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Page 1: islikewaterlaotao.way-nifty.com/islikewater/files/f09f94b420e68980e... · Web view出典:成田喜一郎・中前太郎・吉田章(2001)「2.2 社会科 生徒の『学びの履歴』を生かす社会科カリキュラムの開発」

所沢市 ESD/SDGs「学びの時間」デザイン 創作叙事詩集 2020寺澤 満春/成田喜一郎(Mr. Narick )

「ESD」定義のうた:持続可能な未来のための学び

それは、時・空間、人間(じんかん)の「つながり」への気づきをもたらすものだ。

そして、そのつながりへの気づきの中から永続的な理解をもたらす「問い」が生まれ、

それでも、その「問い」を抱え愛し、応答し続けたくなる。

共感や、ときに違和感を抱えながら、それでも、わたくしとあなたの

見方や考え方、そして、感じ方、在り方の広がりと深まりをもたらす。

それは、遠めがねになり、虫めがねにもなる「レンズ」である。そして、未来に向けて問い直し見通す「手鏡」となる。

[ ESD ]:持続可能な未来のための学び を通して、新たな時空間、人間(じんかん)の「つながり」を創る人になる。

これからの評価 Wadsworth, Yoland(2011)

これまでの評価 Wadsworth, Yoland(2011)

「CAP , Do!サイクル」 誕生のうた

むかし、PDS が流行ってたPlan-Do-See、Plan-Do-See ってワルツのようなリズムで授業を編んでいた

その後、PDCA がやってきたPlan-Do-Check-Action?Plan-Do-Check-Act じゃないの?なんか引っかかりながら、回してた

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ある日、Plan をつくるとき、COS でもなく、TEXT でもなく、ボクの思い願いでもなく、子どもの「学びの履歴」1をさぐりつかむところから始めてみたそこにはボクの予想もしない学びをしている子どもたちがいたそうか、ならば、そこから単元をデザインしてみよう!

ボクの敷いたレールの上に子どもたちを乗せるんじゃなくって、あれこれ予想したり考察したり、これまでないカリキュラムをデザインしたそして、単元を貫く問いを仮定しつつ

子どもたちとともに学びを作っていった業を授ける時間じゃなくって、子どもたちとボクとの協同学習の時間!子どもたちとボクはともにその単元のプロデューサーとなったそして、単元の「なか」「おわり」で学びのキーワードとコメントを書き続けたそう、単元を貫く問いに向かって子どもたちとボクも応答した学びの証そう、ドキュメントが残されたそして、そのドキュメントが次なる単元をデザインするときの「学びの履歴」となってゆくそうして、PDS でも、PDCA でもないでもそれらのサイクルを包み込む「CAP , Do!サイクル 」が誕生したんだ

(寺澤満春 , 2018.2.15 初版)

(2020.9.11 一部修正)

「つながり、問い、深いリフコン」のうた

カリキュラムをデザインするとき、単元をデザインするとき、学びの時間をデザインするとき、いったいどうすればいいのだろう?今までの学びの時間のどこ変えれば、ESD の学びの時間になるんだろう?

S 県 T 市の小・中学校の先生4名と教頭先生・校長先生、そして、指導主事と大学教授、計8名は、試行錯誤を続けたあれから 10 年、珠玉のような、3つの視点を見つけたそれは、「つながりへの気づき」

1 学びの履歴(Learning Histories)」とは、「学習者がこれまでに取得したり、到達したりした認知・情意・行動上の成果とそれに至る学習過程の総体を意味している。すなわち、『学びの履歴』とは、学習者の学習活動の歴史そのものである。」(成田ら,2001:25)

出典:成田喜一郎・中前太郎・吉田章(2001)「2.2 社会科 生徒の『学びの履歴』を生かす社会科カリキュラムの開発」 東京学芸大学教育学部附属大泉中学校『総合学習時代の教科カリキュラムの開発:帰国生の『広義の適応』を視野に入れて』教育研究協議会資料(2001.11.9)pp.23-39.

