第80 回 宮崎整形外科懇話会 プログラム...第 80 回 宮崎整形外科懇話会...

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80 宮崎整形外科懇話会 プログラム 時: 令和2年6月27日(土)1530場: 宮崎県医師会館 研修室(2 階) 880-0023 宮崎市和知川原 1 丁目 101 ※会場が変更になりました。 長: 帖佐悦男(宮崎大学医学部整形外科学教室) 事務局:〒889-1692 宮崎市清武町木原 5200 宮崎大学医学部整形外科学教室内 担当:濱中秀昭 TEL 0985(85)0986(直通) FAX 0985(84)2931 宮崎整形外科懇話会 宮崎県整形外科医会 宮崎県臨床整形外科医会 大正製薬株式会社

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Page 1: 第80 回 宮崎整形外科懇話会 プログラム...第 80 回 宮崎整形外科懇話会 プログラム 日 時: 令和2年6月27日(土)15: 30~ 会 場: 宮崎県医師会館

第 80回

宮崎整形外科懇話会

プログラム

日 時: 令和2年6月27日(土)15:30~

会 場: 宮崎県医師会館 研修室(2階)

〒880-0023 宮崎市和知川原 1丁目 101

※会場が変更になりました。

会 長: 帖佐悦男(宮崎大学医学部整形外科学教室)

事務局:〒889-1692 宮崎市清武町木原 5200

宮崎大学医学部整形外科学教室内 担当:濱中秀昭

TEL 0985(85)0986(直通) FAX 0985(84)2931

共 催

宮崎整形外科懇話 会

宮崎県整形外科医 会

宮崎県臨床整形外科医会

大 正 製 薬 株 式 会 社

Page 2: 第80 回 宮崎整形外科懇話会 プログラム...第 80 回 宮崎整形外科懇話会 プログラム 日 時: 令和2年6月27日(土)15: 30~ 会 場: 宮崎県医師会館

第 80 回宮崎整形外科懇話会ご参加の皆様へ ご案内

【クールビズについて】

服装について、宮崎県および宮崎大学ではクールビズを奨励しています。ご参加の際は、ノーネク

タイ軽装でお越しください。

スタッフもクールビズに取り組みますので、ご理解の程、お願い申し上げます。

【コロナウイルス感染予防対策について】

本会の開催にあたりましては、新型コロナウイルス(COVID-19)に関連した感染症につきまして、

ご参加の皆様及びスタッフの健康と安全を確保するため、各自体調管理をしっかり行い感染防止に努

めていただきますようお願いいたします。尚、ご参加の皆様は必ずマスクの着用をお願いいたします。

ご理解・ご協力のほど、何卒宜しくお願い致します。

宮崎整形外科懇話会

会長 帖佐 悦男

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参加者へのお知らせ

15:00~ 受付

1.参加費;1,000円

2.年会費;3,000円 ※未納の方は受付で納入をお願いします。

演者へのお知らせ

1.口演時間:一般演題・1演題 4 分、討論 3分

主 題・1演題 6分、討論 3分

2.発表方法:

口演発表は PC(パソコン)のみ使用可能ですのであらかじめ御了承ください。

⑴データのファイル名は、演題番号と発表者名を記載してください。

⑵ 事前に動作確認を致しますので、データはメールでお送り頂くか、CD-R又は

USBフラッシュメモリに作成していただき、令和2年6月24日(水)必着で

事務局までお送りください。

Macで作成された場合は、必ず Windowsで動作確認済みのデータをお送り下さい。

発表データ作成要領

⑴ 発表データの形式は Microsoft Power Point Windows版に限ります。

アプリケーション:Power Point 2007、2010、2013、2016、2019

⑵ 発表データのフォントについては、標準で装備されているものを使用してください。

世話人会のお知らせ

※今回はコロナウイルス感染拡大予防に伴い、メール審議とさせていただきます。

特別講演のお知らせ

18:00~19:00

「軟部腫瘍の取り扱い方」

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科

生体機能再生・再建学講座(整形外科)

