社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf ·...

43
社会を変えるシゴト、その一歩がここにある 市民・公益セクター次世代育成のための 長期実践型NPО・NGОインターンシッププログラム 2009年度 第5期 事業報告書 編集・発行:特定非営利活動法人 ユースビジョン

Upload: others

Post on 25-Jul-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

市民・公益セクター次世代育成のための

長期実践型NPО・NGОインターンシッププログラム

2009年度 第5期 事業報告書

編集・発行:特定非営利活動法人 ユースビジョン

Page 2: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

CONTENTS

1p

2p

4p

6p

7p

32p

34p

36p

38p

Ⅰ 事業概要

Ⅱ 連携団体概要

Ⅲ インターンシッププログラム説明会

Ⅳ 長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム

1 インターンシップ -プロジェクト-

2 インターンシップ -合同研修-

合同研修Ⅰ・Ⅱ(事前研修・合宿研修)

2009 年9月 26・27 日 @杖の水ころころハウス

合同研修Ⅲ(中間研修)

2009 年 12 月 13 日 @下京修徳ふれあい福祉会館

合同研修Ⅳ(事後研修)

2010 年3月 20日 @ウィングス京都

Ⅴ 事業総括 -ふりかえり-

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム ブログ http://blog.canpan.info/npointern インターン生による活動報告、インターンシップ・プロジェクトシートなど 日々更新しています!ご覧ください。

市民・公益セクター次世代育成のための 長期実践型NPO・NGO インターンシッププログラム 2009年度 第5期 事業報告書

Page 3: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 1 -

NPO・NGOは、ミッション実現のため、高い意欲と

スキルを持つスタッフを獲得したいと考えている。しかし、

多くのNPO・NGOでは、新しい人材の確保や育成に必

要なコストやノウハウが不足している現状がある。

一方で、社会課題に関心を持ち、NPO・NGOで働き

たいという意欲をもつ若者が増えている。しかし、既存の

短期間のインターンシップでは、単なる現場体験に終わっ

てしまい、NPO・NGOで働くための力をつけることは

難しい現状もある。

そういった現状に対し、このプログラムは、活動分野や

テーマを超えたNPO・NGOが連携し、次世代人材育成

を目的として、2007 年度から開始、今期で5期目を迎え

る。社会的な課題を解決するプロジェクトの中心スタッフ

としての活動を通して、スキルや経験は少ないが意欲のあ

る若者を、次世代を担う人材としてまきこみ、活かす仕組

みの創出を目指している。

◆8つのNPO・NGOが連携して開発

下記8つのNPO・NGOが連携して、知識・ノウハウを出し合いながら、下記事業を開発・運営。

・長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム

連携団体

(特)edge

(特)きょうとNPOセンター

京都市南青少年活動センター

(社福)京都福祉サービス協会

(特)地域環境デザイン研究所 ecotone

(特)テラ・ルネッサンス

塔南の園児童館

(特)ユースビジョン(事務局)

事業の背景・目的

市民・公益セクターの次世代の担い手となる若者の育成

事業の特徴

分野を超えたNPO・NGOが連携した、長期で実践的な取り組み

事業概要

社会課題に関心を持ち

NPOで働きたいと考える若者

高い意欲とスキルを持つ

スタッフを求めるNPO

市民・公益セクターの次世代育成に向けた取り組み

市民・公益セクターで活躍する次世代の若者の育成

働くスキルや実践的な

経験を得る機会の提供

NPOの共同開発・運営による

コスト・ノウハウの共有

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム

背景

目的

Page 4: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 2 -

連携団体概要

特定非営利活動法人 edge

■ミッション 主に社会起業家、社会起業家を目指そうとする者及び社会的事業を営む者に対して、ビジネス

コンペティション、コンサルテーション、その他の支援に関する事業を行い、社会起業家等の育成に寄与する

ことを目的とする。

■主な事業

・ 社会起業家育成コンペ「edge」の開催

・ edge道場(個別コンサルティング)の開催

・ 社会起業家に関連する講座等の講師派遣

■組織体制 〔代表者〕 田村太郎

〔設立年〕2004年(法人化2009 年)

常勤職員 0名、非常勤職員 2名、インターン 0名

理事が事業運営の中心を担っている組織です。

特定非営利活動法人 きょうとNPOセンター

■ミッション 京都で活動するNPOへの支援をはじめ、市民社会のさらなる発展を目指して、事業(プロジ

ェクト)型の活動を展開しています。「したい」を「かたち」にしながら、市民が自立性を持ってゆるやかに

連帯し、主体的に参画できる社会を築きます。

■主な事業

・NPOの基盤強化のための支援事業(相談、情報発信・提供、マネジメントコンサル

テーション等)

・NPOへの融資制度

・各種講演会・研修会の開催

・行政、企業、大学等との連携事業

・京都市市民活動総合センターの運営

・京都市災害ボランティアセンターの運営など

■組織体制 〔代表者〕理事長 武田道子 〔設立年〕1998年(法人化 1999 年)

常勤職員 14 名、非常勤職員 6名、インターン 4名、その他短期のインターンを毎年1~2名程度受入

京都市南青少年活動センター

■ミッション みなみ青少年活動センターでは、そこに集まる人たちが出会い、いろんな人の価値観や人生観

にふれたり、自分を見つめなおしたり、時には「失敗」を経験したり。安心していろんな経験やチャレンジが

できる場所、それぞれの想いを形にできる場所、そういう「居場所」づくりを目指しています。

■主な事業

・ロビープログラム(卓球、ダンス、料理プログラム) ・みなみ喫茶(ロビー喫茶コーナーの運営

・フリースペース(ゆるやかなグループ活動) ・あそびのひろば(子どもの遊び場づくり)

・レンアイリョク向上委員会(恋愛・性についての相談) ・アジプロ(就業体験事業)

■組織体制 〔代表者〕所長 大熊 隆

〔設立年〕南青少年活動センター(旧南勤労青少年ホーム)開所 1968年(現在、

管理運営している(財)京都市ユースサービス協会は1998 年設立)

〈南センター〉常勤職員 6名(アルバイト2名含む)、 非常勤職員 0名、

インターン 年間4~5名程度、その他、各事業に関わるボランティアが 30~40名程参加。

社会福祉法人 京都福祉サービス協会

■ミッション 「くらしに笑顔と安心を」を法人の理念とし、一人ひとりの市民が住みなれた地域の中で、安

心して笑顔ある暮らしを続けられるように、ご利用者の立場に立って生活支援をしていくことが大切なミッシ

ョンです。

また、社会福祉法人という法人格の特性上、公益性の高い事業の実現が求められています。 ■主な事業

・施設福祉サービス(介護老人福祉施設/ケアハウス)

・在宅福祉サービス(訪問介護事業/介護予防訪問介護事業/居宅介護支援事業/短期入所生活介護事業/

通所介護事業等 ) ・相談サービス(地域包括支援センター) ・児童福祉サービス(児童館) ■組織体制 〔代表者〕理事長 谷口三夫 〔設立年〕1986年

〔法人本部施設部〕 常勤職員 9名、非常勤職員 0名、インターン 0名

Page 5: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 3 -

特定非営利活動法人 地域環境デザイン研究所 ecotone

■ミッション 近年顕著化するグローバルな環境問題と不公正な社会システムに対し、地域からの視点で解決策を探り、大量生産・大量消費・大量廃棄の社会システムの変革、ライフスタイルの見直し、環境共生型まちづくりを推進します。また、環境活動へ多くの市民の参画を図るべく、市民コーディネーターを育成すると共に、多様なメディアやアートを駆使し表現する能力を獲得するための支援を行い、持続可能な社会システムへの移行を目指します。 ■主な事業 ・お祭り・イベント空間におけるごみ減量、リユース食器使用によるごみ減量化サポート、 リユース食器の貸出し ・市民メディア(ウェブ、ラジオ、映像、紙媒体等) の活用による情報発信力向上の支援、広報媒体の制作サポート ・フードマイレージ、マイボトル運動に関わる研究、事業企画 ・環境イベントの企画・制作 他 ■組織体制 〔代表者〕太田航平 〔設立年〕2002年(法人化 2005 年) 常勤職員 3名、非常勤職員 1名、インターン 1名

特定非営利活動法人 テラ・ルネッサンス

■ミッション 市民に「ひとりひとりに未来をつくる力がある」ことを啓発し、実際に行動してもらうことによって、「すべての生命が安心してくらせる平和な社会」を実現する。 ■主な事業 ・カンボジアでの地雷撤去支援/義肢装具士育成事業/貧困家族生活再建PJ ・ウガンダ北部での元・子ども兵社会復帰PJ ・ラオスでのクラスター爆弾撤去支援 ・ウガンダ・コンゴ民主共和国における小型武器回収事業 ・コンゴ民主共和国における元・子ども兵への職業訓練支援 ・日本国内における平和教育事業(年間 150回ほどの講演会及びセミナー) ・小型武器規制に関するキャンペーン活動 ・カンボジア・スタディツアー(春・夏) ・物販・収益事業(書籍/フェアトレード商品) ・ボランティア事業(ボランティアの育成) ■組織体制 〔代表者〕鬼丸昌也 〔設立年〕2001年(法人化 2005 年) 常勤職員 6名(+海外ローカル職員4人)、非常勤職員 0名(+海外ローカル職員 23人)、

インターン 6名(長期学生インターン)その他、各事業に関わるボランティア として 10名程度参加。

塔南の園児童館

■ミッション 社会で子どもを育てる・子どもが社会を創る ・子どもと子育て家庭を支援します ・子どもの健やかな育ちを援助します ・子どもと子育て家庭を支える地域社会を創造します。 ■主な事業 ・学童クラブ事業 ・障がいのある児童の統合育成事業 ・乳幼児クラブ、子育てグループ支援事業 ・子育て支援ステーション事業 ・中高生の活動支援、居場所作り事業 など ■組織体制 〔代表者〕館長 中川左知 〔設立年〕 塔南の園児童館の開設は 1996年(運営する京都福祉サービス協会は1993年に法人化) 常勤職員 5名、非常勤職員 1名、インターン2名、その他、各事業に関わる ボランティアとして 50名程度参加

特定非営利活動法人 ユースビジョン (事務局)

■ミッション より良き社会の実現に向けて、主体的に社会に参加し、社会を創造し、社会を変革していく意欲、知識、スキルを持つ若き市民を育成します。 ■主な事業 ・ユースボランティアの受け入れ体制整備支援 ・全国の大学ボランティアセンター設立・運営支援 ・新たな担い手育成のためのインターンシップのコーディネート ・NPO等の就職に関する情報・人材のコーディネート ・コンペ形式、スクール形式等による若手社会起業家育成 など ■組織体制 〔代表者〕赤澤清孝 〔設立年〕1996年(法人化 2000 年) 常勤職員 1名、非常勤職員 2名、インターン 1名、 その他、各事業に関わるボランティアが 20名程度参加。

Page 6: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 4 -

説明会

開催趣旨

将来NPO・NGOで働くことに関心・意欲

を持つ学生や若手社会人を対象に、「長期実

践型NPO・NGOインターンシッププログ

ラム」の説明会を開催。インターンに対する

疑問や不安を解消することを目的に、インタ

ーン修了生が活動経験やその後について語

るトークセッションや、インターンの各

プロジェクトのブース説明を行う。現イ

ンターン生や修了生も運営に参画し、経

験者の本音を聞き、不安に思っているこ

とを相談できる場とすることをめざす。

開催概要

日時:

場所:

対象:

後援:

2009 年8月9日(日) 14:00~16:30

コープイン京都 202 号室

NPO・NGO等で働きたいと考える大学生、大学院生、フリーター、

会社員、公務員、NPO・NGO職員など働いている人(おおむね 30代まで)

NPO・NGO等での就業をサポートしている方

京都府、京都市、財団法人京都市ユースサービス協会、

独立行政法人雇用能力開発機構京都センター

開催内容

14:00~

14:15~

14:55~

15:05~

NPO・NGOで働く現状の解説

修了生トークセッション

インターンになぜ参加したか?どんな活動をしたか?どう変わったか?

