理工学部 八名和夫 - 法政大学 [hosei university]yana/fd100703_yana.pdf · 2010/7/4 3...

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2010/7/4 1 理工学部の教育ビジョンとFD 図書館・情報メディア教育研究センターとの連携 GPAを巡る諸問題 理工学部におけるFD取り組みの体制 理工学部 八名和夫 「いきいとした学び空間」の創出 学習活動の目標がはっきりしている 学生たちが生き生きと楽しみながら高いレベル の学習目標を達成させることができる空間 学習活動の目標がはっきりしている● 取り組むべき課題が能力に均衡している。 ● 即座にフィードバックが得られる。

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Page 1: 理工学部 八名和夫 - 法政大学 [HOSEI UNIVERSITY]yana/fd100703_yana.pdf · 2010/7/4 3 理工学部教学企画委員会2009年度プロジ クトプロジェクト (リーダー間下克哉教授)

2010/7/4

1

理工学部の教育ビジョンとFD図書館・情報メディア教育研究センターとの連携GPAを巡る諸問題理工学部におけるFD取り組みの体制

理工学部 八名和夫

「いきいとした学び空間」の創出

● 学習活動の目標がはっきりしている

学生たちが生き生きと楽しみながら高いレベルの学習目標を達成させることができる空間

● 学習活動の目標がはっきりしている。● 取り組むべき課題が能力に均衡している。● 即座にフィードバックが得られる。

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((CsikszentmihayiCsikszentmihayi, , 19901990))

カリキュラム

カリキュラムの体系化と効果的なカリキュラムの導入(PBL インタ ンシップ SA 少人数教育等)(PBL, インターンシップ, SA, 少人数教育等)

多様なメンター制度の導入

チューター、TAによる低学年の学生指導、オフィスアワー、ゼミ、プレゼミによる組織的なメンタリングの実施

日常的フィードバック

GPA情報、出席管理・授業支援システムによる日常的なフィードバック

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理工学部教学企画委員会 年度プロジ クト理工学部教学企画委員会2009年度プロジェクト(リーダー間下克哉教授)線形代数学、微積分学の統一シラバスを策定。

講義ノート http://proto.cms.k.hosei.ac.jp/drupal3/OCW/list 

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高年次生が1年次生の学習を支援するチ タ制度を実施 高年次生が1年次生の学習を支援するチュータ制度を実施

前期各科合計20回程度(1回:90分)のチューター指導を実施。相談件数は、平均1日あたり2件程度であったが応用情報

工学科で必修科目の課題と連携*させたところ相談者数が格段に増加した。

*プレースメントテスト低得

点者(26名)に課題を与え、

チュータの指導を義務付ける。

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点 布

プレースメントテスト得点を指標とする

得点分布図

高大連携数学基礎力の保証

分布図 分布図

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ICTを活用した共同学習・メンタリングの場を提供する

ラ ニング モンズの機能ラーニングコモンズの機能1.図書館資源PC,ネットワーク環境を活用した自習及び少人数のグループ学習

2.図書館利用セミナー、検索、OPAC利用講習

3.学習アドバイザー、チューターによる学習指導

4.Edu2011情報教育環境を活用した情報教育の自習

5.課外プレゼミやオフィスアワー対応

6.市ヶ谷ラーニングコモンズと連携した遠隔セミナー実施

●図書館機能を南館に集中。

●ICT関連設備はEdu 2011 の一環として導入

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ドロップアウト発生の実効ある予防対策を講ずる。

必修科目不合格者のリストを作成し学科主任を通じて対応を行っている。また、現在自動的に学生へフィードバック文書を作成するソ書フトウェアを開発中。フィードバック項目としては1.未履修必修科目 2. 必修科目の出席率 3. GPAと成績ランク等。

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情報メディア教育研究センターとの共同開発

成績通知文書(成績不振者向けGPA下位25%以下)(案)

法政太郎君の学業成績はGPA2.3(学部1年次生平均2.8) で下位25%以下です。

下記必修科目の単位が未履修です下記必修科目の単位が未履修です。コンプリヘンシヴ・イングリッシュI プログラミング言語Cデータ構造とアルゴリズム必修科目は配当年度に履修・合格するように心がけて下さい。教員のオフィスアワーや上級生によるチューター制度を活用して、難しいと思ったことがあれば自分だけで悩まず相談して下さい。

必修科目の出席率は下記のようになっています。コンプリヘンシヴ・イングリッシュI  24%ッ 4コンプリヘンシヴ・イングリッシュII    43%情報工学入門 78%..履修科目は100%出席が原則です。本年度履修単位数は32単位でした。平均的な履修単位は36単位です。総合判定:法政太郎君はこのペースでは4年間での卒業は困難です。来年度遅れを取り

