いま、なぜ河川法再改正か 「 青の革命と水のガバナンス」第5回研究会...
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いま、なぜ河川法再改正か 「 青の革命と水のガバナンス」第5回研究会 2004年11月19日. まさのあつこ ジャーナリスト. 背景. 97年度前後の 「ダム事業」の変化. 河川法の改正 環境 住民参加 ダム事業の見直し 税金のムダ遣いへの批判 自然破壊への批判. ダム事業の見直しの動向. ダムを含む 公共事業の見直し. ダム等事業審議委員会 1995年 ダム総点検 1997年 公共事業の再評価制度 1999 年 与党三党の中止勧告 2000 年. 中止ダム事業の数. 1997 年 3 事業 1999 年 4 事業 - PowerPoint PPT PresentationTRANSCRIPT
いま、なぜ河川法再改正か 「青の革命と水のガバナンス」第5回研究会
2004年11月19日
まさのあつこジャーナリスト
背景
97年度前後の「ダム事業」の変化
河川法の改正•環境•住民参加
ダム事業の見直し•税金のムダ遣いへの批判•自然破壊への批判
ダム事業の見直しの動向
ダムを含む公共事業の見直し
ダム等事業審議委員会 1995年 ダム総点検 1997年 公共事業の再評価制度 1999年 与党三党の中止勧告 2000年
中止ダム事業の数 1997年 3 事業 1999年 4 事業 2001年 32 事業 2002年 3 事業 2003年 12 事業 2004年 6 事業
• 計 64ダムが中止•生活貯水池(総貯水容量 100 万m3未満)を含めると中止は 94 事業
ダム事業予算の減少
1997~2004年– 6590億円/年 → 3800億円/年– 40 % の減少
自治体での転換
鳥取県 片山善弘知事– 中部ダムを中止 2000年– ダム中止後の地域振興策が画期的
長野県 田中康夫知事– 脱ダム宣言 2001年
熊本県 潮谷義子知事– 荒瀬ダム撤去の決定 2002年
97年の河川法改正以降何が起きているか?
河川法改正の中身のおさらい
旧法(~ 97 年)– 目的:治水、利水– 工事実施基本計画 ←国土交通省 ( 旧建設省)
新法( 97 年~)– 目的:治水、利水、環境– 河川整備基本方針←国土交通省が策定– 河川整備計画 ←住民参加?
旧から新河川法体制への移行状況(7年間で)
河川整備基本方針 策定済みはわずか – 一級河川 29水系/109水系( 04 年 9 月現在)
– 二級河川 225水系/2700水系( 03 年 11月現在)
河川整備計画 策定済みはわずか– 一級河川 11水系/109水系( 04 年 9 月現在)
– 二級河川 107水系/2700水系( 03 年 11月現在)
その他は経過措置中
旧から新河川法体制への移行状況(7年間で) 河川法の附則により、合法的に脱法的行為が続行中
• (河川整備基本方針及び河川整備計画に関する経過措置)
– 第二条 「河川整備基本方針が定められるまでの間においては、(略)工事実施基本計画の一部を、政令で定めるところにより、新法第十六条第一項の規定に基づき当該河川について定められた河川整備基本方針とみなす。」
– 2 「河川整備計画が定められるまでの間においては、(略)工事実施基本計画の一部を、政令で定めるところにより、新法第十六条の二第一項の規定に基づき当該河川の区間について定められた河川整備計画とみなす。」
量的には進んでいない環境保全住民参加
では“質”は?
河川整備基本方針(河川法十六条)
計画高水流量その他当該河川の河川工事及び河川の維持についての基本となるべき方針に関する事項
– 河川法施行令十二条の2• イ 基本高水(洪水防御に関する計画の基本となる洪水をい
う。)並びにその河道及び洪水調節ダムへの配分に関する事項• ロ 主要な地点における計画高水流量に関する事項• ハ 主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅
に関する事項• ニ 主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要
な流量に関する事項
– ステップ1とする
河川整備計画 ( 第十六条の二)
河川の整備に関する計画– 河川法施行令十三条の3
– 一 河川整備計画の目標に関する事項 – 二 河川の整備の実施に関する事項– イ 河川工事の目的、種類及び施行の場所並びに当該河川
工事の施行により設置される河川管理施設の機能の概要– ロ 河川の維持の目的、種類及び施行の場所
– ステップ2とする
ステップ1
河川整備基本方針はどう決まるのか?