教授 尾﨑 敏文 先生

<上記講演は、次の単位として認定されています。>

●日本整形外科学会教育研修会専門医資格継続単位1単位(※受講料:1,000円)

認定番号:20-0409 [01]整形外科基礎科学

[05]骨・軟部腫瘍

または、(Re)教育研修会運動器リハビリテーション単位

※日本整形外科学会単位取得には会員カードが必要ですので必ずご持参ください。

●日本医師会生涯教育講座:1単位(63)(※受講料:無料)

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演題目次(口演時間は一般演題 4 分、主題 6 分)討論 3 分

15:30 製品説明 大正製薬株式会社

15:40 開 会

Ⅰ-1.耳鼻科疾患と鑑別を要した石灰沈着性頚長筋腱炎の一例

藤元総合病院 整形外科 川越 悠輔

Ⅰ-2.点状軟骨異形成症に伴う環軸椎亜脱臼に対して手術した 1例

宮崎大学医学部 整形外科 帖佐 直紀

Ⅰ-3.手術ラーニングカーブと意義について

橘病院 整形外科 岩佐 一真

Ⅰ-4.非定型大腿骨骨折のリスク因子の検討-第 2報-

医療法人社団牧会小牧病院 整形外科 小牧 亘

Ⅱ-1.変形性足関節症ステージ4に対し骨きり術を行った小経験

岡村病院 整形外科 岡村 龍

Ⅱ-2.距骨骨折についての検討

宮崎市郡医師会病院 整形外科 河野勇泰喜

Ⅱ-3.顆部スクリューを使用した大腿骨顆部骨折の治療経験

宮崎市郡医師会病院 整形外科 川畑 武彦

Ⅱ-4.小児の陳旧性腱断裂 2例の経験

宮崎市郡医師会病院 整形外科 森 治樹

☆☆☆ 休 憩(5分)☆☆☆

15:45~16:15 一般演題Ⅰ

座長 宮崎市立田野病院 整形外科 渡邊 信二

16:15~16:45 一般演題Ⅱ

座長 JCHO宮崎江南病院 整形外科 吉川 大輔

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S-1.ARMD に Pseudotumor を伴った 3 例の治療経験 宮崎大学医学部 整形外科 木戸 義隆

S-2.ステムの固定骨の骨吸収を予防する Compress®を用いた腫瘍型人工関節の治療経験

宮崎大学医学部 整形外科 今里 浩之 S-3.上下肢に多発した腱鞘巨細胞腫の治療経験

宮崎大学医学部 整形外科 當瀬 雅大

S-4.膝関節に生じた色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)の 4例

県立宮崎病院 整形外科 菊池 直士 S-5.高齢発症の骨盤ユーイングに対し集学的治療を行なった一例

ー肺転移巣からの出血に対して行なった TAE の有用性に関してー 宮崎大学医学部 整形外科 神谷 俊樹

S-6.当科での上肢腫瘍における正診率についての検討

JCHO宮崎江南病院 整形外科 甲斐 糸乃

☆☆☆ 休 憩(10分)☆☆☆

16:50~17:50 主 題「骨・軟部腫瘍」

座長 宮崎大学医学部 整形外科 坂本 武郎

18:00〜19:00 特別講演(宮崎整形外科学術セミナー)

座長 宮崎大学医学部 整形外科 帖佐悦男

「軟部腫瘍の取り扱い方」

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科

生体機能再生・再建学講座(整形外科)