修了生ゲスト

浅田 恵理さん(インターン先:ユースビジョン、当時:大学4回生、現在:会社員)

薮川 純さん(インターン先:テラ・ルネッサンス、当時:大学3回生、現在:大学院生)

清水 将光さん(インターン先:塔南の園児童館、当時:大学6回生、現在:塔南の園児

童館職員)

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム概要の説明

NPO・NGOスタッフ・インターン生によるブース説明・相談

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム説明会

Page 7: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 5 -

説明会は、14時すぎからスタート。まずは、ユー

スビジョン事務局長芝原が、このプログラムに込め

た思いや企画した背景、そして、NPO・NGOス

タッフとして働く環境や求められることなどを語っ

た。

その後、説明会のメインとなる修了生トークセッ

ションを展開。

インターンになぜ参加したか?どんな活動をした

のか?どう変わったか?など、半年間の経験が語ら

れた。

今回進行を務めてくれた浅田さんは、大学時代に

さまざまなボランティアをする中で、単発の企画で

はなくしっかりとNPOの仕事に取り組んでみたい

とインターンへ。他のインターン先で活動する同期

仲間と相談し合い、刺激を受けながら活動した半年

間。NPOの仕事は事務作業も多く、その一つひと

つ丁寧な取り組みが社会をよりよくする力となって

いることを知ったこと。将来はNPOで働きたいと

経験を積むべく企業で働いているが、インターン仲

間とのつながりは、今でも続いていることなどを語

った。

清水くんは、大学卒業を前に、自分は何がしたい

のか悩む中、このプログラムを知り、とびこんだこ

と、他のインターン生と共に3人で取り組んだ、子

育てするパパを応援するプロジェクト、何度も話し

合いインターン生たちの手でうみだした企画が、パ

パ同士の交流を生み評価された時のやりがいや、児

童館で働く人たちの出会いから、インターン先だっ

た児童館で働くことを決意したという思いを、打ち

明けた。

薮川さんは、将来どういったことをしたいか方向

性を考える中で、インターン先のテラ・ルネッサン

スの活動を知り、NPO・NGOについて知りたい

と参加。大学のあった鳥取を一次離れ、大阪の実家

から週4回通う中で、自分で仕事を見つけるように

なり、組織のスタッフとして半年間やってきたやり

がい、カンボジア支援の資金となる回収事業を、今

後もインターン生が担っていける仕組みとしてつく

りあげたことなどを語った。

三者三様の参加動機や活動内容だったが、それぞ

れに自分自身やプロジェクトに本気で向かい、試行

錯誤しながら取り組んできた半年間。

自分自身の思いをふりかえり、自分なりにやって

みよう、そう感じた参加者の方もいたのではないだ

ろうか。

説明会後半は、長期実践型NPO・NGOインタ

ーンシッププログラムの概要説明とNPO・NGO

スタッフ・インターン生によるブース相談。

8つのNPO・NGOがブースを並べ、インター

ン生との交流ブースも設置。

インターン先のスタッフが、活動内容を詳しく説

明した。

また、インターン生が、活動のやりがいや苦労話、

学校や他の活動と両立しながらの日々など、学生同

士だから聞けることを、本音で話した。

参加前の不安や疑問を、たくさん相談できたので

はないだろうか。

修了生スピーカー

修了生によるトークセッション

Page 8: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 6 -

募集要件

参加対象: NPO・NGOで働きたいと考える大学生、大学院生、若手社会人(概ね 30 代まで)

募集人数: 15 人程度(各団体1〜3名程度)

参加費 : 15,000 円

*インターン先への通勤、及び合同研修時の交通費、食費、宿泊費については、原則参加者の自己負担となり、

別途必要。

修了生

第1~5期にかけて、45名がプロジェクトに従事、39名の修了生を輩出

[所属]立命館大学 13 名、龍谷大学 6名、同志社大学 5名、京都産業大学 3名、大阪大学 3名、京都大学 1名、

京都外国語大学 1名、京都府立大学 1名、京都文教大学 1名、同志社女子大学 1名、鳥取大学 1名、

大阪市立大学大学院 1名、大阪教育大学 1名、社会人 1名

[学年]1回生 2名、2回生 10名、3回生 13名、4回生 10名、5回生 1名、6回生 1名、修士1年 1名、社会人 1名

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09

現場のインターン活動と合同研修の二本立てで展開

一次選考(書類審査)

最終選考(面接審査)

選考

インターンシップ

合同研修

8/9 社会を変える仕事に出会う -この仕事を選び、今思うこと-

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム説明会

合同研修Ⅰ・Ⅱ(事前研修) 9/26-27(合宿形式)

プログラムに臨む態勢を形成することをねらいに、NPOの基礎知識・社会的

な役割を理解するレクチャーや、参加目的の明確化、ビジネス・コミュニケー

ション力をつけるためのワークを実施。

募集期間:2009 年6月 25日~9月 15日

応募者数 13 名

合同研修Ⅲ(中間研修) 12/13

お互いのプロジェクトをよりよくすることをねらいに、各活動の中間状況を報告

し合い、スタッフやインターン生同士の意見・アイデアを交換。さらに、発表を

通して、プレゼンテーション力を向上。

合同研修Ⅳ(最終研修) 3/20

事前にプロジェクトをふりかえり評価し、研修では、事業や組織に与えた成果

を報告。さらに、自分自身やプログラム全体のふりかえりを実施。

インターンシップ

原則週1〜2回程度、200〜400 時間、各インターン先で半年間活動。

社会課題を解決するためのプロジェクトに、中心スタッフとして参画。

選考期間:2009 年8月中旬~9月中旬

募集

インターンシップ期間:2009 年 10 月~2010 年3月

合同研修:

採用人数 10 名

修了者数 8名

インターンシップ

Page 9: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 7 -

PROJECTS

8p

11p

14p

17p

20p

23p

26p

29p

若手社会起業家支援のための広報戦略づくり

edge 大森 恵太

寄付文化の醸成とNPOの経営基盤強化をすすめるプロジェクト

きょうとNPOセンター 國﨑 千尋

若者が多様な人の価値観に出会う場や機会をつくる「ロビーワーク」

京都市南青少年活動センター 村上 貴大

地域ニーズに応えるための基盤整備

京都福祉サービス協会 今里 美香

世代間交流の場づくり

京都福祉サービス協会 藤村 直輝

地雷・子ども兵問題啓発パネル事業の拡充

テラ・ルネッサンス 木原 舞

カンボジア・ウガンダ支援事業ファンドレイジング

テラ・ルネッサンス 吉田 泉

障がいのある子どもの余暇を豊かにするプロジェクト!

塔南の園児童館 岡山 香苗

インターンシップ

―プロジェクト―

Page 10: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 8 -

プロジェクト概要 「社会起業家」の存在や支援の取り組みは、まだまだ一部の認知にとどまり、社会起

業家の力が十分に社会変革に直結していない現状があります。社会起業を通した社会変革を構築するため

には、さらなる情報発信や認知度の向上が求められる。

社会起業家をめざす若者のためのビジネスプランコンペ 「edge2010」ファイナルを素材としながら、

社会起業家をめざす若者や社会起業を支援しようとする人たちへの効果的な伝え方やツールについて提

案し、実践・検証していただきます。

月 インターンの業務内容

9月 プロジェクトの目的の共有・明確化

10 月 社会起業家についての映像・文献研究

edge2010 エントリー者獲得のための広報

コンペ「edge2010」の運営アシスト

11 月 edge2010 集合研修の準備

edge2010 集合研修事務局アシスト(会場準備、資料配布、ブログ用写真撮影)

edge2010 集合研修レポート作成、発信

edge2010 集合メンタリング事務局補佐(メンタリング記録係)

12 月 コンペ「edge2010」ファイナル広報戦略の立案・実施

edge2010 ファイナル広報プランの立案・実践

edge2010 セミファイナル事務局(会場準備、ビデオ撮影)

edge2010 ファイナル広報 チラシ発送

1月 (京都市市民活動総合センターのミナデハッソ参加)

edge2010 ファイナル プレスリリースの配信

edge2010 ファイナル告知動画作成(撮影・編集)

edge2010 集合メンタリング事務局補佐(メンタリング記録係)

2月 edge2010 ファイナル広報

edge2010 ファイナル告知動画PR

コンペ「edge2010」当日運営準備

3月 edge2010 ファイナル 開演スライドの作成、音響素材選び

edge2010 ファイナル当日 舞台音響担当

コンペ「edge2010」ファイナル広報実践の振り返り・引き継ぎ作業

広報担当者マニュアルの作成

潜在層や支援者を掘り起こし、行動につなげる!

社会起業を社会に効果的に発信するための広報戦略の提案

特定非営利活動法人 edge

若手社会起業家支援のための広報戦略づくり

Page 11: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 9 -

プログラムへの参加目的

大学の学祭実行委員会サークルに所属し、「広報活動」の難しさや重要性を実感しており、現場での実

践を積むことで、その経験をサークルに還元したいと参加を希望。

また、幼少の頃からのボーイスカウト等の経験などから、将来は、NPOで働くことや社会起業なども

視野に入れている。そのためNPO・NGOでの実戦経験や将来の人脈づくりや同じ思いを持つ同世代と

の交流を得たいという多くの期待を持ち参加。

プログラムをふりかえって

私は、インターンする以前から「広報活動」と「社会起業やNPO」について勉強したいと考えていた

ので、このプログラムはまさに自分が望んでいたものだと感じ、参加しました。活動の中で、edgeの

理事の方たち会ってお話をさせて頂く機会があり、その際自分の弱点に気付かされました。半年間の活動

の中で、様々な壁にぶつかりました。社会の厳しさを実感しました。「自分はなんて甘い考えで参加した

んだろう…」と後悔することもありました。しかし、会ったばかりの自分のことを真剣に考えてくれる大

人たち、尊敬できる人たちに出逢えたことは、私の人生においてもとても大きな出来事でした。半年間に

渡る長期のインターンなので、その分負担はありますが、「より良い社会のために本気で取り組んでいる

人たち」をこんなに身近に感じられるプログラムは他にないと思います。半年間のインターンを終えて学

んだ大切なことは何事にも「向き合う」ことです。自分と他人と社会に本気で向き合うこと。自分の本音

に正直になること。他人の生の声を聞くこと。インターンを終えてからも、半年間で学んだことを常に意

識して生きています。この半年間で出逢った全ての人に感謝したいと思います。

NPOでのボランティア・インターン活動経験

・ボーイスカウトの活動を通し多様なボランティア

・学祭の実行委員会

大森 恵太 大阪大学 外国語学部 2回生 310 時間勤務

関心分野、研究テーマ ・語学、コミュニケーション、NPO・NGO、経営、広報

集合研修で、事務局チームとして作業を担当 ファイナルに向け、何度も何度もリハーサルを重ねる

Page 12: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 10 -

インターン生と共に取り組んで (edge理事/事務局 芝原浩美)

