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Meiji University
Title 西ドイツ株式法における引当金規定
Author(s) 森川,八洲男
Citation 明大商學論叢, 54(2): 1-34
URL http://hdl.handle.net/10291/10697
Rights
Issue Date 1971-01-26
Text version publisher
Type Departmental Bulletin Paper
DOI
https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/
(91)
西ドイツ株式法における引当金規定
森 川 八 洲 男
西ドイツ株式法における引当金規定一一
1
はじめに
先般、公表されたいわゆる「企業会計原則修正案」を契機にして引当金会計をめぐる論議が再燃しはじめている。
そのことは引当金会計が今日依然としてわが国の財務会計領域における最も重要かつ困難な問題の一つであることを
如実に物語っているものといえよう。
ここ数年来、引当金会計が益々その重要性を高めてきているのは、ひとりわが国だけのことではない。他の先進資
本主義諸国、とりわけ西ドイッやフランスにおいても会社法(あるいは株式法)や税法の改訂の中で引当金会計がクロ
(1)
!ズアップされているのである。このうち、フランスについてはすでに前稿においてとり上げた。そこで、本稿では
西ドイツにおける引当金会計問題を特に株式法の改正に関連して提起されているものに限定して考察することにした
(診
し (1) 拙稿「フラソスにおける引当金会計の展開」明大商学論叢五三巻三・四・五・六合併号。
(2) なお、西ドイッ株式法における引当金規定についても、 「西ドイツおよびフラソスにおける引当金会計の展開」 (企業会
計二二巻=]号)の中で、特にフランス会社法と対比してきわめて概略的にではあるが、すでにとり上げた。本稿は、その意
味では、この拙稿をさらに発展させ、そこで指摘された問題点を一段と掘り下げて考察しようと試みたものである。
2叢一論学一商(92)
周知のように、西ドイツ株式法(〉蓋魯αqΦ・・。叶N)は一九六五年九月六日付法律により大幅に改正された。従来の一
九三七年株式法がナチスのいわゆる「指導者原理」に立脚して、株主総会の権限を縮小し、取締役の権限を著しく強
(1)
化・拡大したために、株主保護の面で欠けるところがあったのに対して、このたびの改正株式法(〉窪Φ粛①のの訂く8
お①o)1以下新法と呼ぶーでは重点的にこの面が改善され、株主保護の強化・拡充をはかろうと企てられている
点が、なによりもまず、われわれの注目をひくのである。
すなわち、新法は、もっぱら株主保護の強化を志向し、その観点からω会社内部における株主の地位の強化、②公
開原則の強化による株主への情報提供方法の改善および㈲少数株主の保護の強化を企てているのであり、そこに新法
(2)
の基本的特徴が見出されるのである。
ところで、この新法を会計学的観点から考察するとき、そこにはいくっかの注目すべき事項が見出されるのである
が、基本的にはこれを次の二点に要約しうるであろう。
e 株主保護の強化という観点から会計公開制度の整備・拡充が進められている。それは特に次の諸点にみられる。
ω 公表財務諸表の改善ならびに拡充
③ 年度決算書における項目分類の精細化(新法一五一・一五七条)
㈲ コンツェルン決算書作成の強制(三二九条一項)
ω 営業報告書の記載内容の拡大(一六〇条)
(93)
【一西ドイツ株式法における引当金規定3
※
圖 評価原則の改訂による恣意的秘密積立金設定の禁止(一五三~一五五条)
ω 会計監査制度の改善
③ 監査範囲の拡大
㈲ 決算監査人(》びの。三島箕諜頸)の地位ならびに権限の強化(一六五条三・四項、一七六条二項)
◎ 決算監査人の資格要件の強化(一六四条二・三項)
※一九三七年の旧株式法は資産評価に関して取得原価(または製作原価) 「最高価額主義」(国α。房箸Φ辞窟写Nぢ)をその基
本的立場としていた。したがって、そこでは、資産の最高額が定められているだけで、その最低価格については会社の任意
に委ねられることになり、過小評価(¢コ8目σΦ≦①暮ロコσq)をおこない秘密積立金を設定する道が開かれていたのであった。
そこで、新法は、このような資産評価に関する「最高価額主義」を放棄して、新しく取得原価(または製作原価) 「最低価
額主義」(ζ一巳⑦ω暑。腎箕貯N弼)、もしくは「固定価額主義」(距×≦興ε二自ぢ)を採用し、特に法規による強制的秘密積立金
(3)
(N≦弩σqω昌o匹餌σqΦ)を除いて、恣意的秘密積立金の設定に否定的態度を示したのである。
目 一方、このように会計公開制度が整備・拡充される中で、配当可能利益計算規定が改訂され、秘密積立金の設
定↓資本集積への道が用意されている。それはとりわけ次の諸点に見出される。
ω 計画外の減価償却または価値修正(四島Φ旦雪ヨ蓬σq①〉σωg目。ぴ§ひq魯。山①『≦Φき①ユ。藍σq§αq魯)の許容(一五四条
二項)
ω 流動資産および固定資産に対する低価評価の許容(一五四条二項および一五五条二.三項)
㈲ 引当金概念の拡大
では、新法は引当金に関してどのような規定を設けているのか。この点を次にながめてみよう。
まず、新法は一五一条一項の貸借対照表分類シェーマに関する規定において、貸方側の第四項目の下に引当金をω
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年金引当金(℃Φ霧δ富a。訴け巴§σqΦづ)とωその他の引当金(き号器閑9冨邑言韻①5)とに区別して表示することを要求
している。
次に、この引当金項目の内容に関して、新法は一五二条七項で次のように規定している。
「引当金は不確実な債務、および未決の取引から生ずるおそれのある損失に対して設定することを許される。さら
に引当金は次の目的のために設定することを許される。
ω その営業年度に中止された修繕または鉱内土砂除去のための費用であって、翌営業年度に埋合わせられるもの
② 法律上の義務なしにおこなう保証
これらの引当金はその目的を詳細に指示して、別個に表示されなけれぽならない。その他の目的のために引当金を
設定することは許されない。 『年金引当金』という項目の下には、現在の年金および年金期待権に対する引当金が表
示されなければならない」。
さらに、新法一五六条四項は引当金の評価に関して次のような規定を設けている。
「引当金は合理的な商人の判断により必要とされる金額だけを計上しなければならない」と。
そもそも、ドイッ商法ないしは会社法上引当金規定が最初に設けられたのは一九三一年の改正株式法(〉匪①霞8〒
件ωぎく巴①<8おωH)においてである。すなわち、三一年法は貸借対照表雛形に関する規定の中で、貸方側において「準
備金」 (幻①ω①H<ΦhO旨氏ω)と「価値修正項目」(≦①き9。匿σqロ鎖聲。ω冨コ)の間に「引当金」 (皆6訂琶ピ薦窪)を表示する
ことを初めて要求したのである。しかし、ただそれだけにとどまり、引当金の性格については同法にはなにも明示さ
れておらず、その結果、特に引当金の設定は義務として課せられるのかどうか、あるいはまた引当金は利益から設定
されるべきであるのかどうかをめぐって論議が引き起こされたのであった。
(95)
[西ドイツ株式法における引当金規定
「5
一九三七年株式法(〉窪Φ薦ΦωΦ訂く。pお鵯)はこのような三一年法の引当金規定に特に二つの面から修正を加えた。
すなわち、まず第一に、一九三七年法では名称が「不確実負債に対する引当金」(閑9訂け巴巷゜q魯h曾§臓Φ§ωωΦω。7
巳α魯)に改められ、またそれに対応して、当該項目は新しく「価値修正」と「債務」(<①円σ一”山嵩6ず評Φ一けO昌)との間に
配列されることになったのである。これにより、同法では引当金の負債性が著しく強調され、そのためもっぱら問
歌的に発生する支出の期間調整に役立つ引当金(閑9器什。=毒σq①P象Φ一Φ象ゆq膏ず匹角℃Φユ。q鼓①同8ゆq<8ω8ゆ≦Φ羅餌鼠巴一-
⑦巳魯〉器σq9σ窪創否ω3コ)は排除されるべきであるという旨が表明されたとみなされたのである。第二に、一九三七年
法では、当該営業年度に対して設定される引当金はすでに年度貸借対照表に計上されていなければならないというこ
と、したがって「必要な引当金」(8暑Φ巳茜㊦皆。器梓Φ一一¢コσq窪)の設定はもはや商人の自由裁量にまかせられるのでは
なく、義務としておこなわれるべきことが明確に規定されることになった。
かくして、三七年法の下では、引当金概念はかなり明確に限定され、ここに一応引当金計上原則が確定されたので
ある。そして、この時から、引当金は絶対額においても、相対的な大きさにおいてもきわめて重要な貸借対照表項目
(4)
を構成することになったといわれたのである。
このような発展過程の中で、さきに紹介した一九六五年法の引当金規定はかかる三七年法における諸規定を継承し
っっも、特に概念規定、種目、表示および評価の面でこれを一段と強化・充実したものとみることができるであろ
うo
(1) この点については、例えば、大隅健一郎、八木弘、大森忠夫「独逸商法(皿)(株式法)」(昭和一二年) 一四頁以下参照。
(2) 一九六五年新株式法の全体像を概観する上には河本一郎「新ドイツ株式法の概略日口日」商事法務研究三六九~三七一号
が参考になる。
(3)=。屋叶≧富9 しd①ぞ①「梓§σqω只。玄①目①αΦω冨年¢ωロ・げω。三易ω①ω慈畠匹。ヨ》犀二ΦづぴqΦωΦ晋H89∪霞切①三①σω山Φ冨8さ
6叢一論学一一、(96)
目9>b臨一HO①①゜
〉巳⑦が∪ロユづσq殖ωoゴ3巴叶N甲菊Φo『づ‘づひq匹⑦σq¢づぴq¢づΩ℃吋口貯ごσqα興〉ぎ口①づぴq①ω①嵩匂ロoげ四津》心.〉自rじdgH矯日り①Qo矯ω゜ω㎝㎝凍’
口①旨びΦ二しu「α診昌Φコ】)δゆ一冨コN⇒ooげ匡o⇒α①『1=コ島ωけΦ信Φ畦Φ07r日゜〉犀h♂HO①Qo》しo.OOhh°
(4) 〉亀Φ5∪安冒σq”oQo7ヨ巴けN馳Pー-°O‘oQω゜ωb⊃㎝~ωb。刈゜なお、中村忠「ドイツ株式法の引当金規定」産業経理二九巻六号
七頁参照。
なお、アドラー、デューリング、シュマルッは次のように述べている。 「多くの貸借対照表において引当金は基本資本金
(9巷舞碧算巴)の額に達している。一九六五年の「貸借対照表統計」(ゆ躍雪N馨鉾6瓜評)によれば、その統計に含められた株
式会社一、 一五〇社について貸借対照表総額の三五・五%は自己資本、 一五・二%は引当金が占めている」と。諺色Φさ∪帥?
