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7 1.「分かる授業」から「力のつく授業」へ 「分かる授業推進プラン」は、各校における実践が積み重ねられ、基礎学力 の定着や授業力の向上等、確かな成果を残してきた。反面、教員の多忙化や若 手教員の増加により、優れた実践の交流や次世代への継承等、新たな課題も明 確になってきている。これらの課題解消のキーワードとなる「個に応じた指導 の充実」、「授業の内容・質の向上」、「学校のチーム力の向上」を新たな3本柱 とし、分かる授業で培われてきた成果を発展的に継承するものが「力のつく授 業推進プラン」 である。このプランにおける「力のつく授業」とは、「分かる 授業」の成果を発展的に継承し、 「分かった!できた!活かせる!」 を目指し た授業とし、PDCA サイクルでの検証改善を行っていきながら、確かな学力の 育成を目指していくものである。 2.神戸版「学力の樹」モデル 「学力」とは、「自律力・絆力・向上力を基盤としながら、知識・技能、思 考力・判断力・表現力ならびに関心・意欲・態度すべてが一体となったもの」 である。その考え方を具体的に絵で表現したものが、「神戸版『学力の樹』モ デル」である。 神戸版「学力の樹」モデル 1 1 このモデルで表されて いる「自律力」とは、規 範意識を持ち、自分をコ ントロールできる力を、 「絆力」とは、他者を尊 重し、積極的に人間関係 を築こうとする力を、「向 上力」とは、将来の展望 をもち、努力できる力や 意欲的に学ぶ力をいう。 「早寝早起き朝ごはん」 など 10 項目は、「神戸っ 子チャレンジ 10 」からあ てはめたものである。 Ⅳ 特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて

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1.「分かる授業」から「力のつく授業」へ

「分かる授業推進プラン」は、各校における実践が積み重ねられ、基礎学力

の定着や授業力の向上等、確かな成果を残してきた。反面、教員の多忙化や若

手教員の増加により、優れた実践の交流や次世代への継承等、新たな課題も明

確になってきている。これらの課題解消のキーワードとなる「個に応じた指導

の充実」、「授業の内容・質の向上」、「学校のチーム力の向上」を新たな3本柱

とし、分かる授業で培われてきた成果を発展的に継承するものが「力のつく授

業推進プラン」である。このプランにおける「力のつく授業」とは、「分かる

授業」の成果を発展的に継承し、「分かった!できた!活かせる!」を目指し

た授業とし、PDCA サイクルでの検証改善を行っていきながら、確かな学力の

育成を目指していくものである。

2.神戸版「学力の樹」モデル

「学力」とは、「自律力・絆力・向上力を基盤としながら、知識・技能、思

考力・判断力・表現力ならびに関心・意欲・態度すべてが一体となったもの」

である。その考え方を具体的に絵で表現したものが、「神戸版『学力の樹』モ

デル」である。

神戸版「学力の樹」モデル

11 確確かかなな学学力力のの育育成成 ~~力力ののつつくく授授業業のの推推進進~~

このモデルで表されて

いる「自律力」とは、規

範意識を持ち、自分をコ

ントロールできる力を、

「絆力」とは、他者を尊

重し、積極的に人間関係

を築こうとする力を、「向

上力」とは、将来の展望

をもち、努力できる力や

意欲的に学ぶ力をいう。

「早寝早起き朝ごはん」

など 10 項目は、「神戸っ

子チャレンジ 10」からあ

てはめたものである。

Ⅳ 特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて

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3.学力向上推進プロジェクト事業

第2期神戸市教育振興基本計画における≪方向性1≫「一人一人の自立に向

けた力を伸ばす」の具体的な施策について、平成 26 年度は新たな事業(学ぶ

力・生きる力向上支援員の配置、神戸市学力定着度調査の実施、学習支援ツー

ルの導入)を立ち上げた。27 年度は、これらの取組をさらに拡充するととも

に、新たに「学力向上推進プロジェクト事業」に取り組んでいく。

「学力向上推進プロジェクト」体系図

4.学校における具体的な取組

(「→」以降は、委員会の取組の中から活用できる内容の一例を示している)

(1)個に応じた指導の充実

①学力調査や生活調査などによる実態把握

・学力調査や生活調査などの結果から児童生徒の実態を把握し、個に応じ

た指導の充実を図る。

→全国学力・学習状況調査や神戸市学力定着度調査の全数実施と調査結果

の個人配付

②知識・技能の定着に向けた取組の時間の確保

・授業の中で、基礎的・基本的な事項を定着させる時間や反復練習をする

時間をとる。

・「○○タイム」など、帯の時間を活用して漢字や計算プリントに取り組

む。

・放課後の補充学習教室を開く。

→神戸市独自開発教材「算数ダッシュ」「なるほど ザ 算数」「よみときブ

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ック」「まとめの達人(資料集)」などの活用

→学習支援ツールによる習熟度別プリントの作成と活用

③指導体制の工夫

・新学習システム教員などを活用して同室複数指導や少人数指導を行い、

一人一人の学習状況に応じたきめ細やかな指導を行う。

→「学ぶ力・生きる力向上支援員」の活用

(2)授業の内容・質を高める

①校内研修を活性化させ、教員一人一人が力量を高める

・研究授業や公開授業を積極的に行い、授業を「見る」「見てもらう」機

会を増やす。

・外部講師を活用して、質の高い研修を実施する。

・授業づくりセミナーなどの自主研修に進んで参加する。

→「学力向上担当者連絡会」における優れた実践の共有や情報交換

→「力のつく授業」研究指定校の指定と学力向上支援チーム派遣

→「神戸授業マイスター」などによるモデル授業の動画配信

②授業スタンダードの確立

・授業の進め方(「ねらい・めあて」⇒「学習活動」⇒「振り返り」)やノ

ートの取り方なども含めて、学校独自のガイドラインを作成し、学校全

体の共通指導事項とする。

・すべての教科において言語活動を位置づけ、思考力・判断力・表現力の

育成を図る。

→「力のつく授業ガイドライン」の作成および全教員への配付

→「力のつく授業普及ブック」の作成と全校配付

(3)学校のチーム力を高める

①学力傾向や課題の共通理解

・全国学力・学習状況調査や神戸市学力定着度調査の問題を全教員で解い

てみて、今求められている学力のイメージを共有する。

・学力調査の結果を全職員で分析し、学校の学力傾向や課題について共通

理解を図る。

→全国学力・学習状況調査、神戸市学力定着度調査の分析用データの作成

及び配付

②家庭学習についての共通理解

・家庭学習の内容や与え方などについて職員全体で共通理解を図るととも

に、丁寧に評価をする。

・学習習慣の定着や学力・学習意欲の向上に取り組めるよう、学習内容に

関する具体的な情報を家庭に発信する。

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1.国際教育の目的

・外国の人々や文化を理解し尊重する態度や、異なる文化をもった人々ととも

に生きていく資質や能力の育成を図る。

・自国の文化や伝統に対する理解と関心を深め、豊かな国際性をはぐくむ中で

自己の確立を図る。

・世界で広く使われている英語によるコミュニケーション能力の育成を図る。

2.国際教育推進の取組(外国人英語指導助手〔ALT〕の活用も含む)