この半年間で大森くんは大きく変わりました。一言で言えば、人間的な成長です。

インターン開始後すぐに参加した理事ミーティングでの経験・気づきをはじめ、様々な場面において、

自己を見つめ、他者を見つめ、社会の中にいる自分を実感したのではないかなと思います。よりよい社会

をつくろうと活動を行うNPO・NGOの現場で働く私たちスタッフやインターンは、まずなによりもそ

のマインドが重要です。もちろん、NPO・NGOに限らず生きていく上でも大切にしてほしいです。

インターンの業務については、大学の授業やアルバイト等との両立、また、遠方からの勤務ということ

で、半年間を通じて困難なこともたくさんあっただろうと思います。

しかし、広報担当スタッフとしての自覚を持ってからは、友人を「本気」で誘ったり、自分から本気で

ぶつかるなど、広報活動における非常に重要なポイントを自ら実践し、体験していたように思います。大

森くんの尽力により、コンペのエントリー者も、ファイナルの参加者にも広がりが出ました。

インターン後半の「edge2010」ファイナル広報にあたっては学生目線での広報戦略を提案し、そして実

践しました。自ら立てた計画をすべて十分に実行することはできなかったかもしれません。しかし、担当

者として、自分に与えられたタスクを達成しようとする姿勢は、ファイナル当日を迎えるにしたがって強

くなり、たのもしく感じることも増えました。

今回の大森くんとしての最大の取り組みは「ファイナル告知動画」でした。映像編集が得意な友人を自

ら巻き込み、自分で映像を撮影し、膨大な映像から取捨選択し、何度も何度も修正しました。そうしてで

きあがった映像は、広報用ツールとして非常に役に立ったと組織内外の関係者から高い評価がありました。

このインターンを半年間やり遂げたことについて自信をもってほしいです。しかし、「これで満足しない

ように!」とあえてここに書き記します。大森くんはまだまだ成長途中。もっともっと変化する可能性を

たくさんもっている人だと思います。今後も、謙虚な心を持って、大森くんらしく次のチャレンジを続け

ていく姿を応援したいですし、今後も、edgeにお世話になった身として、edgeに貢献してほしい

です。

制作した

「edge2010 ファイナル告知動画」

http://www.youtube.com/watch?v=9GtlXvKLLJQ

ファイナル当日、

音響担当として参加

Page 13: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム‘09 第5期 事業報告書

- 11 -

プロジェクト概要

今、全国各地で新たな公共活動のあり方を具現化する試みが続けられている。従来であれば、公共的な

仕事の多くは行政が担ってきたが、多様化する 地域課題や住民ニーズに対して行政のみでは対応するこ

とができず、数多くの市民やNPOの活動が、地域の公共活動を支え、地域社会に貢献し成果をあげてき

ている。

しかしながらNPOへの期待は高まる一方で、市民からの寄付が少なく、税制優遇などのNPOを支え

る社会的システムが確立していない日本においては、 NPOは相変わらず資金的な課題を抱え続けてい

るのが現状である。

本プロジェクトでは、新たな公共の担い手であるNPOを支えるお金の流れをつくり、NPOの経営基

盤強化と 日本における寄付文化の発展を目指す。「市民活動を支えるのは市民(社会)」であるという新

しい価値観と仕組みを、私たちと一緒につくる新しいプロジェクト。

月 インターンの業務内容

NPOの経営基盤強化事業 寄付文化の醸成事業

9月 事前合同研修(合宿)

10 月 郵便物の処理、住所登録 財団設立記念フォーラムに向けてのBGM作

り、会場準備、受付、参加

機関紙企画の会議への参加

財団が行う制度の勉強

11 月 ファンドレイジングセミナーに参加

※全6回で講師の方を招き、寄附集めのノウ

ハウや日本の寄附の現状、海外の寄附の現状

等を学ぶセミナー

『civien』創刊号の記事作成補助

(財団が行う事業を企業が使った場合の

シミュレーションの記事を書く)

12 月 《研》中間報告のための振り返り

市民活動フェスタ出店団体の寄附についての調

査・ヒアリングの実施

1月 ファンドレイジングセミナー参加及び

アンケート集計 『civien』の春号の企画会議に参加

『civien』のための寄附話調査 2月

「素敵寄付話」のための電話取材

NPO学会に向けてのパネル作り

行政、企業とのお付き合いの仕方を学ぶセミ

ナーに参加

3月

NPO学会に参加

『civien』春号「素敵寄付話」記事作り

ソーシャルイノベーション(社会変革)のための新しいお金の流れをつくろう!

寄付文化の醸成とNPOの経営基盤強化をすすめるプロジェクト

特定非営利活動法人 きょうとNPOセンター

寄付文化の醸成とNPOの経営基盤強化をすすめるプロジェクト

Page 14: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 12 -

プログラムへの参加目的

大学で政策を学んでおり、講義では、障がい者の就労支援に取り組むNPOを訪問。解決策を考え、発

表するだけで終わってしまったが、問題を自らの目で見て理解し、解決策を自分で考え、実際に実現に近

づけたいと思うようになる。NPO・NGOの現場で活動することで、大学で学んだことを生かしながら、

活動を通じて大学生活では得られないものを得たいと思い参加。

プログラムをふりかえって

この半年間で私は多くのことを学び、挑戦し失敗をする機会を得ることができたと思います。特にNP

Oが寄付をもらうにはどのようにアプローチしていけば良いのか、税制優遇とは何か、寄付先だけでなく

寄付をした側にも変化を生むことができること等を、インターンを通して学ぶことができました。

インターン当初はきょうとNPOセンターと京都地域創造基金、2つの組織においてインターンをする

ことに戸惑いがあったものの、2つの組織でインターンをさせてもらったことで様々な人と出会い、多く

のことを学ぶことができました。

そして、季刊情報誌『civien』の記事を任せられたことは私にとって挑戦になったと思います。取材先

の選定から、電話取材、記事作成を行う中で何度も悩んだり、プレッシャーを感じたりすることがありま

した。しかしそんな時はいつも相談に乗ってくれ、アドバイスをくれる職員の方たちのおかげで、作業を

進めることができました。

特に電話取材は私にとって大きな挑戦でした。インターンをしていなければ自分には無理だと思い、挑

戦してなかったでしょう。しかしこのインターンであったから自分の背中を自分で押し電話取材に挑むこ

とができました。そして電話取材を無事に終えて得たものは「私にもできるんだ!」という大きな自信でし

た。

半年間本当に様々なことを学び、挑戦し、失敗もしました。だからこそ私は多くの経験と共に自分に対

する本当の自信を得ることができたのだと思います。

様々な機会を与えてくださった、そして見守ってくださった職員のみなさん、実行委員のみなさん、半年

間本当にありがとうございました。

NPOでのボランティア・インターン活動経験

・なし

國﨑 千尋 同志社大学 政策学部 2回生 約 300 時間勤務

関心分野、研究テーマ ・障がい者の雇用

・国際協力、平和活動

Page 15: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム‘09 第5期 事業報告書

- 13 -

インターン生と共に取り組んで

(きょうとNPOセンター事務局次長 野池 雅人、京都地域創造基金事務局 森本のり子)

今期のプロジェクトは、受入れ主体はきょうとNPOセンターではありますが、プロジェクト自体はき

ょうとNPOセンターと京都地域創造基金との協働で行なうという新規プロジェクトでした。新しい取組

みであったこと、そして2つの組織で横断的に実施するプロジェクトということで國崎さん自身に戸惑い

もあったことと思いますが、國崎さんのインターン生としての活動は、私たちの組織と事業によい影響を

与えてくれたと感じています。

組織面において言うと、特に京都地域創造基金自体が 2009 年に立ち上がったばかりの組織ということも

あり、國崎さんがはじめてのインターン生でした。そのため、受入れ体制の整備も含めて、組織としても

試行錯誤しながらの半年間は、職員の意識にも大きな影響を与えてくれました。また、職員も基金で働き

始めたばかりで日が浅く、まだまだスタッフとしては半人前。國﨑さんから事業や組織について鋭い質問

をされることで、自分たちがどの程度団体の仕組みやビジョンをわかりやすく伝えることができるのか、

という指標にもなりました。

事業面においては、機関誌の作成を企画段階から関わっていただきました。「寄付文化の醸成を促す」と

いう大きな目標に沿って毎回の記事を企画する。一般の方には解りづらい「寄付の税制優遇」について解

説するページでは、大学生である國﨑さんに「難しい説明箇所」を指摘してもらうことで、客観的に「解

りやすい」記事を書くことができました。読者の反応も好評で、想定外の貢献となったと思います。

また國﨑さんには「NPOの経営基盤強化」ということで、セミナー事業の事務も平行して担っていた

だきました。異なる組織の異なる事業を平行して進めていくことには大きな戸惑いもあったかと思います。

しかし組織は違えど関連する事業を担当することで、「NPOの組織基盤の強化」の一つとして「寄付文化

の醸成」が必要不可欠であることを肌身で感じてくれました。そのあたりの「感覚の鋭さ」が秀でていた

ことは、2団体の事業に従事するというプロジェクトが可能であることを証明する大きな要因になったと

思いますし、どのような人材であれば受入が可能であるのかという、「わたしたちと共に働いてもらいたい

インターン像」を明確にすることにもつながりました。

チャレンジン的な要素も多いプロジェクトではありましたが、次につながるプロジェクトの礎を國崎さ

んとともに創れたことに、大きな意義を感じています。

京都地域創造基金

の 季 刊 情 報 誌

「civien」

学生に「civien」

について説明

Page 16: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 14 -

プロジェクト概要

南青少年活動センターでは、①安心して過ごせる ②自分を知ること・見つめることができる ③チャレン

ジできる ④話ができる・相談できる ⑤(日常につながる)チカラをつけることができる 『居場所づく

り』をめざしている。そこで、それぞれが抱える課題の解決にむけた支援をしたり、他者との出会いの場

を提供したり、いろいろな価値観に触れられるようなきっかけづくり(=ロビーワーク)を実践する。

月 インターンの業務内容

9月 喫茶の運営をベースにしたロビーワーク(主に 10代の若者の交流・相談の場づくり)

ボランティアとともに喫茶に入り、喫茶の仕組みを体験する

10 月 利用者・他のボランティアスタッフとの関係づくり

高校生のキャリア形成に関するアンケートの集計作業

ボランティア・インターン研修(居場所スタッフ研修)に参加

11 月 受付、掲示板のポップづくり(間接的な場づくり)

世界エイズデーに向けた展示の作成

年上の利用者との作業・交流

12 月 エイズデーの展示

掲示板企画のテーマを検討・作成

大掃除喫茶の実施

1月 1 月掲示板企画の実施

ロビーにやってきている中高生との関係づくり

中高生とテニスやテニスコートの草引き(体験・場・時間を共有する)

喫茶でやロビーで、中学生と向き合う機会が増える

2月 デートDV予防啓発の展示を作成

「出張レンアイリョク向上委員会」にて上記展示を作成

上記にあわせた掲示板企画を検討・実施

3月 他のインターン・実習生と共同で 3月掲示板企画の検討・実施

中高生とテニスコートの草引き(関係性の変化が見える)

若者の居場所づくりの支援!

