福島キャピタルフロント

株式会社　田畑建築設計事務所

田　畑　　建　一

建物名称 : 　

　　　　　（福島キャピタルフロント）

建物位置 : 　福島県福島市栄町１－３５

用　　途 : 　複合施設

敷地面積 : 　３，１８８．４２㎡

建築面積 : 　２，０５２．１１㎡

述床面積 : １９，５４４．６２㎡

階　　数 : 　地上１７階、塔屋１階

高　　さ : 　建物高さ６１．０５ｍ

福島栄町北地区優良建築物等整備事業

■　建物概要

発注者 : 　エヌ・エフ・シー株式会社

　　　　　　康和地所株式会社

設計 ･ 監理 : 　株式会社　田畑建築設計事務所

施　　 工 : 　奥村組・菅野建設特定建設共同企業体

工　　 期 : 　平成１７年１１月～平成１９年３月

構　 　造 : 　プレキャストプレストレスト

コンクリート造 ( 圧着工法 ) ＋免震構造

基礎構造 : 　節杭（ S U P E R ニーディング工法）

Ｎ

高層共同住宅 ホテル

高層部低層部 低層部民間施設

J R東北線

高層共同住宅

←至　福島駅

●建築概要－１

本 施 設 は 福 島 駅 か ら 北 方 へ 約 ３ ０ ０ ｍ に 位 置 し 、 「 都 心 の 快 適 な 居 住 空 間 ・情 報 の 発 信 基 地 」 の 実 現 に 向 け て 、 福 島 駅 を 中 心 に Ｊ Ｒ 東 北 線 に 沿 っ た 、 北 に延 び る 新 た な 開 発 地 の 中 心 施 設 と し て の 役 割 を 担 っ て い ま す 。ま た 、 福 島 栄 町 北 地 区 優 良 建 築 物 等 整 備 事 業 と し て 位 置 付 け さ れ 、 国 ・ 県 ・ 市の 支 援 の も と 、 民 間 テ ナ ン ト ・ 駐 車 場 ・ 教 育 施 設 ・ 共 同 住 宅 で 構 成 さ れ た 複 合施 設 で す 。　 計 画 地 が 都 心 部 に あ る こ と 、 １ ７ 階 建 て で あ る こ と か ら 、 工 期 の 短 縮 及 び 周辺 環 境 へ の 影 響 緩 和 の た め 全 面 的 な Ｐ Ｃ 化 と し ま し た 。

計 画 地 東 側 に は 、 ホ テ ル ・ 高 層 マ ン ショ ン が 近 接 し て い る た め 、 建 設 時 の 騒 音や 粉 塵 の 影 響 を 極 力 抑 え る 必 要 が あ り まし た 。ま た 福 島 市 の 都 心 部 に あ る た め 、 振 動 の遠 因 に な り う る 工 事 車 輌 の 出 入 り の 制 限も 要 求 さ れ た 条 件 で し た 。

　 以 上 よ り 部 材 を 工 場 製 作 可 能 で あ り 現場 で の 騒 音 を 抑 制 し 、 工 事 車 輌 の 出 入 りを 抑 制 で き る Ｐ Ｃ 圧 着 関 節 工 法 は 本 事 業に お い て 最 適 な 工 法 と い え ま す 。

●周辺環境への影響緩和について

▼

コミュニティ道路

▲▲歩行者動線

車両動線

2,4

50

3,1

00

3,6

00

〃〃

〃〃

4,5

00

4,6

50

2,2

00

3,4

00

〃〃

〃〃

3,1

00

〃〃

〃3

,40

0

20

05

5,0

00

最高の高さ( G L + 6 1 , 0 5 0 )

11 , 000 11 , 000 11 , 0009 , 7001 , 800 300300

45 , 100

6 , 000 8 , 000 8 , 0008 , 000300 8 , 000

38 , 600

300

１Ｘ 2Ｘ 3Ｘ 4Ｘ 5Ｘ 6Y 5Y 4Y 3Y 2Y １Y

通路

ピット

( 消火水槽 )

