cpc運用の簡素化とコストダウンの一手法 セルプ...
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CPC運用の簡素化とコストダウンの一手法セルプロセッシング・アイソレータ
三洋電機株式会社メディカル事業本部バイオメディカBU
■■セルプロセッシング・アイソレータ
アイソレータシステム(ハーフスーツ型)・新型(グローブ型)
(産業技術総合研究所、澁谷工業株式会社、三洋電機株式会社)共同開発
■■
高度先進医療の現状
• 再生医療・遺伝子治療など幹細胞を利用した医療技術開発が大学病院を中心に実施されている。
(トランスレーショナルリサーチ・臨床研究)
• 通常の医薬品と違い、原材料が生きている細胞を使用するため最終滅菌が不可能である
⇒細胞処理工程(活性化、培養など)に
高度な無菌管理が必要である。
(特定生物由来製品同等GMP管理レベルが必要)• GMP準拠するために、日本全国で約50施設のセルプロセッシング施設が存在する。
■■セルプロセッシング施設
従来型のセルプロセッシング施設
PS
PS
移動棚
PS
PS
■■セルプロセッシング施設
セルプロセッシング施設の最近の動向
• 臨床研究の段階が上がり、症例数が増加している。第1段階: 5~6症例(年間) 安全性
第2段階:10~30症例(年間) 多様性、有効性
・ 実践的医療技術への展開が始まっている。
免疫療法(ベンチャー企業など)、美容外科
生産性を重視する産業化への展開が始まっている。
■■セルプロセッシング施設
従来型CPC施設の問題点
1.生産性が低い(1ルーム1ドナー弊害)
2.クリーンルーム施設の巨大化
3.維持管理コストが非常に高い
4.厳密なチェンジオーバーが不可能
5.培養器内の環境微生物評価基準
6.作業環境が非常に悪い
■■セルプロセッシング施設
1.生産性が低い
• 交叉汚染防止・取り違い防止を実現するために1ルームにおいて、1患者の細胞しか取り扱えない。
• チェンジオーバー時に厳密なリセット(滅菌作業)ができない上に、清掃作業が煩雑・長時間必要(最低でも2日間)。
(GMP管理上、交叉汚染、取り違い防止が発生しない事を証明しなければならない)
■■セルプロセッシング施設
2.クリーンルーム施設の増大化
• 安全キャビネットにおいて無菌操作エリア(グレードA)を担保するためには、バックグラウンドを無菌環境区域(グレードB)にする必要がある。
• また、グレードBを担保するためにはバックグラウンドをグレードCにする必要がある。
• 交叉汚染対策のため、専用の入口、出口を持つ必要がある。
• また、異なる作業エリアの空気の混合を防ぐため、エアーロックを持つ必要がる。
• 専用の更衣・脱衣室を設ける必要がある。
■■セルプロセッシング施設
2.クリーンルーム施設の増大化
■■セルプロセッシング施設
2.クリーンルーム施設の増大化
グレードA100
グレードB10,000
グレードC100,000
グレードD100,000
安全キャビネット及びクリーンルームは開放系のため、バックグラウンド(周囲環境)の清浄度が求められる
■■セルプロセッシング施設
3.管理コストが非常に高い
• クリーンルーム施設の増大化に伴い、空調設備に関する保守・バリデーション(OQ)費用がかかる。
(保守:HEPAなどのフィルター関係、センサー類、OQ:清浄度、差圧、温湿度などの検証作業)
• 清浄度グレード毎の専用着衣が必要。• 滅菌保証無塵衣(ヘッドカバー、マスク、オーバーオール、オーバーシューズ、手袋)が高価である。
• 1セット(約8000円)年間使用量:500~1000枚• 400万~800万?
■■セルプロセッシング施設
4.厳密なチェンジオーバーが不可能
• 現状CPC施設の場合、チェンジオーバー(取り扱う細胞が変わる場合)時の方法としては、ハザードキャビネット内は70%アルコールでの清拭(消毒)、部屋内は薬剤での拭き上げ(消毒)。
• 滅菌法を用いたリセットが実施できていない。滅菌⇒乾熱法、高圧蒸気法、ガス法、放射線法、ろ過法
滅菌:10-6(100万回に1個生き残る)消毒:微生物の数を減らす
■■セルプロセッシング施設
4.厳密なチェンジオーバーが不可能
キャビネット
患者Aさんの汚染の可能性
患者Aさんの細胞調製を実施
<細胞調製室>開放系
キャビネット
<細胞調製室>開放系
チェンジオーバー
無菌の保証確認?バリデートされた滅菌不可能
患者Bさんの細胞調製
キャビネットアルコール消毒部屋清掃・消毒
滅菌作業ではない
微生物環境評価を実施
(清掃・消毒作業1日、環境評価1日)
■■セルプロセッシング施設
5.培養器内の環境微生物の評価基準
・現在CO2インキュベータの設置環境:グレードB
500.2200D
250.2100C
50.510B
<10.5<1A
表面付着微生物数
(cfu/24-30cm2)最小空気採取量
(m3)空中微生物数(cfu/m3)
グレード
CO2インキュベータの扉開閉時に数個のコロニーが入る:事実↓
結果:インキュベータ内付着菌試験も陽性がでる→許容できるか?