多様な人や価値観に出会う場や機会をつくる

京都市南青少年活動センター

若者が多様な人の価値観に出会う場や機会をつくる「ロビーワーク」

Page 17: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 15 -

プログラムへの参加目的

若者に対しての活動は自分がNPO・NGOに関わり始めたきっかけであり、今後も関わっていきたい

と考えている分野である。今やっているボランティアは、こちらから何かを与えるのではなく、相手が興

味を持ち主体的に動くきっかけなどを提供するもので、自分たちが成長する居場所を提供するこのプログ

ラムと共通する部分があると感じた。また、今までのボランティアとインターンを並行して続けていく中

で、それぞれに良い影響やアイデアを与えられるようにしていきたい。

プログラムをふりかえって

南青少年活動センターでは、職員以外にもボランティアや他のプログラムのインターン生など色々な立

場の人と一緒に活動をしていきます。センターを利用する人も年齢や職業などが様々で、本当に多種多様

な属性を持った人と触れ合うことになります。そして喫茶を運営したり、一緒に作業をする中で自分や相

手の価値観に関わるような話をすることもあります。そうすると、人と関わる時、性別や年齢などの属性

に縛られて相手に接するのではなく、相手を一人の「人」として見て接するようになりました。それが一

番大きな気付きだったと思います。

「人との関わり」と一言で言っても、他人とどうやって関わっていくのか。自分なりの関わり方ってど

んなものなのか。そもそも人と関わるってどういうことか。と、考えることはたくさんあって難しいのは

確かです。それでも、日々の活動の中にその答えを見つけるきっかけはいくつも存在しています。それに

気づこうと常に意識しておくことが大切なのだとプログラムを通して実感しました。例えば私の場合、活

動の中で展示やポップを作る作業を担当していましたが、作業自体が目的ではなく、それを基に居場所作

りをすることが目的なのだと常に意識していた

おかげで、その作業を利用者の人と一緒にやった

り、作った物が関わりのツールとなるなど、新た

な人との関わりを生み出すことに活かすことが

できました。そしてそれはこのプログラムに限ら

ず、全てのことに言えると思います。どんな活動

も進めていく中では多くの気づきがありますが、

それに気づこうとしなければ何気なく過ぎてい

ってしまいます。意味のないことなんて1つもあ

りませんでした。半年間体験する全てのことが、

自分を変化させ、成長させるカギでした!!

NPOでのボランティア・インターン活動経験

・関西NGO協議会でのボランティア

・CHARM でのHIV検査スタッフ

村上 貴大 立命館大学 情報理工学部 4回生 210 時間勤務

関心分野、研究テーマ

・人が行動し、物事を認識するプロセスや仕組み、人の

脳の構造を再現したコンピュータシステムに関する研究

DV予防啓発の展示

Page 18: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 16 -

インターン生と共に取り組んで (京都市南青少年活動センター ユースワーカー 竹久 輝顕)

南青少年活動センターでは、実に多様な人がやってきます。その多様な利用者に対して、こちらも多様

なスタッフが対応できることにということに意味があるように感じています。それを私たちユースワーカ

ーだけでなく、インターン生・実習生・ボランティアが担っており、村上君もその一端を担ったと捉えて

います。特に中高生年代の利用者からすると、大学生世代の若者は少し先のモデルとなる存在であり、少

し先の未来を考えるきっかけにもなっているように実感しています。さらにインターン生は定期的にやっ

てくるため、その担う部分も大きいです。また、前半は中高生に表面的に捉えられていたインターンの関

わりも、後半は関わり方が変わったことから中高生との関係性も変わっていきました。テニスコートの草

引きという一見ただの作業とも取れる部分も、中高生年代の利用者とともに行い、体験・場・時間を共有

していきました。そこでの彼の位置づけ、1つ 1 つの関わりが若者の変化につながっているように感じら

れました。

また、20 代の自分よりも年上の利用者との関わりの場面も見られましたが、先回りしてこちらから何か

をしようとするのではなく、相手のペースに合った関わりができていたことも、成果として捉えています。

何かをしてあげる…ではない場の共有の仕方ができることは、居場所の機能を考えたときに、重要なこと

です。

彼が多くを担った掲示板の企画やエイズデー企画・デートDVの予防啓発の展示では、ものづくりが得

意な自分のスキルやこれまでの活動の経験を生かし、他のインターン・実習生とも協力し、多くの作成物

を生み出しました。そして、それによって利用者が関心を持つ、他者の価値観に触れるきっかけとなりま

した。また、それがこちらにとっても話すツールとして有効に活用できるものとなったことも成果です。

作成したモノ以上に、それを使ったその後の展開を作れたことに大きな意味があったのではないかと思い

ます。

掲示板を企画、作成

Page 19: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 17 -

プロジェクト概要

「地域と施設の交流」、そこには、一いち

地域住民である施設ご利用者の生活の質の向上だけではなく、ボ

ランティア活動の場の提供や、地域の身近な相談窓口となることなど、実に多様な意味が含まれています。

このプロジェクトでは、施設と地域がうまく連携・協働し、交流できる場の創出と、その場を通じた交

流促進を目指しています。今回は、京都福祉サービス協会が運営する施設のうち3施設を選び、施設周辺

の社会資源調査を行いました。さらにそのうちの1施設については、その調査結果を用いて「地域交流プ

ログラム」を企画し施設へ提案しました。

月 インターンの業務内容

10 月 プロジェクトのゴールの明確化/共有・調査計画策定

・目標設定とスケジューリング

・「高齢者福祉施設久我の杜(以下「久我の杜」)」の施設周辺調査開始

(文献等による調査)

・「久我の杜」の事業内容等の調査開始

→ パンフレットやホームページ、書籍等から調査を進める

11 月 ・「久我の杜」の周辺地域の現地調査開始

調査の実施

→ 周辺地域の写真撮影を行い、公共施設等へも足を運び資料の

収集を行った。

12 月 計画の見直し ・プロジェクトゴールの再検討

・「高齢者福祉施設西七条(以下「西七条」)」の事業内容及び交流の取組について

調査開始

→ パンフレットやその他広報物、ホームページを参考にして調査。

1月 ・「久我の杜」周辺地域の市民活動団体リスト作成

・「久我の杜」交流プログラム(案)作成準備

→ 久我の杜施設のボランティア担当と打ち合わせ

・「高齢者福祉施設紫野(以下「紫野)」の事業内容等の調査開始

2月 ・「西七条」「紫野」の施設周辺調査開始

→ 書類や web を活用して、市民活動団体リスト作成

・「久我の杜」交流プログラム(案)作成

3月 ・「久我の杜」交流プログラム(案)の提案

調査のまとめ

提案 ・「西七条」「紫野」の市民活動団体リスト完成

社会福祉法人 京都福祉サービス協会 地域ニーズに応えるための基盤整備

地域と社会福祉施設の交流促進プロジェクト

地域での取り組みを活かした「交流プログラム」の提案

Page 20: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 18 -

プログラムへの参加目的

地域資源である社会福祉施設の立場から、地域に還元できる形(取り組み)を視野に入れながら、交流

促進を図るというところに関心を持った。地域と施設がより良い形で交流・連携していくには、地域や地

域住民のことをよく知ることが必要不可欠だと感じた、これまでのボランティアやインターンでの経験を

活かし、地域と施設の交流プログラムを企画してみたいと思い、プログラムへの参加を決意。

プログラムをふりかえって

様々な人や団体の立場に立ちながら連携を考えることの大切さを学びました。交流プログラムを企画す

る際、このプログラムに関わることで社会福祉施設にどのような影響があるのか、施設利用者のニーズを

満たすことができる企画なのか、市民活動団体が果たそうとする目的につながるのか、地域にどのような

メリットがあるのか、などそれぞれの立場に立って考えました。地道な作業の多いインターンでしたが、

交流プログラムを企画するために様々な団体が連携すれば可能性は無限大であると感じました。

NPO・NGOといった団体の立場に立って活動を行うという経験が学生のうちにできたことは、ゼミ

での研究やボランティアセンターでの活動に活かせる貴重な経験です。

西村さんにビジネスマナーやパソコンのスキルを実践的に教えていただきました。その際、マナーが人

と関わって仕事を行っていく際の心づかいであることを知り、人の立場に立って考えることにつながるこ

とであると感じました。パソコンを使い資料を作る際も、相手の使いやすい資料を作るにはどうすればい

いかといったことを教えていただきました。ありがとうございました。

NPOでのボランティア・インターン活動経験

・山科醍醐こどものひろば

・立命館大学ボランティアセンター 学生スタッフ

今里 美香 立命館大学 産業社会学部 2回生 115 時間勤務

関心分野、研究テーマ

・地域活性化・地域福祉

スタッフと共に

Page 21: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 19 -

インターン生と共に取り組んで (京都福祉サービス協会 主任生活相談員 西村こころ)

暮らす場所が施設であっても、「一地域住民として生活し続けられる環境」をご利用者に提供することは、

社会福祉施設職員の使命の一つです。施設の中に「一地域住民として生活し続けられる環境」をもたらす

ためには、地域との交流・ボランティアとの連携は必要不可欠です。地域交流・ボランティアとの連携を

さらに発展させていくには、施設周辺地域に、どういった社会資源(市民活動団体・各種機関・制度・サ

ービス等)があるかを把握し、それを積極的に活用していくことが必要になります。一方で、社会福祉施

設は、地域にとっても役立つ場(資源)であることが求められます。地域の方のニーズをとらえてそれに

応えていくには、地域の方々が気軽に集える場が施設内に用意されているか否かも、大きな鍵を握ってい

ます。これらの意味から、施設周辺の社会資源を知り、施設に地域交流の場を創りだすことは、社会福祉

施設にとって大変重要です。

今回は、その「環境づくり」の基盤整備という位置づけで、今里さんには3施設周辺の社会資源調査を

行ってもらい、最終的に調査結果(社会資源)をリストにしていただきました。加えて、そのうちの一施

設については、その資源を活用した交流プログラムの企画まで行っていただいています。

このプロジェクトは、大変地道な作業の繰り返しで成り立っています。まず、施設や施設ご利用者の様

子を基礎情報として整理してもらいました。その上で、インターネットや書籍などからの情報収集をはじ

め、現地に出向き、現地の公共施設等にあるチラシなどをもとにした情報収集を行っていただきました。

個々の作業はとても細かく、これまで我々職員が腰を据えて取り組みたいと思っても、なかなか実現させ

られない部分でした。今里さんは、そのひとつひとつをとても丁寧に大切に進めてくれました。今回は、

社会資源のうち、地域の市民活動団体に焦点を絞り調べてもらいました。丁寧に調べてくださったおかげ

で、意外と身近にあるのに声をかけていなかった団体や、職員が「こんな団体があれば良いのに」と思う

ような団体なども見つかりました。京都福祉サービス協会は、市内8ヵ所で高齢者福祉施設を運営してい

ます。調査してもらった3施設それぞれに応じた「社会資源(市民活動団体)リスト」を作成してもらい

ましたが、3施設のみならず、8施設で共有し有効活用していけるものができあがったと思います。

今里さんの取組を、環境づくりの礎とし、法人施設部としても引き続き調査を重ね、地域交流を活性化

させていきたいと思います。

「久我の杜」地域の

社会資源の調査結果を発表

Page 22: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 20 -

プロジェクト概要

京都福祉サービス協会が運営する社会福祉施設(高齢者施設)のうち、児童館を併設している施設で

は、その立地を活かして、高齢者と児童の交流を進めています。「年齢を問わず住みやすい地域」を創っ

ていくためには、継続的で世代を超えた広がりのある人間関係を育んでいくことが大切です。少子高齢

化が進行して家族形態も多様になり、お年寄りと子どもたちが接する機会や場が減少している今日で

は、児童館と社会福祉施設における「交流の場」が担う役割は大きいと言えます。

このプロジェクトでは、お年寄りと子どもたちとの交流を、形式的な一過性のイベントに終わらせな

いために、日常的な交流を生み出すための仕掛けを考え、新たな取り組みの企画・提案に繋げます。

月 インターンの業務内容

10 月 プロジェクトのゴールの明確化/共有・調査計画策定

・目標設定とスケジューリング

・論文や web 等を用いた先行事例の調査を実施

(福祉施設や世代間交流の意義について理解を深めた)

