エコチューニング実践事例...エコチューニング実践事例...
Post on 10-Jul-2020
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・建物概要【エコチューニング実践現場概要】
建物用途:福祉施設(宿泊あり)
竣 工:1977年10月
延床面積:30,259㎡
階 数:地上2階 地下1階
空調運転時間:24時間(不定期)※平成23年設備更新
期 間:冷房6月~10月中 暖房11月中~3月中
室内設定:個別設定可能
温 度:夏28℃ 冬23℃
設 備:冷温水発生機・GHP・照明機器
設備員数:7名の設備員で24時間シフト制巡回点検作業風景
2
• 実践施設の特性(計画に際し)当該施設は福祉施設という特性上、居室の温度の要求が季節を問わず、不安定な部分が
ありました。現在は居住者の要求量を個別空調方式(FCU)にて対応しています。
これは、利用者個々の要求量に合わせた運転を行う為で、チューニングを実践していく上で
難易度の高い施設である事は実践前に解っていましたが、さらなるチューニングが
検討出来得る事業場として、以下の計画事案を作成しました。
【実践計画】
①冷温水発生機の運転時間管理(短縮化)及びファンコイル設定温度の管理を実施
②BEMS機器(スケジュール運転)を、細かな手動運転管理に変更
③発生機以外の機器(照明・GHP)の運転管理及び、随時LED管球へ変更
④居室内温度確認を館内巡回点検時に実施し、安定化と数値化(見える化)を計画
【提案】
①お客様用事務室内で機器の「ON」「OFF」や温度調整を行う事が
出来るので、顧客への省エネに対する意識付けを提案(細かな制御指示)
冷温水発生機(FCU専用)
制御盤(運転管理は顧客で行っている)
ファンコイルの温度制御
3
・対策による削減結果(27年度)実践データ
ここに注目!!
月
電力(KWh)建物全体 ガス(㎥)冷温水発生機のみ
平成27年消費量
平成26年消費量
3年平均消費量
削減量
平成27年消費量
平成26年消費量
3年平均消費量
削減量
前年比較3年
(23~25年)前年費
3年(23~25年)
7 132,185 135,922 129,788 -3,737 2,397 10,346 8,592 8,204 1,754 2,142
8 150,566 149,642 150,084 924 482 11,017 10,022 10,952 995 65
9 135,756 135,458 143,774 298 -8,018 6,892 5,200 7,526 1,692 -634
10 117,888 118,286 120,742 -398 -2,854 2,750 2,397 3,057 353 -307
11 123,514 129,146 125,332 -5,632 -1,818 2,306 1,876 1,995 430 311
12 140,774 145,565 145,755 -4,791 -4,981 5,396 5,623 5,664 -227 -268
1 148,985 154,937 151,424 -5,952 -2,439 7,464 8,892 8,562 -1,428 -1,098
期間計 949,668 968,956 966,899 -19,288 -17,231 46,171 42,602 45,960 3,569 211
9月の電気・ガスの使用量の差異を確認。前年比と3年平均との大きな差異の原因を究明しよう。先ずはグラフ化し比較しよう。
・その他(実践データの検証)①グラフ作成(電力)
1 2 3 4 5 6 7
系列1 -3,737 924 298 -398 -5,633 -4,790 -5,952
系列3 2,397 482 -8,018 -2,854 -1,818 -4,981 -2,439
-10,000
-8,000
-6,000
-4,000
-2,000
0
2,000
4,000
電力(kwh)全体の電力量
前年比
3年平均比
冷房⇒暖房(中間期)エコチューニング実践による効果
-344,612円 :3年平均値増減額
大きな数値の変動を検証することが必要
ここに注目!!
5
7月~翌年1月までのデータ
3年平均値が大きく減少した原因を検証すると…
個別空調化した工事が関係しています。
また、LED化や運転管理も起因しています。
・その他(実践データの検証)②グラフ作成(ガス)
1 2 3 4 5 6 7
系列1 1,754 995 1,692 353 430 -227 -1,428
系列3 2,142 65 -634 -307 311 -268 -1,098
-2,000
-1,500
-1,000
-500
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
ガス(㎥)冷温水発生機のみ
3年平均比
前年比
冷房⇒暖房(中間期)
31,861円 :3年平均値増減額
使用量が上昇傾向
ここに注目!!
計画想定より削減効果が低い
6
7月~翌年1月までのデータ
前年比が上昇傾向となっています。
原因を検証すると気象条件が起因していると思われます。
気象条件をグラフにしてみると…
・その他(実践データの検証)③気象データと比較検証
ここに注目!!
実践:夏も終わり温度変化が大きい時期は、日ごとの温湿度管理を行い、温度設定を行わなければならない
9月の気象条件を見てみると、気温が高い日と低い日があり、運転管理が難しい状態が見受けられます。
また、降水も多く湿度の影響も受けているようです。
・その他(実践データの検証)④気象データと比較検証グラフ作成
0
5
10
15
20
25
30
0 1 2 3 4 5 6 7 8
平均気温
0
100
200
300
400
500
600
0 1 2 3 4 5 6 7 8
降水量
雨が多い
温度が下がる傾向
中間期
中間期
7月~翌年1月まで 7月~翌年1月まで
ここに注目!!
負荷増加に起因する外的要因:グラフでも雨が多く湿度が高い時期があり、また急激な温度の下限値が見受けられる8
データグラフの分析
・電気・ガスの使用量の削減は、機器のこまめな発停により前年比
3年間平均でトータル的には削減効果が出ています。しかし個別の
月(9月)のガス使用量の増加に関しては、外的要因(天候・気温
等)が大きな影響を与えている事も、要因の一つとして考えられ
ます。また、電気的な発停による電力の削減は出来た一方で、熱源機
器(冷温水発生機・GHP)はガスを利用して運転している為、発停を
細かく繰り返す事で負荷の不安定化を促進してしまう結果となり、
消費量の削減には繋がらないといった結果になりました。
<勘案>
結果、データにより、外的要因や機器的因果関係を把握して、更なる
綿密な計画立案を専門技術者(エコチューニング技術者)として要求される
事象であったと思います。
(熱源機器電源供給と熱源機器エネルギー)
ここに注目!!何をもって、削減できたかの要因と効果測定を明確にしましょう。
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