re:ゼロから文化を創り、技術を伝承する...
TRANSCRIPT
1
2
3
4
4
5
6
7
目次
・きっかけとやってみる・失敗事例と成功事例の比較・成果の形・まとめ
8
きっかけとやってみる
9
当時どんな文化形成をしたかったのか
・当時の VSNが抱えていた課題– 入社時に研修はするものの、後はお客様先や常駐先で 技術を学んでいくだけで、現場エンジニアに対する積極的 な技術研修が行えていなかった。
– 若手向け運用オペレータ業務の様な技術的に成長しづらい現場に当たってしまうと、次の現場への配属時に時間がかかってしまう。
– 社員としての意識の欠如• 自分の立ち位置が分からなくなってしまい、お客様先のエンジニア気分になる方がいた。
10
当時どんな文化形成をしたかったのか つづき
・当時の VSNが抱えていた課題– 1~2年目にしっかりとフォローしないと自己研鑽をする姿勢がもてない
– 指示された仕事しかできない。広げてられない。指示された仕事が終わったら、ぼーっとしてる。
– 助けがほしい、誰に聞けばいいかわからない
– 一緒に頑張る空気がほしい
– コミュニケーションの取り方がよくわからない
11
当時どんな文化形成をしたかったのか つづき
・成長を求める段階として想定した流れは?
第一段階:スキルアップを渇望する第二段階:仲間を見つける、渇望していることを発
信する第三段階:グループの構築や人脈を作る第四段階:スキルアップを進める
12
当時どんな文化形成をしたかったのか つづき
現場や世代、分野を超えた技術・情報共有、エンジニアの成長にプラスとなり、次のステージの参考となる「場」の形成を行いたい!
13
勉強会実施に興味を持ったきっかけ
・デブサミの存在翔泳社のWebサイトは技術書やニュースを確認す
るのに活用し ていました。2008年からぼちぼち、ここ数年はしっかり毎年参
加してます。
⇒色々とお話を聞いて「勉強会」という形で、情報共有や育成 活動をされている方、会社が多数いると気が付く
14
下調べフェーズ
そこで、後輩や同僚といくつかの勉強会などに参加してみました。
例えば・・・
・ TokyuRuby会議– おいしい料理を持ち寄って、 Rubyを語る LTが抽選で当たる
– 皆さんがしっかりと他の参加者の皆さんに伝えるネタをもっており、自分の考えや経験を共有したいと思って準備をされている。
15
下調べフェーズ つづき
・もくもく会:永和システムマネジメント様に参加– 高校生が来てて、エンジニアの方にしっかりとした質問をしたり、参加されている他のエンジニアの方が簡易的な講義をしたりと、素晴らしい光景を目の当たりに!
勉強会や小規模なイベントの雰囲気を実際に感じてみました。
16
とりあえず、やってみる
・「ソフトウェア開発」分野で勉強会を開始
月1開催 / 交通費無し・休日稼働手当は無し⇒業務ではない
場所は天王洲のトレーニングセンター初期メンバー:社内 SNSで伝えて反応をしてくれ
た方々内容は
– 「興味ある技術について発表& LT」– 「社外の勉強会・イベントにみんなで参加」– 「ハッカソン」「もくもく会」– 「社外研修の共有」「技術書読書会」等々を「継続してやってみる!」目的とした
17
とりあえず、やってみる
・「ソフトウェア開発」分野で勉強会を開始
月1開催 / 交通費無し・休日稼働手当は無し⇒業務ではない
場所は天王洲のトレーニングセンター初期メンバー:社内 SNSで伝えて反応をしてくれ
た方々内容は
– 「興味ある技術について発表& LT」– 「社外の勉強会・イベントにみんなで参加」– 「ハッカソン」「もくもく会」– 「社外研修の共有」「技術書読書会」等々を「継続してやってみる!」目的とした
18
成果
・「興味ある技術について発表& LT」– これをきっかけに調べた技術を外部のカンファレンスで話してみるエンジニアが!
