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Copyright©2019 EPCS All Rights Reserved. 働き方改革関連法 「新しくなった36協定」について <労働問題Q&A>「終業時刻後や休日に社員が外部研修に参加する場合」 Social Insurance Consulting Firm EOS Firm News Contents Firm News Vol. 104 August’19 Social Insurance Consulting Firm EOS 1

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Page 1: Social Insurance Consulting Firm EOS Firm News2.36協定新様式(9号の2様式)1ページ目 臨時的な特別の事情があるため、原則となる時間外労働の限度時間(月45時間・

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➢ 働き方改革関連法 「新しくなった36協定」について➢ <労働問題Q&A>「終業時刻後や休日に社員が外部研修に参加する場合」

Social Insurance Consulting Firm EOS

Firm News

Contents

Firm News Vol. 104 August’19

Social Insurance Consulting Firm EOS

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Page 2: Social Insurance Consulting Firm EOS Firm News2.36協定新様式(9号の2様式)1ページ目 臨時的な特別の事情があるため、原則となる時間外労働の限度時間(月45時間・

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【改正後の36協定の協定事項】

1. 労働者の範囲2. 対象期間(1年間に限るものとする。)3. 労働時間を延長し、又は休日に労働させる事由4. 対象期間における1日、1か月及び1年のそれぞれの期間についての、

時間外労働の時間又は休日の日数5. 有効期間の定め6. 対象期間の起算日7. 新労基法第36条第6項第2号及び第3号に定める要件を満たすこと

8. 限度時間を超えて労働させることができる事由9. 限度時間を超えて労働する労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置10.限度時間を超えた労働に係る割増賃金の率11.限度時間を超えて労働する場合における手続

法第36条

施行規則第17条

1日を超え3か月以内

1か月に統一

有効期間の起算日

との違いに注意

協定届に

チェックマーク

措置の実施状況を

協定の有効期間中

3年間保存義務

POINT

8月号は、2019年4月から施行された働き方改革関連法の中から、新様式の「36協定」についてご説明させていただきます。新しい36協定については以前お知らせいたしましたが、中小企業への適用日も近づいてきましたので、再度、取り上げさせていただきます。

➢働き方改革関連法 「新しくなった36協定」について

今回の法改正前の限度時間(月45時間、年360時間など)には法的拘束力がありませんでした。そのため、限度時間を超える延長時間を定めた36協定届は、改善指導の対象とはなるものの法律上有効な協定として取り扱われていました。しかし、法改正後の限度時間は36協定の法定要件であることから、限度時間を超える延長時間を定めた36協定は法定要件不備の無効な36協定となり、その結果、届出を行っても受理されず、時間外労働や休日労働を行わせた場合には法違反(第32条、第35条又は第40条違反)となってしまいます。

また、特別条項を定める場合の上限時間(月100時間未満、年720時間、月45時間超が年6回まで)も36協定の法定要件であるため、これらを超える特別条項を定めた36協定も無効となります。この場合、「36協定そのものが無効」であり、限度時間を超えない範囲の時間外労働も行わせることができなくなることに注意が必要です。この状況を踏まえ、特別条項の必要な36協定の内容を確認します。

1.限度時間を超える36協定について

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2.36協定新様式(9号の2様式 )1ページ目

臨時的な特別の事情があるため、原則となる時間外労働の限度時間(月45時間・年360時間)を超えて時間外労働を行わせる必要がある場合には、労使間で協定した上で、36協定届(様式第9号の2)を所轄労働基準監督署長に提出する必要があります。

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こちらは「特別条項」について記載するページです。

3.36協定新様式(9号の2様式 )2ページ目

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(1)過半数代表について

4.36協定に関する通達の注意点

時間外・休日労働協定の締結等に際し、労働基準法の規定に基づき労働者の過半数を代表する者を選出するに当たっては、使用者側が指名するなど不適切な取扱いがみられるところである。このため、過半数代表者の要件として、「使用者の意向に基づき選出されたものでないこと」を新労基則において明記したものであること。

また、使用者は、過半数代表者がその事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮を行わなければならないこととしたものであること。

労働基準法第36条

時間外・休日労働協定で定めるところにより時間外・休日労働を行わせる場合であっても、新労基法第36条第6項第2号及び第3号に規定する時間を超えて労働させることはできないものであり、時間外・休日についての労働協定においても、この規定を遵守することを協定するものであること。

