第四血液像章 二就テ特二其ノ血液像二就テ(承前) 最近釜山府...
TRANSCRIPT
1
日
本
商得
濠
病
隅マ合百一難欄誌
第十四巻箪九號
昭和十五年六月二十日
原籏反綜説
最近釜
山府
二於
ケ
ル痘瘡
ノ疫學的並
二臨牀
的観察
特
二其
ノ血液像
二就
テ
(承前)
釜山府立病院小見科(科長
守田稔博士)
大
西
留
吉
第四章
血液像
二就テ
痘瘡患者血液像
二關スル研究ハ
。痘瘡患者血液像二關スル研究ハ Broudel (1874) , Verstraeten (1875) , Halla (1883) , Pee(1890), Richard, Pick(1893), Courmont, Monta-gard (1900) , E. Well (1901) Haemerer (1909) , Brinkerhoff, Bankroft (1904) , Ernst, Erlenmeyer, Boeumler(1913), Jochmann (1914), Walter, Fischer, Falk (1915) , Schilling (1916) , Franz, Riedel, 4 I+, (1917) , Hallenberger (1918) , Th. Arndt, Bennecke, Biihm(1921) , Pantasis, W. Hoffmann (1922),
石
田
(1931),
山
口定
(1934)野
田
(1936)
其
ノ他Nageli
客
等
ノ詳
細
ナ
ル業
績
アリ
テ臨
林
的
二
特
異
ナ
ル所
見
テ呈
ス
ルト共
二其
ノ血
液
肇
的
攣
化
二就
テ
モ極
メ
テ異
ナ
レ
ル
モ
ノ
ァリ
テ、
診
断
聾
的
、
將
叉豫
後
推
定
二資
ス
ル
所
絶
大
ナ
リ
ト
サ
レ、赤
血
球
二關
シ
テ
ハ有
核
赤
血球
及
ビ病
的
異
常
ナ
ル
モノ
・出
現
テ
モ認
メラ
レ、白
血
球
ニァリ
テ
ハ著
明
ナ
ル牀
巴
球
性
増多
症
テ來
シ中
性
嗜
好
細
胞
ノ減
少
ト之
二伴
ナ
フ核
型
左
旋
ア
リ
テ、
骨
髄
細
胞、
骨髄
母細
胞
ノ
出
現
ニ
マデ
及
ブ
モ
ノ
ナ
リ
ト云
ハ
レ、
「モノ
チー
テ
ン」檜
加
二就
テ
モ興
味
ア
ル報
告
テ見
、
更
二叉
「プ
ラ
ス
マ」細
胞
、Turk氏
刺
戟
型
ノ多
敷
出
現
テ
モ認
メ
ラ
ル
モノ
ナ
リ
ト。然
ル
ニ
其
ノ詳
細
ナ
ル
部
門
二至
リ
テ
ハ諸
家
ノ読
ク所
魑
々
ニシテ各
々其
ノ軌
テ
一
ニセズ甲
論
乙
駁
ノ感
ア
リ。
～
大西
11最近釜山府
二於
クル痘瘡
ノ疫學的虹
二・臨林的襯察
六五三
2
六
五
四
大西鎚最近釜山府
二於ケル痘瘡ノ疫學的鼓二臨抹的観察
思
験
的質
アリテモ其ノ時タ
流行歌態
二依轟
轟
々ナル病型最
ルモノナルガ、血液墜
耀アモ各研究者ノ取扱タル馨
聾
依リテ得タル繕
蔑
分
ノ袈
アルハ想像
二讐
ラズ。尚
文化ノ窪
セル今
日露
二關スル硯究讐
二轟
スル妻
ダ稀
ラソ
テ・本邦
二於ケル研究菟
ルニ金子テ以テ喘矢トナシソ、其
ノ後二、三墾
ロアを
遍
ギズ。
余
ハ昭和+二年養
當釜
府
二本疾患
ノ流行
セル際、牧容
サレタル小見馨
ノ全部ト成人五名
轟
ア其ノ全経過
二亙リ、各期
塵
分
シ順次詳細
孟
液學的變
化
ラ追求
、ン、其
ノ臨躰的所見ト共
二併セ論及セン。
第
一節
血液槍査方法
探奥
可及的早朝空腹時ヲ選ビ食讐
因ル影響ヲ避ケタリ。
探血部位塗
テ耳朶穿刺;
加墜
ルコトナク流出スル血液二就テ検索セリ。
血蛮
計篁
ハThoma-Zeiss
ノ血球聲
器ヲ使用シ、建
驚
テ盃
鍛
計ニ
ハHayem
暑
叢
、白血談
計篁
ハTurk氏液ヲ用ヒ、血色素.璽
測定
ニハ
ω夢ζ
ノ血色素計
ヲ用
ヒSahli Wert
ヲ讃
ミ%
二換算
セリ。
塗抹楓査
「ギムザ」液染色ヲ鷺
シ・白血球種類鑑別計篁
ハ白血球五・・個宛計算シ%ヲ採リ、尚Arneth式二從ヒ程
嗜好細胞核型霧
状態ヲ
襯察セリ。
第
二節
正常血液像
二就テ
病的血穣
繋
晃
ダチ正常血液二於ケル標準ヲ求ムル必要す
、殊
二余ノ馨
箇
至
トシ―ア綾
四ケ月・リ藝
隻剛後
二於ケ叢
モ馨
旺盛ナル
乳幼見二關シテノモニ
シテ健畢
ヘア2アモ月齢、年齢ノ異ナルニ黛
種々異ナル質
ヲ皇スルモノナレバ姦
麦
墜
徴シ簾
乳幼蓋
糠
ヲ求
ム
レ
バ
赤血球撒
血色素量
白血球籔
志
摩
四六七・六萬
(葦
以内)
七〇
(葦
以内)
九.五〇
・(四年以内)
酒
井
五
二九・八萬(四年以内)
入五
・
(四年以内)
三・
一〇
二(四年以内)
Ｐerlin
四八八・○萬(丁
二年)
六-八○
(丁
四年)一一・〇二甲
九・八三
(了年
)
Ｃarstanjin
/
七三
(丁
四年)
/
Ｋarnizki
/
/
九・四
一五(五年以内)
曾
第ご十六表 乳幼見白血球百分率
第二十七表(小 宮、古 庄著 「臨林血液 圖説」ヨ リ)
叡血球種難
ユ就
テ
ハ第
二十
六
表
ノ如
シ。
健康
成人
二於
ケ
ルモノヲ大膣
次
ノ如キ
モノ・トシテ
第
一ご節
二
於
ケル余
ノ
成績批到
ノ目安
ト
ナ
ス。
男
子
女
子
赤撒血
五○
○萬
四五○萬
白口面皿
六ー
男塗丁ト
球撒
八・○○
○
同
ジ
融膿
一○○
九○
白
血球
種類
二就
テ
ハ第
二十
七
表
ノ如キ百分傘ヲ見
ル。
第
三節
症
例及
ビ其
ノ槍査
成績
臨牀的所見
ノ輕重
二依リ重症群、中等症群、輕症群
二優分
シ更
二成人症例ヲ加
へ四群トナシ、各群
二就テ血液學的變化テ観察
セリ。
、
第
一項
第
一群(重症)二就
テ
第
一目
症例
症
例
嗣
眞痘
生後
四ケ月
男
會
瓶員
ノ族
未種痘
昭和十
二年
ご月
二十
六日痘瘡
患者登
生アル
ヲ知
リ
當局者
二依
リ直チ
ニ該
患
者登
生部落
一膿
ヲ大捜査
セシ結
果、本患見
ハ痘瘡疑
ヒ
ノ下
二二月ご十七
日隔離取容
サ
レタ
ルモノナリ。入院當時
ノ所見
トシテ
ハ胸、背部ヲ主ト
シ
其
ノ他随所
顧一軍房性水庖
ト小
型不正形
ノ痂
皮混在
セル皮疹
ヲ有
スル
ノミ
ナ
ルガ既
二眞痘患
者ト同居セ
ルモノナ
レバ
止
ムナ
ク特
種監
視
ノ下
二其
ノ
経過
ヲ観察
スル事
ト
セリ。然
ル
ニ三月+
五日突然悪寒
ト共
三
ご入・八度獲
熱、
嘔吐、痙變
アリ、食
慾全
クナク、全身
「ロゼオーラ」出
現
ス。三月十六日
盤温
三七・六-
三六・九度
二低下
スルモ
一般
状態甚
ダ悪
〃脈蒲榊微弱、不整、
全
身
二振散
セル「ロゼオーラ」ハ著明
ナル
丘疹
ト變化
ス。三月十七旧燈温低
大西＝最近釜山府