ステップ1
河川整備基本方針は国交省の密室で決まる
河川整備基本方針はどう決まるのか?
ステップ1方針は国交省の密室で決まる 河川法
– (河川整備基本方針) 第十六条 •河川管理者は、その管理する河川について、計画高水流量その他当該河川の河川工事及び河川の維持(次条において「河川の整備」という。)についての基本となるべき方針に関する事項(以下「河川整備基本方針」という。)を定めておかなければならない。
ステップ1方針は国交省の密室で決まる 基本高水の計算手法は国交省次第
– 嶋津暉之氏(水源開発問題全国連絡会共同代表)によれば– 「工事実施基本計画は、多くの河川で 25年~ 35年前に策定されたものであり、その後、雨量データと流量データが蓄積され、計算手法の検討もされてきたから、新しいデータと新しい手法に基づいて、基本高水流量の再計算が行われるべき」
– 「一級河川の場合は、流量確率評価と既往最大流量の2点から、従来の基本高水流量が妥当かとうかチェックされているが、実際は妥当という結論が得られるように、いろいろな工夫がされており、チェックには全くなっていない」
– その結果…・・
ステップ1方針は国交省の密室で決まる従前の基本高水流量の踏襲
– 一級河川 29 水系• 工事実施基本計画の基本高水流量がそのまま踏襲されたものがほとん
ど。 • 4水系のみ変更、しかしすべて基本高水流量をより大きく設定
– 二級河川 225水系• 工事実施基本計画の基本高水流量がそのまま踏襲されたものがほとん
ど。• 雨量データの見直しで2水系小さくなっただけ。
ステップ1方針は国交省の密室で決まる各地でおきる基本高水論争
– 国直轄川辺川ダム(熊本県)– 国交省は「雨量確率法」採用。– 1)過去の雨量データを基に 80 年に 1 度降る最大2日雨量を推計、
2)過去最大流量の降雨パターンを想定、3)その雨量に1)の雨量を当てはめて上積み、4)上積みした雨量を地域ごとに試算した上で洪水流量モデルで人吉・八代地点の最大流量を算出。→試算では、基本高水流量は人吉で毎秒 7000 トン、八代で 9000 トン
– 市民グループは「流量確率法」を採用。– 森林の生長と人工林の針広混交林化推進の効果を考慮して科学的な計
算を行った結果、十分な安全度を見た上で、 80 年に 1 回の基本高水流量として、次の値を採用することが妥当であると判断される。人吉地点 5,500m3/秒
ステップ1方針は国交省の密室で決まる各地でおきる基本高水論争– 長野県営ダム
• 検討委は「ダム無し、基本高水200トン」に下げて答申。• 知事は「ダム無し、基本高水280トンのまま。220トンを河川改修、6
0トンを流域対策」という枠組み案=「砥川改修計画原案」• 県は、「砥川改修計画原案」では「河道内遊水池5カ所、河道外遊水池1カ
所」が必要と説明。• 「河道内遊水池」とは高さ15~30メートルの川を遮るコンクリート構造
物で下部に穴。「脱ダムはどこへ行った?」の批判に、50年に一度の大雨に対応できる河川改修だけを盛り込んだ20年間の「河川整備計画」を国に申請。
• 実際の既往最大は160トン。「何もしない」という選択肢もある。• 県は5年をかけて「基本高水」を再検証する
– (砥川は国から委託され長野県が管理者。しかし、委託されても「基本高水」の変更は、国土交通省が握って離さない。管理者でありながら、県知事は変更できない。)
ステップ1国交省の密室が開いたきっかけ 川辺川ダムでの基本高水論争の背景
– 「川辺川ダムを考える住民討論集会」 • http://www.pref.kumamoto.jp/k_river/touron.html
– 「国は説明責任を果たしていない」と潮谷知事が、国交省と住民グループの双方の主張をぶつけ合い、住民誰もが参加する機会を確保。
– 2001 年 12 月から現在9回– 現在は、「森林の保水力」の共同検証中
ステップ1国交省の密室が開いたきっかけ 長野県での基本高水論争の背景
– 「長野県治水・利水ダム等検討委員会」• http://www.pref.nagano.jp/doboku/tisui/shusi.htm
– 脱ダム宣言を受けて、反発した議会が「長野県治水・利水ダム等検討委員会条例」を制定し 2001 年 6月に設置。
– 委員 15 人で審議は公開。流域ごとに部会を設置(7部会)。関係住民からも選任。
– 流域協議会(「治水・利水対策等の実現に向けて住民と行政がともに考えていくこと」が目的)を設置。 居住する者、財産を有する者、通勤・通学している者で、応募者全員を会員として登録。
ステップ1 密室を開く鍵は? 河川整備基本方針(基本高水流量を決める段階)での「実質的な住民参加」
国交省(事業者)と住民の主張が対等に論じられ、比較検討が可能となること
住民が主体的に理解し、考え、論じるための討論の場が保障されたこと
ステップ2
河川整備計画はどう決まるのか?
