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特集 特集 特集: 椙大キャンパス食育プロジェクト 1 学園食育ニュース 5 椙山女学園食育推進センター講演会報告 6 CONTENTS CONTENTS 椙山女学園大学 看護学部 教授 椙山女学園食育推進センター主任  中島 正夫 平成19年4月に設置された椙山女学園食育推進センターでは、学園における食育を総合的かつ計画的に推進するに当たり、 平成20年7月に「椙山女学園食育推進基本指針」を策定、次いで10月に「食に関する実態調査」を行いました。その結果、 大学2年生について、自分の食生活を適切と考える者は22.3%、栄養バランスを考えて食べる者は31.6%、食べ物を適切に選 択できている者は31.0%などであることが明らかになりました。 このため、センターは、大学と協働して平成21年度から1年生を対象とした全学共通科目「人間論」の1回分を「食育」に あて「食と健康」に関する知識を一定教授するとともに、キャンパスにおける食環境の整備に取り組むことにしました。 平成22年度に一部学生を対象としたアンケート調査などを実施した結果、30%程度の者が入学後に食生活が乱れること、 昼食メニューの選択理由は「好み」「気分」「値段」などであること、一方食堂で「メニューのカロリーや栄養成分」などが 示されれば参考にすること、「料理教室」や「栄養相談」を利用したいと考えている学生が半数程度いることなどがわかり ました。そこで、今年度5月に管理栄養学科續教授の卒論指導生、学生課、学内の食堂および山崎製パンとプロジェクトチー ムを結成し、椙大キャンパスにおける食環境整備を進めています。 具体的には、今年度後期から、キャンパス内の食堂で、すべてのメニューに「食事バランスガイド」とカロリー・塩分 を示すとともに、各食堂と共同開発した“女子大学生にとって1日に必要なカロリーや栄養素の1/3を摂取できるバランスメ ニュー”など、「女子大らしい」ヘルシーメニュー・弁当を提供しています。また、一部食堂や日進キャンパスのコンビニ で山崎製パンと共同開発した『バランス弁当』も販売しています。 さらに、管理栄養学科を卒業された管理栄養士の方々と同学科在校生の協力を得て、今秋から「料理教室」や「栄養相談」 も実施しています。 センターは、椙大生が「健全な食生活を実践することができる」ことを支援するため、これからも取り組みを推進してい きます。 3 号 2012.1.10 編集・発行 椙山女学園食育推進センター 〒464-8662 名古屋市千種区星が丘元町17番3号 〈TEL〉052-781-4346 〈FAX〉052-781-8115 〈URL〉http://www.sugiyama-u.ac.jp/shokuiku 学食 さつき 学食 F.19

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特集特集

特集: 椙大キャンパス食育プロジェクト 1

学園食育ニュース 5

椙山女学園食育推進センター講演会報告 6

CONTENTSCONTENTS

椙山女学園大学 看護学部 教授椙山女学園食育推進センター主任  中島 正夫

 平成19年4月に設置された椙山女学園食育推進センターでは、学園における食育を総合的かつ計画的に推進するに当たり、平成20年7月に「椙山女学園食育推進基本指針」を策定、次いで10月に「食に関する実態調査」を行いました。その結果、大学2年生について、自分の食生活を適切と考える者は22.3%、栄養バランスを考えて食べる者は31.6%、食べ物を適切に選択できている者は31.0%などであることが明らかになりました。 このため、センターは、大学と協働して平成21年度から1年生を対象とした全学共通科目「人間論」の1回分を「食育」にあて「食と健康」に関する知識を一定教授するとともに、キャンパスにおける食環境の整備に取り組むことにしました。 平成22年度に一部学生を対象としたアンケート調査などを実施した結果、30%程度の者が入学後に食生活が乱れること、昼食メニューの選択理由は「好み」「気分」「値段」などであること、一方食堂で「メニューのカロリーや栄養成分」などが示されれば参考にすること、「料理教室」や「栄養相談」を利用したいと考えている学生が半数程度いることなどがわかりました。そこで、今年度5月に管理栄養学科續教授の卒論指導生、学生課、学内の食堂および山崎製パンとプロジェクトチームを結成し、椙大キャンパスにおける食環境整備を進めています。 具体的には、今年度後期から、キャンパス内の食堂で、すべてのメニューに「食事バランスガイド」とカロリー・塩分を示すとともに、各食堂と共同開発した“女子大学生にとって1日に必要なカロリーや栄養素の1/3を摂取できるバランスメニュー”など、「女子大らしい」ヘルシーメニュー・弁当を提供しています。また、一部食堂や日進キャンパスのコンビニで山崎製パンと共同開発した『バランス弁当』も販売しています。 さらに、管理栄養学科を卒業された管理栄養士の方々と同学科在校生の協力を得て、今秋から「料理教室」や「栄養相談」も実施しています。 センターは、椙大生が「健全な食生活を実践することができる」ことを支援するため、これからも取り組みを推進していきます。