ぎσq讐oQoケヨ巴帥朗90°鉾O二ωω.ωbσ①~ωN『°
闇一
さきにみたように、一九六五年法にょり引当金として許容されるものは次の四種である。
e 不確実債務に対する引当金(力牙訂叶亀§σQ窪h費旨映①鼠ωω①<臼三巳ぎ冥Φ蹄①昌)
目 未決の取引から生ずるおそれのある損失に対する引当金(皆。訴什亀菖σq魯律【今。冨pαΦ<巴易9きωの9≦Φげ90し
①昌Ooω67瓢8昌)
⇔ 当該営業年度に中止され、翌営業年度に埋合わぜられる修繕または鉱内土砂除去のための費用に対する引当金
(国口o犀゜a8=口冨ぴ自Φ口h宥一ヨO①ωoず似h融冨ξロ暮①ユ器i■①コ①〉信h≦o⇒α信護ぴqΦ⇒h母ぎω訂pα『餌胃鉱昌ぴ自oユ臼〉耳pロヨげΦω9什碍仁5堕 象Φ
一ヨho戯①づユ①コφΦωoげ繰訂冨げ尻づ霧げσq①げo寄妻臼OΦ昌)
㈱ 法律上の義務なしにおこなう保証に対する引当金(智。器什巴§σq魯h實O①≦讐二Φ算琶。qΦ昌植象。°ぎ①器9爵゜冨
く臼冥嵩oずεづσq臼σ冨o窪≦①乙Φ昌)
(97)
}西ドイツ株式法における引当金規定
「7
なお、これら以外の引当金は許容されない。まずe不確実債務に対する引当金から考察しよう。アドラー、デュー
リング、 シュマルッ(〉亀Φび∪ロユ渥矯o。93聾N)によれば、不確実債務に対する引当金の本質的メルクマールは@負
債性と㈲債務の存在・成立および(または)金額の不確実性に求められる。以下、この点をアドラーなどの所説にし
(1)
たがってながめてみたい。
③ 負債性 (OQOず二一住07餌円90け①『)
負債性にとって本質的に重要なのは、第三者に対する義務が存在しているか、あるいは少なくともすべての既知の
事情を慎重に考慮に入れて、債務の存在を否定することができないということである。義務が法律上すでに発生して
いる場合には負債性が存在することは明らかである。
さらに、法律上未成立の債務でも、後日はじめて成立する債務に対する原因が決算日以前に存在している場合には、
不確実債務に対する引当金の設定に導くことができる。その限りにおいては、特に動的貸借対照表論によって発展せ
しめられた発生主義-厳密にいえぽ発生原因主義1(<巽霞器9巨゜q°。〇二昌N㊥が決定的である。後日における債務
の支払は、後に債務の成立をもたらすかもしれないような出来事が発生した営業年度の費用として賦課されるべきで
ある。この種の不確実債務は、例えば、将来においてはじめて発生するが、すでにおこなわれた採鉱に根拠づけられ
た鉱害に対する引当金について、さらにまた修.繕あるいは地均し義務(冒ω畠巳ω①訂§σq甲o戯霞勺冨巳興暮σq紹虫。耳)につ
いても、その原因が経済的にすでに発生している場合には存在することになる。その限りにおいては、債務の概念に
経済的考察方法(惹答ω。匿h島9①しu①叶冨。窪§αqω毛①δΦ)が適用されるのである。
この後老の例から金銭負債関係のみならず、給付債務もまた債務として考慮に入れられることが明らかとなる。例
えば、現物給与を将来無償で交付する義務(<①壱簑。耳巷σqN霞さ艮けお窪自①暮σq①三言冨口い一①h臼毒αq〈8∪①℃暮讐窪)は、
8叢一論学一商(98)
この義務が経済的にすでに発生している場合には、不確実債務を表わす。同様に、すでに代金を受け取ったために将来
未だ正確に確定されない給付を提供する義務も不確実債務を表わし、その限りにおいて引当金の設定に導くのである。
㈲ 不確実性(¢コぴqΦ≦一こQず①一け)
不確実債務に対する引当金の第二のメルクマールは不確実性である。この場合、不確実性は(i)債務の金額、(叫11)
債務の存在(または成立)ならびに(…皿)債務の金額および存在(または成立)にかかわる。これら三つの場合にそれぞ
れ株式法でいうところの不確実債務が存在することになる。
論者の見解によれば、引当金はその根拠(O円口づ瓢)が確実でなければならないといわれる。しかし、法律は全く根
拠を示していない。むしろ、「用心の原則」(<o邑。窪ω肩ぎN昼)から、不確実債務は、その時々の事情を合理的に判断
した上で債務の存在または成立が排除されることができない場合にも、存在すると推論される。例えば、相手方から
訴訟請求される係争中の義務に対する引当金(皆。冨什①=茸αq2h母ωq①三ぴq①<①6簑。巨§σq窪)の場合に、この債務の存
在に関する不確実性の問題が全く決定的な役割を果たすのである。それ故に、法的義務が存在するかどうかが不確実
な保証給付引当金(護。訂邑冨轟魯ま「OΦ≦蝉巨①蜂琶σq窪)も不確実債務に対する引当金とみなされ、貸借対照表上、
「法律上の義務なしにおこなう保証に対する引当金」の中にではなく、 「その他の引当金」の中に表示されることを
要する。
これに対して、上述の意味における不確実債務は、ただ債務の支払期日だけが不確実である場合には、存在しな
い。この場合にでも、もし支払期日に関する不確実性が債務の金額に決定的に影響を与えないならば、債務として表
示されるべきである。その限りにおいては、この場合に一五二条七項一号でいう不確実性が存在することになる。
ここに不確実性とは明白にされるべき事実すなわち債務の金額および存在あるいは成立が確定的に判断できないと
(99)
[西ドイツ株式法における引当金規定9
いうことを意味する。この不確実性の要件を満足させるためには、とにかく債務の存在あるいは存在を想定できれは
よいというのではなく、会社に対して請求(ぎきω℃毎。ぎ昏∋①)がおこなわれるという点にっいて合理的な根拠が存在
することが必要である。債務の金額の不確実性についてもそれと同じことがあてはまる。また、想定しうる一切の金
額ではなく、慎重な商人的判断により必要とされる金額だけが斜酌されるのであり、この範囲内において商人の裁量
が引当金の大きさを決定すると説明されるのである。
ところで、上述の原則にもとついて、アドラー、デューリング、シュマルツは不確実債務に対する引当金として承
(2)
認される項目として具体的に次のものを挙げている。
ω 支払手数料(剛「O<一ω一〇P①⇒)、従業員賞与(O「聾穿聾。コ曾)および役員賞与(↓雪けδヨ魯)
これらの項目に対する引当金は、法律上すでに約束された義務に対してだけでなく、さらに前営業年度の成果にも
とついて測定されるが、翌営業年度においてはじめて約束されかつ支払われる義務に対して設定されるべきである。
例えぽ、いわゆる従業員の利益参加または決算報酬、法的請求権なき役員賞与などに対してである。
② 共済金庫割当額(Ng≦①δ巨σq魯N霞d馨①『ωδ9犀おω冨ωω①)
しぼしば、この割当は新年度において経過年度の成果が概算できる場合にはじめて決定されるのであるが、それは
旧年度の費用として賦課されるべきである。
㈲ 年度決算書・コンツェルン決算書の監査費用、株主総会および営業報告書その他年度決算に伴って生ずる費用
(〆。ω8う血興』p匿①ω9ω。三⊆ゆ℃昌{§σq巷Ωg『中無最αqαΦω囚8N①∋昏ω。三器ω①ω。。。鼠Φ閑。ω8昌Ω臼守εけく①門・。餌8巨§σq・紆ω
O㊦ω゜苺h富げ①誌゜三ω§匹ωo口ω獣αq①α貫9α睾ず腎Φω印び曽匡島くΦ歪誘餌。耳Φ閤oのけ9)
ただし、これらが第三者に対する債務を根拠づける場合に限られる。この債務は決算書監査の実施、株主総会の開
10叢一論普ナ一商(100)
催などによってはじめて発生するものではなく、もともと会社に対して法定の責任が課せられているがために発生す
るものである。なお、この種の引当金は税務貸借対照表においても許容される。
ω 租税および公課(ω言信Φ遷§α〉びσqpげΦ⇔)
ただし、当該営業年度末までに経済的または法律的に発生し、決算日現在支払義務のあるものに限られる。なお、
法律上有効に査定された税金はその他の債務として表示されるべきである。
経営監査危険(しuΦ三Φσg呂h§αq豊ω涛。)、すなわち経営監査後に追加支払すべき税金に対する引当金も必要な引当金
に属する。そのためあらかじめ備えられた引当金額を簿記上一般的税務引当金(9一侭ΦヨΦ言①ω8器「昌。『ω什Φぎ薦)に含め
ることには疑いの余地はない。それとともに、 一般的危険に対する引当金(護。冨け巴巷ひqh費匿αqΦヨ。冒①国ω涛魯)の
形での把握も可能である。それによって留保された金額はいかなる場合にも根拠づけることができるものでなければ
ならない。
㈲ 財産譲与(=①閣ヨhO一一)
いわゆる財産譲与積立金(国Φ巨琶菖。罎躍Φ)は個々の事例に応じて引当金であるか、価値修正項目である。それは
特に発電所、交通企業などに見受けられる。もしも認可権(剛(O昌N㊦oロω一〇昌)が、これらの企業に対してその経営のため
に必要な設備を認可期間の経過後に公共団体に無償かあるいは比較的僅かな代償で譲渡するという条件で授与される
場A口には、それに対応する年度に割当てるという方法で、財産譲与積立金が設定されるのである。設備を譲渡する際
になお一定の支出が必要な場合に限り、引当金義務が存在し、その他の場合には、この積立金は価値修正項目として
