第二消編化管内ニ於ケル赤痢菌ノ態度 第一論緒 赤痢ニ關スル...

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20 松林=赤痢ニ 關スル實 四九ニ 赤痢ニ關スル實驗的研究 ( 承前 東京市立駒込病院(指導 高木教授) 醫學士 第二 編 消化管内ニ於ケル 赤痢菌ノ態度 第一章 第一編ニ於テ論述セルガ如ク、動物ヲシテ入爲的ニ赤痢ニ罹患セシメントスルハ至難ナル實驗ニ テ、從來 ラズ、其ノ目的ニ到達セル者ハ極メテ少數ニシテ、而モ之テ人體赤痢ニ比較スルニ遺憾ナガラ満足スベキ成績ヲ得 得ズ。 余モ亦、膽汁感作法テ用ヒテ犬ノ消化管粘腹ニ赤痢様變化ヲ發生セシメタレドモ、同所ニ屡々赤痢菌ヲ見出 得ザル現象ヲ頗ル奇異 ニ感ジタリ。之恐ラク動物體ニ於ケル赤痢菌ノ態度ガ人體ニ於ケル場合ニ比シ、根本的ニ相違スルニ起因スルモノト思惟セラル、ヲ テ、本編ニ於テハ專ラ動物消化管内ニ於ケル赤痢菌ノ消長ニ關スル實驗的研究ニ就キ考察シ、動物赤痢ノ感染實驗ニ基礎的説明ヲ與 ヘント試ヾタリ。 赤痢菌ニ限ラズ經口的ニ侵入セル病原菌ニ對シ胃液ガ或ル程度ノ殺菌作用ヲ有スル事ハ周知ノ事實ナレドモ、赤痢菌ニ就テ具體的ニ K. s c h e e r氏 ( 1 4 )( 1 5 )( 1 6 )( 1 7 )ニシテ、 同氏ハ 胃液ガ赤痢菌ニ 作用シ五分間以内ニ 死滅セシムル 強力ニシテ赤痢ノ感染ヲ防遏スルニ充分ナリト説キ、Be n e k e氏ハ胃液ノ殺菌力ヲ過信シ赤痢ノ經口感染説ヲ否定シ、經肛感染説ヲ主張 リ。然レドモ本説ハBe i t z k e氏 ( 1 8 )等ニ反駁セラレ、No o r de n氏( 1 9 )ハ胃液ノ殺菌力ハ恒ニ絶對的ニ 非ズシテ、經口的ニ 侵入セル赤痢菌が カレ十二指腸内ニ 濳入スル機會アルヲ主張セリ。 腸管内ニ於ヶル殺菌作用ノ有無ニ關シテハ現在尚議論ノ餘地ナキニ非ザレドモKoh l b ru gg e( 2 0 )( 2 1 )、 Ro l l yu.Li e b e r me i s

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  • 20

    松林=赤痢ニ關スル實驗的研究

    四九ニ

    ニ關

    ル實

    (承前)

    東京

    立駒

    込病

    院(指導

    木教

    授)

    第二編

    消化管内

    ニ於ケル赤痢菌ノ態度

    一章

    一編

    ニ於

    テ論

    ルガ

    ク、

    シテ入爲

    ニ赤

    ニ罹患

    ント

    ハ至

    ル實

    ニシ

    テ、

    ノ研

    ニ拘

    ラズ

    ノ目

    ニ到達

    ル者

    ハ極

    テ少

    ニシ

    テ、

    モ之

    テ人

    赤痢

    ニ比較

    ニ遺

    ナガ

    キ成

    ヲ得

    ト謂

    モ亦

    テ用

    テ犬

    ノ消

    粘腹

    ニ赤痢

    様變

    ヲ發

    メタ

    レド

    モ、

    ニ屡

    々赤

    ヲ見

    ル現

    ヲ頗

    ル奇

    ニ感

    リ。之

    ク動

    物體

    ニ於

    ル赤

    ノ態

    人體

    ニ於

    ル場

    ニ比

    シ、根

    ニ相

    ニ起

    ルモ

    ト思惟

    、ヲ以

    テ、

    ニ於

    ハ專

    ラ動

    ニ於

    ル赤痢

    ノ消

    ニ關

    ル實

    驗的

    ニ就

    キ考察

    シ、

    物赤

    ノ感

    ニ基

    的説

    ヲ與

    ヘン

    ト試

    リ。

    赤痢

    ニ限ラズ經口的

    ニ侵

    セル病原菌

    ニ對

    シ胃

    液ガ或

    ル程度

    ノ殺菌作

    用ヲ有

    スル事

    ハ周知

    ノ事實

    レド

    モ、赤痢菌

    ニ就

    テ具體的

    ニ説

    明ヲ與

    ヘタル

    K.scheer氏(14)(15)(16)(17)ニシテ、同氏

    ハ胃液

    ガ赤痢菌

    ニ作用

    シ五分間以内

    ニ死滅

    シムル能力

    ヲ有

    スト報告

    シ、胃液分泌機能

    ニ障碍

    ナキ限

    リ胃

    ノ殺菌力

    強力

    ニシテ赤

    ノ感

    染ヲ防遏

    スル

    ニ充分

    ナリト説

    キ、Beneke

    ハ胃

    ノ殺菌力ヲ

    過信

    シ赤痢

    ノ經

    口感

    染説

    ヲ否

    シ、

    經肛感染説

    ヲ主

    スル

    ニ至

    リ。然

    レド

    モ本

    Beitzke氏(18)等

    ニ反駁

    セラ

    レ、Noorden氏(19)ハ胃

    ノ殺菌

    ハ恒

    ニ絶對的

    ニ非

    シテ、經

    口的

    ニ侵

    セル赤痢菌

    が胃

    ニ死滅

    ヲ免

    カレ十二指腸内

    ニ濳

    スル機

    アルヲ主張

    セリ。

    ニ於

    ル殺

    ノ有

    ニ關

    ハ現在

    ノ餘

    ニ非

    レド

    Kohlbrugge(20)(21)、Rollyu.Liebermeist̂wr氏

    (22)

    ハ第

    ノ腸

    ニ常

  • 21

    ル諸

    ヲ調

    シ、

    テ腸

    ニ於

    テ細

    ノ受

    ル影

    ヲ窺

    ニ、

    上部

    ハ殆

    状態

    ニア

    ヲ見

    シ、

    Escherich,

    Hofert

    等(23)ハ人

    ニ就

    キ同

    ル事

    ヲ確

    シ、小

    ハ或

    ル程

    ノ殺

    ガ行

    ハレ

    、ア

    ルヲ強

    調

    リ。然

    レド

    モ之

    ガ原

    ニ關

    ル説

    一定

    セズ

    ヘバ

    Escherich

    ハ小

    ノ機

    ヲ以

    テ、

    Kohlbrugge

    ハ小

    ノ殺

    リ。

    Bogendorfer氏

    (26)

    Kohlbrugge

    ノ説

    ヲ支

    シ、

    二細

    発育

    止物

    シ之

    Bacteriostanine

    セリ。

    レド

    Moro,Rolly

    u.Liebermeister氏

    (25)

    ハ小

    液自

    二殺

    菌力

    ク小

    に殺

    ヲ唱

    へ、

    ガ肺

    高對

    シ溶

    ヲ有

    ハ餘

    モ有

    ル現

    レド

    モ腸

    ニ對

    シテ

    ハ寧

    ロ其

    ノ發

    、如

    ク、

    M

    edowikow

    (27)

