設問(Q28、Q31、Q32)で、1つでも「共通化している」ま

たは「共通化に向けて準備中」を選択した企業に尋ねている。対象企業全体では、「能力可

視化による適材適所実現」「優秀人材発掘」が同数で最も多く、次いで「勤務地に無関係の

公平性確保」「理念・価値観共有」の順に多く挙げられている。また、特にステージⅰの企

業では、「人材像の認識共有化」「現法の業務管理可視化」もこれらとほぼ同数が挙げられ

ている。 ステージ段階により共通化の目的に目立った傾向の違いはみられない。人事制度の共通

化の目的は、ステージ段階の違いよりも、個々の現法の独立性や日本本社のグローバル人

材マネジメント意識の違いなど、個別事情がより影響するものと考えられる。

14

14

11

10

7

7

2

0

1

0

3

0

0

2

7

5

5

4

2

2

0

6

6

5

2

4

5

0

0 10 20

社員の能力を可視化することによる適材適所の実現

優秀人材の発掘

勤務地に関わりない処遇の公平性の確保

企業理念や価値観の共有

現法の業績管理の可視化

求める人材像に対する認識の共通化

その他

社員の能力を可視化することによる適材適所の実現

優秀人材の発掘

勤務地に関わりない処遇の公平性の確保

企業理念や価値観の共有

現法の業績管理の可視化

求める人材像に対する認識の共通化

その他

社員の能力を可視化することによる適材適所の実現

優秀人材の発掘

勤務地に関わりない処遇の公平性の確保

企業理念や価値観の共有

現法の業績管理の可視化

求める人材像に対する認識の共通化

その他

社員の能力を可視化することによる適材適所の実現

優秀人材の発掘

勤務地に関わりない処遇の公平性の確保

企業理念や価値観の共有

現法の業績管理の可視化

求める人材像に対する認識の共通化

その他

ステージⅰ

ステージⅲ以上

ステージⅱ

全体

(3つまで選択可。単位は社数)

Page 78: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

74

Q36 業種 調査企業全体に比べて、ステージⅰに占める非製造業の割合が高い。非製造業は比較的

海外進出が遅いという特徴を反映しているものと思われる。

70%

69%

76%

61%

30%

31%

24%

39%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

製造業 非製造業

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75

Q37 ア①売上高(国内外子会社、現法等を含めた連結ベース)

9%

8%

12%

8%

2%

3%

26%

25%

26%

28%

17%

8%

18%

19%

34%

42%

29%

33%

12%

17%

12%

11%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

1兆円以上 5000億円以上1兆円未満 1000億円以上5000億円未満

500億円以上1000億円未満 100億円以上500億円未満 100億円未満

Q37 ア②うち海外売上高比率 調査企業全体では、海外売上高比率 25%未満の企業が 60%を占めており、比率が 50%

を超えている企業の割合は合計で 18%である。海外売上高比率が 50%を超える企業の割合

はステージが進むほど高くなり、ステージⅲ以上で 41%、ステージⅱで 24%、ステージⅰ

で 0%である。 海外売上高比率は、現法が生産や販売といった単一機能のみの段階では日本国内を上回

ることはなく、ステージの段階が進み、現法の機能が高度化するにつれて市場としての海

外の位置づけが高まると考えられる。

4%

8%

3%

14%

33%

21%

23%

8%

30%

23%

60%

50%

45%

77%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

75%以上 50%以上75%未満 25%以上50%未満 25%未満

Page 80: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

76

Q37 ア③業界平均と比較した際の、海外売上高比率の直近5年間の伸長率 調査企業全体では、「やや大きい」以上(42%)と「やや小さい」以下(39%)がほぼ拮

抗している。ステージが進むほど「やや大きい」以上の割合が高くなる傾向があり、ステ

ージⅲ以上では 67%を占めている(ステージⅱ:38%、ステージⅰ:36%)。 ステージが進むほど業界平均と比較した伸長率が大きくなる傾向が顕著であり、特にグ

ローバル展開の度合いが進んでいるステージⅲ以上では、同業界と比較し海外売上高の伸

長において多くが優位性を確信できる状況にあると考えられる。

5%

25%

3%

37%

42%

38%

33%

17%

18%

22%

22%

17%

21%

25%

19%

17%

24%

17%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

大きい やや大きい やや小さい 小さい わからない

Page 81: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

77

Q37 イ①従業員数(国内外子会社、現法を含めた連結ベース)