表示されるべきである。
㈲ 経過営業年度に対する払戻および割戻(しd。巳⊆巳寄σ葺。h母αpω呂αqΦ冨ξ。需o①。。。鼠h房一9年)
(101)
「一西ドイツ株式法における引当金規定11
ω 賃借設備復旧義務(<Φ6臣o算§σqΦ冨N霞菊①評巳二鼠Φ歪昌σq§αN霞≦一①留甚Φ屋け亀量oqα①ω霞ωOH言αqぎ冨口N畠富巳ω
σ身Φ窟。耳⑦8『》巳轟窪)および遅滞作業ならびに給付(昌。認鼠昌経σq①〉吾簿①p巷匹いΦ韓巷αqΦp)
㈹ 現物給与およびそれに類する循環的給付の提供義務(<霞o箪。窪暮『q窪N霞国同9お毒㈹<8∪9暮讐8ロ巳讐〒
嵩9Φ昌乏冨α㊦蒔Φ耳Φ5住Φ口い①δε口αqΦ⇒)
㈲ 休暇の追加的承認または休暇請求の現金補償のための費用(ぎ穿①巳§ぴqgh臼Z鋤畠σq①甫讐三轟く8q昔昌
oα興ヒd鴛9げσqΦ嵩=口σq<opごユ9二び沼屋窟ゆ07Φ昌)
⑩ 代理商の補償請求およびそれに類する給付(〉島αq互。冨雪呂讐9α①ω国・。巳Φ一。・<①旨簿①屋§自讐巳8冨目Φ幹琶σq雪)
商法八七〇条による代理商の補償請求に対する引当金の設定が許容されるか否かは長年論争の的であった。しかし
連邦裁判所(しdO寓)は一九六六年七月一一日付判決において代理商の将来の補償請求に対する引当金は商法上許容し
うるという判断を下したのである。
⑪ エネルギー供給企業における収益補給(国詳冨σq°。N塁。暮ωω①びaoQ什δヨく興ω。お巨ひq鐙馨①遷。げヨ魯)
働 訴訟危険(勺目ONΦじQ【一ω一冒O)
この引当金は危険の差し迫った訴訟あるいはすでに係争中の訴訟に対して設定されるべきである。それは会社が被
告となっている訴訟に対しても、原告となっている訴訟(この場合には費用危険が問題となる)に対しても適用される。
⑬ 特許権および商標権侵害(℃讐①三占巳冨餌蒔窪N臨。『①暑Φ臨雲N最ゆq8)
高度に発展した経済においては無意識的な特許権および商標権侵害の危険が特に大きいのであるから、発生する可
能性があるが、未だ知られていない侵害に対して適当な大きさの引当金を設定することが許容される。
q今 保証給付危険(OΦ≦夢二9ωε畠窪巴ひ。一ぎ)
㈲ 手形債務、保証、保証給付契約、配当保証およびそれに類する保証、債務責任およびそれに類する危険などか
12 ら生ずる請求(ぎ雪呂歪魯口昌ヨΦp舜。房α①ヨ乏①。房Φδ裏σqρ窒。。ゆ口薦ω。冨h8Po。愚巨虫ω葺鼠ωくΦ葺譜①Po三島①&①㌣二巳
帥げ巳言『Φ口Op冨匿冨P=o{εコσqΦ昌h貯く①ヨヨ⊆=oぽ評①一8⇒9房帥ず巳甘びΦ旨国ω貯①昌)
⑯ 鉱害(ゆΦ茜ω9巴8)
採鉱の結果直接または間接に鉱山企業にょり補償されなければならない物的損害が地表に生ずる場合には、それに
対して引当金が設定される。その場合に次の二つのグループの引当金が区別されるべきである。すなわち、ωすでに
一 発生したが、その金額が未だ確定していない鉱害に対する引当金と、㈹未だ発生していないが、しかし地下採鉱によ
叢 りすでに損害原因が据付けられたために、その発生が予想されなければならない鉱害に対する引当金とである。
論 ⑰ 年金引当金(℃Φコωδ霧三鐸。。8置§αq窪)
ピ学
現在支払中の年金および年金期待権(勺ゆ⇒ψ一〇づω勉づ芝拶同叶のOゴ9hδ05)は第三者に対する債務を根拠づける。したがって、、
これらに対して設定された引当金は不確実債務に対する引当金のグループに属する。
商
一 〇3 支配契約および利益供出契約(三〇二条一項)、または賃貸契約その他の委任契約(三〇二条二項)が存在する時
に生ずるおそれのある損失を補償する義務のための引当金(皆。認邑ピ還魯≦①σq魯虹容冨巳2<Φ壱旨。暮琶σq魯Nξ
<興ど馨餌σqΦo評=口αqぴΦ一く〇二冨σq①昌くoコじdΦ7①員ωoぴ二⇒騎甲信づαO①≦ヨコpぴh口ξ¢昌ぴq°・〈Φ葺贔σq①ロ09Φ尻げΦ凶勺聾oケ↑o⇒O¢p仙Φ冨pdぴo↑
一累誓づぴqωく①二贔αq雪)
⑲ 支配契約または利益供出契約を締結している時に外部株主に対して相当な補償を支払う債務(三〇四条)(<Φr
の 包ぎずε躍gN貫N9三§ぴqΦヨ$窪σqΦヨ①のの2曾〉二ωαq芭。訂噛曾象。きε。gω8冨巳魯〉段ま畠『。び魚〉げω。匡島Φぎ①ωbdΦず27
10( ω筈⊆づσq甲a實O①≦貯冨げh倖耳ロコσqω<①二BσqΦω)
(103)一西ドイツ株式法における引当金規定一13
⑳ 支配契約が締結されていない時従属会社に対して与える不利益を補償するための義務(ご二一条)
⑳ 不確実な危険および一般的な危険に対する引当金(智。冨け巴§ぴq窪h鷲き瞬①惹ωωΦ匹ω涛撃⊆巳h費≧一σqΦ8Φ言①ω)
一九三七年旧株式法が通用していた時には、この名称の下にしばしば引当金的性格ではなく、積立金的性格を有す
る金額が表示された。しかし、一九六五年新法では、さきに紹介した一五六条四項によりそのような「引当金」の設
定は否認されることになった。とはいうものの、新法によっても不確実危険に対する引当金の設定は完全には閉め出
されない。なぜならぽ、決算に至るまでの期間にすでに存在している不確実債務および未決の取引を完全に把握する
ことは実際には不可能であるからである。したがって、経験的にその他の引当金の設定後にはじめて現われるような
引当金事例について、すでに個別的引当金の測定の際に不確実危険を考慮に入れることができなかった場合に限り、
一般的なものに対する引当金(皆。訂琶冨お囲宥≧㎡①ヨΦ一器ω)が設定されるべきである。この引当金の金額と構成は典
拠によって証明可能なものでなけれぽならない。
鋤 住宅企業に対する引当金(即9認8謹昌σq窪げ魚≦07コ§ゆq讐馨①彗魯ヨ§σq窪)
㈱ 新発電所に対する積立金要求に対する引当金(菊9器邑置轟①口h臼岳Φ冒きω只琴ぎ喜ヨ。Φ言霞菊9巨poq①h母器器
囚轟陣≦興吋Φ)
かくして、アドラー、デューリング、シュマルッは「ドイッにおける株式会社の計算ならびに監査規定に関するも
(3)
っとも権威ある解釈書として定評ある」といわれる「株式会社の計算と監査」 (菊Φ魯目置ω一。σq琶αq二巳勺『母§σq号『
》匪①コαq①ω巴ω9聾)の第四版(一九六八年)において不確実債務に対する引当金に該当するものとして前掲諸項目を列
挙しているのである。これを第三版(一九五七年)と比較すると、第三版では、これら諸項目のうちω、㈲のうちの
監査費用、ω、㈲、ω、⑧、⑫、⑭、⑮、⑯および⑰が見受けられ、さらにこれら以外に「中止された修繕に対す
14叢一論学一商(104)
る引当金およびこれに類する費用性引当金」 (肉曾器件Φ=琶ひq8h臼ロコ§奮ωΦ器国①℃錠讐霞①昌慧ユ讐巳8冨》段≦き伍巽口且
。器汁①一一自茜Φ。)と「未履行の法律行為・商品引渡および受取義務から生ずる危険(ω9≦Φげ①巳①園8三躍①ω。鼠hβ国ω涛魯
国・・=①・Φ・・摩巨ぎ・ず舅塁・・葺馨)が「不肇農に対する引当金」として掲げられてい.鳩・したがって
残りの項目は第四版で新しく追加されたものである。そして、これらは「実務において最も頻繁に見受けられ、かっ
決算監査人により承認されている引当金原因」であり、 「経営監査士ハンドブック(一九六三年版)」(≦葺の。冨欝買苧
h。・-=碧島び9び・§に示されているものとほぼ同じであ・といわ池・しかし・これらのうち・特に「中止された修
繕に対する引当金およびそれに類する費用性引当金」は第三者に対する債務を表わさないのであり、果して旧株式法
上にいう不確実負債に対する引当金として承認されるかどうかは、はなはだ疑わしいものといわなければならない。
・れは税肇では許容されて・なか・たので紮ダ・ラー・デ・iリ・グ・シ・マルツら自身も・また二九三七
年旧株式法の引当金規定を瞥見した箇所ですでに紹介したように、第四版ではむしろ、同法はかかる引当金項目を否
認していた旨を指摘しているのである。
なお、この種の、引当金の名称が一九六五年法では「不確実負債に対する引当金」から「不確実債務に対する引当
金」へと変更された。だが、アドラi、デューリング、シュマルツによれぽこうした名称の変更は実質的な意味をも
たないと解され、そこからこの新しい引当金の定義には一九三七年法との間に実質的な相違が存在することは許され
(7)
ないと強調されるのである。
さて、以上の考察を通じて、なかんずく、われわれの注意を引くのは、この不確実債務に対する引当金概念がきわ
めて拡張解釈され、それに対応して著しく広範かつ多岐にわたる引当金項目が容認されている点である。この点をさ
らに掘り下げて検討したい。
(105)一西ドイツ株式法における引当金規定一15
さきにみたように、アドラー、デューリング、シュマルツは不確実債務に対する引当金の本質的属性を0負債性と
⇔債務の存在・成立および(または)金額の不確実性に求めている。したがって、彼らによれば、負債性(ないしは債
務性)つまり第三者に対する義務を表わすものは、金額の不確実なものはもちろん、たとえ将来における成立それ自