学びの履歴(Learning Histories)は、乳児・幼児・児童・生徒・学生など学習者市民だけではなく、保護者・地域住民など生活者市民・行政市民・企業市民・NPO/NGO 市民、Education/教育・研究者市民、そして、自ら「存在」を問い問われ、次代に明け渡し手放す「高齢者市民」のすべてに、それは在る。意識しようがしていまいが、それは在る。(2020.9.11 成田加筆)2

深いリフコンをする

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       「永続的な理解をもたらす問い」         そして、「深いリフコン2」 だった!最初に見つけたのは、とってもシンプルな付箋による「深いリフコン」!単元の学びを問い直し見通す、タテ 7.5cm・ヨコ 5cmの小さな付箋に、漢字1字で表現してごらん、そして、なぜその漢字を選んだの?イラストでもいい、空白でもいい、ただし、その理由を書いてみようね!そう、短歌や俳句でもいいんだよ、ただし、その理由も忘れずに!この深いリフコンを試した S 先生、興奮しながら語り始めた見てください、凄いんです、子どもたちはこんな学びをしてるんですA 3用紙に貼った 31 名の付箋を見せながら熱く語ったこれまで学びの成果はテストやレポートなどで見てきたけれど、これほどまでにその子の個性あふれる学びの姿は見たことありません特別なニーズを抱える子たちも書けてるんです!

でも、中・高の先生にゃ、なかなか難しい教科の「壁」、専門の「壁」に阻まれ、つながりが見えづらい教科書の章や節で区切られた機械的な単元や見開き2頁の本時を淡々と進めてゆくそもそも「単元」なんて意識はあまりない学問体系に沿って構成された章や節しかイメージできないしかし、子どもたちはどうだろう何にも言わないけれど音楽で歌った合唱曲「君から吹く風」の背景に「対人地雷」の存在を知り社会の時間で「対人地雷」に触れたとき教科を超えて「対人地雷」の存在を知り、なぜ、何、どうして?と考える子どもたちの内面で静かにつながる学び中・高の先生は、教科を超えた学びの存在を子どもたちの「学びの履歴」を知ることで教科を横断したり縦断したり「つながり」に気づくかもしれない

そして、最後に「永続的な理解をもたらす問い」こいつはとっても厄介なしろもの今も先生たちは悶々としている「いったいどんな問いが永続的な理解をもたらすのか?」

「毎時の発問はあるし、単元を貫く問いも何とかイメージできる」「でも、永続的な理解をもたらす問いなんて意味あるんだろう?」

ある日、大学院生の M さんがある中学校で実習を行った学校の事情で「応仁の乱」と「室町文化」の学びの時間することになった政治史と文化史という学問的系統性の異なる内容の学びの時間!

この M さん、見開き2頁を淡々と進めることはせず、あえて「応仁の乱」と「室町文化」をひとつの「単元」としてデザインしたそれは、この二つを貫く問い「歴史の担い手はどう変化 したのか?」また、室町時代の生活文化と現代とのつながりをさぐり子どもたちは、過去と現在との「対話」をしていった「歴史の担い手はどう変化したのか?」「過去と現在はどんなふうにつながっているの?」これらの問いは、まさに永続的な理解をもたらす問いだと言える

シンプルで深いリフコン、ふせんを使って開発した S先生子どもたちの「学びの履歴」に触れれば触れるほど、悶々としながらも永続的な理解をもたらす問いを模索し続けていったそして、「何を大切にして生きていきたいか」という問いを中学校3年間を貫き、子どもの生活と自他の教科や領域を超えてつながる永続的な理解をもたらす問いを生み出していった

今、新しい COS、学習指導要領が求める「主体的・対話的で深い学び」「単元など内容や時間のまとまり」「カリキュラム・マネジメント」はESD のカリキュラムをデザインするとき、追い風となって ESD を進めるボクらの背中を押してくれる  ・ つながりへの気づき  ・ 永続的な理解をもたらす問い  ・ 深いリフコンまた、これらはカリキュラム・デザインの視点であるだけじゃなくって新しい COS の趣旨を具体化するためにも強い味方となるだろう

2 *:リフコンとは、Reflection & Contemplation の略称である。2018 年 2月の創作叙事詩集では、「深いふりかえり」とあったが、その「概念」の背景にあった論理と証拠で「問い直し/見通す(reflection)」と直観や閃きなどを中心とした「観想(contemplation)」を言語化するために、修正を試みた。このリフコンは、オクデンら(2012)の脳科学理論に裏付けられている。現時点の「創作叙事詩」は、認知脳と情動脳との連動をベースにしている。【図:次頁】3

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図 脳の三層連動

🔵 なぜ、何、どのようにリフレクション(リフコン)するのか?https://tokinomahoroba.blogspot.com/2020/09/blog-post_12.html

