住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅 …study on way of the house...

8
公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019 11 Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, November, 2019 * 学生会員 東京大学大学院工学系研究科(University of Tokyo** 正会員 東京大学大学院工学系研究科(University of Tokyo1. 研究の背景と目的 日本の高齢化は 75 歳以上人口の増加に伴い要介護高齢 者も急増し、介護・医療ニーズが増加している。看取り状 況は医療機関の死亡者割合が増加し、近年では 8 割を超え (1) 。虚弱化しても在宅生活を望む高齢者の意向 (2) と今後 の要介護者数、死亡者数増大を踏まえると地域で最期まで 住み続けられる環境づくりの必要性は高まっている。 近年の政策は、地域包括ケアを念頭に2011 年の高齢者住 まい法改正でサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ付き) 制定、2012 年の介護保険法改正で 24 時間対応型サービス 創設、2014 年の医療介護総合確保法施行で特別養護老人ホ ーム(以下、特養)の原則要介護度 3 以上の入居要件制定 等、在宅生活移行に重きが置かれている。住生活基本計画 (2016)でも、高齢者向け住宅等の整備数は 2025 年の高齢 者数に対して 4%が目標とされており、生活支援施設を併設 するサ付きの供給促進、UR 団地の地域医療福祉拠点化等の 施策が挙げられ、低廉な公営住宅を含め住み慣れた地域内 で住み続けられる環境整備を目指す意向が読み取れる。 これらを踏まえ、本研究は住み慣れた地域内で住み続け るために、高齢者のすまいづくりに必要な知見の一端を明 らかにすることを目的とする。なお、住み慣れた地域内は、 本稿では地域包括ケアを意識し、同一市内と定義する。 2.研究の視点と方法 2.1.研究の視点と既往研究の整理 住み慣れた地域内で住み続ける意義としてリロケーショ ンダメージに着目した。赤星らは、リロケーションによる 環境の変化は社会的側面・精神的側面・身体的側面のダメ ージを招き、社会的側面のダメージが中心に位置する構造 であることを整理している (1) 。社会的側面のダメージには、 経済的な負担、活動範囲の縮小、なじめない環境、他者へ の気づかい等の要素が含まれているが、本研究ではこの点 に着目してダメージの緩和、回復を念頭に知見を整理する。 なお、他二つのダメージに関しても別途議論が必要である。 高齢期では、一般に収入が減少することから、住まいの 経済的負担に係る論点がる。井上は、サ付きの費用負担の 現状を地域毎に明らかにし (3) 、厚生年金受給層でも容易に 入居できる低廉性の確保は重要であると指摘している。佐 藤らは介護施設の補足給付のあり方の改善と並行してサ 付きの費用負担軽減策の検討が必要と述べており、実際に 低廉性を確保できる費用負担軽減の知見が求められる。 環境になじめるかといった生活の社会性の面では、シニ ア世代のライフスタイルの多様化を踏まえると、現役時代 から住み続けてきた地域で最期まで住み続ける場合と、定 年等の転機に早めに住み替えてセカンドライフからリセッ トする場合がある。環境変化に関して山本 4) は、地域への 愛着度の強い者ほど適応過程で鬱状態や心身障害等の症状 を示す割合が高く、居場所の喪失が特に高齢者には耐えが たいことを指摘している。亀井他は、世代間交流はこのよ うな高齢者のうつ状態改善や各世代に意味のある居場所と なるために有効と指摘している (4) 。これらから住み慣れた 環境と認識するために居場所は重要であり、地域との接点 や交流がもてる環境づくりに係る知見が求められる。 住み続けていく上では介護等ケアの確保は重要な論点 だが、家族同居等の場合、気兼ねから介護保険サービス利 用が不十分である点が指摘されている (5) 。転居先の候補と なるサ付きは優遇政策で供給促進されているが、実際の居 住者の状況と空間構成の不適合の実態が指摘されている (5) 研究の蓄積として看取り可否・希望 (6) 、サービス提供範囲 (8) と類型化を試みる研究が多く行なわれるものの、要介護 住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅のあり方に関する研究 - 高齢者・障害者・子育て世帯居住安定化推進事業の事例調査から - Study on Way of the House for Elderly People to Realize the Continuation Residence in the Community - From the case research of elderly people, a disabled person, and a child care household habitation stabilization promotion project. - 廣瀬 雄一* ・小泉 秀樹** ・大月 敏雄** Yuichi Hirose*, Hideki Koizumi** and Toshio Otsuki** I showed the knowledge of the construction plan which was necessary for a house for elderly people to realize the continuation residence in the community from the case research of elderly people, a disabled person, and a child care household habitation stabilization promotion project. I paid attention to technique of getting affordability, making community to support the continuation residence, the method of securing of care that is necessary for correspondence to severity of care required degree. Above all, I pointed out that next was important. In getting affordability, the conversion to a house for elderly people as one idea while the integration and abolition of the elementary and junior high school advance. In making community to support the continuation residence, it is important that there are the optional point of contact in the area. In the method of securing of care, cooperation system construction of the medical care and care side, the space maintenance that a local mesh is contained in for common use are important. Keywords : area continued residence, regional comprehensive care, housing for elderly, Severity of care required degree 地域内継続居住,地域包括ケア,高齢者向け住宅,要介護度の重度化 - 246 -

Upload: others

Post on 08-Jul-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅 …Study on Way of the House for Elderly People to Realize the Continuation Residence in the Community - From

公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019 年 11 月 Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, November, 2019

* 学生会員 東京大学大学院工学系研究科(University of Tokyo)

** 正会員 東京大学大学院工学系研究科(University of Tokyo)

1. 研究の背景と目的

日本の高齢化は75歳以上人口の増加に伴い要介護高齢

者も急増し、介護・医療ニーズが増加している。看取り状

況は医療機関の死亡者割合が増加し、近年では8割を超え

る(1)。虚弱化しても在宅生活を望む高齢者の意向(2)と今後

の要介護者数、死亡者数増大を踏まえると地域で最期まで

住み続けられる環境づくりの必要性は高まっている。

近年の政策は、地域包括ケアを念頭に2011年の高齢者住

まい法改正でサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ付き)

制定、2012年の介護保険法改正で24時間対応型サービス

創設、2014年の医療介護総合確保法施行で特別養護老人ホ

ーム(以下、特養)の原則要介護度3以上の入居要件制定

等、在宅生活移行に重きが置かれている。住生活基本計画

(2016)でも、高齢者向け住宅等の整備数は2025年の高齢

者数に対して4%が目標とされており、生活支援施設を併設

するサ付きの供給促進、UR団地の地域医療福祉拠点化等の

施策が挙げられ、低廉な公営住宅を含め住み慣れた地域内

で住み続けられる環境整備を目指す意向が読み取れる。

これらを踏まえ、本研究は住み慣れた地域内で住み続け

るために、高齢者のすまいづくりに必要な知見の一端を明

らかにすることを目的とする。なお、住み慣れた地域内は、

本稿では地域包括ケアを意識し、同一市内と定義する。

2.研究の視点と方法

2.1.研究の視点と既往研究の整理

住み慣れた地域内で住み続ける意義としてリロケーショ

ンダメージに着目した。赤星らは、リロケーションによる

環境の変化は社会的側面・精神的側面・身体的側面のダメ

ージを招き、社会的側面のダメージが中心に位置する構造

であることを整理している(1)。社会的側面のダメージには、

経済的な負担、活動範囲の縮小、なじめない環境、他者へ

の気づかい等の要素が含まれているが、本研究ではこの点

に着目してダメージの緩和、回復を念頭に知見を整理する。

なお、他二つのダメージに関しても別途議論が必要である。

高齢期では、一般に収入が減少することから、住まいの

経済的負担に係る論点がる。井上は、サ付きの費用負担の

現状を地域毎に明らかにし(3)、厚生年金受給層でも容易に

入居できる低廉性の確保は重要であると指摘している。佐

藤らは介護施設の補足給付のあり方の改善と並行してサ

付きの費用負担軽減策の検討が必要と述べており、実際に

低廉性を確保できる費用負担軽減の知見が求められる。

環境になじめるかといった生活の社会性の面では、シニ

ア世代のライフスタイルの多様化を踏まえると、現役時代

から住み続けてきた地域で最期まで住み続ける場合と、定

年等の転機に早めに住み替えてセカンドライフからリセッ

トする場合がある。環境変化に関して山本4)は、地域への

愛着度の強い者ほど適応過程で鬱状態や心身障害等の症状

を示す割合が高く、居場所の喪失が特に高齢者には耐えが

たいことを指摘している。亀井他は、世代間交流はこのよ

うな高齢者のうつ状態改善や各世代に意味のある居場所と

なるために有効と指摘している(4)。これらから住み慣れた

環境と認識するために居場所は重要であり、地域との接点

や交流がもてる環境づくりに係る知見が求められる。

住み続けていく上では介護等ケアの確保は重要な論点

だが、家族同居等の場合、気兼ねから介護保険サービス利

用が不十分である点が指摘されている(5)。転居先の候補と

なるサ付きは優遇政策で供給促進されているが、実際の居

住者の状況と空間構成の不適合の実態が指摘されている(5)。

研究の蓄積として看取り可否・希望(6)、サービス提供範囲(8)と類型化を試みる研究が多く行なわれるものの、要介護

住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅のあり方に関する研究

- 高齢者・障害者・子育て世帯居住安定化推進事業の事例調査から -

Study on Way of the House for Elderly People to Realize the Continuation Residence in the Community

- From the case research of elderly people, a disabled person, and a child care household habitation stabilization promotion project. -

廣瀬 雄一*・小泉 秀樹**・大月 敏雄**

Yuichi Hirose*, Hideki Koizumi** and Toshio Otsuki**

I showed the knowledge of the construction plan which was necessary for a house for elderly people to realize the

continuation residence in the community from the case research of elderly people, a disabled person, and a child care

household habitation stabilization promotion project. I paid attention to technique of getting affordability, making

community to support the continuation residence, the method of securing of care that is necessary for correspondence

to severity of care required degree. Above all, I pointed out that next was important. In getting affordability, the

conversion to a house for elderly people as one idea while the integration and abolition of the elementary and junior

high school advance. In making community to support the continuation residence, it is important that there are the

optional point of contact in the area. In the method of securing of care, cooperation system construction of the medical

care and care side, the space maintenance that a local mesh is contained in for common use are important.

