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第3回臨床遺伝情報検索講習会 ~遺伝子診療におけるウエブツールの活用~ 演習テーマ1 Primer BLASTを用いたプライマーデザイン」 2013720アクトシティ浜松コングレスセンター 国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 佐藤 謙一

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第3回臨床遺伝情報検索講習会~遺伝子診療におけるウエブツールの活用~

演習テーマ1

「Primer BLASTを用いたプライマーデザイン」

2013年7月20日アクトシティ浜松コングレスセンター

国際医療福祉大学福岡保健医療学部

佐藤 謙一

primer の設計

遺伝学的検査用PCRプライマー設定のコツ

増幅したい部分(CAGリピート)を含まない。各プライマーの長さは22から30塩基程度とする。GC含量は50%-60%程度。FとRが同じ程度の長さでFとRが同じ程度のGC含量 50%-60%程度各プライマーの表記方法は(5’-> 3’)とする。双方がダイマーを作らないように設定。3’側が結合しないように。文献に載っているプライマーはまず疑え。PCRプライマーをシークエンシングプライマーに使えるように考慮。上記条件で作成することが困難な時はF、Rともに複数発注しPCRしてみる。CAGリピートを含まざるをえない場合もある。

primer 設計ツール

Primer BLAST• NCBI データベースと相互リンクしているため、ターゲット配列とのマッチング検索や非特異反応の検索が容易

• probe のデザインは難

Primer 3•データベースとの互換性に難• probe のデザインを含め詳細なパラメーター設定が可能

商用ベースの設計ソフトウエア•高価なものが多いが、詳細な設定が可能

Primer-BLAST ページを開いてみよう

Googleなど検索エンジンにて

“blast ”入力

Googleなど検索エンジンにて

NCBI BLAST トップページ

画面を下にスクロール

Primer-BLAST ページへのリンク

クリック

NCBI BLAST トップページ

Primer BLAST ページ

ここに、アクセッション番号あるいは塩基配列を入力

(塩基配列はFASTA形式で入力。FASTA形式では、1つのシーケンスのデータは、">" で始まる1行のヘッダ行と、2

行目以降の実際のシーケンス文字列で構成される。ヘッダ行では、">" の次にシーケンスデータを識別するための文字列を記述)

Primer BLAST ページ

primerの位置を設定Primer設定領域を塩基配列番号(入

力した塩基配列の何番目から何番目までか)で指示

Primer BLAST ページ

文献などで得た既にある primer 配列の検証に使用。ここに primer 配列を入力。

Primerパラメータの設定

Primer BLAST ページ

PCR product size の設定、Tm値の設定

Primerパラメータの設定

Primer BLAST ページ

エキソン・イントロンジャンクションの設定mRNAのRT-PCRの際に使用

Primer BLAST ページ

チェックを入れると、デザインされた primer による非特異PCR産物の配列が表示される

primerの特異性の設定

Primer BLAST ページ

非特異反応の検索のためのデータベースを選択

primerの特異性の設定

非特異反応検索の生物種を選択。複数選択時には下の“add more organisms”をクリック

Primer BLAST ページ

非ターゲット配列とのマッチング条件、3’端

ミスマッチ塩基数などの設定

primerの特異性の設定

スプライシングバリアントの設定

非特異反応産物のサイズ設定

Primer-BLAST を使ってSCA3 の原因となる ATXN3 遺伝子CAG リピート検出ためのPrimer を

デザインしてみよう

ATXN3遺伝子のCAGリピート配列を入手する

Googleなど検索エンジンにて

“NCBI ”入力

NCBI トップページ

“Nucleotide”を選択 “ATXN3”と入力して検索開始

Nucleotide 検索ページ

“Homo sapiens”をクリック

“RefSeq”をクリック

Nucleotide 検索ページ

2ページ目RefSeqGeneを選ぶ

ATXN3 遺伝子配列情報

“Highlight Sequence Features”

をクリック

ATXN3 遺伝子配列情報

コード領域がハイライト表示されるCAG リピートを探す

アミノ酸配列が表示ポリQを探す

Primer BLASTでATXN3遺伝子 CAG リピート検出 primer をデザイン

Primer BLAST を開く

先ほど検索した ATXN3 Refseqのアクセッション番号をコピー&ペースト

NG_008198

Primer BLAST の設定

CAG リピートを挟むようにF.primer と R.primerの位置を設定

NG_008198

ATXN3 遺伝子配列情報

塩基の位置番号

Primer BLAST の設定

例としてF.primer 40301→40500R.primer 40701→40900

に設定

NG_008198

Primer BLAST の設定

PCR product サイズの設定(先に設定した primer range に依存する)例として min 201, max 1000

NG_008198

Tm値の設定

Primer BLAST ページ

今回は他の設定はデフォルトのままで “Get Primer” をクリック

非特異反応検索のデータベース“Genome (Reference assembly form selected organisms)”を選択

“Homo sapiens”を選択

検索中、しばらくお待ちください

検索結果画面

候補となる primer のサイズと位置

画面を下にスクロールすると

検索結果画面

デザインされた primer 情報が見れる

検索結果画面

下にスクロールすると非特異反応の情報が表示されている

検索結果画面

今回の例では primer pair 4 or 5 では非特異反応がなく適用の候補となる

Primer のデザインができたら…応用例

遺伝性SCD

それぞれの病型で小脳症状以外に合併する症状が異なる

診察のみで病型を区別できることもあるが,特に病初期では軽微

な小脳症状のみで,どの病型かを判別できない場合がある

複数の原因遺伝子を

評価する必要がある

千葉大学病院での検査陽性者における各病型の頻度 (n=84)

1. DNA抽出

– MagNA pure compact nucleic acid isolation kit (Roche)

2. Multiplex PCR & Repeat primed PCR

– LA-Taq with GC buffer (Takara)

• A: SCA1, 2, 3, 6, 7 > Multiplex PCR

• B: SCA8, 12, 17, DRPLA > Multiplex PCR

• C: SCA31 > Repeat primed PCR

3. Fragment解析

– 3130 Genetic Analyzer (Applied Biosystems)

– GeneMapper software

– GeneScan 500LIZ size standard

検査法の概略

サーマルサイクルは同じ条件で行い,

一回のPCRで全ての増幅を行った.

Multiplex PCRによるAD-SCAの検査

検査方法

トリプレットリピートを挟むようにプライマーを設計し,Multiplex PCRにより一度に増幅プライマーに付加する蛍光物質により識別

Fragment解析ではリピート回数に応じた長さのピークが検出される.

蛍光色素

SCA8 : FAM

SCA12 : NED

SCA17 : PET

DRPLA : VIC

蛍光色素

SCA1 : FAM

SCA2 : VIC

SCA3 : PET

SCA6 : NED

SCA7 : VIC

Tube A

SCA1, 2, 3, 6, 7

Tube B

SCA8, 12, 17, DRPLAbp bp

糸賀栄ら,第38回日本臨床検査自動化学会大会

結果の一例 (SCA3, DRPLA, SCA31)

ご清聴有難うございました