・「社外の勉強会・イベントにみんなで参加」– 「みんなで参加する」はタイミングが難しかったが、楽しさを共有しやすい
・「ハッカソン」&「もくもく会」– 「ハッカソン」のつもりでしたが、どちらかというと「もくもく会」でした。みんなでおしゃべりしながら&一人だとやらない感じの PGに挑戦できた。
19
成果
・「社外研修の共有」– 休日に行われる DevLoveなどのようなカンファレンスから、平日に行われているカンファレンス、有料のカンファレンスの共有など。
– IT系ニュースサイトに記事が載る場合もあるけども、でなかったり、記事掲載禁止( CEDEC等)の場合の情報共有ができた。
・「技術書読書会」– みんなで一緒に読むと心が折れずに最後まで読めた。意見交換などもその場でできるので成長しやすい
20
・一年近くやってみて、継続できそうだと判断– ソフト開発以外にもサーバ分野や、ファームウェア分野の エンジニアも参加
21
他分野でも開始
・サーバ分野→「 LPIC資格取得勉強会」からスタート・ネットワーク分野→「 Cisco資格取得勉強会」からスタート
こちらも勉強会という形で、ソフトウェア開発分野同様の条件で開催
22
結果
インフラ系勉強会も継続して実施する事が出来た
23
たとえば一方で・・・
・ネットワークエンジニア強化プロジェクト– 会社主導で Ciscoの CCNP資格を選定した若手~中堅メンバーに資格取得を指示し、フォローを動的に行ったが、そちらは 1年やって 20数名中 CCNP取得まで行ったのが 1名だけだった(科目をとった方はもう少しいたが)
– 結果としてはほとんどが脱落してしまった。 ⇒脱落した理由として出た意見として「いわれたから来た」「現場が忙しい」「一人で進捗を追いかけるのはつらい」が多かった
モチベーションにつながる価値を感じさせることが何故できなかったのか??
24
さらに他分野でも勉強会開始
エレクトロニクス分野→「いー勉強会」という形で開始・動機?– 「 IT分野が勉強会をやっていてうらやましい」– 「自分達もやりたい」
・コンセプト– エレクトロニクス(電気・電子回路等)、ソフトウェア(ファームウェア等)の勉強、ツール(回路図 CAD等)や測定器(オシロスコープ等)の習熟
– みんなで協力して自己鍛錬 ・やっていること– 就業先で必要となる技術の勉強として FPGAの勉強、電気回路の勉強、回路 CADの勉強、マイコンのプログラミング
– 無線技術についての勉強、ネットワークアナライザの使い方
25
ほかにもあります!最近の単発・継続勉強会
・マウス作ろう勉強会– メカ、エレ、ファームのエンジニア向けにゼロからマウスを作ってみる
– モノづくりの実践として、スケジューリングや分野毎での作業分担の実施
・英語勉強会系色々なグループで現場近くにあつまって実践したり、
SNS上で 日々問題を共有したり
・営業ファッション勉強会元アパレル業界のエンジニアが講師になって、身
だしなみについて
26
ほかにもあります!最近の単発・継続勉強会 つづき
・セキュリティ市場勉強会セキュリティ市場についての共有
・キャリアビジョン勉強会スキル以外にもキャリアやエンジニアとしてのモ
ラルの共有
・ VMWare NSX勉強会実習中心、Web経由で地方エンジニアも実践
・他社様と一緒に勉強会社外研修の折に知り合ってそれから、その後に受講
した研修について共有
27
失敗事例と成功事例の比較
28
続かない・実施できない・広がらない・参加できない問題
・共通的な話題ができない分野がある– メカトロニクス分野は集まっても、意外に共通した話ができない
– お客様業務でやれる事・やっている事が特化してしまっている
・参加者が固定化される– 何回か行かないと、顔を出しづらくなってしまう– 段々と面倒くさくなる
・土日勤務やシフト勤務のエンジニアが一定数いる– 参加が不安定で続き物でやりづらい
29
続かない・実施できない・広がらない・参加できない問題 つづき
・アナウンスをみていない– 勉強会グループに入っていないと見ない– そもそも社内 SNSを見ていない・・・– 全体周知は難しい
・場所が悪い、見つけられない– 天王洲にトレーニングセンターがあるものの、現場や家から遠い
– お客様先を使わせてもらえればいいが・・・
・スケジュールが合わない– 人数が増えてくると最小公約数的な日程が少なくなってしまう
30
続かない・実施できない・広がらない・参加できない問題 つづき
・勉強会のネタが尽きる– 初心者向けから始めると、半年くらいでネタが一周してしまう
・就業場所がバラバラなので業後に集まってできない– 土日に集中してしまうが、シフトで合わないとかでてくる