39%

31%

44%

36%

26%

31%

24%

31%

23%

23%

24%

22%

11%

15%

9%

11%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

3000人以上 1000人以上3000人未満 300人以上1000人未満 300人未満

Q37 イ② うち外国人の割合 調査企業全体では、従業員に占める外国人の割合が 25%未満の企業が過半数の 62%を占

めており、50%以上の企業は合計で 24%である。ステージが進むほど外国人の割合が 50%以上の企業の割合が高くなり、ステージⅲ以上では 31%を占める(ステージⅱ:27%、ス

テージⅰ:17%)。 ステージが進むほど外国人の割合が高まる傾向が顕著であり、特にグローバル展開の度

合いが進んでいるステージⅲ以上では、現法数そのものが多いことに加え、現地人材や第

三国人材による日常業務運営が進んでいる状況がうかがえる。

9%

23%

6%

6%

15%

8%

21%

11%

14%

15%

24%

6%

62%

54%

50%

78%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

75%以上 50%以上75%未満 25%以上50%未満 25%未満

Page 82: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

78

Q37 ウ①従業員数(日本本社単体ベース)

21%

15%

21%

22%

23%

23%

21%

25%

34%

46%

41%

25%

22%

15%

18%

28%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

3000人以上 1000人以上3000人未満 300人以上1000人未満 300人未満

Q37 ウ② うち外国人の割合 日本本社単体ベースでは、ステージの段階に関わらず、従業員に占める外国人の割合は

いずれも 25%未満である。 ステージが進んだ企業であっても、日本本社におけるグローバル人材活用による最適人

材配置はまだ進んでいない状況がうかがえる。

99%

100%

100%

100%

1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

75%以上 50%以上75%未満 25%以上50%未満 25%未満

※ステージ無回答の1社のみが「25%以上 50%未満」と回答

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79

Q37 エ①役員数(日本本社単体ベース)

22%

23%

21%

22%

21%

8%

24%

25%

46%

54%

50%

39%

11%

15%

6%

14%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

16人以上 11~15人 6~10人 5人以下

Q37 エ② うち外国人の人数 調査企業全体では、約 90%の企業では日本本社で外国人役員の登用が全く行われていな

い。ステージが進むほど外国人役員の登用自体の比率は高まり、ステージⅲ以上の企業で

外国人役員(1 人以上)を登用する割合は 23%である(ステージⅱ:9%、ステージⅰ:6%)。 ステージが進むほど日本本社での外国人役員の登用自体の比率は高まるものの、欧米の

グローバル企業のように半数以上を外国人役員が占める状況には至っておらず、グラスシ

ーリングの存在が読み取れる。

3%

3%

23%

6%

3%

91%

77%

91%

94%

1%1%7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

3人以上 2人 1人 0人

Page 84: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

80

Q37 オ 資本金(日本本社単体ベース)

9%

15%

9%

8%

24%

8%

29%

22%

17%

15%

12%

22%

38%

54%

35%

36%

11%

8%

15%

11%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

ステージⅲ以上

ステージⅱ

ステージⅰ

500億円以上 100億円以上500億円未満 50億円以上100億円未満

10億円以上50億円未満 10億円未満

以上

Page 85: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

【参考】アンケート用紙

「日本企業のグローバル展開と人材マネジメント」に関するアンケート

本調査結果をお送りする際の送付先について、以下にご記入ください。

貴社名:                                   