11 月 ・総合福祉施設修徳のボランティア担当との打ち合わせ

(今後の計画についての相談)

インターンの業務とボランティア活動を同時並行で進める。

施設の状況把握、各々の世代のニーズ把握を主なテーマとして、活動を進める。

12 月 ・高齢者施設でのボランティア活動開始

・高齢者施設でのボランティア活動を継続

・デイサービスでの体験

・特別養護老人ホームでのサークル活動に参加 等

⇒ これらの活動を通じて、より良い交流の形を模索。

1月 ・併設されている児童館でのボランティア活動開始

・交流プログラム案を考えるために、各世代の社会の出来事を年表化

企画素案作成 ・世代間交流プログラムの素案作成

2月 ・児童館でのボランティア活動を継続

高齢者のニーズ、児童のニーズ、それぞれを反映させた企画にしていく

ことを考えながら活動に参加。

・総合福祉施設修徳で、実際に行われている、世代間交流イベントに参加

3月 ・世代間交流プログラム(案)の作成・提案

交流プログラ

ム案の提案 高齢者施設と児童館、各々の状況やニーズを踏まえ、案を作成・提案。

お年寄りと子どもたちの出会いをプロデュース!

社会福祉施設と児童館-世代を超えた交流の場づくり

社会福祉法人 京都福祉サービス協会

世代間交流の場づくり

Page 23: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 21 -

プログラムへの参加目的

国際NGOで発展途上国の子どもたちの教育普及・発展にかかわるプロジェクトを行うという目標に

向けて、「持続性のある解決策を見出し、企画・立案・実行に移せる能力」を身につけたいという思いが

あった。加えて、核家族化の進行により、同じ家族でもあるにも関わらず祖父母と交流する機会は大き

く減少している。子どもたちに交流するきっかけとなる場を提供したいと思い、参加を決意。

プログラムをふりかえって

半年間のインターンシップを終えてもうすぐ3カ月目。月日がたつのは早いものです。でも、インタ

ーンシップ中は月日がたつのはもっと早かったように思えます。それほど、インターン中は刺激や気づ

きにあふれていました。

上記にあるとおり、教育環境の整備にかかわる仕事をしたいと、思ったのがインターンシップに参加

したそもそものきっかけですが、実際に「組織」の一員となることで、物事を動かすためにはたくさんの

人の協力が必要不可欠だということを「肌で感じる」ことができました。頭ではわかっていたつもりでし

たが、実際に体験した、目標達成の困難さ、などは予想をはるかに超えたものでした。同様に、子供た

ちやお年寄りとの交流で感じた人と関わりあう喜びも、想像を超えたものでした。いずれも、本や、人

の話などではとうてい味わえなかった体験だったと思います。

また、一方で、インターンシップによって自分がいかに未熟であるかを悟ることができました。知

識、行動力、マナー、継続力、集中力、コミュニケーション力、など、ありとあらゆる能力が社会人と

して未熟だったと思います。その反省を活かして今心がけていることは、まず、「知識を身につけるこ

と」、です。なぜなら、知識は問題解決の達成に向けて必要不可欠なものであり、体系的な知識を身につ

けることは大変で時間がかかるからです。そのため、学生である間は、学生としての立場を存分に利用

し、勉強することを決意しました。今は、さまざまなセミナーやシンポジウムに参加したり、卒論を執

筆したりしています。

振り返ってみて、私はこのインターンシップに参加できて本当によかったと思っています。困難もた

くさんありましたが、それも含め、多くの気づきがあったと思います。もし、その気づきがないまま、

社会に出たと考えたらと思うと、ぞっとします。これからは、インターン中で得たさまざまな気づきを

活かして、地域社会、国際社会、そして、なによりも子供たちの未来に貢献できるような人物を目指し

て、がんばっていこうと思います。最後になりますが、半年間、未熟な私を支えていただいた関係者の

皆様に、貴重な体験をさせていただいたことに感謝したいと思います。ありがとうございました!また

いずれ、いい報告ができるようがんばっていきます!

NPOでのボランティア・インターン活動経験

・なし

藤村 直輝 京都外国語大学 外国語学部 3回生 120 時間勤務

関心分野、研究テーマ

・青少年活動、地域活性化、国際関係、国際教育

Page 24: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 22 -

インターン生と共に取り組んで (京都福祉サービス協会 主任生活相談員 西村こころ)

お年寄りと子どもが交流する意味、それは、教育や健康、地域の再活性化など多岐にわたります。交

流の中で、お年寄りは自分の役割や存在価値を再認識したり、子どもたちは技術や知識を学ぶだけでは

なく、ひとの「老い」や福祉について考えたり、命の尊さを自然と感じたりすることもあるかもしれませ

ん。世代を超えた交流は、ひとに多くの意味をもたらします。お年寄りと子供たちが接する機会や場が

減少している今日では、児童館と社会福祉施設における「交流の場」が担う役割は大きいとも言えます。

しかし、その交流は、単発のイベント的なものになりがちです。このプロジェクトは、「日常的な世代間

交流」実現を目指して踏み出した、第一歩目の取り組みとなりました。

このプロジェクトに参加してくれた藤村君は、大学では国際教育開発分野の研究をしています。日本

の福祉分野に関する基礎的な知識・経験はほとんどなかったにも関わらず、持ち前の熱意と行動力と

で、このプロジェクトに必要な知識を吸収していきました。その中で、福祉サービスには、ご利用者を

始めとし、職員、ボランティア、地域住民、各種関係機関や専門職など、さまざまな人々の連携のもと

に成り立っていることに気付きました。加えて、ご利用者(お年寄り)のニーズを知ること、子どもたち

のニーズを知ることの大切さや難しさも感じていました。交流に関わる人たちの思いや関わり方などの

バランスを取って、交流プログラムを企画していくことは、想像以上に難しく非常に頭を悩ませたこと

と思います。それでも、高齢者施設と児童館でのボランティア活動を行い当事者と触れ合って、職員に

も相談をしながら交流プログラムの検討を重ね、最終的には企画案を形にするところまで到達させまし

た。インターン期間中に、交流プログラムの実施までは漕ぎつけませんでしたが、実施するには、「職員

同士で意識統一が図れる『マニュアル』があった方がよいのではないか」「日常的な交流プログラムにす

るには段階を追わないといけない」ということなど、大切なポイントも発見してくれました。これらの彼

の気付きや成果は、我々職員にとっても、貴重な気付きになったと思います。

藤村君が作成してくれたプログラム案は、交流の足掛かりとして十分機能するものです。彼が作成した

企画を実施し日常的な交流実現に繋げられるよう、藤村君の気付きをひとつずつ大切に形にしていきた

いと思います。

スタッフと共に

世代間交流プログラムの企画案の一部

Page 25: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 23 -

プロジェクト概要

パネルレンタル事業は、テラ・ルネッサンスが力を入れている平和教育事業の一環で行っている。希少

性の高い地雷・子ども兵に関するパネルレンタル事業の拡充を担ってもらうため、既存パネルの内容の修

正、新規パネルの作成、新しい貸し出しシステムの提案などを行い、更なる利用者やリピーター獲得を目

指す。また、貸し出しにともなう諸作業も担当する。

月 インターンの業務内容

9月 パネル事業の引継ぎ

パネル事業全般の対応業務 10 月

申し込み者へのパネル発送作業

発送用の新しいコンテナを購入

ホームページ内パネルページの改定① 11 月

現ページの改善点を考察

新パネル作成①

元子ども兵の支援後の様子を表したエピソードパネル作成

新パネル作成②

カンボジア、タイ国境難民キャンプのパネル(~1月)

写真撮影者の著書を読み、写真背景の研究

12 月

カンボジア事務所スタッフにキャプション英語文書の作成依頼

1月 キャプション作り(英語文書の翻訳作業)

ホームページ内パネルページの改定②(~3月) 2月

パネルの写真データの用意

3月 パネルの写真一覧をPDFで作成

パネルのサイズをホームページに掲載

レンタル事業拡大のための宣伝戦略の考案

~問題は、認知度をあげない限り、問題にはなり得ない~

NGOだからこそ!「平和教育事業拡充プロジェクト」

特定非営利活動法人 テラ・ルネッサンス

地雷・子ども兵問題啓発パネル事業の拡充

Page 26: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 24 -

プログラムへの参加目的

「一枚の写真で心を動かされる」、そのような自分の経験をもっと多くの人にもしてほしい-。漠然と

した思いとテラ・ルネッサンスの平和NGOとしての国際協力活動がつながった。加えて、私が感じてい

たNGOへの期待、国際協力の実態がどのように見えてくるのか、インターンシップを通じて確かめ、大

学生だからこそできる何かをやりたいと思い参加。

プログラムをふりかえって

私がパネル事業を担当したいと思ったきっかけは、自分自身の広島での生い立ちに隠されていました。

原爆被害を受け平和の町として復興した広島で育ったことが、今の私の平和への原動力、平和教育を普及

させたいという思いにつながっているのだと、プログラムが始まってから気づくことができました。1日

1日のインターンのお仕事を重ねている内に、気づきや反省、自分の思いなどがどんどん増えていきまし

た。インターンは、ただ業務をこなすだけではなく、自分で考えさせてくれ、実行させてくれる場でした。

実際に私が、支援者さんのチャリティイベントに参加させていただいた際に、参加者である子どもたちや

保護者の皆さんにイベントの趣旨をきちんと理解してもらえるように、他のインターン生と一緒に、子ど

もにも大人にも分かる子ども兵のクイズを作らせてもらいました。またイベント後も、イベントを主催し

てくださった支援者さん、イベント参加者と支援を受けている現地の元子ども兵のつながりの橋渡し役と

してテラ・ルネッサンスができることを考えて、実現できるようにスタッフの方と相談を重ねて企画を作

り上げるという経験もさせていただきました。そんな素敵なサポートをしてくださった実行委員の方、ス

タッフの方たちで、頑張れば頑張った分だけいろんな可能性が見出せる事業だなと感じました。

国際協力・世界平和に本気で取り組んでいるスタッフやインターンに囲まれ、刺激を受け、私にできる

こと・私がしたいことを常に考えることができました。半年間のインターンを通して得た経験はきっと私

の一部となっていると思うので、これからも自分から様々なことにチャレンジする精神を忘れず、胸をは

って「がんばった」と言える大学生活を過ごしていきたいと思います。

NPOでのボランティア・インターン活動経験

・なし

木原 舞 立命館大学 国際関係学部 2回生 305 時間勤務

関心分野、研究テーマ

・NPOの国際協力の方法、平和教育、

途上国における貧困、アフリカ

スタッフらと共に

Page 27: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 25 -

インターン生と共に取り組んで (テラ・ルネッサンス 栗田佳典、インターンシップ生 青木理紗)