    ハ腸

    ニ由

    ル淋

    ノ貪

    ヲ以

    テ腸

    ノ分

    ヲ設

    リ。

    チ腸

    ノ殺

    ニ關

    シテ

    ハ未

    ダ適

    ル説

    ヲ得

    レド

    モ、

    ガ腸

    ニ於

    テ或

    ル作

    ノ下

    一定

    ル分

    ヲ示

    シ、

    ヲ維

    シツ

    ・ア

    ハ各

    一致

    ル觀

    リ。

    ノ如

    キ状

    ニアリ

    テ偶

    々赤

    ガ腸

    ニ侵

    ル場

    ノ平

    ニ及

    ス影

    響竝

    ニ該

    ニ受

    ル變

    ハ極

    シテ、

    ガ究

    ハ即

    チ赤

    ニ關

    ル實

    ノ核

    ヲナ

    ノナ

    レバ、

    ハ敢

    ヘテ次

    ニ記

    ルガ如

    キ實

    ヲ施

    セ、リ。

    ノ胃

    液中

    ニ於

    ル態

    ヲ觀

    ンガ爲

    ノ如

    キ實

    ビ實

    ヲ採

    セリ。

    (一)實

    驗動物

    體重六瓩乃至

    一〇瓩

    ノ牝犬

    ヲ慣

    レル迄飼育

    シツ

    ・其

    ノ健康状態

    ニ留意

    シ、異

    ナキヲ認

    メタル後、左

    ノ如

    ク人工胃

    瘻形成術

    ヲ施

    セリ。

    (二)人

    工胃瘻

    形成術

    ヅ手術前

    二日間飲

    料水

    ノミヲ供給

    シ食餌

    ヲ禁止

    セル犬

    ヲ固定臺

    ニ仰臥

    ニ固定

    シ、季

    肋下部

    ヲ剪

    毛剃

    セル後

    石鹸

    ヲ以

    テ清潔

    ニシ、沃度丁幾

    ニテ消毒

    ヲ行

    ヒ、次

    ニ體重

    一瓩

    ニ付キ「ナ

    ルコポン」○・二竓

    ヲ皮下

    ニ注射

    シ、麻醉

    ニ入ルヲ待

    チテ手術

    ヲ開始

    セリ。

    即チ季

    肋下部

    ニ正中線

    ニ沿

    ヒ約五糎

    ノ皮膚切開

    ヲ施

    シ、

    血管

    ニ注意

    シツ

    、内部

    ノ筋

    及ビ筋膜

    ヲ縦斷

    シテ腹膜

    ニ達

    ス。

    ヲ切開

    スレバ直

    ニ大網膜或

    ハ呼吸

    ト共

    ニ出沒

    スル胃

    ヲ見

    ル。次

    ニ胃壁

    ヲ上方

    ニ取出

    シ、前

    ニ於

    テ幽門部寄

    ニ二重輪状

    (内輪直徑

    二糎、外輪直

    四糎)ニ縫

    合絲

    ヲ縫

    ミ其

    ノ両端

    ヲ長

    ク殘

    ス。

    デ中央

    ニ約○・五糎大

    ノ切開

    ヲ行

    ヒ、外

    ヨリ胃

    ソ内部

    ニ通ズ

    ル金屬性胃

    瘻管

    ヲ播入

    シテ其

    ノ周園

    巾着縫命

    ニテ固定

    シ、腹膜、筋及

    ビ皮膚

    ノ順

    ニ縫

    シ、繃帯

    ヲ施

    シテ手術

    ヲ完了

    ス。

    外部

    ニ露

    セル胃瘻

    ハ短

    キ「ゴム」管

    ニ連結

    セラ

    レ、其

    ノ先端

    ヲ「ク

    レムメ」ニテ抑

    へ、胃液

    ノ流出

    ヲ防

    グ。犬

    ガ麻醉

    ヨリ覺醒

    シタ

    ル後

    ハ食慾

    ニ應

    ジ牛

    ヲ與

    へ、毎

    日繃

    帯交換

    ヲ行

    ヒ化膿

    セザ

    ルヤウ注意ヲ拂

    ヘリ。

    松林=赤痢ニ關スル實驗的研究

    四九三

  • 22

    松林=赤痢ニ關ズル實驗的研究

    四九四

    クシテ手術

    後數日

    ヲ輕過

    シ、食慾

    ヲ恢復

    シ、胃瘻

    ヨリ血液

    ノ混

    ゼザ

    ル胃

    ノ流出

    ヲ待チ

    テ實驗

    ヲ開始

    セリ。

    (三)胃

    液採取法

    及ビ其

    ノ性状調査

    液ヲ探

    スルニハ犬

    ノ空腹時

    ヲ選

    ビ直

    立固定臺

    ニ載

    セ、胃瘻管

    ヲ開

    キテ残留

    セル胃液

    ヲ採取

    シ之

    ヲ前液

    トシ、然

    ル後

    ニ「ブ

    ヨン」一〇竓

    ヲ經口的

    ニ注

    入シ、二○分

    ノ間隔

    ヲ以

    テ流出

    ヌル胃

    液ヲ分採

    セリ。斯

    シテ得

    タル胃液

    ニ就

    ハ左記

    ノ方法ヲ用

    ヒ其

    ノ性状

    調査

    セリ。

    水素

    「イオ

    ン」濃度

    東洋濾紙

    試驗紙ヲ以

    テ水素

    「イオン」濃度

    ヲ測定

    ス。

    遊離鹽酸度

    胃液中

    ノ遊離

    鹽酸

    ノ定

    ニハ○・五%「ヂ

    メチールアミドアツォベンツォール」酒精溶

    液ヲ標示藥

    トシ、

    1/100定規

    苛性曹

    達液

    ヲ以

    テ滴定

    リ。之

    ニ用フル胃

    液量

    一〇竓ヲ使用

    レド

    モ、採取量尠

    キタメ○・五竓

    ニ就

    テ測定

    スルノ

    ムナキ場

    アリ。

    總酸度

    本定量

    ニハ標示藥

    トシテ

    一%「フ

    ェノル

    フタレイ

    ン」酒精溶

    液ヲ使用

    シ、滴定法

    ハ前述

    ノ要領

    ニ從

    ヘリ。

    標示藥反應

    本反應

    ハ胃液分泌刺戟液「ブ

    ヨン」ノ胃内停

    滞時間

    ヲ知

    ルタメ

    ニ施行

    セル

    モノニシテ、豫

    メ刺戟液

    ニ「フ

    ェノルフタ

    レイン」酒精溶液

    一滴

    ヲ混

    ジ置

    キ之

    ヲ胃

    ニ注入

    シ、胃

    瘻管内

    ヨリ探取

    セル胃液

    ニ苛性曹達溶液

    ヲ加

    へ赤色

    ノ有無

    ヲ檢

    セリ。

    試驗管内

    ニ於

    ケル胃

    ノ殺菌力

    採取

    セル胃液

    ノ赤痢菌

    (駒込B菌)ニ封

    スル殺菌力

    ヲ知

    ントシテ、各胃液

    一・○竓

    ヲ小試驗管

    ニ分注

    シ、之

    ニ該菌

    「ブ

    ヨン」二○時間培

    ノ○・〇五竓

    ヲ混

    ジ三七度恒温槽

    ニ納

    メ、五分、

    一〇分、

    二○分

    ‥‥ト

    一定時間毎

    ニ普通寒

    天平板上

    ニ塗抹培

    シテ各試驗管内

    ノ赤痢菌

    ノ生死ヲ確

    メタリ。

    ニ於

    ケル赤

    痢菌

    ノ抵抗

    メ赤痢菌二瓱ヲ棍

    ゼル「ブ

    イヨン」一〇竓

    ヲ經口的

    ニ注入

    シ、胃瘻管

    ヨリ流出

    スル胃液中

    ノ赤痢菌

    ヲ檢索

    シ、以

    テ胃内

    ニ於

    クル赤痢

    ノ消長

    ヲ時間的

    ニ観察

    セリ。

    ニ腸

    液中

    ニ於

    クル赤

    痢菌

    ノ態

    度ヲ闡明

    センガタメ、人工腸瘻

    ヲ用

    ヒテ純

    ナル腸液

    ヲ採取

    セント欲

    レドモ、腸液

    ノ分泌量

    ハ極

    メテ尠

    ク、且

    ッ大

    腸菌

    ヲ混

    ルヲ以

    テ手術

    部位

    ニ化膿

    性炎

    ヲ發生

    シテ細菌學

    的調査

    ヲ不能

    ナラシメ、而己

    ナラズ人工腸瘻

    形成後

    ハ、試驗動物

    ノ衰

    弱甚

    シク長期

    ニ亙

    ル實驗

    ニハ不適當ナ

    ルガ故

    ニ止

    ムヲ得ズ本法ヲ斷念

    シ、直接開腹腔内

    ニ於

    テ腸管各部

    ニ適當

    ナル處置

    ヲ施

    シテ、腸管内

    ニ於

    クル赤痢菌

    ノ消

    長ヲ観察

    リ。其

    ノ具

    軆的方法

    ニ關

    シテハ各項

    ニテ詳述

    ス。

    第三章

    實驗成績

    一節

    胃内

    ニ於

    ケル赤痢菌

    ノ態度

    一項

    テ「ブ

    ン」ヲ使

    ル場

  • 23

    第 二 十 七 表

    刺戟液 「ブイ ヨン」ヲ使用 セル場合 ノ胃液 ノ性状

    第 二 十 八 表

    刺 戟液 「ブイ ヨン」ヲ使 用 セル場合 ノ胃液 ノ性状

    第 二 十 九 表刺 戟液「ブイヨン」ヲ使 用 セル 場合 ノ胃液 ノ性状

    第 三 十 表刺戟液 「ブイ ヨン」ヲ使用 セル場合 ノ胃液 ノ性状

    松林=赤痢ニ闡

    スル實驗的研究

    四九五

  • 24

    松林=赤痢ニ關スル實驗的研究

    四九六

    第 三 十 一 表

    刺 戟液「ブイヨン」ヲ使 用 セル場合 ノ胃液 ノ性状

    瘻形

    ヲ施

    レタ

    ル犬

    ノ各

    「ブ

    ン」一〇

    口的

    ニ注

    シ、

    ヨリ流

    ル胃

    ノ性

    ビ試

    ル赤

    ニ封

    ル殺

    ヲ檢

    シ、

    ニ示

    ス如

    キ成

    ヲ得

    (第

    、第

    八表

    表、

    )。

    ハ比

    ニ尠

    レド

    「ブ

    ン」注

    ノ分

    .

    ニ活

    分或

    ハ四

    ニ於

    テ最

    モ多

    ニ分

    セラ

    ル。

    水素

    「イ

    ン」濃

    ハ前

    ニ低

    pH

    ・○前

    レド

    モ、

    「ブ

    ン」注

    入後

    ニ上昇

    pH

    一・○

    ニ達

    モノ

    リ。

    ビ總

    ハ概

    ネ水

    「イ

    ン」濃

    ト竝

    シテ増

    ス。

    「ブ

    ン」

    内停

    ヲ示

    ス標

    ハ遲

    モ八

    ニ陰

    試驗管内

    ニ於ケ

    ル胃液

    ノ赤痢菌

    ニ封

    スル殺菌力

    ハ極メテ強力

    ニシテ、最大

    一〇分以内最少九〇分以内

    ニ赤痢菌

    ヲ死滅

    セシム。

    ニ胃内

    ニ於

    ケル赤痢菌

    ノ抵抗力ヲ檢

    セルニ大體試驗管内實驗

    ノ成績

    ニ一致

    セリ(第三十二表、第三十三表、第三十四表、第三十五表、

    第三

    十六表)。

    即チ胃内

    ニ侵入セル赤痢

    ハ六〇分乃至八〇分以内

    ニ死滅

    スルヲ常

    トス。

    但シ此ノ場合赤痢菌ガ胃内

    ニ死滅

    スルコトナク全部十二指腸内

    ニ移行

    セル結果、

    胃瘻管

    ヨリ流出

    スル胃液中

    ニ赤痢菌ヲ檢出

    シ得ザル

    ニ至

    ル懸念ナキニ非ザ

    レドモ、標示藥反應陽性ナ

    ルニ拘ラズ即チ赤痢菌浮遊「ブイヨン」ガ未グ胃内

    ニ殘存

    スルニ拘ラズ、流出スル胃液

    ニ該菌テ證明シ得ザ

    ル現象

    ハ胃液ノ殺菌作用

    ニ起因

    スルモノト推定シテ誤リナカルベシ。

    スルニ胃液ガ赤痢菌ニ封

    シテ強力ナル

    殺菌力テ有

    スルコトハ確實ナル事實

    ニシテ、從

    テ胃液ノ有

    スル赤痢感染防禦上ノ意義

    モ自

    ラ明白ナリ。

    レドモ經口的

    ニ侵入

    セル赤痢菌

    ハ胃液ノ作用ヲ受

    ケテ全滅

    スルヤ否ヤ遽

    ニ斷定シ得ザ

    ル所

    ニシテ、

    ニ詳細ナル研究

    ヲ要

    スル問題

  • 25

    第三十 二表 胃内 ニ於 クル赤痢菌 ノ抵抗

    第三十三 表 胃内ニ於 クル赤痢 菌 ノ抵抗

    第三十 四表 胃内 ニ於 ケル赤痢菌 ノ抵抗

    第三十五 表 胃内 ニ於 ケル赤痢菌 ノ抵抗

    第三十六表 胃内ニ於 ケル 赤痢菌 ノ抵 抗

    レバ章

    ヲ改

    テ論

    コト

    、シ本章

    ニ於

    ハ胃

    ノ殺

    ノ本

    ニ關

    シ考

    ヲ試

    ン。

    テ、

    ノ殺菌

    ハ其

    ノ如

    ル成

    ニ歸

    モノ

    ヤ古

    來諸

    ノ注

    ヲ惹

    キタ

    ル問

    ニシ

    テ、

    ヘバS

    traus,W

    urtz氏

    (29)