■■セルプロセッシング施設
5.作業環境が非常に悪い
• 現状のCPC施設では、作業者からの発塵を抑えるためにガウンテクニックを使用する。通常1次ガウン、2次ガウン、3次ガウンと重ね着を行なうため、室温22℃でも汗ばむ。
• また、マスクも2重に行なうため、息苦しく閉塞感が強い。
■セルプロセッシング・アイソレータ
すべての細胞培養工程を無菌環境下で実現する
開発コンセプト
細胞播種、培地交換、継代
細胞観察細胞分離(遠心工程)細胞培養
澁谷工業共同開発
■■セルプロセッシング・アイソレータ
セルプロセッシング・アイソレータのメリット
• グレードAの無菌操作が厳密に担保される• 交叉汚染防止が徹底される• 連続多検体対応による生産性の向上• 専用エリアによる取り違い防止• クリーンルーム施設の縮小化• ランニングコストの低減• 作業者への負担低減• 拡張性の高さ(スケールUP)モジュール化
■■セルプロセッシング・アイソレータ
グレードAの無菌操作が厳密に担保される
1.過酸化水素蒸気除染による無菌環境の創造
2.ワークエリアが閉鎖系であり、最大の汚染(発塵)源である人間を隔離できる。
人間
ワークエリア(閉鎖系)
グローブによる操作汚染の発生源の隔離
■セルプロセッシング・アイソレータ
■■セルプロセッシング・アイソレータ
滅菌パスボックス
HEPAフィルタCO2インキュベータ
遠心分離機細胞観察用モニター
細胞観察モジュール
グローブ
過酸化水素蒸気発生装置
操作パネル
除染パスボックス
過酸化水素カートリッジ
挿入場所
■セルプロセッシング・アイソレータ
制御盤
■セルプロセッシング・アイソレータ
遠心分離機
■セルプロセッシング・アイソレータ
(トミー精工製)
CO2インキュベータ
■セルプロセッシング・アイソレータ
■■セルプロセッシング・アイソレータ
汚染状態
除染状態
除染工程除染工程
細胞A
細胞E
搬送台車
細胞B 細胞C 細胞D
ワークステーション
細胞A:無菌操作終了↓
CO2インキュベータ交換(A→B)↓
全体除染(ワークエリア、遠心機、PS)↓
細胞B:無菌操作開始
■セルプロセッシング・アイソレータ
3.連続多検体対応による生産性向上
■■セルプロセッシング・アイソレータ
4.交叉汚染防止厳密なチェンジオーバーが可能
患者Aさんの汚染の可能性
患者Aさんの細胞調製を実施
<アイソレータワークエリア>閉鎖系
チェンジオーバー
無菌の保証確認
患者Bさんの細胞調製
バリーデートされた滅菌法過酸化水素滅菌
滅菌時間1~2時間
<アイソレータワークエリア>閉鎖系
<アイソレータワークエリア>閉鎖系
■■セルプロセッシング・アイソレータ
クリーンルーム施設の縮小化
グレードA100
グレードB10,000グレードC100,000
グレードD100,000
安全キャビネット及びクリーンルームは開放系のため、バックグラウンド(周囲環境)の清浄度が求められる
開放系安全キャビネット及びクリーンベンチ
グレードA100
閉鎖系アイソレータ
グレードD100,000
アイソレータを設置するバックグラウンドはグレードD(100,000)でよい
■■セルプロセッシング・アイソレータ
ランニングコストの低減
1.クリーンルーム施設が簡易であるため、バリデーション費用減
2.サニテーション及び微生物環境モニタリング(浮遊菌、付着菌など)頻度についてもグレードDに対応したレベルにできるためコスト減
3.清浄度グレード毎の専用無塵衣が必要ない
作業者への負担軽減
1.専用無塵衣を重ね着する必要なし
2.マスク等をする必要性もないため、閉塞感がない
3.作業の途中中断が容易である
■参考資料
従来型CPCとセルプロセッシング・アイソレータの比較
前提条件 ・全工程3週間・無菌操作1回/2日・年間処理症例数50症例
細胞調製室数: 4ブース施設延べ面積: 150~200㎡初期投資コスト: 8000万以上運用管理コスト: 1500万以上滅菌保証無塵衣:800万(1症例×20着)バリデーション:300~1000万サニテーション:300万(年間1回,通常清掃)保守(フィルター交換):100万(平均)
細胞調製室数: 1ブース施設延べ面積: 約50㎡初期投資コスト: 4000~5000万運用管理コスト: 300~500万滅菌保証無塵衣:0円バリデーション:100万サニテーション:50万保守(フィルター交換):20万過酸化水素カートリッジ:100万
従来型CPC セルプロセッシング・アイソレータ
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■参考資料
従来型CPCとセルプロセッシング・アイソレータの比較
従来型CPC セルプロセッシング・アイソレータ
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エントランス4 m2
モニタリング室18 m2
トイレ
シャワー
更衣室更衣室
1次ガウニング室
品質管理室18 m2
2次ガウニング室
無菌試験室6 m2
参考品保管室(細胞保存)16 m2
バッファエリア
1次ガウニング室3 m2
前室(受入)10 m2
デガウニング室 デガウニング室
バッファエリア
2次ガウニング室2次ガウニング室
2次ガウニング室
サプライ室(試薬・消耗品保管)16 m2
無菌試薬調製室
7 m2
細胞調製室310 m2
細胞調製室211 m2
細胞調製室111 m2
PS
PS
移動棚―30℃フリーザ保冷庫
CO2インキュベータCO2インキュベータ
遠心器 遠心器
PS
保冷庫保冷庫
PSPS
保冷庫遠心器
CO2インキュベータ
インキュベータ
PS
無塵衣棚 無塵衣棚
無塵衣棚
-152フリーザ -152フリーザ保冷庫
保冷庫
オートクレーブ オートクレーブ
オートクレーブ
グレードA(100)
グレードB(10000)
グレードCIO(100000)
グレードDAR(100000)
PS
PS
PS PS PS