体が不確実なものであっても、その成立ないしは発生原因(法律的なものだけでなく経済的なものも含まれると解されてい
る)の当期存在性-それには合理的に認識しうる根拠あるいは徴表のきわめてあいまいとみられるものまでもが含
められるほど、広く解釈されているーを条件として、いうところの不確実債務とみなされ、引当金の設定対象と考
えられるのである。
これと同じ見解はハイネン(国゜=Φ一P①昌)にもみられる。すなわち、ハイネンは「商事貸借対照表論(第五版)」(=曽
(8)
昌量ω竃きN①Pお8)において引当金の性格を次のように規定している。 「引当金は不確実債務の性格をもつ。不確実
コ ロ
債務の成立は経過年度に根拠づけられる。だが、その金額、支払期日および事件の発生は貸借対照表作成の時点には
不確実である」 (傍点-引用者)と。
もともと、引当金は決算日においてその発生原因は確定しているが、その金額および支払期日が未だ確定していな
(9)
い債務(これを損益計算の側からみれぽ費用ないしは損失)の計上であると理解されてきた。債務性を前面に押し出して
いるとはいえ、こうした理解が基本的にはシュマーレンバッハ(]円゜ωO『ヨ鋤一①Pび四〇げ)のいうかの「費用・未支出」(〉〒
薯睾辞唇9暮窪〉岳σqpげΦ)あるいは「今期の費用・後期の支出」 (〉自昇9巳冨臼計》島ゆqoげ①ω冨8『)概念を基礎とし
たいわゆる発生原因主義に支えられたものであることはいうまでもない。アドラー、デューリング、シュマルッ自身
も第四版まではこれとほぼ同じ見解を保持していたのである。すなわち、彼らは、まずその注釈書の初版(一九三八
年)では引当金を「貸借対照表日においてその原因が予期されうるが、しかしその金額または支払期日が未だ確定さ
16叢一論学一商(106)
(10)
れていない債務、費用または損失危険にかかわるものと規定し、さらに第三版でも、同様に「それは(引当金を指す
ー引用者注)貸借対照表日においてその原因は知られているが、その金額は知られていない費用および損失、または
貸借対照表日においてすでに存在しているが、金額および支払期日が未だ正確に決定せられない債務および負担(ピ㌣
(11)
ω8コ)の把握に役立つ」と定義づけているのである。
かくして、さきにみた第四版におけるアドラー、デューリング、シュマルッ(したがってまたハイネン)の見解は特
に将来における成立ないしは発生それ自体が不確実な債務さえもいうところの不確実債務に含められるということを
強調している点において、引当金1より正確にいえば不確実債務に対する引当金i概念を実質的に拡張解釈して
いることが明らかとなるであろう。そして、彼らはこうした拡張解釈の上に立って、さきに紹介したように、鉱害引
当金、特許権および商標権侵害引当金、訴訟危険引当金、一連の保証給付引当金、さらに例外的なケースにせよ不確
実な危険.一般的な危険に対する引当金など将来におけるその成立または発生が不確実あるいはきわめて偶発的とみ
られるなよう債務ないしは損失に対するものまでをも含めた著しく広範かっ雑多な引当金項目を承認しているのであ
る。しかも、こうした解釈は実務を指導する立場にある「経営監査士ハンドブック」でもほぼ同じように採択されて
いるのである。
もっとも、これらの大部分のものは、さきに一言したように、すでに第三版においても不確実負債に対する引当金
に該当するものとして承認されていた、したがって、より正確にいえば、第四版において概念規定に変化が見受けら
れたということは、第三版における定義の不備、いいかえれぽそれをもってしてはそこに含まれる諸項目を統一的に
把握しえないことをようやく彼ら自身認めるに至ったことを物語るものとみることができよう。
(1) 〉亀①5∪費ぎσq℃ω9ヨ巴酔碧PPO°”ωQD°ωb。Φ~ωω卜。.
(107)
[西ドイツ株式法における引当金規定
(2)〉幕5∪費言σq噂ω畠βp百…p勲ρ。り。。・ω。。・。~ωω①・
(3) 山下勝治「企業会計原則の理論」昭和三四年五七頁。
(4) >2興り∪母ぎσq”ω9き巴9“簿゜勲O.層ω゜〉録r目㊤零・ω・卜◎㊤μ・
(5)犀§。⊇・ぎ…窪。冨辞・ぎ”q・:p・魯曇§〉ζ凶・§曇u冨≦馨冨冒轟§…=①置口。①①・ω』・
(6)98冨暮NΦ O霊巴器叶N陣品9血興国冨目醇§σqq巳〉犀二Φ葭①。犀珠。門ヨ”∪δ≦三ω。冨器℃昌旨昌σq・国①津8H8㎝・
ω゜ 刈ω゜
(7)と醇℃u珪コαq矯ω98四壽石゜pρ合ぎ戸。。・ω・。㊤・
また、ネームはこの問題について次のように述べている。 「新法に認められる引当金概念の限定への志向は『不確実債務』
に対する引当金目的(一九六五年株式法一五二条七項一文)も将来の『不確実債務』 に対する引当金目的という一般的名称
(一九三七年株式法=一=条一項BW)とは異なった、 おそらく狭い内容をもつか否かという問題を示唆する。 『債務』は
『負債』と多少異なっているのか、それともここでは古い概念が新しい概念によって置換えられたにすぎないのか。その際に
決定的な観点は『不確実債務に対する引当金』なる名称の中に、従来の『不確実債務に対する引当金』なる概念に比べて、限
定が含まれているか否かということである」。「私見によれば、 『負債』と『債務』との概念上の相違は承認されるべきではな
いQただし、おそらく一九六五年株式法一五二条の『不確実債務』なる概念は、 一九三七年株式法ρ概念が経験したように、
もはやそれほど拡大された解釈を承認することは許さないであろう」と。属゜Z①7ヨ…p°⇔°ρ-ωQQ°心~㎝。
(8) 国゜=㊦冒①三ー-・p・04ω・bσH卜。・
(9)国。霞巴箒毒。喜・自ヨ〉§舅〉匪魯σq・・g・・しd斜=。①ピω・㊤㎝。・
また、ブレンナー(】田゜じd同α口昌①【)は次のように定義づけている。 「引当金とは、貸借対照表日にすでに存在し、その金額だ
けが未だ知られていない債務、ならびにその金額が未だ確定していない損失の計上であると理解されるべきである」と。
口ΦひΦ暮ヒda冨器コ∪冨国一きNロp9国彗匹9ωと昌匹oQ汁①仁Φ畦8耳噂『°〉慧r巳①Q。噂QQ・胡い
(10)〉巳①びU9,ユ轟噂ωoげヨ巴晋 PPO・噂一・〉ξrおω。。・QQ・Nω駆・
(11)〉色①びU口二轟噂Qり9ヨ隻N旧P鉾O・”ω・〉鼠rHOO8ω・卜。日・
17
18叢一論学一一一狽r(108)
三
次に、目未決の取引から生ずるおそれのある損失に対する引当金について考察したい。ここにいう未決取引(。・。守
(1)
ミ。げ①巳①o・ω島弾①)とは「いずれの当事者によっても未だ履行されていない取引」を意味する。新法はこのような取
引についても、それから損失が予想される場合には、引当金を設定してそれに備えることを許容しているのである。
もっとも、この種の引当金は旧法においてもその解釈上「不確実負債に対する引当金」に含まれるものとみられて
いた。それは、この引当金は通常未決の取引から生ずる会社の債務がその債権を越えることが予想されるとき、その
差額に対して設けられるものであり、したがって不確実債務に対する引当金としての性格をもつという理由からであ
(2)
った。それが新法ではもっぱら明瞭表示のために独立項目として明文化されることになったのである。ネームによれ
(3)
ば、これは従来の慣行を明示的に承認したものであるといわれる。
もともと、いずれの当事者によっても未だ履行されていない取引は簿記上記帳の対象とされないのが建前である。
しかし、未実現損失(¢⇔「①9一一の一①H叶① <O同一信ω件O)はその発生が予想されるときこれを計上すべきであるという「用心の原
則」により未決取引から生ずるおそれのある損失に対して例外的に引当金を設定することが要求されるのである。た
だし、その場合、ω当該損失の発生が真に差し迫っていることを示す徴表が与えられていることとωその損失の金額
(4)
が合理的に予測されるという二つの条件が充足されることが必要である、と説かれるのである。
ここでは特にこの種の引当金の計上を要求する根拠がもっぽら用心の原則、いいかえれぽ保守主義に求められてい
る点に注意を喚起しておきたい。
さらに、⇔中止された修繕および鉱内土砂除去の費用に対する引当金、と㈲法律上の義務なしにおこなう保証に対
(109)西ドイツ株式法における引当金規定一一
19
する引当金は、政府草案(幻①αq醇巷σqωΦ馨≦9h)では従来通り認められていなかったが、その連邦議会における審議過
程でもっぱら次のような理由から追加されることになったのである。すなわち、これらの引当金は税務上承認されて
いるが、いわゆる「商事貸借対照表の税務貸借対照表に対する規準性原則」(9§駐簿Nα零冨島σqΦげぎ蒔①一叶号同国雪㍗
。一
ヨ匪p昌.h費象。ω8器『び貯づ.)により、もしこれらを商事貸借対照表において設定することが許容されないならば、そ
(5)
の税務上の承認が危うくされるという理由からである。
