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環境影響評価方法書のあらまし
平成 29年 5月
株式会社JERA
(仮称)姉崎火力発電所新 1~3号機建設計画
市原市の花「コスモス」
1
千葉県
埼玉県
東京都
神奈川県
茨城県
対象事業実施区域0 20 40km
対象事業実施区域
〔「電子国土基本図 (オルソ画像 )」(国土地理院HP)より作成〕
0 0.5 1km
はじめに 平素より皆様には、当社の事業活動につきまして、格別のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。 本事業は、株式会社JERA※ 1 が、東京電力フュエル&パワー株式会社姉崎火力発電所 1 ~ 4 号機の廃止に伴い、利用可能な最良の技術 (BAT) であるガスタービン燃焼温度 1650℃級のコンバインドサイクル発電設備 ( 出力約 65 万 kW × 3 基 ) を導入する設備更新計画です。 本事業の実施予定地となる姉崎火力発電所は、昭和 42 年の 1 号機を皮切りに昭和 54 年の 6 号機まで順次運転を開始し、発電所合計出力 360 万 kW(60 万 kW × 6 基 ) の大規模火力発電所として、京葉工業地帯に群在する需要家等への安定供給に寄与するとともに、日本経済の発展に貢献してきました。一方で、1 号機の運転開始から約 50 年が経過しており、発電コストの低減と安定した電力供給のため、経年劣化した発電設備を高効率な発電設備に更新していく必要があることから、本事業を計画したものです。 本事業において使用する燃料は、硫黄酸化物やばいじんを排出せず、化石燃料の中で温室効果ガス排出量が最も少ない液化天然ガス (LNG) とする計画です。また、最新鋭の低 NOX 燃焼器並びに排煙脱硝装置を導入することで、廃止する姉崎火力発電所 1 ~ 4 号機に比べて大気汚染物質排出量の大幅な低減を図り、地域社会への環境負荷の低減に貢献するものです。さらに、新たに設置する発電設備は、燃料油タンク跡地に設置すること並びに既設の取放水設備等を有効活用することにより、大規模な土地改変を行わず、工事に伴う環境負荷の低減も図る計画としています。 なお、本計画は、「火力発電所リプレースに係る環境影響評価手法の合理化に関するガイドライン」
(平成 25 年 3 月、環境省) ※ 2 (以下、「合理化 GL」といいます。)の適用条件を満たす事業であることから、合理化 GL に従い環境影響評価を実施する予定です。 当社は、国のエネルギーミックスと整合的な火力電源ポートフォリオの構築、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(昭和 54 年法律第 49 号)(以下、「省エネ法」といいます。)に基づくベンチマーク指標※ 3 の達成により、電力の安定供給並びに電源の低炭素化に貢献したいと考えています。
※ 1 平成 27 年 4 月に東京電力株式会社(現:東京電力フュエル&パワー株式会社)及び中部電力株式会社の国内火力発電所の新設・リプレース事業を含む燃料上流・調達から発電までのサプライチェーン全体に係る包括的アライアンスを実施する会社として設立されました。
※ 2 火力発電所のリプレースの際、土地改変等が限定的で、最新技術の導入により環境負荷が低減されるなど、一定の条件を満たすリプレースを対象に、既存データ等の活用による方法書・準備書以降の手続きの合理化等、調査・予測に要する期間の大幅な短縮を可能とするための手法をとりまとめたものです。
※ 3 特定業種・分野について、当該業種に属する事業者の省エネ状況を業種内で比較できるよう、省エネ法にて定められている指標のことです。
2
対象事業の内容
発電設備のしくみ
発電設備の概要
工事工程〔着工:2019年(平成 31 年) (予定)〕
(仮称)姉崎火力発電所新 1 ~ 3 号機建設計画ガスタービン及び汽力 ( コンバインドサイクル発電方式 )約 195 万 kW (約 65 万 kW×3 基)液化天然ガス(LNG)千葉県市原市姉崎海岸 3 番地2023 年(平成 35 年)(予定)
名 称原動力の種類出 力燃 料位 置運転開始時期
海海純水タンク 純水装置総合排水処理装置 工業用水
プラント排水
蒸気
取水放水
給水ポンプ
