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WQC 株式会社 WQC 技報 WQC Technical Report CONFIDENTIAL toward NON-PARTIES until PUBLISHED Copyright ©2016 by WQC CO,. LTD1 ついに突破口が見つかったワイヤレス給電の新方式 -磁界共振理論の誤りを微修正するだけ- 牛嶋昌和 WQC 株式会社 あらまし 磁界共振方式の理論式には誤りがあり,それを修正してみた結果、抜群のロバスト性の改善と効率の 改善が得られた.今までなぜこの解決法が見つからなかったのかの疑問に応える. 1. 実験回路 㻽301 I㻾F㻼260㻺㻼BF 㻽302 I㻾F㻼260㻺㻼BF C205 10μ D202 UF4007 24V-141V 12V unit Tx301 60μH 㻾202 10k D201 J㻹-5㻾35EXX C202 2200μ 50V 㻾201 2.2㻹 C201 0.1 50V TC4584B㻼 U201 A B C302 0.33μF D302 FF㻼F08H60㻿TU C203 470μ 16V I㻺 㻿D C㻻㻹 VB H㻻 Vs 㻸㻻 U202 I㻾2184 Vcc D301 FF㻼F08H60㻿TU J㻼3 4×2 J㻼4 4×2 J㻼2 J㻼1 G㻺D G㻺D C204 0.01 㻹㼍x 141V ᇶᯈ1 ᇶᯈ䠎 ᇶᯈ䠏 㻾x401 60μH C401 0.33 C403 0.01 1kV D㼆401 B㼆X85C3V6 3.6V1㼃 C D D401 㻻㻿I5㻸A5113A 㻔㻥40n㼙㻕 㻾401 15 㻽401 2㻿C1815 ᇶᯈ䠐 D402 㻹U㻾1620CTG C301 2.2μ C303 0.33μF C404 100μ C402 0.47 㻽402 TI㻼41C 100V6A D㼆402 3.6V1㼃 X401 100V 䖃㼃 10mA-300mA MAX300mA ᅗ1 㟁ὶඹ᪉ᘧ䜢䛳䛯䝽䜲䝲䝺䝇⤥㟁ᅇ㊰䛾ᅇ㊰ᅗ 㻔1000n㼙㻕 D101 B㻼㼃34㻿 ┦䛻 䛺䜛䜘䛖䛻 E㻿㻾䛜ప䛟⪏ᅽ䛾㧗 䛔䝁䞁䝕䞁䝃䜢䛖 పE㻿㻾䛾䜒䛾䜢㑅䜆 䝁䜲䝹䛾➃Ꮚ䛾 䛿ᴟᛶ䜢⾲䛩 䝁䜲䝹䛾➃Ꮚ䛾 䛿ᕳ䛝ጞ䜑䜢⾲䛩 ㉥እ⥺㻸ED䛸㻼I㻺䝣䜷䝖䝎䜲䜸䞊䝗䛿ග䛜ᒆ䛟䜘䛖䛻䛛䛔䜟䛫䛻㓄⨨䛩䜛䠊ග㍈䜢䜟䛫䜛䠊 ⏝䛩䜛㉥እ⥺䛾Ἴ㛗䛿䜛䜉䛟㏆䛔䜒䛾䜢⏝䠊Ἴ㛗䛜䛝䛟␗䛺䜛䛸䛖䜎䛟䛔䛛䛺䛔䠊 ㉥እ⥺䛻䜘䛳䛶┦ᖐ㑏䜢⾜䛖㻔㔜せ䟿㻕 ㉥እ⥺ධຊ䛜䛺䛔 䛸䛝䛿0.5⛊䛷㌿ ㉥እ⥺ධຊ䛜䛒䜛䛸䛝䛿㏻䜚ᢤ䛡 1.1. ワイヤレス給電䛾課題 ワイヤレス給電の最大の課題は,送電コイルと受電 コイルとの距離や位置関係が変化した場合にも高い効 率で送受電できるようにすることです. 位置の自由度のことをロバスト性といい,位置の自 由度が高いことをロバスト性が高いといいます. 一般にワイヤレス給電では効率をよくすればロバス ト性が低くなり,ロバスト性を高くしようとすれば効 率が悪くなり,必ずどちらかが犠牲になります.効率 を常に高く保ちながらロバスト性を高く確保すること は容易なことではないとされてきました. 本報告では 2 次側の共振コンデンサから拾った共振 電流位相を 1 次側に帰還することによってこの問題を 解決しました. 共振周波数の変化を自動追跡することによって,ロ バスト性の高さと高効率 ( 高力率 ) とを兼ね備えたワイ ヤレス給電システムができあがります. このような方式を電流共振回路といいます.以下順 を追って説明していきましょう. 1.2. 自動的に共振周波数を追跡する ロバスト性を低くする最大の原因は,コイル間の距 離や位置関係が変化すると共振周波数が変化するため です.この共振周波数の変化を自動追跡することがで きればロバスト性を高くすることができます. 回路図を図 1 に示します.このワイヤレス給電回路 は概ね 250W ぐらいまで使える設計をしてあります. 本回路ではどのようにして自動追跡しているかとい うと, 2 次側の共振コンデンサ C401 C402 に流れる 電流位相を 1 次側に帰還していますがこれが鍵です. 実際には共振コンデンサ C401 C402 には大きな共 振電流が流れるため,並列に小さな容量 C403 を取り 付けてその電流位相を検出して帰還します. C 点と D 点に流れる電流の位相は等しくなります. 電流の位相検出を簡単にするために,今回はツェナ ー・ダイオード DZ401 を使いました.この方法は電流 位相が矩形波になって検出できる点が便利です.この 部分の位相は検出抵抗と OP アンプなどで増幅して検 出することもできます.その場合は充分にスルーレー トの高い高㏿ OP アンプを使用してください. ツ ェ ナ ー・ダ イ オ ー ド DZ401 の電圧波形はトランジ スタ Q401 でバッファして電流増幅してから赤外線 LED D401 を駆動しています. 1.3. 周波数追跡䛾原理と ZVS 動作 本報告の回路は電流共振回路といいます。 2 を見ながら各部の動作を確認していきましょう. Q301 Q302 のハーフ・ブリッジ回路中点の A 点の