木原さんは大学2回生の後期にインターンシップに応募してくれました。聞けば、もっと前からインタ

ーンシップには興味があったとのこと。興味から行動へ。大学2回生での応募はテラ・ルネッサンスでは

数少なく、その「志」に私たちは胸を打たれました。そして、是非とも彼女と一緒にテラ・ルネッサンス

のパネル事業の未来を創っていきたい。そう思うようになりました。授業も忙しく、なかなか時間も作れ

なかったと思います。それでも時間を調整し、活動に取り組み、パネルを梱包するボックスの発注や各パ

ネル枚数の調整をしたり、新たにウガンダでの支援後のエピソードを盛り込んだパネルを作成するなどの

成果を出してくれました。また、彼女が「○○パネルは何枚でそれぞれの大きさは○○mm」といった、今

までウェブサイトに出していなかった情報を整えてくれたおかげで、借り手の気持ちに立って事業を進め

ることができました。また、レンタルをしてくださった方の感想をウェブサイトにアップするという工夫

も行い、これからのパネルレンタル事業を大きく広げるきっかけを作ってくれました。大きくジャンプす

るためには土台が必要です。彼女の仕事は今後このパネル事業を飛躍させるための土台作りという、とて

も大切な仕事を担ってくれました。彼女の熱意と行動力を心から尊敬しています。多謝。(栗田佳典)

このパネル事業は、以前は職員で

手分けして回しており、十分に取り

組めていない現状がありました。希

少価値が高く平和教育にもってこい

のパネルなのに、その売りをアピー

ルすることもできず、申し込みがあ

った方に機械的に発送するだけで、

フォローアップもできていませんで

した。そのため、担当者がついて効

果的にアプローチすれば、必ずいい

結果が出ると以前から言われていた

事業です。木原さんは現存パネルの

整理、新規パネルの作成、そしてホ

ームページ内パネルページの改訂な

ど、『「一歩」を踏み出すツールとし

てのパネル』という可能性を、十分

に広げてくれたと思います。また『写

真を撮った方やテラ・ルネッサンス

の想いもパネルを通じて伝えたい』

という木原さんの想いー。なかなか

こういう視点を持って取り組むこと

はできません。今後その『想い』の

部分も後輩に引き継いでいってほし

いと思います。(青木理紗)

作成したパネルの内容

Page 28: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 26 -

プロジェクト概要 「誰もが気軽に取り組める国際協力」のあり方として、換金のできる書き損じハガ

キや使用済みインクジェットカートリッジの回収を 2005 年から開始。2007 年 10 月よりインターン生に

この事業を担ってもらうことで、事業収入を年間200 万円弱に拡大。今期はハガキ・インクの消費が増え

る年賀状シーズンに合わせ、回収キャンペーンを行う。ミッションやカンボジアでのプロジェクトに直結

する事業を、市民の人が国際協力に取り組む「初めの一歩」を後押しできるシステムとして構築する。

月 インターンの業務内容

9月 前インターン生からの引継ぎ

回収事業全般の対応業務

支援者への礼状作成、ブログUP作業、データ入力

インクジェットカートリッジBOXの送付

ボランティアとの仕分け作業

回収キャンペーンの立案 10 月

目標・期間・回収対象・広報先・広報の方法などの考察

回収キャンペーン広報開始 11 月

企画書・チラシの作成

当会の機関紙にチラシを同封、その他約 1,000 件送付

回収キャンペーン開始(~1月末) 12 月

ホームページ用のキャンペーン案内文の作成

引き続き広報

1月 プレスリリース

新聞取材の対応

集計作業2回

回収キャンペーンの報告(~3月末) 2月

集計作業1回、その後換金

報告書の作成(数件、個別の換金額を明記)

3月 報告書完成、印刷、発送作業

キャンペーンの振り返り

回収事業の引継ぎ資料作成

特定非営利活動法人 テラ・ルネッサンス

カンボジア・ウガンダ支援事業ファンドレイジング

カンボジアの貧困家族生活再建プロジェクト&ウガンダ元子ども兵社会復帰支援

プロジェクトを担おう! 「てらるね回収事業」拡大プロジェクト

Page 29: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 27 -

プログラムへの参加目的

大阪ボランティア協会での活動時に、NPO・NGO関係者や学生ボランティアの人にインタビューを

する機会を得た。そこで出会った人は社会に対する問題意識が強く、自分の仕事に目をキラキラさせて語

っていたことが印象的だった。将来自分もそんな誇れる仕事がしたい、社会を変えることに挑戦したいと

思い、本気でインターンシップに取り組むことを決意した。

プログラムをふりかえって

インターン開始当初は、国際協力に憧れはあったものの、世界の問題や、自分にできることが何か、分

かりませんでした。業務では、自分のできる範囲や時間の使い方が分からず、計画性のなさから仕事が 滞

ってしまうなど、失敗続きでした。

インターン中は、尊敬する方々との出会いの連続でした。インターンの同期生、他団体の方、ボランテ

ィアの方々、支援者の方々。仕事の進め方について、国際協力の考え方について、世界の現状について、

学ぶことが多く、毎日が刺激的でした。

インターンをするうちに、自分の仕事の全体像を把握して逆算することの大切さや、能率を上げるため

に工夫する大切さを知りました。徐々に業務を覚えていく中で、はがきやインクを送って下さる方々が、

「支援が どう役立っているのか分からない…」と感じているのではと思い、現地の様子をもっとよく知

ってもらえるように、紛争や小型武器について少しずつ調べるようになりました。テラ・ルネッサンスの

現地駐在スタッフから直接話を伺う機会もあり、ウガンダとカンボジアの現状を学びました。

インターンシッププログラムの後半には、大量のはがきやインクが事務所に届き、その対応に追われま

した。それと同時に、時折はがきやインクと一緒に手紙を同封して下さる方がいて、それを読む度に感動

しました。ボランティアの方々に協力していただいての集計作業では、それぞれの方の背景や別の活動を

知り、ボランティアの方のパワーの大きさと、こうしたネットワークの大切さを実感しました。

最後に参加したカンボジア・スタディツアーでは、地雷、貧困、過去の紛争という、日本とは全く違う

カンボジアの現実を五感で感じました。 一方、私の出会ったカンボジアの方々は、明るくエネルギッシ

ュで笑顔が眩しく、心から尊敬しました。国際協力は途上国の人のためにしてあげるものではなく、問題

を解決するためにお互いに力を合わせることだと思うようになりました。実際に現地を見て、自分が担当

するはがきやインクの資金が、切実に現地で必要とされていることを実感し、自分の力はどこまでも小さ

いけれど、決して無力ではないと思うことができました。

帰国後、報告書にカンボジアで見聞きしたことを盛り込んで、支援者の方がたに送りました。取り組む

うちに愛着の湧いた回収事業を、これからももっと発展させて欲しいと考え、引継ぎ資料の作成を行いま

した。

このプログラムを通して、NPO業界で働くことのイメージが湧くと共に、素晴らしい点や苦労してい

る点を肌で感じることができました。また、尊敬しあえる同期仲間と出会うことができました。インター

ン期間中に会うたびに、皆がそれぞれの場所でがんばっているということを知り、自分もがんばろうと力

が湧きました。テラ・ルネッサンスのインターン仲間には業務でいつも助けてもらった上、刺激を受け、

励まされ、尊敬し合い、応援し合うことができました。

このプログラムで、「国際協力をしたい」という思いを形にする機会を与えていただきました。経験も

技術もない私が、国際協力に挑戦することができたのは、実行委員や職員のみなさまを始め、多くの方の

ご協力があったからに他なりません。いつも温かく見守って下さり、適切なアドバイスで前に進ませて下

さり、ありがとうございました。今後、このインターンシッププログラムを通して、NPO・NGO業界

に、より多くの素敵な仲間が増えますようにと願っています。

NPOでのボランティア・インターン活動経験

・大阪ボランティア協会の市民活動情報誌「ウォロ」編集委員

・fromHUS(中越自身被災地との交流)

吉田 泉 大阪大学 人間科学部 4回生 341 時間勤務

関心分野、研究テーマ ・児童労働、売春、少年兵など、世界の子どもの問題 ・大学ではボランティア専攻、地域共生論、防災教育について研究

Page 30: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 28 -

インターン生と共に取り組んで (テラ・ルネッサンス 栗田、インターンシップ生 青木)

吉田さんは「まっすぐ」に自分の感じたこと、思ったことを行動に移し、ひとつひとつの仕事を丁寧に

してくれました。特に会員様への対応ではその丁寧さが顕著に表れ、お礼状の言葉も工夫をし、いただい

たコメントにひとつひとつ答えるという彼女の心遣いが見られました。その結果として、「吉田さんからお

礼のハガキが届いたよ」と支援して下さった方から連絡を受けることもありました。回収事業担当インタ

ーン生の名前を支援者の方に覚えていただいたことは今までになく、「よし私も見習おう」と他のインター

ン生も彼女を見習い、熱心に日々の業務に取り組むようになりました。

彼女自身、このインターンシップの期間、インターンシップと学業、そしてサークル活動の両立の中で、

「したいこと、しなければならないこと、すること、できること」の区別が難しく、苦労した時期もあっ

たことと思います。自分自身の中でなかなか「優先順位」をつけることができず、計画を立てることに苦

労した時期もあったと思います。しかし、彼女はそれを学びに変え、そんな状況の中でも、毎日熱心に仕

事に取り組み、そして何よりいつも笑顔で事務所の中を照らしてくれました。彼女の本気度はテラ・ルネ

ッサンスの組織全体に活力を与えてくれたといっても過言ではありません。吉田さん、テラ・ルネッサン

スの太陽として事務局をいつも明るくしてくれて本当にありがとう。(栗田佳典)

吉田さんはテラ・ルネッサンスのムードメーカーでした。彼女がいるだけでその場が明るくなる…そ

れはカンボジア・スタディツアーで現地に行ったときもそうでした。帰国後、『自分が見たことを支援者様

にも伝えたい』という想いから、報告書の中で実際に地雷原に足を踏み入れたから彼女だからこそ書ける

ことを表現してくれました。元々国際協力は対象が海外にあり、自分たちの活動が現地でどう役に立って

いるのかが分かりにくいという難しい面があります。回収事業に協力してくださる方にとっても同様です。

現地を見た者が報告することにより、少しでも支援者様に近付くことができます。彼女はオリジナリティ

ーが高く、より支援者様の心に響く良い報告書を作ってくれました。(青木理紗)

インターン先相互訪問にて

支援者への報告書を作成

Page 31: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 29 -

プロジェクト概要

地域の中で、障がいのあるなしに関わらず、仲間と遊び、仲間と集う場や機会が少ないという課題があ

る。そうした、場と機会を地域に生み出す事を目標にした活動の立ち上げを行う。

具体的活動には、児童館を拠点にして、園芸や工作などの障がいのある児童を含めた小集団活動を計画。

大学生を中心としたボランティアグループを立ち上げ、活動を継続的に実施できる土台づくりを行う。

月 インターンの業務内容

9月 児童館を知る 児童館での実施する様々な活動に参加

乳幼児から高校生までの幅広い年齢層の利用者と関わる

10 月 活動立ち上げ準備 児童館で活動するボランティアと関わる スタッフ募集チラシ作成

来年度の助成金申請作業を担う 活動イメージを確実に作る

活動のイメージをボランティアと共有し、組織化していく

11 月 運営体制を作る プロジェクトチームの結成 活動名「サタデーファクトリー」に命名

活動の実施1「看板作り」

子ども達とともに活動を作っていく

12 月 活動の実施2「編み物」

子ども達のなかで活動が広がる

スタッフの募集 活動スタッフの募集、受け入れ、ミーティングの実施

1月 活動の実施3「プラ板作り」

活動の実施4「フェルト作り」

スタッフの増強 スタッフ間の情報共有の為の工夫 →メーリングリスト開設

2月 活動の振り返りシート、活動記録ファイルの作成

スタッフ向け「サタファクまるわかりBOOK」の作成

活動の実施5「紙相撲大会」

3月 活動の発展 活動の実施6「カレンダー作り」

活動の実施7「自転車でお出かけ企画」子ども同士の仲間意識の高まり

活動の引き継ぎ 活動のアルバムの作成

障がいのある子どもの余暇を豊かにするプロジェクト!