二於ケル痘瘡ノ疫學的並二臨牀的襯察
六五五
.、4
し
大西睦最近釜山府
二於ケル痘瘡ノ疫學的蚊二臨駄的観察
六五六
〃三六・七度ナリ。時折
嘔吐
アリ、
脈搏
依然不良
ニシテ呼吸促
迫、頻撒、口
唇、
四肢尖端
二「チア
ノー
ゼ」ヲ認
ム。顔
貌苦悶
ノ相、誠
二見
ルニ耐
エザ
ル
状態
ニシテロ腔、舌乾.燥
シ、
粘膜疹
ハ認メ得ズ、胸部蝿音
アリ、咳
頻登、
腹
部
ニハ著攣
ナ
ク肝脾
ヲ鰯
レズ、丘疹全身
二著明
ナルモ赤
色稽
く腿色
ス、
痙
攣爪回ホ時折襲
來
ス、
午後
七時途
二死
亡
ス。
第二十 入表 一 ノー
血液所見
赤
血球數
第
ご病
日
二於
テ五四ご・五萬
ノ稽
く増加
アリ、
有核赤
血球
ノ
一、
一一ヲ見、
血色素
量
ハ・正常 域内
ニアリっ
白
血球
ハ極
メテ著明
ナル増加
ヲ呈
シ淋巴球少
シク多
シ。中性嗜好細胞
ノ核
型佐爺
アリ多數
・骨髄細鞄
スラ拙現
ス。
「エオジ
ソ」嗜好細胞
ハ少
シク増加
セルモ尚
ホ正常
二及
バズ。
「モノチー
テソ」及ビ其
ノ移
行型
ハ特記
ス可
キモノナ
シ。
「プラス
ご
細胞
ノ出現ヲ見
ズ。
(本丈
ニテ中性嗜好細胞
ヲ「中」細胞、
「エオ
ジソ」嗜好細胞
ヲ「エ」細胞、「モ
ノチーテン」及
ビ其
ノ移行型
ヲ「モノ」、噛基性嗜好細胞
ヲ「額」細胞、「プラ
ヌ
マ」細胞
ハ「プ」細胞
トス)。
症例
二
虞痘
生後七
ケ月
男
勢働者
ノ族
未種痘
調
症例
一ト同様事情
ノ下
二ご月
二十七日牧容
サ
ル。當時
ノ駿態
ト
シテ全身特
二胸部二
輩房性水庖及
ビ其
ノ結痂
セル
モノ混在
セリ。體
温正常、其
ノ他
二
攣
化ナ
シ。
三月十
四日
三八・七度
ノ登熱、
三月十五B體
温
三九度盤、
脈樽
整、緊
ナ
ルモ頻
ニシテ一一
○一
三〇、吐乳
アリ、不眠、不
機嫌
ナ
リ、「ロ
オー
フぎ
ヲ認
ム、三月十六日體
温三七三
度ナ
窒
一般歌態
良好
ナラズ、
丘疹様
蛮疹
下ナリ全身
二振散
アリ、三月十
入日體
温再ビ高
ク三九度絵ヲ示
シ、
登疹
ハ膿庖ト
化
シ癌痒甚
シ、腹部肝
三横指醐知サ
ル、嘔
吐頻同
ナリ、
三刀二十
一日
ユ至
ルマデ弛張性高熱持績
シ
一般状態
盆
く悪
化、四肢尖端、
口唇
二「チァ
ノー
ゼ」來リ、脈撞細小微細、一
二〇
アリ時折結滞
ス、膿
庖中
等
大
ノモノ密
生が、顔面
二於
テ殊
二彩
シク互
二相融合
シ、
加之、浮腫胱
ヲ
呈
シ惨憺
タル顔貌
ナリ、午後
三時死亡
ス。
血液所見
潜一伏
期
ヨリ完
全ナ
ル検索途行
サ
レジ毘塁璽ナル唯
一症例
ナリ。
郎チ登病四日前
二於
テ著明
ナ
ル赤血球増加
アルヲ認
ム、登
熱以
來其
ノ経過
葎
ヒ漸次減少
スルモ尚
ホ正常域内二
止
マル、有核赤血
球
ハ其
ノ登疹期
二
於
テ數個
ヲ認
メ器
タ島
5
第 二十 九表 一 ノニ
血色素量
訟潜伏期及
ビ前騙期
二於
テ稽
く増加
アリ、経過
ト共
二漸次減
少ヲ
來
セリ。
白血球数
ハ漕
伏期
二於
テ既
二増加
アルヲ認
ム、發
熱
シ、且
ツ發疹
二及
ベバ
更
二増加
シ第
入病日
二於
テ三。一七萬
ノ撒
二達
セリ。
此
ノ白血球壇加ヲ起
ス主要因子
ハ第
一例
二反
シ「中」細胞
ナリ、其
ノ核左旋
ア
ルヲ認
メ既
二潜伏
期
二於
テヨリアリ、白血球増加
ト共
二経過
ノ進
ム
ニ從
ヒテ更
二極端
ナル推移
ヲ來
シ骨騎母細胞
ノ出
現
スラ見
ル
ニ至
ル、又
一方
淋
巴球
ハ病初甚
シ〃減少
ヲ呈
ス
レド化體
期
二入
ル
ニ至
リ
初
メテ
正常
ノ配奪
二復
ス。
.
「エ」細胞、
「モノ」ハ各期
ヲ通
ジ減少。
化一體期
二於
テ「プ」細胞出現
ス。
症例
三
生後
一年
一ケ月
女
眞痘
勢働者
ノ族
未種痘
三月
六日發熱、不機嫌、嘔吐
ヲ催
ス
モ哺乳可良
ナリ、第
三病
日體温稍ζ
低
下
シ機嫌良好
トナルモ皮疹ヲ認
メ、問
モナク再發
熱
ス、爾來高熱持績
シ
一
般症状極
メテ不良
トナ
リ興奮
不穏、
不眠ナリ、
三月十
一日取容
サ
ル。
現症體
格、榮養中等、體
温三八・四度、脈撞整
調ナ
ルモ頻
一一〇、
呼吸
淺表促迫
ス、顔面水庖密集
シ浮腫
アリ、眼瞼開
カズ、苦悶
ノ態
ナリ、ロ唇
「チア
ノーゼ」ナシ、
口腔
二粘膜絞埋斑
状螢赤
アリ、咽頭
モ亦赤
ク粘膜疹
ア
リ、胸部右側前後
二蝿音
ヲ臆ク
、腹部肝
二横指中等度硬、脾
ヲ鰯
レズ。
發疹状態
全身
二亙
ル水
庖性發
疹甚
シク、特
二顔面、四肢等
ノ露出部
二密
集
シ、顔
面
ノミナラズ四肢
末梢部
二浮腫ヲ認
ム。
又粘膜疹アリ。
三月十
二日體
温三九・九度、脈搏一三
○、
微弱、
不整ナリ、呼吸困難
アリ、
口唇一、且ハノ他
二「チ
アノー
ゼ」現
ル、
顔助貌
鉦州欲心朕、
蒼白
ナ
リ、
胸
部価難立口増門
加、咳漱頻煩
ナリ、腹部軟
ク
シテ肝
三横
指、脾
一横
指ヲ燭
ル、皮疹
ノ大牛
ハ體庖
トナリ相融合
ス、下痢
ヲ
モ件
ナビ食慾全
クナシ、午後四時死亡
ス。
血液所見
赤血球數
虹
二血色素量
ハ第
六病日
ノモノヨリ第
八病
日
二於
テ甚
シク減
少
ス、有核赤
血球
ヲ見ズ。
白
血球敷
モ第六病
日
二於
テ著
明
ナル増加
アリ、第
八病
日
二至リ減少
セルモ
爾
ホ蓬
二正常數
ヲ凌駕
セリ、其
ノ圭因子
ハ症例
ご
ノ如
ク絶封的
「中」細胞塘
大西＝最近釜山府
二於
クル痘瘡ノ疫學的竝二臨牀的観察
六五七
6
大西＝最近釜山府
二於ケル痘瘡ノ疫學的蛇二臨牀的観察
六
五
八
き
第三十 表 一 ノ三
三
因
ルモノ
ニシテ、
同時
暑
ζ
核型左旋
アリ。
「モ
ノ」、
「ご
細
胞
共
二減
少
ス。
又
二、
三
ノ「プ」細
胞
ヲ見
ル。
第三十一表 第一群血液像経過
以諾例ノ血舗
謙
書
盟
チ驚
轟
懇
疹初期四
五病日、蟻
(第八病日
糞
ノ變化襲
シ
是等ノ内三
例
言
テ襲
病前七日ヨ轟
血
セルモノ西
日前
ヨ農
血セルラ
トァリ、払剛煮
松
ブハ潜伏期
ノ盃
球所見ラ知
ル能
ハザ
ルモ後者
(症例二)於テ
藩
伏期
ヨー塞
ナル成蓼
修メ得
タレバ、漕伏期
二於ケル赤血球覧
轟
アハ後者
縁
リ論ズル事トセ
リ、登病以後
ノ成績
二就テ
ハ全テ完全ナル検索ラ逡グタリ。
帥チ赤血球盃ハ
葵
病霞
瑞
加
アルラ認
ム、難
スル葵
バ其ノ難
婆
レド正當
昆
スレバ尚ホ梢
丸數
テ示
、ソ、経過
二從
ヒ
亭
次第
裁
少ノ傾向アリ
蓋
瘡血液二
於テ有核赤血球及ビ苓
豊
ハ常赤血球ノ出現ハ醤
注目サル
、所ナルガ本群ノニ例來
ブ各
々
二、
三個
宛
之
テ鏡
検
シ得
タ
リ。
'
血色素量
藩
伏期及ビ轟
期
二於テ頸
壇加アル誌
ム、其
ノ後経過
二從
ヒ之亦減少
ノ傾向
アリ.
