ソーシャル系キャリア開発のためのワークショップ(伊藤健)

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Page 1: ソーシャル系キャリア開発のためのワークショップ(伊藤健)

2013年 9月 30日

伊藤 健慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科

特任助教

ソーシャル・キャリア・ワークショップ企画案

Page 2: ソーシャル系キャリア開発のためのワークショップ(伊藤健)

( 2013/6/17)

1. なぜ「ソーシャル・キャリア・ワークショップ」なのか?

在学中に社会イノベーションや非営利セクターに関心を持ち、「将来的に社会に貢献する仕事がしたい」と熱意を持つ学生は多いが、実際にどのような仕事を選択することが、自分の自己実現と、社会への関わりを両立するかというキャリア・パスを明確に意識することは難しい。一部の例外的な学生を除いて、誰しもが就職してから、自分の思い描く仕事像と現状のギャップに悩む事が多いが、多くの学生は職場に「適応」し、ソーシャル・セクターには人材が戻ってこない現状がある。

【ソーシャル系キャリアについての問題意識】

‐ 2

ソーシャル系キャリアを取り巻く課題

ソーシャル・キャリア・パスの不在

課題1

課題2

課題3

ロール・モデルの不在

キャリア教育そのものの不在

• どのような職業選択が自分の関心や興味、適正に合致するのかわからない• 問題意識を持って「仕事」を考える機会が、就職活動以外に乏しい• 異なる仕事に必要なスキルや経験を理解する機会が少ない

• 東大→マッキンゼー ..というようなハイ・フライヤーや、卒業後すぐに起業する社会起業家はいるが、あまり自分のキャリアの参考になると思えない

• どのような仕事が、「社会的」にやりがいを感じることができるのか、わからない

• もし想定するロール・モデルがあったとしても、どのようなプロセスを経てそこに行きつけるのがわからない

• そのためには、在学中にどのような知識・スキルを身につけ、どのような経験を積むべきなのかわからない

Page 3: ソーシャル系キャリア開発のためのワークショップ(伊藤健)

( 2013/6/17)

2. 陥りがちな「仕事選択」のパターン

【伝えたいメッセージ】

‐ 3

• ソーシャル・セクターであれ、ビジネス・セクターであれ、今後は企業に依存するのではなく、自分の「仕事」を作ってゆく能力が問われる社会の趨勢が加速する

• 自分の能力を高め、将来的に社会的にインパクトのある仕事をするためには、一旦はビジネス・セクターに行くことは重要だが、社会変革への情熱を持ち続けることは両立できる(はず)

• 職種や業種を選択することが「仕事の選択」ではない。その仕事を通じて自分が何を実現し、社会に何をもたらしたいかを考えよう

• 外資コンサルや投資銀行、MBAでの経験は役に経つが、必ずしもそれだけが社会的で「成功」するキャリアへの近道ではない。自分なりに納得がいき、かつ自分が“勝てる”領域を見つけるスキルが重要

• 能力とやる気があり、人生のどこかのステージで社会変革を志す人たちがその熱意を保ち続けることができるコミュニティを作りたい

Page 4: ソーシャル系キャリア開発のためのワークショップ(伊藤健)

( 2013/6/17)

1. 陥りがちな「仕事選択」のパターン

【セクターによる Pros and Cons】

‐ 4

ビジネス・セクター

パブリック・セクター

非営利セクター

• ビジネスの現場での厳しい競争でスキルや経験が身につく

• 将来にわたっての経済的基盤が構築できる

Pros / Benefit

• 厳しい環境に「折れる」リスク

• 世間の「常識」にまみれ、ソーシャル・セクターに戻れなくなる

Cons / Risks

• 公的セクターで、社会に役に立つポジションで仕事ができる

• 安定して仕事ができる

• 非効率的なお役所仕事に埋もれ、外部の社会で行きてゆくスキルが身につかない

• 終身雇用・前例主義で、起業家精神やイノベーションとは程遠い規範

• 社会的に役に立つ実感がある日々を過ごすことができる

• 往々にしてスキルや経験は限られたものになる

• 自分で起業しない限り、金銭的に自立のできない待遇がほとんど

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( 2013/6/17)

3. キャリア・ワークショップの構成 (1) プログラム構成

【ソーシャル・キャリア・ワークショップのプログラム構成】

‐ 5

• 具体的な職種や業種ではなく、どのような「仕事」を自分が志すかについての仮説を構築する

• どのような仕事には、どのようなスキルや知識、経験が必要なのかを理解する

• それらのスキルや知識の習得のためには何をしたらいいのか理解する

キャリア認識の構築

• モデルとなるキャリアを持つロール・モデルを認識する

• 自分の想定するキャリアとの共通点と相違点についての分析を行う中で、自分のオリジナルな想定キャリアパスを構築する

ロール・モデリングとキャリアビジョン構築

• 上記のキャリア仮説とロール・モデリングに基いて、どのような経験やスキルを身につけるために、どのような仕事につくのか、その仕事と自分の社会的な問題意識がどのようにマッチするのかについて計画を立てる

• 自分の仕事が、時系列ではどのような変遷を経るのかについても、一定の想定を持った上で、上記の職業選択を考える

キャリア・プランニング

Page 6: ソーシャル系キャリア開発のためのワークショップ(伊藤健)

( 2013/6/17)

4. キャリア・ワークショップの構成 (2) プログラム(例)

【ソーシャル・キャリア・ワークショップのプログラム(例)】

‐ 6

キャリア認識の構築

ロール・モデリングとキャリアビジョン構築

キャリア・プランニング

• 外資系人事マネジャーによる「会社に依存しないプロフェッショナルとして生るスキルと経験」レクチャー

• 「フリーランスとしての生き方」講座

• ロール・モデルとなり得るソーシャル・キャリアを実践する社会起業家によるパネル・セッション( 20 代後半~ 30 代前半のミッド・キャリアを想定)

• 上記ロール・モデルを対象としたキャリア分析とビジョン構築のワークショップ

• 上記セッションを前提として、自分のキャリアを組み立ててみるワークショップ

• 社会人メンターによるメンタリング

• 非営利組織やビジネスでのインターンや国内・海外ボランティア等のプログラムの紹介