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Title 反射望遠鏡の硏究(六)
Author(s) 中村, 要
Citation 天界 = The heavens (1924), 5(48): 18-25
Issue Date 1924-12-25
URL http://hdl.handle.net/2433/160198
Right
Type Departmental Bulletin Paper
Textversion publisher
Kyoto University
18i
の日附が九月仕四日ミ掲ぴた幾つかの暦があって大分迷惑を
受けた人々があった襟に聞いてみる。
勿論皇験祭については、事 皇室に關するミころであり我
々の兎角申し上げる筋合のものでないこざは明らかであるけ
れさも,我々六千萬臣民に封し租先崇舞の範を示させ給ふ大
御心を逡奉し奉るにつけて春季は三月二十一日-こし秋季は九
月二+三日いふ風に、二季の皇露祭の御日取のを御一定させ
られるならば實に結構な事S信ずるのである。
Aコ例へば=一月二十一日午後十一時五十九分五十八秒に太陽
が春分鮎を通過すれば二十一日が春分-こ樗へられ、僅か藪秒
後に通過する噛こきには二+二日を春分ミ嘱するこミを思ひ至
れば三月二十一日を春分「こし九月二十三日を秋分ミ定める事
も一向差支へないε信ずるのである。
或はこ+一口εいひ二+二日εいふも僅か一日の差である
が故にかのイースター祭の如き不便はないε考へられるかも
知れないけれ7こも、實はイースター祭は一つの公式によって
ロ附を規定したものであって西紀↓九九九年のイースター祭
は四月四日であり、二〇〇〇年は四月二十三日であるこ一こも
座右に小表を備へれば直ちに知りうるこ囑こであるが、西紀一
九二八年の春分、秋分の日附けも直くは返事に苦しむごころ
である。
叉物事重事一様に定めて終へば生活が軍調になるで.あらう
一こいふ人もあるが一顧の値.なき考へであって、それなら成る
べく生溶襟式を複雑にε心掛けて大判、小判、二分金、天寳
銭、穴明き銭も精々使はうミ云ふが如きものである。(終)
一八
反射望遠鏡の研究
影の窮民
(六)
中 村 要
三一ご三惑三岡abcの捜物線鏡の影の標本が原圖より爲
眞的に出されるまでに強さ及び形まで多少攣化し此の爲に大
きな誤解を起さん事を恐れた結果幸ひ私の鏡が圖ε同じくF
7であの且つ殆んウご完全な鏡であるので新しい銀面によって
面倒な仕事であったが影の詩章を示す連動罵眞を得た。影に
より仲々良い鏡面を示して居る。しかし多少銀の磨の二等で
簿されては居り影が下方で早く進み過ぎ尤が良き古物線鏡の
影の様子が知れ・ば充分である。影を強く出す爲に直線のス
リヅトを使用した事を注意しておきたい。二は曲型的の影で
ある。僅かに端の焦鮎を外れたかも知れぬが大崎はない。
影の下臥の示す鏡形は帯測定,こよく一致して居る。
アーヴづング鏡につき
ア!ヴイング鏡につき諸氏におす、めするにつき非常に心
配しエリソン氏に心し鏡につきての意見を求めた所重要な返
信があった。原文の通り創出する。
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時分ひ㍗こい悪口である。エリソン氏の様
な優秀な腕を有する人から馬鹿正直に言へばアーヴィング鏡
は此の様なものかも知れぬが言葉通の信用するにも細るまい
直接ア鏡を多数試験した結果の意見であり次単に此れを裏書
する例がある。しかし使用出來ぬものではないが好成績を得
ん・こするには考えものである。ア鏡.も無論完全なものもあら
うが一般にカルバーほアこの良いものがない。アーヴイング氏
が三十七年の経験をもつても鏡製作者の刊標、こせる完全な拗
物無尽の製作に充分成功して居ないのは誤なき事實であらう
ア鏡は素人用-こして充分であろ。マゥンチングも弱いが使え