これを受け、新労基則様式第9号及び第9号の2にチェックボックスを設け、当該チェックボックスにチェックがない場合には、当該時間外・休日労働協定は法定要件を欠くものとして無効となるものであること。

(2)新様式のチェックボックスについて

6 使用者は、第1項の協定で定めるところによって労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であっても、次の各号に掲げる時間について、当該各号に定める要件を満たすものとしなければならない。一 (略)二 1箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間…100時間未満であること。三 対象期間の初日から1箇月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の1箇月、2箇月、3箇月、4箇月及び5箇

月の期間を加えたそれぞれの期間〔編注:その月を含めて直前2~6か月平均〕における労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間の1箇月当たりの平均時間…80時間を超えないこと。

今回の法改正に伴い厚生労働省から公表された通達の中で、36協定について特に注意すべきものを3点挙げます。

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過重労働による健康障害の防止を図る観点から、時間外・休日労働協定に特別条項を設ける場合においては、限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置(以下「健康福祉確保措置」という。)を協定することとしたものであること。なお、健康福祉確保措置として講ずることが望ましい措置の内容については、指針第8条に規定していること。

使用者は、健康福祉確保措置の実施状況に関する記録を当該時間外・休日労働協定の有効期間中及び当該有効期間の満了後3年間保存しなければならないものであること。

労使当事者は、限度時間を超えて労働する労働者に対する健康確保措置について、次に掲げるもののうちから協定することが望ましいことに留意しなければならないこととする。

① 労働時間が一定時間を超えた労働者に医師による面接指導を実施すること。② 法第37条第4項に規定する時刻の間において労働させる回数を1箇月について一定回数以内とすること。③ 終業から始業までに一定時間以上の継続した休息時間を確保すること。④ 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、代償休日又は特別な休暇を 付与すること。⑤ 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、健康診断を実施すること。⑥ 年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めてその取得を促進すること。⑦ 心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること。⑧ 労働者の勤務状況及びその健康状態に配慮し、必要な場合には適切な部署に配置転換をすること。⑨ 必要に応じて、産業医等による助言・指導を受け、又は労働者に産業医等による保健指導を受けさせること。※9号の2様式では、「⑩その他」が加えられてました。

特別条項付き36協定を締結する際の法定要件のため、健康福祉確保措置の定めをしていない36協定は無効となります。労働者代表やチェックボックスの件も含め、「新36協定」の運用にあたり、36協定提出時の労働基準監督署のチェックは以前より厳しくなると思われます。

そこで、今まで毎年年度だけ変更し、同じ内容を提出するだけという運用をされてきた企業は、今回の法改正の趣旨を踏まえ、労働者の健康管理やワークライフバランスを考慮した働き方になるように、新様式の36協定の内容について、法令を遵守しかつ実効性のある協定を作成するため、この時期から労使間で早めに協議してはいかがでしょうか。

5.まとめ

(3)健康福祉確保措置について

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<労働問題Q&A>

問 外国人労働者に日本語学習等の機会を与えるため、終業時刻後や休日に社員が外部研修に参加する場合の賃金の

取り扱いの注意点を教えてください。

答 受講時間が労働時間に該当しなければ、賃金を支払う必要はありません。一方、受講時間が労働時間に場合等する場合には、その時間に対し、賃金を支払う必要が生じてきますので、以下では、

どのような時間が労働時間に該当するのか説明させて頂きます。

まず初めに、労働基準法における労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」を言います。これは、労働契約や就業規則等の定めに左右されるものではなく、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務

に従事する時間は労働時間に該当することとなります。

今回の事例のような終業時刻後や休日に行われる研修等に参加する時間が労働時間に該当するか否かについて、行政解釈では「労働者が使用者の実施する教育に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益取扱による出席の強制がなく自由参加のものであれば、時間外労働にはならない」(昭26.1.20基発2875号、平11.3.31基発168号)としています。

一方、「参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間」(平29.1.20 基発0120第3)は労働時間に該当するとされています。

以上のことから、今回のような終業時刻後や休日に外部研修の受講時間を労働時間とするかどうかは、実質的に出席の強制があるか否かにより判断されることとなります。

➢<労働問題Q&A>「終業時刻後や休日に社員が外部研修に参加する場合」

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