あなたの糖尿病は ですか? · 改善が不十分であることが多く、...

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監修:東京都済生会中央病院 糖尿病・内分泌内科 及川洋一 ~糖尿病克服への第一歩を踏み出すために~ あなたの糖尿病は ですか?

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Page 1: あなたの糖尿病は ですか? · 改善が不十分であることが多く、 治療効果も長続きしません。 また、かえって病状を悪化させる 可能性もあります。

監修:東京都済生会中央病院 糖尿病・内分泌内科 及 川 洋 一

~糖尿病克服への第一歩を踏み出すために~

あなたの糖尿病は

何 ですか?

Page 2: あなたの糖尿病は ですか? · 改善が不十分であることが多く、 治療効果も長続きしません。 また、かえって病状を悪化させる 可能性もあります。

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Q血液中のブドウ糖を血糖といいます。ブドウ糖は小腸で吸収されたあと肝臓を経由し、血流にのって全身に行き渡ります。

血糖値はインスリンによってコントロールされています。

そもそもそもそもそもそも血糖って何なの?血糖って何なの?血糖って何なの?

Qすい臓から分泌されるホルモンです。血糖をさげるはたらきがあり、主に筋肉や脂肪、肝臓で大きく作用します。

“インスリン”って“インスリン”って“インスリン”ってよく聞きますけど…?よく聞きますけど…?よく聞きますけど…?

肝臓 肝臓

すい臓 すい臓 脂肪 脂肪

脂肪 脂肪

筋肉 筋肉

インスリン インスリン ブドウ糖 ブドウ糖

小腸 小腸

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くみ出されたブドウ糖はエネルギー源として利用

筋 肉

肝臓からのブドウ糖の放出をおさえる

肝 臓

くみ出された余分なブドウ糖は脂肪にかわる

脂 肪

インスリンインスリンインスリン ブドウ糖ブドウ糖ブドウ糖

血管

2

Qインスリンが血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪へくみ出すとともに、肝臓からのブドウ糖の放出をおさえるからです。

どうしてインスリンでどうしてインスリンでどうしてインスリンで血糖がさがるの?血糖がさがるの?血糖がさがるの?

Q筋肉ではエネルギー源として利用されます。しかし食べ過ぎによる余分なブドウ糖は脂肪に変わって貯蔵されるため、運動不足とともに肥満につながります。

くみ出されたブドウ糖はくみ出されたブドウ糖はくみ出されたブドウ糖はどうなるの?どうなるの?どうなるの?

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Q血糖値を下げようとしても、インスリンを十分に分泌することができず、良好な血糖値が得られません。すい臓に生じている「自己免疫」という炎症が原因の1つのようですが、どうしてそうなるのかよくわかっていません。

1型糖尿病

詳しいことはよくわかってないみたいね…

自己免疫??炎症?

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すい臓でなにがすい臓でなにがすい臓でなにがおこっているの?おこっているの?おこっているの?

Q足りない分をインスリン注射で補う足りない分をインスリン注射で補う足りない分をインスリン注射で補うことが最も有効です。すい臓の働ことが最も有効です。すい臓の働ことが最も有効です。すい臓の働きを助け、負担を減らすことが可能きを助け、負担を減らすことが可能きを助け、負担を減らすことが可能です。です。です。

治療は?治療は?治療は?

糖尿病には主として

2つの があります。

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2型糖尿病

Q血糖値を下げようとしてインスリンを一生懸命分泌しています。しかし、日々の生活習慣の乱れによってすい臓に大きな負担がかかってしまい、インスリン分泌が追いつきません。

すい臓でなにがすい臓でなにがすい臓でなにがおこっているの?おこっているの?おこっているの?

Q生活習慣の改善や適切な薬物治療で、すい臓への負担を減らしてあげます。

治療は?治療は?治療は?

運動不足

肥 満

食べすぎ 飲みすぎ

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自己抗体の結果はいかがでしたか?

1型糖尿病では、すい臓の細胞に対する炎症反応(自己抗体)を認めることが多いので、自己抗体(GAD抗体、IA-2抗体)を調べることによって1型糖尿病かどうかを“推測”することができます。

※30歳未満の方で、GAD抗体が“陰性”の場合は、さらに“IA-2抗体”の検査が可能です。

糖尿病と診断されたら、

“GAD抗体※”を調べてみましょう。

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どうすれば、糖尿病の を知ることができるの?

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型に見あった適切な治療を進めていくことが、“糖尿病克服”への大きな第一歩 となるからです。型にあわない治療では、血糖値の改善が不十分であることが多く、治療効果も長続きしません。また、かえって病状を悪化させる可能性もあります。

なぜ、糖尿病の を区別する必要があるの?

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「2型糖尿病だと思っていたのに、「2型糖尿病だと思っていたのに、「2型糖尿病だと思っていたのに、実は1型糖尿病だった!」なんてことも……。実は1型糖尿病だった!」なんてことも……。実は1型糖尿病だった!」なんてことも……。

1型糖尿病の中には、数年かけて徐々にインスリンの分泌が悪くなっていくもの(緩徐進行1型糖尿病)があります。初めのうちは2型糖尿病のようにみえるため、診断には自己抗体の検査が大変役に立ちます。緩徐進行1型糖尿病では早い段階からインスリン治療をお勧めしています。その結果、安定した血糖コントロールが長期にわたって得られやすく、合併症の予防や進展防止につながると考えられます。

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