第 3 号 2012.1 .10編集・発行 椙山女学園食育推進センター

〒464-8662 名古屋市千種区星が丘元町17番3号〈TEL〉052-781-4346 〈FAX〉052-781-8115〈URL〉http://www.sugiyama-u.ac. jp/shokuiku

椙大キス ェクト椙大キ

ャンパス食育プロジェクト~女子大らしい食堂へ~~女子大らしい食堂へ~

学食さつき

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椙大キャンパス食育プロジェクト特集 特集 ◆◆

椙大生のための食事バランスガイド椙大生のための食事バランスガイド

椙大生の食事バランスガイド 椙大生(18~22歳)は、1日の食事を次のように食べるよう心がけましょう。

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2 1 1 2※椙大生(18 歳~ 22 歳)の平均体重より推定エネルギー必要量を算出し、身体活動の「低い~ふつう」の学生を対象に必要単位を決定しました。

牛乳・乳製品

牛乳1杯程度

みかん2個程度果物

料理例1日分

主食(ごはん、) パン、麺

ごはん(中盛)3杯程度

副菜(野菜、きのこ、) いも、海藻料理

野菜料理5皿程度

主菜(肉、魚、卵、) 大豆料理

肉、魚、卵、大豆料理3皿程度

2,200±200kcalの場合

『食事バランスガイド』とは1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかが一目でわかる、食事の目安です。「コマ」をイメージとして、食事バランスが悪くなると倒れてしまうことを表現しています。

「何を」とは?主食、副菜、主菜、

牛乳・乳製品、果物の5区分。

「どれだけ」とは?1日の目安をそれぞれの料理区分毎に1つ、2つ・・・と「~つ (SV)」という単位

で表しています。

 食事バランスガイドの知識を身につけてもらおうと、管理栄養学科の續教授の卒論指導生がリーフレットを制作。また、各食堂には、ポスターや卓上メモを設置するほか、各メニューに食事バランスガイドと栄養成分を表示し、自身がお昼に食べた食事のバランスチェックができるようになりました。

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椙大キャンパス食育プロジェクト特集 特集 ◆◆

食育料理教室食育料理教室

『健康美人になろう!』栄養相談会『健康美人になろう!』栄養相談会

 椙山女学園食育推進センターでは、本学星が丘キャンパスにおいて、在学生を対象とした食育料理教室を開催しました。全3回にわたり、第1回目11月12日(土)は「かんたん!どんぶりセット」、第2回目11月26日(土)は「ホッと・あったかカレーランチ」、第3回目12月10日(土)は「基本の和食にチャレンジ」というテーマで、毎回3品から4品の調理実習を行いました。 平成22年度に在学生を対象として実施した調査の結果、自分の食生活を適切と考えない者は69%、その一方で、大学で料理教室があったら利用したいと回答した者は62.8%でした。この調査結果を受けて、センターでは、料理初心者でも簡単に自分で料理が作れるようになる機会を提供するために、料理教室を開催することになりました。 講師は本学家政学部の卒業生で管理栄養士の宇野良子氏。各回では「食事バランスガイド」を使って栄養バランスのとれた食事を身につけてもらおうと、主食・主菜・副菜が揃った一食分の献立になっており、食材には、季節のものを中心に、毎日食べてほしい食品『まごはやさしい』、ま(豆)・ご(胡麻)・は(若布)・や(野菜)・さ(魚)・し(椎茸)・い(芋)を取り入れて紹介していただきました。 参加者の学生(16名)は、野菜の切り方や出汁のとり方といった調理の基本からスタートし、宇野講師や管理栄養学科3年生のスタッフから手ほどきを受けながら、回