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WQC 株式会社 WQC 技報 WQC Technical Report

CONFIDENTIAL toward NON-PARTIES until PUBLISHED Copyright ©2016 by WQC CO,. LTD.

1

ついに突破口が見つかったワイヤレス給電の新方式 -磁界共振理論の誤りを微修正するだけ-

牛嶋昌和

WQC 株式会社

あらまし 磁界共振方式の理論式には誤りがあり,それを修正してみた結果、抜群のロバスト性の改善と効率の

改善が得られた.今までなぜこの解決法が見つからなかったのかの疑問に応える. 1. 実験回路

301I F 260 BF

302I F 260 BF

C20510μ

D202UF4007

24V-141V

12Vunit

Tx30160μH

20210k

D201J -5 35EXX

C2022200μ

50V

2012.2

C2010.1 50V

TC4584BU201

A BC302

0.33μF

D302FF F08H60 TU

C203470μ16V

I

D

C

VB

H

VsU20

2I

2184

Vcc

D301FF F08H60 TU

J 34×2

J 44×2

J 2

J 1

G D

G D

C2040.01

x 141V

1

x40160μH

C4010.33

C4030.011kV

D 401 B X85C3V6

3.6V1C

D

D401I5 A5113A

40n

40115

4012 C1815

D402U 1620CTG

C3012.2μ

C3030.33μF

C404100μ

C4020.47

402TI 41C100V6A

D 4023.6V1

X401100V

10mA-300mAMAX300mA

1

1000n

D101B 34

E

E

ED I

0.5

1.1. ワイヤレス給電 課題 ワイヤレス給電の最大の課題は,送電コイルと受電

コイルとの距離や位置関係が変化した場合にも高い効

率で送受電できるようにすることです. 位置の自由度のことをロバスト性といい,位置の自

由度が高いことをロバスト性が高いといいます. 一般にワイヤレス給電では効率をよくすればロバス

ト性が低くなり,ロバスト性を高くしようとすれば効

率が悪くなり,必ずどちらかが犠牲になります.効率

を常に高く保ちながらロバスト性を高く確保すること

は容易なことではないとされてきました. 本報告では 2 次側の共振コンデンサから拾った共振

電流位相を 1 次側に帰還することによってこの問題を

解決しました. 共振周波数の変化を自動追跡することによって,ロ

バスト性の高さと高効率 (高力率 )とを兼ね備えたワイ

ヤレス給電システムができあがります. このような方式を電流共振回路といいます.以下順

を追って説明していきましょう.

1.2. 自動的に共振周波数を追跡する ロバスト性を低くする最大の原因は,コイル間の距

離や位置関係が変化すると共振周波数が変化するため

です.この共振周波数の変化を自動追跡することがで

きればロバスト性を高くすることができます. 回路図を図 1 に示します.このワイヤレス給電回路

は概ね 250W ぐらいまで使える設計をしてあります. 本回路ではどのようにして自動追跡しているかとい

うと,2 次側の共振コンデンサ C401,C402 に流れる

電流位相を 1 次側に帰還していますがこれが鍵です. 実際には共振コンデンサ C401,C402 には大きな共

振電流が流れるため,並列に小さな容量 C403 を取り

付けてその電流位相を検出して帰還します.C 点と D点に流れる電流の位相は等しくなります.