住所:(〒     -      )

部署名:

役職:

氏名:

電話番号:

メールアドレス:

本調査結果の送付方法について、ご希望を以下の選択肢から選択し、番号に○をつけてください。

1 2

アンケートへのご記入にあたってのお願い

4) 貴社が持株会社である場合、文中の「貴社」や「日本国内本社」という文言は、「日本国内の傘下子会社全体」に置き換えた上で回答してください。

1)

2)

特に断りのない場合、貴社に当てはまる選択肢の番号1つに○をつけて回答してください。

ご回答者の認識の範囲で回答していただいて構いません。

3)

郵送を希望 メールでの送付を希望

施策の実施状況に関する質問で、「○○する予定」といった予定に関する選択肢がありますが、正式に決まったものでなくても構いません。

ご記入いただいた個人情報は①調査の分析・研究、②分析結果送付以外の用途では決して使用いたしません。

1 ページ

Page 86: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

Ⅰ 貴社のグローバル展開の現状について

★Q1~Q6では、貴社のグローバル展開の現状についてお聞きします。

  なお、文中の「日本本社」とは、国内支社等を含めた国内組織全体を指します。

Q1

1 2 3 4

1 2 3 4

5

Q3

1

2

3

4

5

6

7

Q4

1

2

3

4

5

1 2 3 4

Q2 貴社が 初の現法を設立した年代について、当てはまる番号に○をつけてください。合併、買収や資本参加による場合はその年代をお答えください。

貴社の現法所在地域のうち、 重要地域(売上、生産額等が 大の地域)に当てはまる番号に○をつけてください。

2010年代

オセアニア

1990年代

Q6 現法のトップマネジメントを担う意欲と能力のある人材(外国人含む)は充足していますか。当てはまる番号に○をつけてください。

多くの現法が日本本社の人材だが、一部の現法は現地人材

Q5

ほぼ全ての現法が、日本本社、現地、第三国の中での 適な人材

(Q4で1または2を選択した企業のみ回答してください)主に日本本社のどの階層の社員がトップマネジメントを担っていますか。当てはまる番号に○をつけてください。(○は1つだけ)

非管理職クラス 課長クラス

1980年代

多くの現法が現地人材だが、一部の現法は日本本社、現地、第三国の中での 適な人材

役員クラス部長クラス

中東

ほぼ全ての現法が日本本社の人材

ほぼ全ての現法が現地人材

アフリカ

現法のトップマネジメントを担う人材について、当てはまる番号に○をつけてください。

100社以上

2000年代

50社以上100社未満10社未満 10社以上50社未満

1970年代以前

北米

アジア

中南米

欧州

貴社の海外現地法人(以下、「現法」と略記)の数について、当てはまる番号に○をつけてください。

0

わからない

4 3 2 1

充足して

いる

やや不足し

ている

大いに不足し

ている

概ね充足し

ている

2 ページ

Page 87: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

Ⅱ 日本本社をグローバル化する取組について

 1 人材マネジメント基本方針の共有について

Q7

a)

b)

c)

 2 人材の確保について

a)

b)

c)

d)

e)

f)

Q8 グローバル展開を進める上で必要な人材を確保できていますか。当てはまる番号に○をつけてください。

a)~c)の人材マネジメントに関する日本本社・現法間の基本方針の共有状況について、当てはまる番号に○をつけてください。

日本人の新卒採用に関するa)~e)の取組について、当てはまる番号に○をつけてください。

日本人の新卒採用を実施していない場合は、f)の番号「0」のみに○をつけてください。

4

4

共有に向けて準備中

3

3

3 1

Q9

★Q8~Q15では、日本本社における人材の採用等についてお聞きします。「人材」とは、日本人、外国人の両方を含み、「外国人」とは、日本本社で業務に従事する外国人を指します。

(平成24年度の実績をベースに回答してください)