(1) 中学校・高等学校における英語教育の推進

①4技能(「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」)の総合的な育

成を図る英語教育の推進

②「神戸国際人育成プログラム」

(KICP:Kobe International Caravan Program)

複数の ALT を1校に派遣し、生徒の英語による

コミュニケーション能力を育成する。

③「中学生英語サマースクール」

ALT や神戸市外国語大学生と、英語などの外国

語を使って活動する。

④「神戸イングリッシュ・フェスティバル」

国際学校・外国人学校の生徒と中学生が、英語

のプレゼンテーションを通して交流を図る。

(2)小学校外国語活動の推進

①子供たちが英語を使いたくなるような授業づくりのキーワード

『意味のある場面で 意味のある情報を 意味のある相手に伝える』

②新たな英語教育の導入

井吹台中学校区の小・中学校4校を研究推進校に指定し、 ALT を重点配

置して、教科化に向けたカリキュラムの研究、教材開発に取り組む。

③授業改善を促す「小学校外国語活動実践事例集」の作成配付

④3・4年生にも総合的な学習の時間の中での「国際

理解」の授業を実施

⑤外国人指導助手デリバリーサービス(DS)

複数の ALT を1校に派遣して授業等で活用

国際都市神戸の環境を生かし、グローバル社会に対応した英語教育、国際理解・

多文化共生教育、国際交流の充実を図る。

2 国国際際教教育育

神神戸戸ららししいい特特色色ああるる教教育育

神戸イングリッシュ フェスティバル

中学生英語サマースクール

小学校外国語活動

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(3)教員等の指導力・英語力の向上

①神戸市外国語大学との連携

・小学校外国語活動基本研修

講義や模擬授業を通して小学校教員の指導力向上と、授業への自信

の醸成を図る。

・スキルアップ研修

各方面より講師を招き、中高英語教員の英語のコミュニケーション

能力と指導力の向上を図る。

②ALT の資質向上を図る様々な研修

(4)国際交流事業の推進

①姉妹都市であるブリスベン(オーストラリア)や

シアトル(アメリカ)・友好都市などを中心とした

教育国際交流

②JICA 関西・兵庫県国際交流協会などとの連携・協力による海外からの訪問

団との交流会やホームステイ受入

③関係機関や大学、企業、NPO との連携による国際教育・多文化共生教育

(5)「こうべ地球っ子プログラム」の推進

神戸市及び近隣に在住の外国人を講師として小学校に派遣し、講師の出

身国・地域の自然や文化などについて、外国の方と直接ふれ合いながら学

習する機会を提供することで、体験的な国際理解教育を実施する。

3.日本語指導が必要な外国人児童生徒への支援

日本語指導が必要な外国人児童生徒の学校生活適応

や学習支援、心の安定を図る支援策

①子ども多文化共生サポーターの派遣

日本在留3年未満の児童生徒に対し母語ができる

サポーターを小中学校に派遣

②神戸市外国人児童生徒受入校支援ボランティアの派遣

①の制度を補完するため、幼稚園・小中高等学校へ、その幼児児童生徒

の母語ができるボランティアを派遣

③神戸生田中学校 JSL 教室の開催(JSL:Japanese as a Second Language)

市立中学校に在籍する、日本語指導が必要な生徒に対し、日本語指導が

できる支援員が、学習言語レベルの日本語指導を実施

④日本語指導教室の開催

日本語指導を通して、生活適応や学習支援など学校生活への適応を促進

するとともに、母語や母文化に触れる活動を通して児童の自尊感情を醸成

するため、対象児童が多数在籍している7小学校に対して人材を配置

神戸市立高校生シアトル派遣

神戸生田中学校JSL教室

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① 震災体験から学んだ教訓を生かす 震災体験を語り継ぎ、「命の大切さや助け合い・思いやり・家族の絆等の大切さ」を教訓

として、よりよい生き方を身に付けること

② 災害による被害を最小化する=減災 自分の命は自分で守れるよう、様々な防災課題に対する知識や技能を身に付けること

③ 思いの共有化 新たな防災課題に対しても、思いを共有し、知恵と力を生かしていくこと

1.『震災』と『復興』の過程で得た教訓を生かす ~神戸の防災教育の目指す方向~

平成7年(1995年)1月 17日に発生した兵庫県南部地震により、多くの尊い人命が奪

われ、神戸は大きな被害を受けた。大混乱の中、多くの学校が避難所となる中、教職員は

学校再開に向けての努力を重ねた。そこでの教訓が神戸の防災教育の根底に流れている。

震災以降、神戸の防災教育が目指した方向は、次の3点である。

2.神戸の防災教育が目指す子供像

「生きる力を育む防災教育」として再出発した神戸の防災教育が目指す子供像は次の

6つである。

3.校内防災研修の充実

「しあわせ はこぼう」「幸せ運ぼう」を計

画的に活用したり、重点教材や重点単元を設

定したりするなど、校内防災研修を充実させ

ることが大切である。また、阪神・淡路大震

災の被災経験者や東日本大震災への被災地支

援者などの校内外の人材を活用したり、自作資料を作成したりするなど、児童生徒の

心に響く防災学習を積極的に実践することが大切である。それらの授業実践や指導案

を蓄積していくことが継続した防災教育の推進につながる。

4.防災教育カリキュラムの見直し

災害は火災、地震だけではない。津波、洪水、土砂災害、落雷、竜巻など自然災害は

多岐に渡っており、それらの自然災害について、児童生徒に教えることが大切である。

○ 困難な状況に出会った時、自ら判断し、主体的に行動できる子供

○ 自他の命や人権を尊重できる子供

○ 相手の思いに寄り添い、共感的に受け止める優しさをもつ子供

○ 自然を正しく理解し、そのすばらしさに気付くとともに畏敬の念をもつ子供

○ 社会の一員としての自覚をもち、社会に対して積極的にかかわろうとする子供

○ 自らのかけがえのない命を自分で守ることができる子供

3 防防災災教教育育

神神戸戸ららししいい特特色色ああるる教教育育

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中でも、都賀川の水難事故を受け、河川の増水災害については、河川から離れた学校