'
温
毬
欄シテ嚢
纏
増加二
事藷
ム、盃
球
ハ纒過二從義
少スル長
・ソ白血球
却ッテブ増加ラ來、ソ並剛覇
二於,プ箸、シキ
7
増加アリ、更
二發疹スルニ至ラバ釜
丸著明
ニシテ李均二萬絵
テ数
フ。之ノ白血球壇加
ハ「中」細胞
二因
ルモノニシテ、日疋等「中」細胞
ノ
核型推移
ハ極度ノ左旋ヲ招來シ骨髄細胞、骨髄母細胞
ニマデ至
ル病的異常細胞
ノ多数出現セルテ見
ル。
淋巴球
ハ第
一例ノ如ク漕伏期
二於テ少
シク増加
セルモノモァルガ蕨熱
ト共
二減少
シ、嚢疹當初最
モ勘ナクシテ、皮疹ノ進展
二件ナツ
テ再
ビ増加
シ、化膿期
二及ビテ初
メテ「中」細胞
ト相牟
ス。
「モノ」モ亦痘瘡血液像
二於
テ問題
ノ一ッナリ、本群
二於テハ前騙期間正常
"一テ漸次減少
テ呈シ化膿期
ユ於テ軍均○.八%
ニマデナル。
「ヱ」細胞
ハ全ク清失
スル
ニ至
ラザ
ルモ全経過
ヲ通ジ比較的少數
ナリ。
最後二本血液像
ユ於テ重大
役割テ有スルモノトサレタル「プ」細胞
二就
テハ本群二例ノモノニテ何
レモ其
ノ嚢疹期
二出現
ラ認
メタリ°
第二項
第二群
(中等症)二就テ
第
一目
症
例
症例一
生後
五ケ月
男
眞痘
府道路人夫
ノ族
未種痘
十
三日前突然高熱
アリ三日後稍ζ
下熱、機
嫌多少
良好ト
ナ
ルモ、
全身
二赤
斑
アル
ニ氣付
ケリ、
食慾良好
ナル
モ下痢
ヲ伴
フ、
夫
レヨリ漸次高
熱持績
シ、赤斑部
ハ水庖
トナリ次
二膿庖
トナリ痙痒甚
シ、咳漱
ア
リ、
元氣
全
クナ
ク、不稔苦悶
セリ、
三日前
ヨり辛
ジテ下熱、皮疹
ハ乾燥、氣分良好、二月
ご十六六口晶収容。
現症
髄格、榮養中等
ナリ、盤温
三六・七度、脈撞
一二○、
呼吸
正常、顔
色良
ク顔貌平静、
口腔滋潤、
舌苔
アリ、
咽頭蛮赤
ス、胸
部所
見ナク腹
壁軟
ク、
肝三横指、脾
一・五横指
ニテ正常硬、寄
生轟
卵ヲ見ズ。
獲疹状能醐
大部
分ノモノ痂皮
トナ
レル
モ
一部尚
ホ一膿滴旧ノ
儘
二残留[スルモ
ノアリ、
其
ノ密度
ハ顔面及ビ四肢
二於
テ極
メテ濃
、相融合
セリ、其
ノ他
ノ部位
二於
ケ
モノ
ハ個
々猫立
セリ。
二月
ご十七日結痂完
成
ス、咳漱
アリ、胸
部
二羅音
ヲ聴ク、二月
二十入日痂
第 三十 三 表 ニ ノー一
大西＝最近釜山府
二於ケル痘瘡ノ疫學約戯ユ臨駄的襯察
六五九
8
大西＝最近釜山府
二於ケル痘瘡ノ疫學的竝二臨脈的観察
六六〇
皮剥離落屑
セル
モノヲ認
ム、登
熱三九度ナ
ルモ
一過性
ニシテ問
モナ〃下熱
ス、其
ノ他
二異常
ヲ認メズ、
三月
五日皮疹
ノ大牛
ハ搬痕化
ス、三月九
日最
早痂皮
ヲ認
メズ
凡テ搬痕
トナル、
四月
六日全治退院。
血液所見
赤
血球數
ハ恢復
期
二至
リテ著明
ナ
ル減少、有核赤血球
ハ第二一
病日
二一個
ヲ認
メタリ、
血色素
量
ノ滑
長
ハ赤
血球敷
二準
ズ。
白血球壇加
ハ全経過
ユ亙
リテ認
ムル
モ、殊
二入院當時(第
一四病日)二於
テ
著明
ニテ二・〇
四萬
ヲ數
フ、其
ノ主髄
ヲナ
スモノハ淋巴球
ニシテ、
「中」細
胞
ハ比較的勘
ナキ
モ、其
ノ核型推移駿態
ハ相當
ノ左旋
ヲ呈
シ
一、ニ
ノ骨髄
細胞
ヲ認
ム。
「エ」細胞、
「モノ」ハ共
ご小ノ動瓢ナリ。
全経過
二亙
り少歎
ナガラ「プ」細胞
ノ出現
アリ。
症例
二
生後
五ケ月
男
眞
痘
無職
ノ族
未種痘
約十
五日前登
熱
シ高
熱持綾
ス、
三、四病日目登疹
アリ、
一三病
日下
熱、其
ノ他
ノ詳
細不明ナ
リ、二
月二十
入日牧容。
現症
膿絡
申等、榮養
不良、貧
血
ヲ認
ム、其
ノ他
一般状態
暑變
ナク謄温
三六・七度、寄
生贔卵ナ
シ。
登疹状態
全身到ル所痘瘡性結痂形成アリ、特二顔面、四肢
多數
ナルモ
融合
スル程度
二至ラズ。
三月
五日膿温
三八度、咽頭登赤
アリ、三月九日雨側顎
下淋巴腺
腫脹
シ弛張
性高熱
ア
リ、
三月十
八日膿
温辛
ジ
テ低
下、
淋巴腺腫
脹清婆
、其
ノ後
経過
良ク
、
四月六日退
院
ス。
第 三十 三表 ニ ノご
血液所
見
恢復期
二於
ケル観察
ニテ、赤血球數
、血色素
量共
二減少
ヲ認
ム。
白血球増加稽
く著明。
.
「中」細胞核
左旋
アリ、其
ノ他
ハ著變
ナク有核赤
血球、「プ」細胞
ノ出現
ナシ。
症
例三
生後
入
ケ月
男
眞痘
無職
ノ族
未
種痘
約
二十入日前
登熱、
三、四日
ニシテ登疹
シ順次水庖、膿
庖、痂皮ト
ナ
ル。
現症
膿格中等、
榮養不良、全身浮腫
アリ、盤
温三七度、顔
色蒼
白、貧
血、
胸部羅音
アリ、
ピ
ルケ日茂反磨陰性、寄
生贔
卵ナ
シ。
磯疹状態
、経過既
二
一ケ月
二近ク
痘瘡性
結痂、簸
痕
ヲ窺
フ
ニ足
ルノミ。
三月
二日(第
二九病日)
三入・六度獲熱
アリ、雨側頸部
淋巴腺腫脹
ヲ認
ム。
三月十
ご日
二至
ルマデ弛張性高熱持績、兩側頸部腫脹軟
化
スル
ニ依
リ切開
9
排膿
ス、
其
ノ後間
モナル下熱、
一般状態同時
二好轄,元氣良ル
食
慾大
イ
ニ
進
ム、
三月十七日再
ビ登熱
三八・八度、胸部兩
側前後下部
二醗音
アリ咳漱
甚
ジ、
三月
ご十
ご日左下腿腫脹
ヲ來
ス、三月
二十
七日骨
膜炎
二因
ル膿瘍
ノ
診
断
ノ下
二切開、
四月十
二日再
ビ
左
上腿皮下膿瘍形成
アリ
高熱弛張
ス、
四月十六日切開、
五月
三日上腿手術部
二,排膿
管描入
ノ儘退院
ス。
第三十 四表 二 ノ三
血液所見
痘瘡性攣化
トシテ特記
二値
スル
モノヲ認メズ。
症例
四
満
一年
女
眞
痘
代書
業
ノ族
未種痘
十
二日前悪寒高熱
アリ、
第四病日膣
温稍ζ
低下
シ、
同時
二顔面
二登疹現
ル、其
ノ後水
庖
レナリ膿癒ト
ナリ螢熱盒
く高度
トナル。
時折
嘔吐ヲ催
シ不
安興奮
ノ状態
ヲ績
ケ、
三月三
十七日入院
ス。
現症
膿格榮
養中等、
膿温三入・七度、脈捕
一一二、呼吸
正常、
顔
面浮腫
アリ
テ顔色稍ζ
蒼白、貧
血性ナリ、顔
貌不稔
苦悶
状ナリ、兩眼瞼腫脹
シ、
結膜
充血
シテ
眼脂
ヲ認
ム、
舌乾
キ白苔
ヲ覆
リ、
咽頭
登赤
ス、
胸部所見
ナ
シ、腹
部肝
一・五横指、脾
ハ舳胸知
セズ、慰司生由鹸卵
ナシ。
登疹
状態
一部
ハ既
二乾燥痂皮
トナル
モ
他
ノ
大・牛
ハ兩ホ赤覚・ヲ
以
テ綾
ル
第 三十 五表 二土ノ四
大西＝最近釜山府
二於ケル痘瘡ノ疫學的虹二臨詠的観察
六六
一
10
大西＝最近釜山府
二於ケル痘瘡ノ疫學的竝二臨牀的観察
六六二
膿庖
ナリ、特
二顔面
ニテ著明相融合
ス。
ご月
二十入日髄
温三入・五度、
三月
一日早
ツヨリ結痂
セル
モノハ
一部落屑
シテ糠痕
塾ナルモ、入院當時膿庖
ヲナ
セルモノハ痂
皮
ノ状態
ニアリ、
熱
ハ
・尚
ホ弛
張
ス、
三月三日痂皮、
嶽痕相牛
ス、熱低下
セズ、三月
入日咳漱
アリ
胸部
二醗音
ヲ聴
ク、
三月十五日痂皮殆
ンド全
テ落屑
ス、機嫌良
ク元氣
ア
ル
モ膿温
高
ク三八
三九度、
三月ご十日膿濫初
メテ三六。五度
トナル、
三月
ご十
一日膿
温再ビ高
ク胸
部右側背下部
二粗雑音
ヲ聴
キ絢
く濁音
ヲ呈
ス。肺
炎合併、然
ル
ニ間
モナク
三月
二十
五日
ユ至
り膿温
正常
トナリ胸部僅少
ノ蝿
音
ヲ懸ク
ノミ、
四月十五日全治退院
ス。
血液所見
赤
血球數
減少
アリ第五九病日(退院日)二至
ル
モ兩ホ遙
二正常以下、之
ト共
二血色素
量
モ減
ジ、
全経過中有核赤血球
ヲ見ズ。
白
血球撒
ハ極
メ
テ著
明ナ
ル増加(三・六萬)ヲ呈
シ、
恢復期
二至ク
長期間増
多
アリ、其
ノ主要成分
ハ「中」細胞
二因
り占
メラ
レ恢復末期
二至
り初
メテ淋
巴球
二封
スル
配率
正常二
復
セリ、同時
二「中」細胞核型左旋
ヲ以