共有している

日本人の新卒採用を実施している

4

海外で活躍する若手・中堅社員の姿の紹介

語学力の選考基準化 4

3

4 3

0

1

4 3 2 1

共有する予定はない

または未検討

1

1

共有するか検討中

2

実施に向けて準備中

2

日本人の新卒採用を実施していない

海外赴任を期待していることのPR(就職説明会や募集要項等)

海外留学経験者や帰国子女を対象としたPR

実施する予定はない

または未検討

人材の確保(採用、選抜など)

人材の育成(研修、OJTなど)

人材の処遇(評価、報酬など)

実施している実施するか

検討中

2

4

2

2 1

3 2 1

その他 具体的に:

4 3 2

0

わからない

4 3 2 1

充足して

いる

やや不足し

ている

大いに不足し

ている

概ね充足し

ている

3 ページ

Page 88: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

a)

b)

c)

d)

e)

f)

g)

h)

1

2

3

4

外国人は採用する予定だが、日本人は採用する予定はない

日本人、外国人ともに採用する予定

Q11 国際ビジネス経験が豊富な人材の中途採用の予定について、当てはまる番号に○をつけてください。

実施している実施に向けて

準備中

日本人、外国人ともに採用する予定はない

日本人は採用する予定だが、外国人は採用する予定はない

外国人の新卒採用を実施していない 0

Q10 外国人の新卒採用に関するa)~g)の取組について、当てはまる番号に○をつけてください。

外国人の新卒採用を実施していない場合は、h)の番号「0」のみに○をつけてください。

(平成24年度の実績をベースに回答してください)

2

外国人の新卒採用を実施している

日本への留学生を対象とした就職説明会

海外の大学における就職説明会

インターンシップの受入

3 1

3 2

通年採用の実施

その他 具体的に:

4

3

4

4

4

外国語表記バージョンを設ける等HPでのPRの工夫

日本語要件を緩和した選考

4

3 2 1

2 13

実施するか検討中

実施する予定はない

または未検討

4 3 2 1

3 2 1

4

2 1

4 ページ

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※Q12~Q15(このページ)は、新卒、中途を問わず、日本本社で業務に従事する外国人の採用を実施

  している企業のみ回答してください。

Q12

1

2

3

4 )

Q13

1 2 3 4

Q14

1

2

3

4

5 )

Q15

a)

b)

c)

d)

e)

f)

g)

外国人社員が働きやすい環境を整備するためのa)~g)の取組について、当てはまる番号に○をつけてください。

外国人採用の目的として 重視しているものは何ですか。当てはまる番号に○をつけてください。

海外との取引に関する目下の業務を担ってもらうため

その他 (具体的に:

外国人社員の3年以内離職率について、当てはまる番号に○をつけてください。

13メンター等による仕事面、生活面のサポート

周囲の日本人社員向けの異文化教育

労働時間削減や有給休暇取得奨励など、日本本社の働き方を国際基準に近づける取組

会議、メール等の国際共通語化

日本人社員以上にきめ細かいキャリア面談の実施

実施に向けて準備中

50%以上75%未満

賃金に対する不満

外国人社員の主な離職理由ついて、当てはまる番号に○をつけてください(○は2つ以内)。

キャリアパスに対する不満

25%未満25%以上50%未満75%以上

将来の現法経営幹部を担ってもらうため

採用当初から3年以内に帰国する意向だった

2 1

実施する予定はない

または未検討

日本語や日本文化に関する教育 1

日本本社社員のグローバル意識を高めるため

日本の文化、日本本社での働き方への不適応

その他 (具体的に:

実施している

2

4

実施するか検討中

4 3

4 3

2

その他 具体的に:

4 3 2

4 3 2

1

4 3 2 1

1

4 3 2

5 ページ

Page 90: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

Q16

a)

b)

c)

d)

e)