教授 尾﨑 敏文 先生

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15:30~15:40 製品説明 大正製薬株式会社

15:40 開 会

Ⅰ-1.耳鼻科疾患と鑑別を要した石灰沈着性頚長筋腱炎の一例

藤元総合病院 整形外科 〇川越悠輔 矢野浩明 小島岳史

【はじめに】石灰沈着性頚長筋腱炎は急激な頸部痛・可動域制限を認め、咽後膿瘍や化膿性

脊椎炎などと鑑別を要する。我々は嚥下困難や咽頭痛を伴い耳鼻科疾患と鑑別を要した石灰

沈着性頚長筋腱炎の一例を経験したので報告する。

【症例】38歳・男性、プロサーファー。特に誘因なく 5日前から前頚部痛が出現、徐々に増

悪し嚥下困難も伴い当科受診。発熱(37.4℃)、可動域制限と疼痛が強く、血液検査で炎症所

見(WBC:11220,CRP:0.62)を認めた。咽後膿瘍など耳鼻科疾患が疑われ院内紹介、口蓋扁桃

などに異常なかった。造影 CT で C3/4 の椎体前面に石灰沈着と C2-6 での後咽頭間隙の腫脹

を認めた。画像所見から石灰沈着性頚長筋腱炎が疑われ鎮痛薬・カラー装着、耳鼻科からは

感染も否定できないことから抗生剤とステロイド処方にて経過観察とした。疼痛は徐々に軽

減し、2週間で軽快した。

【考察】本疾患は急激な頸部痛・可動域制限を認め、咽後膿瘍などと鑑別を要する稀な疾患

である。採血・画像検査で診断可能で、急性頸部痛の鑑別疾患として念頭に置く必要がある。

Ⅰ-2.点状軟骨異形成症に伴う環軸椎亜脱臼に対して手術した 1例

宮崎大学医学部 整形外科 〇帖佐直紀 黒木智文 李 徳哲 永井琢哉 比嘉 聖

黒木修司 濱中秀昭

【はじめに】乳児の頸椎疾患に対しての手術は稀で本邦でも報告数は少ない。今回、当院に

て点状軟骨異形成症の乳児に対して環椎後弓切除術を行った 1 例を経験したので報告する。

【症例】生後 50 日、女児。妊娠 37 週 2 日で出生。胎児期から鼻の低形成が疑われていた。

出生時に第 1啼泣なく陥没呼吸が強いため人工呼吸器にて管理。画像所見にて点状石灰化や

環軸椎亜脱臼による脊髄圧迫の所見の他、鼻根部低形成などの特徴的顔貌から点状軟骨異形

成症が疑われた。手術目的に当院転院搬送となり、環椎後弓切除術施行した。術後は四肢の

麻痺や筋力低下なく経過し、術後の画像所見でも圧迫が解除されていた。

【考察】点状軟骨異形成症の頸椎病変に対する治療の基準は確立されていない。本症例では

生後 50 日と若年であることから椎弓切除のみとし、不安定性が残存する場合は固定も考慮

され、今後も慎重なフォローが必要である。児の年齢や罹患場所に応じた治療を選択する事

が重要である。

15:45~16:15 一般演題Ⅰ

座長 宮崎市立田野病院 整形外科 渡邊 信二

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Ⅰ-3.手術ラーニングカーブと意義について 橘病院 整形外科 〇岩佐一真 柏木輝行 当院では大腿骨頚部骨折、転子部骨折に対する手術や TKA、THA を中心に手術を行ってい

る。 医師 A は整形外科の手術経験が浅く、当院勤務当初から頚部骨折及び転子部骨折の手術を開

始した。医師 B は当院で 20 年間 TKA、THA を行っている。医師 A、医師 B がどのような

ラーニングカーブを経ているのかを検討し、手術手技に参考となる意義があるか調査した。 医師 A は 2 年半で人工骨頭 99 例、転子部骨折に対して 172 例手術を行い、ラーニングカー

ブは経時的に向上が認められ、手術時間は人工骨頭 95 分から 60 分へ、転子部骨折 54 分か

ら 33 分へ。人工骨頭出血量は 224ml から 162ml へ減少し、経験による技術の向上が認め

られた。医師 B は 20 年間に TKA2602 例、THA1333 例を行い、ラーニングカーブは手術

時間 TKA119 分から 62 分へ、THA122 分から 72 分へ。THA 出血量は 717ml から 223mlへ。5 年毎に経過をみると、手術時間、出血量は TKA、THA ともに減少していた。 今回当院の医師 A と医師 B のラーニングカーブについて検討し、ラーニングカーブとその