・好きな時に聴き読み交わすラジオ「Lecture RADIO」(前編)https://note.com/narisen2017/n/n3af1b7b7c10d(15分 12秒)(後編)https://note.com/narisen2017/n/na181f693e3a2(20分 49秒)

・初めての「Dialogue Video」(中高生向け/教員研修兼用)https://www.youtube.com/watch?v=2xpVP9uCGDo&feature=youtu.be (30分)

    〔内容構成〕      ① リフレクションという言葉の意味      ② 脳科学による意味づけ(論理と証拠、直観やひらめき)      ② なぜ、リフレクションするのか(学びの拡張・深化、理解=解釈・共感/違和感・自己認識)      ③ 誰のためのリフレクションか      ④ リフレクションにはどんな視点が必要か      ⑤ 多様なリフレクションの仕方(言語・非言語表現)      ⑥ みんなで行うリフレクションの意味(マッピング、「鼎(3人)」のワーク)

「ヒョウカ」意味とあゆみのうた

「ヒョウカ(評価)」って何だろう?辞書を引いてみるまず、目に飛び込んできたのは「ねぶみ」という言葉子どもを「ねぶみ」すること?とんでもない、子どもは品物なんかじゃない!次に、目にとまったのは「事物や人物の、善悪・美醜などの価値を判断して決めること」ちょっと待って!子どものそんなこと誰が判断し決めるの?下手をすると人権問題になってしまわない?!そして、「ある事物や人物について、その意義・価値を認めること」ともあったう〜ん、これって難しいなぁ子どもの「意義や価値」を認めるって、いったい、だれがどんな「キジュン」で認めるの?

最後に「評価」とは、「教育評価」の略とあった再び辞書を引いてみる

「児童・生徒の知能・学力・適性・性格・身体・健康などの変化を、教育目的に照らして価値判定すること。これによって教授計画改善や学習の動機づけをし、教育効果の向上を図る」(デジタル大辞泉)

これまで子どもから大人になるまで、通知表に 5段階や 10段階、「A、B、C」などで書かれてきたし、書いたりもしてきたそう、所見も書かれていたし、書いてもきた

やがて観点別評価なんてものが入ってきた「関心・意欲・態度」 これって、いったいどうするの?

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「思考・判断・表現」 これらを判断できるジュギョウしているのか?「資料活用の技能」 そう、データに基づいて自ら判断できるのか?「知識・理解」 知識って何?「理解」って何だろう?

そして、紛らわしい「ノリジュン(規準)」なんてものが登場してきたノリジュンって、ざっくりいうと、到達目標!それを到達レベルの「モトジュン(基準)」を作り、ヒョウカする

最近、話題のパフォーマンス課題とルーブリック3

知識と技能を組み合わせて行う複雑な課題をヒョウカするルーブリック、具体的な目標と達成レベルの一覧表のことでも、これを誤解しちゃいけない学習活動を終えてからする後付けヒョウカじゃなくって活動の前に子どもたちに示し、それを目安に学習活動を行ってゆくんだ

このルーブリック、子どもとってとっても意味があるヒョウカの方法!でも、先生たちがこれを作るには、まだ、とっても時間がかかるしろもの習うより慣れろ!まずはやってみるといい

そのためにも子どもたちの「学びの証」を集め、「学びの履歴」をつかんでゆくうちに徐々にできるようになるかもしれないね!

う〜ん、ヒョウカって、大変!子どものためって、言われるけど先生の仕事って、ヒョウカすることがメインなの?

教えたり、活動を促したりテストをしたり、つくったり採点したり、評定したりそして、一人一人の所見を書いたりしてんだよあまりの仕事の多さで所見もパターン化してる!

その上、パフォーマンス課題だやれ、ルーブリックだってさ

いったい、「ヒョウカ(評価)」って何だろう?自分の頭と心と経験でだけで考えるのはもう限界誰か教えてって先生もいいたくなるよね

2015 年、『新しい教育評価入門』って本が出た副題に「人を育てる評価のために」とあったとってもコンパクトな本、早速読んでみた

読み進めてゆくと面白い箇所を見つけた!子どもたちのレポート作品に対するフィードバックのあり方の研究だ

❶「点数のみ」 「コメントのみ」 「点数とコ❷ ❸メント」3種のフィードバックのうち、学習者にとってもっとも効果的だったのはなんだと思う?❸ かな?実はそうじゃなくって、❶ でもなくって、 「コメントのみ」だったんだ❷これは、Black ら (2003)の研究成果!