テ経過
セ
リ。
「モノ」ハ正常範園
ニアル
モ「ヱ」細胞
ハ減少
ノ傾
向ヲ示
セリ。
特記
ス可
キ
ハ「プ」細胞
ノ出
現稍ζ
多敷
ナ
リ。
症例五
満一
年
男
眞痘
来穀商人
ノ族
未種痘
約
一ケ月前發
熱、間
モナク發
疹
アリタ
ルモノニテ、二旦
手
入日収容
ス。
現症
燈格
中等
ナルモ榮
養劣
悪、膿温
三六・九度、
脈搏緊整、
顔色貧
血蒼
白、胸、腹
部所見ナ
シ、寄
生、轟卵
ヲ認
メズ。
發疹歌態
概
一ニ
ク月
盤ヲ
輕過
セルモノナ
レバ
唯痘瘡
性搬
痕ヲ
止
ムルノ
ミ、僅
二兩側耳朶
二掻
爬
二依
ル歴燃瀾アリテ
一部乾澗結痂
ス。
三月
二日胸部廃音
アリ、
三月
三日龍
温四〇度アリ脈搏
一四四、呼吸淺表促
迫、咳漱頻發
、重症氣管枝炎合併。
其
ノ後次第
二下熱
シ三月
七日
ユ至
リテ李温トナ
ル、三月二十
七日胸部前右
側
二於
テ粗雑音及
ビ難音
アリ、食思
全ク不振
ナリ、四月十
三日全治退院。
第三十六表 二 ノ五血液所見
赤血
球
ハ概
シテ正常
二近
キ一数ナルモ血色」素口璽甚
シク減
少セリ、有核赤血.球
ヲ見ズ。
白血球撒
ハ輕過中
重症氣管
枝炎
合併
ア
ルモ
大體
二於
テ
全経過
二亙
り増加
アリ・「中細
胞霜
叢
二於テ易
論多ヵラザルモ年欝
二観テ比較的増
11
加
アルヲ知
ル、又其
ノ核型・左旋
ア
ルヲ認
ム。
「エ」細胞減少
「モノ」モ亦低率
ナ
リ。
症
例六
二年二
ヶ月
男
眞痘
勞働者
ノ族
未種痘
八日前突然高熱
アリ嘔吐
ヲ催
ス、四日目稍
々下
熱ア
ルモ間
モナク發疹騷痒
アリ漸次水庖
トナリ膿
庖
トナル。
現症
體格、榮
養共
ニ佳良、體温
三八・七度、脈搏
頻數
一三〇、
緊整、顔
面浮腫
アリ
稍
々蒼白
ナル
モ顔貌沈衰
セズ、
口腔
粘膜疹
ヲ認
メ、
咽頭發赤
ス、胸部所見
ナ
シ、腹部肝脾共
ニ僅
ニ觸知
サ
ル、其
ノ他
著變
ナシ、寄
生蟲
卵ヲ認
メズ。
發疹状態
全身
ニ亙
リ膿庖
アリ、特
ニ顔面、四肢
末稍部
ニ於
テ密集
シ相融
合
ス。
二月
三十八
日體温
三九・二度、脈搏
一四〇、
三月
一日體温少
シク低下、膿
庖乾燥
シ始
ム、
三月
三日結痂
ス、體温
三七・五度
トナリ氣分良
ク食思
進
ム、
三月
九日瘢痕
ヲ認
ム、
三月
十三日殆
ンド全
テ瘢痕
トナル、唯掻爬
ニ依
ル糜
爛面
ハ可成
廣範圍
ニ亙
リテ濕潤
不潔
ナリ、
三月十八日熱
ナク、咳漱
アリ胸
部
ニ羅音多數
ナリ、
三月
二十九日胸部羅
音消失
ス、四月二十八日皮膚糜爛
面全
ク治癒
レ本
日退
院
ス。
血液所見
赤
血球數
ハ發疹(膿庖)期
ヨリ恢
復期
ニ至
ル全經過恒
ニ減少
ヲ認
ム、時折有
核赤
血球
ヲ鏡
見
シタリ、
血色素量
モ亦甚
シク減
ゼリ、反之白血球
ノ増加
ハ
極
メテ著明、
且
ツ長期間
ニ亙
リ之
ヲ認
ム、其
ノ各
細胞
ノ百分率
ヲ觀
ル
ニ可
成著明
ナル「中」細胞
ノ増加
アリ
テ其
ノ核型推移
モ甚
シク
左旋
セルヲ認
メ、
「ミ
ヱロチーテン」、
「プ
ロミヱロチーテン」ノ出現多
シ。
第 三十七 表 二 ノ六
大西=最近釜山府
ニ於ケル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨牀的觀察
六六三
12
大西=最近釜山府
ニ於ケル痘癒ノ疫學的竝ニ臨牀的觀察
六六四
第三十八表 第二群血液像經過
「ヱ」細胞發疹期増加、「モノ」ハ概ネ正常範圍ナリ、「プ」細胞
ハ毎常鏡檢サ
レルモ多數ナラズ。
第二目
本項血液像小括
第二群[患者
ハ凡テ發疹以後收容サ
レタルモノナリ。
其
ノ經過
ヲ發疹期
(第四-九病日)、結痂期
(第
二〇-
一五病日)、
落屑恢復期
(第
一六-二五病日)、恢復後期
(第二六病日以後)ニ分
ケ其
ノ各時期
ニ於
ケル血液所見ヲ前項
ニ做
ヒ
一括觀察スレバ
赤血球
ニ就
キ第
一群所見
ニ於テ發病後經過
ニ從ヒテ漸次減少ノ傾
向
ア
ルヲ知
リ
タ
リ、
而
シテ第
二
群
所
見
ヲ觀
ル
ニ赤
血球
數
竝
ニ血色
素
量
共
ニ終
始
著
明
ナ
ル減
少
ヲ呈
シ恢
復
末
期
ニ
至
リ
テ
辛
ジ
テ正
常
域
ニ
復
セ
リ、
尚
ホ本群
中僅
ニ二
例
ニ於
テ極
ク僅
少
數
ノ有
核
赤
血
球
ヲ鏡
檢
セリ。
白
血
球
ハ發
疹
、
結痂
期
ヲ通
ジ
著
シ
キ増
加
ア
リ、
結
痂
期
ニ於
テ
ハ平
均
二
・五
八
萬
ニ達
ス、恢
復
期
ニ及
ビ
テ漸
次其
ノ數
ヲ減
ズ
ル
モ正常
ニ比
ス
レバ尚
ホ可成
ノ増
加
ナ
リ、
之
ノ白
血球
増
加
ヲ
ナ
ス可
キ主
體
ハ發
疹
期
收
容
ノ
モ
ノ
ニテ
「中
」細
胞
増
加
ヲ見
タ
リ、
然
レ共
本
群
ノ
殆
ンド
全
テ
ハ結
痂
期
ヨリ
ノモ
ノ
ニテ其
ノ白
血
球
増加
ハ淋
巴球
ニ因
ル
モノ
ナ
リ。
次
ニ「中
」細
胞
ニ就
テ其
ノ核
型
推
移
状
態
ヲ觀
ル
ニ本
群
ニ於
テ
モ亦
著
明
ナ
ル左
旋
ヲ呈
ス。
只
症
例
六
ニ於
テ
ハ終
始
「中」細
胞
ニ因
ル白
血
球
増
加
ヲ觀
、
且
ツ其
ノ
核
左
旋
極
メ
テ
著
明
ニ
シテ
「ミ
ヱ
ロチ
ー
テ
ン」、
「プ
ロ
ミ
ヱ
ロチー
テ
ン」
ノ出
現
ニマデ
及
ビ
、其
ノ疾
病
經
過
ノ稍
々重
篤
ナ
ルト相俟
テ興
味
ア
ル
モノ
ナ
リ。
「ヱ」細
胞
ハ全經
過
ニ亙
リ減
少
セリ、
或
ハ又
辛
ジ
テ正
常
ナ
ル
モノ
モ
アリ、
症
例
六
ニ於
テ發
疹
期
七
・二%
ノ
「ヱ」細胞
ヲ見
タ
ル
モ只
一時
的
ノ
モ
ノ
ナリ
(第
三
八
表
ニ現
ハ
ル
、曲線
ノ發
疹
期
「ヱ」細
胞
ノ高
率
ナ
ル
ハ之
ガ爲
ナ
リ)。
「モ
ノ」ハ概
シ
テ正常
域
内
ヲ消
長
ス
ルモ
ノ
ナリ。
「プ」細
胞
ハ殆
ンド常
ニ出
現
ヲ認
ム
ル
モ其
ノ數
多
カ
ラズ。
第
三
項
第
三群
(輕
症)ニ就
テ
13
第
一目
症
例
症
例
一
滿
二年
女
眞
痘
勞働
者
ノ族
未種痘
十
日前
發熱、
間
モナク發疹、
五、六病日頃膿庖
トナ
レリ、
咳漱
アリ、食
思
障碍
ナ
シ、機嫌良好、
二月
二十八
日收容。
現症
體格、榮養佳良、體温
三六・二度、脈搏
一四〇、顔色良、舌白苔
アリ、
咽頭發赤
ス、胸部所見
ナシ、腹部肝僅
ニ觸知
ス、脾
觸
レズ、蛔蟲卵
ヲ認
ム。
發疹
状態
大部分
ハ痂皮
トナリ、其
ノ數
左程多
カラズ、
一部
ハ既
ニ瘢痕
ヲ
第三十 九表 三 ノ一
ナ
ス。
三月
六
日
「ア
ンギ
ー
ナ」ニテ發
熱
、咳
漱
ア
リ、
他
ニ變
化
ナ
シ。
四月
六日
退
院
。
血
液
所
見
赤血球數大體正常
ニ近
シ、
血色素
量減少
アリ。
白血球數可成著明
ナル増加
アリ。
「中」細胞核型左旋
アリテ多數
ノ幼弱型
ヲ見
ル。
「エ」細胞
ハ末期
ニ近
ヅク
ニ從
ヒ
増加
スルモ結痂期
(收容當時)ニ於
テ蛔蟲
症
アル
ニ拘
ラズ殆
ンド其
ノ出現ヲ見ズ。
時折
「プ」出現
アリ。
症例
ニ
二年
二ケ月
男
眞痘
會社員
ノ族
未種痘
二三日前發熱、十數日
ニ亙
リ高熱持續
ス、
發疹
ハ發病後三、四日
ニシテ出
現、全身
ニ擴散
シ水庖
トナリ更
ニ膿
庖
トナリ二月
二十七日收容サ
ル。
現症
體格
中等、榮養不良、
體温三六・五度、脈搏
一二〇、顔色蒼白貧
血、
口腔咽頭
變化
ナク、胸部所見ナ
シ、
腹部肝
一横
指軟
ク觸
ル、流涙著明
ニシ
テ角膜軟
化症
ヲ認
ム、寄
生蟲卵
ヲ見ズ。
發疹状態
痂皮、瘢
痕全身
ニ、
特
ニ顔面及ビ四肢
ニ多
シ。
三月
一日下熱後既
ニ相當期間經過
セルモノナ
レバ機
嫌良
ク平常
ノ如
シ、皮
疹
ハ殆