    ハ遊

    ニ殺菌

    ルヲ認

    メ、

    Scheer氏

    ハ遊

    ト協

    テ該

    ヲ發

    ル或

    ル不

    ルヲ

    シ、

    Dondon氏

    (27)ハ胃

    ヲ中

    テ尚

    殺菌

    ノ殘存

    ルヲ説

    ント

    テ、

    ノ外

    ニ「ア

    レキ

    ン」ノ協

    ヲ要

    ト考

    へS

    anarelli,W

    ehrmann

    ハ胃

    ニ殺菌

    ノ存

    ルヲ提唱

    リ。

    ノ如

    ク観

    ヨリ得

    ル成

    ハ區

    一定

    セザ

    レド

    モ、

    ノ殺

    ニ遊

    ノ存

    ガ重

    ル意

    ヲ有

    コト

    ハ動

    スベ

    ラザ

    ル事

    ニシテ、

    ハ胃

    ヲ重曹

    ハ膽

    ヲ以

    テ中

    シテ殺菌

    ノ變

    ヲ檢

    一層

    ニ誤

    ヲ知

    レリ。

    ヲ以

    テ中

    ル場

    ノ如

    ク胃

    ヲ施

    シタ

    ル犬

    ニ「ブ

    ン」一〇

    ト共

    ニ重

    ヲ經

    口的

    ニ注

    シ、

    松林=赤痢

    ニ關スル實驗的研究

    四九七

  • 26

    松林‖赤痢ニ閣

    スル實験的研究

    四九八

    ヨリ流出

    スル胃液

    ノ性状

    テ検

    シ同時

    ニ試験管内

    ニ於ケル赤痢菌

    ニ對

    スル殺菌作用テ調査

    セシニ次表

    ノ如キ成績テ得タリ(第三十七

    表、第三十八表、第三十九表、第四十表、第四十

    一表)。

    郎チ重曹二瓦テ経口的

    二投與

    セルニ、胃液

    ハ中和

    セラレテ其

    ノ水素.イオン」濃度

    ヲ減,ジ之

    ニ應ジ'プ遊離堅酸度及ビ総酸度

    ノ低下を招

    セルテ以テ客

    胃液

    ニ就

    キ前同尚

    様試験管内ニ於ケル赤痢菌

    ニ對

    スル殺菌力

    ノ變攣化テ検討

    セルニ、中和

    セラレタル胃液

    ハ著ンク殺

    菌力テ減弱

    セラレ接觸後三時間爾赤痢菌ガ胃液中

    二生存

    シ得

    ルテ知

    レリ。

    叉標示藥反應

    ノ示

    スガ如

    ク「ブイヨンしノ胃内停滞時間

    モ可ナリ延長

    スルラ認メタリ。

    ニ重曹二瓦ヲ混ぜルデ

    イヨン」一○竓史

    赤痢菌二瓱ヲ

    浮遊

    セシメ之ヲ経口的

    ニ注入シタル彼、

    田目痩管

    ロヨリ流出

    スル胃液中

    ニ赤

    痢菌テ検索

    シ該菌

    ノ胃空

    於ケル生死

    テ確

    ノタリ(第四十二表、第四+三表、第四十四表、第四十五表、第四十六表).

    .

    二現

    タル結果

    ヲ観察

    スルニ

    重曹

    ヲ以テ中和

    セラレタ曹

    ハ單

    二試験管内

    ニ於

    ケルミ

    ナラズ、生體内

    ニなテ

    モ赤痢菌

    ニ對

    スル殺菌力

    シク減弱

    ス・響

    液ガ中和セラレタル場合層膽

    汁ノ胃内逆流

    ヲ見

    ルヒト

    アリテ、

    一暦胃液

    ノ對赤痢菌殺菌力

    テ低下

    セシムルモノ

    シ。

    以上

    ノ實験成績

    ラ要約ス

    ルニ・胃液分泌機化肥ニ異ハ常

    ナキ墾

    外部

    侵入セル赤痢仲困ノ大部貧

    田日内

    スルモノナレドモ、

    何等

    カノ原因

    ニヨリテ胃酸度

    ノ低下セル機會

    ニ乗ジテ侵入セル赤痢菌

    ハ生菌

    ノ儘十二指腸内

    二移行スルコトァルごン。

    第三項

    、膿汁ラ以テ中和

    スル場合

    .

    胃鍵

    ノ低下ラ招來

    ズル原因

    ニ就テ黍

    スルニ、

    外因ト・ンニ

    アルカ2

    性飲食物或

    ハ藥剤

    ノ攝取、

    内因トシテアハ胃酸減少症ヲ

    フ種

    ル疾

    ノ外

    二、

    ノタ

    メ胃

    ノ中

    ル、コト

    ハ上

    ノ實

    二松

    ブモ経

    一フレタ

    ル所

    リ.

    斯クノ如ク弊

    テ混ゼル胃液

    ノ赤痢菌ニ及委

    影響

    ニ關

    シテハ経口赤痢感染實験ニ於

    ケル膿汁感作法ノ効果

    アル事實

    ニ鑑

    て、

    本項

    於テ検討

    スべキ要アルデ感ジ、左

    ノ如キ實験ラ行

    ヘリ。

    胃幾形成術

    ノ施サレタル犬

    ニ刺戟液「ブイヨン」ノ代リ

    ニ牛膽汁

    一○竓

    ラ経口的

    二注入シン、

    胃瘻管

    ヨリ流出

    スル胃液

    ニ就

    キ試験管内殺

    菌力ヲ検定

    セリ(第四十七表、第四十八表、第四十九表、第五十表、五十

    一表)。

    ニ前同.ノ實験方針ニ從

    牛膽汁

    ○竓中

    ニ赤痢菌二琴

    浮遊

    セシメテ響

    ニ注入シ、

    胃痩管

    ヨリ流出

    スル胃液聖

    赤痢菌

    ヲ検

  • 27

    第三十 九表 重曹 ヲ以テ中和 セ ラレタル胃液 ノ性状 第三十七 表 重曹 ヲ以テ中和 セ ラレタル胃液 ノ性状

    松林‖赤痢

    ニ關

    スル實験的研究

    第四十表 重曹 ヲ以 テ中和 セラ レ・タル 胃液 ノ性状 第三十八表 重曹 ヲ以テ中和 セ ラレ!タル 胃液 ノ性状

    四九九

  • 28

    松林‖赤痢ニ關

    スル實験的研究

    五○○

    第 四十 一表 重曹 ヲ以テ中和 セ ラレタル 胃液 ノ性状

    第 四 十 二 表

    胃内ニ於 ケル赤痢菌 ノ抵抗(重 曹投與)

    第 四 十 三 表

    胃内ニ於 ケル赤痢菌 ノ抵抗(重曹投 與)

    第 四 十 四 表

    胃 内ニ於 ケノン赤痢菌 ノ抵抗(重 曹投與)

    第 四 十 五 表

    胃 内ニ於 ケル赤痢菌 ノ抵抗(重 曹投與)

    第 四 十 六 表

    胃内ニ於 ケル赤痢菌 ノ抵抗(重 曹投 與)

  • 29

    第 四十 九表膽 汁 ヲ以テ中和 セラレタル胃液 ノ性状 第 四十七 表膽 汁 ヲ以テ中和 セラ レタル胃液ノ性状

    松林‖赤痢ニ關スル實驗的研究

    第 五十表膽 汁 ヲ以 テ中和 セラ レタル 胃液 ノ性状 第 四十入 表膽 汁 ヲ以テ中和 セ ラレ・タル 胃液 ノ性状

    五○

  • 30

    松林‖赤痢ニ闌スル實験的研究

    五○二

    第五 十一表膽 汁 ヲ以テ中和 セラ レタル 胃液ノ性状

    第 五 十二 表

    胃内ニ於ケル赤痢菌 ノ抵抗(膽 汁投與)

    第 五 十 三 表

    胃内 ニ於ケル赤痢 菌 ノ抵抗(膽 汁投與)

    第 五 十 四,表

    胃内ニ於 ケル 赤痢菌 ノ抵抗(膽 汁投 與)

    第 五 十 五 表

    胃内 ニ於 ケル赤痢 菌 ノ抵抗(膽 汁投與)

    第 五 十 六 表

    胃内ニ於 ケル赤痢菌 ノ抵抗(膽 汁投與)