なぜ なのか?❷子どもたちは点数を示されるとその数値に惹きつけられる「数値情報は、学習改善のための手がかりを何ら子どもたちにもたらさない」とも言い切る。子どもたちの学習改善につながるのは、現在の目標度合いが具体的に示されること。もちろん、単なる褒め言葉や励ましの言葉のシャワーなんかじゃダメ。目標との差や違いに自分で気づくようなコメントや仕掛けが必要なのだ

そして、同じく 2015 年、難しいタイトルの本が出た『ドイツ教授学へのメタ的分析の受容』副題には、ジョン・ハッティ「可視化された学習」のインパクトってあるそこに凄い表が載っていた「効果をもたらす要因のランキング表(Hattie,2009)」それによると、もっとも学びに効果のある要因、138項目中の No.1 は?「到達レベルの自己評価」(p.109)だった「ヒョウカ(評価)」とは、いかに子どもたちが自らを評価できるようにするために行うもの、究極の目標は「自己評価」にあるんだ!で、ならば、きみはどうするの?これから………。

3 ルーブリックとは、学習者のパフォーマンスの「成功の度合いを示す数レベル程度の尺度と、それぞれのレベルに対応するパフォーマンスの特徴を記した記述語からなる評価基準表である」(西岡ら, 2015:150)「はじめてのルーブリック〜やがて自己評価・相互評価を引き出すために〜」

・書字データ https://tokinomahoroba.blogspot.com/2020/05/blog-post_26.html・口承データ(17分 55分)https://note.com/narisen2017/n/n699d54c78b96 5

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一人ひとりの子どもたちを、子どもたちの「学びの履歴」を今以上に、深〜く「理解4」することからはじめてみてはどう?

(2018.2.16+2020.10.6)

(寺澤満春 , 2018.16)

解題としての「ESD の生成的定義 2020」

 ESD(Education for Sustainable Development)とは、今まで当たり前のように行われてきた「学びの時間」をはじめとする、学校内外のあらゆる学びを「呼び起こし引き出す」営みを「問い直し見通す」ための場と環境を提供する。 今、地球規模のコロナ的状況(Pandemic/Emergency/Infodemic)をはじめとする未曾有の歴史的現在において、深層からの「崩壊露呈(格差・貧困・差別・偏見・対立・孤立等)」と「覚醒開眼(新たな「 学びの創発emergence*」)」とが同時多発している。

まさに、持続不可能か持続可能かせめぎ合う地球、間国家・間地域・間社会・間家庭・間個人の抱える多様で異なる課題、〈持続可能な開発目標 SDGs17+〉の間課題の「つながり」と「つりあい」に気づく。 ESD は、それら多様で異なる学びの対象を自らの内面で「つつみこみ」、それらに通底する「永続的な問い」や「概念**」を探し愛し、応答し続ける人、持続可能な未来への希望に向かう学びの「創発 emergence」に関わる人になるための「永続的なケア」である。 そして、ESD は、子どもたちとおとなたちが世代を超えて、持続可能な社会への変容を目指し、「相互の啐啄同 時 性 *** 」 に 気 づ き 、 共 に 「 並 進 translation **** 」 し て ゆ く た め の 土 台 と し て の 「 文 化(culture / cultivation)」を創る営みである。

(2020.9.16@Kiichiro Narita)

*:学びの創発 emergence :「要素間の局所的な相互作用が全体に影響を与え、その全体が個々の要素に影響を与えることによって、新たな秩序が形成される現象」(大辞泉) Emergency と語源が同じで、地下や水面下から新たなものが発現する。**:ESD を構成する「概念」 :多様性・相互性・有限性・公平性・連携性・責任性(例示;国研 ,2012)+ここで立ち上がる概念***:相互の啐啄同時性:ヒナが殻を破り生まれ出ようと鳴く(啐)瞬間、親鳥が殻の外からつつく(啄)瞬間、生命の「創発」 。一般に子どもたちと先生の関係に例えられるが、ESD では殻の中の「先生」が、殻の外から「子どもたち」につつかれ、新たな「学びの創発」が起こることがある。多く未来の時間を持つ子どもたちをどれだけリスペクトできるか?