Keywords: area continued residence, regional comprehensive care, housing for elderly, Severity of care required degree

地域内継続居住,地域包括ケア,高齢者向け住宅,要介護度の重度化

- 246 -

Page 2: 住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅 …Study on Way of the House for Elderly People to Realize the Continuation Residence in the Community - From

公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019 年 11 月 Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, November, 2019

度重度化(以下、重度化)への対応や看取り対応に係る知

見の蓄積はまだあまりない。以上を踏まえ、本研究では、

次のように研究の視点を設定する。

1) 地域住民の所得階層等に見合った低廉性確保

低廉性を確保できる費用負担軽減に係る知見

2) 地域の特性や社会状況を踏まえたコミュニティづくり

地域との接点や交流がもてる環境づくりに係る知見

3) 地域で果たす役割を見据えた重度化対応のケア確保

住み続けるための重度化、看取り対応に係る知見

この三点で述べた知見は既往研究でもまだ蓄積は少な

く、本研究ではそこに焦点を当てていること、3つの視点

を多角的に捉えることの二点で新規性があると考える。

2.2.研究の方法

(1)研究の構成

研究対象にアンケート調査及び現地調査を実施(10)、アン

ケート調査の集計結果をサ付きの各種数値と比較して調

査対象事例の概要を示し(3章)、現地調査の結果から研究

の視点に基づく分析を行う(4章)構成としている。

(2)研究対象について

本研究では、高齢者・障害者・子育て世帯居住安定化推

進事業の高齢者を対象とした事例を研究対象とする。(表1)

本事業は、国交省の補助事業であり、過年度の評価結果

報告書で、今後の期待として誰もが住み慣れた場所で安心

して継続して暮らせる住まいづくりを挙げている。ここか

ら、高齢者が住み慣れた地域で継続して住むことを志向し

た先進的取組みが含まれると考え研究対象とした。また、

先導的な事例の蓄積とその普及を図ることは必要かつ有効

な手段と発信している。今後の高齢者向け住宅の質の向上

に向けて本研究を通して知見の蓄積に寄与したい。該当事

例は5年間で整備された87件である。なお、サ付きは普及型

事業として2011年度に独立したもので本事業と関係が深い。

表1.研究対象の概要

※1.凡例)高専賃:高齢者専用賃貸住宅/共同:共同住宅/有老:住宅型有料老人ホーム※2.事業採択時。調査時までに、高専賃からサ付きに登録替えをした事例があり一部数値は合わない。※3.割合は小数第2位以下四捨五入。参照)高齢者・障がい者・子育て世帯居住安定化推進事業資料

目的

高齢者、障害者及び子育て世帯が安心して生活することができる住まい・住環境の整備により、その

居住の安定確保を推進するとともに、地域の活性化等を図ること。

公募内容(いずれか、もしくは組み合わせ)及び補助率等

①住宅及び高齢者等の居住安定確保に資する施設整備:新築等 1/10、改修 2/3/設計費:2/3

②高齢者等の居住の安定確保に関する技術の検証(居住実験・社会実験等):2/3

③高齢者等の居住の安定確保に関する情報提供及び普及(展示用住宅の整備、普及活動等):2/3

先導性の高く、重点分野として示されている領域(高齢者対象)

・先導性の高い高齢者・障害者・子育て世帯向け住まいの整備 ・協働型居住の試み・高齢者等への安心・見守りサービスの提供 ・コミュニティミックスを図る取り組み

内訳(件数等)

住宅種別※1 サ付き 高専賃 共同 有老 GH 戸建て その他 合計

件数(件) ※2 14 19 34 6 5 8 1 87

割合(%) ※3 16.1 21.8 39.1 6.9 5.7 9.2 1.1 100.0

3. アンケート調査から明らかにした調査対象事例の概要

3.1.アンケート調査の方法

研究対象全87件をアンケート調査の対象とし、各事例に

質問紙データを送付し、回答を求めた。調査項目は基本的

な内容であり、建物基本情報、費用の内訳、提供サービス

の内容、入居者像で設定している(表2)。

表2.アンケート調査の調査概要

配布数 87件 回収数 43件 回収率 55% 実施時期 2013年11月

調査項目

建物基本情報 構造、階数、面積(建築・延べ)、住戸の数・面積・設備、共用設備

費用負担 入居時負担額、月額負担額(家賃、共益費、管理費、食費サービス費)

入居者像等 入居戸数、入居率、平均年齢、平均要介護度

サービス内容 生活支援サービス、食事サービス、地域交流、重度化対応

3.2.分析方法

高齢者向け住宅における調査対象事例の位置づけを確認

するため、アンケートの集計結果は一般のサ付き(以下、

「一般サ付き」)と定量的に比較した(11)。研究対象の建物

仕様等は公開情報も参照した(12)。

3.3.調査結果

まず入居者像を比較すると、平均要介護度は一般サ付き

が1.80に対し、研究対象は例えばサ付きで2.39、共同住

宅で2.20とやや重度まで対応している(表3)。

研究対象の居住者平均年齢は80歳までが半数で、80歳

以上で8割を占める一般サ付きより若年層が多い(図1)。

研究対象を一般サ付きの平均値である入居者の平均年齢

82.6歳、平均要介護度1.80を境界に四分類にすると、要

介護度が平均より重い類型2,4にはサ付きが多い。(図2)

住戸規模で研究対象は25㎡以上が約半数と広めで(図3)、

通所リハ、ショートステイ、グループホーム(GH)等一般

表3.入居者の平均要介護度比較 研究対象 一般

サ付き住宅類型 サ付き 高専賃 共同 有老 GH その他

件数 26 2 10 3 1 1 703

平均要介護度 2.39 1.09 0.60 1.96 1.89 0.60 1.80

0.0%

19.0%

31.0% 33.3%

16.7%

0.0%

調査対象(N=42)

65歳未満

65~75歳未満

75~80歳未満

80~85歳未満

85~90歳未満

90歳以上

0.1% 5.0%

11.2%

48.5%

33.0%

2.1%

一般サ付き(N=705)

65歳未満

65~75歳未満

75~80歳未満

80~85歳未満

85~90歳未満

90歳以上

図1.入居者の平均年齢比較

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

60 65 70 75 80 85 90

平均要

介護

平均年齢

サ付き 共同住宅 有料老人ホーム グループホーム その他

※2013年10月1日現在の情報で、各類型の()内は包含される事例の平均値である。

(_で表示されるプロットは現地調査可の事例)

82.6歳

1.80

4.高齢中重度

(2.06/84.9歳)

3.高齢軽度

(1.28/83.7歳)

2.若年中重度

(2.23/82.0歳)

1.若年軽度

(0.61/71.3歳)

図2.研究対象の入居者類型(住宅類型別)

9.3%

41.9%

16.3%

11.6%

11.6%

9.3% 調査対象(N=43)

18㎡未満

18~25㎡未満

25~30㎡未満

30~40㎡未満

40~50㎡未満

50㎡以上

0.0%

70.4%

18.3%

6.3%

3.0%

2.0% 一般サ付き(N=2,065)

18㎡未満

18~25㎡未満

25~30㎡未満

30~40㎡未満

40~50㎡未満

50㎡以上

- 247 -

Page 3: 住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅 …Study on Way of the House for Elderly People to Realize the Continuation Residence in the Community - From

公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019 年 11 月 Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, November, 2019

図3.住戸(居住用施設)の戸当たり床面積の比較

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

在宅療養支援診療所

在宅療養以外の診療所

訪問介護事業所

訪問看護ステーション

訪問リハビリテーション

通所介護(デ

イサービス)

通所リハビリテーション

短期入所生

活介

夜間

対応

型訪

問介

護事

グル

ープ

ホー

小規

模多

機能

型居

宅介

定期

巡回

型訪

問介

護看

居宅

介護

支援

配食

サー

ビス

障害

者支

保育

所・託

児所

その

いず

れも併

設無

調査対象( N=87)