意義について検討した。

Ⅰ-4.非定型大腿骨骨折のリスク因子の検討-第 2 報-

小牧病院 整形外科 〇小牧 亘 深野木快士 植村貞仁 太田尾祐史 福富雅子

宮崎市郡医師会病院 整形外科 森 治樹

湘南鎌倉総合病院 整形外科 村岡辰彦

野崎東病院 整形外科 三橋龍馬

宮崎大学医学部 整形外科 李 徳哲 帖佐悦男

当第 78回で非定型大腿骨骨折(AFF)のリスク因子の BP、大腿骨弯曲、合併症、薬剤が大

腿骨近位部骨折(HF)と比べ有意か独自の AFFリスク判定法で検討し報告した。今回その

第 2報を報告する。2012年 1月~2018年 3月の当院と関連施設の手術例の AFF群 30例、

当院の HF群 324例を対象とした。AFFリスク判定は(1)BP5年以上服用 3点、5年未満服用

2点、(2)大腿骨弯曲 3点、(3)DMなどの合併が 2つ以上 2点、合併が1つ 1点、(4)PPIな

どの 1剤を 5年以上服用あるいは 5年未満 2剤以上服用 2点、1剤を 5年未満服用 1点と

し、(1)~(4)の計 4点以上が AFFリスク群、計 6点以上が AFF高リスク群とした。AFF群と

HF群間で p<0.05を有意な変化とした。平均年齢は AFF群 78.2±9.8歳、HF群 84.8±8.2

歳(p<0.005)で HF群と比べ AFF群が有意に若年、各リスク因子の平均点は(1)AFF群 1.7

点、HF群 0.30点(p<0.001)、(2)AFF群 1.6点、HF群 0.19点(p<0.001)、(3)AFF群

0.5点、HF群 0.47点、(4)AFF群 0.73点、HF群 0.41点(p<0.05)で(3)以外は HF群と比

べ AFF群が有意に高スコア、(1)~(4)の合計の平均点は AFF群 4.6点、HF 群 1.4点(p<

0.001)で HF群と比べ AFF群が有意に高スコアであった。AFF群のリスク因子として BP、

大腿骨弯曲、薬剤が有意に関わっていた。

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Ⅱ-1.変形性足関節症ステージ4に対し骨きり術を行った小経験

岡村病院 整形外科 ○ 岡村 龍

県立延岡病院 整形外科 小薗敬洋 川野啓介 藤田貢司 高橋 巧 栗原 典近

我々はステージ4の変形性足関節症に対し脛骨遠位斜め骨切り術を行い、術後 1年での良好

成績を報告した。術後4年の時点で良好な成績を得たので報告する。

症例は38歳男性。2014年ごろより右足関節痛が出現、2014年11月に初診し単純

X 線写真で変形性足関節症ステージ4の診断。保存治療を行ったが疼痛強く、手術を希望し

たため2015年6月遠位脛骨斜め骨きり術を施行した。日本足の外科学会足関節.後足部

判定基準では術前64点から術後 1年で80点、術後4年でも87点と改善した。単純 X線

写真では関節症性変化を認めているが可動域は保たれていた。術後4年で画像上の変化は認

めるものの末期関節症において遠位脛骨斜め骨切り術は良好な成績を得た。

Ⅱ-2.距骨骨折についての検討

宮崎市郡医師会病院 整形外科 ○河野勇泰喜 森 治樹 池尻洋史

川畑武彦 日髙三貴

【はじめに】距骨骨折は治療の難しい骨折の一つに数えられている。

難しい理由の一つはまれな骨折で経験を積みにくいこと、無腐性壊死を起こしやすいこと等

が原因になっている。今回当院で手術治療を行った距骨骨折について若干の文献的考察を加

え検討した。

【症例】30歳男性。2m程から転落受傷、同日受診し距骨骨折を認めた。

同日手術施行(CCS4mm2本)。術後 3ヶ月免荷、PTB作成した。

術後 3ヶ月の時点で MRI上骨壊死等認めず、部分荷重開始した。

術後 7ヶ月の時点で仕事復帰できている。

【考察】早期診断、治療が大切と思われた。後療法についてもHawkinsサインの有無

などの画像所見等注意しながら荷重開始時期等検討していく必要がある。

16:15~16:45 一般演題Ⅱ

座長 JCHO宮崎江南病院 整形外科 吉川 大輔

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Ⅱ-3.顆部スクリューを使用した大腿骨顆部骨折の治療経験