ステップ2
住民参加は国交省の裁量で決まる
河川整備計画はどう決まるのか?その1
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる 河川法
– (河川整備計画) ( 第十六条の二)•河川管理者は、河川整備基本方針に沿つて計画的に河川の整備を実施すべき区間について、当該河川の整備に関する計画(以下「河川整備計画」という。)を定めておかなければならない。
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる 河川法– (河川整備計画) 第十六条の二3
•河川管理者は、河川整備計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、河川に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。
– (河川整備計画) 第十六条の二4 • 河川管理者は、前項に規定する場合において必要が
あると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる各地で設置された「流域委員会」と
は?– (河川整備計画) 第十六条の二3か?
•必要があると認めるときは、河川に関し学識経験を有する者の意見
– (河川整備計画) 第十六条の二4か?•必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる 「流域委員会」の国交省の説明
– “お尋ねの「流域委員会」は、河川法で規定されているものではございませんが、河川に関し学識経験を有する者の意見を聴く方法として、○○川流域委員会などの名称を用いて委員会形式により、効果的・効率的に意見を聴く場を設けている河川があります。”とは言うが…• 03年 11月の中村敦夫参議院議員(当時)への文書回答
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる釧路川流域委員会のケース
– 委員はどんな人?「河川に関し学識経験を有する者」のはず
• 北海道旅客鉄道(株)釧路支店、標茶町農業協同組合、(株)釧路新聞社、北見工業大学工学部、釧路公立大学地域経済研究センター長、北海道標茶高等学校
• 釧路市長、釧路町長、標茶町長、弟子屈町長、阿寒町長、鶴居村長
• NPO法人トラストサルン釧路、釧路自然保護協会、財団法人北海道環境財団、釧路水産用水汚濁防止対策協議会
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる米代流域委員会のケース
– 委員はどんな人?「河川に関し学識経験を有する者」のはず
• 秋田県立大学短期大学名誉教授、秋田大学教育文化学部教授、秋田大学工学資源学部教授
• 能代商工会議所会頭、大館青年会議所理事長、山本土地改良協会会長、秋田県トライアスロン連合理事、(株)秋田魁新報社編集局長
• 秋田淡水魚研究会代表• 大館市長、小坂町長、森吉町長、二ッ井町長、能代市
長 • その他
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる富士川技術検討会のケース
– 委員はどんな人?「河川に関し学識経験を有する者」のはず
• 国土交通省富士川砂防事務所長、甲府河川国土事務所長• 山梨県土木部長、静岡県土木部長• 関係首長8人• 大学教授、名誉教授(専攻不明)13名• 土地改良組合、漁業共同組合など• 山梨日日新聞社メディア企画局長、静岡新聞社論説委員• 野鳥の会、自然体験クラブ、カヌー協会
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる 円山川流域委員会のケース
– 委員はどんな人?「河川に関し学識経験を有する者」のはず
• 関宮町環境保全三者協議会 、兵庫県立大学教授・講師、県立コウノトリの郷公園研究部長、兵庫県立豊岡総合高等学校教諭、京都造形芸術大学芸術学部助教授、日高町区長会会長、円山川「菜の花の会」、神戸大学教授 、玄武洞公園整備検討委員会、 創作工房「土」主管、川漁師、 舞鶴工業高等専門学校教授、住民2人、豊岡市立八条小学校教諭 、神戸大学農学部教授 、土木学会、岐阜大学教授、 南但馬の自然を考える会代表 養父市小城水利組合、 神戸新聞社但馬総局長、豊岡市文化財審議委員