一般サ付き( N=805) 図4.医療、介護等関連施設の併設状況

サ付きにみられない事業所が併設される傾向がある(図4)。

4. 現地調査結果の分析

4.1.調査方法

アンケート調査で了承を得た30事例が対象である。現地

訪問し1時間の施設見学と1.5時間のスタッフへのインタ

ビューで構成した。調査項目は研究の視点を踏まえ、整備、

交流等含め運営状況について尋ねている(表4)。

表4.現地調査の調査概要 調査対象数 30件 実施時期 2013年12~2015年3月

調査項目・整備費用 ・入居者の生活状況・居住安定確保の手法 ・運営状況(各種連携状況)等

30 事例を住宅類型でみると、サ付き16 件、グループリ

ビング3件、賃貸共同住宅3件、住宅型有料老人ホーム2

件、分譲共同住宅2件が複数件である(表5)。

図2で示した入居者類型でみると、共同住宅は賃貸、分

譲共に自立に近い状態での入居が多く、最も数の多いサ付

表5.現地調査の調査対象一覧

施設名称住宅類型

入居者類型※1

運営法人※2 所在地 人口(人)※3 高齢化

率(%) ※3

アイビスコート サ付き 1 社福 大阪府大阪市 2,317,000 33.6

ゆいま〜る那須 サ付き 1 株 栃木県那須町 26,539 32.2

スマイルライフ萩 サ付き 1 社福 和歌山県橋本市 65,783 40.8

ヴァンピュール南青森 サ付き 1 株 青森県青森市 287,648 27.9

プレジャーコート サ付き 1 株 鹿児島県鹿児島市 608,366 23.4

マリア松戸 サ付き 1 医社 千葉県松戸市 491,578 23.9

ストンキ サ付き 2 医 青森県青森市 287,648 27.9

オードリー サ付き 3 株 新潟県新潟市 808,143 26.0

おげんきハグニティ サ付き 3 医 山口県周防大島町 18,168 49.9

わたらい サ付き 3 医 三重県度会町 8,676 28.8

サンバレー安良 サ付き 3 株 兵庫県豊岡市 85,909 30.0

ユートピア沖縄 サ付き 3 医 沖縄県那覇市 322,717 19.5

ひだまりハウス サ付き 3 NPO 岐阜県高山市 91,179 29.0

マザアス札幌 サ付き 4 株 北海道札幌市 1,951,352 25.8

いいざか花桃館 サ付き 4 社福 福島県福島市 284,916 26.3

きららラポール西御所 サ付き 4 株 広島県尾道市 144,848 30.4

美の浜コート 高専賃 1 医 岡山県笠岡市 52,052 32.8

ろんち 高専賃 4 社福 鹿児島県霧島市 127,552 24.1

紫香楽ヴィラ 共同 1 社福 滋賀県甲賀市 92,798 25.5

ケアプラザ新函館 共同 1 医 北海道函館市 263,540 33.6

NAGAYA TOWER 共同 1 株 鹿児島県鹿児島市 608,366 23.4

やすらぎの家 共同 1 NPO 京都府京都市 1,468,080 26.7

もくれんの家 共同 1 有 兵庫県相生町 30,707 32.6

友-友のいえ 共同 3 NPO 大阪府吹田市 361,877 22.3

ヴィラコモン南山手 共同 1 株 長崎県長崎市 443,514 27.2

龍ヶ崎シニア村 共同 1 株 茨城県龍ケ崎市 79,516 23.3

ゆうたけ 有老 3 医 鹿児島県瀬戸内町 9,042 35.3

花憩庵 有老 3 医社 岩手県金ケ崎町 15,783 29.2

モナトリエ 有老 4 株 福岡県北九州市 964,032 27.9

抱僕館 その他 1 NPO 福岡県福岡市 1,483,782 19.6

※1.凡例)1:若年軽度/2:若年中重度/3:高齢軽度/4:高齢中重度(図2による)※2.凡例)株:株式会社/有:有限会社/社福:社会福祉法人/医:医療法人

医社:医療法人社団/NPO:NPO法人※3. 第6期介護保険事業計画に記載された平成26年度実績値

きは高齢・軽度、高齢・中重度が半数である。

調査対象が立地する自治体の規模は、中核市以上の都市

部の立地が半数である。運営法人は、株式会社11件、医療

法人、7件、社会福祉法人5件、NPO法人4件の順に多い。

4.2.分析方法

研究の視点から分析項目、効果の判断基準を定めた。

(1)地域住民の所得階層等に見合った低廉性確保

低廉性確保の手法については、地域状況と事業フェーズ

で分けた。地域状況は、事例立地自治体の住民の平均的な

収入に関する項目として厚生年金の給付額等を設けた。

イニシャルコストは土地整備、建物整備等建設に係る費

用削減手法、ランニングコストは運営管理業務でコストカ

ットし入居者負担を直接減らす点と、入居者の収入獲得機

会創出等で入居者の収入を増やし、相対的に負担減に繋げ

る点に分けて設定しており、整備手法にも着目する(表6)。

効果は月額の最低利用料を判断基準として定めた。

表6.低廉性確保に関する分析項目 分類 カテゴリ 分析項目

地域の状況 立地自治体住民の所得 厚生年金給付額、課税対象所得

建設

(イニシャルコスト)

土地整備・取得 土地整備・取得費用の削減手法

建物整備・取得 整備手法、建物建設・取得費用の削減手法

運用

(ランニングコスト)

運営管理業務(経費削減) 運営管理業務に係る費用の削減手法

住民の収入獲得機会創出 就労等の活動による入居者の収入獲得機会創出手法 (2)地域の特性や社会状況を踏まえたコミュニティづくり

コミュニティづくりに係る要素を事業者の取組みと入居者

の地域との関わり方に分けて分析する。

事業者の取組みは空間構成、運営計画で分け、入居者が

他者と多様な接点をもつための取組み内容等を、入居者側

は入居者が利用する施設の立地、自治会やボランティア団

体等外部との関わりの実態を設定した(表7)。効果は入居

者の従前居住地、地域との接点有無を判断基準とした。

表7.コミュニティづくりに関する分析項目

分類 カテゴリ 分析項目

立地 地域との関係 既成市街地との位置関係

事業者の取り組み空間構成 入居者が他者と多様な接点を選択的にもてる空間構成

運営計画 入居者が他者と多様な接点を選択的にもてる機会創出

入居者の地域生活 地域との接点 自治会、ボランティア団体等地域住民との日常的な関わりの実態

(3)地域で果たす役割を見据えた重度化対応のケア確保

地域特性として、終の住処になり得る特養、サ付き等の

立地状況に加え、住環境、重度化に係る対応方針や生活支

援サービスを含めたケア確保状況等を設定した。(表8)

高齢になるほど複数疾患の可能性が高くなることから医

療行為や対応の困難ケース等については個別に分析する。

効果は看取り、医療・認知症への対応を判断基準とした。

表8.重度化対応のケア確保に関する分析項目 重度化対応要素 カテゴリ 分析項目

地域特性 施設立地 サ付き住戸数

住環境専有部 種別(住戸、居室)(13)、バリアフリー化の有無

共用部 共用食堂の有無(地域開放の有無)

重度化に係る対応方針

医療 対応方針(可能、不可、状態による)

認知症 対応方針(可能、不可、状態による)

看取り 対応可否

重度化前のサポート 生活支援サービス 生活相談、安否確認、緊急時対応

重度化対応に必要なケア確保状況(連携事業所立地※)

介護訪問介護、デイサービス、デイケア、ショートステイ、小規模多機能型居宅介護定期巡回随時対応訪問介護・看護、グループホーム、特養等

医療 病院、診療所、在宅療養支援診療所等

要医療時等に係る住宅内の対応状況

対応可能な医療行為

喀痰吸引、経管栄養、人工透析、点滴、膀胱カテーテル、酸素療法疼痛管理、胃瘻、インスリン、気管切開

要医療時 困難ケース

認知症発症時 困難ケース

※立地の定義)住棟内:同一建物内/敷地内:同一敷地内/隣地:道路を挟んだ向かいの敷地も含む隣の敷地/近接地:500m圏内/日常生活圏内:同一中学校区/日常生活圏外:市区町村外

- 248 -

Page 4: 住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅 …Study on Way of the House for Elderly People to Realize the Continuation Residence in the Community - From

公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019 年 11 月 Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, November, 2019

表9.低廉性確保に関する集計結果

月額※4 所得比※3 土地整備・取得 建物整備・取得 月額利用料軽減 住民の収入獲得機会創出

比較対象 - - 31.8※5 141,035※6 50.0※7 -

アイビスコート 政令市 12.6 26.2 新築 28.5 132,751 50.6 △  -  -  - ・就労の場(うどん店)確保

ゆいま〜る那須 町 12.1 20.9 新築 22.6 141,000 67.5 △  - ・地場産材の活用・委託による業務簡素化 (部会等)

・就労の場(部会)確保・ワーカーズコレクティブ組織

スマイルライフ萩 市 12.8 24.7 新築 16.1 116,612 47.2 ○  -  -  -  -

ヴァンピュール南青森 中核市 11.4 22.4 新築 19.6 111,151 49.6 ○  -  -  -  -

プレジャーコート 中核市 12.6 24.6 改修 14.3 86,000 35.0 ○ ・中古不動産活用・中古不動産活用(アパート)・設備機器の選定工夫

・委託による業務簡素化 (有償ボランティア等)