ところで、この二種の引当金は債務性をもたず、たとえ限定的な意味においても、いわゆる費用性引当金(〉自苧
p巳。。愚。冨什巴§ひq窪)としての性質を帯びたものとみられ、その点において他の引当金項目と異なるのである。ネーム
(自゜ZΦず3)は、新法においてこれらが独立の引当金項目として許容されたのは、立法者自身この種の引当金は前記の
不確実債務または未決の取引から生ずるおそれのある損失に対する引当金(いいかえれば債務性を有する引当金)の概念
(6)
に含まれないと考えていたからではないかと指摘している。その意味では、新法においてこのような引当金が新しく
許容されたことにより、株式法上の引当金概念は拡大されることになったといわなけれぽならないであろう。以下、
この二種の引当金に立ち入ってみよう。
まず、中止された修繕および鉱内土砂除去の費用に対する引当金とは、当該営業年度におこなわれるはずの修繕ま
たは鉱内土砂除去が何らかの理由のために中止されたが、翌営業年度に埋合わせられることが合理的に予想される場
合に、それに要する費用に備えて設定される引当金で、新法ではじめて認められたものである。
さきに一言したように、この引当金はたとえ限定的であるにしても、費用性引当金としての性格を有するところに
その特質がある。このような特質に着目して、ハイネンはこれが期間損益の正確な限定のために設定される旨を強調
(7)
し、またアドラー、デューリング、シュマルツも、後にみるように新株式法は引当金の動態的性格を否認していると
20叢一一論学一商(110)
酷評しっつも、この引当金だけは新株式法にみられるかかる原則に対、する一つの限られた例外であると評価してい
(8)
る。
さらに、ホルスタi(一(° 剛山゜ 閏O同ωけΦ同)は「鉱内土砂除去に対する引当金の場合に、何故翌営業年度に埋合わせられ
る費用だけが許容されるべきであるかは全く理解できない」という疑問を投げかけた後、この引当金の本質は「全採
鉱期間にわたる費用調整」 (〉ロ穿p巳の碧ωαq互畠自①『匹一Φo①臣葺9びσきN簿)を達成する点にあるという見解を表明し
(9)
ている。
ところで、アドラー、デューリング、シュマルツによれば、この引当金設定が許容されるためには、次の三っの前
(10)
提条件が成立していることが必要であるといわれる。
ω 費用の中断が存在しなければならない。
これは修繕を実施したり、鉱内土砂を除去したりする必要が存在したことを前提としている。将来さらに使用した
後に必要になるような修繕原因の発生だけではその限りにおいては、中断は全く存在しないからである。すべて修繕
は、つまるところ、数年度にわたってそれに先行した使用の結果である。しかるに、法律は、もともとこの種の数年
度におよぶ費用調整を考慮していないのである。いかなる場合にも、将来はじめて必要となる修繕を引当金により当
該営業年度に繰り入れることは許容されない。
ω その費用は当該営業年度において中断されたものでなければならない。
第二の前提条件はその費用は当該営業年度にかかわるものであり、その年度の負担に帰属せしめられるべきもので
あるということである。この条件は引当金の許容性を著しく制限する。例えば、修繕または土砂除去はすでにそれ以
前の営業年度において実施されるべきであったが、財政的理由その他のために実施されなかった場合には、もはやこ
(111)西ドイツ株式法における引当金規定一21
れに対して引当金を設定することはできない。また、前年度に設定されたこの種の引当金が、何らかの理由から請求
されなかった場合には、これを保持することは許されない。この引当金はその設定につぐ営業年度において請求され
なけれぽならない。
㈲ その作業は翌営業年度において埋合わせられなければならない。
当該作業が翌年度に埋合わせられるかどうかを決算日において確定的に見通すことは、大抵の場合、不可能であ
る。そこで、この場合に、合理的な商人の判断によって翌年度中にその埋合わせが可能であるとみられるかどうかが
問題となる、といわれるのである。
一方、法律上の義務なしにおこなう保証に対する引当金とはへ企業が販売した商品もしくは給付について、たとえ
契約上定められていなくても、一定期間顧客に対して修理その他のアフター・サービスを提供する場合に、それに要
する費用に備えて設定されるものであり、通常「好意的給付に対する引当金」 (園口島。。叶巴きαq。口h母函ロ一碧N互ω件琶αq窪)
と呼ぼれる。
アドラー、デューリング、シュマルツはこの引当金を不確実債務に対する引当金に類するものとみている。彼らが
このように考えるのは、多くの場合、企業はもっぽら経済的理由からこの種の好意的給付を免れることができないの
(11)
であり、そのため法律的ではないにしても、経済的に義務が存在することになるという理由からである。しかし、こ
の見解はいうところの義務(<①6窪。葺ロ昌σq)を法的義務から「経済的義務」にまで拡張解釈しているのであり、その
点に難点があるように思われる。
この種の引当金は、むしろ、アドラー、デューリング、シュマルツら自身も、それに続く箇所で「この引当金が経
営経済上承認されるのは、好意的給付に関連した費用はこれをできる限りその収益が受取られた年度に計上すべきで
22叢一論学一商(112)
(12)
あるという理由による」と述べているところからも明らかなように、正確な期間損益計算の観点から、いわゆる「経
済的帰属性の原則」(牢ぎN骨号同三二ω6冨博一ざ72N轟Φま『戯箒律)、すなわち費用収益対応の原則にもとついて設定され
るところにこそその特質があるとみられるのである。
かくして、この二種の引当金項目が新しく明文規定をもって許容されたという事実は、新法が引当金の概念規定に
関して債務性(ただしそれはきわめて広範囲にわたっている)から費用性に多少なりとも目を向けたことを物語るものと
してきわめて注目すべきことであるといえよう。この点に関説して、アルバッハ(国゜》一σ餌o『)はこれらの引当金が承
認されたのは新法が「期間成果比較性の原則」 (℃『冒N甘O巽く臼αq巨魯げ餌爵①詳匹興勺臼δOΦ口Φ比oに①)を重視しているた
(13)
めであると指摘している。すなわち、アルバッハは次のように述べている。
「これらの引当金(中止された修繕および鉱内土砂除去の費用に対する引当金と法律上の義務なしにおこなう保証に対する引当
金を含むー引用者注)の採用は期間成果比較性の原則から組織的に根拠づけられる。すなわち、翌年度に修繕が埋合
わせられ、かつこのことが当該年度の貸借対照表作成の際に確定しているが、同時に普通修繕と同様に定期的修繕が
おこなわれることが判明している場合には、この両年度の貸借対照表成果を相互に比較することは不可能である。そ
こで、その修繕のための費用を当該年度に算入することが年度成果比較性の根拠から要求されることになる。 (そし
て)このことは中止された修繕に対する引当金の設定によりおこなわれる」と。
他方、これら以外の費用性引当金、ことにドイッ会計学上その典型といわれる「中止された経営費用に対する引当
金」(菊9冨〔巴5α92h臼§什Φ臨ρ・ωの魯曾ヒd①巳①σω磐h零磐αω)iそれは間歌的に生ずる支出の期間配分(勺豊。山巨Φ讐薦
〈自ω8國塞奮雪h農。巳窪〉器σq昏雪)のために設定される引当金を意味し、その実例としては定期的総修繕引当金や自
(14)
家保険引当金などが挙げられるーについては、法案の連邦議会における審議の際にその承認を求めて多くの提案が
(113)
【西ドイツ株式法における引当金規定23
おこなわれたにもかかわらず、新法はこれを許容しなかったのである。その理由としてはこの種の引当金については、
実務上では、大抵修繕を中止したことによる価値修正(≦。詳び①§げ鉱σqきσq魯≦Φσq魯⊆馨Φ二pωω8Φ『勾8母m酔霞2)か、将
(15)
来の経営支出のための純粋な積立金(①98幻g包茜2h臼N鼻口づ旨σqΦヒdΦけ二①びω磐のゆq9Φロ)が問題となるのであり、した
がって、もしこれを承認すれば、引当金概念が拡大されることになり、その結果年度決算書の明瞭性と概観性がそこ
(16)
なわれるという点が挙げられたのであった。
アドラー、デューリング、シュマルツは特にこの点を強調するあまり、新法では引当金の静態的性格(ω砕巴ω魯臼
(17)
O冨茜9興飢2菊曾厨け9一巷αq魯)が著しく強調されており、動的貸借対照表観の引当金概念(皆。器邑ピ轟ωげΦσq島hα霞
(18)
身鵠巨ω。冨づじd蕾自磐hh霧ω目ぴq)が明白に否認されているとまで断言するのであるQ
さらに、新法では、一般的企業危険に対する引当金(幻ρ。冨汁巴8αqh曽¢ぎ巴一ひq①ヨΦぎΦωO暮①ヨ魯8Φ器≦oαq三ω)は、た
とえその危険が輸入または輸出危険、製造危険、試験研究または開発危険あるいは収用危険(国暮皿σq昌§σq。。「巨ざ)な
(19)
どどのような形をとって現われようとも、一五二条七項によって否認されることになる。
(1) 閃゜=ΦぎΦづ ⇔°帥゜O己oQ°卜δH㊤.
