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※ 農研機構(のうけんきこう)は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネーム(通称)です。
第3回「デジタル地図」の活用に関する検討会
2020年2月20日
「デジタル地図」を活用した農地情報の管理に関する検討会とりまとめ
骨子案への提案
農研機構農業環境変動センター環境情報基盤研究領域ユニット長
岩崎 亘典
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「デジタル地図」の様々な活用
• 基幹システムを中心に様々な活用が期待される• 行政のみでなく、生産現場、研究、ICT・Webベンダー等
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「デジタル地図」の構築・活用に向けて
• 三つの提案オープンデータとして公開することで、行政の効率化だけでなく、様々な活用が可能になると考えます。筆ポリゴンについても、活用させて頂いてます。新たに構築される「デジタル地図」についても、オープンデータとなることで、農業者、研究者、ICTベンター等、様々な主体からの利用が期待できます。
オープンデータとしてデジタル地図の公開
“§3(2)7つの原則”を担保するために、オープンデータとしての公開や、基幹システムの構築にあたり、オープンスタンダードを採用する事が必要だと考えます。デジタル技術革新に応じたシステム更新にあたっても、複数のシステムから利用でき、データの継続的活用が可能なオープンスタンダードが有効だと考えます。
オープンスタンダードの採用
「デジタル地図」は多様な場面での利用の推進により、その価値が増すと考えます。そのためには、プロプライエタリソフトウェア注1)、オープンソースソフトウェア(OSS)を問わず、様々なツールでの先進的利用事例の蓄積が求められます。特にQGIS、Leaflet、Mapbox GL JS等のFOSS4G注2)よばれるGISは、国や自治体での活用事例も多く、利用事例の蓄積に効果的だと考えます。
オープンソースソフトウェア(OSS)等を活用した利用の推進
注1)ソフトウェアの入手、使用、改変、複製などに制限があるソフトウェア注2)Free and Open Source Software for Geospatialの略
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「デジタル地図」の様々な活用
• それぞれの提案に関る範囲OSS
オープンスタンダード
オープンデータ
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オープンデータとは?(復習)
• 行政では“オープン・バイ・デザイン”が推奨• オープンデータ化を前提に企画、設計を行う
• 内閣官房IT室「オープンデータ基本指針」( R1.6.7 )
• すべてオープンデータ化する必要がある?• そもそも非公開の情報は必要ない
• 個人情報、国や公共の安全・秩序に支障をおよぼすもの等• まず、公開されているデータのライセンスを変えること
• 1★オープンデータ
誰もが データのことです*
✤自由に使える✤再利用できる✤再配布できる
* https://www.slideshare.net/yamatech/ss-54596195
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オープンデータの活用例
• 「作業機付きトラクターの公道走行」に関る道路情報の提供
• 国道、県道、市道の情報• 都市計画マップは利用できず• システム内でのみ閲覧
• 地理院タイル(ベクタ)+筆ポリゴンを使用
• 別目的で作成したサイトを流用• 必要に応じ、必要な情報を提供
https://www2.wagamachi-guide.com/tsukuba/rule.asphttps://habs.dc.affrc.go.jp/spatial_data/maff_fude_road/#14.46/36.03989/140.11576https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/kodosoko.html
作業機付きトラクターの公道走行について
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オープンスタンダードの採用について
• 相互運用性、継続性確保のために重要• しかし、“オープンスタンダード”の定義は様々
• 例えばEUの定義の要約• 非営利団体が策定し保守、その策定過程が基本的に開かれている• その仕様文書は無料か最低限の課金で入手、複製、配布が可能• ロイヤリティフリーで利用可能であること• その標準の再利用には制限が無いこと
• 上記を満たさなくとも、 “実質的なオープンスタンダード”もある• 「地図タイル」、GTFS等はGoogleの独自仕様
• 優れているとも限らない• 地理空間情報でも利用されない、廃れた、標準もある
• 目的に応じた標準の選択が必要• 重要視すべき点
• 適切な競争の担保、開発・利用コストの検討、技術的先進性・革新性の評価、国際的視点、etc…
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デファクトスタンダードへの対応
• “7つの原則”を担保できれば、利用も可能• 要件を満たさない場合、使用をさけるべき• たとえばShapefile