戻すよう努力して下さい。

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能力別少人数クラス編成により学生の英語能力を高める

上位25% 中央値 平均値 下位25% 500点以上

能力別少人数クラス編成により学生の英語能力を高める。

入学時TOEFLスコアによる能力別少人数(20名)クラス編成の実施。12月のTOEIC統一試験結果で評価。

TOEICスコア比較

上位25% 中央値 平均値 下位25% 500点以上

2007工学部

365 325 323.0 270 16名(2.1%)

2008理工・生命

420(+55) 360(+35) 366.7(+43.0) 300(+30) 59名(10.2%)

目標:幅広い学修を可能とするためSA(スタディ アブロ ド)制度を設けるタディーアブロード)制度を設ける。

2009年度実施に向けて立案を行い、現地調査

を経て実施の方向性が常務理事会、国際交流センター、学部長会議で承認された。

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分布を指標とし成績評価の基準設定 GPA, GPCA分布を指標とし成績評価の基準設定と適正化を実現する。

学科間にGPA格差が大きく、是正する必要がある。GPAを到達目標がどの程度達成されたかを表す指標と位置付け絶対評価を基本とするとしても ある程度相対評価的な要素とするとしても、ある程度相対評価的な要素(A+を受講者の5%程度とするなど)を取り入れる必要があるかどうか検討を進めている。

3.093

3.5

2.6 2.64

2.82

2.47 2.522.64

2.73

2.08 2.12

2.38

2.022.1 2.15

2.38

2.67

6 1 66

1.83 1.831.95

2.2

2

2.5

3

上位25%

中央値

下位25%

1.63 1.661.51 1.53

1

1.5

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絶対評価を考慮した線形変換90点以上5%

素 値( )

素点

60

9090点以上5%

合否境界点(教員による絶対評価)x0

x1

60)(30

001

xxxx

y

素点上位5%タイル値(自動決定)

正規化

スコア

非線形変換

)(1 xFy X

任意の分布を正規分布に変換。

分布関数を経験分布で近似すると相対評価となる。

xy 10 恩師が用いていた経験的変換

効果的な学びを実現するため適切な履修科目登録上限設定を定める。

設立時の上限(「前期30単位を超えて履修することはできない」かつ「年間52単位を超え

て履修はできない」)の妥当性を単位履修状履修 ) 妥 単 履修況の調査により検証し、GPAに応じた適切な上限について検討した。

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前後期各30単位を履修上限とする。

GPA3.0未満の学生は通年52単位を超えて履修すること

はできない 部 年 前 部 年後

60

80

100

得単位

機械2年

はできない。

140

150

160

170

180

左図:理工学部2年次前期、右図:工学部:3年後期左図よりGPA3.0以上の学生は追加履修の余裕があることがわかる。

0

20

40

0.0  0.5  1.0  1.5  2.0  2.5  3.0  3.5  4.0 

取得

GPA

100

110

120

130

2.50  3.00  3.50  4.00 

取得単位平均 138単位 GPA平均 3.15

学生の能力を多面的に評価する仕組みを導入する。

GPAに加え、達成率(教職科目を除く履修可能科目数全てA+を履修した場合の累積GPを100とし各自の累積GPの相対値を求める), 専門科,

目や語学等特定分野に限った評価等、学生の能力を多面的に評価する仕組みについて検討し有効活用する方法について検討する。

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自由記述とGPA等指標のクロス統計の必要性

難しかった。 初回で難しく挫折してしまった。

とてもわかりやすく、質問にも答えて頂きたすかりました。

文字が小さくて見えにくい。もっと大きく書 し書いてほしい。

単位下さい。のこりの人生頑張って下さい。こたえ教えて下さい。

学びの目標、到達目標、身につけるべきコアコンピテンシーの明確化1. 専門分野の体系的学識を持ち、優れた問題発見・解決能力を有するとともに変化の 速い

先端技術に自立的に柔軟に対応可能な専門性を有する。 専門分野の学識に加え学部教育で総合的に培われた基礎 基盤学問分野の素養をもとに新2. 専門分野の学識に加え学部教育で総合的に培われた基礎・基盤学問分野の素養をもとに新たな分野の開拓・創生に挑戦する創造的姿勢を有する。

3. 専門分野において外国語によるコミュニケーションが可能であるとともに異文化を良く理解し、グローバルに活躍できる国際性を有する。

4. 技術と社会のかかわりを深く意識し、高い倫理観を持って持続可能な社会構築にむけリーダシップを発揮し貢献できる豊かな人間性を有する。

メンタリング・リメディアル教育の推進

フィードバックシステムの確立(教育支援システムと連携したポートフォリ フィ ドバックシステムの確立(教育支援システムと連携したポ トフォリオシステムの開発)

学生の多様な能力を測る評価システムの見直し

授業評価の有効活用と教員の教育力涵養

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学部全体の取り組みとする

理工学部の組織改革を含む中長期計画を検討する理工学部中長期計画検討チームを設置。

研究・教育・国際化の促進及び組織改革について学部として組織的に検討し理工学部の中長期的なビジョンを明確にする的なビジョンを明確にする。

FDについてFD検討サブチームを設けている。

検討結果は自己点検項目に反映する。