宮崎市郡医師会病院 整形外科 〇川畑武彦 森 治樹 池尻洋史

河野勇泰喜 日髙三貴

大腿骨顆部骨折(AO分類 33B,C)は、関節内骨折であり保存治療では経過が悪く強固な内固

定が必要とされる。特に大腿骨内顆骨折に対しては、現在それ専用のアナトミカルなロッキ

ングプレートが存在しないため、脛骨近位外側用ロッキングプレートや腓骨遠位用ロッキン

グプレート、顆部スクリューなどを用いた手術法の報告が散見される。今回我々は、比較的

稀な大腿骨内顆単独骨折(AO分類 33B2)2例に対し T2顆部スクリューを単独使用、完全関

節内骨折(AO分類 33C1)1例に対し T2顆部スクリューと脛骨近位外側用ロッキングプレー

トを併用して治療し、良好な結果を得たので文献的考察を含め報告する。

Ⅱ-4.小児の陳旧性腱断裂 2 例の経験 宮崎市郡医師会病院 整形外科 〇森 治樹 池尻洋史 河野勇泰喜

川畑武彦 日髙三貴 【はじめに】今回われわれは、小児の陳旧性腱断裂の 2 例を経験したので報告する。 【症例 1】4 歳、男児。土手から転倒し受傷。近医整形外科受診し右橈骨遠位端骨折の診断

にて徒手整復を試みるもうまくいかず同日、当科紹介され骨折経皮的鋼線刺入固定術施行。

翌日退院し、近医整形外科ならびに当科で外来 follow していた。術後 2 か月の再診時に近医

整形外科で右拇指の伸展不能に気づき、当科紹介され右長拇指伸筋腱断裂と診断し腱移行術

を施行した。 【症例 2】11 歳、男児。誤って包丁を右足の甲に落とし受傷。同日、急病センターにて外科

医の診察を受け、1cm ほどの創に対して縫合処置を受けた。その後、近医で創処置を行って

いたが、右母趾の伸展不能に自分で気づくも経過観察。しかし、改善しないため受傷 5 週で

近医整形外科受診し、当科紹介となった。右母趾伸筋腱断裂と診断し、短縮が強かったが端々

吻合を行った。しかし経過中に再断裂し、受傷 17 週目に腱移植術を行った。

☆☆☆ 休 憩(5分)☆☆☆

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S-1.ARMD に Pseudotumor を伴った 3例の治療経験