(2) 政府草案理由書(切Φσ自昌昌9コ晦瓢①ω図①笹巽暮σqの①茸≦⊆ほの)はこの点を次のように説明している。「(政府草案)第七項一文
は、引当金のための概念規定を与えているが、それは株式法(一九三七年)のそれから外形上はみ出している。株式法(一九
三七年)は『不確実な債務(本稿の訳語では負債)のための引当金』となっている(二二一条一項BW)。草案はこの概念を、
『不確実な義務(債務)のための引当金および浮動的取引(未決取引)により生ずるおそれのある損失のための引当金』に拡
張している。しかし、事柄の性質上、その中には株式法(一九三七年)からの何の相違も横たわることを許さないであろう。
何となれぽ、株式法(一九三七年)についてもまた浮動的取引による損失のための引当金が株式法(一九三七年) 一三一条一
項BWの中に入ることは一般に認められているからである。この立場は浮動的取引から生ずるおそれのある損失のための引当
金もまた本当は不確実な義務(債務)が会社の債権を超過しただけの額のために引当金が積立てられるからである。しかし、こ
24叢論学一商(114)
( ( ( (ト4 13 12 11 100 ) ) ) )
の点について完全な明瞭さを作り出すために、草案は、浮動的取引による損失のための引当金を明示的に許容している」と。
慶応義塾大学商法研究会訳「西独株式法」昭和四四年二七五頁。
(3)=°Z9ヨ…9°蝉’ρωQo°°。~膳゜
(4)〉巳①ぴ∪ロユ薦鴇oQ魯ヨ巴けN 鋤゜POこQQ.ωミ゜
(5)出゜Z菩9…。°帥゜ρい○。°幽G
なお、 「連邦議会法律委員会報告書」(切Φ円ド耳亀Φω閑①o窪ωきωωoずロのω㊦ωα①の∪①三ωoぴoコbσo昌血Φω訂αqω)は次のように述べて
いる。 「他方、政府草案を超えて、支出しなかった修繕費用のため、行われなかった廃物除去(》げ鑓自ヨげΦωΦ三σq琶σq)のため
および法律上の義務なき担保給付のための引当金もまた、許容されることが必要と思われた。これらの目的のための引当金は
現在、税法上は承認されている。企業はこの税法上の状態の上に身構えている。しかし税務貸借対照表に従うという原則によ
れば、この税法上の承認は、この引当金が商業貸借対照表においても積立てられることを前提としている。この引当金が商業
貸借対照表において積立てられることが許されないならぽ、それを税務上承認することは危険であろう。
しかし税法はその修繕が貸借対照表基準日の後三月内に実行されるときにのみ、行われなかった修繕のための引当金を、現
在、承認している。商法的には三月の期間は根拠があるものとは思われない。商法上は、修繕が次の営業年度内に行われ、引
当金がその目的を一層詳細に指定して区別して示されるならば、それで満足することを要する。同様なことは行われなかった
廃物除去のための引当金にも妥当する」と。慶応義塾大学商法研究会訳前掲書二七六頁。
(6)ロ.Z魯ヨ冠゜POこω゜蔭゜
(7)団゜田冒魯…9°山゜9ω゜卜。目。。°
(8) 〉巳①『℃U盲冒σq鳩ω魯ヨ巴什N…PPO己ω゜ωωo。° .
(9)閑巴由Φ冒N「。邑霞…Z2①霞ぎ窪窪号ω〉げω6げ建ζ。b愚h2ω墨魯ユ①ヨ〉ぎ一2αq。ω①訂<8H89∪δ≦一塁。冨hおb7
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》鷲出H8ρQQ°ωQ。b。.
コ9畠自Φヨ》ζδづぴq①ωΦ言H⑩9℃U興切Φ仲ユ①げのーじd興讐①さ
(115)
「西ドイツ株式法における引当金規定
[25
( (1918) )
( ( ( (
17 16 15 14) ) ) )
〉巳Φ5∪費冒σq℃QQoげヨ巴訂 po。○「噸Go.ωb◎軽゜
切①σq註昌創=コゆq◎①ω勾①ゆq冨霊ロαqのΦ馨≦g篇ω゜慶応義塾大学商法研究会訳前掲書二七五頁。
》臼Φが∪費ぎαq葡oooゲヨ巴9石.蝉゜○°”QD°ω自・
〉已①びU臼冒αq噂の9ヨ巴訂…ppO.”Qり゜ω卜D刈゜
〉巳㊦び∪口二口鱒ω畠Bpρ犀N 鋤゜ロ゜O°”QQ°ω自・
〉巳①さU實ぎαq鳩ω9ヨ巴訂}9°pO°りω゜°。合。
四
以上考察した各種引当金はほぼわが国におけるいわゆる「負債性引当金」に類似するものとみることができるよう
に思われる。ではわが国でいう「評価性引当金」はどのように取り扱われているだろうか。
結論的にいえぽ、かかる項目はドイツ商法ないしは株式法上では引当金とは考えられていないのである。すなわち
わが国における減価償却引当金、いかいえれぽ間接法による減価償却ないしはその累計額について、新法はこれを特
定固定資産項目に対する「価値修正」 (≦①答σ①二。罧凶ひQ口躍8)として取り扱っている。こうした取り扱いは年度決算書
の表示形式に関して注目すべき規定を設けた一九三一年株式法以来継承されてきたものである。
同様に、 「貸倒引当金」 (U①貯希号お呂o器8=§σq)についても、新法はこれを「債権に対する一般的信用危険のた
めの総括的価値修正」 (℃きω。匿写①二びg号二σq旨ぴq壽σq雪gωp轟§①冒①昌寄Φ鼻蔚涛。ωN震聞。「畠2§σq雪)として取り扱
い(いずれも一五二条六項)、引当金とはみなしていないのである。ここにいう価値修正とは特定資産価値に対する貸
方修正項目を意味する嬉同養方修正項目であ・ても・減価償却ないしはその累計額と債権価値修正項目とは、前
者がもっぼら過去の費用を表わすのに対して後者は将来の費用あるいは損失にかかわるという点において、根本的に
26叢一論学一一一狽r(116)
その性質を異にしていることを見逃してはならないであろう。その意味では、債権価値修正項目はむしろ引当金的性
質を有するものと考えられるのである。
さきに紹介したように、新法は一五六条四項において引当金の評価に関して新しく明文規定を設けている。この規
定は引当金評価のよりどころを特に「合理的な商人の判断」 (<臼呂づ詮σqΦ冨¢{ヨ帥巳ω畠①ω①霞け巴自ぴq)に求める旨を明
文化したものであり、 「評価法(切①壽二§σqω冨。εを支配するところの新しい傾向を示した」ものとして注目に値す
るものといわ幾・後にみるように・この規定は商人的慣行(冨量曇邑・=邑を容認したものであるといわれ
る。
ところで、この引当金評価規定は通常いわゆる最高価値規定(=αOずω什≦Φ同一くO『ω67『一hけ)であり、引当金の過大計上を
(3)
戒めたものであると解釈されている。そして、もしこの限度を超えて計上されると、過小評価(qコけO『げΦ≦①Hけ¢雷αq)と
みなされ、それによって会社の財産状態および収益状態が故意に表示されるかあるいは隠蔽される時には、確定され
(4)
た年度決算書は無効となる(二五六条五項)。それ故、この規定により、今後は、引当金の測定にあたって一部少数の
(5)
企業が過去においておこなってきたように寛大にふるまう可能性が否認されるべきであるといわれるのである。一九
三七年株式法が貸方項目の評価に関して最低価値規定(≦巳①ωヨ①彗。房9二3を定めていたのに対して、この点はま
さに注目すべき変化であるといわなければならないであろう。ネームは新法におけるこのような変化は特に引当金概
(6)
念を制限し、その拡張解釈を防止しようとする上で妥当なものであると評価している。
しかし、この点に関して、この規定においては「必要な金額」かどうかの判断は商人の側に委ねられているのであ
り、しかもハイネンが指摘しているように、その際に商人はいわゆる「正規の簿記および貸借対照表作成の諸原則」
(02巳ω馨N①oa2渥ωヨ餌ゆ蒔窪ゆ琴ま爵建躍屋巳国一弩N冨遷歯)ことに「用心の原則」にしたがうべきことが要求され
(117)一西ドイツ株式法における引当金規定一27
ている(後にみる一四九条一項)ために、そこに過大計上i秘密積立金(ω毒①国①ω2<雪)の設定に通ずる道が依然と
(7)
して残されていることを見落してはならないであろう。
最後に、引当金の設定は法律上強制されるのか、それとも任意であるのか。この点について、新法は、これまでと
同様、そのどちらとも明言していない。なるほど、さきに紹介したように、新法一五二条七項はそこに挙げられた事
例に対して引当金を設定することは「許される」と述べている。だが、そこから、直ちに同条項に示された各種引当
金の計上が任意であるという結論を導き出すことは許されない。なぜならば、そのように解釈することは本来分類規
(8)
定(O膏匹興自αqω<o冨o耳葺)としての性格をもつ同条項の意義と内容を誤解することにつながるからである。
さて、この問題をめぐる論者の見解は必ずしも一致していない。例えば、ホフマン(閃゜ =Ohh∋降ユ5)やフアン・デア・.