・週末は体が疲れてしまって体調不良になる– 「行こうかなぁ」から「まあいいや」になって、行かなくなってしまう
・モチベーションがわかなくなる– 参加したくなくなる、開催したくなくなる
31
世代交代問題
若手向け勉強会の実施はエンジニア育成を兼ねているので、運営もエンジニア主導で行えるように活動
⇒結果としては新人・若手にお願いすることになるが、研修が終 わって現場が忙しくなってくる年の後半は実施ができない場合が
出てくる
⇒若手向けであれば、半期、四半期毎に旗振り担当者を
決めるか、運営グループとして活動をしてもらう活動を促すリマインドを行う
32
世代交代問題 つづき
リーダーとして勉強会を引っ張っていた人が転職・退職してしまう
お願いして動いてもらっていたので、勉強会自体の運用が止まっ てしまう。
ちょうど、プログラマ勉強会でまさに困った事態になっています。
やはり、次世代のリーダー育成はとても大切
33
ちなみに
・リーダー育成はどんな風に?– 業務を通じて、サブリーダーとしてまずは業務にあたってもらい、どんな動きを先輩やリーダーがしているかを見てもらう
– 少しずつ課題を与えて、自分で動き、解決する為のフォローをする
– リーダーとしてアクションをさせ、 PDCAや KPTを用いて改善を意識させる
– 後輩指導を行わせる
34
うまくいく例
・人– 複数人、もしくは継続できるリーダーがいる– 先ほどの世代交代問題に対応
・スケジュール・場所– スケジュールをあらかじめ決める• 年間計画や日程を決めることで予定の管理をしやすく
– 場所の確保• 会社でも鍵の管理やセキュリティ要件をクリア、入館管理
– 遠方の参加者でもWeb経由で参加• WebExや Skypeなどのツールを活用、画面共有など
35
うまくいく例 つづき
・内容– 勉強会内容をあらかじめ決める• せめて次回は何をするのかを決めてからでないと、動きが遅くなる
– 実施コンテンツに深みがある• コンテンツに興味を持ってもらわないと誰も来ない
– 新しい事や盛り上がるネタを入れる• モチベーションアップにつなげる←むずかしい
– 無理しない• 疲れちゃうので、やらない・やれない時があっても許容する
36
会社としての新しい取り組み
・「プロジェクトルイーダ」の立案– 〇ラゴンクエストの「ルイーダの酒場」のようにお互いに仲間を見つけあって、勉強会を立ち上げる支援を行う
– 目的、実施項目、スケジュール、メンバー、後ほど実績を提出してもらい、エンジニアのグループに対して予算を提供
・具体的な取り組み事例– 陸上特殊無線、 LPIC、 TOEIC、 VCP-NVなどの資格取得
・エンジニアの反応– 「数千万の予算を見るのは慣れてるけど、数万円を管理するのは慣れてない・・・」
– 「お金使わないでできる勉強会の方がしやすい?」
37
成果の形
38
お客様に対する効果
・行動評価– 勉強会の自体の取り組みを評価してくれる ⇒問題意識や自己研鑽の姿勢
– お客様に業務時間で勉強会実施の時間をいただき、お互いのサービス改善の検討を行って、お客様のマネージャー層に発表を行った。 ⇒様々な活動を見える化して評価を頂いた
39
お客様に対する効果 つづき
・共感– お客様とエンジニア育成、教育についての共感度があがった ⇒お客様も持っている共通の問題
・広がり– お客様先でも勉強会をやってほしいと声が上がった ⇒お客様の若手にも同じ様に実施
– お客様先の環境で勉強会をおこなって、お客様の若手も参加する様になった ⇒一緒に学ぶ、エンジニアの育成も経験ができる
40
お客様に対する効果 つづき
・契約– スキル不足のエンジニアのスキル底上げを行って、契約更新が OKになった
– 自己研鑽する場所があると、お客様受け入れ時の教育時間の節約になる
41
エンジニアに対する効果
・メッセージの伝達– 言い方は難しいが「エンジニア魂」の様な事を語れる ⇒暗黙知⇒形式知、働く意義、気持ちなどを伝承
– 先輩からちゃんとして場で伝えておきたいと思っている事を効率的に伝えられる ⇒書籍やWebサイトの記事をみても理解しづらい部分を
一気に理解できる。
– 若手も現場や分野が違う先輩の体験談や仕事や、自己研鑽、ノウハウなどのコツが聞ける ⇒人生相談、キャリアビジョンについても広がっていく
42
エンジニアに対する効果
・リーダーシップの発現– 業務でも意見が言えるようになった– 業務だけではないコミュニケーションの仕方、技術育成の仕方、リーダーシップ、組織運営に対する意識を持つことができる
– 社内の勉強会立ち上げについては、会社からも表彰対象に!
・モチベーションアップ– 皆と一緒にやる事で、競争心向上やベーションの維持につながる!