  • 31

    セリ(第五十二表、第五十三表、第五十四表、第五十五表、第五十六表)。

    以上

    ノ實驗成績ガ示

    ス如

    ク、

    経口的

    ニ膽汁ガ注入セラレタル時

    ハ「ブイヨン」投與

    ノ場合

    ニ比較

    シテ胃液分泌状況

    ニ大差ナケレドモ、

    膽汁ノ胃内停滞時間ガ著

    シク延長

    セラル、ハ標示藥反能

    ノ結果ヨリ窺知セラル。

    膽汁

    ニヨリテ受

    クル胃液酸度

    ノ變化

    ハ大體重曹

    ヲ投與

    セル場合

    ニ等

    シク、膽汁

    ニヨリテ中和セラレタル胃液ノ赤痢菌

    ニ對

    スル殺菌力

    ノ減弱

    スル有様

    ハ試驗管内

    ニ於テモ生體内

    ニ於テモ重曹ヲ投與

    セル場合

    ニ一致

    セリ。

    ニ若

    シ何等

    カノ原因

    ニ因リ膽汁ガ胃内

    ニ逆流

    シ、

    胃液ノ殺菌力ガ低下セル機曾

    ニ、

    外部

    ヨリ侵入セル赤痢菌

    ハ胃内

    ニ死滅

    スルコト

    ナク、生菌

    ノ儘十二指腸

    二進入スルコトアルハ推察

    スルニ難

    カラズ。

    第四項

    クノ如ク胃痩形成術テ施

    セル犬ヲ使用

    シテ胃液分泌牀況及ビ赤痢菌

    ニ對

    スル殺菌力

    テ調査

    セシニ、

    刺戟液トシテ

    「ブイヨン」ラ投與

    セル場合

    ハ胃液ノ酸度

    ハ急激

    二壇加

    シ同液中

    ニアル赤痙菌

    ハ速カニ死滅

    スレドモ重曹ヲ混ぜル「ブイヨン」ヲ投奥

    スルカ

    ハ牛膽汁テ

    以テ之

    二代用スル時

    ハ酸

    性ナリシ胃液ガ中和

    セラル、ト共

    ニ短時間内

    ニ赤痢菌

    テ死滅

    セシムル能力ラ喪失スルニ至

    ル。

    ニ從來経口赤痢感染實驗

    ニ從事

    セル研究者ガ好

    ンデ重曹中和法テ採用

    シテ層ン良好

    ル結果

    テ得、

    又余ガ膽汁感作法ヲ施行シテ犬

    ニ赤痢様病變

    ラ惹起

    セシメ得

    タル所以モ諒解シ得

    ルニ至

    レリ。

    レドモ膽汁感作法ノ有效

    ナル理由テ單

    ニ胃酸中和能力テ以テ説明

    シ蓋シ得

    ルモノト斷言

    スルニハ、

    ニ今後

    ノ研究

    テ要

    スルモノト

    思惟

    ス。

    二節

    腸管

    二於

    ル赤痢

    ノ態

    胃内

    二於ケル赤痢菌

    ノ態度及ビ胃液

    ノ赤痢感染防禦上ノ意義

    ニ關

    シテハ第

    一節

    ニ論述セルヲ以テ、

    本節

    ニ於テハ赤痢菌

    ノ好侵部タル

    腸管内

    ノ牀況テ究明

    シ、併

    セテ腸管内

    ニ侵入セル赤痢菌

    ノ態度ヲ閑明セント努メタリ。

    腸畳内

    ノ状況

    ハ胃内

    ノ其

    レニ比較

    シ著

    シク趣

    キラ異

    ニシ、

    へバ酸度

    ハ胃内

    ニ高ク腸管内

    ニ低ク、

    又胃内

    ハ殆

    ンド無菌的ナルニ反シ

    腸管内

    ニハ大腸菌及ビ其

    ノ他

    ノ常在菌

    ヲ有

    シ、而己ナラズ腸管内容、

    即チ茲

    ニ云フ腸液

    ハ單

    一ナル消化液

    ニ非ズシテ、

    腸腺自身

    ノ分

    泌液

    ノ外

    ニ膽汁及ビ膵液等

    ノ混合液

    ナルヲ以テ、

    腸管内

    ノ作用

    テ究明

    スルニ際

    シテ

    ハ宜

    シク之等諸貼

    ニ充分

    ナル考慮

    ヲ置カザルベカ

    松林=赤痢ニ關スル實験的研究

    五〇三

  • 32

    松林=赤痢

    ニ關

    スル實驗的研究

    五〇四

    ラズ。

    ト雖

    モ腸

    ノ諸

    ハ何

    レモ之

    等諸

    分泌

    ノ協

    同作用

    ニ基

    ノナ

    レバ、

    ニ於

    ノ態

    ヲ閾

    ンガ

    メ各

    ノ赤

    ニ及

    ス影

    ヲ追

    シ、得

    ル結

    ラ以

    テ諸

    ノ協

    ヲ云

    ハ屡

    之誤

    ル結論

    ニ到

    コト

    ルラ慮

    リ、

    ラ腸

    ノ相

    互關

    ラ討

    コト

    、セ

    リ。

    第二

    ノ赤

    ニ對

    ル殺菌

    管吋

    ニ或

    ル程度

    ノ殺菌作

    ノ存

    スル

    ハ古來多數

    ノ細菌學者間

    ニ認

    メラ

    レタル現象

    ニシテ、夙

    ニMetschnikoff

    氏(29)

    ハ脾脱

    疽菌

    ガ小腸内

    ニ死減

    スル事實

    ヲ指摘

    シ、Schiitze氏(30)

    ハ「ヴ

    ィブ

    リオ・メチ

    ニコフ」及

    ビ線膿菌

    ガ小腸内

    ニ死滅ス

    ル現象

    ヲ認

    メタリ。

    Ganter, Van der Reis氏等(31)

    一般

    ニ腸内固有菌

    以外

    ノ諸

    ハ小腸内

    ニ生存

    スル

    コト能

    ハズ

    ト主張

    シ、Kohlbrugg

    e氏

    ハ腸内固有菌

    モ齊

    シク同様

    用ヲ受

    ケテ死滅

    スト述

    べ之ヲ小腸

    ノ自浄作用A

    utosterilisationト命

    シ、Bogendorfer氏

    ハ小腸液内

    ニ細菌

    發育

    阻止物質

    ヲ謹明

    シテKohlbrugge

    ノ説

    ヲ支持

    セリ。

    レド

    モ緒

    ニ於

    テ述

    ルガ如

    ク小

    ノ殺菌

    ノ有

    ニ關

    ハ諸

    ニ依

    テ意

    ラ異

    ニシ、現

    在定

    ラ得

    ニ至

    ラズ。余

    ハ腸

    ニ於

    ル赤

    ノ態

    テ研

    ニ際

    シ先

    ヲ検

    キ要

    ルラ認

    メ、

    ノ方

    ニ檬

    テ無菌

    ノ赤

    ル殺

    ニ再

    テ行

    ヘリ。

    空腹

    ニア

    ル犬

    ラ選

    ビ開

    シ、腸

    各部

    テ約

    二〇

    ノ間

    ニテ上

    テ結

    シ、腸

    ヨリ其

    ノ内容

    ヲ別

    ノ「シ

    ャー

    レ」内

    ニ絞

    シ、之

    ニ等

    ノ生理

    ラ注加

    シ良

    ク混

    ル後

    「ガ

    ゼ」テ以

    テ濾

    シ、更

    ニ遠

    シテ得

    ル上

    「マー

    ン」型

    ラ通

    テ無

    テ得

    リ。

    ニ各

    ノ該

    腸液

    一・○

    ニ對

    シ、

    一・○竓

    1/10

    ノ赤

    痢菌

    一滴

    ヲ加

    へ三

    七度

    ノ艀

    二放

    シ、

    ラ追

    テ赤

    ノ生

    テ確

    メ、

    ノ無

    ノ赤

    ニ對

    ル殺

    テ比

    (第

    表、

    、第

    表)。

    ク同

    ル操

    ニテ大

    ニ對

    ル殺

    モ検

    セリ

    (第

    六十

    、第

    一表

    表)。

    表示

    ルガ

    ク無

    液其

    レ自

    ハ赤痢

    ビ大

    ニ對

    テ全

    ク無

    ニシテ毫

    モ殺

    ラ認

    メズ

    一部

    腸粘

    ノ最

    ス理

    ノ説

    テ大

    ノ殺菌

    小腸

    シ小

    ル故

    ラ以

    レド

    モ、

    ガ實

    ノ結

    ヨリ観

    レバ合

  • 33

    第 五 十 七 表

    無菌的腸液ノ對赤痢菌殺菌力検定

    第 五 十 八 表

    無菌的腸液ノ對赤痢菌殺薗力検定

    第 五 十 九 表無菌的腸液ノ對赤痢菌殺菌力検定

    第 六 十 表無粛酌腸液ノ對大腸蘭殺菌力検定

    第 六 十 一 表

    無菌的腸液ノ對大腸菌殺菌力検定

    第 六 十 二 表無菌的腸液ノ對大腸菌殺菌力検定

    的ナル設明ト謂

    フテ得ズ。

    第二項

    腸管内

    二於ケル水素「イオン」濃度

    清化管内

    ノ水素「イオ

    ン」濃度ガ赤痢菌

    ノ清長

    ニ對

    シテ重大ナ

    ル關係

    ラ有

    スルハ論ヲ挨タザ

    ル所

    ニシテ、特

    ニ胃液

    ノ殺菌力

    ガ其

    ノ水素「イオ

    ン」濃度

    ニ左右

    セラル、ハ前節ノ實驗

    ニ稼テ

    明白ナリ。腸管内

    ニ於ヶル水素「イオン」濃度

    ハ胃液

    ニ比

    シ低

    ク大體中性

    ニ近キ値テ維持スレドモ、之ラ詳細

    二調査

    スルニ

    各部

    ニ於テ多少ノ差異テ認メ得

    ルモノニシテ、

    一般

    ニハ酸性

    ナリシ胃

    ノ内容

    ハ十二指腸

    ニ入リ

    テ急激

    二酸度テ減ジ、更

    二空腸

    廻腸

    ヲ経

    「ア

    ルカ

    リ」性

    ニ傾

    キ、

    ル部

    ニ於

    テ最

    「ア

    ルカ

    リ」度

    ニ達

    シ、

    ニ入

    テ再

    弱酸

    ニ傾

    テ例

    レドモ動物

    ノ種類

    ニヨリテ必ズ

    シモ一律ナラズ。例

    ヘバ人間

    ニ於テ小腸ノ内容

    ハ弱酸性

    ニ傾キ、

    又或

    ル動物

    ニ於テハ大腸

    ニテ最大

    松林=赤痢

    ニ關スル實驗的研究

    五〇五

  • 34

    松林=赤痢

    ニ關

    スル實驗的研究

    五〇六

    「ア

    リ」度

    ヲ示

    ハ犬

    ノ清化管内ノ水素

    「イオン」濃度

    ヲ知ランガタメ空腹時

    ニアル犬五頭ヲ還ビ開腹

    シ、

    注射器ラ以テ清化管各部

    ノ内容

    ヲ探取

    シ、

    東洋濾紙pH試驗紙ヲ用ヒテ其ノpHヲ測定セルニ、第六十三表

    ニ示

    ス如ク水素「イオン」濃

    ハ胃内

    ニ最モ高

    ク(pH四・二乃至六・〇)小腸

    上部

    ハ殆

    ンド中性

    ニシテ

    (pH七・〇前後)、

    小腸下部

    ハ弱「アルカリ」性

    ニ傾ク事多

    、ソ(田七.六前後)。

    大腸

    ニテハ再ビ酸度

    ラ増

    シ中性

    シ(pH七.〇前後)。

    ニ食餌囁取

    ニ因

    ル消化管内水素「イオン」濃度

    ノ變化テ調査

    スル目的

    ニテ満腹時

    ニアル犬五頭

    ニ就キ同様ナル方法テ以テpHテ測定

    ルニ、胃

    ノpHハ動揺

    シテ

    一定

    セザ

    レド

    モ(pH三・四乃至六・八)、小腸及ビ大腸ノpHハ空腹時

    ト大差ナシ(第六十四表)。

    ニ其

    ノ他

    ノ外的因子ニ

    因テ消化管内水素「イオン」濃度ガ變化ヲ受クルヤ否ヤ検討

    セント試ミ、

    空腹時

    ニアル犬十五頭ラ三群

    ニ分チ

    一群

    ニハ重曹二瓦宛、

    第二群

    ニハ牛膽汁

    一〇竓宛、第三群

    ニハ大腸菌

    ノニ〇時間「ブイヨン」培養

    一〇竓宛

    テ経口的

    二投與

    シ、二時

    間後

    二開腹

    シテ清化管各部ノ田テ測定セリ(第六十五表、第六十六表、第六十七表)。

    部チ前二群

    ニ於テハ胃液

    ハ重曹或

    ハ膽汁

    二中和セラレタレドモ(pH七.〇前後)、腸管内ノ田

    ハ前囘

    ト大差ナク、第三群

    ニテハ第六十三

    第 六 十 三 表

    空腹 時ニ於 ケル清化 管 内水素 「イオ ン」濃度

    第 六 十 四 表

    空腹 時ニ於 ケル稍牝 管内水素 「イオ ン」濃 度

    第 六 十 五 表

    重曹 ヲ投與 セラ レタル場合ニ於 ケル浩

    化 管 内水素「イオ ン」濃度(空 腹時)