フェルデ(剛(° <Pコ 島①『 <⑦一q①)などは引当金の計上義務(評ωω三興巷σq呂霞島叶)を否定し、その選択権(℃器ω三雲彗σQ叩
(9)
婁餌三器。巨)を肯定している。 一方、アドラー、デューリング、 シュマルッをはじめ、 ミュツェ(O°】≦三N①)、ネーム
(10)
などは少なくとも特定の項目に関する限りその計上義務を主張している。これら計上義務説はその論拠を正規の簿記
(11)
の諸原則に求め、この原則により引当金の必要性が認められる場合は計上が義務づけられるというのである。現在の
ところでは、この後者の見解の方が有力であるように思われる。そこで、この見解をいま少し掘り下げてみたい。
周知のように、ドイッ商法ないしは株式法においては、伝統的に、正規の簿記の諸原則が簿記および年度決算書の
作成に関する一般的かつ包括的な基本原則として位置づけられてきた。この点は現在でも変わっていない。すなわち
現行商法は、その三八条一項において商人は正規の簿記の諸原則にしたがって商業帳簿を記入すべきことを要求し、
株式法もこれを受けて、計算規定の冒頭の箇所で「年度決算書は正規の簿記の諸原則に適合しなけれぽならない」
(一
l九条一項)と規定している。
28ue-一一論学商(118)
もっとも、この正規の簿記の諸原則が何を意味するかについては、法規の上には何も明示されていない。しかし、
通常、これは「誠実で尊敬に値する商人」 (oa魯豊o冨q巳①胃魯零Φ詳興閑塁自①舜①)の会計実務において健全な慣行
として発達してきたものを中心に、経営経済学や法律あるいは判決などを源泉として確立された一般に認められた会
(12)
計諸原則であると理解されているようである。
さて、この意味における正規の簿記の諸原則は一九六五年株式法においても、その年度決算に関する次のごとき諸
(13)
規定の中に具体的に表明されているといわれる。
ω減価償却方法(一五四条 項二文)
ω先入先出法(霊ho)、後入先出法(臣h。)およびそれに類する方法の適用可能性(一五五条一項三文)
㈲営業部門により条件づけられる貸借対照表および損益計算書項目の変則的分類(一五一条一項、一五七条一項)
㈲会社の営業活動に継続的に役立つ財産項目、特に固定資産としての有価証券の概念規定(一五二条一項一文)
㈲資本参加への結合(Nき巳遷漏雲O窪ゆ卑①冨博ゆq巷σq窪) (一五二条二項)
㈲他の貸借対照表項目への共同所属の注記(一五一条三項一文および二文)
ω相当な減価償却費、経営および管理費用部分の製造原価への算入(一五三条二号)
㈹その利用が時間的に限定されている固定資産項目の耐用年数の見積(一五四条一項二文)
㈲決算日において固定資産項目に付せられるべき低価の確定(一五四条二項一文)
⑳近い将来流動資産の評価に生ずるおそれのある価格変動の判断(一五五条三項一号)
ω引当金の評価(一五六条四項)
⑫臨時収益への算入(一五七条一項一四号)
(119)
一一西ドイツ株式法における引当金規定29
⑬売上収益として表示されるべき収益とその他の収益との区分(一五八条一項)
ω翌年度に給付されるべき年金支払および法律上独立の扶養金庫に対する支払の見積(一五九条)
さらに、この外、株式法に規定されていない多くの貸借対照表作成問題はもっぱら正規の簿記の諸原則に照らして
決定することになるのである、と説かれるのである。
では正規の簿記の諸原則をよりどころにして引当金の計上義務はどのように導き出されるのか。まず、アドラi、
デューリング、シュマルツによれば、商法三九条は商人に対して年度貸借対照表にその財産および負債を表示するこ
とを義務づけているが、そこに含まれる財産および負債の完全表示の原則(OΦげ9血醇く。房けき9σq犀①一叶)から、債務性
(<雪玄巳膏耳鐸ω。冨『餌。什8をもつ引当金ーすなわち、不確実債務に対する引当金および未決取引から生ずるおそ
れのある損失に対する引当金、さらにまた法律上の義務なしにおこなう保証に対する引当金についても、この種の保
証給付がある程度規則的に提供され、かつ会社が経済的にその好意について義務があると感じている場合に限りー
については計上が強制される。これに対して、中止された修繕または鉱内土砂除去に対する引当金は第三者に対する
ホ
債務を示さないのであるから、選択権が認められることになる、と説かれるのである。
*ただし、不確実債務に対する引当金のグループに含まれる年金引当金については、連邦裁判所(BGH)の一九六一年二月二
(14)
七日付判決により年金債務、特に年金期待権に対する計上義務が否認され、計上選択権だけが承認されたのである。そのため、
引当金の計上義務を説く論者の中にはこの判決に疑問を唱えるものも見受けられるが、大体年金引当金に関する限り、これを是
認しているように思われる。
また、ネームは、正規の簿記の諸原則をよりどころにするという以上にはより具体的な論拠を明らかにしていない
が、アドラi、デューリング、シュマルッとほぼ同じ結論(彼の場合には、計上が強制されるのはアドラーらが掲げている
三種のうち前二者に限られる)を導き出している。
30
さらに、、、、ユツェは、その点を一歩掘り下げて、正規の簿記の諸原則の重要な構成要素とみなされる債権者保護
(Ω辰=三αq①話。ε欝)および用心の原則から引当金の計上義務を承認すべきことが要求されると論じている。
このような引当金計上義務説について、ここでは、その論拠としてひとしく正規の簿記の諸原則が挙げられ、特に
それに包摂される静態的諸原則(財産および負債表示の完全性原則、ならびに債権者保護原則)に目が向けられている点、
および、、、ユツェにみられるように、用心の原則が援用されている点に注意を払っておきたい。
叢一論学一商(120)
(1) 〉色Φび∪宥ヨσq℃Qq9ヨ巴けN 黛PO‘ω゜ω 9
(2)〆°口。閃。韓Φコ鉾餌゜o’あ゜8恥゜
(3) 国・≧σ四〇ず嚇pゆ’錯ρ-の゜ω゜。b。’ハンス・ヴェルディンガー、河本一郎編「ドイツと日本の会社法」昭和四四年二〇五頁。
(4)口゜z魯ヨ石゜pρω゜ω.
(5)閑゜国゜閃。聾Φコ斜鋤゜O°あ゜紹心゜
(6) 国゜Z①ごヨ一PPO己ω。腿曾
(7)即頃Φ3①三p°鋤゜ρω゜曽b。°
(8) 〉臼①び∪9ユpσq℃ωO『き巴訂甲ω゜ωお゜これとほぼ同じ見解がネームにもみられる。団゜Z①ゴヨ…費曽・O‘ω・幽・
(9)田臼口。hぎp暮…upωq霧け導§Φしd磐①碁⇒σqの毛匿§拝∪Φ居しd①巳Φσω-bdΦ§Φびま9ω゜①N°。.函賃再く§鑑魯
<oδ9≦〇三ヨα駐討耳虫8昌ぴ9>鼠i■8に¢昌σq号『ω8器ユ一9ωp甲ho西のσ躍窒NoPU冨≦葺のo冨津呂昌皆づσq℃お㎝ピω゜①卜。°
(10×11) 〉色①び∪費冒σq℃oQoずB巴欝…曽゜PO.”QQQo°ω島~ω畠.○°竃暮NΦ一9。曾◎°O‘ωω゜H設~H誤゜=°Z①ゲヨ 9°ρ・°O己
Qっ゜蔭゜
(12) 国二σq①⇒Qりo『ヨ巴Φ昌び口。6『…O⊇⇒房馨NΦo鼠コ=昌ゆqωヨμこ○一αqo『bd=蝉昌臥臼⊆昌ぴq矯NΦ搾ωoぼ嵐叶h貯70昌q2ω≦おωΦ話oげ駄島oげΦ閏o房?