を重ねるごとに調理のスキルを磨いていきました。 第1回目の終わりには、宇野講師から「ごはんの量が少し多いと感じている方がいらっしゃるように思いますが、一食のごはん量として、この分量(200g程度)は決して多すぎる分量ではありません。むしろ、ご飯を控えると肉や魚などの主菜(おかず)を食べ過ぎることになりがちです。そして、ごはんに含まれる糖質はすぐにエネルギーとして利用されるので、一日の活動を行うためには、しっかりとごはんを食べることが大切です。」といったアドバイスがありました。

 椙山女学園食育推進センターでは、本学星が丘キャンパスにおいて、在学生を対象とした栄養相談会を開催しました。第1回は、10月20日(木)、学生会館1階の学生食堂出入口付近にて、第2回は、11月17日(木)、教育学部棟G階ロビーにて、第3回は、12月15日(木)、学生会館1階の学生食堂にて行いました。 この栄養相談会は、学生が日ごろ抱いている「食」に関する疑問や悩み、不安などを解決し、適切な食事で健康な学生生活が送れるようにすることを目的として企画しました。 本学生活科学部の卒業生で管理栄養士の松井菜菜氏に講師をお願いし、女性の気になる健康や美容、ダイエットなどについても食と栄養の面から分かりやすくアドバイスしていただきました。

 まずは、参加者たちの一日の食事がバランスのとれた状態かどうかを、リアルなフードモデルで瞬時に栄養価を判定することができる『食育SATシステム』を使って、

本学生活科学部管理栄養学科の学生スタッフたちが診断。次に、松井講師から、その結果を踏まえて、どんなことに気をつけてればよいか、改善策を説明していただきました。 実際に、今回の相談会に参加した学生たちは「食事のバランスの悪さを自覚していましたが、結果として目にすると焦りました。」「食について振り返る機会がなかなかないので『こうする

といいよ』といった具体的なアドバイスをしていただけて参考になりました。」と自身の食について見直す良い機会になったようです。

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椙大キャンパス食育プロジェクト特集 特集 ◆◆

 今年度の食育プロジェクトの概要は、1頁にまとめられていますので、ここでは、具体的なメニュー作りを担当した者としての苦労話を少し語らせて頂こうと思います。 当初、食堂メニューやコンビニ弁当を提供される業者の方々は、“ヘルシー”を“低カロリー”と捉える傾向があり、このプロジェクトが目指す“ヘルシー”は“健康的”という意味であることを理解してもらうことが必要でした。そこで“ヘルシー”の内容を具体的に示す“ヘルシー基準”を作成することから取り組みました。主食・主菜・副菜が揃い、エネルギーや塩分量、野菜量などについて椙大生一日の必要量の三分の一を満たすことを基本として、カルシウムや鉄分を増強したり、脂肪酸バランスに留意したメニューの基準も設けました。これに基づいて実際にメニュー作りを進める中で、参加された皆さんに食事バランスの重要性を把握して頂けたこともプロジェクトの一つの成果であったと思われます。 学内食堂での「ヘルシーメニュー」展開へ向けては、“ヘルシー基準”に沿ったメニュー提案を行い、何度も協議を重ねて合計9種を提供メニューに加えてもらい、これらを含め全てのメニューに『食事バランスガイド』を付けることから取り組みを開始しました。学内食堂で提供される全てのメニューについて学生が栄養価計算を行って『食事バランスガイド』に仕立て、リーフレット、ポスター、卓上メモにそれらの結果を示して食堂利用者に提供して行きました。メニューの追加や改訂は、業者の方々にとってもそれなりの負担であり、提案や指摘が即実現とはなりませんが、可能な点から手直しを進めてもらっています。おかげで、学生課の担当者には、周囲から“食堂が良くなって、毎日お昼が楽しみになった”との声も届いているそうです。 「バランス弁当」は、山崎製パン㈱からの提案を受けて開発を進めました。コンビニ弁当一般の傾向として味付けが濃く、塩分量が高目でしたので、細かな味付けの工夫を重