・就労の場確保 (有償ボランティア)

マリア松戸 市 13.2 28.6 新築 28.8 180,851 63.3 ×  -  -  -  -

ストンキ 中核市 11.4 22.4 新築 17.8 83,400 37.2 ○  -  -  -  -

オードリー 政令市 12.6 23.9 新築 18.4 155,500 65.0 ×  -  -  -  -

おげんきハグニティ 町 11.8 20.5 改修 12.7 113,000 55.2 △ ・無償譲渡(県)・県からの無償譲渡(農業高校)※構造体改修により予算大幅超過

 -  -

わたらい 町 11.9 22.0 改修 2.9 83,250 37.8 ○ ・中古不動産活用 ・中古不動産活用(小学校)  -  -

サンバレー安良 市 11.6 21.4 新築 20.3 113,000 52.8 △  -  -  -  -

ユートピア沖縄 中核市 11.8 22.5 新築 19.7 171,851 76.5 ×  -  -  -  -

ひだまりハウス 市 11.8 21.7 改修 9.0 118,500 54.6 △ ・中古不動産活用 ・中古不動産活用(会社寮)  -  -

マザアス札幌 政令市 12.2 24.7 新築 15.6 192,851 78.0 ×  -  -  -  -

いいざか花桃館 政令市 12.1 24.5 改修 15.0 145,000 59.1 △ ・中古不動産活用 ・中古不動産の活用(旅館)  -  -

きららラポール西御所 中核市 13.0 23.1 新築 19.6 181,100 78.3 ×  -  -  -  -

美の浜コート 市 12.7 21.8 改修 15.1 102,851 47.2 ○ ・中古不動産活用 ・中古不動産活用(会社寮)  -  -

ろんち 市 11.3 22.3 新築 18.2 62,851 28.2 ○ ・保有土地の活用  - ・スタッフの他事業所兼務  -

紫香楽ヴィラ 市 12.7 23.5 改修 3.5 93,050 39.6 ○ ・中古不動産活用 ・中古不動産活用(クラブハウス)  -  -

ケアプラザ新函館 中核市 11.8 22.5 新築 44.0 83,851 37.3 ○  -  -  -  -

NAGAYA TOWER 中核市 11.8 24.6 新築 17.9 127,851 52.0 △  -  -  -  -

やすらぎの家 政令市 12.7 27.7 改修 20.8 105,351 38.0 ○ ・中古不動産活用 ・中古不動産活用(民家)  -  -

もくれんの家 町 13.7 23.6 改修 10.3 69,000 29.3 ○ ・中古不動産活用 ・中古不動産活用(民家)  -  -

友-友のいえ 市 13.5 33.4 新築 30.2 150,800 45.1 ○  -  -  -  -

ヴィラコモン南山手 中核市 12.8 23.6 新築 35.4 213,530※8 81.6 ×  -  -  -  -

龍ヶ崎シニア村 市 12.7 26.2 新築 28.1 241,530※8 86.2 ×  -  -  -  -

ゆうたけ 町 10.5 22.1 改修 4.3 59,250 26.9 ○ ・中古不動産活用 ・中古不動産活用(会社寮)  -  -

花憩庵 町 11.1 21.3 新/改 12.9 74,500 34.9 ○ ・中古不動産活用 ・中古不動産活用(民家)  -  -

モナトリエ 政令市 13.0 24.9 新築 14.4 185,500 74.4 ×  -  -  -  -

抱僕館 政令市 12.7 28.0 新築 23.3 84,000 30.0 ○  - -  -  -

総事業費平均※1. 施設名称を■で表示した15事例は、所得費が平均割合より下回る事例。        ※2. 調査時点に最も近い平成27年3月末時点の市区町村別年金給付状況(厚労省)の厚生年金保険(旧共済組合を除く)老齢給付を参照した。※3. 総務省『市町村税課税状況等の調(1975~2013年)』による。所得費は、課税対象所得の月額に対する最低利用月額の占める割合。  ※4. 金額の明記がない事例は、その費目を参考文献12で示された平均額で代用して算出した。※5. アンケート結果(N=87)に基づく、研究対象の平均㎡単価     ※6. 月額利用料の平均額(表に記載の内訳も同項目)参考文献12より 各単価 家賃…64,178円( N=2,065)/共益費( 最低金額)…18,094円( N=2,065)/サービス費( 状況把握・生活相談サービス費)…15,912円( N=2,065)/食費( 月額/各食で単価設定の場合は3食30日分換算)…42,851円( N=2,065)

※7. 経済的自立を前提にした際の比較参考値。(30事例平均値は51.9%) ※8. 分譲物件のため、家賃はローン返済月額131,530円で算出。平均分譲価格(2,650万円)を20年間(ボーナス返済無し)、金利2%(固定)、元利均等返済で計算。※9. 効果は月額の最低利用料から判定している。凡例)○:月額が比較対象(141,035円)以下であり、所得比50%未満。/△:月額が比較対象以下だが、所得比50%以上。/×:月額が比較対象以上で、所得比50%以上。

施設名※1建設(イニシャルコスト) 運用(ランニングコスト)立地

自治体規模

全体28.0万円/㎡     新築30.9万円/㎡    改修21.4万円/㎡

課税対象所得月額(万

円)※3

厚生年金(老齢)月額

(万円)※2

最低利用料(円・%)整備手法

総事業費㎡単価(万円)

※9

効果

4.3.低廉性確保とその実現要因

(1)全体の傾向と取組みの効果

30件の現地調査結果を表6に基づき分析したものが表9で

ある。30件のうち、11件が改修である。総事業費の㎡単価

は一般サ付きの公開データがないため、研究対象の全87事

例の平均値と比較した。中核市以上の都市部でも改修事例

の総事業費は平均より低く、30事例の平均で、新築30.9万

円、改修21.4万円と改修事例の方が約3割安い。

取組みの効果は最低利用料でみたが、一般サ付きの平均

月額141,035円を19事例が下回った。所得比は、経済的自

立の目安として50%を比較対象としたが、下回ったのはこ

のうちの15事例であり、これらが効果有り(表9中の施設

名をハッチングした事例)となった。月額が一般サ付きの

平均を下回るものの所得比50%以上は4事例あった。

(2)イニシャルコストに係る手法と実現要因

イニシャルコストにおいては、土地整備・取得は中古不

動産活用、保有土地の活用等が挙げられた。建物整備・取

得は主に中古不動産活用が挙げられた。中古不動産の従前

用途は住宅からから学校等非住居用途まで多岐にわたる。

表10.イニシャルコスト低減に係る取組みと実現要因 カテゴリ 取り組み 実現要因

土地の

整備・取得

中古不動産活用(30事例中11件) 【改】 建物取得に伴う取得(無償譲渡含む)

保有土地の活用(同1件) 従前より保有していた遊休地(駐車場等)の活用

建物の

整備・取得

中古不動産活用

(旧校舎・民家・会社寮・旅館)(同11件) 【改】

地域活動による情報網、行政との連携体制構築

設備機器の選定工夫(同1件) 不動産事業者としてのノウハウ活用

地場産材の活用(同1件) 中山間地で地場産材が豊富にある立地

※取り組み内容欄の、【改】は、改修事例が該当する。 実現要因をみると、土地、建物共に中古不動産活用が挙

げられた。(表 10)中古不動産の用途に違いはあるが、い

ずれも事業主体が地域活動の中で情報を先駆けて得ること

で取得に至っている。学校施設を利用する場合もあり、行

政との連携を含めた情報網、信頼関係が重要と考えられる。

(3)ランニングコストに係る手法と実現要因

ランニングコストでは、委託による業務効率化、スタッ

フの他事業所との兼務による人件費削減がみられた。また、

ゆいま~る那須のワーカーズコレクティブ組織のような住

民の収入獲得機会創出として就労の場の確保が挙げられた。

表11.ランニングコスト低減に係る取組みと実現要因カテゴリ 取り組み 実現要因

運営管理業務

委託による業務簡素化(同2件)入居前の設計WS実施による運営への機運向上生活保護層入居者の自立支援に向けた取り組み

他事業所との兼務による人材配置(同1件) 事業所立地が近く兼務しやすい環境

住民の収入獲得機会創出

就労の場確保(同3件)低所得層の自立支援の一助として発足生活保護層入居者の自立支援に向けた取り組み

ワーカーズコレクティブ、部会の組織(同1件) 活動的な入居者の就労意欲と地元ニーズの合致 運営管理業務で性質の異なる委託がみられた。部会(ゆ

いま~る那須)と、有償ボランティア(プレジャーコート)

である。前者は入居前ワークショップ(WS)により住民の

運営関与に係る機運向上により自主性を重んじたこと、後

者は低所得層の自立支援が要因で実現されている。住民の

収入獲得機会創出にあるアイビスコートの就労の場の確保

含め自立支援の一環でも、入居者の生きがいづくりに繋が

っており、重要な要素である。

4.4.コミュニティづくりの手法と効果

(1)全体の傾向と取組みの効果

30件の現地調査結果を表7に基づき分析したものが表12

である。立地場所は、既成市街地内が23件と最も多く、隔

- 249 -

Page 5: 住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅 …Study on Way of the House for Elderly People to Realize the Continuation Residence in the Community - From