    第 六 十 六 表

    膽汁 ヲ投與 セラ レタル場合 ニ於 ケル消

    化 管 内水素 「イオ ン」濃度(空 腹時)

  • 35

    第 六 十 七 表

    大腸 菌液 ヲ投與 セラ レタル場合 ニ於 ケ

    ル消化管 内水素 「イ オン」濃度(空 腹 時)

    表ノ成績

    ニ近似セリ。

    ニ胃内ノ水素「イオン」濃度

    ハ経口的

    ニ投與セラレタル物質

    ニ因リ成ハ胃酸分泌歌況

    ニ應ジ必

    ズシモ一定

    セザレドモ、腸管内

    ノ水素「イオン」濃度

    ハ外部

    ノ影響

    テ受クルコト勘ク、而モ赤痢

    ノ至適pH二一致セルガ故ニ同菌

    ノ腸管内

    ニ於ケル發育

    ヲ阻止スルモノトハ思考セラレズ。

    第三項

    腸管内

    ニ於サ

    ル大腸菌

    ノ分布状況

    腸管内

    ニ於ケル赤痢菌

    ノ態度

    ラ究明スルニ際

    シ先ヅ観察ヲ要

    スルハ腸管内

    ニ於ケル常在菌、就

    中大腸菌ノ分布状況ナリ。

    腸管内

    ニ於テハ大腸菌以外

    ニ種

    々ナル細菌、例

    ヘバ乳酸菌、醸氣性乳菌及ビ腸球菌等等ガ

    一定

    分布

    ノ下

    ニ生存

    スルハ周知ノ事實

    ニシテ、Bogendorher.Van der Reis

    氏等ノ研究

    ニ稼

    レバ

    大腸菌

    ハ主トシテ小腸下部

    ヨリ大腸全長ニ

    亙テ多數

    ニ存在

    シ、其ノ他諸菌

    ハ小腸上部

    ニ散在ス

    レドモ、其

    ノ數甚ダ勘キテ以テ増菌法ラ用ヒザ

    レバ謹明セザルコト多

    シト。

    レドモ斯クノ如キ分布

    ハ絶對不變

    ニ非ズ、

    ニ大腸菌

    ハ種々ナ

    ル原因

    ニヨリテ其ハノ分布状況ヲ變ズルモノニシテ、

    消化器疾患

    二際

    シ大腸菌ガ腸管内テ上方

    ニ向ツテ増殖シ十二指腸

    ニ達

    ルコトアルハ諸家

    ニヨツテ確認セラレタル事實

    ナリ。尚大賜菌

    ノ分布状況ガ疾病時

    ニ限ラズ腸管内清化物

    ノ有無

    ニヨリ變化

    スル現象

    ハ余ガ實驗中屡

    支経驗セラルタ臓ラ以ラ、茲

    ニ改

    メテ食餌囁取ト大腸菌分布状況トノ關係

    ニ就

    キ再検討

    ラ試ミタリ。

    メ三日間繕食セシメ室腹時

    ニアル犬五頭ヲ開腹

    シ、

    溝化管各部

    ノ内容

    ヲ注射器

    ニテ吸引探取シ、其

    一白金耳量

    ヲ生理的食鹽水

    〇竓

    ニ稀稱シ之ガ

    一白金耳量

    ヲ「ドリカルスキー」培地

    ニ塗抹培養

    シ、

    翌日發生

    セル大腸菌聚落數

    ニ依テ潰化管各部ノ大腸菌

    ノ有無及

    ビ多寡

    テ判定

    セルニ次表

    ノ如キ結果テ得タリ(第六十八表)。

    印チ室腹時

    ニアル犬

    ノ消化管内大腸菌分布状況

    ハ胃

    ヨリ廻腸上部

    ニ至

    ル迄殆

    ンド無菌状態

    ニアリ、

    大腸菌

    ハ圭トシテ蟲様突起及ビ結

    腸内

    ニ謹明

    セラル、ノミ。

    ニ満腹時

    ニアル犬五頭

    ニ就キ同様ナル方法

    ニ縁テ検査セシニ、

    次表

    ニ観

    ルガ如ク大腸菌

    ハ漸次上方

    ニ向

    ツテ増殖

    シ、

    ニ十二指腸

    及ビ室腹

    ニ於テモ多數見出サル、ニ至

    レリ(第六十九表)。

    松林=赤痢

    ニ關

    スル實驗的研究

    五〇七

  • 36

    松林=赤痢

    ニ關

    スル實験的研究

    五〇八

    ニ空腹時

    ニアル犬

    ニ重曹二瓦或

    ハ牛膿汁

    一〇竓ヲ経

    口的

    ニ投與

    シ、

    腸菌

    ノ分

    ヲ攣

    ント企

    シンガ、

    ニ現

    タルガ如ク其ノ結果

    ハ第

    六十八表ノ成績

    ニ一致

    シ目的

    ヲ達

    スルコト能

    ハザ

    (第

    七十

    七十

    一表

    )。

    第 六 十 八 表

    空腹時ニ於ケル消化管内ノ大腸菌分布状況

    表 中: 菌聚落敷(一 平板上)1-10ヲ(+)

    11-20ヲ(++)21-50ヲ(+++),51

    以 上 ヲ(∞)ニ テ示 セ リ

    第 六 十 九 表

    満腹時 ニ於ケル消化 管 内 ノ大腸菌分布状況

    第七十表 重曹ヲ投與セシ場合ニ於ケル消化管内ノ大腸菌分布状況(空腹時)

    第七十 一表 謄汁 ヲ投 與 セシ場合 ニ於 ケ

    ル浩化管 内 ノ大腸菌分布状況(空 腹時)

    要スルニ健康犬ノ消化管

    ニ於ケル大腸菌ノ分布

    ハ空腹時

    ニアリテハ腸管上部

    ニ鋏如

    シ主トシテ大腸

    ニ眼

    フレタレドモ、満腹時

    ニア

    リテハ十二指腸

    ニ至

    ル迄

    大腸菌

    ノ増殖ヲ見

    ル。

    第四項

    赤痢菌

    ノ腸管内侵入状況

    経口的

    ニ投與

    セラ

    レタル赤痢菌ガ胃液機能

    ニ障碍ナキ限リ胃液中ノ遊離盤酸

    ノ作用

    ヲ受ケテ短時間内

    ニ死滅スルモノナレド

    モ、

    實際

    ニ於

    テハ全滅

    スルコトナク

    一部分

    ハ胃酸ノ作用ヲ充分

    ニ受ケズ

    シテ、

    ハ何等カノ原因

    ニヨリ胃酸度

    ノ低下ヲ來

    シ爲

    ニ胃液

    ノ殺菌力

    ハ減弱シ、生菌

    ル儘十二指腸内

    ニ移行スルコトアルハ前節

    ノ實験

    ニ鑑ミ容易

    ニ推定シ得

    ル事實ナリ。

    レドモ腸管内

    ニ於ケル赤痢菌

    ノ縫

    ヲ検討

    スルニ際シ、本事實

    ニ誤認ナキヲ期シ種々ナル場合

    ニ於ケ

    ル赤痢菌

    ノ腸管内侵入状況

    實験的

    ニ調査

    セリ。前項

    ニテ明カナルガ如ク腸管内ノ状浜

    空腹時或

    ハ満腹

    ニ依テ著

    シク變化

    スル黙ヲ考慮

    シテ、

    先ヅ空腹時

    ニア

    ル犬ラ還ビテ實験ニ

    供セリ。

  • 37

    第七十二表 空腹時 ニ於 ケル赤痢菌 ノ消長

    第七十三表 空腹時ニ於ケル赤痢菌ノ消長

    第七十四表 空腹時ニ於ケル赤痢菌ノ消長

    第 七 十 五 表

    重曹投與後ノ赤痢菌ノ消長(空腹時)

    松林=赤痢

    ニ關スル實験的研究

    五〇九

  • 38

    松林=赤痢ニ關スル實験的研究

    一〇

    第 七 十 六 表

    重曹投與後ノ赤痢菌ノ消長(空腹時)

    第 七 十 七 表

    重曹投與後ノ赤痢菌ノ消長(空腹時)

    第 七 十 八 表

    謄汁投與後ノ赤痢菌ノ消長(空腹時)

    第 七 十 九 表

    膿汁投與後ノ赤痢菌ノ消長(空腹時)

  • 39

    第八十表 謄汁投與後ノ赤痢菌ノ消長(空腹時)