燃料(LNG)
排煙脱硝装置
煙突
排ガス
発電機
ガスタービン
燃焼器空気
排ガス
復水器
蒸気タービン
主変圧器主変圧器開閉所
送電線へ
空気圧縮機
排熱回収ボイラ
アンモニア
タービン建屋
年 数
総 合 工 程
既設設備撤去(燃料油タンク)
試 運 転
機 器 据 付
基 礎 ・ 建 屋
-2 -1 1 2 3 4 5
▼着工▼新1号機運転開始▼新2号機運転開始▼新3号機運転開始
項 目 単位 現 状 将 来1~6号機 新1~3号機 5・6号機
20019163233.3
海水冷却123.0
煙 突 高 さ
原 動 力 の 種 類出 力燃 料 の 種 類
汽力360 約195
LNG LNG、LPG120万kW汽力ガスタービン及び汽力
重油、原油、LNG、LPG
硫 黄 酸 化 物窒 素 酸 化 物ば い じ ん復 水 器 冷 却 方 式冷 却 水 量取 放 水 温 度 差
ばい煙
冷却水8.9以下(1~4号機)8.0以下(5・6号機)
80 200
海水冷却海水冷却-
- -
-
8.0以下7以下
約90
約229
m
kg/h
m3/s℃
-
-
-
m3N/h
m3N/h
対象事業の概要
※ 将来においては、LNG 及び LPG を燃料とするため、硫黄酸化物及びばいじんの排出はありません。
3
設備配置計画
プロパンタンク
ブタンタンク ブタンタンク
プロパンタンク
燃料油タンク
放水口
66kV局配変電所
超高圧変電所
275kV
5・6 号機煙突
取水口
排水処理設備
水処理設備
放水路
6号機
5号機
4号機
3号機
2号機
1号機
3・4 号機煙突
1・2 号機煙突
取水口(新設 )
取水路( 新設 )
放水路( 新設 )
新 3号機
新 2号機
新 1号機
用・排水処理設備(新設 )
開閉所( 新設 )
タービン建屋排熱回収ボイラ煙突
タービン建屋排熱回収ボイラ煙突
タービン建屋排熱回収ボイラ煙突
プロパンタンク
ブタンタンク ブタンタンク
プロパンタンク
燃料油タンク
放水口
66kV局配変電所
超高圧変電所
275kV
5・6 号機煙突
取水口
排水処理設備
水処理設備
放水路
6号機
5号機
4号機
3号機
2号機
1号機
3・4 号機煙突
1・2 号機煙突
0 100 200m
0 100 200m
市原市
袖ケ浦市
対象事業実施区域
0 0.5 1km
注:図中の赤線は本事業で設置する発電設備を示します。
(現 状)
(将 来)
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環境影響評価について
対象事業実施区域及びその周囲の概況
対象事業に係る環境影響評価の項目
調査・予測の手法
評価の手法
今回の環境影響評価方法書は、環境影響評価を行うために必要な対象事業の概要、対象事業実施区域及びその周囲の状況、環境影響評価を行う項目並びに調査、予測及び評価の手法について記載したものです。
◎自然的状況 大気環境、水環境、土壌及び地盤、地形及び地質、動物、植物、生態系、景観、人と自然との触れ合いの活動の場並びに一般環境中の放射性物質の状況について、既存の文献等を参考に概況を調査しました。
◎社会的状況 人口及び産業、土地利用、海域等の利用、交通、学校・病院・住宅等の配置、下水道の整備並びに廃棄物の状況について、既存の文献等を参考に概況を調査しました。 また、環境保全を目的とした法令等による指定地域、規制基準等についても内容を調査しました。
環境影響評価を行う項目は、先に実施した「計画段階環境配慮書」における予測・評価の結果並びに 「発電所の設置又は変更の工事の事業に係る計画段階配慮事項の選定並びに当該計画段階配慮事項に係る調査、予測及び評価の手法に関する指針、環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針並びに環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令」( 平成 10 年、通商産業省令第 54 号 ) ( 以下、「発電所アセス省令」といいます。)及び合理化 GL を参考に、対象事業の特性と対象事業実施区域及びその周囲の地域特性を踏まえ、次頁の表のとおり選定しました。
発電所建設等の工事や運転によって、環境の変化が予想される大気や水質等について、文献調査及び現地調査により現況を把握したのち、数値計算等により影響を予測し、環境保全に対して配慮すべき事項を検討します。