公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019 年 11 月 Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, November, 2019

表 12. コミュニティづくりに関する集計結果

空間構成 運営計画

アイビスコート 既成 市内 ○・地域開放空間の計画(共用室)・店舗併設(うどん屋)

・空間の地域開放(共用室を遊び場に)・情報発信(店舗利用者、入居者友人等)

○・共用室にはテレビ、ソファ等があり、知人・友人との交流や健康相談、忘年会等で接点が持たれている

ゆいま〜る那須 隔地 県外 △・入居世帯混在のプラン(住戸面積のバリエーション)・動線の配慮(中庭を囲む住棟配置)・店舗併設(牧場カフェ)

・入居前WS(設計段階の入居希望者対象)・入居者の組織づくり(部会)・スタッフの関与(生活コーディネーター)・空間の地域開放(食堂)・イベント実施(食事提供)・ワーカーズコレクティブ組織化

・既成市街地と離れているため、交流は入居者同士というものが多い。(食堂での食事、部会活動等)・ワーカーズコレクティブの活動(手仕事品づくり等)を通して近隣住民との交流を持つ方もいる

スマイルライフ萩 隣接 県内 △ ・居場所づくり(住戸の雁行配置、縁側の設置) ・自治会等との連携(連携の働きかけ) ○ ・庭で育てている花を介して地域の方との交流がみられる

ヴァンピュール南青森 既成 市内 ○・入居世代混在のプラン(サ付き、子育て層向け住宅)・地域開放空間の計画(食堂)

・入居者の組織づくり(館内ボランティアグループ) ○・積極的に地域住民も参加できるイベントが開催されており、接点がもたれている

プレジャーコート 既成 市内 ○ ・地域開放空間の計画(食堂) ・入居者の組織づくり(館内ボランティアグループ) ○ ・地域の花火大会で屋上開放する等で接点ができている

マリア松戸 既成 市内 △ ・地域開放空間の計画(食堂)  - × ・透析を受けながらの生活で、地域と接点はあまりない

ストンキ 既成 市内 ○・地域開放空間の計画(食堂、物販コーナー)・店舗併設(食堂、物販コーナー)

・情報発信(食堂利用者) ○ ・食堂は地域からの常連もおり、そこで接点がもたれている

オードリー 隣接 県内 △ ・作業空間の併設(農菜園)・イベント実施(菜園で栽培した野菜の直販)・情報発信(野菜直販利用者)

○・野菜直販の際に立ち寄る近隣住民との交流はある・入居者は女性のみなので入居者同士も仲が良い

おげんきハグニティ 既成 県内 ×・作業空間の併設(農菜園)・地域開放空間の計画(レストラン)・店舗併設(レストラン)

・併設事業所連携による活動(託児所とGH)・情報発信(農園従事者とレストラン利用者)

×・自治会とのパイプ役になり得る入居者がいたが体調不良で活動できず、自治会活動に参加はできていない

わたらい 既成 町内 ○ ・入居世帯混在のプラン(夫婦入居設定)・空間の地域開放(校庭)・自治会等との連携(運営会議の自治会長参加等)・地域イベント企画(校庭を活用した夏祭り等)

○・学校帰りの中学生が校庭にたちより接点がある・夏祭り等地域の季節イベントが行われる

サンバレー安良 隣接 市内 ○ ・入居世代混在のプラン(事業所内保育所) ・併設事業所連携による活動(保育所とGH) ○ ・施設内で保育園の子どもらとの交流は日頃からある

ユートピア沖縄 既成 市内 ○ ・地域開放空間の計画(地域交流コーナー)・イベント実施(地域交流)・情報発信(地域交流コーナー利用者)

○ ・地域交流コーナー利用者との交流は日頃からある

ひだまりハウス 隔地 市内 △ ・地域開放空間の計画(食堂) ・情報発信(食堂利用者) × ・入居者が高齢で地域行事にまだ参加できていない

マザアス札幌 既成 市内 ○ ・自立者向けと要介護者向けを区分した住戸配置 ・情報発信(食堂利用者) ○ ・入居者が地域イベントに参加して接点を持っている

いいざか花桃館 既成 市内 △  -  - × ・施設側と町内会長の接点のみ

きららラポール西御所 既成 市内 ○ ・地域開放空間の計画(地域交流スペース)・空間の地域開放(地域交流スペースを自治会に)・情報発信(交流スペース利用者)

○・介護予防セミナー等で来訪する方との接点は交流のきっかけになっている

美の浜コート 既成 市内 △  -  - × ・地域住民との接点はほとんどとれていない

ろんち 隣接 市内 ○ ・地域開放空間の計画(パーゴラ)・イベント実施(朝市、食事会、講座等)・空間の地域開放(食堂及びパーゴラ)・情報発信(パーゴラでイベント実施等)

○・約7割が同じ町内からの入居で顔見知りである・パーゴラに近隣住民が集まるので日頃から交流はある・夏はパーゴラに面した玄関扉を開け放つ人もいる

紫香楽ヴィラ 既成 市内 ○  - ・ボランティア団体の誘致(会議室等の貸し出し) ○ ・ボランティア交流会実施で団体の来訪時接点がある

ケアプラザ新函館 既成 市内 △ ・地域開放空間の計画(カフェ)・食堂での食事にスタッフの関与・情報発信(カフェ利用者)

×・支え合いシートが掲示されており入居者同士はできることをして互助的な暮らしをしている

NAGAYA TOWER 既成 市内 ○・入居世代の混在(ファミリールーム)・居場所づくり(共用リビング)・店舗併設(カフェ、コンビニ、ネイルサロン等)

・地元住民を巻き込んだイベント実施・空間の地域開放(共用リビング)・若手アーティストの誘致(共用リビングで展示)

○・テナントのコンビニ店主は入居者と顔見知りで日頃の見守り役にもなっている・まちなかにあるため、若年層と同様の地域生活を送る

やすらぎの家 既成 市内 ○  - ・外部組織との連携(大学、社協連携のサポート導入) ○・映画鑑賞会や恵方巻きづくり等イベントに近隣からも参加してもらっており好評である

もくれんの家 既成 市内 ○・地域開放空間の計画(改修住戸の庭)・店舗併設(そうざい店)

 - ○ ・開放された庭にくる近隣住民とは日頃から交流がある

友-友のいえ 既成 市内 △  -  - ×・入居者同士は適度な距離感で洗い物等協力する・まだ入居者同市で一緒に外出することはない

ヴィラコモン南山手 既成 県内 △・地域開放空間の計画(カフェ)・店舗併設(物販店)

・スタッフの関与(コンシェルジェ)・情報発信(観光客)

○・裏がグラバー園で、そこへの観光客がカフェに立ち寄ることで、接点になっている

龍ヶ崎シニア村 既成 県外 △・地域開放空間の計画(食堂)・店舗併設(食堂)

・入居前WS(設計段階の購入希望者対象)・医療機関への訪問診察依頼

○・食堂が地域開放されていて、ランチ時は入居者、地域住民が混ざった環境で交流のきっかけになっている

ゆうたけ 隣接 市内 ○  -・地域の自然災害時の避難拠点化・送迎実施(通院のための島内循環送迎)

○・各集落の方には週1回は食事会できてもらうことから、それが接点になっている

花憩庵 既成 県内 △  -・併設事業所との連携(デイケアでイベント実施)・ボランティア団体の来訪

○・週2回デイケアでゲーム、趣味、誕生日会等交流がある・季節イベントで幼稚園やボランティアとの接点がある

モナトリエ 既成 市内 ○ ・地域開放空間の計画(ホール) ・イベント実施(地域交流) ○ ・ホールを利用する近隣住民との交流がイベント等である

抱僕館 既成 市内 ○  -・入居者の組織づくり(地域復帰者対象の互助組織)・互助組織へのアフターフォロー

○・互助組織があり、その活動の中で入居者同士の接点が調査時点ではメインであった

※1. 事例施設が立地する地域の既成市街地との位置関係で3種類で表現した。既成(既成市街地内)、隣接(同隣接地)、隔地(同隔地)※2. 効果は、入居者の従前居住地と地域との接点の有無で判定。従前居住地が「市内」で地域との接点があるものを「○」、いずれか達成しているものを「△」、いずれも達成していないものを「×」とした。