電流の位相検出を簡単にするために,今回はツェナ

ー・ダイオード DZ401 を使いました.この方法は電流

位相が矩形波になって検出できる点が便利です.この

部分の位相は検出抵抗と OP アンプなどで増幅して検

出することもできます.その場合は充分にスルーレー

トの高い高 OP アンプを使用してください. ツェナー・ダイオード DZ401 の電圧波形はトランジ

スタ Q401 でバッファして電流増幅してから赤外線

LED D401 を駆動しています.

1.3. 周波数追跡 原理と ZVS 動作 本報告の回路は電流共振回路といいます。 図 2 を見ながら各部の動作を確認していきましょう. Q301,Q302 のハーフ・ブリッジ回路中点の A 点の

Page 2: WQC WQC Technical Report...2 電圧を見てください.ここから説明が始まります。 2 次側が共振周波数で共振している場合,B 点に流 れる電流は正弦波に近くなり,A

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電圧を見てください.ここから説明が始まります。 2 次側が共振周波数で共振している場合,B 点に流

れる電流は正弦波に近くなり,A 点の電圧位相よりも

少しだけ遅れた電流位相になります. これを ZVS 動作と言います。EMC も減るし、部品

の発熱も減るという理想の駆動状態です.

A

B

C

D

D 401

D401

D101

E

V

なぜそうなるかは続いて説明を見てください. 2 次側の共振コンデンサ C401,C402 に流れる電流

の位相 C を見てみます.共振している際にはこの電流

位相は A 点の電圧位相と同じになります. 補助コンデンサ C403 に流れる電流位相 D も C と同

じ位相になります. そうすると DZ401 の電圧波形は矩形波になり,D の

電流位相と等しくなります. D401 が赤外線 LED でその光出力は矩形波になりま

す.またその位相は共振コンデンサ C401,C402 に流

れる電流の位相 C と等しくなることがわかると思いま

す.実際にはこの過程で少しずつ位相遅れが生じます

が,回路を設計する際にはその位相遅れができるだけ

少なくなるように注意します。 次にこの光出力が受光回路に入光します.その際に

受光回路による遅延が起きないように PIN フォトダイ

オードを用いた受光回路にするなど,じゅうぶんに注

意してください. この受光回路の出力が E 点の電圧です.その E 点の

電圧によってシュミットトリガが駆動され,その電圧

がハイ・サイド・スイッチ U202 の入力に入り,Q301,Q302 のハーフ・ブリッジを駆動します.

このようにして帰還回路が動作します. このように,電流共振回路の動作というものは非常

にシンプルなものです. それではなぜ B 点の電流即ち 1 次側コイルに流れる

電流位相が少しだけスイッチング電圧よりも遅れてい

るのでしょうか.これが ZVS(ゼロボルトスイッチン

グ)条件というものです. C302,C303 の共振コンデンサの C 点の電流位相は B

点電流位相よりも少しだけ早いのです.これが電流共

振回路による自動 ZVS 動作です. なぜそうなるのかは位相解析を行わないと理解でき

ないので後述します.

2. 共振原理の見直しが必要 2.1. 磁界共振 音叉 共鳴と 違う

ワイヤレス給電の磁界共振 (磁界共鳴とも言われる )は 2006 年の有名な MIT Experiments(写真 3)と言われる

ものに端を発しています.

このときにマリン・ソーリャチッチ (Marin Soljačić)

が最大 2mもの電力伝送を実現して,その成果が世界

に披露されたときから一挙に話題に上るようになりま

した.(写真 1)その際にこの実験では 1 次側と 2 次側

とに共振コイルが置かれおり,そして二つのコイル間

に共鳴が起きることによりエネルギの伝導路 (共鳴場

エバネセントテールどうしの結合 )が形成されている

と説明されています. 磁界共振はその原理が音叉の共鳴に例えられると信

じられ.(皆が信じ,)音叉の共鳴という説明が直感的

にも納得しやすかったせいもあるかと思うのですが,

そのために磁界共振には 1 次側,2 次側の両方に共振

器が必須であるというイメージが定着してしまいまし

た.

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2.2. 実 二つ 共振器 必須で ない ところが磁界共振というものは必ずしも共振回路が

1 次側と 2 次側との双方に必須だというわけではあり

ません. 以前から知られているコイル間結合の現象に調相結

合(CHOSO Coupling, Magnetic flux Phase Synchronous Coupling)というものがあります.これは 2 次側のコ

イルに強い共振を起こさせることによって,コイル間

の結合が高まるというものです (1)(2).この場合は 1次側の共振が必ずしも必須ではありません.