– (例えば台風被害)結果責任を負わなくてもよいなら、なぜ、限定メンバーなのか?なんのための場か?→誰もが参加して意見を言う場も必要。
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる太田川ダム流域委員会のケース
– 積極的に参加したいと市民が申し入れたら?• 市民団体「グループ太田川水未来」
– 「知らぬ間に流域委員会がつくられた」「探してみたら新聞に小さく一度だけ載っていたが」
– 参加したいと申し入れたが、委員長からは「固まっている各種の計画の当否を検討する会ではない」「ダムは存在しているものと仮定」して太田川の河川整備計画案について意見をもらう会だと断られた。
– 17名の委員のうち、河川についての学識経験者は2名、川に関する市民団体の代表が2名
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる
» 嶋津暉之氏による情報整理
流域委員の公募– 一級河川 04年9月現在
• 公募 14 水系• 中部、近畿、九州地方整備局のみ
– 二級河川 03年11月現在• 公募ゼロ
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる 流域委員会の選定方法は4パターン
● 関係機関等から学識経験者に関する情報を入手の上、河川管理者が選定、委嘱
● 河川管理者が委嘱した委員による懇談会から意見をもらい、河川管理者が選定、委嘱
● 河川管理者が委嘱した委員による準備会議から公募による委員も含め意見をもらい、河川管理者が選定、委嘱
● 専門委員は必要に応じ関係機関等から学識経験者に関する情報を入手の上、河川管理者が選定、委嘱。公募委員は河川管理者が委嘱した委員による発足会から意見をもらい、河川管理者が選定、委嘱
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる多摩川流域委員会のケース
– 委員はどんな人?「河川に関し学識経験を有する者」のはず
• 東京都建設局河川計画課長、同都市計画局施設計画部施設計画課長、水道局経営計画部計画課長、同水道局経営計画部計画課長、同水道局水源管理事務所技術課長、同労働経済局農林水産部農地緑青課長、同環境局環境改善部計画課長、同下水道局計画部施設計画課長
• 神奈川県土整備河港課長、山梨土木部河川課長、府中市都市建設部長、その他
– (ネット上ではメンバーを公開していない)
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる 流域委員はどんな人?「河川に関し学識経験を有する者」のはず?実際には?– 主役?脇役?
• 首長• 行政担当者• 地元大学教授など(河川と必ずしも関係なし)• マスコミ• 受益者(商工会議所、農協、土地改良区)• 川をフィールドにした活動団体)など• 自然保護団体など• 住民
ステップ2
住民参加は国交省の裁量で決まる
河川整備計画はどう決まるのか?その他
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる
– 嶋津暉之氏による情報整理 「一級河川11水系のうち、計画原案が示された1水
系も含めて12水系の整備計画の目標流量を見ると、基本高水とは別に、それぞれの河川の状況に合わせた数値が採用されている」
「多摩川や由良川の場合、基本方針ではダムを建設することになっているが、その適地がないため、整備計画は現実に合わせてダム建設を前提としない内容になっている」
「基本高水流量は現実性のない、いわば飾りの数値に過ぎない」
ステップ2住民参加は国交省の裁量で決まる 一度始めてしまったから?
– 河川整備基本方針、河川整備計画なし、見直しなしで推進され続けるダム(例:徳山ダム、川辺川ダム、苫田ダム、八ッ場ダム)。
• 旧法に基づく工事実施基本計画と違う治水計画を出して、2つのダム計画を事実上消滅させ、突如、役割を大きくさせられた徳山ダム。
• 増額(徳山、川辺、苫田、川辺川、八ッ場ダム)
ステップ2住民参加の裁量の枠をどう壊すか 河川整備計画での「実質的な住民参
加」 国交省(事業者)と住民の主張が対等
に論じられ、比較検討が可能となること
住民が主体的に理解し、考え、論じるための討論の場が保障すること
どうすべきか?