施設名事業者の取り組み 入居者の地域内での生活入居者

の従前居住地

施設

立地※1

※2

効果 地域との接点の有無(○・×)及び概要

地は2件で、概ね既存の住宅地との関係に配慮して整備さ

れたものといえよう。取組みの効果は入居者の従前居住地

と地域との関わりの有無でみたが、同一市町内が23件、そ

の中で地域との接点がある16事例が効果有り(表12中の

施設名をハッチングした事例)となった。

敷地内の空間構成では地域開放を想定した空間計画が15

件と最も多い。中でも食堂開放が6件と多く、地域交流ス

ペースもみられた。住戸面積に幅を持たせる、入居対象を

高齢者、子育て世帯と混在させる計画等もみられた。

運営計画では、情報発信、空間の地域開放、イベント実

施が多い。県外入居者が多いゆいま~る那須等では、コー

ポラティブハウスのように入居前WSが行われている。

(2)事業所の取組みと地域との接点づくりに繋がった要因

空間構成において地域開放する計画や店舗併設は、地域

住民も日常的に来訪でき、地域住民との接点になっている。

特にわたらいでは校庭が地域開放され、かつて通ってい

た住民が自然と立ち寄っていた。ここは、学校施設利用が

表13. 事業者の取組みと地域との接点づくりに繋がった要因 カテゴリ 取り組み内容 地域との接点づくりに繋がった要因

空間構成

地域開放空間の計画(食堂・カフェ・校庭等)(30事例中15件) 地域住民との接点、入りやすさ

店舗(うどん屋・総菜屋等)併設(同8件) 地域住民との接点、日常生活へのメリハリ

入居世代混在のプラン(サ付き、子育て層向け併設等)(同3件) 特定世帯の入居促進と入居者の多様性創出

入居世帯混在のプラン(プランバリエーション)(同2件) 街区(フロア)毎に世帯構成が混在している

居場所づくり(縁側、共用リビング等)(同2件) 入居者が自然に顔を合わせる場の創出

自立者向けと要介護者向けを区分した住戸配置(同1件) 住棟内の住み替え先確保

運営計画

空間の地域開放(食堂、共用リビング等)(同6件) 地域住民の日常的な居場所づくりへの貢献

イベント実施(同5件) 地域住民との接点、入居者間の繋がり創出

入居者の組織づくり(館内ボランティア等)(同4件) 入居者間の互助関係創出

入居前WSの実施(同2件) 入居前から入居者間の繋がり創出

併設事業所との連携(保育所、グループホーム等)(同2件) 日常的な多世代交流の機会創出

スタッフの関与(同2件) 入居者間トラブル等への適切な介入と解決

情報発信(同11件) 来訪者の誘因と交流のきっかけづくり

自治会等との連携(同2件) 地域への住宅の認知度向上 低廉性確保に加え、立ち寄りやすさを演出している。住戸

計画では、複数のプランバリエーションを持たせる、サ付

きと子育て層向け住宅と混在させる等で、入居世帯や入居

世代等の多様性に繋がっている。

運営計画では共用部の地域開放やイベント実施で地域住

民との接点創出に繋がっている。県外入居者が多い事例で

みられた入居前WSの実施は同じ目標を達成するプロセスを

- 250 -

Page 6: 住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅 …Study on Way of the House for Elderly People to Realize the Continuation Residence in the Community - From

公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019 年 11 月 Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, November, 2019

表 14. ケア確保に関する集計結果

介 医 介 医 介 医 介 医 介 医 介 医

アイビスコート 7,133 0.92 74.2 0.10 ○ 住戸 ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ H・GH - - - - - N 診  - - - -

ゆいま〜る那須 115 1.35 70.1 0.16 ○ 住戸 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ D - - - S・特養 - - - - - H 病・診

スマイルライフ萩 142 0.53 80.0 1.00 ○ 住戸 ○ × × ○ ○ ○ ×  - - - - - - - -H・D・

S診 - -

ヴァンピュール南青森

462 0.58 80.4 1.14 ○ 住戸 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○  - 診 - - - - - - H - - -

プレジャーコート 969 0.68 76.4 1.62 ○ 住戸 ○ 個別判断 状況次第 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ D - - - - - - 診  - 診 - 病

マリア松戸 946 0.81 66.2 1.80 ○ 居室 ○ 常時見守り ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △  - 診 - - - - - -  - - - -

ストンキ 462 0.58 82.0 1.83 ○ 居室 ○ ○ 集団生活可 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △  - 在 - - H - - - - - - -

オードリー 942 0.45 83.5 0.75 ○ 住戸 ○ 訪問診療対応 状況次第 ○ ○ ○ ×  - - H - - - - - - 診・病 - -

おげんきハグニティ 42 0.46 84.0 0.64 ○ 居室 ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ H・D・小・N・GH - - - - - - - - 診 - -

わたらい 22 0.88 84.1 1.29 ○ 住戸 ○ 看護師不在 集団生活可 ○ ○ ○ ○ × D・小・GH 診 - - - - - - - 診 - 病

サンバレー安良 131 0.51 83.0 1.52 ○ 居室 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ H・小 - GH - - - - - - - - 診

ユートピア沖縄 676 1.07 84.5 1.68 ○ 居室 ○ 個別判断 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × H・D・N 診 - - - - - 病 - - - -

ひだまりハウス 234 0.88 83.0 1.79 ○ 居室 ○ 常時対応 集団生活可 ○ ○ ○ ×  - - H - - - - - - - - 病

マザアス札幌 ##### 3.78 85.9 1.89 ○ 居室 ○ 個別判断 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ 定 - - - - 病 - - 定 病 - -

いいざか花桃館 918 1.23 83.3 1.94 ○ 居室 ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ 定 - - - - - D 在 - - - -きららラポール西御

所367 0.83 87.1 2.28 ○ 居室 ○ 本人らと相談 状況次第 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ H

 -

- - - - - - - 診 - -

美の浜コート 125 0.73 70.0 0.10 ○ 住戸 × × ○ ○ ○ ×  - - - - - - - - N 病 - -

ろんち 208 0.68 83.0 2.08 ○ 居室 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○  - - - - H・D・S 在 - - 小 - - 病

紫香楽ヴィラ 106 0.45 48.0 0.15 ○ 住戸 ○ × 状況次第 ×  - - - - - - - -  - - - -

ケアプラザ新函館 1,268 1.43 65.0 0.47 ○ 居室 ○ ○ 状況次第 ○ ○ ○ ○ ○ ○ × D・児D - - 診 - - - -  - - - -

NAGAYA TOWER 969 0.68 70.0 0.46 ○ 住戸 ○ ○ 状況次第 ○ ○ ○ △  - - - - - 病 - -H・D・

S- - -

やすらぎの家 3,561 0.91 77.0 0.45 ○ 住戸 ○ ○ × ○ ○ ○ ×  - - - - - - - - -  - H・D 診

もくれんの家 100 1.00 81.0 0.75 ○ 居室 近隣医師対応 × ○ ○ ○ ×  - - - - - - D・小 - -  - - -

友-友のいえ 334 0.41 83.7 1.28 ○ 居室 ○ 長期入院時 重度要相談 ○ ×  - - - - - - - - H - D 診・病

ヴィラコモン南山手 766 0.63 68.0 0.06 ○ 住戸 ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × 児D - - - - - - - - 診 - 病

龍ヶ崎シニア村 257 1.39 72.0 0.24 ○ 住戸 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×  - - - - - - - - H・D 診・病 - -

ゆうたけ 20 0.63 84.6 1.23 ○ 居室 ○ × × ○ ○ ○ × D 在 - - - - - - - - - 病

花憩庵 0 0.00 82.7 1.66 ○ 住戸 ○ 訪問診療 × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ H・D・N 診 - - - - - - - 病 - -

モナトリエ 1,325 0.49 85.0 2.09 ○ 住戸 ○ × × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ H・D 診 - - - - - - - - - 病

抱僕館 2,824 0.97 71.4 0.69 ○ 居室 ○ × × ○ ○ ○ ×  - - - - - - - - - - - -

合計 14 14 14 14 14 14 14 14 14 14 14 27 28 29 4 15 8 3 1 3 3 3 4 8 11 3 11

施設名

地域特性 入居者特性 住環境 対応方針

医療対応の限界

認知症対応の限界

生活支援

※3

重度化対応のケア確保状況( 下線表示有りの記号は訪問可の事業所)※4

サ付き住戸

数※1

サ付

き整備率

(%)※2

平均年齢

平均

要介護度

対応可能医療

取り

住棟内 敷地内 隣地 近接地

整備率全国平均:0.48%※3

日常生活圏内 日常生活圏外

※1. サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム    ※2.サ付き整備戸数/高齢者(65歳以上)人口にて算出。全国平均0.48%に対し、都道府県単位で最も整備率が高いのは、沖縄県の0.84%で最も低いのは佐賀県の0.21%であった。(厚労省)

※3. 効果は、看取り及び医療・認知症への対応方針を判断基準とした。全て対応可能なものを「○」、看取りは可能なものの医療・認知症への対応に条件がつくもの等を「△」、いずれも不可のものを「×」とした。

※4. ケア確保状況欄の凡例: 医療 在:在宅療養支援診療所/診:診療所/病:病院

                   介護 H :訪問介護事業所/D:デイサービス/S:ショートステイ/N:訪問看護事業所/小:小規模多機能型居宅介護事業所/定:定期巡回随時対応型訪問介護看護事業所                       GH:グループホーム/児D:児童デイサービス事業所/ 特養:特別養護老人ホーム    なお、  で記載したサービスは訪問対応有りのもの。