CHOSO Coupling では,2 次側を高い Q 値で強く共

振させることによって,高効率な中距離伝送が実現で

きることがわかってきました.そしてこれが,新しい

磁界共振の方式の一つとして認識されるようになりつ

つあります.

3. 調相結合とは何か CHOSO Coupling (Magnetic flux Phase Synchronous

Coupling)は今まで Resonance Coupling と呼ばれながら

曖 昧 な 定 義 し か 存 在 し な か っ た そ の Magnetic Resonance の原理の本質部分にあたると考えられます.

3.1. コイル間 結合を強くする調相結合 調相結合では共振回路が二次側だけでもいいので音

叉の共鳴の原理では説明できません. また,結合が強くなるといっても結合係数 k が高く

なるわけではありません.

3.2. コイル間 結合に調相結合を利用する 調相結合という言葉や現象があまり知られていない

ようです.解説すると次のようになります.

図 3(a)(b)に調相結合の基本回路図を示します.調相

結合は非常に簡単な構成であり,疎結合になった 1 次

コイルと 2 次コイルとがあり,その 2 次側に共振コン

デンサを接続しただけです.そして,2 次側の共振周

波数で 1 次側から駆動してあげると調相結合が起きま

す. 負荷に対して並列にコンデンサを配置した図 3(a)と

負荷に対して直列にコンデンサを配置した図 3(b)があ

ります.このどちらでも調相結合が起きます. 調相結合の実用化は早くから行われており,1995 年

頃から図 3(a)のタイプが液晶のバックライトに,図

3(b)のタイプが構内搬送機の給電に利用され始めてい

ます (3).

3.3. 磁束 位相が揃うと調相結合が起きる 調相結合の調相とはコイルとコイルとの間の磁気位

相が揃うという意味です. 図 4 に調相結合が起きるときの磁束の状態を示しま

す. この場合,1 次側のコイルだけが駆動され,2 次側の

コイルには共振コンデンサが接続されています. 後述しますが,2 次側のコイルとコンデンサとが特

定の条件で共振する周波数において,二つのコイルの

電流の位相が揃う現象が起きます.そうすると調相結

合が起きます. 調相結合が起きると,1 次側のコイルと 2 次側のコ

イルとの両方を通り抜ける (両方のコイルに鎖交する )磁束が生じます.この磁束のことを主磁束と言います.

主磁束はコイル間の電力伝送を媒介する重要な磁束で

す.

I1 I1 I21 2I2

V1 V2

C2

L1 L24 1

この主磁束の形成こそがワイヤレス給電にとっても

っとも重要なことになります. では調相結合が起きる原理を順を追って見ていきま

しょう. 複数のコイルがあり,それらのコイルを流れる電流

の位相が皆揃っている場合を考えます.図 5(a)は二つ

のコイルの間が線でつながれている場合です.この場

合は磁束の位相も揃うので図 5(a)のように各コイルを

中心にして同位相の(同期したといってもよい)磁束

が発生します. しかし実際には同じ位相の磁束は引き合って図 5(b)

のようにコイル間どうしに磁束の結合が起きます.こ

れが最も基本的な調相結合です.図 5(b)はコイルどう

しが直列に線でつながっているのですから電流の位相

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が揃うのはあたりまえですね.そして電流と磁束とは

比例しますから電流の位相が揃うと磁束の位相も揃い

ます.これもあたりまえです.

(a)

I1

5 2

I1 I21 2I2

I1I1 I2

1 2I2

(b) (a)

なんだ,そんなの昔からあったじゃないかといえば

そのとおりで,電気工学などの教科書にも載っていま

す.それを調相結合と呼んでいなかっただけです.

では二つのコイルが図 5(c)のように別々に駆動され

るような場合はどうでしょうか.この場合であっても,

コイルを流れる電流の位相が揃ってさえいれば調相結

合が起きます. つまり調相結合というのは,磁束の位相が揃ったコ

イル同士に主磁束の形成が起きる現象のことをいうの

です.そしてこの主磁束を介して電力伝送が行われま

す.

3.4. 調相結合 性質を分析してみよう ところで,結合係数の低い磁気漏れトランスとかワ

イヤレス給電の話になると調相結合が興味深い現象と

して観察されるようになります. 先ほどの図 3(a)(b)の回路で 2 次側の共振回路に共振

が起きている様子を図 6(a)のように 1 次側からインピ

ーダンスアナライザーで観察してみます.