ぬ様なものでは決してない。素人が二百倍までω倍卒で集光
力を目的・こするなれば充分であるゆ値が安いから少々悪くて
も無理はないかも知れぬ、-こにかくア鏡は常に信頼は出藍ぬ
スコクイルド氏アーヴイング六吋牛鏡
前章の如き注意をエリソン氏より受け凡つ素入諸氏に封し
悪いものは主義-こしてす・めたくないのでス氏に依頼し十月
十二口天文墓を訪問された時にわざ/、持参され試験後十九
目再びス氏の宅で星試験を得て此れを公表する次第である。
僅か一個の鏡ではあるが可なりアーヴイング鏡の性質を示し
て居る。硝子は厚さ嘱.吋錐鮎距離 四九五ミリ磨きが端で不
充分である。鏡は諸種の方法により不規則なるを認め直交二
軸に於て誤をよく示才…帯測定を得た。六四ミリを○ミして。
鏡形そのものほ不規則な双曲線で三川九頁のミ同襟である。
一九
20
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牧差ミしては少いがa軸の七五ミリb
軸の六四ミリの差は見逃せない。・b
軸の全影では確かに・b軸の焦鮎距離
が異る。ab勅で影の上下の長さが異
ふ四方向からの露眞及び眼視影によっ
て、軸の七五ミリ及びb軸の六四ミリは確かに部分的の穴で
且つ此れは左右殆んで三下的である。又三五ミリ以内穴を作
って居り端にターンダウンが僅か存在すろ。何故此の様な訣
鮎が出來たか9最初磨かれた時には多分双曲線であって此れ
を閑σ譜弱.①する時にHb。巴国。=ゆ】、置、瞬 の方法によって行ひこれ
をまつ~、行った爲に不完全な鏡形を作り各部分に直線的の部
分磨きの跡歴然たるものである。a軸の眼親影では影が二つ
出漏る。此れ位の訣瓢のあるものを見逃したのはまつい。影
の進行は不規則で硝子面の凸凹の著しいのを示すが硝子質不
良の爲らしい。色んな鮎でエリソン氏の指摘せる鋏貼が出て
居る。不必要に精密な試験によりあら探しをしたか牧差は〇
ニミリ以内で少い故に通常の屈折に比し劣らざる像は出回る
像は少しくアスチグマチツクであり干渉輪は多少鳳れて房る
火星に於て六識牛二三〇ミカルバ!ハ吋牟を一価牛二三六稀
,こ比較すれば確かに像の鏡さが異ふ。が随分良い像で素人用
「こして此れだけ見えれば満足である。接近せる重星観測は困
難で遊星の精密な研究観測には向かぬ。
二〇
ス氏六吋牛鏡の影の爲眞
・b爾軸の影で・に於ては七五ミリの穴が強く出て居る。
F九であるから影は弱い。aの影は上下に長くbの影は左右
-一2陣て、Q
駈潅」し
製作者は試験に達て峡鮎を認め
鍵 、、 且つ此れを直し得る場合罷りはし
O
幅
馬 .
. ♪
、覇。
{礪
聾レ・,
㌻ωない 三個のエリソン鏡に於て同
氏のぐ一れる試藩法郎ち影の試験及
び中央及び端の差によるパラボラ
化の方法及び星試験によれば鋏鮎
は認められない。よしあっても此
れを直す事は殆ん,ご出來ぬ。森下
氏の四吋牟は帯測定では牧差はあ
るが影に於ては影なく一度に漕失
し中央穐こ端の差は拠物線鏡¶こ認め
て差支えない。影による表面は極
めて李旦アーヴイング鏡-こ全然ちがふ。
反射では最も重要なものは完全な樋物線鏡である。ハーセ
ル以來撒十人の人等が此の的を射る爲に戦った。ウイスは介
一歩の所でつまづき近年に到ってカルバーがようやく到著し
リワチーエリソンも成功した。試みた人は多い。しかし眞に
天罷槻測の要求する最良の鏡製作に成功した人は稀である。
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最近の進歩せる熟練の手に成る鏡は試験法が完全なだけ屈折
より良いものが作られ観測には完全である。しかし今後の進
歩は明らかである故に完全ミは言はれない。近い將來に於て
カルバー程の熟練家が現れるか疑問である。例、凡ば百年前の
フランホーヘル或は三+年前のクラーク程のレンズエは現在
無い。拠物線鏡は全然理論では改良出來ない。過去を見れば