平均要介護度の平均:看取り可1.51/不可0.75

内部対応 ←  → 外部対応

経るので元々居住地が異なり接点がなかった入居者同士に

繋がりを生んでいる。併設事業所の連携活動では、イベン

トの合同実施や、各々の動線に重複部分を設けることで自

然に多世代が接点をもっている。外部に対しての情報発信

は地域開放空間やイベント実施時等の来訪者にイベント情

報や当該住宅の情報を発信して取組みへの理解を深めても

らうものである。会議室等部屋の貸し出し含め、自治会へ

の発信、継続的な連携を図る事例も2件みられた。(表13)

(3)入居者の地域生活の実態

事業者の取組みとしてみられた自治会等との連携で、住

宅運営会議に自治会長を巻き込む、会議室の自治会やボラ

ンティア団体への貸し出し等は地域住民が住宅に入るので、

自然に入居者と接点ができているものと考えられる。

入居者が高齢という理由で外出に支障を来す場合は、事

業者側が自治会と関係を持つのみだが、それ以外は、事業

者主催のイベントや、入居者の日常的な外出の中での自然

なきっかけ等で、既成市街地であるほど、入居者は地域住

民との接点を持った生活をしていることが明らかになった。

4.5.ケア確保の状況と対応困難ケース

(1)全体の傾向と取組みの効果

30件の現地調査結果を表8に基づき分析したものが表14

である。地域特性として、サ付きの定員数、整備率(対高

齢者(65歳以上)人口に対する整備数の比率)を示した。

取組みの効果は看取り対応及び医療・認知症への対応方

針でみたが、看取り可が14事例あり、そのうち医療・認知

症ともに対応可としている4事例が効果有り(表14中の施

設名をハッチングした事例)となった。入居者の平均要介

護度の平均は看取り可14事例で1.51であるのに対し、看

取り不可16事例では0.75であり、看取り方針を有するこ

とで重度者の受け入れに繋がっているが、医療と認知症の

対応には可否がわかれており、その対応の難しさが窺える。

住環境は全てバリアフリー化されている。共用食堂は27

件が整備、専有部で生活が完結しない居室型は15件である。

生活支援サービスはサ付きで必須の生活相談、安否確認

に加え緊急時対応までがほとんどの事例で実施している。

中でも、後者の2サービスは看取り可としている事例の全

てで実施しており、重度化以前における対応に加え、重度

化した後の有事への基本的対応としても期待できよう。

ケア確保状況は、連携する介護、医療事業所の立地圏域

を示した。介護事業所は13事例、医療事業所は8事例が併

設で、デイサービス、診療所の併設がそれぞれ最も多い。

(2)看取り対応の可否別の連携事業所の立地傾向

ケア確保状況を表15で看取り可14事例と不可16事例に

分けて、医療、介護の連携事業所の立地傾向で整理した。

介護面では、看取り可14事例のうち13事例は日常生活

圏内の範囲で、訪問可の事業所と連携があり、そのうち 2

事例は隣地であった。この中で2事例はサ付きの整備率が

全国平均値以下であり、住まいに加えケア提供の面でも地

域の拠点としての役割が期待されている。また定額対応可

の小規模多機能、定期巡回との連携は6事例あり、頻回対

応が考慮されたと思われる。なお、訪問可の事業所と連携

がない1事例は人工透析患者向けで特殊なものであった。

- 251 -

Page 7: 住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅 …Study on Way of the House for Elderly People to Realize the Continuation Residence in the Community - From

公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019 年 11 月 Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, November, 2019

看取り不可16事例のうち9事例は併設事業所がなく、隣

地にもない。日常生活圏内までで連携事業所がないところ

も5事例あり、看取り可の事例とは異なる傾向である。

医療面については、看取り可のうち11事例が日常生活圏

までで診療所、若しくは病院と連携、日常生活圏外まで含

めると全事例がいずれかと連携している。診療所が併設あ

るいは訪問対応可の事業所と連携する等して入居者が容易

にアクセスできるのは11事例である。診療所、病院双方と

連携し、病状に応じて使い分けられるものも5事例あった。

看取り不可の事例は連携無しが3事例、病院のみとの連

携が2事例あり、これらには課題が残る。

表15.看取り可否別の医療、介護連携事業所の立地傾向

看取り可否 カテゴリ 傾向

看取り対応可

(14事例)

介護

・13事例が日常生活圏内までで訪問系の事業所と連携(2事例は隣地)

・小規模多機能、定期巡回との連携は6事例

・近接地までの至近距離にデイサービス(地域との接点)が立地

医療

・日常生活圏内までで12事例に診療所若しくは病院との連携がある

・日常生活圏外を含めると全事例で診療所若しくは病院との連携がある

・5事例で診療所、病院双方との連携がある

看取り対応不可

(16事例)

介護

・9事例で併設事業所無し

・5事例で日常生活圏内までで連携事業所無し

医療 ・3事例で日常生活圏外まで含めても連携無し

(3)対応困難ケース

医療対応等は、重度化に伴って進むとも限らず、別途対

応を要することも多いため表16に整理した。対応可能医療

は点滴が14件(実施率46.7%)で最も多く喀痰吸引と酸素

療法が各13件(同43.3%)と続く。気管切開は16.7%と少

なく、対応困難な行為といえよう。

表16.要医療時と認知症の対応困難ケース カテゴリ 集計結果(割合は30事例中の実施率)

住宅内の医療

対応状況

対応可能な

医療行為

(可能事例の割合)

点滴 46.7%/喀痰吸引 43.3%/酸素療法 43.3%/胃ろう 36.7%/

疼痛管理 40.0%/経管栄養 33.3%/膀胱カテーテル 33.3%/

人工透析 30.0%/インスリン 30.0%/気管切開 16.7%

住宅内の対応

困難ケース

要医療時

・頻回な対応が必要な状態

・吐血等突発的症状が生じやすい不安定な状態

認知症発症時

・常時の見守りが必要な状態

・他者や自身を傷つける行動をとる状態

・集団行動不可等他者に迷惑をかける状態

対応方針の分析では、医療が対応可能14件、認知症が状

況による11件が最も多い回答だった。対応困難ケースとし

て前者は頻回対応や突発的症状が生じやすい不安定な状態、

後者では常時見守りが必要、他者や自身を傷つける行動を

とる等の状態で、他の入居者やスタッフへの負担が大きく

なる場合ということが明らかになった。

4.6.視点別分析の小括

低廉性確保の点で、イニシャルコスト低減では、中古不

動産活用が最も重要で、新築より約3割低減されている。

ランニングコスト低減は、委託による業務簡素化、入居者

の就労創出が重要である。後者は収入獲得機会でありなが

ら入居者の生きがいづくりに繋がっている示唆を得た。

コミュニティづくりの点では、地域開放空間の設定と連

動したイベント実施、店舗併設、入居世帯や世代の混在す

る住戸配置等内部の計画と共に、住宅の外にも作業場や憩

いの場等の接点があることが重要である。早めの住み替え

を想定して整備される場合ほど、新たな関係構築が必要な

ので、入居者同士や地域住民と自然に顔を合わせ、交流し

得る環境が住宅内外で整うことが重要といえよう。

ケア確保では、看取りまでを想定した場合、介護面では

頻回対応も視野に訪問可能な事業所との連携が重要であり、

医療面でも病診連携も含めて日常生活圏内での体制構築が

重要だ。そして併設による内部確保だけでなく周辺から外

部確保する手法も念頭に置く必要がある。また、以下の対

応困難ケースがあり留意が必要である。

・ 医療行為で頻回、突発対応が求められるケース

・ 認知症で常時見守りが必要、集団生活が難しいケース。

4.7.複数の視点に関わる分析

今回現地調査をした中でわたらいに関しては、3つの視

点で効果があった事例といえる。公共建築物の活用で低廉

性に寄与しつつ地域住民が立ち寄りやすい環境が維持され、

更に下校中の中学生等、日常生活の中で立ち寄る住民が見

守りというケアの一端を担っている点が確認されたからで

ある。同様に、ろんちではパーゴラ、おげんきハグニティ

では併設のデイに日頃から地域住民が集まる工夫がなされ

ていて地域住民との関係が維持、構築される中で地域住民

は見守りに貢献しており、コミュニティづくりとケア確保

の両面が確認されたものである。他には、ゆいま〜る那須

では入居者と地域住民とで組織したワーカーズコレクティ

ブで収入を得ながら、地域との接点がもたれていて、低廉

性とコミュニティづくりに貢献されていた。

逆に、両立されなかった龍ヶ崎シニア村ではコーポラテ

ィブ住宅としてコミュニティづくりを意識した整備手法を

選択したが、費用が高額であった。マザアス札幌ではサ付

きを自立型、介護型と分けた上でケアも自前で体制整備し

ているが、その分費用が高騰しやはり低廉性に欠けるもの

となった。以上のように手法の選択は慎重に行う必要はあ

るが、地域住民が役割をもつことは重要といえよう。

5.まとめ

本稿では、国交省補助事業の高齢者・障害者・子育て世

帯居住安定化推進事業の高齢者を対象にした事例を対象と

した。研究の視点として地域の状況を踏まえた低廉性の確

保、コミュニティづくり、重度化対応のためのケア確保の

3 点を据え、住み慣れた地域内で住み続けるために、高齢

者向け住宅に必要な建築計画の知見を次の通り提示した。

・ 地域住民の所得階層等に見合った低廉性確保

現在は住宅数が世帯数より多く、新築住宅着工戸数も減

り始め、今後は私有の中古不動産が更に増加する。中古不

動産の活用においては、空き家活用に加え、学校等公共建

築物の利活用も議論が進むことが望ましい。それは、今後

の更なる少子高齢化で、特に小中学校等の学校施設は統廃

合により余剰が出てくることが予想されるからである。小

中学校をはじめとする地域に散在する公的空間ストックを

効果的に活かし、イニシャルコストを低減し、より利用し

やすい価格の住宅整備に繋げることは有力な方策だろう。

その際、地域住民が立ち寄りやすい環境になることで、更

にコミュニティづくりやケア確保にも寄与し得る。民間事

業者の営利事業の視点だけでなく、行政が積極的に公共資

産の活用や医療介護等のインフラづくりと連動させて官民

- 252 -

Page 8: 住み慣れた地域で住み続けるための高齢者向け住宅 …Study on Way of the House for Elderly People to Realize the Continuation Residence in the Community - From