であっても、指導することが必要である。

また、津波災害については、臨海部にある学校園だけでなく、すべての学校園の子

供に対して、登下校時、校外学習時、家庭、家族旅行などでの津波に対する防災意識

を高める指導を推進することが大切である。

防災教育カリキュラムに、河川の増水災害、津波災害の内容を入れ、それぞれの災

害からの避難方法を周知する必要がある。

5.防災マニュアルの改善

6.震災から 21年 新たに学ぶ・ともに学ぶことを通して震災を見つめ直す

阪神・淡路大震災の風化が叫ばれる中、他都市出身であったり当時幼かったりして、

震災の記憶や経験をもたない教員が増えてきている。震災での被災体験がなくとも、神

戸市の教員として、躊躇せずに防災教育を推進することが大切である。各校園では、先

輩教員から若手教員へ、震災から得た教訓の継承に努め、『新たに学ぶ・ともに学ぶ』

という姿勢で、防災教育研修を深め、日々の取組を継続することが大切である。

震災から 21年となる平成 27年度、新たに学ぶ・ともに学ぶことを通して、震災を見

つめ直し、阪神・淡路大震災の教訓の継承につなげたい。

「防災マニュアル見直しの5つの視点」 ・学校園の地域特性に応じた避難場所、避難経路の設定 ・学校園の地域特性に応じた避難訓練の計画、実施 ・災害発生時における教職員の状況別役割分担の明確化 ・避難所の開設準備や役割分担の明確化 ・児童生徒等の引き渡し方法の明確化と保護者への周知

(防災マニュアルの作成・反映)

・地域特性に応じた

防災マニュアルの作成

・改善点を防災マニュアル

に反映させる。

(防災訓練の実施)

・防災マニュアルに基づ

いた防災訓練を実施す

る。

(防災訓練の評価)

・防災訓練についての

評価を行い、改善点を

見つけ出す。

(改善点についての話し合い)

・改善点について

の話し合いを行い

共通理解する。

(防災訓練の評価)

・防災訓練についての

評価を行い、改善点を

見つけ出す。

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今、子供たちには、将来、社会的・職業的に自立し、社会の中で自分の役割を

果たしながら、自分らしい生き方を実現するための力が求められている。この視

点に立って日々の教育活動を展開することこそが、キャリア教育の実践の姿であ

る。学校の特色や地域の実情を踏まえつつ、子供たちの発達の段階にふさわしい

キャリア教育をそれぞれの学校で推進・充実させる必要がある。

<指導のポイント>

・各教科、道徳、総合的な学習の時間、特別活動などにおいて、児童・生徒の基

礎的・汎用的能力を高めるために、「キャリア発達」を促す内容を整理し、そ

れらをつなげていく。

・キャリア教育を系統的・組織的に推進していくために全体計画や年間指導計画

を作成する。

・家庭や地域の人々との連携を図る中で学習を進める。

4 キキャャリリアア教教育育

望ましい勤労観・職業観及び職業に関する知識や技能を身に

付けさせるとともに、 自己の個性を理解し、 主体的に進路

を選択する能力・態度を育てる。

発達の段階に応じて

小学校段階から教育活動

全体を通じての系統的な

取組の積み上げ

体験活動を通して

職場見学・体験、トライや

る・ウィーク、インターンシ

ップなどの体験活動の充実

連携・協力して

学校と家庭・地域・産

業界等の連携・協力体

制の強化

○一人一人のキャリア発達の支援

○学ぶことや働くこと、生きることの尊さの実感と学ぶ意欲の向上

○将来の社会的自立・職業的自立の基盤となる資質・能力・態度の育成

○望ましい勤労観・職業観の育成

キャリア教育が目指すもの

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◆小学校段階

【内 容】

○自己及び他者への積極的関心の形成・発展

○身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の

向上

○夢や希望、憧れる自己イメージの獲得

○勤労を重んじ目標に向かって努力する態度

の形成

低学年

自分の好きなこと、できることを増やし、様々な活動

への興味・関心を高めながら意欲と自信をもって活動

できるようにする。

中学年

友達のよさを認め、協力して活動する中で、自分の持

ち味や役割を自覚することができるようにする。

高学年

苦手なことや初めて経験することに失敗を恐れず取

り組み、そのことが集団の中で自分への自信につなが

るようにする。

【目 標】

児童の発達の段階に応じて、社会人として必

要な自律性や社会性を育て、一人一人の児童

がそれぞれの進路を探索・選択する力を培う

うえで、重要な基盤を形成する。

◆中学校段階

【目 標】

一人一人の中学生が、将来の進路と日々の教

育活動とを結び付け、自分と社会をつなぎな

がら、力強く未来を拓く力を獲得できるよう

にする。

【内 容】

○肯定的自己理解と自己有用感の獲得

○興味・関心に基づく勤労観・職業観の育成

○進路計画の立案と暫定的選択

○生き方や進路に関する現実的探索

1 年生

・自分のよさや個性を理解し、集団の一員としての役

割を理解し、果たそうとする。

・将来に対する漠然とした夢やあこがれを抱く。

2年生

・社会の一員としての自覚を持ち、社会や大人を客観

的にとらえる。

・将来への夢を達成するうえで現実の問題に直面し模

索する。

3年生

・自己と他者の個性を尊重し、人間関係を円滑に進め

られる。

・将来設計を達成するための困難を理解し、それを克

服する努力に向かう。

◆高等学校段階

【目 標】

社会・職業の現実的理解を深め、将来の社会

への参画のために、生涯にわたる多様なキャ

リア形成に共通して必要な能力・態度を身に

付け、望ましい勤労観・職業観を育てる。

【内 容】

○自己理解の深化と自己受容

○選択基準としての勤労観・職業観の確立

○将来設計の立案と社会的移行の準備

○進路の現実吟味と試行的参加

1年生

・新しい環境に適応するとともに他者との望ましい人

間関係を構築する。

・学習活動を通して自己の能力適性を理解する。

・様々な情報を収集し進路選択の幅を広げる。

2年生

・他者の価値観や個性を肯定的に認め、受容する。

・学習活動を通して勤労観・職業観を育成する。

・自己の職業的な能力適性を理解し将来設計を図る。

・進路実現に向けた課題を理解し、検討する。

3年生

・自己の能力適性を的確に判断し、卒業後の進路につ

いて具体的な目標や課題を定め実行に移す。

・理想と現実の葛藤を通して困難を克服するスキルを

身に付ける。

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1.環境教育の目的 2.環境教育推進の取組

3.取組例

55 環環境境教教育育

・環境教育の年間指導計画を作成し、環境や環境問題についての基本的なこと

を、各教科で学ぶ。

・生命や自然を大切にしたり環境に優しい取組をしたりして、自然に直接ふれ

る体験型の学習を行う。

・社会の変化への対応の観点から教科などを横断して進め、環境局や地域社会、

NPOなどと連携して、学校における持続可能な開発のための教育(ESD)の推

進を行うようにする。

教科など ①理科 生物と環境とのか

かわりや環境の保全、自

然エネルギーの活用など

②社会科 くらしとごみ、国土の開発と自然、自然を守る運動など

③家庭科や技術家庭科 自然に優しいくらし、消費と環境など

④「くらしとごみ」や「わたしたちの神戸」などの副読本活用

⑤総合的な学習の時間では、例えば、地域の希少な生物の保全やエネルギーや資源の有効活用など学校や地域に合った内容を取り入れた取組

⑥学校ビオトープや学習園 などの校内の自然環境を 整え、豊かにしたことを 生かした学習

環境体験事業 小学校第3学年では、

環境体験事業を神戸市全小 学 校 で 継 続 し て 実 施し、直接生き物や自然に触れる体験を通して、生命の大切さを学ぶとともに、子供たちのふるさと意識をはぐくむ。