1 2 C2

(a) 6(a) V1/I1

(b) (V1) (V1/I1)

V1

I1

10

100

すると図 6(b)のようなインピーダンス特性が見られ

ます.横軸が周波数で縦軸がインピーダンスです.図

6(b)を見ると,インピーダンスが極大になる周波数と

インピーダンスが極小になる周波数があることがわか

ります. このインピーダンスが極小になる周波数は直列共振

周波数とか単に共振周波数とか呼ばれます.この周波

数で調相結合が起きます. 一方,インピーダンスが極大になる周波数がありま

すが,こちらは並列共振周波数とか反共振周波数とか

呼ばれます.こちらの周波数では調相結合が起きませ

ん. 本報告のワイヤレス給電においては調相結合が起き

る方の共振である直列共振周波数 (共振周波数 )を使用

します.

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5

(a) 8(b)

直列共振周波数(共振周波数)では主磁束が形成されて送電コイルと受電コイルが結合し,エネルギーが空間を伝わる.

並列共振周波数(反共振周波数)では磁束の位相が90°ずれているので主磁束が形成されない.つまり送電コイルと受電コイルが結合していないのでエネルギーが伝わらない.

0

V1

I1

I2

V2

(b)

V1

I1

I2

V2

この周波数では図 7(b)のように多くの主磁束が形成

されています.これは 1 次コイルと 2 次コイルとの間

の電力伝送がうまくいくことを意味します.

3.5. 従来 磁界共振で 並列共振周波数を使っ

ていたという が間違い 原因 一方,並列共振周波数 (反共振周波数 )では図 7(a)の

ように磁束の位相が 90°ずれていて主磁束が形成さ

れません.これでは 1 次コイルと 2 次コイルとがうま

く結合することができなくなってしまいます. これまでに数多く発表されている一般的な磁界共振

とは,実は並列共振周波数 (反共振周波数 )を使ったタ

イプの磁界共振でした. このタイプの磁界共振の特徴として,コイル間どう

しを近づけて結合係数が高くなると,コイル間の磁束

の位相ずれが 90°に近づくことになります.また,2次側の共振の Q 値を高くしてもコイル間の磁束の位相

ずれが 90°に近づきます.

V2

V1

その結果,主磁束が形成されにくくなるので,コイ

ル間の距離を近づければ近づけるほど,また共振の Q値を高くすればするほど,並列共振の中心周波数では

電力伝送が阻害されて共振のピーク部分が凹み,その

結果が双峰特性となって表れるわけです (図 8,図 9).

V2

V1

この双峰特性のどちらのピークも見かけ上の共振で

あって,次に述べる並列共振周波数と直列共振周波数

のどちらの共振でもありません.

4. 反 (並列 )共振周波数と直列振周波数を分析 4.1. どうして並列共振周波数と直列共振周波数に

分かれる か

1 2

C2

(b) ( ) LC ( )

(a) ( ) LC ( )

1

2

C2

10

V1

C22

1

C2

2

k1 2

図 10(a) (b)に 2 次側に共振コンデンサ C2 を接続し

た場合のワイヤレス給電の等価回路を示します.これ

は普通のトランスの三端子等価回路であって,結合係

数が小さいだけです.ワイヤレス給電の等価回路は今

までのトランスの等価回路と異なるところはありませ

ん. 図 10(a) (b)でなぜ二つの共振周波数が現れるのかを

考えてみましょう. まず,第一の共振周波数,並列共振周波数は図 10

の (a)のように共振コンデンサ C2 と (Le2+M)との共振

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です.ここで,(Le2+M)とは 2 次側コイルのインダク

タンス L2 のことですから,C2 と L2 とで共振周波数

が決まります.すると,並列共振周波数 pf の計算式は

次のよく目にする式になります.

2221CL

f pπ

= …(1)

次に第二の共振周波数,直列共振周波数は,図 10の (b)のように 1 次側を短絡した場合の 1 次側 Le1 と Mとが並列合成されて,これに直列に 2 次側の Le2 が直

列合成されたインダクタンス Lsc と共振コンデンサ C2との共振周波数になります.

Lsc を計算してみましょう.図 10 の (b)の等価回路に

したがって Le1=Le2=Le としてインダクタンスを並

列・直列合成します.

e

e

sc L

ML

L ++

= 111

…(2)

となります. これを L2 の式で表してみましょう.結合係数をk

として,Le= (1-k )L2,M=kL2 ですから,式 (2)を代入して,次のようになります.

( )

( ) 2

22

111

11 Lk

kLLk

Lsc −++

=

( ) ( ) 2

22

222

2211

1 Lk

LkkLLkkL −+

−+=

( )( ) ( ) 2

2

22

222

222

22

222 11

1Lk

LLkkLLk

LkkLLkkL

−+−

=−+−+

−=

( ) 2222

2222

2 1 kLLLkkLLkLkkL −+−=−+−=

( ) 22

22

2 1 LkLkL −=−=

( ) 221 LkLsc −= …(3)

この Lsc と共振コンデンサ C2 とが共振するので直

列共振周波数 sf の式は,次のようになります.