公益社団法人日本都市計画学会 都市計画報告集 No.18, 2019 年 11 月 Reports of the City Planning Institute of Japan, No.18, November, 2019

連携を図っていく姿勢が求められよう。

・ 地域の特性や社会状況を踏まえたコミュニティづくり

事業者の取組みについては空間と運用に分けて検討した。

前者は、入居者の多様性に資する空間構成の多様性や、居

住者どうしの接点がうまれる動線計画、住宅内外から利用

可能な併設施設などがあり、後者では、地域の拠点である

学校施設を利用して居住者との接点を維持することや、入

居前WSのような入居前からの関係づくり、ワーカーズコ

レクティブのような地域住民との接点の提供や就労機会な

どの重要性を明らかにした。

このような様々な方法が、入居者に地域住民との繋がり

の選択肢に繋がっており、これらを数多く用意することで、

要介護状態でも自立時に近い社会性の維持や構築が可能に

なると考える。更に、学校施設を活用することは地域のシ

ンボル的な存在である場所なので、地域住民が立ち寄りや

すいという効果がみられ、低廉性確保と共に効果が期待で

きるが、コーポラティブ形式等で仕様、性能が上がること

で低廉性確保が困難になる点は留意する必要がある。

・ 地域で果たす役割を見据えた重度化対応のケア確保

本稿では、ケア確保を物理的な近接性も踏まえて検討し

た。重度化しても住宅内に限らず、隣地や近接地に訪問事

業所があることで、外部からも含めてケア確保できている

ことが重要である。また、普段から地域住民が集まる場が

住宅の内部にあることで、交流のみならず入居者の見守り

という点でも機能するし、介護等の囲い込みが問題視され

る現状に地域の目が入るという対応策の一つにもなろう。

対応困難ケースに対しては医療、介護両面に通じる専門職

との連携が重要である。当該施設内だけで医療、介護に係

る体制や住環境等に係る機能を備えようとしすぎると、低

廉性確保が困難になる恐れがある点は留意する必要がある。

これらの点は知見の一部であり、実現に向けた課題や、

一般サ付きとの差を更に多くの項目で明らかにする必要は

あるものの、サ付きの補助要件検討の際に参考にされる等、

高齢者向け住宅の質の向上に繋がる議論がなされることを

期待する。今後はケーススタディを通して、知見の有効性

を確認しつつ、その対象を広げ網羅的に体系化することが

課題であり、これら知見の普及を図っていく必要がある。

【補注】

(1) 参考文献1では、1976年を境に、病院における看取り人数が自宅にお

ける看取り人数を上回り、近年では8割に達することが報告されている。

(2) 参考文献2では、身体が虚弱化したときの居住形態で、現況のまま又は

改築の上自宅に留まる、子どもの住宅又は高齢者用住宅への引っ越しを含

め住宅での生活を、60歳以上約8割が望むと報告されている。

(3) 参考文献3で、井上は2013年8月31日時点の登録物件3,765件、122,086

戸を対象に費用負担について分析し、家賃、共益費、基本サービス費、食

費を最低限必要な生活費として算出している。全国平均は134,349円、埼

玉県・千葉県・神奈川県の東京近郊は168,758円であり、今後高齢化がよ

り顕著に進展する都市部ほど費用負担が高いことが示されている。

(4) 参考文献5で、亀井他は都市部在住高齢者(N=12,平均年齢74.4歳)と

小中学生を対象に、多世代交流型デイプログラムとして菓子づくりや絵は

がき、タペストリー等ものづくり、紙風船バレー等ゲームをプログラムと

して実施し、初回・6・12ヶ月後の高齢者の心の健康の量的変化及び参加

観察による質的記述の反復測定分散分析を実施している。QOLに有意な主

効果が認められ(p<0.001)、初回と比べ12ヶ月後は優位にうつ傾向が低

下していること(p<0.05)を明らかにしている。

(5) 参考文献6では、本人の特養入所前サポート環境として、介護者の存在

と介護保険サービス利用、住環境に着目しており、日中独居あるいは介護

に専念できる同居者がいる同居ケースでは通所、ショートステイ等、本人

が施設に通い介護者レスパイトに繋がるサービスの利用、独居ケースは訪

問、通所、ショートステイのいずれかの利用というパターンが多くサービ

ス利用が不十分なまま入所に至った可能性が指摘されている。

(6) 参考文献8で、岩波他は、研究対象としたサ付きを看取り可否・希望か

ら終の住まい、仮の住まいと分類している。

(7) 参考文献7で、谷他は研究対象としたサ付きを住戸内設備等から住宅型、

有料老人ホーム型、特定施設型と分類している。

(8) 参考文献9で、久家他は研究対象としたサ付きのサービス提供範囲から、

サービス委託型、介護委託型、包括提供型と分類している。

(9) 参考文献10で杉本他は、特養は海外のナーシングホーム等の施設と異

なり、看護者を夜勤体制に含まない施設が70.5%、常勤医を配置する施設

5%と看取りに十分な看護機能を有していないことを指摘している。

(10) アンケート調査及び現地調査は東京大学高齢社会総合研究機構による

調査の一環で実施した。なお、結果を研究発表に活用する可能性がある旨、

調査時に申し出て許諾を得ている。

(11) 参考文献12を元に比較対象のデータを引用するが、アンケート調査の

集計に基づくものも含め、事例によっては無回答のものも含まれることか

ら、項目毎に表記するN数は必ずしも一致しない。(2011年8月末現在の

全サ付き登録物件が対象である。2,065件、65,647戸)

(12) 推進事業の採択事例に係る情報は、後継事業であるスマートウェルネ

ス住宅等推進モデル事業のHP(http://iog-sw.jp)にて公開されている。

(13) 専有部の種別について、住戸は専有部内で生活が完結できる構造であ

るもの、居室はトイレ、浴室、キッチンのうちいずれかを欠き、専有部内

で生活が完結せず一部を共用部に依存するものと定義する。

【参考文献】

1) 厚生労働省: 中央社会保険医療協議会第185回総会資料(総-6-2), 2011.1

2) 内閣府: 平成27年度版高齢社会白書, 2015.6

3) 井上由起子: エリア別にみたサービス付き高齢者向け住宅の整備特性, 日本

建築学会大会学術梗概集(関東), PP1097-1098, 2015.9

4) 山本多喜司: 高齢者の居場所, 建築雑誌Vol.118 No.1510, 2003.10

5) 亀井智子他5名: 都市部多世代交流型デイプログラム参加者の12ヶ月間の効

果に関する縦断的検証- Mixed methodsによる高齢者の心の健康と世代間交流

の変化に焦点を当てて-, 老年看護学Vol.14 No.1, PP16-24, 2010

6) 国立大学法人東京大学高齢社会総合研究機構: 平成25年度千葉県地域医療再

生基金「要介護認定者の居住に関する課題解決に向けた検討」, 2014.3

7) 谷武・倉田克健: タイプ別に見たサービス付き高齢者向け住宅の特性に関する

研究 -その1 建物の造りと入居者構成-, 日本建築学会東海支部研究報告書第

51号, 657-660, 2013.2

8) 岩浪麻衣・瀬戸口剛: 終の住まいとしての札幌の高齢者住宅の特徴と課題, 日

本建築学会北海道支部研究報告書No.85, PP543-546, 2012.6

9) 久家あかね他3名: サービス付き高齢者向け住宅の実態に関する研究 その2-

千葉県のサービス付き高齢者向け住宅の類型化-, 日本建築学会大会学術梗概

集(近畿), PP1169-1170, 2014.9

10) 杉本浩章・近藤克典: 特別養護老人ホームにおける終末期ケアの現状と課題,

社会福祉学第46巻3号, PP63-74, 2006

11) 赤井禎・吉田友彦:高齢者の近隣地域内継続居住に関する研究-東京都豊島区

を事例として-,日本建築学会大会学術梗概集(北海道),PP169-170, 2004.8

一般財団法人高齢者住宅財団; 平成24年度老人保健健康増進等事業「サービス付

き高齢者向け住宅等の実態に関する調査研究」, 2013.3

- 253 -