環境局などとの連携 ①ごみの分別やリサイク

ル な ど に つ い て 学 ぶ

「ふれあいごみスクー

ル」や、エネルギー問

題などに取り組む「く

らしのエコチェック」

②下水処理場やクリーン

センターなどの施設の

見学

③「地球温暖化と私たち

のくらし」をテキスト

に使用し、家庭での光

熱費・ごみの削減につ

いての環境チェック活

動(中学校)

④プールのいきもの救出

作戦、環境ポスター展、

身近な生き物調査、学

校ビオトープ、ミニ田

んぼなど

○教育基本法「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと」

○学校教育法「学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと」

○児童生徒が環境問題やエネルギー問題などについての正しい理解を深め、生命を大切にし、環境を守るための行動がとれるような態度を育成する。

学校版 KEMS (神 戸 環 境 マ ネ ジ メ ン

トシステム )

各学校園では、環境教育の年間計画を作成し、節水・節電・リサイクルを考える等、身近なところから「低炭素社会の構築」(CO2の削減)に向けての取組を行う。

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1.福祉教育の位置付けと目標 神戸市教育振興基本計画(平成 26 年3月策定)では、「神戸の子供たちに

身に付けてほしいこと」として、以下のことが規定されており、福祉教育を推進する上での、バックボーンになっている。

2.具体的な取組

3.留意点や配慮事項

福祉教育とは、国民の社会福祉への関心と理解を深め、ボランティア活動や実習体験など

を通して社会福祉活動への参加を促し、福祉社会の担い手の育成をめざす教育活動である。

・児童生徒の発達の段階に応じて、各教科、道徳、総合的な学習の時間、特別活動など

において、社会福祉についての理解を深める指導を行う。

・学校教育の目標と福祉教育の具体的目標との関連を図り、地域と連携をとりながら多

様な実践が行えるよう工夫する。

教 育 活 動 全 体 を

通して意図的・計

画 的 に 行 う よ う

にする。

(1) 小学校では6年間、中学校では3年間で一

貫性のある指導計画を立てて指導する。

(2) 小中学校での福祉教育の内容の重複を把握

し、有意性のある指導を心掛ける。

(3)UD(ユニバーサルデザイン)学習、シニア

体験、車いす体験等の体験学習、特別支援

学校や地域の高齢者などとの交流学習を

推進する。

(4) 各区社会福祉協議会ボランティアセンター

や NPO及びボランティア団体などとの連携

を図り、ボランティア活動や地域行事、ワ

ークキャンプ(福祉体験学習)などへの参

加を推進する。

今後、福祉教育を進めていく

過程で、サービスラーニング

や防災教育・災害教育(災害

弱者)の視点を含めていく。

(1)人権を大切にし、みんなと共に生きる

・人の命を尊び、違いを認め、互いの個性を

尊重し、助け合い、共に生きる。

(2)社会の良き形成者としての

資質と自覚を高める

・倫理観、規範意識、忍耐力、責

任感など社会の良き形成者と

なるための資質を身に付け、他

者との協働に努め、社会の一員

であるという自覚をもって行

動する。

(3)豊かな国際性を身に付け、地

域や国際社会の発展につくす

・日本の伝統や文化への理解を基盤と

しながら、国際都市・神戸の未来を

担う人材にふさわしい、豊かな国際

性を身に付け、異なる文化や価値観

を尊重し、共に生き、地域の一員と

して地域やまちを愛し、地域や国際

社会の発展につくす。

66 福福祉祉教教育育

神神戸戸ららししいい特特色色ああるる教教育育

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人権は、人間の尊厳、一人一人の幸せにつながる基本的な理念である。子