中庭 廊下

勾配車路

勾配車路

勾配車路

勾配車路

勾配車路

倉庫

（消防　令８区画）

L D

L D

玄関

玄関

玄関L D

L D 玄関

玄関L D

L D 玄関

玄関L D

L D 玄関

玄関L D

駐車場

駐車場

駐車場

駐車場

駐車場

免震ピット

E V昇降路

免震ピット

（消防　令８区画）

廊下

洋室（１）

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

和室

和室

和室

和室

和室

和室

和室

和室

和室

和室

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

和室

和室

和室

和室

和室

和室

和室

和室

和室

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

L D

和室

和室

和室

和室

和室

和室

和室

L D

L D

L D

L D

L D

洋室（１）

洋室（１）

洋室（１）

洋室（１）

洋室（１）

洋室（１）

洋室（１）

洋室（１）

駐車場

駐車場

駐車場

免震ピット 免震ピット

駐車場

駐車場

P H R F L

P H 1 F L

2 F L

3 F L

4 F L

5 F L

6 F L

7 F L

7 ’ F L

1 3 F L

1 4 F L

1 5 F L

1 2 F L

8 F L

9 F L

1 0 F L

1 1 F L

1 F L

1 6 F L

1 7 F L

●建築概要－２

本 施 設 の 低 層 部 に は 、 民 間 テ ナ ン ト が 通 り に 面 し て 配 置 さ れ 、 利 用 者 の ア クセ ス に 配 慮 す る と と も に 新 た な 「 に ぎ わ い 」 の 創 出 に 寄 与 し て い ま す 。 中 層 部 は 地 方 都 市 の モ ー タ リ ゼ ー シ ョ ン を 考 慮 し た 自 走 式 駐 車 場 と し ３ ０ ０台 の 収 容 を 可 能 と し て い ま す 。上 層 部 の 共 同 住 宅 は ８ ５ 世 帯 で 都 市 居 住 者 層 に 合 わ せ 、 様 々 な バ リ エ ー シ ョ ンの 住 戸 タ イ プ で 構 成 さ れ て い ま す 。建 物 シ ル エ ッ ト は 低 層 部 を 大 き な ボ リ ュ ー ム と し 、 上 層 部 に 共 同 住 宅 が コ の 字形 の 小 さ な ボ リ ュ ー ム と し て 配 置 す る こ と で 、 周 辺 景 観 へ の 影 響 を 考 慮 し た 建物 形 状 と し て い ま す 。

民間賃貸エリア

免震装置エリア

民間賃貸エリア

駐車エリア

居住エリア

民間賃貸エリア 居住エリア

居住エリア駐車エリア

エントランスゲート 外 部 開 放 廊 下

住 居 内 部

5,8

00

P H R F L

P H 2 F L

50

0

45 , 100

30011 , 00011 , 00011 , 000300 11 , 500

5Ｘ4Ｘ3Ｘ2Ｘ１Ｘ

4,6

50

4,5

00

60

,45

0

〃3

,40

0〃

〃〃

〃2

,20

0〃

〃〃

〃〃

〃〃

3,1

00

2,4

50

2,4

00

2,2

50

1 F L

1 1 F L

1 0 F L

9 F L

8 F L

7 ' F L

7 F L

6 F L

5 F L

4 F L

3 F L

2 F L

R F L

1 6 F L

1 5 F L

1 4 F L

1 3 F L

1 2 F L

3,0

00

3,1

00

▽ G L

30

08

,00

08

,00

06

,00

08

,00

08

,00

0

3,3

00

30

0

１Ｙ

Ｙ

Ｙ

Ｙ

Ｙ

Ｙ

２

３

４

５

６

38

,60

03

,30

0

１Ｘ 2Ｘ 3Ｘ 4Ｘ 5Ｘ

300 30011 , 00011 , 00011 , 50011 , 000

45 , 100

8,0

00

8,0

00

6,0

00

8,0

00

8,0

00

30

03

00１Ｙ

Ｙ

Ｙ

Ｙ

Ｙ

Ｙ

２

３

４

５

６

38

,60

0

１Ｘ 2Ｘ 3Ｘ 4Ｘ 5Ｘ

300 30011 , 00011 , 00011 , 50011 , 000

45 , 100

■柱引抜応力を抑制するためピン接合とする箇所は、プレキャスト柱に設けたコーベルを利用し、部材の回転拘束を無

　くしたピン状態としています。

　

■大梁プレストレストによる不静定二次応力を小さく抑えるために、緊張区間が３０ｍを超える場合は上下階のプレス

　トレストを５０％ずつ同時期緊張としました。

　