宮崎大学医学部 整形外科 ○木戸義隆 中村嘉宏 帖佐悦男 坂本武郎 舩元太郎

日吉 優 山口洋一朗 今里浩之 平川雄介

人工股関節置換術(以下 THA)の発展は凄まじいが、成績不良症例も少なからず存在する。

金属摩耗粉に起因する生体反応である Adverse reaction to metal debris(以下 ARMD)は

疼痛、インプラント周囲の偽腫瘍形成、軟部組織壊死による外転筋機能不全、脱臼などをき

たし、再手術症例の報告も散見される。今回、偽腫瘍形成を伴う ARMD の治療を経験したの

で報告する。<症例1>68 歳男性 Trunnionosis でカップのみの再置換と腫瘍切除のみ行

った。<症例2>77 歳女性 巨大偽腫瘍に伴う外転筋機能不全で頻回脱臼を示した。

Trunnionosis に伴うカップ再置換と外転筋機能不全に対しては vastus lateralis

advancement法にて軟部組織再建した。<症例3>72歳女性 巨大偽腫瘍、外転筋機能不全、

頻回脱臼を示した。同種骨移植を併用した Dual mobility Cup での再建並びに腫瘍切除+

Whiteside法による外転筋再建術を行った。<考察>THA術後偽腫瘍形成を認めた場合、ARMD

の他感染や Expanding Hematoma等の診断に難渋する。また ARMDの診断後も Well-fixed Stem

をどうするか、外転筋機能不全・頻回脱臼に対する軟部組織再建法やインプラントの選択な

ど治療戦略に苦慮することが多く集学的治療戦略が求められると思われた。

S-2.ステムの固定骨の骨吸収を予防する Compress®を用いた腫瘍型人工関節の治療経験

宮崎大学医学部 整形外科 ○今里浩之 帖佐悦男 坂本武郎 中村嘉宏 舩元太郎

日吉 優 山口洋一朗 平川雄介 木戸義隆

【はじめに】悪性骨腫瘍に対する腫瘍型人工関節は、補助化学療法の発展と生命予後の改

善とともに標準的治療となった。その後の合併症として、ステムの固定骨の骨吸収が存在

し、難渋する症例を経験する。今回、骨吸収を予防する腫瘍型人工関節であるCompress®を

用いて、手術加療を行った症例を報告する。

【症例】症例1:14歳男児。発熱と左大腿部痛を認め、近医受診、炎症反応の上昇、単純X

線で左大腿頸部に骨透瞭像を認め、当院へ紹介受診。切開生検術でEwing肉腫の診断となっ

た。術前化学療法を施行後、腫瘍型人工骨頭置換術を施行。経過中の固定骨の明らかな骨

吸収像を認めていない。

症例2:44歳女性。墜落受傷で多発外傷あり。高度な粉砕を伴う大腿骨遠位端骨折に対し骨

接合術を施行するも、良好な固定性を得られず、腫瘍用人工膝関節を施行。術後4カ月で骨

吸収なく、経過観察中である。

【考察】生命予後の改善とともに長期機能予後が問題となる。日本での同インプラントの

長期成績の報告が望まれる。

16:50~17:50 主 題「骨・軟部腫瘍」

座長 宮崎大学医学部 整形外科 坂本 武郎

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S-3.上下肢に多発した腱鞘巨細胞腫の治療経験

宮崎大学医学部 整形外科 〇當瀬雅大 大田智美 坂本武郎 田島卓也 山口奈美

長澤 誠 森田雄大 横江琢示 川越秀一 帖佐悦男

【はじめに】結節型腱滑膜巨細胞腫である腱鞘巨細胞腫は手指に発生することが多い。

我々が経験した上下肢 3 か所に多発した稀な腱鞘巨細胞腫の症例を経験したので報告す

る。

【症例】45 歳男性、4 年前にほぼ同時期に左示指基節部掌側、左肘頭部、左膝前方および

内側に腫瘤を自覚した。しばらく放置していたが徐々に腫瘤が増大したため、6 か月前に近

医受診したところ、MRI にてすべて関節外に存在する腫瘤で腱鞘巨細胞腫を疑われ、当科

紹介となった。採血では可溶性 IL2 レセプター高値であったが内科による精査の結果、血

液疾患や膠原病は否定的であり、左膝腫瘤の切除生検を施行したところ、腱鞘巨細胞腫の

診断であった。MRI 上左示指、左肘、左膝とも同様の所見であったため、多発腱鞘巨細胞

腫と判断し、3 か所同時に腫瘍切除術を施行した。

【考察】腱鞘巨細胞腫の 85%は手指・足趾に発生するとされ、膝や肘の発生例は比較的少

ない上、我々が調査しえた範囲では上下肢 3 か所に多発した症例の報告例はほとんどなく

非常に稀である。本症例につき、文献的考察を加え報告する。

S-4.膝関節に生じた色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)の 4例

県立宮崎病院 整形外科 〇菊池直士 井上三四郎 増田圭吾 岩崎元気 藤井勇輝

中村 良 白﨑圭伍 横山龍三 阿久根広宣

色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)は滑膜由来の良性の腫瘍性疾患で、膝関節に発生するこ

とが多い比較的まれな疾患である。2009年 4月から 2019年 3月の間に当科で 4例の PVNS

症例を経験した。症例の平均年齢 44.5歳(37~53歳)、男性 3例、女性 1例であった。限

局型 1例、びまん型 3例で、びまん型の 1例では骨浸潤が認められた。

限局型は小切開で単純切除、びまん型は open synovectomyを施行した。骨浸潤が認められ

た 1例は骨移植術を併用した。前方・後方の滑膜切除を施行した 1例は、術後に関節拘縮

を生じ、受動術を必要とした。当院で治療を行った4例について、若干の文献的考察を加

え報告する。

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S-5.高齢発症の骨盤ユーイングに対し集学的治療を行なった一例