– 「変えたい!どうにかしたい!」という気持ちのアウトプット先に
43
たとえばこんな表彰式
44
エンジニアに対する効果 つづき
・広がりとしての価値– 営業トークでつかえる– 外の世界のエンジニアの考え方や動きを共有できる– 社外のカンファレンスや勉強会でも発表できる– 業務外での勉強会を実施する価値についての共有ができる
・技術力としての価値– 技術相談に対する駆け込み寺– 集中して勉強できる時間が作れる。周りにも聞ける。– 若手だけではなく、キャリアを持っているエンジニアへの育成もできる
45
ちなみに
・成長が見えないエンジニアの育成– 面談をして自身の問題点の認識や共有を行う– スキルが無い場合は個別で講義や課題を与えて進捗を確認し成果がでるまで挑戦を続けさせる
– ヒューマンスキル弱い場合は、間接業務に参加させ、色々な人の目に留まる場所でコミュニケーションをとる行動を促す
– 行動力が無い自分から動けるように、社内業務を割り当てて無理やりにでも動いてもらう
– 大事なのは本人が諦めていても会社として諦めない事
46
自社に対する効果
・姿勢判断– やる気のある人がわかる ⇒チャンスに広がる
・連携・知識のフルスタック化– 他分野向け勉強会の広がり• NWエンジニア向け Python勉強会・・・
SDNにむけて• NWエンジニア向け SV勉強会 等々• 勉強会から会社としての研修実施へ
– 地方拠点での勉強会の実施
47
自社に対する効果 つづき
・ビジョンの共有– 業務として計画的な技術研修を実施するようになる ⇒エンジニア、講師ともども「業務」として稼働時間の対象へ– 会社のビジョンの共有をより効果的にエンジニアに行う事ができる。
・コミュニケーション・連携・発見– 業務だけではない、さまざまな取り組みに広がる– SNS上だけではない出会い– 次の勉強会やWGへつながる
48
まとめ
49
文化形成の結果、もたらされた変化
・社内の勉強会を進めていくことで、結果として自己研鑽に対しての意識付けや、自分が“どう成長して行かなければならないのか”の確認ができるようになる。
・会社としても、自己研鑽を個々にゆだねるのではなく、戦略的に進める為の土台やきっかけになる。
・お客様にしても、ただ一緒に働いているエンジニアではなく、自己研鑽が見える形で行っている事でより信頼度があがる。
・文化形成として、色々な現場でWGや勉強会が生まれる様になってきた、「自分たちがやるんだ」と言う意識が強くなってきている。
50
今後の課題
・新技術に対する備え– 先端技術を扱っている現場に就業しているエンジニアは少数もしくはいないのが現状。
– ある程度予算を確保して教育投資として環境構築が必要。
・ハイレベル、年配のエンジニアのスキル・知識・立ち回りの共有– 技術分野を超えた形で「チーム・フォーティーズ」が結成された。
– 40,50歳台のエンジニアがどう働いて行けるかを考える。
・成長を拒絶するエンジニアの育成– 「なんで成長したくないのか?」から分析を続けたい。
51
技術研修設備
■ITエンジニア研修ツール
●共通研修・ PC IBM ThinkCentre + Windows 7 ×330台・ PC IBM ThinkPad + Windows 7 ×25台
● 開発研修用・ Arduino評価キット×10台・ iPad×2台・ Androidタブレット×2台・ Raspberry Pi×10台・ Pepper×1人・ NAO×1人
● サーバー研修用・ SunFireV240×1台・ SunBlade1500×7台・ HP BladeSystem c-Class×1台 ・ HP ProLiant BL460c×3台・ HP StrageWorks P2000G3×1台・ HP ProLiant BL460cG7×3台・ Sun Server X3-2×3台・ IBM Power 710 Express E1C×1台・ HP ProLiant DL120G9×3台
● 仮想化研修用・ Cisco UCS5108×2台・ Cisco UCSB200×8台・ Cisco UCS6120×2台・ Cisco Nexus5000×2台・ Catalyst3560G-E×2台・ NetApp FAS2050A×1台・ EMC VNX5300×1台・ IBM BladeCenter E×2台・ IBM BladeCenter HS21×6台・ HP ProLiant ML110G6×10台
● ネットワーク研修用・ Cisco2811×44台・ Cisco2821×8台・ Cisco1941×10台・ 891FJ×64台・ CSRX-100×4台・ Catalyst2940×36台・ Catalyst2960/2960G×16台・ Catalyst3750×17台・ Catalyst3650×6台・ ASA5505×8台・ SSG-5×2台・ PA-200×6台・ IOLAN STS16×5台
52
天王洲で勉強会
一緒に勉強会をしませんか?
天王洲にあります、 VSN天王洲トレーニングセンターにて社外の皆様とも一緒に勉強会を実施できればと思っております。
品川、天王洲界隈で勉強会をしていこうよ!という企業の方がいらっしゃいましたら、ご連絡お待ちしております!(遠方からもお待ちしております)
53