■プレキャスト柱とプレキャスト大梁は、ＰＣ鋼材４ｃー５～１２本×１２．７φストランド（ＳＷＰＲ７Ｂ）にて、

　圧着接合しています。

■プレキャスト柱同士は、ＰＣ鋼棒９～５本ー３２φ（ＳＢＰＲ種１号）にて圧着接合しています。

柱・梁：ＰＣ a プレストレスト

　　　　　　　　　コンクリート造

■１階はプレストレスト鉄筋コンクリート（ＰＣ）造、１階以上はプレキャストプレストレストコンクリート（ＰＣ a

　 P C ）造のラーメン構造としました。

●上部構造の主な特徴

軸組図

床伏図（低層部）

床伏図（高層部）

●構造計画－１

本 施 設 に お い て は 、 建 物 の 長 寿 命 化 及 び 耐 震 偽 装 問 題 発 覚 等 に よ る 構 造 の 安全 性 を 確 保 す る た め 、 各 種 構 造 形 式 の 比 較 検 証 を 行 い ま し た 。ま た 建 設 地 の 条 件 ・ 環 境 等 を 考 慮 し 、 Ｐ Ｃ 圧 着 関 節 工 法 が 最 適 で あ る と 判 断 しま し た 。　 部 材 の Ｐ Ｃ 化 に 伴 い 大 ス パ ン 割 が 可 能 に な り 、 居 住 プ ラ ン の 自 由 化 や 梁 背 をの 小 型 化 に よ る 設 備 計 画 の 柔 軟 化 が 可 能 と な り ま し た 。