ンド瘢痕
トナル、三月五日咳嗽
アリ鼻汁
アリ發
熱
ハナ
シ。
入院當時
ノ眼疾
ハ其
ノ後肝油服用
ニ依
リ輕快
ス。
四月六日退院。
大西=最近釜山府
ニ於ケル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨牀的觀察
六六五
14
大西=最近釜山府
ニ於ケル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨牀的觀察
六六六
第四十表 三 ノ二
蟲液所見
發病後既
ニ二十四日
ヲ
經過
セル
モノナ
レバ
痘瘡性變化
トシテ興味
ア
ルモ
ノナキモ、白血球増多
症
ヲ認
ムル事、「中」細胞
ニ幼弱型多
キ事、又「エ」細
胞
ノ第三二
病日
一三・六%
ヲ占
ムルガ正常
ト異
ナ
レリ。
症例
三
二年
二ヶ月
男
眞痘
勞働者
ノ族
未種瘡
第四十 一表 三 ノ三
ト陳述
ス、
二月二十七日收容
。
現症
體格
榮養中等、體温三六・三度、脈搏
一二〇、其
ノ他
ニ著變ナ
ク、
發疹状態
ハ現在
ニ於
テ
ハ唯痘瘡性瘢
痕
ヲ認
メ得
ルノミ、寄生蟲卵
ナシ。
其
ノ後
ノ經
過モ變化
ナク、四月十
三月退院。
血液所見
昨年士
百
末發熱・發疹アリテ膿庖トナリ次
ニ痂皮
ヲ作リ瘢痕トナレリ發疹後數十旦
至ルモ尚ホ白血球増多症アリ、「中」細胞幼弱型多シ。
以上三例
ハ極メテ輕症ナ
ルモノ、又
ハ輕症經過
ヲ取リ來
レルモノト推察
シ得
ルモノニテ二例
ノモノハ痘瘡性變化全ク消失後
收容サ
レ
タルモノナルモ、其
ノ血液學的所見
ニ於テ何等カノ參考
ニ供
シ得可シ。
第二目
本項血液像小括
經過各時期
ヲ第二群
ノ如ク區分
シ觀察
スレバ、
赤血球減少ヲ認
メ得ザ
ルモ、血色素量僅
ニ減ズ、有核赤血球
ノ出現
ヲ認
メズ。
15
第四十二表 第三群血液像經過
白血球教第二群ノ如ク著明
ナラザ
ルモ恢復期
ニ至
ルマデ増加アル
ヲ認
ム。本群
ニ於テハ著明
ナル淋巴球増加
ヲ認
メザルモ、「中」細
胞核型左旋アリテ幼弱型多教出現
ス。
恢復期
ニ於テ「ヱ」細胞
ノ
一時的増加セルモノアリ。
「モノ」ハ略
々正常範圍
ニアリ、ロバ僅
ニ「プ」細胞
ノ出現ヲ認
ム。
第四項
第四群
(成人假痘)ニ就テ
第
一目
症
例
一
三十
一歳
男
假痘
無職
種痘
ハ幼時受
ケタル
ノミ
ニテ詳色細不明
ナリ。
約
五日前
登熱アリ全身達
和感テ
リ、高
熱三、四日持續
セル
ノミニテ其
ノ後
平温トナリ、
陰
嚢部疼痛
アリ、
全身
ニ蔓延
セル登疹
ハ昨日
ヨリ水庖
トナ
ル、四月十
日收容。
現症
體格榮養
中等、
體温三六・五度、
脈搏
八四、
顔色比較的佳良
ニテ僅
ニ浮腫
アルモ表情
平静
ナリ、咽頭
登赤
ス、
胸腹部
ニ所見
ナシ。寄生蟲卵
ナ
シ。
第四十三表 四 ノ一
發疹
状態
顔面
ニ於
テ
ハ膿庖
ヲナ
ス、其
ノ他
ノ部位
ニアリテ
ハ尚
ホ水庖
ナ
リ、個
々
ノ登疹
ハ粒比較的小、多敷
ナリ。
四月十
六日頭痛
ヲ訴
へ登熱
アリ、
皮
疹
ノ
一部
ハ早
クモ乾燥
セル
モノアリ。
其
ノ後經過順調
ニシテ五月
一日退院。
大西=最近釜山府
ニ於ケル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨牀的觀察
六六七
16
大西=最近釜山府
ニ於ケル痘癒ノ疫學的竝ニ臨牀的觀察
六六八
血液所見
赤
血球數及
ビ血色素
量大體
正常
ナリ、唯第七病日
ニ於
テ有核赤血球
ノ出現
ヲ見タリ。
白
血球
ハ著
明ナ
ル増加
ヲ來
シ最
高ナ
ルモノ第五病
日
ノ二・〇四萬
ナ
リ、
更
ニ經過
ニ伴
ナ
ヒ減少
ノ傾向
アルモ極
メテ緩
慢
ニシテ恢
復期
ニ於
テスラ尚
ホ遙
ニ正常數
ヲ超過
ス、
此
ノ白血球増加
ノ主要成分
ハ淋巴球
ニシテ、之又
長期
ニ亙
リ絶對的増加
ヲ呈
シ、第
七病日鏡檢
セルモノ
ニテ八七・八%
ヲ占
ム、
反之
「中」細胞
ハ甚
ダ低率
ナ
リ。「中」細胞核型推移
ヲ見
ル
ニ小兒眞痘
ニ
於
クルガ如ク著明
ナ
ル左旋
ヲ呈
シ骨髄細胞、骨髄
母細胞
ノ出
現ヲ
モ認
ム。
「エ」細胞減少
ス、
「モノ
」ハ概
ネ正常
ナリ。
發疹期
ニ於
テ「プ」細胞
ノ出
現ヲ認
ム。
症例
二
三十八歳
男
假痘
官吏
種痘
ハ少
年時代
ニ受
ケ
タル
モノト共
ニ既
ニ四囘
ナリ、
最終接種
ヨリ僅
ニ六年
ヲ經過
セルノミ。五
日前惡寒、
發熱
アリ、感冒
ノ診
斷
ノ下
ニ注射
一囘受ク(「ヱルスチ
ン」)、然
ル
ニ間
モナ
ク該注射
部周圍
ニ小サ
キ斑紋
様發疹
アリ、翌日
ニ至
レバ兩
側胸
部
ヨリ下腹
部
ニ至
ル
マデ
一體
ニ擴散
セリ(前
驅疹)、
熱
ハ二、三日高熱續
キ
タルノミニ
テ以後三七度代
ニ低下
スルモ、此
ノ下熱後間
モナク再
ビ發疹顔
面
ヨリ全身
ニ擴散
セリ、
三月十
六日收容。
現症
體格
榮養中
等、體温三七・一度、脈搏
八八、
顔色稍
々蒼白
ナルモ浮
腫殆
ンドナ
シ。右側
頸淋巴腺小腫脹
ヲ觸知
スルモ壓痛
ナ
シ、口腔粘膜疹ヲ
認
ム、舌白苔
アリ、
咽頭發
赤
ス、
胸腹部
ニ所見
ナ
シ、
蛔蟲卵
ヲ認ム。
發疹状態
全身
ニ亙
リ水庖
ヨリ膿庖
ニ變牝
セント
スル
モノアリ、個
々ノ粒
稍
々小
ナ
ルモ多數發
生
シ、等
大、圓形、多
房性
ノモノナ
リ、特
ニ顔
面、手
足背
ニ多
シ。
三月十
九日皮
疹早
ク
モ乾燥
ス。
三月
二十
六日痂皮
落屑殆
ンド完成
シ、唯瘢
痕
ヲ見
ル
ノミ、其
ノ後經過良
ク、四月十日退院
ス。
第 四十 四表 四 ノ二
血液所見
赤
血球數
全經過
ニ亙
リ増加
アルヲ認
ム、
有核赤血球
ノ出現
ナ
シ。
17
白
血球
モ亦全經過
ニ亙
リ絶對的淋巴球
ノ増多症
ヲ認
ム。
「中」細胞
核型推移
モ可
成左旋
アリ多數
ノ骨驅細胞
ヲ認
ム。
「エ」細胞
ハ蛔蟲寄生
ニ因
ルモノナ
ルカ増加
ヲ呈
セリ、
「モノ」ハ正常
ナリ、
「プ」細胞出現
アリ第
七病
日三・〇%ヲ示
ス。
症例三
三十九歳
男
假
痘 鐵道
員、種痘
ハ幼時
一囘受
ケタル
ノミニテ今般
ノ流行
ニ際
シ發病十
日前接種施行。
六日前惡寒發熱
アリ三、四日
ノ後下熱
スルモ同時
ニ發疹
シ著
シキ騷痒感
ヲ
伴
フ、
三月六日收
容。
第 四十五表 四 ノ三
現症
體格榮養中等、體濫三七度、脈搏
七入、顔色良
ク浮腫
ナ
シ、口腔粘
膜
疹ヲ認
ム、咽頭發赤
アリ、胸、腹部所見ナ
シ、
蛔蟲
卵ヲ認
ム。
發疹状態
粒
比較的小
ナル痘瘡性膿庖
ヲ全身
ニ認
ム、特
ニ顔面、四肢
ニ多
シ。
三月九日第九病日
ナル
ニ早
クモ痂皮
ヲ認
ム、氣分良
ク、其
ノ他
ニ異常
ナク
經過極
メテ順調
ニシテ四月六日退
院
ス。
血液所見
赤血球、血色素共
ニ正常
ニシテ有核赤血球
ノ出
現ヲ見ズ。
白血球増多症
アリ、特
ニ結痂期
ニ於
テ稍々
著明
ナリ、其
ノ主要成分
淋巴球
ナ
リ、「中」細胞核型推移
状態
ヲ見
ル
ニ著明
ナル左旋
ヲ呈
シ、殊
ニ第
二〇病
日
ニ於
テ著
シク骨髄細胞
ニマデ及
ベリ。
「エ」細胞
ハ全經過
ニ亙
リ比較的多數
ナリ、蛔蟲寄生
ノ影響
ニ因
ル
モノナラ
ン、
「モノ」ハ病極期
ニ於
テ
ハ減少
セルモ恢復期
ニ及ビ
テ正常
ニ復
ス。
各期
ニ亙
リ「プ」細胞
ヲ認
ムルモ多
數
ナラズ。
症例四
六十六歳
女 假痘
商
業
ノ族、幼時種痘
ヲ受
ケタ
ルノミナリ。
五日前惡
寒發熱三八度
アリ、激
シキ頭痛
、腰痛
アリ、
二、三日間三八乃至
三九度
ノ高熱持續
スルモ第
四病日
三七度
ニ低下、顔
面
ニ發疹
アルヲ認
ム、
翌
五日目
ニ至リ四肢末梢部
ニマデ發疹擴
マル、騷痒
ノ感ア
リ、三月
三十
一
日收容
ス。
現症
體格
頑健、體温
三七・三度、脈搏八
六、顔