供たちに人権の意義やその重要性の理解を図り、日常生活の中で、人権尊重

の意識が態度や行動として表れるような人権感覚を身に付けさせる必要が

ある。神戸市教委では、平成14年に「人権教育の推進について」を策定し、

その中で4つの目標を掲げ、この目標を具体化し、実践するために、下記の

ように「目標の内容と取組の手がかり」と「教職員の役割と研修、実践」を

まとめた。

1.目標の内容と取組の手がかり

(3)偏見や差別の解消

①人権尊重の感性をはぐくむ ②人権についての理解を深めるようにする ③人権にかかわる技能・態度を身に付けるようにする

・人権課題を自分とのかかわりで考え、解決しようとする意欲を育てる。

・すべての教育活動を通じて、人権尊重の精神についての理解を深めるようにする。

・発達の段階に応じて、偏見や差別に対する正しい認識が深まるよう、学習内容を工夫する。

・参加型学習の手法を取り入れ、子供自らが「感じ、考え、行動する」ことを通して、人権感覚を磨くことができるようにする。

(4)人権感覚豊かな学習環境の創造

①自立を目指した生活を確立できるよう にする

②豊かな人間関係を築き責任感を育てる ・安心感のある居場所や、意欲をもって登校

できる環境をつくる。 ・互いの立場で考えを認め合い、何でも語り

合える、開かれた学級・学校をつくる。 ・自分たちの力で学級のルールをつくるなど

権利と義務を考える場面や環境をつくる。 ・生命の尊さを学び、いじめや暴言などをな

くす取組を進める。 ・遊びや創造的な活動を通して、豊かな人間

関係づくりを進める。

(1)自己実現の力の育成 ①自尊感情をはぐくむ ②基礎学力の定着、向上を図る ③自立・向上心を育成する ・よいところを見付け、自信をもたせ、

夢や希望を育てる。 ・子供の実態を把握し、子供によりそい、

個に応じた指導を進める。 ・校種間の連携を図り、基礎学力の向上

に努める。 ・複数指導などの効果的な学習形態を充

実し、きめ細かい指導を行う。 ・情報や資料の活用能力を高める。 ・コミュニケーション能力を育てる。 ・生涯を通して、学習していく意欲と実

行力を養う。

(2)共生の態度の育成 ①「共に生きること」についての理解を深めるようにする

②違いを認め、協力し合う態度を育てる ・共生するための役割と責任を考えるこ

とができるようにする。 ・男女共同参画の理念を理解し、協力す

る態度を育てる。 ・校種や年齢をこえて子供たちの交流を

進める。 ・自由に意見が言え、互いの意見が尊重

される雰囲気をつくる。 ・障害者や高齢者との交流を深める。 ・在日外国人の多様な文化、習慣などを

理解し、尊重する態度を育てる。

7 人権教育

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19

学校・教職員

家庭・地域・他校種

2.教職員の役割と研修、実践

主な人権課題 ① 女性 ②子供 ③高齢者 ④障害者 ⑤同和問題 ⑥アイヌの人々 ⑦外国人 ⑧ HIV感染者・ハンセン病患者等 ⑨刑を終えて出所した人 ⑩犯罪被害者等 ⑪インターネットによる人権侵害 ⑫北朝鮮当局による拉致問題など ⑬その他(ホームレス・性的指向・性同一性障害者・東日本大震災に伴う人権問題など)

(『人権教育・啓発に関する基本計画』より)

すべての教育活動で人権教育を! 『人権教育の指導方法等の在り方について 第三次とりまとめ』では、児童生徒の

人権感覚の育成には、正規の教育課程と並び、「隠れたカリキュラム」が重要であるとの指摘がある。これは、教育する側が意図する、しないに関わらず、学校生活を営む中で、児童生徒自らが学びとっていくすべての事柄を指すものであり、学校・学級の「隠れたカリキュラム」を構成するのは、それらの場の在り方であり、雰囲気といったものである。例えば、「いじめ」を許さない態度を身に付けるためには、「いじめはよくない」という知的理解だけでは不十分である。実際に、「いじめ」を許さない雰囲気が浸透する学校・学級で生活することを通じて、児童生徒ははじめて「いじめ」を許さない人権感覚を身に付けることができるのである。だからこそ、教職員一体となっての組織づくり、場の雰囲気づくりが重要である。

人権尊重の意識を高める

・人権に関する歴史や現状、課題の認識を深め、人権尊重の意識や感性を高める。

・「子供は権利を行使する主体である」(児童の権利条約)ことを認識し、子供への共感的な理解を深める。

・子供同士の認め合い、高め合いがある「分かる授業」を実践する。

・体罰や不適切な言動、セクシュアル・ハラスメントやパワーハラスメントを許さない環境をつくる。

・ネットトラブルが起こらないように、情報機器の正しい使用方法を「インターネット安全教室」などを通して指導する。

人権教育の進め方を工夫する

・人権教育推進委員会の充実と活性化を進め、人権に関する知識、技能、態度の習得を図るとともに、社会の変化に対応できる研修や研究を推進する。

・体験学習や、ボランティア活動、参加型学習の手法(ディベート、ランキング、ロールプレイなど)について研修を進める。

・研究校園指定事業や区域別学校園人権教育推進協議会などを活用する。

家庭・地域との連携を進める

・「開かれた学校園づくり」を進め、家庭・地域との連携を推進する (学校での人権学習を受けとめる家庭・地域の基盤づくり )

神戸っ子応援団…地域等による学校教育への参画や支援

ゲストティーチャー…保護者や地域の人材を活用

交 流 活 動…体験的活動を推進する (関連施設、大学、企業、 NPOな ど )

校種間の連携を進める

・幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校間の協力と連携を進めるために、区域別学校園人権教育推進協議会の充実を図る。

・課題を共有し、系統的、継続的な教育を実施する。

校種間連携…発達段階に応じた学習を計画する。 (調整、協力、研修)

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20

1.伝統や文化に関する教育の目的

2.各教科などでの我が国の伝統や文化についての理解を深める学習

3.地域教材等を活用した地域学習や、地域の実態に応じた体験的な活動の取組

・国語 昔話や神話、伝承、我が国において長く親しまれている古典や近代以降の物語などの作品

に触れ、理解を深める。

・社会 古くから残る建造物、地域の人々が受け継いできた文化財や年中行事、伝統的な工業など

の地場産業の盛んな地域、伝統や文化などの地域の資源を保護・活用している地域、郷土の発展

に尽くした先人の働きなどを地域学習で取り上げる。

・算数・数学、理科 算数ではそろばんを、理科では里山などの自然環境保全や産業史などを取

り上げる。

・音楽 歌唱や民謡、郷土に伝わる歌、和楽器などについての指導を充実し、これらの継承と創造

への関心を高める。

・図画工作・美術 伝統的かつ創造的な側面をもつ美術文化への関心を高める。

・技術・家庭 衣食住にわたって伝統的な生活文化に親しみ、その継承と発展を図る。また、和服

の基本的な着装や、地域の伝統的な行事食、郷土料理などを扱うことができる。

・保健体育 武道の指導を充実し、我が国固有の伝統や文化に、より一層触れる。

・道徳 日本や郷土の文化と伝統に関する関心や理解を深め、尊重し、継承・発展させる。

・総合的な学習の時間 伝統と文化など地域や学校の特色に応じた課題について学習活動など

を行う。地域の人材や文化遺産などを効果的に活用して取り組む。

・特別活動 地域の伝統や文化に触れる機会を積極的に設定し、地域の理解と郷土に対する誇

りや愛情をもつ。

○「わたしたちの神戸」(小学校)・「私たちの神戸」(中学校)の活用

○「ことばひろがる よみときブック」(小学校3~6年生用)の活用

○「トライやる・ウィーク」(中学校2年生)を通しての地域理解など

国際社会で活躍する日本人の育成を図るうえで、我が国や郷土の伝

統や文化を受け止め、そのよさを継承・発展させるための教育を充実

させることが必要である。グローバル化社会の中では、自分とは異な

る文化や歴史に敬意を払うことにより、これらに立脚する人々と共存

することができる。また、伝統や文化への深い理解は、他者や社会と

の関係だけでなく、自己と対話しながら自分を深めていくうえでも重

要である。(平成 20年1月中央教育審議会答申より)