    部チ實験前二日間絶食セシメタル犬九頭ヲ三頭宛三群

    ニ分チ、第

    一群

    ニハ赤

    痢菌二彪含有「ブイヨン」浮遊液

    一〇竓ヲ経

    口的

    ニ注入シ、第二群

    ニハ豫

    メ重

    曹二瓦ヲ以テ胃酸

    ヲ中和シ、第三群

    ニハ豫

    メ牛膿汁二〇竓

    ヲ投與

    シタ

    ル後、

    赤痢菌二涯含有「ブイヨン」俘遊液

    一〇竓

    ヲ経口的

    ニ投與セリ。

    シテ二時間

    ヲ経過

    セル後該犬ヲ開腹

    シ、消化管各部

    ノ内容ヲ採取

    センガタ

    メ注射器ヲ以テ生理的食盤水約

    一耗ヲ管内

    ニ注入

    シ内容

    ト混和セシメ、次

    吸引シテ約〇・五竓ヲ採取

    之ヲ滅菌生理的食盤水

    一〇耗

    ニ稀繹シ其ハノ一白

    金耳量ヲ「ドリガ

    ルスキー」培地

    ニ塗抹培儘養シ、翌日登生セル菌聚落数

    ヲ以テ

    赤痢菌及ビ大腸菌

    ノ分布状況ヲ

    二時間毎

    ニ調査

    シ次表

    ニ示

    ス如キ成績

    ヲ得

    タリ(第七十二表、第七十三表、第七十四表、第七十五表、第七十六表、第七

    十七表、第七十八表、第七十九表、第八十表)。

    上表ノ結果ヲ観察

    スルニ單

    ニ赤痢菌「ブイヨン」俘遊液ノミヲ投與

    セラ

    レタル第

    一群

    ニ於テハ赤痢菌

    ノ大部分ハ胃内

    ニ死滅

    スレドモ小

    数ノ赤痢菌

    ハ生菌

    ノ儘十二指腸

    ニ潜入シ、

    ニ室腸廻腸ヲ経

    テ僅

    力二時間以内

    ニ大腸

    ニ到達

    セルモノアリ。

    腸管内

    ニ於ケル赤痢菌

    發育状況ヲ通覧

    スルニ増殖スル傾向

    ハ全ク認メラレズ、漸次大腸菌

    ノ増殖

    ニ歴倒

    セラレテ其ハノ藪

    ヲ減ジ極

    メテ小敷

    ノ赤痢菌

    ハ大腸菌

    ト混在シ、八時間後尚生存

    ヲ練

    ケタリ。

    本實験

    ニ於テ赤痢菌投與後僅

    力二時間以内

    ニ赤痢菌ガ大腸

    ニ出現スル現象

    ハ特

    ニ注目

    ニ値スル事實ナレバ、

    時間的

    ニ観タル赤痢菌

    腸管

    四分布状況

    ニ關

    シテ

    ハ項ヲ改

    メテ詳細ナ

    ル研究ヲ行

    フコトトセリ。

    第二群及ビ第三群

    ニ於テ

    ハ前節ノ實験

    ニ示

    セル如ク、胃液

    ハ重曹或

    ハ膿汁

    ニ依テ中和セラレpH七・〇前後

    ニ低下セルタメ、殺菌力

    ハ著

    シク創減

    セラレデ胃内

    ニ赤痢菌ヲ死滅

    セシムルコト能

    ハズ、途

    ニ多敷

    ノ生菌ヲ十二指腸内

    ニ移行セシメタリ。

    一旦腸管内

    ニ侵入セル赤痢菌

    ハ殆

    ンド無菌状態

    ニアル小腸内ヲ速カニ下降

    シ而

    モ其ハノ發育

    ハ大腸菌

    ノ阻止ヲ受ケザ

    ルガ故

    ニ八時間後

    尚純培養

    必状態

    ニテ検出

    セラル。

    松林=赤痢

    二關ヌル實験的研究

  • 40

    松林=赤痢ニ關スル實験的研究

    一二

    二満腹時

    ニフル犬九頭

    ヲ三頭宛三群

    ニ分チ前同ト同様ナル處置ヲ施行

    セルニ、

    一群

    ニ於テハ胃液

    ノ殺菌作用ヲ受ケ十二指腸内

    移行セル赤痢菌

    ハ極メテ少敷

    ナルニ反シ、

    第二群及ビ第三群

    ニ於テハ多數

    ノ赤痢菌ガ十二指腸内

    ニ謹明

    セラル。

    レドモ該菌

    ハ廻腸

    上部

    ニ増殖セル大腸菌

    ニ依テ下降

    ヲ阻止

    セラレ、數時間経過後尚廻腸内

    ニ侵入セズ逡

    ニ死滅

    スルニ至

    ル(第八十

    一表、第八十二表、第

    八十三表、第八十四表、第八十五表、第八十六表、第八十七表、第八十八表、第八十九表)。

    以上ノ實験成績ヲ要約セバ、経口的

    ニ侵入セル赤痢菌

    ハ大部分胃内

    ニ死滅

    シ腸管内

    ニ漕入

    スルモノハ極メテ少数ナリ。

    シ何等カノ原因

    ニ因テ胃酸度ノ低下ヲ招來

    セル場合

    ハ多数

    ノ赤痢菌ヲシテ腸管内

    ニ進入

    スル機會ヲ與

    フルコトアリ。

    シテ

    一旦十二指腸内

    ニ出現セル赤痢菌

    ノ其ハノ後

    ノ運命

    ハ小腸内

    ノ大腸菌分布状況

    ニ依テ左右セラレ、

    シ小腸内ガ無菌状態

    ニアル

    場合

    ハ速カ

    ニ下降

    シテ短時間内

    ニ大腸

    ニ出現スレドモ、大腸菌ガ腸管

    ヲ上方

    ニ向

    ツテ増殖セル場合

    ハ小腸上部

    ニ於テ其

    ノ發育ヲ防害

    セラレ、途

    ニ死滅

    スルニ至

    ル。

    仍テ從來赤痢感染實験

    ニ空腹時

    ノ動物ヲ選ビ、

    メ胃酸ヲ重曹

    ニテ中和

    シタル後、

    大量

    ノ赤痢菌

    ヲ投與

    セシバ蓋

    シ最

    モ合理的ナル感

    第八十一表 満腹時 ニ於 ケル赤痢菌 ノ消長

    第八十二表 満腹時ニ於ケル赤痢菌ノ消長

  • 41

    第八十三表 満腹時ニ於ケル赤痢菌ノ清長

    第 入 十 四 表

    重曹投與後ノ赤痢菌ノ清長(満腹時)

    第 八 十 五 表

    重曹投與後ノ赤痢菌ノ清長(満腹時)

    第 入 十 六 表

    重曹投與後ノ赤痢菌ノ消長(満腹時)

    松林=赤痢ニ關

    スル實験的研究

    一三

  • 42

    松林=赤痢ニ關

    スル實験的研究

    一四

    第 八 十 七 表

    膿汁投與後ノ赤痢菌ノ清長(渦腹時)

    第 入 十 入 表

    謄汁投與後ノ赤痢菌ノ清長(満腹時)

    第 入 十 九 表

    謄汁投與後ノ赤痢菌ノ清長(満腹時)