面浮腫状
ナルモ顔貌沈衰
ナラズ、
口腔
粘膜疹
不明、咽頭發赤
アリ、胸、腹部所
見ナ
シ、寄生蟲卵
ナシ。
大西=最近釜山府
ニ於ケル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨牀的觀察
六六九
18
大西=最近釜山府
ニ於ケル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨牀的觀察
六七〇
發
疹状態
第
五病
日ナ
ル
ニ既
ニ水庖
ヨリ膿庖
ニ移行
セントスルモノヲ認
ム、個
々ノ粒小サ
ク、圓
形、
等大多
房性
ニシテ全身
ニ散在
スル
モ、特
ニ顔
面、四肢末梢部
ニ密集
セリ。
四月
四日皮疹早
ク
モ痂皮
トナリ、其
ノ後
ノ經通良好
ニシテ四月十九
日退院
ス。第 四十六 表 四 ノ四
血液所見
赤
血球
ハ經過
ト共
ニ漸次減少
ヲ呈
シ、第
五病日
ニ於
テ有核赤血球
ノ出
現ヲ
見
タリ。
本
症例
ニ於
テ特異
ナル所見
ハ白血球數
ノ消長及
ビ「中」細胞
ノ態
度
ニシテ、
即
チ發疹期
ニ於
テ著明
ナ
ル白
血球減少
(四・五〇〇)ヲ來
シ、
結
痂期
ニ於
テ
輕度
ナガラ淋巴球性
ノ増多
症
ヲ呈
シタリ、此
ノ發疹期
ニ於
ケル主要細胞
ハ
「中」細胞
ヨリ成
ル
モニ
シテ極
メテ著明
ナル核型左旋
ヲ呈
シ骨髄細胞、骨
髄母細胞
スラ認
メ得。
「エ」細胞
及ビ「モノ」ハ概
シテ正常範圍
ニアリ、各時期
ニ於
テ「プ」細胞
ヲ認
メ第七病日
ニ於
ケルモノ最
高
ニシテ九・六%ナリ。
第四十七表 第四群血液像經過
第二目
本項血液像小括
以上四例
ノ成人假痘症例
ニ就
テ其
ノ各々ノ經過ヲ發疹前期
(第四-
六病日)、發疹後期(第七-
二〇病日)、結痂期、落屑恢復期
ノ四期
ニ分チ、前項症例群
ニ倣
ヒ其等ノ所見ヲ
ニ括
スレバ、
19
赤血球數及ビ血色素量
ニ就
キ其ノ經過
ニ於ケル消長ヲ觀
ルニ小兒眞痘
ニ於ケル如キ貧血像
ヲ呈スル気ノナク・有核赤血球
ノ出現
ヲ見
タルハ第
一、第四例
ニシテ各
々三、四個
ヲ數
ヘタリ。
白血球
ハ比較的長期間
ニ亙
リ淋巴球性
ノ増加ヲ認
ム、只症例四
ニ於テ是等ト稍
々趣ヲ異
ニスルモノアリ、即チ發疹期
ニ於テ自血球減
少ヲ認
ム、其
ノ細胞百分率
ヲ見
ルニ「中」細胞ガ主體
ナリ、然
ルニ「中」細胞核型椎移ヲ見
ルニ全例
ニ於テ
小兒眞痘
ニ於テ見タルガ如キ
著明ナル左旋
ヲ呈
セルヲ知
ルモノニシテ骨髄細胞、或
ハ骨髓母細胞ノ出現
スラ認
ム。
「ヱ」細胞及ビ「モノ」ハ何
レモ稍々減少セルカ、又
ハ辛ウジテ正常範圍
ニアリ。
「プ」細胞
ハ全例
ニ於テ而
モ各期ヲ通ジ出現ヲ認
ムルモ其ノ數多
カラズ、只症例四
ニ於テ
ニ時的増加(九・六%)ヲ認
ム。
以上
ノ成人假痘例
ニ於ケル檢索
ハ余ノ最初
ヨリノ目的
ニ非ザ
ルガ小兒患者血液像
ト對比研究
スルノ興味
ヲ覺
ヱ第四群トシテ論述シ、
尚ホ成人眞痘ノ
ニ例
(按復期
ニ於ケルモノナルガ)ヲ追加、斯學研究
ノ資
ニ供セントス。
第五項
追加症例
症例
三十三歳
男
眞痘、野菜行商人
種痘
ハ幼時
一囘受ケ
完成、五日一日全治退院。
タルノミ。
十
二日前突然惡寒戰標
ヲ伴
ヒ發熱
ス、頭痛、腰痛著明、第
四病日熱少
シク
低
下
スルモ
顔面
ヨリ躯幹
、四肢
ニ到
ル
マデ丘疹現
ハレ、
再
ビ高熱
ヲ續
ケ
リ、皮
疹
ハ次第
ニ水庖
ニ變
ジ膿庖
トナル、
三月十
四日收容。
現症
體格、榮
養共
ニ良好、體温
三九度、脈搏
一一〇、顔面浮腫著明、眼
瞼開
カズ、舌乾燥厚舌苔
ヲ覆
り、口腔粘膜
疹ヲ認
ム、胸
部所
見ナク、腹部
肝脾
共
ニ僅ニ
觸
ル、
寄生蟲卵
ナシ。
發疹
状態
へ膿庖及
ビ其
ノ稍
々乾燥
セル
モノ極
メテ密
ニ發
生
シ、顔面、
四肢
末稍部
ニ於
テ
ハ頗
ル多
ク
相融合
シ慘
憺
タル情景ヲ呈
シ特有
ナ
ル臭氣
ヲ放
ツ。
入院後
モ數
日間高熱
アリ、全身違和感、
四肢疼痛
アリ、三月
二十
二日結痂
第四十八表 追加症例
血液所見
大西=最近釜山府
ニ於ケル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨牀的觀察
六七
一
20
大西=最近釜山府
ニ於クル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨牀的觀察
六七二
恢復翠
四四病日初
メテ
檢血
セルモノナ
レバ痘
瘡性特
有所見ヲ
認
ムル能
ハズ
ト雖、赤
血球稍
々減少、反之白
血球僅
カナガラ増加、淋巴球
ノ比較的
多數
、「中」細胞核型
ニテ幼弱型多
キヲ認
ム、
且
ツ
第五八病日
ノ
檢血
ニ於
テ「エ」細胞
ノ驚異的増加
〇三三・〇%)アリ。
第五節
血液像總括
赤血球及ビ血色素
ニ就テ
Frlenmeyer, Pick
其
ノ他
諸
家
ノ報
ズ
ル所
ニ從
ヘバ、
痘瘡
ノ赤血球ニ及
ボス影響
ハ殆
ンドナク概
シテ四
、五
萬
ノ數
ニア
ル
モノ
ナリ
ト云
ハル、
然
ル
ニ
Arnheim
ハ痘
瘡
恢
復
期
ニ於
テ
ハ赤
血球
數
稍
々減
少
ヲ呈
ス
ル
モノ
ナ
リ
ト云
フ、
金子
ハ二
一例ノ痘瘡血液檢査
ニ依リ全經
過中多少
ノ減少
ヲ見
タリト、石田
ハ九例
ニ於テ略
々同
様
結
果
ヲ得
タ
ルア
リ、
同時
ニ血色素量ノ減少ヲモ伴
フ
ト記載
セ
リ、
又
定、
野
田
ハ滿
洲
ニ於
テ、
二
六
例
ノ
一五
ノ
モ
ノ
ニ疾
病
ノ經過中、或ハ全經過ヲ通ジテ赤血球數稍々減少ヲ
來
セ
ルヲ認
メ、而
モ其
ノ減
少
ノ程度
ハ
眞
痘
ニ於
テ最
モ著
シ
キ
モノ
ア
リ、
血色
素
ニ關
シ
テ
ハ同症
例
ノ
一八
ニ於
テ減
少
ア
リ
タ
ルヲ認
メ
タ
リ。
余
ハ前
節
ニ於
テ縷
々述
ベ
タ
ル所
ノ
モノ
ヲ總括
ス
レバ、
即チ成人假痘
ニ於テハ全症例共
ニ赤血球數ノ減
少
ヲ認
ム
ルヲ得
ズ
、寧
ロ只
一時
的
ナ
ル
モ經過中僅
カナガラ正常
ニ比シ稍
々増加
ノ傾向ラ
示
セ
ルモ
ノ
ア
リ、
然
ル
ニ小
兒
眞痘
ニア
リテハ赤血球
ハ各時期
ニ當リ興味
ア
ル曲
線
ヲ描
ク
モノ
ニシテ、潜伏期
ニ於テ既
ニ著明ナル増加ヲ
來ス、前驅期
ニ至
レバ多少減少ノ傾向アルモ正常
ニ比シ可成
ノ増加、斯
ル前驅期赤血球増加
ハ發疹期
ニ至
レバ急激
ナル減少ヲ呈シ、
其
シヨリ經過ト共
ニ更
ニ減
少ノ程度ヲ増
シ恢復期
ニ及ブモ術
ホ著明ナル貧血像ヲ見
ルモノ多
シ。
血色素量
モ亦赤血球數ノ消長
ニ平行
スルモノナリ。
眞痘患者
ニ見ル赤血球減少竝
ニ血
色
素
ノ減
少
ハ
Arnheim
,金
子、
其
ノ他
ニ
一致スル所ナルモ、余
ノ得
タル成績
ノ如キ濳伏期、或
ハ前
驅期
ニ於ケル赤血球増加
ニ關
シテハ余
ノ淺學菲才ヲ以テシテ斯
ル報告
接
シ得ズ、又檢索症例
ノ僅少ナルヲ以テ、
痘瘡初期
ニ於テハ
全部ガ赤血球増加ヲ呈スルモノナリト斷定
スルハ將來ノ症例増加ヲ待タザ
ル可
カ
ラザ
ル
モ既
ニ
一例
ニテ
モ
斯
ル症例
ノ存在
スル事
ハ誠
ニ興
味
ア
ル事
ト思惟
ス。
尚ホ痘瘡血液像
ニ於テ最
モ注目セラレルモノ、一ツニ有核赤血球出現アリ、
之
ニ關シ
Hoffmannハ何等特種
ノ變化ヲ認メズト云フ
モ、Riedelノ死亡症例
ニ於
クル一一乃至
一三%有核赤血球出現ヲハジメ、
Joch
mann,Nageli其
ノ他凡テノ血液學者ノ認
ムル所
ニシ
21
テ、殊ニ重症経過ニ於テ出現著明ナリト記載
シ、濱ロバ全経過中有核赤血球
ヲ認メ居
リ、石田
ハ九例ノ内三例
ニ於テ其
ノ出現
ヲ證明
セリ、更ニ定、野田ノ業績
ヲ見
ルニ假痘
ノニ例、眞痘、出血性痘瘡、痘瘡性紫斑病ノ全例
ニ於テ有核赤血球
ノ出現アリト。.