ねることで、減塩を実現することが出来ました。食材の提案では、学生からの“食べたい!”という希望に応えながら、僅かな価格上昇も控えて学生向け商品として成り立つものにするために歩み寄りを頂きました。デザートとして新たにエゴマ入りスイートポテトやクレープなどの工夫も採用しました。こうして、基準を満たし、味や見た目もメンバーの合格が得られた弁当は、販売に向け栄養分析が行われましたが、その結果を待つ間、スタッフや学生はまるで発表を待つ受験生のような面持ちでした。 プロジェクトを進める中で、これまでお付き合いの無かった方々との間で開発業務を進めるには、立場や視点の違いなどで議論が分かれるような場面もありましたが、リーダーとなった看護学部中島教授が「学生の健全な食生活実践の実現」という基本を守る姿勢を示して頂けたことも大きな力となったと思います。おかげで新しいメニュー作りはまずは順調な滑り出しになったと感じています。内容の評価・検討も重ねて行かなければなりませんが、これからも着実に育てて行けたらと期待しています。

メニュー作りのこぼれ話メニュー作りのこぼれ話椙山女学園大学 生活科学部 教授椙山女学園食育推進センター員    續   順 子

F.19『ヘルシーメニュー』

椙山×山崎製パン『バランス弁当』

さつき『ヘルシーメニュー』

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学 園 食 育 ニ ュ ー ス

 幼稚園での食育では、学年に応じて様々な教材を活用しています。話を聞くだけでは理解が難しいことも、絵本や紙芝居、エプロンシアターなどといった教材の具体的なエピソードや絵があると、理解が進み、意欲も高まる様子が見られます。 年中組では、12 月上旬に「早寝早起き朝ごはん」というエプロンシアターを行いました。くまくんが朝から元気がなかったのは、夜ふかしをして寝坊してしまい、朝ごはんを何も食べていなかったことが原因だったいうお話です。子どもたちは、口々に「早く寝た方がいいよね!」「早く起きるといっぱい朝ごはんが食べられるよ!」と言っており、教師が伝えたいことに自ら気

づく姿がありました。 このような理解や意欲が実際の生活につながることを 願 い な がら、幼稚園では食育を進めています。

 食べることはそのまま生きることにつながります。本校の生徒には、体や栄養のことを人任せにせず、自分で考えられるようになってほしいと考えています。食や栄養についての基礎知識を学び、“作れる女性”になれるよう調理実習を行う家庭科の授業や、「文化としての世界の食」について調べ試食会も開催する総合学習の時間など、本校では幅広い視点から「食」への理解を深める授業を行っています。 平成18年に完成した中学校・高等学校のランチルーム「S-eat(スイート)」では、地元の食材を中心に使った安心・安全な料理を、専門のスタッフが現場で調理しています。手作りの新鮮で温かいものが食べられることで生徒からも好評です。一つひとつの料理にカロリーが表示されていることや、数種類のおかずを組み合わせる「バランスランチ」があることなど、生徒自身が栄養や健康に意識を持つことができるよう工夫している点も特色です。また、食育教育の一環として、自分が食べているものがどこで作られているのかなどについて、掲示物などを利用して意識付ける取り組

みを行っています。 平成 24 年度からは、今年度、大学で行った「椙大キャンパス食育プロジェクト」という取り組みを、中学校・高等学校のランチルームにも実施して、更に充実した女子中学生・女子高校生らしいランチルームを目指して活動していきます。

高等学校中 学 校 日常から学ぶことを基本にした「食育」への取組

 スウェーデンでのクリスマスのメインディッシュはユールシンカ(Julskinka)。ハムのような豚肉の塊に、パン粉や卵、マスタードを付けて焼いたものです。

 12 月 6 日、小学校の給食は、クリスマス料理の 1 回目。パン粉を付けたハムステ ー キ 風 のユールシンカが出されました。この日は、シェフと栄養士さんが各クラスを回り、

ユールシンカやスウェーデンの話をし、カードを配布して下さいました。ちなみに、「ユール(Jul)」は「クリスマス」、「シンカ(Skinka)」は「豚のおしり」という意味だそうです。 子どもたちは、興味深げに栄養士さんの話を聞き、「豚のおしり」に歓声を上げ、カードに見入っていました。世界中にはいろいろなクリスマス料理がありますね。 椙小では、毎月給食の献立に世界の料理や季節の行事食などを取り入れ、また、栄養士さんが食育指導に来て下さいます。

小学校 スウェーデンのクリスマス料理って?

