第1回 ʻ20 就職活動スタート講座《前編》 · 第1回 日時:2018年5月...

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杉原沙知子(株式会社マイナビ) 講演内容 近年、就職活動におけるインターンシップの意義がますます重要になってきていま す。今回は、グローバルキャリアデザインセンターの新藤さんとマイナビの杉原さんに、 インターンシップの意義、就職活動の流れと心がまえについてお話をうかがいました。 最後に受講生からの感想を上げておきます。 ・「就活」がどのようなものか、今後何をすればいいのか、わかりやすく知ることができた。 ・就活の全体の流れや考えておくべきこと、スケジューリングについて理解できた。 ・早め早めの準備が大切なことがわかった。 ・インターンシップの大切さがわかった。 ・インターンシップの探し方がわかった。 ・広大生という身近な人たちのインターンシップに関する情報を得ることができた点が とても有意義であった。 ・インターンシップで何を意識しておくべきか明確に示されていた。」 参加者:学部生・院生 26 名(学部 3 年生:22 名、学部 2 年生:1 名、大学院 M1 生:3 名) 教職員 3 名 第1回  日時:2018年5月 8日(火) 16:20~17:50 場所:B251講義室 講師: ~鍵はインターンシップにあり!~ ‘20 就職活動スタート講座《前編》 対象:来年就職活動に臨む3年生、M1生を中心とした全学生 1.インターンシップの意義と重要性(新藤氏) インターンシップに参加する目的は、①自分のやりたいことを探す、②関心のある仕事を実際 に体験する、③仕事に必要な能力を実感する 、等の点にあります。また、参加することによって、 企業や仕事についての理解が深まり、社会人と対話する機会が得られることは、志望動機を考 える際にとても役に立ちます。他大学の学生と交流できることも、参加者にとって非常に刺激 になるといわれます。 新しい就活スケジュールのなかで、こうしたインターンシップの重要性 が増してきています。 まず、学生にとって企業研究・業界研究 の手段として重要度が高まっているという点が上げら れますが、そのほかにエントリーシートの設問で参加の有無を聞かれる 場合があります。イン ターンシップを実質的な採用選考の入口 に位置づける企業が増加傾向にあり、参加した学生に アドバンテージを与える 企業もあるようです。 インターンシップの参加期間 は、短期の 1 日から長期の 3 ヶ月以上に至るまで多様ですが、 キャリアデザインセンターとしては中期間の 3 日以上 1 週間未満をすすめ ます 。また、3 年次 生の夏休みに中期間のインターンシップに参加し、さらに 3 月に今度は短期のインターンシッ プに参加するというように、複数のインターンシップを経験する学生が多いようです。参加に あたっては、目的意識・当事者意識を持って積極的に動く ことが大事で、研修後には必ず振り 返りを 行って、今後の就活本番にどう生かすか考えることが重要です。 インターンシップには、全学インターンシップのほか、広島県内企業のインターンシッ プ、全国の公的機関のインターンシップ、各県企業のインターンシップ、企業による独自 のインターンシップ、リクナビ・マイナビなど就職サイトを通して参加するインターンシッ プがあります。なお、インターンシップ参加決定後の辞退は原則認められませんから、事 前に自分のスケジュールをよく確認するようにして下さい。 2.就活スケジュールの流れと心がまえ(杉原氏) 昨年度から面接の開始時期 が 6 月からとなりましたが、実際はほとんど守られていませ ん。3 月より面接を始める企業が増え、開始のピークは 4 月というのが実情 です。今後、 面接の開始時期はもっと早くなっていくことが予想されます。なかには、3 月の合同説明 会から最終面接まで 2 ヶ月以内で突っ走るような企業もあり、学生は長短期決戦を強いら れます。また、個別説明会で抜き打ちに筆記試験やエントリーシートの作成を課す企業も あります。こうした企業に対応するために、学生は早めに事前の準備活動(自己分析、企 業・業界研究、選考対策など)を進めて おかなければなりません。とくに、昨年度のデー タによると、インターンシップに参加した学生は参加しなかった学生より内々定率が全体 的に高い という結果が出ています。 就職活動の基本的な流れは、①「備える」(自己分析、業界・企業研究、筆記試験対策など) →②「探す」(就職サイト、大学の求人票、ハローワーク、会社説明会・採用HPなど) →③「受ける」(書類選考、筆記試験、グループディスカッションを含む面接) →④「内定」です。このうち、就活の成功のカギは①の「備える」がしっかりできている かどうかという点にあります。今の就活は「情報戦」ともいわれ、情報取得の準備が大切 です。②から③に進むときに必要なエントリー(資料請求)は、平均して 30 ~ 50 社程度 が妥当で、通常、エントリーシートを提出するのはそのうちの半分以下になるでしょう。 また、筆記試験・適性検査については、ぜひ WEB テストを練習 として 1 回は受けておく べきで、WEBテストならではの回答のコツをつかんでおくことをすすめます。グループディ スカッションも 1 回は体験練習 をすることが必要です。 就活に向けての心がけとして大事なことは、「自分を語る」ことができるような経験を 積み重ねていく ことです。サークル、ボランティア、ゼミ、インターンシップなど色々と ありますが、とくに学業への取り組みは「自分を語る」ためのヒントになります。さらに、 積極的に「学外」(他大学の就活生や社会人)と接する機会をつくること、「学内」(就学 相談室、ゼミ、キャリアデザインセンターなど)を最大限に活用することも就活に向けて 重要になってきます。 新藤季奈(広島大学グローバルキャリアデザインセンター)

