pal news 2018/10 · 皮 エキゾ 下痢 ~自宅での対処法~ 皮 エキゾ 下痢...
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皮
エキゾ
下痢 ~自宅での対処法~
皮
エキゾ
●下痢 ~自宅での対処法~●胆嚢粘液嚢腫
PAL NEWS 2018/10PAL NEWS 2018/10PAL NEWS 2018/10~人と動物の絆~
よりよい関係を目指して
私たちは最先端の診療技術を生かし、地域に
密着した動物病院を目標にしております。
●裾野センター病院月~土 午前 9:00 ~ 12:00 (11:30) 午後 14:00 ~ 21:00 (20:30)日・祝 午前 9:00 ~ 12:00 (11:30) 午後 14:00 ~ 19:00 (18:30)
● 今月の専門科診療 ●今月は下記の日程で専門科の診察を行います。ご希望の方は事前にご予約ください。
(カッコ内はカレンダー内の省略形です)
6. しぶりを伴う頻回の軟便。7. 色が薄く、異常発酵臭がある。8. 寄生虫体が排出された。9. 便の色が異常に薄かったり灰色。
元気があって 1 ~ 9 の症状がなく、1 日2 ~ 3 回の軟便であれば、下記の要領で様子をみても良いでしょう。ただし、子犬や子猫の場合は例外です。子犬や子猫が下痢をした場合はすぐに動物病院の受診をお勧めします。
様子をみてもよい下痢への対応1. 胃腸を休ませるため12 時間程度食事を
与えない。嘔吐がなければ水は与える。2. 消化の良い食事を粥状にして少量ずつ 1
日 4 ~ 5 回に分けて与える。3. 下痢の改善に合わせ 1 回の食事量を増
量し、回数を減らしていく。この際、食事のかたさも元に戻していく。
4. 下痢が改善したら 2,3 日かけて元の食事に戻していく。
下痢の症状から、命に関わる重篤な病気が見つかる場合もたくさんあります。症状がみられた場合は、上記を参考に早めの受診をお勧めいたします。
参考文献イラストでみる犬の応急手当 (講談社)家庭動物の医学大百科(PIE BOOKS)
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◆口腔科(口)
博士(歯学):奥田 綾子 先生
◆エキゾチックペット(エキゾ)
エキゾチックペットクリニック
博士(獣医学):霍つ る の
野 晋吉 先生
◆皮膚科(皮)
アイデックスラボラトリーズ株式会社博士(獣医学):関口 麻衣子 先生
◆問題行動治療科(行)博士(獣医学) フリッツ 吉
きっかわ川 綾 先生
◆眼科博士(獣医学):当院 小野 啓毎週火曜~土曜日
(カレンダーには表記していません)学会等で不在のこともありますので、事前のご予約をお願いいたします。
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お問合せ
●沼津病院平日 午前 9:00 ~ 12:00 (11:30) 午後 14:00 ~ 19:00 (18:30)日 午前 9:00 ~ 12:00 (11:30)木・祝日休診
診療時間
パル動物病院
行
パルニュース 2018 年 10 月
●裾野センター病院静岡県裾野市伊豆島田 843-5TEL: 055-993-3135
●沼津病院静岡県沼津市沼北町 1 丁目 5-27TEL: 055-922-6255
●ウェブサイト http://pal-ah.jp
2018 年 10 月
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下痢とは便に含まれる水分量が増加した状態をいい、犬や猫にしばしばみられます。
すぐに病院に連れて行くことができない場合、自宅で様子を見ても良いのか、悩む方もいらっしゃることでしょう。今回は、下痢をした時の自宅での対処法についてお話しします。
下痢の原因・胃腸疾患・血液循環障害や腸の圧迫・その他の全身性疾患
下痢がみられたら下痢の性状(回数、形状、色、におい、
混入物など)と全身状態を観察することが重要です。
1 ~ 5 のような緊急性が高い可能性がある下痢であれば、至急、動物病院で受診してください。
6 ~ 9 のような場合、全身状態が悪くなければそれほど緊急ではありませんが、早めに動物病院で受診しましょう。
1. 大量の水様便が頻繁に排出される。2. 血便、黒色便、粘液便。3. 下痢とともに眼がくぼんでいる。粘膜の
潤いがない。4. 下痢とともに腹部が膨らんでいる。お腹
を痛がる。むくみがある。5. 下痢とともに元気がなく、ぐったりして
いる。粘膜が白い。体温が低い、または発熱している。
【診断】診断は血液検査、腹部 X 線検査、腹部超音波検査を行い、総合
的に評価します。血液検査では、白血球数の上昇といった炎症所見や、肝数値の上昇がみられます。腹部超音波検査では特徴的な画像所見があり、胆嚢粘液嚢腫と判断する決め手となります。このように、体の状態をみながら、複数の検査を行い総合的に診断いたします。
【治療】検査結果より胆嚢粘液嚢腫と診断された場合、50~60% の割合で
胆嚢破裂に至るとの報告があります。胆嚢破裂を起こすと死亡率が高くなります。まずは胆汁の分泌を促す薬や抗生物質による内科治療を行い、改善が認められない場合は胆嚢破裂予防のため、手術を実施することが推奨されます。
【予防】胆嚢粘液嚢腫の初期は症状がみられないため、早期診断には血液
検査や腹部超音波検査などの健康診断が必要です。1 年に一回または半年に一回の健康診断を実施し、早期の診断・予防をしましょう。
参考文献獣医内科学小動物編(文永堂出版)Small Animal Internal Medicine 第 4 版(インターズー)
胆嚢粘液嚢腫
パルニュース 2018 年 10 月号
胆嚢は肝臓で作られた消化液(胆汁)を一時的に溜めている袋状の臓器です。胆汁は胆嚢から伸びる管(胆管)を通って十二指腸に分泌され、脂肪分解に関わっています。胆嚢粘液嚢腫は粘性をもち、流動性を失ったゼリー状の胆汁が胆嚢内に溜まった状態を指します。中高齢の犬に発生が多く、猫での報告はほとんどありません。無症状の場合もありますが、症状が現れた場合、命に関わることもある疾患です。
【原因】胆嚢粘液嚢腫の明らかな発生原因は解明されておりませんが、以
下の要因が関連しているのではないかと言われています。・ 家族因子:ミニチュア・シュナウザー、アメリカン・コッカー・
スパニエル、シェットランド・シープドックなどで発生が多い・ 内分泌疾患:副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)や甲状
腺機能低下症と関連して発症することが多い・ 高脂血症:コレステロールが高値になると胆汁の粘稠度が増加
する・ 膵炎との関連:膵炎や胆嚢炎、肝炎などの細菌感染が胆嚢に広
がり、胆汁の粘稠性が増す
【症状】胆嚢粘液嚢腫は長期的な経過をたどることも多く、初期は無症状で
す。進行すると胆嚢炎の悪化や胆嚢壊死、炎症がお腹の脂肪組織にまで広がる腹膜炎を起こし、食欲不振、下痢、嘔吐、元気低下といった一般的な症状を引き起こします。
特徴的な症状としては黄疸やお腹の痛みがあげられ、肋骨の下を押すと痛がります。また前肢を伸ばし、お尻を上げる祈りの姿勢がみられることもあります。