幼稚園 教材を使っての幼稚園での食育

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 椙山女学園食育推進センターでは、6月18日(土)に、第22回椙山フォーラムを開催し、250名の方々にご参加いただきました。 東京大学名誉教授の阿部啓子氏による『健やかな生活習慣を支える“食と健康”の先端科学』と題した特別講演では、食べ物のおいしさを切り口に食育の必要性を訴えました。学術面と産業面で発展してきた日本の栄養学の歴史、味覚と健康に関する最先端の研究成果について解説されました。「味覚は絶対音感や言語習得と同じで、ある時期までにきちんと教育しないと成長しないため、子どものころから『食事は楽しい』という感覚を育て、多彩な食品の味を経験させることが必要である。」と説かれました。 「子どもたちの食育」をテーマにした実践例紹介では、お茶の水女子大学准教授の赤松利恵氏と瀬戸市立西陵小学校教諭の石川桂子氏のお二人の講師からの講演と総合討論が行われました。 研究者の立場から、赤松氏は行動科学の視点からみた食育について講演していただきました。子どもたちに望ましい食習慣を形成させるには「○○するといいよ」という結果期待ではなく、「○○だったらできそうだ」という効果期待を高める必要があることを強調されました。「セルフエフィカシー(self-efficacy)を高めるには、成功体験を持つ、他人の行動を観察する、そして、周りから『できる』といわれることです。」と赤松氏。その事例として食育紙芝居による指導法を紹介していただきました。 続いて、栄養教諭の立場から、石川氏は小学校における食育について講演していただきました。食を通じて豊かな心を育むことをテーマに『学習指導』『給食指導』『家庭・地域との連携』の3つを相互に関連づけながら実践を進めている西陵小学校の食育の実践例を紹介していただきました。「全教職員が連携・協力しながら、教科や総合的な学習、特別活動、学級活動、給食時間など教育活動全般を通じた体験学習、具体

的には、野菜栽培やバケツ稲作栽培、地域の牧場見学、魚市場見学などを実践することで、子どもたちは食べ物を作る苦労や作る人の思いなどを深く肌で感じとり、感謝の気持ちが生まれ、大きな成果につながりました。」とこれまでの食育の取組について報告していただきました。 その後の総合討論では、会場との質疑応答が行われ、大変盛況のうちにフォーラムは終了しました。 センターの主催する食をテーマにした次回の講演会は平成24年6月16日(土)に行う予定ですので、皆さま是非ご参加ください。

 今回特集した『椙大キャンパス食育プロジェクト』によって、椙大生の食生活をサポートする取り組みがスタートしました。学生の皆さんが健全な食生活を実践できる力が身につくように、『女子大らしい』ヘルシーメニュー・弁当の提供や料理教室、栄養相談会などを実施しています。 今話題の㈱タニタでは、“メタボ社員ゼロ”をキーワードに社員食堂を運営しており、そのレシピをまとめた本『体脂肪計タニタの社員食堂』が大ヒットしています。しかし、社食のオープン当初はカロリーと塩分のみを重視したレシピだったので、人気も低かったとのこと。そこで、意識したのは社員の『満足度』だったそうです。 今後は、在学生の皆さんの『満足度』を意識して、卒業された後にも「また椙大の学食を食べたい」「椙大で食について学べて良かった」と思っていただけるような食環境を整備していきたいと考えておりますので、ご意見・ご要望などがございましたら、センターまでお寄せいただければ幸いです。

■ご意見・ご要望などはこちらへお寄せください。 椙山女学園食育推進センター(企画広報部企画課) TEL:052-781-4346(直) FAX:052-781-8115 E-mail:[email protected]

編 集 後 記

子どもたちの食育子どもたちの食育 第22回椙山フォーラム 第22回椙山フォーラム~第5回 椙山女学園食育推進センター講演会報告~

椙大キャンパス食育プロジェクト

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