222 )1(2

1CLk

f s−

…(4)

ここで,式 (3)の Lsc は短絡インダクタンスと呼ばれ,

その値を直接測定することも可能です.測定する際に

はコイル間の距離を固定し,一次側のコイルを短絡し

て二次側からインダクタンスを測ります (6).そのよう

にして測ったインダクタンス値が短絡インダクタンス

Lsc で,直列共振周波数 sf を決めるインダクタンス値

になります. このように,1 次側から見た 2 次側の共振には並列

共振周波数と直列共振周波数という二つの共振周波数

があることがわかります. 以上は図 3(a)について共振周波数が二つ現れる理由

を述べましたが,図 3(b)についても式 (1),式 (4)は同じ

になりますのでやはり共振周波数は二つ現れます. そして式 (4)によって示されるとおり,直列共振周波

数は結合係数が大きくなるにしたがい共振周波数が高

くなります. このことは,調相結合を利用して電力伝送を行う場

合には結合係数の変化,すなわちコイル間の距離や位

置関係の変化にしたがって変化する直列共振周波数を

追従する必要があります.

4.2. 主磁束 電力変換 要 並列共振周波数はワイヤレス給電においては役に立

たない周波数です.別名反共振周波数とも言われる言

葉のイメージのとおり,二つのコイルが共振して結合

することにおいては図 7(a)のように,1 次側 2 次側か

らそれぞれ 90°位相のずれた磁束が発生して主磁束

の形成を阻害する働きをしています. これに対して直列共振周波数では調相結合によって

図 7 (b)のように 1 次側の磁束と 2 次側の磁束とが結合

して主磁束が形成されます.主磁束は電力伝送の要と

なる磁束であり,この主磁束を介して 1 次側と 2 次側

とが電力のやりとりをします.つまり,主磁束ができ

あがれば給電ができます.

5. 正しい磁界共振の周波数設定 5.1. 従来 磁界共振 設定が間違っていた 本報告のワイヤレス給電回路の製作においては調相

結合が起きる方の共振周波数図 7(b)を積極的に利用す

るようにしています. 従来の磁界共振とはここが大きな違いで,共振周波数

を設定する LC パラメータが少しだけ違います.その

少しの違いが大きな違いを生みます.

5.2. 調相結合で 共振周波数が変化する ここで問題が起きます.共振周波数 (直列共振周波

数 )は式 4 で示されたとおり,結合係数 k によって変化

しますから.コイル間の距離が変化すると共振周波数

も変化してしまうことになります. そこで,共振周波数の変化にしたがって動作周波数

が追従していかなければなりません.次の課題はその

機構をどうするかでありそれが重要な鍵になります.

5.3. 共振周波数 正しい設定方法 今までの磁界共振を正しく設定しなおす場合ですが,

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7

以下のように設定します.今までの磁界共振では 1 次

側と 2 次側との両方に共振回路があり,1 次側の L1 と

C1 の積と,2 次側の L2 と C2 の積を同じ値に設定して

いました.これが間違いです.正しくは以下のように

します.

5.4. 2 次側 L2・C2 積を 1 次側 L1・C1 積211 k− 倍に設定

修正された新しい磁界共振では図 11 のように 2 次側

の L2・C2 の積を 1 次側 L1・C1 の積の 211 k− 倍に

設定します.

222

11 )1(21

21

CLkCLf

−==

ππ

211 k−

222

110

)1(11

CLkCL −==ω

22CL

たったこれだけの設定です.これで今までの磁界共

振の効率が大幅に改善されます.駆動周波数が固定で,

コイル間の距離が固定された場合のワイヤレス給電で

はこれで十分でしょう. しかし,コイル間の距離が変わる場合は結合係数の

変化にしたがって駆動周波数を変えなければならない

という課題が出てきます. その場合, 1 次側の共振回路がない方が周波数制御

をする場合には有利です.1 次側の共振回路は必須と

いうものではありません. それでは,結合係数が変化した場合にどのようにし

て最適な駆動周波数を追跡したらよいのかその方法を

考えてみましょう. 図 12 に回路シミュレーションに使われた等価回路

を示します.結合係数は 0.2 から 0.8 までとし,共振

周波数が 23kHz から 50kHz まで変化するようすを見ま

す. 着眼する位相は 1 次側の送電コイルの電流位相,図

1 でいえば A 点電圧位相に対する B 点電流位相,C 点

電流位相,そして送電コイルと受電コイルの電圧比 (ゲイン )の周波数解析です.