 3 人材の育成について

★Q17~Q22では、人材の育成についてお聞きします。

Q17

Q18 現法の社員が現法をマネジメントできる人材として十分に育っていると思いますか。当てはまる番号に○をつけてください。

現法の優秀社員を発掘するためのa)~e)の取組について、当てはまる番号に○をつけてください。

★Q16では、現法における人材の発掘についてお聞きします。

日本本社の社員がグローバル人材として十分に育っていると思いますか。当てはまる番号に○をつけてください。

4 3 2

現法での人事評価や職務経歴情報の参照

現法の上司による推薦情報の収集

日本本社での研修開催および研修中の言動観察

日本本社人事部スタッフの派遣による直接観察

1

4 3 2 1

4 3 2

1

4 3 2 1

4 3 2

実施している実施に向けて

準備中実施するか

検討中

実施する予定はない

または未検討

その他 具体的に:

十分に育

っている

4 3 2

ほとんど育

っていない

概ね育

っている

0

わからない

あまり育

っていない

十分に育

っている

4 3 2

ほとんど育

っていない

概ね育

っている

0

わからない

あまり育

っていない

6 ページ

Page 91: 『日本企業のグローバル展開と人材マネジメント』 …...2 1 本調査の背景と目的 人口減少社会に突入した日本において、グローバル展開は多くの企業にとって重要課題

Q19

中堅社員

若手社員

中堅社員

若手社員

管理職

中堅社員

管理職

若手社員

管理職

若手社員

中堅社員

4 3 2 1

3 2 1

4 3 2 1

管理職

中堅社員

若手社員

4

管理職

中堅社員

若手社員

管理職

4

4

中堅社員

管理職

4 3 2

若手社員

b)

a)

d)

c)

g)

e)

f)

階層

日本から現法への異動の積極化

海外研修(ビジネススクールや語学学校等への派遣)

実施する予定はない

または未検討

1

1

4 3 2

企業内研修(国際ビジネス知識や異文化コミュニケーション等)

自己啓発に関する費用補助(語学学校への通学や通信教育等)

昇格・昇進基準への語学力指標(TOEIC等)の導入

優秀人材に対する特別な配属先の設定や教育機会の付与

その他 具体的に:

実施している実施に向けて

準備中実施するか

検討中

4 3 2

4 3 2

1

4 3 2 1

1

4 3 2 1

3 24

3 2 1

3 2 1

1

3 2 1

4

4 3 2 1

2 1

4 3 2 1

4 3

1

4 3 2 1

4 3 2

4 3 2

4 3 2

4 3 2

各階層の日本本社社員に対するa)~g)の育成施策について、当てはまる番号に○をつけてください。

7 ページ

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Q20

a) 現状

b) 今後

日本人および外国人(日本本社採用のみ)

日本人のみ

登用する予定はないまたは未検討

3 2 1

2 1

2

現法のトップマネジメントや日本本社のマネジャーへの外国人の登用について、当てはまる番号に○をつけてください。

4 3 2 1

4 3 2 1

2 1

若手社員 4 3 2 1

各階層の現法社員に対するa)~c)の育成施策について、当てはまる番号に○をつけてください。

Q22 日本本社や現法の重要な幹部ポストのサクセションプラン(後継者育成計画)の対象者に関する現状と今後の予定について、当てはまる番号に○をつけてください。

Q21

c)

a)

b)

日本人および外国人(日本本社採用・現法採用

は不問)

登用している 3 登用に向けて準備中4 登用するか検討中 1

誰にも実施していない

/実施する予定はない

2

階層 実施している実施に向けて

準備中実施するか

検討中

実施する予定はない

または未検討

日本本社の関係部門への出向や業務研修への派遣

管理職 4 3 2 1

中堅社員 4 3

日本本社における、リーダーシップ開発やマネジメントに関する研修への派遣

管理職 4 3

若手社員 4 3

2 1

中堅社員 4

その他 具体的に:

管理職 4 3

中堅社員 4 3 2

若手社員 4 3 2

8 ページ

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 4 海外赴任に対する社員の反応について

1 日本を離れることへの抵抗感によるもの

2 現法の業務や組織への不安によるもの

3 赴任中の待遇によるもの(評価や報酬など)

4 帰任後のキャリアに関する不安によるもの

5 赴任先の治安・住環境(生活インフラ等)によるもの

6 家族の事情によるもの(介護や育児など)

7 その他 (具体的に: )

1 現地を離れることへの抵抗感によるもの

2 日本本社の業務や組織への不安によるもの

3 赴任中の待遇によるもの(評価や報酬など)

4 帰任後のキャリアに関する不安によるもの

5 赴任先の住環境(物価等)によるもの

6 家族の事情によるもの(介護や育児など)

7 その他 (具体的に: )

Q24 (Q23で2または1を選択した企業のみ回答してください)難色を示す主な理由は何ですか。当てはまる番号に○をつけてください(複数回答)。

Q23 日本本社から現法への赴任を打診した際、難色を示す日本人社員はどのくらいいますか。当てはまる番号に○をつけてください。

Q26 (Q25で2または1を選択した企業のみ回答してください)難色を示す主な理由は何ですか。当てはまる番号に○をつけてください(複数回答)。

Q25 現法から日本本社への赴任を打診した際、難色を示す外国人社員(現法採用)はどのくらいいますか。当てはまる番号に○をつけてください。

少ない

3 2 1

やや多い

多い

0

わからない

やや少ない

少ない

3 2 1

やや多い

多い

0

わからない

やや少ない

9 ページ

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 5 人材の処遇について

★Q28~Q34では、日本本社と現法との間における、人事制度の共通化等についてお聞きします。

「共通化している」とは、一部の現法や階層のみを対象としている場合を含みます。

Q28 各階層の等級制度に関する共通化について、当てはまる番号に○をつけてください。

(ここでの「共通化」とは、各国の等級制度を読み替える共通のしくみを設けている場合を含みます)

Q29

管理職 役員クラス→

一般社員 → 管理職

要件化している

要件化に向けて準備中

要件化するか検討中

要件化する予定はない

または未検討

4 3

(Q28で「共通化する予定はないまたは未検討」を選択した企業のみ回答)その理由について記入してください。

2 1

4 3 2

経営トップや役員クラス

管理職

共通化する予定はない

または未検討

1

1

1

一般社員

共通化している

共通化に向けて準備中

共通化するか検討中

4 3 2

4 3 2

4 3 2 1

Q27 日本本社の各階層における海外赴任の昇格・昇進要件化について、当てはまる番号に○をつけてください。

(赴任前) (赴任後)

10 ページ

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Q30 日本本社と現法の各階層の等級制度について、当てはまる番号に○をつけてください。