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Page 1: 第1回 ʻ20 就職活動スタート講座《前編》 · 第1回 日時:2018年5月 8日(火) 16:20~17:50 場所:B251講義室 講師: ~伴はインターンシップにあり!~

杉原沙知子(株式会社マイナビ)

講演内容 近年、就職活動におけるインターンシップの意義がますます重要になってきています。今回は、グローバルキャリアデザインセンターの新藤さんとマイナビの杉原さんに、インターンシップの意義、就職活動の流れと心がまえについてお話をうかがいました。

  最後に受講生からの感想を上げておきます。・「就活」がどのようなものか、今後何をすればいいのか、わかりやすく知ることができた。・就活の全体の流れや考えておくべきこと、スケジューリングについて理解できた。・早め早めの準備が大切なことがわかった。・インターンシップの大切さがわかった。・インターンシップの探し方がわかった。・広大生という身近な人たちのインターンシップに関する情報を得ることができた点が とても有意義であった。・インターンシップで何を意識しておくべきか明確に示されていた。」

参加者:学部生・院生 26 名(学部 3年生:22 名、学部 2年生:1名、大学院M1生:3名) 教職員 3名    

第1回         

日時:2018年5月 8日(火) 16:20~17:50場所:B251講義室講師:

~鍵はインターンシップにあり!~‘20 就職活動スタート講座《前編》

対象:来年就職活動に臨む3年生、M1生を中心とした全学生

1.インターンシップの意義と重要性(新藤氏) インターンシップに参加する目的は、①自分のやりたいことを探す、②関心のある仕事を実際に体験する、③仕事に必要な能力を実感する、等の点にあります。また、参加することによって、企業や仕事についての理解が深まり、社会人と対話する機会が得られることは、志望動機を考える際にとても役に立ちます。他大学の学生と交流できることも、参加者にとって非常に刺激になるといわれます。 新しい就活スケジュールのなかで、こうしたインターンシップの重要性が増してきています。まず、学生にとって企業研究・業界研究の手段として重要度が高まっているという点が上げられますが、そのほかにエントリーシートの設問で参加の有無を聞かれる場合があります。インターンシップを実質的な採用選考の入口に位置づける企業が増加傾向にあり、参加した学生にアドバンテージを与える企業もあるようです。 インターンシップの参加期間は、短期の 1日から長期の 3ヶ月以上に至るまで多様ですが、キャリアデザインセンターとしては中期間の 3日以上 1週間未満をすすめます。また、3年次生の夏休みに中期間のインターンシップに参加し、さらに 3月に今度は短期のインターンシップに参加するというように、複数のインターンシップを経験する学生が多いようです。参加にあたっては、目的意識・当事者意識を持って積極的に動くことが大事で、研修後には必ず振り返りを行って、今後の就活本番にどう生かすか考えることが重要です。

 インターンシップには、全学インターンシップのほか、広島県内企業のインターンシップ、全国の公的機関のインターンシップ、各県企業のインターンシップ、企業による独自のインターンシップ、リクナビ・マイナビなど就職サイトを通して参加するインターンシップがあります。なお、インターンシップ参加決定後の辞退は原則認められませんから、事前に自分のスケジュールをよく確認するようにして下さい。

2.就活スケジュールの流れと心がまえ(杉原氏) 昨年度から面接の開始時期が 6月からとなりましたが、実際はほとんど守られていません。3月より面接を始める企業が増え、開始のピークは 4月というのが実情です。今後、面接の開始時期はもっと早くなっていくことが予想されます。なかには、3月の合同説明会から最終面接まで 2ヶ月以内で突っ走るような企業もあり、学生は長短期決戦を強いられます。また、個別説明会で抜き打ちに筆記試験やエントリーシートの作成を課す企業もあります。こうした企業に対応するために、学生は早めに事前の準備活動(自己分析、企業・業界研究、選考対策など)を進めておかなければなりません。とくに、昨年度のデータによると、インターンシップに参加した学生は参加しなかった学生より内々定率が全体的に高いという結果が出ています。

 就職活動の基本的な流れは、①「備える」(自己分析、業界・企業研究、筆記試験対策など)→②「探す」(就職サイト、大学の求人票、ハローワーク、会社説明会・採用HPなど)→③「受ける」(書類選考、筆記試験、グループディスカッションを含む面接)→④「内定」です。このうち、就活の成功のカギは①の「備える」がしっかりできているかどうかという点にあります。今の就活は「情報戦」ともいわれ、情報取得の準備が大切です。②から③に進むときに必要なエントリー(資料請求)は、平均して 30 ~ 50 社程度が妥当で、通常、エントリーシートを提出するのはそのうちの半分以下になるでしょう。また、筆記試験・適性検査については、ぜひWEB テストを練習として 1回は受けておくべきで、WEBテストならではの回答のコツをつかんでおくことをすすめます。グループディスカッションも 1回は体験練習をすることが必要です。 就活に向けての心がけとして大事なことは、「自分を語る」ことができるような経験を積み重ねていくことです。サークル、ボランティア、ゼミ、インターンシップなど色々とありますが、とくに学業への取り組みは「自分を語る」ためのヒントになります。さらに、積極的に「学外」(他大学の就活生や社会人)と接する機会をつくること、「学内」(就学相談室、ゼミ、キャリアデザインセンターなど)を最大限に活用することも就活に向けて重要になってきます。

新藤季奈(広島大学グローバルキャリアデザインセンター)