塔南の園児童館

障がいのある子どもの余暇を豊かにするプロジェクト!

Page 32: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 30 -

プログラムへの参加目的

自身が今まで過ごしてきた生活の中では、障がいのある児童も友達だったりし、共に育つことが「当た

り前」だった。しかし、障がいのある友達の母から、幼稚園の入園を拒否された等の話を聞く機会があり、

障がいのある児童を取り巻く環境の厳しさに衝撃を受けた。それからずっと抱えていた「共に育つ環境が

当たり前だ」との思いを発揮し、障がいの有る無しに関わらず、共に育つ環境作りに参加したいと思った。

プログラムをふりかえって

私にとってこの半年間は、今までの自分と向き合い、またこれからの自分の生き方に大きな影響を与え

てくれました。特にこのプログラムに参加したことで、「”考える”だけではなく”実際に行動に移す”

こと」の大切さを感じることが出来ました。プログラムに参加する前の自分は、興味関心あることに対し

て考えたり、議論をすることはあっても、行動を起こすことは出来ていませんでした。動きたい気持ちは

あるものの、一歩踏み出せず、そのきっかけを探していたところに出会えたのが、このインターンシップ

プログラムでした。プログラムの初めの合同研修にて、考えや価値観を含めた今の自分の成り立ちを知っ

たことをきっかけに、『自分の想いを自分の中でとどめておくだけでなく、アウトプットして形にしよ

う!』という気持ちが強くなりました。当初は、インターンが私1人であったことと、新しい仕組みをつ

くるということに漠然と不安を感じていましたが、児童館の職員さん・ボランティアさんなど多くの人の

支えがあって、半年間を全力で駆けぬけることが出来ました。プロジェクトの成果の中でも、動きたい気

持ちはあるものの一歩踏み出せない、以前の私のような学生を巻き込めたことが、私にとって大きな収穫

でした。人を巻き込む楽しさ・やりがいを知ることが出来たからです。これからも、プロジェクトに人を

巻き込むことで活動が長期的に続き、他の地域にも派生していくことを願っています。

このプログラムを通して、児童館の方々、5期生メンバー、修了生の方々、そして実行委員の方々に出

会えたおかげで、多くの価値観や広い視野に触れることができました。この出会いを大切に、これからも

私の目指す「だれにとっても居心地のよい社会」をつくっていきたいと思います。本当にありがとうござ

いました!

NPOでのボランティア・インターン活動経験

・小学校への環境教育の導入に関するボランティア

岡山 香苗 立命館大学 産業社会学部 3回生 330 時間勤務

関心分野、研究テーマ

・環境問題

(エコキャンパス、資源エネルギー問題、環境教育)

・教育(幼児教育、障がい児教育、高等教育)

Page 33: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 31 -

インターン生と共に取り組んで (塔南の園児童館 児童厚生員 池田英郎)

今回のプロジェクトは半年間で成し遂げたとは思えないほど、大きく前進しました。岡山さんのパワー

によって、すばらしい成果を得る事ができたと言えます。

「障がいのあるなしに関わらず仲間と遊び、仲間と育つ場を!」という思いは、児童館の活動の中で、

いつも意識しつつも、なかなか具体的な活動を作れずにいました。特に、小学校高学年から高校生までに

向けた活動は制度的にも支援が困難であり、活動の創出が常に課題となっていました。そんな困難な状況

の中で「新たに活動を作り出す」という事にチャレンジして頂きました。しかも、はじめは岡山さん1人

からのスタートでした。しかし、岡山さんの強い思いと行動力によって、活動への共感が広がり、活動が

立ち上がりました。そして、スタッフが増え、活動が発展する、という段階まで進める事ができました。

スタッフ数は最終的に 11人に。この発展の姿は、職員の予想超えており、児童館で活動する他のプロジェ

クトチームにも大きな影響を与えることになりました。

活動が発展する過程で起こる「スタッフ間の意思疎通の課題」などにも、問題とその原因を共に考え、

解決策を考え、実践する、という事を確実に行えていました。岡山さんの悩んでいる姿を見たその次の日

には、解決に向けてスタッフに提案している姿がある、といった感じでした。

また、この活動によって、これまで家に閉じこもりがちであった子どもが、毎回楽しみに遊びにくるよ

うになったり、人との関わりが苦手な子どもが、コミュニケーションを少しずつ発展させている姿もみら

れました。保護者からの反響も大きく、「学生さん達が活動を作っていこうと試行錯誤してくれている事自

体が嬉しい」という声も聞かれました。今後の活動の展開につながる大きな成果だと言えます。

もう1つの成果は、活動に参加したボランティアスタッフが、「おかやん(岡山さん)の姿に影響された。

自分もおかやんのようになりたい」と、次の6期インターンに応募した事です。こうして活動が継承され

ていく姿は、私たちが目指している姿であり、本当に嬉しく思います。

活動の様子:

子どもたちと

自転車お出かけ企画

「仲間とコロッケを

買って食べる!」

Page 34: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 32 -

インターンシップ -合同研修-

実施概要

日時:

場所:

参加者:

ねらい:

2009 年9月 26日(土) 13:05 ~ 27 日(日) 18:00

杖の水ころころハウス (運営:山科醍醐子どものひろば)

計 27 名(インターン生 10名、実行委員・事務局 11 名、修了生 6名)

(1)NPO・NGOやそのスタッフに求められている社会的な役割を理解する。

また、プログラムに参加する自分の目的や課題を明らかにし、プログラム

に臨む心構え・態勢をつくる。

(2)プロジェクトを運営するための基本の力となる、働くために必要な内部や

外部とのコミュニケーション力を身につける。

プログラム(一日目)

9月 26日(土) [テーマ]プログラム参加のウォーミングアップ 12:15-13:05

13:05-13:50

13:50-14:50

(休憩)

15:00-17:00

17:15-19:20

19:30-21:30

21:30-22:30

杖の水ころころハウスに到着後、昼食、準備

アイスブレーク

大下宗幸(地域環境デザイン研究所 ecotone)

NPO・NGOの基礎レクチャー

-NPO・NGOの社会的役割・スタッフとして求められる意識について-

野池雅人(きょうとNPOセンター)

「自分を知る」「相手を知る」ワークショップ

-プログラムに参加する目的を明確にする-

青木理紗(テラ・ルネッサンス)

西村こころ(京都福祉サービス協会)

銭湯へ(コミュニティバス利用)

夕食

交流会

合同研修Ⅰ・Ⅱ(事前研修・合宿形式)

プログラム参加のウォーミングアップ

Page 35: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 33 -

NPO・NGOで働くための力をつける(二日目)

9月 27日(日) [テーマ]NPO・NGOで働くための力をつける 8:00- 8:30

8:30- 9:30

9:30-12:30

12:30-13:20

13:20-15:20

(休憩)

15:30-17:00

17:00-18:00

18:00

ラジオ体操・部屋片付け

朝食

チームで仕事をする力をつけよう!

-コミュニケーション・合意形成するための力を学ぶ-

北川真理子(地域環境デザイン研究所 ecotone)

竹久輝顕(京都市南青少年活動センター)

昼食

外部の人たちと仕事をする力をつけよう!

-仕事において求められる基本ビジネススキル・マナーを学ぶ-

栗田佳典(テラ・ルネッサンス)

芝原浩美(ユースビジョン)

二日間のふりかえり、今後に向けて

今後についての連絡・アンケート・片付け

終了

インターン生の声

・初対面の人ばかりで、とても緊張していたし、不安でしたが、ゲームを通して、インターンだけ

でなく、他の方とも打ち解けられて、本当に良かったです。

・普段この自分を知るということをしないので、なぜ今自分がこう考え、このインターンをしたい

と考えているのか、振り返るとても良い機会になった。また、他のインターン生がどのような思い

で、このインターンに参加しようと考えているのかも知ることができ、良い刺激をいっぱい受ける

ことができた。

・一つの目標を共有し、それを達成していく時の、方法や手段というのは、多くの自発的な行動や

経験を通して得ていくべきものだと思った。

実行委員ふりかえり

・自分を知るワークを、実行委員がインターン生に寄り添って一緒にふりかえることで、自身の原

点をより深く掘り下げることができた。

・ビジネスマナーについては、やはり実感がわかない様子だったので、実践するなどして具体的な

内容を提示できたらよかった。

Page 36: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 34 -

インターンシップ -合同研修-

実施概要

日時:

場所:

参加者:

ねらい:

2009 年 12 月 13 日(日) 9:30~17:30

下京修徳ふれあい福祉会館 せんだんホール

計 23名(インターン生 8名、実行委員・事務局 11名、修了生 4名)

(1) 活動の中間報告をし、相互にフィードバックを行い、他の活動やインターン

生・スタッフからのヒントやアイデアを今後のプロジェクト運営に活かす。

(2)発表のふりかえりを行い、人に伝わる力を向上させる。

プログラム

9:30-10:00

10:00-10:15

10:15-10:50

会場設営・資料配布・発表準備

中間報告(発表・QA・フィードバック)の仕方についての説明

2プロジェクトの中間報告

1. 地雷・子ども兵問題啓発パネル事業の拡充

木原 舞・テラ・ルネッサンス

2.障がいのある子どもの余暇を豊かにするプロジェクト!