○伝統や文化を尊重し、我が国と郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う。

視 点

・我が国の伝統や文

化への理解

・地域の文化財や伝

統文化・芸能の継承

・豊かな国際性のは

ぐくみ

○「神戸はかせトライアル」(小学校4年生対象)の実施

8 伝伝統統・・文文化化にに関関すするる教教育育

神神戸戸ららししいい特特色色ああるる教教育育

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1.芸術教育の目的

芸術の幅広い活動を通して、生涯にわたり芸術を愛好する心情を育てるとと

もに、感性を高め、芸術の諸能力を伸ばし、芸術文化についての理解を深め、

豊かな情操を養う。

・子供たち一人一人が自分の心情や考えを生き生きと表現する活動を推進し、

創作活動の喜びを味わい、芸術を愛好する心情の育成を図ること。

・芸術に対するとらえ方や考え方を深化させたり、それを自ら表現したりす

る創造的な能力を高めたりしていくこと。

・芸術に関わる幅広い活動を展開し、我が国及び諸外国の優れた文化財産や、

芸術文化に関心を持ち、生涯にわたり主体的にかかわっていく態度をはぐ

くむ取組を推進すること。

2.芸術に関する教育の充実を進める各学校における取組

・音楽、図画工作、美術、工芸、書道の授業や文化部活動などを通して、子

供たちが創造活動の喜びを味わい、芸術を愛好する心情や豊かな感性を育

てる芸術教育を推進する。

・地域の芸術家や美術館などと連携して、神戸の持つ優れた文化財産や、芸

術に親しめる取り組みを幅広く進めることで芸術文化への理解を深め、生

活を豊かにする芸術と生涯にわたって主体的にかかわる態度を育てる。

○創作活動の喜びを味わう学習

・子供たち一人一人が自分の心情や考えを生き生きと表現でき、お互いの表

現が認められる授業を推進する。

・生徒の主体的な芸術活動の場である文化系クラブ活動の活性化を図る。

○見方や感じ方を広げる活動

・表現と鑑賞の一層の関連を図ったり、本物に触れるなど多様な鑑賞体験の

場を設けたりして、子供たち一人一人の感性を刺激し、見方や感じ方を広

げ、豊かな情操をはぐくむ。

・活動の成果を発表する場所や、子供たちがお互いに鑑賞したり交流したり

する場を設け、子供たちの芸術活動の定着や、活性化を図る。

○地域人材・施設との連携

・芸術の専門性を有する外部人材、美術館などと連携した活動を行う。

・地域人材・施設と連携を進め、学校、地域で子供の芸術教育を推進する。

99 芸芸術術にに関関すするる教教育育

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豊かな人間性をはぐくむ積極的な生徒指導の推進

1 児童生徒理解の深化と信頼関係の構築

2 学級経営の充実と学校づくりの推進

(1)いじめのない学級・学校づくり

(2)子供たちが生き生きとし、居場所のある学級・学校づくり

1100 生生徒徒指指導導

児童生徒理解の深化

信頼関係の構築

自己肯定感を高めることを大切に!

子供たちが充実感や達成感を得られる授業や行事を通じて絆を深め、信頼関係を築く。

人間的なふれあいを大切に!

・ 子供たちとふれあう機会、共に活動する姿勢をもち、チャンスカウンセリングなど効果的な教育相談を積極的に取り入れる。

個に応じた的確な指導を大切に!

・ 教職員間で子供たちの情報を広く共有し、多面的、総合的に児童生徒をとらえ、子供たちの特性や状況に応じた指導をする。

分かる授業を進めることを大切に!

分かる授業を推進すると同時に楽しい学校づくりを目指すことが大切であり、絶えず研鑽に励む。

生徒指導の意義と役割

生徒指導は、子供たち一人一人の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して行う教育活動である。 よって、各学校において、生徒指導が、学校の教育目標を達成する上で重要な機能を果たすものであり、教育課程内外において自己指導力の育成を目指すという生徒指導の積極的な意義を踏まえ、学校の教育活動全体を通じ、一層の充実を図っていくことが大切である。 生徒指導の役割は、自主、自立及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うことである。 ついては、すべての子供たちにとって、学校生活が有意義で興味深く希望に満ちたものになるよう、子供たちの発達段階に応じた指導を充実させなければならない。 そのために、「こうべっ子豊かな心育成プラン」を推進し、教育活動全体を通して

「命を尊ぶ気持ち」「思いやり」「助け合う心」をはじめとした豊かな心をはぐくむと同時に、規範意識と倫理観を醸成させていくことが重要である。

温かさの中に毅然とした態度を!

子供のいるところに教師あり!

○子供たちが積極的に明るいあいさつを交わすようにする。

○互いの違いを認め、個性を尊重し合うことができる集団づくりをする。

○自己有用感や自己実現の喜びを十分に味わわせる。

○いじめは「人権を侵害する決して許せない行為」であることを子供たちに理解させ、

思いやりあふれる学級づくり、いじめのない明るい学校づくりをすすめる。

○神戸市・学校いじめ防止基本方針に基づき、「いじめ指導三原則(するを許さず、され

るを責めず、第三者なし)」を意識し、いじめの未然防止、早期発見、早期対応、組織

的な対応が重要であることを念頭において取組をすすめる。

○「いじめ防止小中地域会議」「こうべっ子いじめ防止広域キャンペーン」など児童生徒

の自主的な活動を中心として、地域ぐるみのいじめ防止対策を推進する。

○インターネットやソーシャルメディア利用によるいじめの未然防止・早期発見を図る

ため「インターネット安全教室」や「学校ネットパトロール」を有効に活用する。

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(3)子供たちの夢や希望をはぐくむ学級・学校づくり

(4)子供たちが支え合い、高め合う学級・学校づくり

(5)子供たちの規範意識を育て、健全な価値観をはぐくむ学級・学校づくり

3 命を大切にする指導と事故防止の徹底

4 校内指導態勢の充実と開かれた生徒指導の推進

○計画的・組織的な取組の推進 ・全職員の共通理解 ・実態に応じて重点化された態勢 づくり

○積極的な情報発信 ・課題や指導方針・方法の提示 ・学校園との交流 ○教員の資質向上 ・実践的指導力の向上 ・信用失墜行為(セクシュァルハラスメント・体罰など)の禁止

○命を大切にする指導の徹底 自他の生命の尊重について各教科、道

徳、特別活動等、あらゆる機会を通して継続的・計画的に指導する。

・交通事故防止(体験的な交通安全教室の実施)*自転車指導では加害者となり得る

ことや保険についても取り扱う

・防犯教育(防犯チェックシートの活用等)

・薬物(危険ドラッグ等)乱用防止

・自殺防止 など

○情報モラル教育の徹底 情報化社会における正しい判断力や

望ましい態度を育てるとともに、利用時の危険回避など正しく安全な情報の利用を含めた情報モラル教育を行う。また、保護者にもネット社会に潜む危険性やフィルタリング義務などの啓発に努め、協力態勢づくりを図る。 ・いじめや人権侵害 ・機器への依存