5.5. 新方式 回路シミュレーションでも立証が可能 最適な駆動周波数を追跡するために,手始めに調相

結合の際の各コイルに流れる電流や電圧について回路

シミュレーションをしてみます.使う解析は周波数解

析です.

1

2

20.8

0.7

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

5.6. 共振周波数 大きく変化する 結果は図 13(a)(b)(c)のようになります. 図 13(a)は横軸が周波数になっていて,縦軸に 1 次側

のコイルのスイッチング位相に対する電流位相の位相

特性が示されています.並列共振周波数と直列共振周

波数のそれぞれの周波数付近で位相特性が 0degree を

横切る様子が見られます.電流の位相特性が 0degreeであるということは抵抗性で駆動しているということ

であり,誘導性のコイルを駆動していながらその誘導

性が 2 次側の共振によって打ち消されていて,ちょう

ど抵抗性になっているわけであり,駆動の力率がほぼ

1 だということです. この周波数で駆動すれば 1 次コイルには無効電流が

流れず,発熱が少なくなることを意味します.

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2V

2V

1

2221CLπ

222 )1(2

1CLk−π

5 . 7 . Z V S 動 作 を実 現 する 図 1 3 ( b ) は 2 次 側 の 共 振 コ ン デ ン サ C 4 0 1 ,

C 4 0 2 に 流 れ る 電 流 の 位 相 で す .こ の 場 合 も

1 次 側 の コ イ ル の ス イ ッ チ ン グ 位 相 に 対 す

る 位 相 で す . ち ょ う ど 直 列 共 振 周 波 数 の と こ ろ で 電 流

の 位 相 特 性 が 0 d e g r e e を 横 切 り ま す . こ れ

を 上 手 に 使 え ば 直 列 共 振 周 波 数 の 検 出 が で

き る こ と に な り ま す . 都 合 が 良 い こ と に ,

図 1 3 ( a ) ( b ) を 比 べ る と , 電 流 の 位 相 特 性 が

0 d e g r e e を 横 切 る 周 波 数 が 少 し 違 っ て お り ,

図 1 3 ( b ) の 0 d e g r e e を 横 切 る 周 波 数 は 図

1 3 ( a ) の 電 流 遅 延 ,す な わ ち 誘 導 性 の 周 波 数

で す . こ れ は ど う い う こ と を 意 味 す る か と

い え ば , Z V S ( ゼ ロ ボ ル ト ス イ ッ チ ン グ ) がで き る と い う こ と で す . さ ら に 嬉 し い こ と

に 力 率 も 1 に 近 い の で す . こ ん な 一 石 二 鳥

の 方 法 は な か な か あ り ま せ ん .

5 . 8 . 伝 達 関 数 ピーク 図 1 3 ( c ) は 周 波 数 と 伝 達 関 数 ( 伝 達 ゲ イ

ン ) と の 関 係 で す . 図 1 3 ( b ) ( c ) を 比 べ る と , 電 流 の 位 相 特 性

が 0 d e g r e e を 横 切 る 周 波 数 は 伝 達 ゲ イ ン の

ピ ー ク と 一 致 し て い ま す . 2 次 側 の 共 振 コ

ン デ ン サ に 流 れ る 電 流 の 位 相 は 伝 達 ゲ イ ン

の ピ ー ク も 検 出 で き る わ け で す . こ れ は 一

石 三 鳥 と い う さ ら に 嬉 し い 結 果 が 得 ら れ ま

し た . 結 局 2 次 側 の 共 振 コ ン デ ン サ C 4 0 1 ,

C 4 0 2 に 流 れ る 電 流 の 位 相 を 一 次 側 に 帰 還

し て あ げ る と い う 非 常 に 簡 単 な 方 法 で 共 振

周 波 数 の 自 動 追 跡 が 実 現 で き て し ま う こ と

に な り ま す . こ こ で ,並 列 共 振 周 波 数 の 式 ( 1 ) の ほ う の

伝 達 関 数 を 見 て み る と , 2 次 側 出 力 の 電 圧

の 上 昇 に 寄 与 し て い ま せ ん . こ の こ と か ら

ワ イ ヤ レ ス 給 電 に は 利 用 で き な い 周 波 数 だ

っ た と い う こ と が わ か り ま す . そ れ ど こ ろ

か , 並 列 共 振 周 波 数 は 1 次 側 か ら の 電 力 伝

送 を 阻 害 し て 双 峰 特 性 に す る 原 因 に な っ て

い ま す . 今 ま で は 2 次 側 L C の 共 振 の 式 を 式 ( 1 ) に

合 わ せ る こ と が 主 流 で し た が , 今 後 は 2 次

側 L C の 共 振 の 式 は 式 ( 4 ) に 一 新 す る こ と に

し ま し ょ う .