反射鏡に成功せる入は縮て素人観測家である。商費入よりは
良いものを作って居る。鏡の質を定めろ微量の球面牧差は星
の観測に経験.あるものならでは扱えない。
短碧①蜜q自臨巳ユ8
底物線鏡は試験に立て多少の牧差を認めても實際使って、
見て最良のものこ差は殆んさ無い。二重星の分離等完全で少
々牧差を起すフぜダンスを使っても實際上殆ん、字ご完全である
しかし此れは口径によって干渉像が定って居る爲である、六
吋牟二百倍位の中倍率では分からないけれさも極限に近い五
百倍も使ふた場合差異が認められる。又此れを遊星に適用し
た場合に於て通常ちつε見た位では差は分からないが其の極
めて少さい或は淡いもの・存在、形歌等を研究する場合非常
に鏡の質で差が出て來るQ
遊星表面の精密な研究になるε鍍銀の質も随分重要なもの
で不卒等な銀の厚さで焦鮎が極れる結果遊星に訂し面白くな
い影響を及ぼす。特に立面鏡の鍍銀は非常な注意で行ひ磨き
も注意せねばならぬ。上向き,こ下向き噌しは五能の二三ミリ前
の圓形像の中に見える干渉像を見る・こ上向きの鍍銀は輪の鋭
さをかく。
ロ径ばかりが能でない。それよりもよけいには見えなくて
も確かに見え襯測がよく揃ふ事の方が重要だ。
精細な遊星模様の観測能牽が鏡の質の最高試験である。
反射鏡経緯豪
圖はカルバー経緯毫のもので現在スコフイルド氏の許にあ
るものは殆んざ同じものであるQ
ん 筒
B 鏡セル。アジャストの三足を共ふ。C 鏡の孟をこる戸
n アイピース E ファインダー
R ω§量昌σq肖。9 E Ω99やα 高度の動面輪
1, 水毒響動のクランプ 工鵠。o冨㎞9艮(○。ざ芝目。ユ08
観測時には111をゆるめてEで天罷をDの覗見に入れHI
をしめ高度の方はGの輪を廻し水毒の方は丁を廻す。
経緯皇で高倍傘で西微動装置を.便ってスケッチを取るのは
巨魁面倒である。此の構造で殆んで天頂まで観測出至る。
反射鏡像の特異
反射鏡の像はしばしば妙な事をやる。屈折を使ふ入には分
かり難いが重んさ筒石に原因を有して居る。星の干渉像は屈
折に比し輪が患い位で撮り氣つかぬが遊星像の観測が出來ぬ
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位筒内の氣流に憎まされる事がある。非常によく晴れたUに
多い事であるが像が二つも三つも出師てゆるノ、重り合った
り分れた6する。無風の岸里の上部の氣流が冷却する爲に丸
で鋭い像が拙來ぬ様な事がある。筒口の上端に相等する部分
に像の一方が鑑れる事さえ起る、、簡㍑な方法εして筒を歎分
間鏡のま,ごを開いて天頂に向けるεよい。木製の筒ははるか
に此れし醸し有力であ.つてアインスレー氏の縄験によれば木
製筒の九吋の像が金属筒の八吋牟より静かな位良い。板金を
ニニ
まけて作った筒はドーム内でない・こ屋外では甚だ不成績であ
る自分で木鼠の六三牟ε金屡筒の十吋を夕方から同時に使用
を始め午前になる、こ筒口から三十センチも内になる十吋の小
鏡が露がつき筒に露が流入る位になっても筒口から十センチ
位しかない六田李の方は一向何ミもない事もあり。銀の生命
も大差がある。
室が静かになり状況がよくなる,こ屈折で味い得ざる鏡い像
を特に遊星に與える。
アインスレー氏に英海軍士宥で近年木星に獅し有力なる親測たぜろ
素人魏三家で又鏡襲作者ピして知られて居る。白用ピして八吋牛カ
ルパー赤鼻儀オ自作の九曜経緯・憂な持って居り九吋鏡にもこ一曉
天薄明中遊星観測なする爲に鏡に双曲線にわざ一作られ六がエリ
ソン氏により後にコソグシナンをへす爲門に「o訪㎎qoざれ六〇
綬リ
遊星親測に甚だ悪“シーイングに出會つ六なれば常に絞りが有妓で
あるが重りに絞る事ほ宥害であろ。六国牛で四吋位まで・以上小鏡
の存在が著し♂ヂフラクシナン私起し不鮮明こなる。六吋牛以下六〇
五、五〇五四・五吋等の各種爆紙で作って鏡の上におくか或にアッ
ヤストが正しければ勧口でもよい。鏡にターンダウン或匡強い双山