    第九十表 赤痢菌ノ腸管内出現及ビ消失時間

  • 43

    第九十一表 赤痢菌ノ腸管内出現及ビ清失時間

    第九十三表 赤痢菌ノ腸管内出現及ビ清失時間

    第九十三表 赤痢菌ノ腸管内出現及ビ浩失時間

    第九十四表 赤痢菌ノ腸管内出現及ビ清失時間

    松林=赤痢二關

    スル實験的研究

    一五

  • 44

    松林=赤痢ニ關スル實験的研究

    一六

    第九十五表 赤痢菌ノ腸管内出現及ビ消失時間

    第九十六表 赤痢菌ノ腸管内出現及ビ浩失時間

    第九十七表 赤痢菌ノ腸管内出現及ビ清失時間

    第九十入表 赤痢菌ノ腸管内出現及ビ清失時間

  • 45

    染法ナルベシ。

    第五項

    赤痢菌

    ノ腸内出現及ビ消失時間

    前項

    二記述セルガ如ク経

    口的

    二投與

    セラレタル赤痢菌ガ遽

    カニ通過

    シテ、

    大腸

    二出現

    スル現象

    ハ赤痢ノ議病状況特

    二潜伏時間

    ノ推定

    上滲考

    二資

    スベキ事實

    ルガ故

    二、本項

    二於

    テハ赤痢菌ノ腸管内出現拉

    二清失駄況ヲ時間的

    二観察

    セント試、、、左

    ノ如キ實瞼ラ行ヘリ。

    塞腹時

    ニアル犬九頭

    二豫

    メ重曹二瓦ラ投與

    シテ胃酸テ中和シタル後、赤痢菌二冠含有「ブイヨン」浮遊液

    一〇耗テ経

    口的

    二注入

    シ、第

    群テ三〇分後

    二第二群テ八時間後

    二、第三群ラ十六時間後

    二開腹

    シ、

    清化管各部

    一一於ケル赤痢菌

    ノ清長テ時間的

    二観察シ左

    ノ如キ成

    績ヲ得タリ(第九十表、〃第九十

    一表、第九十二表、第九十三表、第九十四表、第九十五表、第九十六表、第九十七表、第九十八表).、

    帥チ第

    一群ノ實験成績

    ハ経口的

    二投與

    セラレタル赤痢菌ガ既

    一一三〇分

    ニシテ十二指腸

    二謹明

    セラ

    レ、

    漸次下降

    シテ大膿二時間内

    二大

    二到達スルコトヲ一平・セリ。

    斯クシテ

    一部分

    ハ糞便ト共

    二排泄セラル・モ、大部分

    ハ無菌歌態

    ニアル小腸内

    二生存

    セリ。

    第一群

    ノ實験成績ヲ観

    ルニ、

    最初赤痢菌

    二依テ掲占セラレタル小腸内

    二漸次大腸菌ガ増殖シ來

    リ,

    二慮ジテ頓

    二赤痢菌

    ハ其

    ノ図ラ

    減ゼリ。

    第三群

    ノ實験成績

    テ観

    ルニ小腸内

    二生存

    シツ

    ・アル少図ノ赤痢菌

    モ臆

    テ大腸菌

    ノ増殖

    二歴倒

    セラ

    レ、

    辛ウジテ大腸

    二僅少ノ赤痢菌ラ

    見出

    シ得

    ルニ過ギズ。途

    二一

    一十二時間

    ニシテ消化管内

    二赤痢菌

    ハ全

    ク潰失セリ。

    以上三實験群

    ノ成績テ綜

    スルニ、

    實験

    二用

    ヒシ犬

    ハ室腹時

    ニアリテ小腸内

    ハ無菌状態

    ニァリ、

    且ッ胃液

    ハ中和セラ

    レテ其

    ノ殺菌力

    ヲ喪

    ヘルヲ以テ、赤痢菌

    ノ壇殖

    二最モ好適ナル状況ト見

    ルベク、

    ッテ経口的

    二侵入セル赤痢菌

    ハ一時小腸内全長

    二増殖

    スレドモ結

    局大腸菌

    ノ増殖

    二遇ヒテ逐次其

    ノ図テ減ズ。

    第六項

    経口的

    二投與

    セラレタル大腸菌

    ノ赤痢菌

    二及ボス影響

    前項ノ實験

    二依テ余

    ハ腸管内

    二常在セル大腸菌ガ侵入シ來

    ソル赤痢菌

    二封

    シ自身

    ノ分布駄態テ攣ジテ赤痢菌

    ノ増殖

    テ防止

    シ、

    二之

    ラ死滅

    セシムル歌況テ観察

    シ、腸管内大腸菌ガ赤痢感染防禦上重要ナル役割テ有

    スルテ諒解

    シ得

    タルヲ以

    テ、

    本項

    二於テ

    ハ経口的

    投與

    セラレタル大腸菌

    ガ腸管内

    二於ケル赤痢菌

    二及ボス影響

    ヲ究

    メ、

    以テ大腸菌

    テ利用シテ人爲的

    二赤痢菌

    ノ増殖ヲ抑制シ得

    ルヤテ

    舩林跳赤痢蘭

    スル實鹸的研究

    一七

  • 46

    松林=赤痢二關

    スル實験的研究

    一八

    第 九 十 九 表

    投與セル大腸菌ノ赤痢菌二及ボス影響

    第 百 表

    投與 セル大腸菌 ノ赤痢菌 二及 ボス影響

    第 百 一 表

    投與 セル大腸菌 ノ赤痢菌 二及 ボス影響

    第 百 三 表

    投與 セル大 腸菌 ノ赤痢菌 二及 ボス影響

  • 47

    第百三表 投與セル大腸菌ノ赤痢菌二及ボス影響

    検討セリ。

    魯即チ實験緻剛一日間犬五頭ヲ紹潤合民セシメ、小面腸内ガ殆

    ンド笹媒困歌能心ニナレル時

    機ヲ見計ヒ、且ッ経口的

    二投與セラレシ細菌

    ガ胃内

    二死滅

    スルコトナク容易

    二幽門部

    テ通過シ得

    ルヤウ重曹二瓦ラ以テ胃液テ中和

    シタル後、大腸菌一雇

    含有「ブイヨン」俘游液

    一〇蝿

    ヲ経口的

    二注入

    シ、約

    一時間

    ラ経過

    シタル後赤

    痢菌二冠含有「ブイヨン」浮游液

    一〇琵

    ヲ投與

    シ、前同

    ト同様ナル方法

    二縁テ

    潰化管内

    二於ケル赤痢菌及ビ大腸菌

    ノ分布

    テ調査

    セリ

    (第九十九表、第百表、

    第百

    一表、第百一表、第百三表)。

    即チ塞腹時

    二於アモ豫メ.大腸菌

    ヲ経口的

    二途入シ置ク場合

    ニハ、侵入シ來

    ル赤痢菌

    ハ之

    レガ爲腸管内下降及ビ塘殖ヲ抑制

    セラレ、大部分

    ハ小腸上部

    ス○

    4

    第七項

    侵入赤痢菌

    二封

    スル大腸菌

    ノ壇殖駄況及ビ殺菌力

    前敷次

    ノ實験

    二於テ、塞腹時無菌歌態

    ニァル犬ノ小腸内

    二侵入セル赤痢菌ガ漸次死滅

    スル現象テ大腸内

    二常在

    スル大腸菌ガ腸管

    ラ上

    ッテ増殖シ赤痢蓼

    歴倒スを

    一起因

    スルモノナリト説明セリ。

    然シ

    ナだ

    フ小腸ガ伊

    ナル意味

    二於テ無菌

    ランテ、

    同所

    スル大腸菌ガ果

    シテ大腸

    ヨリ上昇

    セルモノナリャ否ヤ未ダ決定

    セラレタル事實

    二非ザルガ故

    二、

    本項

    二於テハ同菌ノ由來

    ヲ明

    ニセン

    ガタメ・塞腹時

    ニアル犬

    ラ開腹

    シ、清花管各部テ約

    一〇糎

    ノ間隔

    ニテ結紮

    シテ上下

    ノ連絡ラ遮断シ、各部内腔

    二赤痢菌1一10

    白金耳量

    含有「ブイヨン」浮游液

    一・○琵テ注射

    シ、

    二時間毎

    二各部内容

    ラ探取

    シテ赤痢菌ノ検索テ行ヒ、次表

    三不ス如キ結果

    テ得タリ(第百四

    表、第百五表、第百六表、第百七表、第百八表)。

    郎チ當初

    ハ小腸

    二多図

    ノ赤痢菌テ見出

    シ大腸菌

    テ謹明シ得ザレドモ、

    次第

    二大腸菌ガ勢力テ得

    ルニ及

    ンデ逡

    二赤痢菌

    ハ溝滅

    ス。

    バ室腹時小腸内

    ハ無菌歌態

    ニァリト謂

    フモ、

    縄封的無菌

    テ意味

    セズ僅少

    ノ大腸菌

    ハ小腸内

    二潜在・シテ、

    一旦侵入

    セル赤痢菌

    二対

    シテ

    ハ遽カニ増殖

    シテ防禦作用テ螢

    ムモノト解スベキナリ。

    松林』赤痢二關スル實験的研究

    五一九

  • 48

    松林=赤痢二關スル實験的研究

    五三〇

    第百四表 清化管各部ノ対赤痢菌殺菌力

    第百五表 清化管各部ノ対赤痢菌殺菌力

    第百六表 清牝管各部 ノ対赤痢菌殺菌力

    第百七表 清化管各部ノ対赤痢菌殺菌力

  • 49

    又各部

    二於ヶル封赤痢菌殺菌カヲ比較

    スルニ多少

    ノ差異アルモノ、如ク、

    腸管内

    ニテ最

    モ強力ナルハ廻腸

    ニシテ、

    轟様突起及ビ空腸

    二次ギ、十一指腸

    ハ最後迄大腸菌

    ノ登育

    二適セザ

    ルテ以テ、赤痢菌

    ハ永ク死滅

    スルコトナク、犬

    ノ艶死後尚多図

    二謹明セラル。

    結腸

    二於テハ大腸菌ガ多図常在

    スルニ拘ラズ、少図

    ノ赤痢菌ガ永ク生存

    テ績ケル黙他

    ノ部ト趣キテ異

    二大

    赫弟八項

    試験=管内

    二於

    クル腸液ノ赤痢菌

    二及ボス影響

    以上

    ノ實騒

    ハ4燈酒

    二於

    ケル赤痢菌ノ蓮命テ可及的如實

    二探究

    センガタメ專―フ生龍内

    二施有陀ラレタレド遷、

    二腸液

    ノ赤痢菌

    二及

    ボズ影響テ試験…管μ内

    二研究シ、以テ比一較一封照トナセリ。

    例ノ如

    ク室腹時

    ニァル犬三頭テ開腹

    シ、各部腸管テ約一○糎

    ノ間隔テ以テ上下

    テ結紮切断

    シ、其

    ノ内容テ滅菌「シャーレ」中

    二絞出

    シ,

    一.○耗テ滅菌試験管

    二探取

    シ、赤痢菌1―10白金耳量含有「ブイヨン」浮遊液

    一滴

    テ加

    へ良ク混和シタル後、

    ノ一白金耳量テ「ド

    リガルスキー」培地

    二塗抹培養

    シ實験直後

    ノ赤痢菌嚢育状態テ確

    メ封照トシ、以後艀卵器中

    二納

    メ毎日同時刻

    二同様ナル操作テ繰返

    シ、赤痢菌

    ノ生死テ検討

    セリ(第百九表、第百十表.第百十

    一表)。

    第百入表 清化管各蔀ノ野赤痢菌殺菌力

    第百九表 各部清化管液内二於クル赤痢菌ノ抵抗

    松林11赤

    二關

    ス〃實

    験的

    研究

    五一一

  • 50

    松林=赤痢ニ關スル實験的研究

    五三三

    第百十表 各部湾化管液内ニ於ケル赤痢菌ノ抵抗第 百 十 一 表

    各部浩化管液内二於ケル赤痢菌ノ抵抗

    前表

    二於テ観

    ル如ク、試験管内

    二於ラモ廻腸液

    ノ大腸菌増殖最

    モ旺盛

    ニシテ赤痢菌

    ノ清失最

    癌ヵナレドモ、十二指腸液ノ大腸菌壇殖

    ハ最モ

    レ、從

    テ赤痢菌

    ハ永ク生存

    シ實験後第七日目

    二爾讃明セラレタルモノァリ。

    第九項

    以上ノ實験成績

    ノ大要

    ラ列挙

    セバ左ノ如

    シ。

    (一

    無菌的腸液其

    レ自身

    ハ赤痢菌及ビ大腸菌

    シ毫モ殺菌力テ有セズ。

    (二)腸管内

    ノ水素「イオ

    ン」濃度

    ハ小腸上部ガ殆

    ンド中牲

    ニシテ、小腸下部ガ弱「アルカリ」性

    傾キ、大腸

    ニテ再

    ビ酸度

    テ増

    シ中性

    二復蹄

    ス。而

    シテ外的因子

    ヘバ食餌囁取或

    ハ重曹及ビ牛膿汁投與

    二依テ攣化スルコト才

    ク恒

    二一定

    セル水素「イオン』濃度テ維

    持ス。該水素「イオン」油辰

    ハ赤痢菌

    ノ至適水素

    「イ博

    ン」濃度

    一二

    致セルガ故

    二、赤痢菌

    ノ登育

    ヲ阻止スルコトナシ。

    (三)健康時ノ腸管内

    二於ケル大腸菌

    ノ分布

    ハ食餌撮取

    二依テ攣

    化ス。例ヘバ室腹時

    ニァリテハ小腸内

    二極メテ診

    ク主トシテ大

    二隈存スレドモ、満腹時

    ニァリテハ十二指腸

    二至

    ル迄大腸菌

    ノ沿眉硝胆テ日乃ル。

    (四)室腹

    「ブ

    ン」一一混

    テ経

    口的

    二注

    レタ、ル赤

  • 51

    ノ毒

    ハ.胃液

    ノ作用

    テ受ケ一プ死婆

    レドモ少数

    ハ生菌

    ノ肇

    シ.