・有害サイトによる被害 など

学校 地域・保護者 関係機関・隣接校園

○問題行動の未然防止と早期発見・早期対応

○解決が困難な問題の指導や支援

・スクールカウンセラー

配置の拡充 ・スクールソーシャルワ

ーカーの配置 ・所轄警察署・少年サポ

ートセンター・こども家庭センターなどとの連携の深化

○子供たちがボランティア活動や地域諸行事に参加できる態勢づくり

○異年齢の子供たち同士や地域の人々との交流による思いやりの心や生き方を学ぶ場の設定

○地域・家庭が子供をはぐくむ風土づくり

連 携

○自然・社会体験や福祉・勤労体験などの体験学習を通して、子供たちに将来への希望

をもたせる。

○多様なものの見方や考え方を身に付け、主体的で創造的な学校生活を送るよう支援す

る。

○児童会、生徒会、学級活動、行事など子供たちの自主的、実践的な活動を積極的に支

援する。

○活動への意欲・態度を正しく評価し、良好な人間関係を築く力、問題を解決しようと

する態度を養う。

○子供たちが基本的生活習慣を身に付け、ルールやマナーなど社会性を培うよう支援す

る。

○時と場に応じた責任ある言動がとれるよう判断力・実践力を高めるよう支援する。

○安全確保と危機管理の態勢づくりの徹底

・登下校時を含めた学校内外の生活において、子供たちが自ら事故の未然防止を図り危険を回避する判断力・行動力を身につけるよう指導する。

・PTA 等や地域諸団体、関係機関、近隣校園との連携を密にし、緊急連絡体制を確認して安全確保や事故防止に努める。

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自他の生命の尊重 法やきまりの意義の理解 家庭や地域との連携

自他の生命の尊重 自律の精神 社会連帯の精神

義務を果たし責任を重んずる態度 よりよい社会を実現しようとする態度

自他の生命の尊重 きまりを守る 基本的な生活習慣の確立 人間関係を築く力

学校では、校長の方針のもと、道徳教育推進教師が中心となり、児童生徒の道徳性を育

成する。特に、「こうべっ子 豊かな心育成プラン」に基づき、道徳の時間の充実、規範

意識や耐える力の向上、情報モラル教育の推進、人間関係力向上を目指す。神戸市道徳副

読本「豊かな心」「わたしたちの中学生活」や文部科学省発行の「わたしたちの道徳」な

どの活用により、道徳教育の要となる道徳の時間を積極的に公開し、家庭や地域との連携

を図り、心の教育を推進する。

1.小学校における道徳教育

①子供の自立心や自律性、自他の生命を尊重する心の育成は、いずれの段階におい

ても指導の充実を図る。

②重点指導内容(学年段階ごとに配慮する)

○低学年 基本的な生活習慣、善悪の判断、きまりを守る ○中学年 集団や社会のきまりを守る、身近な人々と協力し合う ○高学年 相手の立場の理解、法やきまりの意義の理解、人間関係を築く