図1 啐啄同時      図2 持続可能な未来の構造http://ouraimono.terakoyapro.net/?eid=1400416  ユネスコ・アジア文化センター編(2009)

4 理解には、説明・解釈・応用・展望・共感/違和感・自己認識という6側面がある。ウィギンズ&マクタイ(2012)なかでも、解釈(例えば、言い換えると、〜のようなもの)・共感/違和感(情動のメタ認知、違和感を抱え留まること negative capability)・自己認識(リフコン;Reflection & Contemplation)は重要である。https://tokinomahoroba.blogspot.com/2019/08/2019819.html (2020.10.5 取得)6

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                              『ESD 教材活用ガイド:持続可能な未来のための希 望』ACCU

(2020.9.16 取得)****:並進 translation :一般に翻訳と訳されるが、語源的には「橋渡し」があり、機械工学等では「並進」とも訳される。◉「つながり」「つりあい」「つつみこみ」「永続的な問い」「永続的なケア」:Holistic Education/Care 学の構成要素(connection・balance・inclusiveness・sustainability , essential questions , sustainable care)

ESD と SDGs とのつながりとかかわり

「SDG4.7:2030 年までに、すべての学習者が、とりわけ、持続可能な開発のための教育と、持続可能なライフスタイル、人権、ジェンダー平等、平和と非暴力文化の推進、グローバル・シティズンシップ(地球市民の精神)、文化多様性の尊重、持続可能な開発に文化*が貢献することの価値認識、などの教育を通して、持続可能な開発を推進するために必要な知識とスキルを確実に習得できるようにする。」(蟹江,2020:277)下線および朱書き箇所:成田

蟹江憲史(2020)『SDGs(持続可能な開発目標)』中央公論社(新書)巻末に SDGs17/Targets169 新訳掲載*:「文化」とは何か、問い直し見通すことの意味。異文化・多文化だけではなく、児童生徒文化・教員文化・学校文化を!**:下線部:所沢市 ESD 調査研究協議会 2010-2020 の「果実(fruit)」と「種(seeds)」の共有を!

コロナ的状況下だからこその ESD/SDGs「学びの創発(emergence)」

ある学校で SDGs の学びをした小学4年生 K さんからの問いに対して、あなたはどう応答するか?(2020 年 9月)

⑴「お母ちゃんは SDGs のお話してるのにパソコンで会議して電気いっぱい使ってるのおかしくない?」

⑵「今プラごみをへらすために、いろんなものが紙になっています。紙は木からできています。小学校の SDGsの授業で、今は木や森がへってきて、温暖化の問題があると習いました。プラスチックはへっても、紙のストローやふくろをつかったら、木や森はへって、温暖化はかいけつしないんじゃないでしょうか?」

🔴 子どもたちの内面の「声」(はてな,問い)を聴く:自ら呼び起こし引き出す「学びの時間」をデザインできるか?🔴 子どもたちの「声」(主張、言い分)を聴く:わたくしたちは深い「対話」が持てるか?🔴「対話」の意味と条件:愛・謙虚さ・信頼・希望、そして、〔           *〕があるか?

パウロ・フレイレ(1979/2011 新訳)*:共に分岐点に立ち、複数の選択肢を持つためのポジティブな思考を意味しています。

Lecture RADIO 20:https://tokinomahoroba.blogspot.com/2020/09/blog-post_20.html

当たり前に使ってきた「概念」を問い直し見通す:再定義・言い換え/置き換え(案) 「観」の転換

Education の訳語「教育」の呪縛 150 年をいかに解き放つか?

⑴ 教育 「学びを呼び起こし引き出す営み」⇆ ⑵ 授業 「学びの時間」(生徒と先生の学び)⇆ ⑶ 学習指導案 「学びのプランと留意点」⇆ ⑷ 振り返り 「問い直し見通し=リフレクションの原義」等⇆

「〜を教育する」「〜を指導する(〜にさせる)」「〜を育成する」:教師の「他動詞」的世界から

「生徒が理解する」「生徒が考える」「生徒が感じる」「生徒が活動する」:生徒の「自動詞」的世界へ

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*「他動詞」的世界、「自動詞」的世界:諏訪哲郎(2020)からの示唆

田中萬年(2017)『「教育」という過ち:生きるため・働くための「学習する権利」へ』批評社

成田喜一郎(2019)「グローバル時代の『教師教育 /Educator Education 』を問い直し / 見通す:『 Education/ 教育』 150 年の 『呪縛 /spell 』を読み解く 」平成 28 年度 ~平成 29 年度 科学研究 費助成基金(基礎 研究C ) 研究成果報告書 課題番号 16K04485