密室と裁量
実態を踏まえた政策オプション【結論】 1.河川法再改正
– 河川整備基本方針からの実質的な住民参加。– 基本高水の元となるデータ、計算方法を検証可能な形で公
開。– 基本高水の決定権を地方分権(一級河川の都道府県管理分、
二級河川)– 経過措置(現行法は無期限)には、期限を設ける。– 住民参加コストを行政が負担。
実態を踏まえた政策オプション【結論】 2.改正までの措置
– 過大な基本高水、過大な治水事業がはじき出される元である「建設省河川砂防技術基準」を見直す(または廃止)。• 例: 雨量確率法(計算者の判断要素が入る)→流量確率法(統
計計算だけによるもの)– 計算手法、データを検証可能な形で公開で行う。– 実状に合わせて基本高水を変更する– 河川整備整備計画の目標流量を、現実味のあるものに定める。– ↓– 新法に基づく河川整備基本方針、整備計画を、全水系で住民
を参加させて策定する– 住民の参加コストを行政が負担
実態を踏まえた政策オプション【結論】 3.改正の前に、急務は堤防整備
– 新潟・福井水害 (04 年 7 月)を受けて、 04 年 7 月 23日、国交省河川局治水課から地方整備局及び都道府県に堤防の点検を通知 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/05/050723_.html
– 04 年 9 月 24 日、緊急点検結果発表 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/05/050924_.html
実態を踏まえた政策オプション【結論】 3.改正の前に、急務は堤防整備
– 点検結果( 9 月 24 日)• 要対策箇所は、国:70箇所、都道府県:905箇所。
– ところが、台風 23号( 10 月 20 日)で兵庫県豊岡市で再び破堤
• 近畿地方整備局河川管理課は、「今回破堤したのは 2箇所で、9 月に点検で要対策箇所とした 14箇所とは別のところ」
• 兵庫県土整備部土木局河川整備課は、「 9 月に要対策箇所としたのは 24箇所。それらは従来から弱かったところ。今回の破堤は豊岡地域だけで 9箇所。うち 8箇所は全く別の場所、 1箇所は区間名は一致しているが同じ箇所かどうかは未確認」
実態を踏まえた政策オプション【結論】 3.改正の前に、急務は堤防整備
– 実際の「破堤箇所」と「要対策箇所」は国、県ともに不一致。
– 要対策箇所は、国:70箇所、都道府県:905箇所以上にある。
– ↓再点検の必要– ↓優先順序を決めて早急に堤防整備が必要
実態を踏まえた政策オプション【結論】 水源開発問題全国連絡会( 93年結成)が 04 年 10 月 31 日総
会で出した結論– 1.想定規模を超えた豪雨に対して、ダムは無力どころか、大き
な災害をもたらした。– 2.台風や集中豪雨による災害は、ダムに依存し、河道整備を遅
らせたことに起因する。– 3.森林の荒廃は、保水力の低下をもたらし、流木による被害を拡大した。
– 4.欠陥のある堤防が各地に存在し、それが破堤を引き起こし、甚大な被害をもたらした。
– そこで…
実態を踏まえた政策オプション【結論】 水源開発問題全国連絡会( 93年結成)が 04 年 10 月 31 日総会で出
した「河川行政のあり方への提言」
– 1)森林整備を公共事業として、推進すること。– 2)ダムを前提としない河道計画を立て、早急にそれを実現すること– 3)堤防を総点検し、その問題箇所の強化工事を速やかに実施すること– 4)膨大なダム建設予算を、河道整備、森林整備に置き換えること– 5)住民主体で、遊水地や霞堤などの地域の特性に対応した洪水対策を
とること
– 異論はないが私見:森林整備=林業の再生だが「林業再生」を考える上で 重要なのは、材の消費と市場。経済に組み込むと ころまで目指してはじめて「政策」であり、公共事業たりえる。公共事業とはあくまで(本来)、弱者保護であり、目指すべきはバラマキではなく、林業の自立。
実態を踏まえた政策オプション【結論】 1.河川法改正 2.せめて旧法から新法への移行(参加と公開) 3.改正までの措置として、実状に合わせた基本高水
(河川基本方針)、目標流量(河川整備計画)の見直し。
4.改正如何に関わらず急務は堤防整備 5.治山治水 6.防災の観点から考えた都市計画法改正 7.行政手続法改正(05年通常国会) 8.行政事件訴訟法再改正