    小腸

    テ経

    テ僅力二時・哩

    シデ大腸

    二鍵

    ス。豫

    メ嘉

    日或

    ハ弊

    ヲ以テ胃液

    ヲ中和

    ソ一ア其

    ノ殺菌力

    ヲ創球

    ン置ク時

    ハ、

    多図

    ノ赤痢菌

    ノ幽門部通過

    易ナラシム・

    満腹時

    ニァリテや

    二旦十二指腸

    二侵入

    セル赤痢菌

    モ廻腸上部

    二曾殖

    池ル大腸菌

    二依テ下降

    ヲ阻止

    セラレ同所

    二死滅ス。

    (五)護

    時響

    二投與

    セ一フレタル赤痢菌

    ハ三〇分

    ランテ+二指腸

    二出現

    シ、

    二時固

    ■琶テ大腸

    ス・

    シ一示

    ハ蒔

    赤痢蓉

    依テ掲占セラル・モ漸次大腸菌

    ノ増殖テ以テ赤痢菌テ駆倒

    シ、二十一時間

    ニシテ同菌

    ハ清化管内

    二消滅

    ス。

    (六)綾

    ―アモ豫

    メ大腸菌

    ヂ響

    、ソ置ク時

    ハ、

    侵入

    レル赤痢菌

    管内下降

    テ阻止

    セラレ・

    大部貧

    小腸上部

    禿

    。(七客

    部腸液ノ赤痢蓼

    封スル殺菌カテ生讐

    二於孟

    較スルニ、最モ努

    ナル麺

    腸ニシテ、藻

    突起及基

    腸之茨

    ギ+二指腸

    モ弱

    ・ン。

    二於

    ハ多

    ノ大

    ヲ有

    ニ拘

    ラズ

    テ少

    ノ赤

    痢菌

    ハ比

    ク生

    ス。

    (八)各部腸液

    ノ赤痢菌

    二封

    スル殺菌力ヲ試伊

    二於テ比較

    スを

    一、生讐

    二於ケル

    ト略同様ナリ・

    第四章

    総括及ビ考察

    以満

    化管内

    二於ケル赤痢菌

    ノ態度

    二開

    ン親察

    ソ來

    レル所森

    スルニ、

    胃液ガ響

    セル赤痢薗

    作用シテ胃内

    二死滅

    セシ

    メ、以一プ赤痢感染防禦上垂

    ナル役割ヲ有

    スルコーハ諒讐

    ラレ

    タレドモ、

    胃液

    ノ該作用ガ如何ナル成分

    二伊

    キヤ倫講論

    ノ醗

    ニ非

    即チ

    Scheer氏

    液中

    ノ遊麟

    ラ中和

    ソ一ア薔

    殺菌作用

    ノ残女

    ル理雫

    シテ・

    胃液

    ノ該作嬰

    ノ外

    二不明ナル學

    協力テ要

    スルモノト説明

    ンDondon

    ハ該因子曹

    セラル

    ・或

    ル有機物す

    セリ・但

    シ喪

    ノ説

    ハ未ダ假説ノ域テ脱

    セズ、胃液ノ殺菌作用ガ事

    フ遊麟

    ノ存套

    基クコトハ一般

    二認

    メ―フレタル毒

    ナリ9

    レドモ胃液

    ノ殺菌力

    ハ必ズ

    、ソモ聾

    的ナニフズ、

    假令農

    於テモ農

    ノ分鍛

    ズ攣化

    シ・

    含有遊購

    酸量

    セズ・

    ソ一ア其

    ノ殺菌力

    ニモ動揺

    テ卒

    ン少図

    ノ赤痢菌

    二死滅

    テ冤

    カレ

    生菌

    ノ儘+二指腸

    ル讐

    勘カラザ

    ルハ余

    ノ實験

    ニ於

    テ明

    リ。

    況ンヤ何等カノ原因二因リニア胃酸度ノ低下テ招來セル馨

    ンテ侵入セル赤痢菌ガ多図+一謬

    入ス望

    アルハ豫董

    松林

    11赤痢

    二關

    ヌル實

    験的研究

    五二

  • 5

    松林鮭赤病二闘スル實験的研究

    五二四

    ハ膿汁ヲ以テ胃酸ラ中和

    シ置ク實験

    二依

    テ立識

    セラレタリ。

    シテ腸管内

    二移行セル赤痢菌

    ノ態度如何ラ究明

    スルニ先立チ腸液自匿

    ノ殺菌作用ラ検討

    スルニ、Kohhlbugge

    ハ腸液ノ自浄作用

    テ認メ、該作用ハ小腸液

    二最

    モ強ク、大腸液

    二最モ弱キ貼

    ヨリ大腸ガ赤痢菌

    ノ好侵部

    テナス理由テ説明

    セリ。

    ルニLiehermeister.Rolly氏等

    ハ無菌的腸液

    二殺菌作用ナキテ確

    メ、小腸内

    ノ無菌状態テ小腸粘膜細胞

    二特有

    ナル細菌奨育阻止機

    テ以テ論明セリ。余

    モ無菌的腸液ノ赤痢菌

    二及ボス影響

    ヲ検討

    シ、Liebereister,Rolly

    氏等ノ實験成績

    二二

    シテ該腸液ハ同菌

    二封

    シ全ク殺菌作用テ有

    セザ

    ル事實

    ヲ明

    ニセリ。

    又腸管内水素「イオン」濃度

    ハ赤痢菌

    ノ至適田

    二近

    キ値ラ維持

    シツ

    ・アルラ以テ、

    之ガ同菌

    二直接作用

    シテ其ノ生死ラ決定スベキ要素

    ヲナスモノトハ思考セラ

    レズ。

    レド

    モ實際上赤痢菌ガ腸管内

    二死滅

    スル事實

    ハ明白

    ニシテ、

    本現象ガ腸液ノ無菌的ナラザル貼

    二、

    換言

    スレバ腸管内

    二於ヶル大腸

    ノ存在

    二起因シ、敢

    ヘテL

    iehermeister三Bolly氏等ノ假読的説明テ要

    セザ

    ル事

    ハ余

    ノ図次ノ實験

    二徴

    シテ疑

    ラ容

    レザル所ナリ。

    斯クノ如キ晃地

    ヨリ再考

    スルニ腸管内

    二於ヶル大腸菌

    ノ存在

    二輕覗

    スベカラザ

    ル生理的意義

    アルテ知

    レリ。

    古來大腸菌

    ノ生理的意義

    二關

    シテハ諸家ノ見解

    一致セズ、例

    ヘバ

    Schottnus,Metschnikoff, Moro

    圏氏等

    ハ大腸菌ガ浦化作用

    二關與ス

    ルト唱

    へ、Bienstook(41)

    ハ同菌ガ腸管内

    二侵入セル化膿菌

    ノ登育テ阻止

    スル事實ヲ認メ、大腸菌ガ他

    ノ細菌

    二封

    シ拮抗作用ヲ有

    スル

    モノト設明セリ。反之

    Corhendy、Bertareli,Uewin(41)

    氏等

    ハ實験的

    二大腸菌不要論

    ヲ提唱

    シ、

    更ニ

    Metschnikoff(41),

    Marx(42),

    Neu-

    stadtl Steiner(43)

    諸氏

    ハ臨抹的経験

    二基キ大腸菌有害論

    テ主張

    セリ。

    レドモ以上ノ大腸菌要

    不要論乃至有害論

    ハ一方的観察

    二因

    ル見解ノ相違

    二蹄

    スベキモノニシテ、

    シ余

    ノ實験

    ノ範園内

    二於テ論ズ

    レバ大腸菌ノ封赤痢菌拮

    抗作用

    二重要

    ナル生理的意義ラ認メザ

    ルテ得ズ。

    々大腸菌

    ノ拮抗作用

    二關

    シテハ既

    Eikヨan圏氏ガ注目シ大腸菌ガ他

    ノ細菌

    二封

    シ其

    ワ爽育ヲ阻止

    スル物質ラ分泌スルコトラ見出

    シ、Conradi,Kurjweit(45)

    氏等

    ハ之ヲ追試

    シテ

    Eikman氏ノ読

    テ支持セリ。

    次デ

    Nissl

    e(46)

    ハ大腸菌

    ノ封「チフス」菌拮抗作用テ詳細

    二研究シ、大腸菌

    ノ拮抗力ハ菌株

    二依リ著

    シキ差違アルテ知リ、

    モ強力株

    康儂

    、弱力株ハ「チフス」保菌者ノ糞便史

    サル、事簑

    艦ミ、

    株ラ該保菌者ノ治寒

    狽ソ一ブ相當ノ藁

    ラ挙ゲ

  • 53

    大腸菌

    ノ封赤痢菌拮抗作用

    ユ關

    シデハ

    b字ordet飼

    橋本雨氏

    ノ研究

    アリ.

    雨者共該作用ノ顯著ナルヲ認

    メタリ。然

    レドモ以上ノ結論

    レモ試験管内

    ノ實瞼

    二基クモノニシテ、生禮内

    二於ケル大腸菌封赤痢菌

    ノ關係

    ラ討究シ之

    二的確ナル説明テ與

    ヘタル業績ナシ。

    ハ實験中腸管内

    二侵入

    セル赤痢菌ノ蓮命ガ大腸菌

    ノ拮抗作用

    二支配セ}フル・テ察知セシムル所見ヲ屡

    ゝ観察

    シ、

    腸管内

    二於ケル赤

    痢菌

    ノ態度テ關明センニハ、

    先ヅ腸管内

    ノ大腸菌分布歌況テ明瞭ナラシムル要

    アルテ認

    メタリ。

    從來健康膿

    二於テハ小腸ガ殆

    ンド無

    菌歌態

    一一アリ、

    同所

    二大腸菌ガ増殖

    スルハ特種ノ疾患例

    ヘバ

    悪性貧血症ノ如キ胃酸度

    ノ低下ヲ來

    ス場合

    二限ラレタルモノト信ゼラレ

    タリ。然

    レドモ余

    ハ健全

    ナル犬

    二就キ随時腸管内

    ノ大腸菌ヲ検索

    セルニ、

    同菌

    ノ分布歌況

    ハ必ズ

    シモ恒

    二二

    定セザ

    ルテ知リ、之ガ原

    因ラ探究

    セルニ、畢尭腸管内容物ノ有無

    二起因スルコトヲ確認

    逝リ。

    即チ室腹時

    ニアリテハ小腸

    ハ殆

    ンド無弾困歌態

    ニアリナ大腸菌

    ハ主トシテ大腸内

    二生存

    ドモ、満腹壁

    アリテハ大腸菌

    ハ小腸内

    モ増殖

    ス。

    從テ室腹時

    二侵入セル赤痢菌

    ハ速カニ小腸全長

    二振大増殖

    シ、

    ル腱純培養

    ノ歌態

    二謹明セラル。然

    レドモ時ト共

    二小腸

    二潜在セル大腸菌

    ハ増殖テ開始

    シ、漸次赤痢菌

    ノ叢育テ抑制

    シ、逡

    二死滅

    セシム。

    満腹時

    二於テハ假令多図

    ノ赤痢菌ガ腸管内

    二侵入

    スル場合

    ニテモ、

    小腸上部

    二増殖

    セル大腸菌

    二依テ其

    ノ進路

    ヲ阻止セ一フレ、

    同所

    死滅

    スルノ止

    ムナキニ至

    ル。從テ室腹時

    二於

    テモ豫

    メ大腸菌ラ経口的

    二投與

    シ置ク時

    ハ赤痢菌ノ腸管内降下テ小腸上部

    二於テ制止ス

    ルラ得

    ベシ。

    二各部腸液ノ封赤痢菌

    殺菌力ヲ生罷内及ビ試験管内

    二於テ比較

    スルニ、

    廻腸液最モ強

    ク、

    贔檬突起及ビ塞腹液ノ順

    二減弱シ十一指

    腸液最

    モ弱シ、

    シテ本順位

    ハ各部腸液内ノ大腸菌増殖カ

    ニニ

    スル事實

    ヨリ考察セバ、

    腸管内ノ所謂封赤痢菌殺菌作用

    ハ即チ大腸

    ノ拮抗現象ト見徹

    シテ可ナルベシ。

    以上論述シ來

    レル所テ要約スルニ、胃内

    二於ケル胃酸ノ