2.中学校における道徳教育

①自他の生命を尊重し、規律ある生活ができ、自分の将来を考え、法やきまりの意

義の理解を深め、人間としての生き方について自覚を深める指導を重視する。

②内容項目の指導の充実を図る中で、生徒や学校の実態に応じ、3年間を見通した

重点的な指導や内容項目間の関連を密にした指導を行うよう工夫する。

③積極的に道徳の時間の授業公開を行うとともに、学校だよりなどで全体計画や道

徳教育の方針などの情報発信を行う。

3.高等学校における道徳教育

①高等学校における道徳教育の考え方として示されているのが、人間としての在り

方生き方に関する教育である。

②社会の一員として自己の生き方を探求するなど、公民科やホームルーム活動を中

心に各教科・科目等の特質を踏まえ、適切な指導を行う。

③道徳教育の目標を踏まえ、指導の重点や方針を明確にし、学校の教育活動全体を

通じて行う道徳教育について、その全体計画を作成する。

11 道徳教育

神神戸戸ららししいい特特色色ああるる教教育育

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1.体力の向上を図るとは

・各種の運動を適切に行うことによって活力ある生活を支え、たくまし

く生きるための体力の向上を図る。

・発達の段階に応じて高める体力の内容を重点化し、自己の体力や体の状態に応

じた高め方を学ぶことはもとより、学習したことを家庭などで生かすなど、体

力の向上を図るための実践力を身に付けることができるようにする。

※「できたよ!教室」の開催

運動が苦手な児童に対し、達成感と自信を持たせ、運動意欲・体力の向上に

つなげるため、民間外部指導者を活用し、放課後に跳び箱教室を開催する。

2.体育学習において

3.学校・家庭・地域の連携

学校における体育・健康に関する指導は、(児童もしくは生徒)の発達の段階を考慮して、

学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。

【学習指導要領 総則 第1章 第1の3 より】

かけるくん

12 体力の向上

神神戸戸ららししいい特特色色ああるる教教育育

運動習慣の二極化

子供の体力低下

生涯にわたって健康を保持増進し、豊かなスポーツライフを実現する

小 1~小 4

様々な基本

的な動きを

身に付ける

時期

小5~中2

多くの領域

の運動を体

験する時期

中3~高校

一つの運動

を選び継続

することが

できる時期

豊 か な ス ポ

ー ツ ラ イ フ

の実現

幼児期

様々な遊び

を中心に楽

しく体を動

かす時期

運動に親しむ子供を増やす

運動が苦手な子供への支援

運動会・体育大会・遠足や集会などの特別活動、教育課程外・運動部活動の学校教

育活動、実態に応じた全体計画の作成と実践、児童生徒の体力や健康状態の的確な

把握

地域との連携によるスポーツ・運動遊

びにふれる機会の提供

家族の会話の中にスポーツに関する話

題がある等、スポーツへの関心

体力向上

学 校

地 域 家 庭

ほがらかさん

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1133 健健康康教教育育

健 康 教 育

ヘルスプロモーションの理念を生かし,子供たちが,自分の

健康状態に関心をもち,健康上の課題を自分で考え,解決でき

るような資質や能力を育てる。

保 健 教 育 の 推 進

(1)基礎的・基本的事項の習得と実践力の育成

○「学校保健計画」の策定

○保健学習⇒健康・安全に関する基礎的・基本的事項の理解を通して、思考

力、判断力、意思決定や行動選択などの実践力の育成を図る。

○保健指導⇒子供たちが、日常の生活における健康問題について対処の仕方

を自己決定し、実践できる能力や態度の育成、習慣化を図る。

○各教科等の特質を生かす

⇒関連教科 (家庭科、理科等 )、特別活動、総合的な学習の時間な

ど様々な機会を活用し効果的に指導を行う。

(2)心の健康の保持増進

教職員は、日常的に子供の健康状態を観察し、心身の健康問題を早期に

発見して適切な対応や支援を行う。

(3)家庭や地域との連携

教職員の協力体制を確立するとともに、家庭や地域、関係機関と連携し、

それぞれの役割分担を明確にして、相互に支援・協力を行う。

(4)学校保健委員会の活性化

保護者や専門家の積極的参加など、学校保健委員会の組織と運営に工夫

を凝らし活性化することで、子供たちの健康課題の解決を図る。

(5)現代的な健康課題への対応

生活習慣病(がん、心臓疾患等)対策、アレルギー対応、喫煙、飲酒、

薬物乱用、性の逸脱行為、いじめ、自殺、心の健康問題等の健康課題に関

しては、子供たちの実態を十分に把握したうえで、発達段階を考慮し、適

切な教材を使用して、家庭・地域と連携しながら、教育活動全体を通じて

行う。

【目標】健康の保持増進を図るための実践力をはぐくむ

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食 育 の 推 進

【目標】望ましい食習慣の形成のための食の自己管理能力をはぐくむ

(1)学校給食を生きた教材として活用した食育の推進

栄養バランスのとれた豊かな食事を提供することによって、食育を効果

的に進めるための重要な教材として学校給食を活用する。

(2)発達の段階に応じた食育の充実

「食に関する指導の体制」や「食に関する指導の全体計画」を整備する。

…食べ物に親しみをもつことができるようにする。また、基本的な

しつけを担う保護者とともに食育を推進する。 …給食の時間及び各教科や道徳、総合的な学習の時間、特別活動など、学校の教育活動全体の中で、発達段階に応じて食育を推進する。

…家庭科や保健体育科などで生徒自身が自分の食生活に関心をもち、問題解決のための目的行動へ結び付けるよう指導を行う。

…教科の学習を通して社会とのかかわりの中で生活を創造するな

ど、家族全体の健康も考慮した食育を推進する。

(3)家庭などとの連携

食育は子供たちへの直接的な指導に留まらず、広く家庭や地域との連携

により指導を充実させる。食育の学習内容の情報発信、学校給食試食会の

開催など、保護者への啓発に努める。また、「学校給食アレルギー対応マニ

ュアル」に基づくアレルギー対応を行う。

安 全 教 育 の 推 進

【目標】自他の生命尊重を基盤とした安全能力をはぐくむ

(1)系統的理解と実践的能力の育成

○安全学習⇒保健学習を中心に関連のある教科や道徳、総合的な学習の時間

などで、安全に関する基礎的・基本的事項を理解し、安全につ

いて適切な意思決定ができる力を育てる。

○安全指導⇒特別活動や学校行事などで安全に関する問題を取り上げ、安全

に関してより実践的な能力や態度、さらには望ましい習慣の形

成を目指す。

(2)学校教育活動全体を通じた計画的な指導

安全教育の目標を実現するために、安全学習と安全指導の相互の関連を

図りながら「学校安全計画」を策定し、基本的な方針を明確にして計画的、

継続的に推進していく。また、教職員の共通理解を図るとともに地域の関

係機関等を含めた協力体制を整備して進めるよう留意しなければならな

い。

高等学校

中学校

小学校

幼稚園

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共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育推進の

概要が示された。これを実現化するために、障害のある幼児児童生徒が自己のもつ能力や可

能性を最大限に伸ばし、自立し、社会参加するために必要な力を培う。そして、一人一人の

障害の状態等に応じたきめ細かな指導を一層充実することが重要である。

1.一人一人のニーズに応じた教育の推進

2.校内体制づくり:校園長のリーダーシップのもと、教職員が一体となった支援体制

従来の障害児教育(特殊教育)の対象の障害だけでなく、通常の学級に在籍する発達障害

なども含めて、障害のある幼児児童生徒に対して、その一人一人の教育的ニ-ズを把握し、

そのもてる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するために、適切な教育や指導

を通じて必要な支援を行っていくことが大切である。

幼児児童生徒

担任

特別支援教育

コーディネーター

校内委員会

校園長、教頭、特別

支援教育コーディネ

ーター、 担任、

養護教員など

特別支援学校

こうべ学びの支援センター

関係機関

保護者

特別支援教育コーディネーター

・コーディネーターの存在を保護者に

広報する。

・校内関係者や外部の関係機関の連絡

調整を行う。

・保護者に対する相談窓口となる。

・担任への支援、校内委員会の運営や

推進及びそのための情報を収集す

る。

・校内における全体的な支援体制を特

別支援教育支援員など、外部人材を

有効に活用しながら、推進する。

14 特別支援教育

校内委員会

・保護者との連携のもと一人一人の教育的

ニーズに応じた支援方法を検討する。

・必要に応じて外部専門家による判断など

を踏まえて、実態把握と必要な支援内容

を具体化し、教職員の共通理解を図る。

・積極的に、保護者、校内関係者、関係機

関と連携して、「個別の指導計画」「学び

の支援ネットワークプラン(個別の教育

支援計画)」を必要に応じて作成する。

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通常の学級に在籍している、学習や生活などに困難さがあり、発達障害及びその可能

性のある児童生徒への相談と支援を行う。

■相談申し込みから巡回相談の流れ

① 保護者と学校が相談 ※申し込む前に保護者と話し合い、校内委員会等で検討する。

② 相談申し込み

→電話で保護者が申し込み、実態把握のための面接・相談の日時を予約する。

③ 実態把握のための面接・相談(子供の検査・観察、保護者からの聞き取り)

④ 結果説明

⑤ 医療教育相談(希望者のみ)

⑥ 巡回相談 学校へ巡回し、支援の指針をもとに適切な指導法を助言する。

⑦ 支援の指針をもとにして、個別の指導計画を作成し、学校でのより具体的な支援が

スタート。

・障害のある幼児児童生徒及びその保護者に対し教育相談を行う。

・小中学校などの教職員に対し、児童生徒の指導に関する助言・研修協力を行う。

・地域への特別支援教育に関する情報・教材・教具の提供を行う。

3.学級担任や教科担任としての役割:一人一人の子供に適切な教育的支援

4.スクールクラスター:域内の教育資源の有効な活用

(1)こうべ学びの支援センター

■対象児童生徒と相談内容

(2)通級指導教室

(3)特別支援学校のセンター的機能

■担任としての気付きと理解

子供の特性や課題の理解を深める

■校内の連携、保護者との連携

情報交換・共通理解など

■迅速な個別の指導計画の作成

目標、手立て、評価の明確化など

■校内研修、校外研修

障害や疾病などの基礎的な知識や子供理解支援の方法・問題行動のとらえ方など

■実践力の向上

学級経営、授業研究、生徒指導、学習環境・教材等の工夫など

■関係機関との連携

情報の共有化など

学級経営と授業の工夫

特別支援教育 コーディネーター

校内委員会

校長、教頭、特別

支援教育コーディ

ネーター、担任、

養護教員など

個別の指導計画 担任

・幼稚園や通常の学級に在籍する比較的軽度の難聴・言語障害、自閉症・情緒障害の子供、LD(学

習障害)及び ADHD(注意欠陥多動性障害)の子供に対し、教育的ニーズに対応した教育相談・通

級指導を行う。