6 . ま と め 以 上 , 本 報 告 で は 従 来 の 磁 界 共 振 の 式 を

修 正 す る こ と に よ り 高 効 率 の 電 力 伝 送 が で

き る こ と を 解 明 し て 実 証 し ま し た . ま た 新 た な 共 振 の 式 に も と づ く 共 振 周 波

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数 の 変 化 と い う 課 題 に 関 し て は 電 流 共 振 回

路 ( 位 相 の 帰 還 ) と い う 着 眼 に よ っ て こ れ を

解 決 し , ロ バ ス ト 性 と 効 率 の よ さ の 双 方 を

両 立 さ せ る 回 路 の 動 作 を 確 認 し ま し た . ま た , 従 来 の 磁 界 共 振 に 生 じ る 双 峰 特 性

に 関 し て は 独 自 の 見 解 に よ り 新 た な 解 釈 を

加 え る こ と に し ま し た . こ の 新 た な 磁 界 共 振 の 概 念 が 普 及 す る こ

と に よ り , ワ イ ヤ レ ス 給 電 の 磁 界 共 振 方 式

普 及 の 阻 害 要 因 が 取 り 除 か れ る こ と に よ っ

て , ワ イ ヤ レ ス 給 電 の 実 用 化 が 大 幅 に 進 む

こ と に つ な が れ ば 幸 い で す .

文 献

( 1 ) 古 川 靖 夫 , 圓 道 祐 樹 ,“ ワ イ ヤ レ ス 給 電装 置 , ワ イ ヤ レ ス 受 電 装 置 お よ び ワ イヤ レ ス 給 電 シ ス テ ム , ワ イ ヤ レ ス 給 電方 法 ,“( 株 ) ア ド バ ン テ ス ト , 日 本 国特 許 庁 , 特 開 2 0 1 1 - 2 1 1 8 9 5 ,p p . 1 0 ,日 本 ,2 0 1 1 .

( 2 ) 牛 嶋 昌 和 , 湯 浅 肇 , 荻 野 剛 ,“ 電 磁 誘 導と 磁 界 共 振 の 中 間 的 な 構 成 に よ る 電 力伝 送 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と 実 験 ,信 学 技報 , 電 子 情 報 通 信 学 会 , W P T 2 0 1 4 - 8 9 ,2 0 1 5 .

( 3 ) 山 本 建 三 ,北 吉 晴 芳 ,川 松 康 夫 ,入 江 寿一 ,“ 非 接 触 電 力 分 配 シ ス テ ム ,“( 株 )椿 本 チ エ イ ン , 日 本 国 特 許 庁 , 特 開 平0 8 - 3 0 8 1 5 1 , p p . 8 , 日 本 , 1 9 9 6 .

( 4 ) 日 本 工 業 標 準 C 6 4 3 5 : 1 9 8 9 , p p . 7 - 8 , 日 本工 業 標 準 調 査 会 , 1 9 8 9 .

( 5 ) 平 山 博 , 大 附 辰 夫 , オ ー ム 社 , “ 交 流 回路 , ” 電 気 回 路 論 , Vo l . 3 , p p . 9 4 - 9 6 , ( 社 )電 気 学 会 , 東 京 , 2 0 0 8 .

( 6 ) 日 本 工 業 標 準 C 5 6 0 2 : 1 9 8 6 , p p . 3 4 , 日 本工 業 標 準 調 査 会 , 1 9 8 6 .

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W

QC株

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QC Technical Report

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by

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QC CO

,. LTD.

10

12

V2

V1

H

0.8

0.70.60.5

0.40.30.2

23k

c

40k

23k 40k

23k 40k

V

2 1

V

2 0

V

1

1

2

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301I F 260 BF

302I F 260 BF

C20510μ

D202UF4007

24V-141V

12Vunit

Tx30160μH

20210k

D201J -5 35EXX

C2022200μ

50V

2012.2

C2010.1 50V

TC4584BU201

A BC302

0.33μF

D302FF F08H60 TU

C203470μ16V

I

D

C

VB

H

VsU202

I2184

Vcc

D301FF F08H60 TU

J 34×2

J 44×2

J 2

J 1

G D

G D

C2040.01

x 141V

1

x40160μH

C4010.33

C4030.011kV

D 401 B X85C3V6

3.6V1C

D

D401I5 A5113A

40n

40115

4012 C1815

D402U 1620CTG

C3012.2μ

C3030.33μF

C404100μ

C4020.47

402TI 41C100V6A

D 4023.6V1

X401100V

10mA-300mAMAX300mA

1

1000n

D101B 34

E

E

ED I

0.5