岡山 香苗・塔南の園児童館

(休憩)

11:00-11:45

3プロジェクトの中間報告

3.世代間交流の場づくり

藤村 直輝・京都福祉サービス協会

4.地域ニーズに応えるための基盤整備

今里 美香・京都福祉サービス協会

5.寄付文化の醸成とNPOの経営基盤強化をすすめるプロジェクト

國﨑 千尋・きょうとNPOセンター

(昼食休憩)

12:45-13:30

2プロジェクトの中間報告

6.若者が多様な人の価値観に出会う機会をつくる『ロビーワーク』

村上 貴大・山野 茉璃乃・京都南青少年活動センター

7.若手社会起業家支援のための広報戦略づくり

大森 恵太・edge

13:40-15:10

15:10-16:00

16:00-17:00

17:00-17:30

17:30-19:30

プロジェクトの中間ふりかえり、今後の活動計画・目標検討

プロジェクトの中間ふりかえり内容の共有・今後の活動計画の発表

今日のふりかえり -今後に向けての個人としての宣言-

事務連絡・会場片付け・移動

交流会

合同研修Ⅲ(中間研修)

活動の中間発表・相互評価、プレゼンスキルのトレーニング

Page 37: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 35 -

インターン生の声

・自分の活動内容の整理ができ、プレゼンテーションの練習になった。

・他のインターンのプロジェクトが、抽象的なテーマから具体的な企画になっているのを見て頑張

っているなぁと感じ、同時に励みにもなった。

・客観的なアドバイスがもらえたこと、そして多くの人から様々な意見がもらえたことで、漠然と

していたものが少しクリアになったように思う。

・自分自身が考え直すきっかけになるとともに、他の人の計画を聞くことが、自分の活動の参考に

なった。

実行委員ふりかえり

・伝える難しさを感じた様子だった。プロジェクトの内容を深く理解していないと自分の言葉で話

せないことや、誰に何を何のために伝えるかが明確であることの大切さを実感したのでは。

・みんなからのフィードバックを活かして、これからの具体的なスケジュールを描くことができた。

Page 38: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 36 -

インターンシップ -合同研修-

実施概要

日時:

場所:

参加者:

ねらい:

2010 年3月 20日(土) 10:00~17:30

ウィングス京都 2階 セミナー室B

計 47 名(一般参加者 21名、インターン生 8名、実行委員 12名、修了生6名)

(1) プロジェクトを評価し、成果について報告する。

(2) 自己やインターンシッププログラムのふりかえりを行う。

◇プログラム成果発表会として、プロジェクトの成果報告を一般公開形式にて行った。

プログラム

10:00-10:10

10:10-12:45

プログラム・本日の主旨説明

プロジェクトの成果報告

*発表8分・QA(質疑応答)5分・フィードバック 3分

1. 障がいのある子どもの余暇を豊かにするプロジェクト!

塔南の園児童館 岡山 香苗

2. 若者が多様な人の価値観に出会う機会をつくる『ロビーワーク』

京都市南青少年活動センター 村上 貴大

3. カンボジア・ウガンダ支援事業ファンドレイジング

テラ・ルネッサンス 吉田 泉

4. 若手社会起業家支援のための広報戦略づくり

edge 大森 恵太

(休憩:5分)

5. 地域ニーズに応えるための基盤整備

京都福祉サービス協会 今里 美香

6. 世代間交流の場づくり

京都福祉サービス協会 藤村 直輝

7. 地雷・子ども兵問題啓発パネル事業の拡充

テラ・ルネッサンス 木原 舞

8. 寄付文化の醸成とNPOの経営基盤強化をすすめるプロジェクト

きょうとNPOセンター 國﨑 千尋

*プログラム成果発表会終了

12:45-14:30

(休憩:5分)

14:35-16:05

16:05-16:25

16:25-16:50

16:50-17:30

17:30-19:30

(昼食)インターン先毎に。

発表・質疑応答・フィードバックをうけて、プロジェクト・自己のふりかえり

プログラムのふりかえりワークショップ

プログラムのふりかえり内容のシェア

これからに向けての宣言

今後についての連絡、アンケート記入など、(片付け・移動)

打ち上げ

合同研修Ⅳ(事後研修)“プログラム成果発表会”

プロジェクト評価・成果報告、インターンのふりかえり

Page 39: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 37 -

事前課題

プロジェクト評価シートを元に、プロジェクト評価を行い、シートを事務局まで提出。 ■プロジェクトの成果報告 発表時間: 各プロジェクト発表8分 発表内容: (1) プロジェクトのゴール (2) 業務内容 (3) ゴールの達成度合い(100 点満点で) (4) その理由(良かった点・悪かった点) (5) 今後に向けてプロジェクトの改善点

インターン生の声

・同じ時期に集まり、同じ期間一緒にやってきた仲間である皆が、どのような6カ月間を歩んでき

たかを見られたし、それぞれの気づきを共有できて、感心する所や参考になる所が多かった。

・質問を交えながら行えたので、やりやすかったし、細かい所まで振り返りができたと思う。

・違う団体の人と話すことでいつもと違う視点でプログラムについて考えることができ良かった。

・課題、反省点、改善点をみんなで共有できてよかった。次期インターン生の人も来てくれたので、

伝えられる大切な機会になった。

・プログラムをふりかえることが、自己のふりかえりにつながった。

実行委員ふりかえり

・次期インターン生も来てふりかえりに参加できたことで、次にむけてどう改善したらよいかをよ

り意識してふりかえることができた。

・モチベーションを保つためにも、具体的な目標を設定するなどして、成果が何に反映されるかが

見えることが大事だと感じた。

・課題が大きく半年後に解決できる問題でなかったとしても、目指す状態に対して今すべきことは

何かを理解していることが大切。

Page 40: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 38 -

事業総括

ふりかえり

座談会

Page 41: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

- 39 -

失敗してもリベンジ、自分と向き合う機会に

事務局:半年間お疲れ様でした。長期にわたり関わ

ってみて、いかがでしたか?

インターン:長期だから、何か失敗したとしてもリ

ベンジする機会があったことがよかったと思います。

企画をたてて実行に移すまで、6カ月でも足らない

人もいたぐらいで、プログラム修了後も続けられる

仕組みがあるといいなと思いました。

インターン:短期だと自分のいい面だけを見せて終

わることが多いけれど、長期間じっくりと活動に取

り組むと、自分のだめな面もやはりでてきます。そ

んな自分とも向き合って、改善していくことができ

るのは、長期だからこそできることだと思いました。

実行委員:そうですね、インターン生が、失敗して

落ち込んでいる時や、自分と向き合う中で悩んでい

る時、どんな風に声をかけるべきか、実行委員同士

でもよく相談していました。ただ、もう一度チャレ

ンジしたり、改善に取り組んで乗り越えた人ほど、

より積極的になり、成果を生み出すことができたと

感じています。

ゴールを再度設定、主体性・自主生がアップ

事務局:いつ頃からより積極的になりましたか?

インターン:やはり中間合同研修ですね。中間報告

で、これまでの活動をふりかえり、ゴールを再度設

定したことで、モチベーションが上がりました。自

分たちで、今何が課題かや、そのために何をしなけ

ればいけないかを、じっくりと考えることができ、

それを実行することで、より自主性や主体性がアッ

プしていったんだと思います。

インターン:私も中間合同研修のおかげで、自分の

目標が明確になり、計画性が高まりました。他の団

体の人からの率直な意見が聞けたことがよかったと

思います。

インターン:他のインターン先のスタッフと話すこ

ともできたこともよかったです。団体内で言いにく

いことも、話しやすかったですし。

同期の仲間と励ましあいながら

事務局:合同での開催ということで、インターン生

同士のつながりはどうでしたか?

インターン:自分たちでメーリングリスト(ML)を

作ったり、mixiなどのSNSを通じて、いろいろ相

談しながらやっていました。

インターン:合同研修の準備も、夜遅くまで、同期

同士でメールなどで励ましあいながらやっていまし

た。また、みんなの活動を参考にして取り組むこと

もできました。

インターン: ただ、MLやSNSをあまり使わない

人もいます。やっぱり悩みとかは、実際に会わない

と伝わらないし、会うことが大事だなと思いました。

実行委員: 今までも相互訪問という形で、他のイン

ターン先の現場を訪問して、お互いに活動の様子を

知ったり、交流したりする機会をつくろうとしてき

ましたが、なかなかうまく機能しませんでした。

インターン:なかなか気軽には行きにくいんです。

Page 42: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

- 40 -

何かイベントへ参加したり作業を手伝う機会があれ

ば、インターン先を訪問しやすいのですが、イベン

トや作業がない団体もあるので。

インターン:私は相互訪問に参加しましたが、自分

のインターン先の現場とは、雰囲気も取り組む内容

もまた全然違って、視野も広がりおもしろかったで

す。

インターン:お互いの活動をもっと知って、インタ

ーン生同士が協働で企画を実施することができれば

いいですね。それぞれの事業を進めながらも、お互

いの現場も知れて、顔を合わして相談することもで

きます。

身近な先輩として心強い修了生とのつながり

実行委員:修了生とのつながりはどうでしたか?

インターン:修了生が研修に参加してくれたり、修

了生やインターン生によびかけて集まる機会を設定

してくれたりして、修了生と関わる機会がありまし

た。身近な先輩というような存在で、心強かったで

す。同じ経験をした人として相談もしやすかったで

す。

インターン:もっと修了生の人と腹をわって話す機

会があればいいなと思いました。

インターン:相互訪問の企画も、既に団体のことを

よくわかっている修了生が企画してくれるとよいな

と思いました。

実行委員:今回は、修了生が集まり、次期広報に取

り組んでくれました。修了後もつながりを広げ、深

めていけるのも、このプログラムの特徴になりつつ

ありますね。

規模によって合同のよさを活かせる工夫を

事務局:今回は、新たなプロジェクトも多くありま

したが、いかがでしたか?

実行委員:なかなか職員の力だけでは取り組めずど

うしても後回しになってしまうけれど、見過ごせな

い課題をプロジェクト化して進めました。インター

ン生にはとても大事な取り組みであることを伝え続

けました。

インターン:始めはとても不安だったんですが、少

しずつ問題をクリアしていくことで、だんだんと自

分にも自信がついてきて、たくさんの人の力を巻き

込みながらやり遂げることができました。

実行委員:チームやプロジェクトの立上げに関わっ

てもらうことは、とても意義のあることだと感じま

したね。

事務局:みなさん、ありがとうございました。

(了)

Page 43: 社会を変えるシゴト、その一歩がここにあるblog.canpan.info/npointern/img/368/5ki_hokoku_all.pdf · 2010-07-15 · 社会を変えるシゴト、その一歩がここにある

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム’09 第5期 事業報告書

市民・公益セクター次世代育成のための

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム

2009年度 第5期 事業報告書

編集・発行:特定非営利活動法人 ユースビジョン

京都市中京区三条通り室町西入衣棚町59-1 三条清水ビル5階

電話: 075-254-8617

URL: http://www.youthvision.jp/

2010年7月発行

*本書の一部をあるいは全部を引用(複写・転載)する場合は事前にご一報ください。

〔実行委員〕

赤澤 清孝 特定非営利活動法人 edge・理事・事務局長

特定非営利活動法人 ユースビジョン・代表

芝原 浩美 特定非営利活動法人 edge・理事・事務局

特定非営利活動法人 ユースビジョン・事務局長

野池 雅人 特定非営利活動法人 きょうとNPOセンター・事務局次長

竹久 輝顕 財団法人 京都市ユースサービス協会

京都市南青少年活動センター・ユースワーカー

森本 のり子 公益財団法人 京都地域創造基金・事務局

西村 こころ 社会福祉法人 京都福祉サービス協会・主任生活相談員

池田 英郎 社会福祉法人 京都福祉サービス協会 塔南の園児童館・児童厚生員

大下 宗幸 特定非営利活動法人 地域環境デザイン研究所ecotone・事務局

北川 真理子 特定非営利活動法人 地域環境デザイン研究所ecotone・理事

青木 理沙 特定非営利活動法人 テラ・ルネッサンス・インターンシップ生

栗田 佳典 特定非営利活動法人 テラ・ルネッサンス・事務局

〔事務局〕

桑田 真理子 特定非営利活動法人 ユースビジョン・事務局スタッフ

市民・公益セクター次世代育成のための

長期実践型NPO・NGOインターンシッププログラム実行委員会