• 不完全な状態でデータが流通する恐れがある• 複数ファイルフォーマットのため
• ユーザのリテラシーを上げるのは困難• 文字コード、座標系、ファイルサイズ、etc…
• 一次データは、頑健なファイル形式での公開が必要• OGC GeoPackage、ESRI File GDB、SpatiaLite等
• どうしても必要があれば形式変換したデータを再配布
ArcGIS ヘルプより引用
http://resources.arcgis.com/ja/help/main/10.2/#/na/005600000013000000/
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FOSS4Gの利用例
• 農林水産省での利用事例• GIS利用の導入として、手軽に利用できる
• Leafletを使った農村集落の可視化サイト• QGISを使用した統計情報の分析・可視化マニュアル
Leafletを利用した「地域の農業を見て・知って・活かす」での農村集落界の表示
QGISによる「地域の農業を見て・知って・活かすDB 」の活用手引き(東北農政局統計部)
http://www.machimura.maff.go.jp/shurakudata/rcom_map/rcom_map.html
https://www.maff.go.jp/tohoku/stinfo/deta/attach/pdf/index-1.pdf
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FOSS4Gの利用例
• 国土地理院における活用事例• FOSS4Gの利用による最新技術へ対応• ソースコードの公開による活用の推進
Mapbox GL JSを利用して開発された地理院地図VectorGithubでのソースコードの公開
https://github.com/gsi-cyberjapan/gsimaps-vector-experimenthttps://maps.gsi.go.jp/vector/#16.461/35.673518/139.752375/&ls=vpale&disp=1
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FOSS4Gの利用例
• AIによる地物判読などにも利用• UN GLOBAL PULSEでの利用例
https://www.unglobalpulse.org/microsite/pulsesatellite/
• 留意点• 入手、利用は無償だが、開発、構築等にはコストかかるサポートも別。トータルコストを考慮する必要がある。
• 地方自治体等では、“無料ソフト”として導入が制限される場合もある。
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その他補足的意見
• ドローンによる空中写真撮影の活用• 撮影範囲は狭いが、適時性は大きな武器
• スマート農業の要素技術として導入も進んでいる• 欧州のジオタグ付き写真のように、現地確認での活用
• デジタル地図更新の参考情報しての利用も期待• 撮影画像の処理にコストがかかる
• 効率的な画像オルソ化処理、現地確認の自動化技術等の開発が必要
• マルチGNSSによる高精度測位• 受信機の低価格化、民間事業者の参集により、ここ数年のうちに一般化が見込める
• ただし、「精密」ではあっても、「正確性」は別• 「デジタル地図」活用に応用する場合、手順書等が必要
• 国土地理院による「マルチ GNSS 測量マニュアル」があるが、測量用のため、要求精度が高い
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その他補足的意見
• ジオコーディング・逆ジオコーディング• 技術としては確立されている
• 農地では入手可能なデータが一様でない• 筆ポリゴン、農地台帳、地番図等
• どのデータで、何が可能なのか、検証が必要• 更新についても留意が必要か?
• 筆ポリゴンID• 何のIDなのかを明確にする
• 現況のみか、時系列変化も含めるのか?• 時系列変化を含む場合、何を“同じ筆”とするか
• 分筆、合筆、形状変更、地殻移動、etc…
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ジオコーディング・逆ジオコーディングについて補足
• 愛知県半田市で予備的に確認• オープンデータとして公開されている• 全国農地ナビの農地ピンと整合性はある
半田市の全体図 農地ナビでの表示
地番データの表示
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ジオコーディング・逆ジオコーディングについて補足
複数の筆に一つの地番
• いくつかの課題が想定される• 利用可能なデータを元に、対応方針、解決方法の検討が必要
• ジオコーディング・逆ジオコーディングをブラックボックス化しないことも重要か?
一つの筆に複数の地番 適切でない地番の付与
××
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ジオコーディング・逆ジオコーディングについて補足
• データの内部構造にも留意が必要• 地番と住居表示で内部構造が違う
地番の場合の属性テーブル 住居表示の場合の属性テーブル
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ジオコーディング・逆ジオコーディングについて補足
• 市町村によってデータの構造も違う• 複数ファイルにより構成される場合もある
• 印刷前提の地図データの課題
大字データ地番(点)データ
筆界データ引出線データ