ー肺転移巣からの出血に対して行なった TAEの有用性に関してー

宮崎大学医学部 整形外科 ○神谷俊樹 中村嘉宏 帖佐悦男 今里浩之 平川雄介

山口洋一朗 日吉 優 舩元太郎 坂本武郎

【はじめに】ユーイング肉腫は小児または若年に発症する骨軟部腫瘍であり、転移部位とし

ては肺・骨転移が多い。今回肺転移巣からの出血に対して TAEを行った高齢発症の症例を経

験したので報告する。

【症例】2014 年(50 歳時)に左骨盤部のユーイング肉腫の診断となり VDC/IE 療法+放射線療

法を施行された。一時腫瘍の縮小化に成功したが、2016年に肺転移を生じた。胸腔鏡下肺部

分切除や、TPO/CVC療法、GEM/DTX療法を施行し経過観察できていたが、腫瘍は緩徐に増大傾

向であり 2020 年よりパゾパニブも導入した。同年 5 月 28 日頃から咳嗽・呼吸困難が出現、

Xp・CT にて左胸水の貯留と圧排性無気肺を認めた。胸腔穿刺、造影 CT の結果から肺転移巣

からの出血と判断し TAEを施行したところ、胸腔内のドレナージが可能なり呼吸状態の改善

を認め退院に至った。

【考察】肺転移腫瘍に対する TAEはまれであるが、ドレナージを可能にし呼吸状態の改善に

成功した。

【結語】緩和的側面においても転移巣に対する TAEは有用である可能性がある。

S-6.当科での上肢腫瘍における正診率についての検討

JCHO宮崎江南病院 整形外科 ○甲斐糸乃 戸田 雅 吉川大輔 益山松三

【はじめに】2015 年 4 月から 2020 年 3 月までの5年間で当院整形外科において術前に上肢

腫瘍性病変として診断し手術を行った症例の正診率について検討を行ったのでこれを報告

する。【対象】診察所見・画像検査をもとに整形外科/放射線科医師(当院・他院)のいずれ

かが, ガングリオン・粘液嚢腫を除く上肢腫瘍性病変と術前診断した 33 例(骨腫瘍 10 例,

軟部腫瘍 23 例)を対象とした。【結果】全 33 例のうち整形外科または放射線科医師の術前

診断と病理診断が合致した症例は 24例(72.7%)であり, 骨腫瘍 9例(90.0%), 軟部腫瘍 15例

(65.2%)であった。術前良性病変と診断した軟部腫瘍の 1 例で悪性腫瘍を認めた。【まとめ】

当院は市中病院であるため良性腫瘍の割合が高く, 骨腫瘍では病的骨折を契機とし指摘さ

れる内軟骨腫が多くを占め, 正診率が高い傾向であった。しかし軟部腫瘍では発生頻度の低

い症例が散見され, 術前診断に難渋することもあり, より注意深い術前診断が重要である

と考えた。

☆☆☆ 休 憩(10分)☆☆☆

Page 13: 第80 回 宮崎整形外科懇話会 プログラム...第 80 回 宮崎整形外科懇話会 プログラム 日 時: 令和2年6月27日(土)15: 30~ 会 場: 宮崎県医師会館

18:00〜19:00 特別講演(宮崎整形外科学術セミナー)

座長 宮崎大学医学部 整形外科 帖佐 悦男

「軟部腫瘍の取り扱い方」

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科

生体機能再生・再建学講座(整形外科)

教授 尾﨑 敏文 先生