線の時適常なろ絞りに高倍率に使立ゐ。
完全な色消による反射の特鮎二三
最初に果けるべきは眼視ミ同焦鮎に於て爲互用に出埋る事
で下履牟級ミしては月蝕爲眞の如きものは充分成罰し得るも
ので若し時計仕懸になれば種々たる方面に利用し得る。此れ
23・
等は高野なるpVレンズを除けば屈折は此の黙に甚だ劣るσ
通常の屈折色清レンズでは新星の場合一一次牧差により往々特
異な像を作るものである。古い新星例えば白鳥第三新星の如
き屈折では仲々やつかいなものである。此れ等は反射では都
合がよい。相等な高倍牽で微光の憂光星、或は色の強い星の
光度目測には反射は確かに良い。
反射で星の色の美しい事は格別である。散開星雲の美は反
射でないざ分からない。
反射望逡鏡の集光力
眼視光度目測になれて居ない入等によって今まで嚢表され
た反射鏡の集光力は常に少なく見過ぎら「れて居る。ラエブの
。Φ蕾愛。喜騨の第一巻二頁には六号牟反射鏡が五吋四分三の
屈折位、最近のω覧.口曳。目。h臣.プ。簿く.昌・。にアインスレi氏は新し
い銀で五拾牟古い銀で五吋屈折位-こして居る。集光力其のも
のは大罷此れ位であるが少々少な過ぎる。小口径の屈折では
硲子が薄いので光の牧吸が少い爲に同口径の反射より僅か集
光力は多く約+二吋で屈折反射同氏光力になり十八吋になれ
ば反射の安か優れて居る一こされて居る。事實自分の経験によ
る重信吋ε比して六吋牟は六吋位の明るさしが無いが其の見
得る極限の星は殆ん,ご七賦ε等しい。ヤーキス天文毫のパー
クハースト氏の六吋ブラシアー鏡の経験によるに古い銀にか
・わらす次の如き結果である。+四年の管下。
詣臨 粛樹 茸πO鰍 桃樽.唱v辞π野e 鯉讐耀芯
①耳M.Ψ理財「δO 卜。軌 這.㊤嚇 一トっ始
這ロ斗随,ΨΨM一団刈軌 卜9ω =.“ 一A.g◎
心O耳 刈αO 一㊤ 一刈・O 一①・Go
此れによって見るε同口樫の屈折に比し劣って居らない。
此れは完全な色清による鋭い像によるものε思はれるQ叉星
雲の落勢には反射の方が青色光線の反射の優れる爲に確かに
明るい。六吋牛の反射で完全な實力は六吋牛の屈折ε同等で
例之銀が少々古くても屈折の五吋牟の集光力はある。四竹孚
位の反射は比較的損である。
反射鏡使用の大敵は漁氣ε悪き察氣である。内地は此の鮎
に甚だ不適當であって反射の能傘は充分あがらないコ屈折は
此の鮎で反射ほさ影響されない。寝言は使用上面倒くさくて
も注意深い取扱で防ぐ事が出捲るが直接像には影響~ない。
むしろ烈しい漁氣は反ってシーイングを良くする。
悪い蓋置も集光力を主εする彗星憂光星の槻測には殆ん曹
差支えないものであって二重星の研究も可なりな塞氣で充分
であろ。此れ等の目的には小口径より大鑑樫が黒地例して優
れるは言ふまでもない。星の干渉像が明白に見える日は日本
では暑く少い。此の様な日でなければ反射は屈折より劣って
見える。此れは悪いシーイングの爲で反射が劣れる爲でない
漣星に封しても同様である。
一…
O
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素人は遊星を主たる目的物ミするものであるから遊星に封
して言えば大分歌況が異る。遊星に虚して標準シーイングで
七以上にならぬ一こ反射の軸力が出ないし五以上でないざ観測
する高値がない。自分は日本の李均のシーイングを知ちない
か先づ六乃至七位であらう.此れεロ径,こ關係させてみる一こ
最も有奴な口径は六吋牟乃至論題牛になり十吋を越えれば李
常の日に観測する指値はない。よけいには見えるが観測が甚
だ困難である。夢路牟で六位¶、一するε亭常の日なら屈折の五
吋牟、八沼牛なら七六電位になる。
眞に良いシーイングが得られる時には口径が大きくなって
も長径だけの利猛がある。大口径は不適當不必要等は言はれ
ないが充分な實力の出る機會は至って少い。通常の窒素の下
では雷撃乃至九吋が好成績であるはつである。