余
ハ之ノ黙
ニ關シ深甚
ノ注意
ヲ彿
ヒテ鏡檢
セシモ先輩諸氏
ノ如キ著明ナル出現ヲ呈
セル症例ニ遭遇
スルヂ得ズ、小兒眞痘
ノ四例及ビ成
人假痘
ノニ例
ニ於テ、何
レモ其
ノ病極期
ニテニ乃至三個、或
ハ最
モ多
キモノニテ精々七個
ヲ敷
ヘタルノミニテ、其
ノ他
ノ異常赤血球ニ
就
テモ特記ス可キ結果
ヲ得ザリキ。
白血球
ニ就
テ
白血球敷
ニ就
テ。痘瘡血液像
ニ於テ白血球増多症
ヲ呈スルハ何人モ認ムル所ナリ、然
レ共、其
ノ如何ナル原因
ニ因
ル可
キヤ、又如何ナ
ル時期ニ於テ増加
ヲ認メ得
ルヤ、或
ハ其
ノ増多症ヲ構成
ス可キ主要細胞
ハ如何ナルモノナリヤ等
ニ關
シテハ種々議論
ノ有
ル所
ニシテ、
今日尚
ホ多々研究
ノ餓地
アリ
Brouardelハ痘瘡血液
ニテ白血球増加
ヲ見ルモ其
ハ化膿期ニ
入
ル前認ムルモノニシテ、部チ第六病日ガ
最高
ヲ示
ス時
ニテ化膿期
ニ至
レバ却ツテ減少
ヲ來
スモノナリト、更
ニ氏
ハ
Pickト共ニ痘瘡性白血球増加
ハ寧
ロ二次的化膿菌感染
ニ
依リテ起
ルモノナリトナス、Nageli,Joc
chmann.Courmont, Montagard其
ノ他多ク
ハ之
ニ賛
セズシテ、痘瘡
ハ白血球増多症
ヲ伴ナ
フモノナリ、.且ツ其
ノ程度
ハ痘瘡
ノ輕重
ニ依
ルモノナリト云ヒ、Courmont等
ニ依
レバ前騙疹、或
ハ其
ノ出現
ニ先ダチ既
ニ白血球増
加
ヲ認メ化膿期
ニ至リ最高
ニ達
シ、
一乃至二萬、或
ハ三、四萬餓
ニ達
スル事
モアリト云
ヘリ、然
ルニ又例外
ニ属ス可キモノモ屡
々見ラ
ル、所
ニシテ、Weil Brinkerhoff,Mag
rath, Bankroft, 定、野田
モ認
ムル如ク、全ク合併症
ヲ認
メザ
ル場合
ニ於テ泊血球増加ヲ來サ
ザ
ル事
アリ、尚
ホ定、野田
ハ假痘例ノ全テニ於テ前騙期白血球増加ナク、其
ノ後
ニ至リテ増加
スルモ最高ニ
達
スルハ乾燥期前
ナリト
ス、其
ノ他
Halla, Pee ハ膿庖期
ニ至リテ初
メテ白血球
ノ増加
ヲ見タリト云フ。
之
ニ依リ余
ノ成績
ヲ按ズ
ルニ、余
ハ小兒眞痘症例ニ於テ潜伏期既ニ
中等度
ノ白血球増加ヲ認メタリ、前強期ニ於テ更
ニ増加シ、發疹
シ、膿庖化
ニ至リテ最高ニ達
シ、最高三・一萬
ニ及ブ
モノヲモ見タリ、之
レ
Courmont等ニ
一致スル所
ニ所シテ、斯
ル増加
ノ現象
ハ
恢復末期
ニ至ル比較的長期間
ニ亙リ持績
スルモノナル事
ヲ知リタリ、又成人假痘症例
ニ於テモ略
々小兒眞痘
ニ於ケルガ如
キ増加
ノ傾
向
アリ、只
一例ノミ稽
々他
ト異ナリ水庖、膿庖期
ニ亙
り白血球減少
ヲ呈
シ(水庖期ノ四・五〇〇アリ)、其
ノ後間
モナク急激ナル増加ヲ
來
シ痂皮形成期
ニ至ラバ
一一・九〇〇ヲ算セリ。
大西=最近釜山府ニ於ケル.痘瘡ノ疫學的竝ニ臨休的觀察
六七三
22
大西=最近釜山府ニ於ケル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨黙的觀察
六七四
白血球種類ニ就テ。白血球増加
ニ關シテモ種々見解ノ相違
ヲ生ズ
ル所ナ
ルガ、之ヲ構成
ス可キ各種類
ノ配列
ニ就
テモ亦各研究者
ノ取
扱タル症例群
ノ異ナルニ依り其ノ成績
ニ著
シキ相違
ヲ見
ルモノニシテ、Hallenberger
ハ氏
ノ廣汎ナル研究
ニ於テ其
ノ圭要黙ヲ「中」細
胞
ノ減少、淋巴球増加ト「モノ」ノ増加
ノ三ツニ置キ、更
ニ其
ノ重篤ナル経過ノ場合
ニァリテハ著明ナ
ル「申」細胞核型左旋
ヲ來
シ、時
ト
シテ骨髄刺戟
ニ起因ス可
キ骨髄細胞、骨髄母細胞
ノ出現
ヲモ認メ、輕症
ニ於テハ其
ノ程度
ニ正比シテ顆粒細胞
ノ攣化
ハ淋巴球
ノモノ
ニ移リ、
ヨリ輕症ナルモノ程淋巴球
ノ藪
ハ顆粒細胞
ニ比シ多歎
ヲ占メ、同時
ニ「モノ」ノ増庸
ヲ俘ナフモノナリト云
ヘリ、schmingハ
痘瘡血液像
トシテ淋巴球性白血矯
加、「中」細胞
ノ核型左旋及ビ「モノ」ノ後盟
加テモツテ定型的ナルモノトナシ、「ヱ」細胞
ハ著攣
ナ
キカ
、
或
ハ少
シ
ク減
少
ス
ル
モ
ノナ
リ
ト云
フ、
次
ニNageliハ成
書ニ
於
テ痘
瘡
ノ重
篤
経
過ニ
於
テ有
核
赤
血球
ト共
ニ
骨
髄
細
胞
ノ出
現
ア
リ・
「ヱ」細
胞
ハ清
失
ス
ル
ニ至
ラズ
、
「プ」細胞
ハ屡
々出
現
ア
リ
テ五
・五
%
ヲ占
ム
ル
アリ、
淋
巴
球
ハ初
期ニ
於
テ
多
カ
ラ
ズ
、
後
期ニ
至
レ
バ
poseinfektiose Lymphocytose
ヲ呈
ス、
「中」細
胞
ハ概
シテ五
〇
%
以
下
ニ止
マ
ルト述
ベ、其
ノ合併
症
ヲ伴
ナ
フ
ヤ
「中
」細
胞
ノ増
加
ヲ來
ス
モ
ノナ
リ
ト云
フ、
又
Th, Arndt
ハ淋
巴球
ハ殆
ンド
常
ニ増
加
シ、
「中
」細
胞
ハ減
少
ス
ル
モ病
初ニ
於
テ認
ム
ルヲ
得
ザ
ル
核
型
左
旋
ハ其
ノ後経過
ニ從
羨
患
ノ程度ニ平行
どプ著明よ
善
髄細胞、骨難
細胞ノ出現ヲモ來シ、結痂期
ニ於テ「モノ」ノ増加アリ、Turk氏刺
戟
型
ハ常
ニ認
ム
ル
モ
ノ
ニシテ、
「ヱ」細
胞
ハ消
失
セズ
ト報
告
セ
リ、
石
田
ハ白
血球
増
加
ノ
主
因
ハ
淋
巴
球
ニシテ、
「中」細
胞
ハ恢
復
期
ニ至
リ
テ淋
巴
球
ノ減
少
ト共
ニ増
加
ア
リ、
核
モ亦
病初ニ
於
テ左
旋
ヲ示
シ、
重
症
ニ於
テ特
ニ著
シ、
「プ
」細胞
ハ
常
ニ出
卑
ソ、
最
高
ナ
ルモ
ノ
ニテ
一
四%ヲ占
ム・「ヱ」細胞
ハ正轟
園
ニアリト報止・ス、定、野田兩氏桑
績ヲ見
ルニ讃
ナル淋巴播
加及ビ輕度ノ「ヱ」細胞増加ヲ特有
ナルモノトノナシ・「中」細胞
ハ比較的減少
シ、重篤ナルモノニテ核左旋著明
ラブ幼弱型及暮
髄細胞出現、ン、「モノ」ハ藁
ナク、Turk
氏刺戟型竝
ニ「プ」細胞
ノ出現
毒
蕪
ムルモノナリト述ブ、更
ニ深ク蘇
ヲ追及
スレバ
Schatzmanハ七例
ノ血液像ニ於
テ、潜伏期
ニ「中」細胞増加ブリ、水庖期ニ於テ喬
ホ淋巴球
ハ増加ヲ起サズ、難
期
ニ至リ初
メ一ブ淋巴球性白血矯
多症ヲ呈
スルモノナリト、
schilling
モ亦
化膿
期ニ
於
テ淋
巴球
ノ増
加
ヲ認
ム。「モ
ノ」ニ關
シ
Courmont, Montagard, E. Well,Magrath
ハ各
期
ニ於
テ當
乏
ノ
壇加
ヲ蜜
モノナリトシ、殊
ニ潜伏期及ビ前騒期ニ
於ケル診璽
的意義大
ナルモノナリト云フ、然
ルニ
schilling
ハ之
ニ賛
セズ、又
Schatzmann. Montafusco, 金
子
、
石
田
ハ痘瘡ニ
於
ケ
ル「モ
ノ」ハ概
ネ正
當
ナリ