調査及び予測の結果を踏まえ、環境影響が実行可能な範囲内で回避又は低減されているか、環境保全についての配慮が適正になされているかどうかを検討し、評価します。 また、国や自治体によって、環境基準や環境保全上の規制基準等の環境保全施策が示されている場合には、それらとの整合が図られているかどうかを検討し、評価します。
5
環境影響評価項目の選定
環 境 要 素 の 区 分
影 響 要 因 の 区 分
工事の実施 土地又は工作物の存在及び供用
施設の稼働工事用資材等の搬出入
建設機械の稼働
地形改変及び施設の存在
資材等の搬出入
廃棄物の発生
機械等の稼働
温排水
排 水
排ガス
造成等の施工による一時的な影響
環境の自然的構成要素の良好な状態の保持を旨として調査、予測及び評価されるべき環境要素
大 気環 境
水環境
その他の環境
地形及び地質
騒 音振 動
水 質
大気質
底 質その他
硫 黄 酸 化 物窒 素 酸 化 物浮 遊 粒 子 状 物 質石 炭 粉 じ ん粉 じ ん 等騒 音振 動水 の 汚 れ富 栄 養 化水 の 濁 り水 温有 害 物 質流 向 及 び 流 速
注:1. は発電所アセス省令の参考項目であることを示します。 2.「○」は、環境影響評価の項目として選定する項目であることを示します。
生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全を旨として調査、予測及び評価されるべき環境要素
植 物
動 物
生 態 系
重要な種及び注目すべき生息地(海域に生息するものを除く。)海 域 に 生 息 す る 動 物重要な種及び重要な群落(海域に生育するものを除く。)
海 域 に 生 育 す る 植 物地域を特徴づける生態系
人と自然との豊かな触れ合いの確保を旨として調査、予測及び評価されるべき環境要素
人と自然との触れ合 い の 活 動 の 場
景 観
主 要 な 人 と 自 然 と の触 れ 合 い の 活 動 の 場
主要な眺望点及び景観資源並びに主要な眺望景観
環境への負荷の量の程度により予測及び評価されるべき環境要素
廃 棄 物 等
温室効果ガス等 二 酸 化 炭 素
産 業 廃 棄 物残 土
重 要 な 地 形 及 び 地 質
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参 考
環境影響評価方法書の手続き
事業の実施
国
届出
届出
送付
送付
意見書
勧告 /通知
意見書
事業者 住民・自治体
現況調査・予測・評価
環境影響評価準備書
環境影響評価書
意見書
公告・縦覧・説明会
意見概要・見解とりまとめ
送付環境影響評価方法書作成
評価項目等の選定
計画段階環境配慮書
審 査
経済産業大臣
皆様のご意見
都道府県知事
関係市町村長意見照会
平成 28年 10月 計画段階環境配慮書の提出 平成 29年 5 月 環境影響評価方法書の提出
法律に基づく環境影響評価の手続きは次のとおりです。今回の「環境影響評価方法書」の手続きは太枠の段階のものです。今後、皆様のご意見をお聞きした上で、調査・予測・評価を行い、その結果を「環境影響評価準備書」として作成・縦覧し、法律に基づく審査を経て「環境影響評価書」を取りまとめることとなります。
経 緯
環境影響評価の手続き
縦 覧 場 所
平成 29年5月 12日(金)
~
6 月 12日(月)
午前 8時 30分
~
午後 5時 15分土曜日、日曜日は除く
縦 覧 期 間 縦 覧 時 間 備 考千葉県環境生活部環境政策課市原市環境部環境管理課市原市姉崎支所市原市有秋支所袖ケ浦市市政情報室
午前 9時~午後 5時
午前 9時~午後 5時
見やすく読みまちがえにくいユニバーサルデザインフォントを採用しています。
M E M O
当社ホームページ(http://www.jera.co.jp/corporate/assessment/anegasaki.html)でもご覧になれます。
環境影響評価方法書の縦覧について
環境影響評価方法書に関するお問い合わせ先
株式会社 J E R A発電事業開発本部 発電・エネルギーインフラ部 国内事業推進ユニット
〒 103-6014 東京都中央区日本橋二丁目 7 番 1 号TEL 03-6327-5674(代表)