大物径のは出來たち求めるに越した事はないが心入-こして
費用の鮎で六吋李位で辛抱せねばならぬ。そして凡ゆる手段
で其れを活用せねばならぬ。
所で日本に於ける李詩のシーイングは田舎で標準スケール
の六七位ミ考えて誤りはなからう又九の如き絶好のシーイン
グもしば,~來る。英國に於ては雨霧六の條件で反射鏡全盛
客開口。β”一σq一。目詰ぐ」さえ言はれ中口径の屈折は丸で素人で新しく
求める入の無い位まで使はれ其の成績に於て歴史上充分屈折
に封抗して居るのであり且つ自分の経験によっても反射鏡を
二四
素人諸氏の有力なる武器く』して大いにおす、めしたい。
以上は高倍卒を使ふ場合であるが低倍愚ならもつ,し使える
爲眞作業に点ても悪い塞氣ω爲にそれほ曹さまたけられす大
口径になっても多少時間がか」るだけで充分使える。京都の
塞でさえ}二+吋の爲眞鏡の使用は可能である。
叉大口径の得意-こする分光若鷺には大ロ径でも使える。此
の方面には透明な室氣の方が重要である。
かく考えて見れば大小口径-こも充分に使える。反射は屈折
ミちがって維持に手間も金もくふけれ,こも少しも使えないく」
いふ理由にならぬ。た“使用者の注意次第である。
日本に於て邑智天文趣味が甚だ高まりつ、ある。其の結果
εして観測も盛んになりつ蕊ある。眠れもぶつつかる問題は
望遠鏡を求める事であらう。殊に観望より進んで研究的観測
を始める時には少なくぐ」も五心は必要である。素潜に封して
は値段が第一の問題である。
素入用こして屈折なら三吋は入用であるが土星の輪が鮮明
に見えない程度の不完全な高等玩具の三絃でも二〇〇圓はか
・る。高倍量にたえ得て各種の研究に活用し得るものなれば
六〇〇圓位は充分にかΣる。冨~によく見る爲ハに四叶.こいえば
毒筆はかしるのである。しかるに反射に於ては高級の三吋-こ
同じ設備をした五吋でも二百五十圓位で出盛る。叉研究槻測
用こして完全な研究をなし得る六前軍でも高級三吋よの廉慣
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である。母ちらが良いかそれは言ふまでもない。
反射は良いものではあるが鍍銀だSか其他注意を要する事
項が甚だ多く始めて望蓮鏡を持つ人には飴りに重荷である成
るべく避けたい。屈折三吋を使ってよりよいものが望まれる
時には反射鏡をす・める。反射鏡を使ひ得る自信があれば使
ふべし。又素入ミしても観望用なら屈折がよい。一箇月に一
回位出して覗くのでは反射の奴力がない。叉學校等の設備品
霊しては誰れか充分に世話し得る人が無ければ止めた方がよ
からう。
反射三猿鏡は過去に於ても現在に於ても殆ん♂素人の手で
獲達し使用されて居る。反射は使用者自身の研究用に極度に、
利用されるべきものであ.る。それでこそ反射の眞の儂値は分
かる。像が悪いεいふ入もあるしかし多くそれは悪くして居
るのだ。反射の使用になれ骨を諾えたら撒倍の償格の同口径
の屈折に比し長時間の使用に観測の容易さに又確かな實力に
ベータなものである。
近來筆者の文により可なり反射鏡に注目され出した様であ
る。反射は日本に於て使ひにくいものにちがいないが使ふ入
の注意吹第である。反射鏡の輪入其他一切の事項出來るだけ
の助力はしたい。最後に今後六吋牟が屈折ほ,ごある時の來る
べきを豫想し同時に一人でよい熟練な鏡製作者の出でん事を
切望する。全章にわたって素人の爲の反射Sいふ事が主たる
目的で殆んや」知っておくべき事は総て記したつもりである。
しかし甚だ不充分なものであった。自分の望む所は良き反射
鏡に望山三韓を與えざらん事である。
(十一月二十七日稿了)
反射遭遠鏡の研究の研究は大智氏の言により使用せるも
ので原意ではない。 へ中村)。
≧
天文皇助手中村要氏は一年志願兵ミして十二月一日伏
見野砲兵二+二聯隊轟入管同一の多忙の爲當分質問は
ひかえられたし故に一年間同氏よりの原稿は當分中絶
京都市野伏豊野砲兵
ご十二聯隊第一中隊
志願兵中 村
ご五
要