 「職能資格制度」…能力を基軸としその発展段階により等級区分する制度

 「役割等級制度」…役割を基軸としその大きさにより等級区分する制度

 「職務等級制度」…職務を基軸としその価値の大きさにより等級区分する制度

Q31 各階層の評価制度に関する共通化について、当てはまる番号に○をつけてください。

Q32 各階層の報酬制度に関する共通化について、当てはまる番号に○をつけてください。

1

04 3 2 1

Q33

0

4 3

0

4 3 2 1 0

4 3

2 1

2 1経営トップや役員クラス

管理職

一般社員

現法

0

4 3 2

0

日本本社

2 1

4 3

経営トップや役員クラス

等級制度はない

わからない職能資格

制度役割等級

制度職務等級

制度

グローバル展開を進める上で活躍している、または活躍が期待される社員の評価情報等に関するデータベースについて、当てはまる番号に○をつけてください。

整備する予定 2 整備するか検討中 1整備する予定はない

または未検討4 整備が完了している 3

管理職

一般社員

共通化している

共通化に向けて準備中

共通化するか検討中

共通化する予定はない

または未検討

1

管理職 4 3 2 1

経営トップや役員クラス 4 3 2

一般社員 4 3 2 1

共通化している

共通化に向けて準備中

共通化するか検討中

共通化する予定はない

または未検討

1

経営トップや役員クラス 4 3 2

管理職 4 3 2

1一般社員 4 3 2

1

11 ページ

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1 勤務地に関わりない処遇の公平性の確保

2 社員の能力を可視化することによる適材適所の実現

3 優秀人材の発掘

4 企業理念や価値観の共有

5 現法の業績管理の可視化

6 求める人材像に対する認識の共通化

7 その他(具体的に: )

 6 その他

Q35

※Q34は、Q28(等級制度の共通化)、Q31(評価制度の共通化)、Q32(報酬制度の共通化)において、  1つでも「共通化している」または「共通化に向けて準備中」を選択した企業のみ回答してください。

Q34 人事制度を共通化する、または、今後共通化を進める目的として重視しているものについて、当てはまる番号に○をつけてください(○は3つ以内)。

日本本社のグローバル化を進める人事施策に関する貴社の課題や取組に関して自由に記入してください。

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Ⅲ 貴社の基本属性について

1 15

2 16

3 17

4 18

5 19

6 20

7 21

8 22

9 23

10 24

11 25

12  (具体的に: )

13

14

 (具体的に: )

Q37 直近の貴社の売上高、従業員数、役員数、資本金について、当てはまる番号に○をつけてください。

ア) ①

1 100億円未満 1 25%未満

2 100億円以上500億円未満 2 25%以上50%未満

3 500億円以上1000億円未満 3 50%以上75%未満

4 1000億円以上5000億円未満 4 75%以上

5 5000億円以上1兆円未満

6 1兆円以上

③ 業界平均と比較した際の、海外売上高比率の直近5年間の伸長率

売上高(国内外子会社、現法等を含めた連結ベース)

② うち海外売上高比率 

Q36 貴社の業種について、当てはまる番号に○をつけてください。複数に該当する場合は、直近年度の総売上に占める割合の大きいものを考慮し、1つ選んでください。

水産・食品 建設

<製造業> <非製造業>

繊維 商業

紙・パルプ

化学

石油

その他製造業

ゴム

ガラス・土石

鉄鋼

非鉄・金属

機械

輸送用機器

精密機器

電気機器

不動産

サービス

陸運

海運・空運

倉庫・運輸関連

情報・通信

電力・ガス

その他非製造業

金融・保険

大きい

3 2 1

やや大きい

やや小さい

0

わからない

※業界全体として海外売上高比率が低下 している場合は、業界平均と比較した上 で、選択肢を次のように置き換えてお答 えください。

4 低下率が小さい 3 低下率がやや小さい 2 低下率がやや大きい  1 低下率が大きい

小さい

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イ) ①

1 300人未満 1 25%未満

2 300人以上1000人未満 2 25%以上50%未満

3 1000人以上3000人未満 3 50%以上75%未満

4 3000人以上 4 75%以上

ウ) ①

1 300人未満 1 25%未満

2 300人以上1000人未満 2 25%以上50%未満

3 1000人以上3000人未満 3 50%以上75%未満

4 3000人以上 4 75%以上

エ) ①

1 5人未満

2 6~10人 人

3 11~15人

4 16人以上

オ) 資本金(日本本社単体ベース) 

1 10億円未満

2 10億円以上50億円未満

3 50億円以上100億円未満

4 100億円以上500億円未満

5 500億円以上

★以上でアンケートは終了です。ご協力ありがとうございました。

従業員数(国内外子会社、現法を含めた連結ベース)

② うち外国人の割合 

役員数(日本本社単体ベース) ② うち外国人の人数

従業員数(日本本社単体ベース) ② うち外国人の割合 

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