PC3

PC2

PC2

F7F9

F5

F1 F7

PGX2PGX4PGX4PGX1

FG3 FG4

CG2

FG1 FG3

PGX1

PGX3

PGX3

PGX3

PGX3

PGX1

PGX1

PGX2

PGX2

PGX2

PGX2

PGX2

PGX2

PGX2

PGX2

PGX2

PGX1

PGX1PC1A

CFG1

D2D3D3D3D1

PC1

PB2 PB2 PB2 PB2

PGX1 PGX1

PGX1 PGX1 PGX1 PGX1

PGX1 PGX1 PGX1 PGX1

PGX1 PGX1 PGX1 PGX1

PGX1 PGX1 PGX1 PGX1

PGX1 PGX1 PGX1 PGX1

PG

Y2

PG

Y2

PG

Y2

PG

Y2

PG

Y2

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

SB2

SP3

SP3

SB2

SB

2 SP3

SP3

吹抜

階段1

階段2

PBS

S PB

S PB

S PB

S PB

PBS

PBS

PBS

PBS

S PB

PBS

PBS

PBS

PBS

S PB

PBS

PBS

PBS

PBS

S PB

PBS

PBS

PBS

PBS

S PBS

SS

S

SS

SS

SS

SS

S S SS

S

PBS

PBS

S PB

S PB

S PB

PBS

PBS

S PB

S PB

S PB

PBS

PBS

S PB

S PB

S PB

S

SSSSS1

PGX1

CPG

Y1

CPG

Y1

CPG

Y1

CPG

Y1

SB2SB

1S

B1

PB2

S

CPG

Y1

PB2

S

CPG

Y1

S

CPG

Y1

SC

G1

SP4

SCG1

△柱芯

△柱芯

CPG

Y1

CP

GY

1

階段4

S1

PG

Y1

▽柱

芯

△柱

芯

S1

SCG1

SCG1

SC

G1

SC

G1

SP1

PGX1ピン接合

PB2ピン接合

階段3

SCG1

SCG1

SC

G1

SC

G1

PG

Y1

SP1S1

SB2

SB1

SB2

PGX1 PGX1

PGX1

PGX1

PGX1

PGX1 PGX1 PGX1

PGX1PGX1PGX1

PG

Y1

AP

GY

1A

PG

Y1

AP

GY

1A

PG

Y1A

PG

Y1

PG

Y1

SB

4

PS

PS

PS

PS

PS

PS

PS

PS

PS

（PGX2）

（PGX2）

SP3

PG

Y1

階段7

SC

G1

SP3

（PG

Y3）

PG

Y1

（P

GY

3）

PGX1（PGX2）

PGX1（PGX2）

PG

Y1

PGX1

PG

Y1

PG

Y1

PG

Y1

（P

GY

3）

PG

Y1

（P

GY

3）

（P

GY

3）

CS1

CS1

SB2S1

SB1

SP1 階段1

SCG1

SCG1

SC

G1

S1

SC

G1

SC

G1

階段2

SCG1

SCG1

SP3

SP3SP1

▽柱芯

▽柱

芯

△柱

芯

CS1

△柱芯

梁： P c a プレストレスト コンクリート造

柱： P c a プレストレスト コンクリート造

PC

aP

C造

PC

造

1 1 , 0 0 0 1 1 , 0 0 0

1 1 , 0 0 0

3 0 0

3 0 0

3 0 0

1 1 , 0 0 03 0 0 1 1 , 5 0 0

3 4 , 1 0 0

4 5 , 1 0 0

8,

00

08

,0

00

8,0

00

30

08

,0

00

6,0

00

30

0

3,4

00

38

,6

00

8,

00

08

,0

00

8,

00

03

00

6,0

00

8,

00

03

00

38

,6

00

Ｘ１ ＸＸ2 Ｘ3 Ｘ4 Ｘ5

Y6

Y5

Y4

Y3

Y2

Y１

免震装置

・ゴム剛性G O . 3 9

・ゴム総厚2 0 0 mm

記　号

φ1 1 0 0 mm　×　H 　4 6 7 . 5 mm

φ1 2 0 0 mm　×　H 　4 6 8 . 0 mm

φ1 3 0 0 mm　×　H 　4 6 8 . 0 mm

φ1 4 0 0 mm　×　H 　4 6 8 . 0 mm

φ1 5 0 0 mm　×　H 　4 4 5 . 5 mm

φ　 4 0 6 mm　×　 L 3 3 4 0 . 0 mm

φ　 9 0 0 mm　×　H 　5 0 3 . 5 mm

形　状 基　数

８

８

３

１

３

７

８オイルダンパー

高減衰積層ゴム

●免震装置の配置表

建物総重量

免震装置

免震性能

高減衰積層ゴム

オイルダンパー

免震建物の固有周期

免震装置の最大変位

上部構造の最大層間変形角

３２，９８６ｔ

φ９００ｍｍ～φ１５００ｍｍ　３０基

最大抵抗力　１０００ＫＮ　　８基

５．１２秒

４４．２㎝

１／７６７

●免震装置の概要及び免震性能

●構造計画－２

オイルダンパー

高減衰積層ゴム

本 施 設 は 、 基 礎 と 上 部 構 造 の 間 に 免 震 装 置 を 配 置 し た 基 礎 免 震 構 造 を 採 用 し 、「 免 震 告 示 設 計 」 に 基 づ い て 設 計 さ れ て い ま す 。免 震 装 置 は 、 各 柱 下 に 「 高 減 衰 積 層 ゴ ム 」 を 配 置 し 、 免 震 性 能 の 向 上 を 目 指 し た「 オ イ ル ダ ン パ ー 」 を 組 み 合 わ せ て い ま す 。 本 施 設 は 重 量 が 重 い た め 、 オ イ ル ダン パ ー を 併 用 す る こ と で 、 よ り 高 度 な 免 震 性 能 が 期 待 で き ま す 。

締結ボルト

ボルト穴

内部ゴム内部鋼板

被覆ゴム

フランジ

▲ ▲

▲

▲ ▲ ▲

完 成 時

平成１９年１１月４月 ５月 ６月 ７月 ８月 ９月 １０月 １２月２月 ３月 １月 ２月 ３月１月

ＰＨＲＦ

ＰＨ１Ｆ

１７Ｆ

１６Ｆ

１５Ｆ

１４Ｆ

１３Ｆ

１２Ｆ

１１Ｆ

１０Ｆ

９　Ｆ

８　Ｆ

７　Ｆ

６　Ｆ

５　Ｆ

４　Ｆ

３　Ｆ

２　Ｆ

１　Ｆ

地下躯体工事（基礎・免震ピット）

　施工現場は福島交通・阿武隈急行・ＪＲ在来線・１００ｍ先には東北新幹線と、営業線に近接した場所

です。その為現場からの飛散物の養生や、西側クレーン作業には特に気を配って指導を行いました。

また建物南東の角地上約８０ｍの位置には、民間テレビの電波伝搬路が通っています。その東西の規制の

ある中、ブーム先端最大到達高さ約１００ｍの５００ｔクローラークレーンで１ピース２０ｔを超えるＰ

Ｃ部材の組立作業を行いました。

クレーンの転倒防止には、キャタピラの下を約３ｍ地盤改良を行い、敷き鉄板２枚敷きを実施しました。

電波障害の対策としては、歩行路敷き鉄板上に、電波伝搬路の位置をライン引き、外部足場メッュシート

の色を変えて、通路位置を表示し、注意喚起を行いました。

平成１８年５月時 ※低層部打設開始 平成１８年６月時 ※４F 部打設開始

平成１８年７月時 ※中層部打設開始

平成１８年８月時 ※中層部打設終了 平成１８年９月時 ※高層部打設開始 平成１８年１２月時 ※高層部打設ほぼ終了

平成１８年

●現場施工状況

●現場施工概要

●P C駆体工事工程表