ト云
フ。
以
上
ノ外
尚
ホ幾多
業
績
ア
リ
テ其
ノ論
ク所多
種多
横
聾
趨
ス
ル所
ヲ知
いフズ響
23
要
スルニ是等ニ依り余
ノ業績
ヲ批判考究
スルニ、白血球壇加ニ關
シテ大體
覧8hmam
.属鍔eh等
ノ記載
スル如ク潜伏期既ニ増加
ヲ認
ム、経過
ト共
ニ更ニ著明
トナリ膿庖期
ニ至
リテ極度ニ達
シ後次第ニ減少
ヲ呈
スルモノナルガ比較的長期
ニ亙リ増加
ノ状態
.ヲ持績
セリ.、
之ノ白血球増加
ヲ構成
ス可キ主要細胞
ハ小兒眞痘
ニ於テニ既
ニ其
ノ漕伏期
ヨリ、更
ニ前騙期
ヨリ發疹膿庖期
ニ至
ル「中」細胞
ニ因
ル事ヲ
知リタリ、之ニ關
シ
Schatzmam
モ余
ト同報告ヲナセリ、且ツ重篤ナル経過
ヲ呈スル揚合ニ
於テ斯
ル傾向大ナリ、然
ルニ其
ノ他結痂
期
ヨリ收容サレシモノ、或
ハ成人假痘
ノ殆
ンド全テハ淋巴球増加
ニ因
ルモノニシテ、是等比較的輕症例
ニ於テモ「中」細胞核型左旋テ
呈
スシド病極期ニ觀察
セル重症例
ニ於テハ殊
ニ著明ナル左旋ヲ呈シ、Th.Arndt,Hallenbergerノ報告
ニ見
ル如キ骨體細胞、骨髄母
細胞ノ出現
ニマデ及ベリ。
「モノ」壇減
ニ關
シ
Boeumler等
ノ増加説、Schilling
ノ恢復期ニ
於ケル増加
ニ反シ、金子、石田
Schatzmannハ著攣
ナシト云フ、
余
ノモノニ於
テ之ヲ觀
ルニ大體正常ニ近
キモノ、又減少ヲ呈セルモノアリ。
「プ」細胞
ハ余
ノ成績ニ於
テモ石田、定及ビ野田
Nageliノモノニテモ略
々同様
ニシテ發病初期
ニ於テハ殆
ンド證明シ得ザ
ルモ發疹以
後
ノ時期ニ於テ
ハ何
レノ場合
ニテモ其
ノ出現
アルヲ認メ、小兒眞痘ニ
於ケル最高
ハ三・二%、成人假痘
ニアリテ只
一時的現象ニ因
ルモ
ノナランモ九・六%
ニマデ達スルモノァリ、其
ノ他
ノ場合ニ於テモ比較的多敷出現セリ。
「ヱ」細胞増加ヲ報告
スル者比較的少ナク僅ニ定、野田雨氏
ノモノ
・外
Boeumler,森脇等ガアルモ、余
ノ例ニ徴
シ之ヲ觀
ルニ他種急性
發疹性疾患等
ニ認
ムルガ如キ「ヱ」細胞増加
ハ殆
ンドナク、寧
ロ稽
々減少
ヲ呈スルモノナリ、只
一例成人眞痘
ノ第五病日
ニ於ニノ二三%
ノ「ヱ」細胞ヲ認メタルガ、之ガ痘瘡自體
ニ直接關係アリタリトハ考
ヘラレズ。
最後
ニ成人假痘
ノ一例
ニ於
テ第五、七病日著明ナル核型左旋ヲ呈スル「中」細胞ノ比較的増加
ヲ呈シ、而
モ白血球全體
ヨリ觀テ著明ナル
減少ヲ來セルモノヲ経驗
シタリ、本症例ニ於
テモ第
一一病日ニ至
レバ急激ナル淋巴球増加
ヲ招來セシモノニシテ、白血球減少ヲ呈
ス
ル事
ノミ
ニ關
シテ
ハWeil, Brinkerhoff, Magrath.Bankroftモ認
ムル所ナルガ、余
ノ例ノ如キハ極メテ興味アル攣化ナリ。
要之、余
ハ昭和十二年釜山府
ニ流行
セル痘瘡患者血液像
ノ檢索
ニ依リ次
ノ成績
ヲ修
メタリ。
一、赤血球藪竝ニ血色素量
ハ成入假痘
ニアリテ著攣
ヲ認メザルモ小兒眞痘
ニ於
テ潜伏期竝ニ前騙期ニ其
ノ増加
スルヲ認
ム、其
ノ後経過
ニ俘ナヒ甚ダシク減少ヲ來
シ恢御期ニ至
ルモ尚
ホ可成
ノ貧血像ヲ認
ムルモノァリ、有核赤血球
ハ小兒眞痘及ビ成入假痘
ニテモ病極期
ユ
大西=最近釜山府ニ於ケル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨脈的觀察
六七五
24
大西=最近釜山府ニ於ケル痘瘡ノ疫學的竝ニ臨隷的觀察
六七六
於テ小数
ナガラ出現
スル事
アルヲ知
ル。
二、小兒眞痘
ニ於テ潜伏期既ニ白血球増加テ認
ム、其主髄
ハ淋巴球稻
々多
キ事アルモ寧
ロ「中」細胞増加
ノ傾向大
ニシテ、其核型左旋
ス。
三、發病
スルニ及ベバ白血球増加更三
著明トナリ膿庖期ニ至リ最高
ニ達ス、以後漸次減少
スルモ極メテ緩慢
ニシテ恢復期
ニ於テモ尚
ホ可成
ノ増多
ナリ。
四、病初
ニ於テ「中」細胞多藪
ニテ其
ノ核型推移状態
ハ著明ナル左旋ヲ呈
シ、發疹期ニ於テ更ニ
甚ダシク骨髄細胞、骨髄母細胞
ノ出現
ニマデ及ブモノァリ、且
ツ之ノ核型左旋竝ニ「中し細胞壇加
ハ疾病ノ程度
ニ平行スルモノナリ。
五、淋巴球
ハ皮疹進展
ト共
ニ次第ニ
増加シ發疹期
ニ至
レバ淋巴球性白血球壇加
ヲ呈
ス。
六、「ヱ」細胞、「モノ」、鹽細胞
ハ辛ジテ正常力う或
ハ減少
ヲ呈ス。
七、「プ」細胞
ハ常
ニ出現
スルモ概シテ發疹以後
ナリ。
八、成人假痘
ニ於テモ著明
ナル白血球増加テ呈スルモ淋巴球ニ
因
ルモノニシテ、「中」細胞核型左旋及ビ其
ノ他
ハ小兒眞痘ニ觀
ルガ如シ
以上ノ如ク余
ハ釜山府
ニ於
ケル昭和八年及ビ同十二年
ノ痘瘡二大流行
ニ際
シ、奮釜山府立順治病院、現釜山府立病院ニ
牧容サ
レタル
患者六〇名ニ就
キ疫學的竝
ニ臨状的觀察ヲ試ミ、特
ニ昭和十二年患者ノ
一七名ニ就テ其
ノ皿液學的攣化テ詳細檢索
シ、從來諸家
ニ依リ
煽報生ロサ
レシ知見及ビ註ハ竺W報止ロニ於テ櫓日テ{發見シ得ザリシ成績
ヲ得タリ。
(掘筆ニ臨ミ御指導ト御校閲ヲ賜ハリシ守田科長ニ謹ソデ謝意ヲ表シ奉ル)
参
考
交
献
1) 井
口, 種
痘
及
痘瘡論. 昭和四年. 2) 高松, 臨休小兒科雑誌. 第七年. 昭和八年. 3) 高松, 臨休小兒科雑誌. 第八年. 昭和九年. 4) 安部,
日本
醫
事
新
報
. 第
八
五
九號別刷. 昭和一○年. 5) 安部, 實地醫家ト臨休. 第一四巻. 第一一號. 昭和一二年. 6) 武田, 釜山市街地圖. 昭和一一
年
. 7) 朝
鮮
總
督
府警務局, 朝鮮防疫統計. 昭和一二年. 8) 慶尚南道衛生課, 釜山府傳染病發生及死亡表. 昭和一二年. 9) 伏木, 大日本小兒
科
全
書
. 第
二
一編
. 第
四冊(1). 痘瘡. 昭和一三年. 10) 森脇, 實験醫報. 第一二. 一四三. 大正一五年. 11) 石田, 朝鮮醫學會雑誌. 第二二巻.
第
四號
. 昭
和
七
年
. 12) 小
宮, 古庄, 臨牀血液圖説. 昭和八年. 13) 小宮, 臨牀血液學. 昭和九年. 14) 定, 野田, 満洲醫學會雑誌. 第二二巻.
第
三
號
. 昭
和
一
○
年
.
15) 林
, 傳染病學會雑誌. 第一一巻. 第六號. 昭和一二年. 16) A. V. Domarus, Grundriss der innere Medizin 1929.
17) Nageli,Blutkrankheit und Blutdiagnostik 1923. 18) Jochmann, Infectionskrankheiten 1924. 19) Th. Arndt, Ergebniss edr Inneren
M
edizin und Kinderheilkunde 1921.