ず億昌ひq博おQ◎ω9ω゜B㎝臨゜O①a≦臼巳口σq嘆一園ρo閑ω8=ロ昌ひq貯価霞切旨拶昌斜H89ω゜ ㊤凍゜
(13) 〉已Φび∪⇔居言ひq鴇QQoずヨpゆ犀N…鋤゜ρo°O這ωQQ°bっO~曽’
(14) ブレンナー(=°しdHO口昌①『)はこの判決について次のように解説している。
「従来、年金負債の貸借対照表計上に関しては、経営監査土協会(ぎω茸暮匹卑芝葺ωo冨h房肩鋒の「)の専門機関誌における
(121)
「西ドイツ株式法における引当金規定
一
見解が尊重されたQそれは、法的拘束力のある年金約束の場合には、企業は、確かに、正規の簿記および貸借対照表作成の諸
原則により将来の年金支払に対して引当金を設定する義務を負うということに基づいていた (≦馨ωo冨津ω箕鷺¢づoq”日り㎝ω)。
だが、 一九六一年二月二八日付判決の中で、連邦裁判所はその専門機関誌に表明されている見解に反対し、商法上の計上義務
を否認した。すなわち、貸借対照表作成者にはむしろ選択権が帰属する。『扶養期待権(く巽ωo「ぴq=昌σqω雪毛霞けωo冨津o昌)を保険
数学的大きさで計上する義務は存しない』と。
連邦裁判所はその判決を次のように理由づけている。すなわち、年金期待権による義務が計上されなければならないという
内容の商慣習または慣習法は存在しない。すべての場合において、確かに、年金約束は義務を根拠づける。だが、この義務は
年金の前提条件が発生した場合においてのみ履行されるべきであるという点およびもしや年金約束がすでに提供され、かつな
お提供されるべき勤労用役を弁済するために与えられた場合においてさえ、給料の追加支払義務は存在しないという点に、そ
の特殊性を有する。とりわけ、連邦裁判所の見解によれば、その前提は不動ではなく、確約された年金はすでにその約束がお
こなわれた時点から会社の費用としてかつまたー賃借契約の場合のようにーその支払がおこなわれる年度ではなく、反対
給付の年度ーそれは従業員の活動的勤務年限(口屏叶一くO 剛)一Φうの梓N①一叶)であるーに賦課されるべきである。賃借契約は、たと
え数年後にはじめてにせよ、確実に履行されなければならない義務である。しかし、年金義務の場合は、その年金事例が発生
していない限り、それと全く異なる。すなわち、この場合には、その約束に対してとにかくいくらかでも支出されなければな
らないかどうかは不確実である」と。国゜切a⇒p霞…P鋤。○;oQQQ°Oc。軽~①Q。α。
む す び
以上、われわれは一九六五年新株式法における引当金規定を概観した。これを一九三七年旧株式法における引当金
規定と比較してみると、そこでは、なによりもまず、引当金の許容範囲が拡大されていることがわれわれの目に留ま
るであろう。すなわち、旧法における引当金が「不確実負債に対する引当金」に限定されていたのに対して、新法で
はこれとほぼ同じ意味内容をもつとみられる「不確実債務に対する引当金」および「未決の取引から生ずるおそれの
31
@ある損失に対する引当金」の外に、 「中止された修繕および鉱内土砂除去に対する引当金」と「法律上の義務なしに
32叢一論学一商(122)
おこなう保証に対する引当金」が新しく追加され、引当金設定の許容範囲が相当程度拡張されているという点であ
る。このことは、とりもなおさずその背後に予定されている引当金概念それ自体が拡大され、債務性に未だ固執しな
がらも、しだいに費用性に目が向けはじめられてきたことを物語るものにほかならない.
ところで、新法にみられるこのような引当金の許容範囲ないしは概念それ自体の拡大化に対して、論者は、ごく一
部のもの(例えば前出のアルバッハ)を除いて、むしろ消極的な評価を与えているように思われる。例えば、シェルプ
(1)
フ(勺゜ ωOぽΦ『娼h)は実際上は従来と変わりないといい、さらにアドラi、デューリング、 シュマルツは 「これにょ
り(新法の一五二条七項の規定-引用者注)引当金の許容可能性は従来の貸借対照表作成実務に比べ部分的に制限され
(2)
る」とさえ述べている。
しかし、こうした見解において見落してはならないのは従来の貸借対照表実務が比較の基礎に置かれ、それと対比
されている点である。その実務自体これまで旧法における引当金概念を不当なほど拡張解釈してきたのである。そ淑
はネームの次の論述に明確にうかがわれる。
コ九三七年株式法には不確実負債に対する引当金の法律上の定義が欠けているために、この概念は経営経済文献
(3)
においてだけではなく、法律の注釈書および、特に貸借対照表作成者の実務において拡大解釈されていた。」「貸借対
照表作成実務はこの要求(成果計算の観点から引当金の概念規定をおこなうべきとする動態論老の要求i引用者注)にしぼ
しば過度に追従し、それに応じて一九三七年株式法の引当金概念1それは貸借対照表日においてその原因がすでに
存在している負債に関連するのであるから、本来静態的概念であるーを動態的に拡大し、そしてその下で費用の限
定、つまり貸借対照表において未だそれから生ずる義務が発生していないとしても経済的に経過年度に計上しうるよ
(4)
うな費用の把握をおこなってきた」と。
(123)一西ドイツ株式法における引当金規定一33
その意味では、新法における引当金規定は、まさにこのような実務における引当金概念の拡大化傾向の中で、それ
に対応して、 「中止された修繕および鉱内土砂除去に対する引当金」、「法律上の義務なしにおこなう保証に対する引
当金」など特定の非債務性11費用性引当金を明示的に承認し、旧法の下では未だ漠然としていた引当金概念を明確化
(5)
することによって、ネームのいうようにそれ以上過度な拡大解釈の可能性を阻止しようとしたものであり、たとえそ
の限りにおいてではあるにしても、旧法における静態的引当金概念を実質的に拡大しているとみることができるであ
ろう。
さらに、この点に関連して注目されるべきは、商法ないしは株式法上における固有の引当金としての「不確実債務
に対する引当金」あるいは一九三七年法における「不確実負債に対する引当金」の実体である。通常、この種の引当
金の中にはその発生または成立それ自体が将来の事柄に属し、かつきわめて不確実あるいは偶発的であるとみられる
債務(さらに損失)に対する項目までもが含められると解釈されている。鉱害引当金をはじめ、特許権ならびに商標
権侵害引当金、一連の保証引当金、訴訟引当金などがその典型である。
ミュツェは、これらのうち特に訴訟引当金に関説して「訴訟危険引当金の承認は将来発生する債務に対しても引当
金を設定することができるということを示唆している。それ故に、概して発生するであろうかどうかが不確実なもの
(6)
も『不確実債務』に含められる」と述べている。さらに、ホルスターは鉱害引当金に論及して、たとえこの場合にそ
の成立がさらに不確実な出来事の発生に依存するような将来的債務が問題であるとしても、それが一体どうして不確
(7)
実債務に対する引当金に含められるのかという疑問を提出している。ネームはこのホルスターが提起した疑問はさら
に保証引当金や訴訟引当金などにもあてはまることを指摘し、これら一連の引当金が不確実債務に対する引当金とし
て容認される論拠を次のように説明している。 「これらすべての場合において、債務の金額または支払期日について
34叢一論学一商(124)
ばかりでなく、債務が果たして成立するかどうかについても不確実性が存在する。その場合には、ただ経験に根ざし
た蓋然性だけが経済的原因発生(鼠器。9h島島Φ<興霞の9・9§σq)およびそれとともに債務の潜在的存在を推測させるの
(8)
である」と。
かくして、将来その発生が不確実あるいは偶発的とみられる債務(ないしは損失)にっいても、過去の経験にもと
つく確率論を援用して、債務の経済的原因の発生ー債務の潜在的存在を推定し、それに対して引当金の設定がおこ
なわれると解かれるのである。そこではもっぱら「用心の原則」、いいかえれば保守主義的な考慮が慶先していると
いわなければならないであろうQ
そのような意味では、新法では動態論において費用性引当金の典型とみられる定期的修繕引当金が承認されておら
ず、その限りでその引当金概念には未だ限定的な側面があるとしても、右にみたように、その成立もしくは発生が将
来の事柄に属し、しかもその原因がきわめて不確実あるいは偶発的であるとさえみられる債務(または損失)に対す
る引当金が承認されるという点においては、過去志向的損益計算体系として成立する動態論の引当金概念を通り越し
ていると考えざるをえないのである。
(1) ℃簿巽oQo7①壱h旧∪冨四騨二Φ口域oo茸=07①菊Φ07類信誹鵬ω一①ぴq匡5ぴq信昌Ω℃昌貯⇒単HO①刈葡ω゜㊤O°中村忠前掲論稿八頁。
(2)〉&。『L)費写oqbQ。畠ヨ聾N m°9°ρQ。°ω卜。刈゜
(3)(4)甲Z魯ヨヨ゜騨ρqn°㎝゜
(5) ネームは次のように述べている。 「法律条文も、とりわけ政府草案理由書よよび委員会報告書も、引当金に関する表示な
らびに評価規定の新しい把握にょって引当金概念を限定し、拡大解釈を防止することを意図していることを認識させる」と。
=°2Φゴ日 pp°OこQo°軽。
(6)ρ竃暮N。…p・°Pρω。H設゜
(7)閑゜鼻句o諺8コPp。ρQD°α潔゜
(8) 国゜2Φゴヨ甲P四゜○‘ω。偽゜