和歌が好きだと叫びたい
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この歌は紫式部「源氏物語」に登場する、光源氏が末摘花と言う女性に贈った歌。末摘花は「唐衣」という枕詞を好んで用いており、それを光源氏が「お前何読んでも唐衣ばっかだなww」とからかったものです。もちろん、光の君も末摘花も実在の人物ではなく、紫式部という女性の書く源氏物語という創作の中に登場する架空の人物です。同作に登場する人物の総数は光の君の恋人だけでも 12 人。 12 人分の設定がある(それも紙筆がそう自由にならない時代)だけでも作り手としては圧巻と言わざるを得ないのに、その一人一人に人物としての背景があり、性格があり、あまつさえ歌のくせがあり、それを揶揄してみせる歌まで詠まれているというのは本当にすごいことだと思います ( 圧倒的語彙力の欠如 ) 。源氏物語には恋歌がそれはもうたくさんあって、それぞれに拗ねたり喜んだり悲しんだり恋しがったりと色とりどりより取り見取り、どれもこれも情景が浮かぶようでとても好きなのですが、その中で私が一番好きなのがこの歌です。他に好きなものとしては六条御息所( の生き霊 ) が詠んだ「我が身こそあらぬさまなれ それながら そら溺れする君は君なり」、近江の君の詠んだ「草わかみ常陸の浦のいかが崎 いかであひ見む田子の裏波」などです。源氏物語はキャラクターのそれぞれに、嫉妬深さや一途さ、教養の高さ低さによって歌の巧さ下手さも描かれていて、私個人としては和歌集としても楽しめるものだと思っています。無論、美しいと思った幼女を掻っ攫い嫁とすべく手元で育てたり色好みの老女 (40 で老齢とされる時代に 57 歳、ちなみに光の君は 18歳、しかも継母を懐妊させた直後 ) を口説いていたりする光の君の節操の無さも読み物として面白いところではあr文字数
※読まなくていいです