グローバル時代に対応した教員研修プログラムの開発(研究代表:中山博夫) 『グローバル時代を共に生きる子どもを育てる教育実践の推進:教員研修プログラムと教育実践から未来を拓く 』pp.46-55. 平成 31(2019)年 3月

解説:https://tokinomahoroba.blogspot.com/2019/08/educator-education.html

補足 原点としての「創作叙事詩 1985〜現在」:子どもによる学びのエスノグラフィーの芽生え

1985 年、あのとき、中1生・有田龍之介(仮名)さんの書いた「それは悲惨な絵だった-殷王の墓-」を読んだときの衝撃。

それは悲惨な絵だった-殷王の墓-有田龍之介(仮名)

それは悲惨な絵だった/王さま一人のために/たくさんの人が死んでいた/生き物も死んでいた/王さまのために

首を階段のそばにさらされて/今にもうめき声が聞こえてきそうだった/動物もたくさん死んでいた/犬、猫、鳥の鳴き声が聞こえてきそうだった/みんな王さまのためだった/奥さんや子どものいる人もいるだろう/しかし、死なねばならぬのだ/王さまのために

こんな世の中をだれが作った!/そう言う人がいるかもしれない/その答えに/王さまがすべてわるい/と言う人がいるだろう/しかし/そう言っている人も/こんな世の中を作っているのかもしれない

時をこえて今/お金という王さまのために命をすてる人もいる*/今も昔も同じだ/いつになったら王さまのために命をすてる人が/いなくなるのだろう/そういう日は永久にこないのかもしれない

https://esd2005-2015.blogspot.com/2015/09/201595_7.html (2020.10.5取得)http://ir.u-gakugei.ac.jp/bitstream/2309/5851/1/AN00158421_38_039.pdf (2020.10.5取得)

 このとき、まだ「解題」はなかった。古代文明の単元を学び終えたあとに子どもたちが書いた詩(poem)の一つだった。この中学生は、まさにあの歴史哲学者・E.H.カーのごとく、現在と過去との対話をしている。 当時は、まだ創作叙事詩という概念もエスノグラフィーという概念もなかった。

その後、創作社会詩(社会科「叙事詩」)という概念を使ったのは、筆者(1997)が実践研究論文「社会科「叙事詩」論序説 : 事実認識と想像力とをつなぐ試み 」を書いたときだった。 そして、社会科教育からさらに多様な領野(帰国子女教育・国際理解教育、環境・消費者教育、ホリスティック教育等)において援用してゆく。

さらに、その後の実践史のプロセスの中で、自由詩だけではなく、キーワード&コメント、キャッチ・フレーズ、短歌(狂歌)や俳句(川柳)、漢字一字、イラスト、表情イラスト、空白など、多様な表現形式がその概念を構成してゆく。 しかも、東京学芸大学附属大泉中学校「学校図書館と ESD 」(2005〜)、東京農工大学「特別活動論と ESD 」(2007〜2014)、東京学芸大学教職大学院「カリキュラム開発の方法/カリキュラムデザイン基礎・教育ネットワークの構築方法・学校組織マネジメント」(2008〜2017)、自由学園(フィールドワーク 2009〜)、所沢市ESD調査研究協議会(2010〜)、東日本大震災・原発事故(2011〜いわき市市民とのつながり)、大森六中(2012〜)、東京学芸大学「人権教育フィールドワーク:多磨全生園・ハンセン病資料館」(2012〜2018)、早稲田大学「ESD の理論と実践」(2015〜)、西田小(2016〜)、自由学園(2018〜)など、各学校の校内研修会など ESD の実践研究の中で、Reflection & Contemplation の方法として援用されたり、観察・対話・文献・思索・記述を経て、エスノグラフィーとして援用されたりしてきた。

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 筆者(2013)は、研究論文「子どもと教師のためのオートエスノグラフィーの可能性 : 「創作叙事詩・解題」を 書くことの意味」を書き、Reflection & Contemplation論、評価論を含む教育学的知見の中に位置づけ並進してゆく。 また、筆者と津山直樹氏(2017)が、「『創作叙事詩・解題』の実践:生徒の内面を引き出すこれからの学習方法」(『対話がつむぐホリスティックな教育:変容がもたらす多様な実践』創成社, 2章、pp.83-148)を共著し、広く世に問うことになった。詳細は、2本の論文と新書文献の第2章を参照されたい。

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