資料3...社会人になる 将来の「あなた」に・・・ 年 は「世代と世代の...
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奈良年⾦事務所
⼤和⾼⽥年⾦事務所
桜井年⾦事務所
資料3
目次
〇公的年⾦の基本的な考え⽅ ・・P3
〇公的年⾦の仕組みその1「仕送り方式」 ・・P4〜9その2「年⾦は無条件にもらえない」 ・・P10その3「支える側と支えられる側」 ・・P11〜26
〇公的年⾦の持続性 ・・P27
〇給付と負担の関係 ・・P28
〇もし、公的年⾦がなかったら ・・P29〜34
(補⾜資料)「わたしと年⾦」エッセイ ・・P352
公的年⾦の基本的な考え⽅
●世代と世代の支え合い
公的年⾦制度は、「年⽼いたときや
いざというときの生活を、働いている
世代みんなで支えよう(世代間扶
養)」という考えで作られた仕組み
です。3
引退
20歳→世代
●『積み⽴て』方式 ⇒
公的年⾦の仕組み その1
年⾦受給世代
現役世代(保険料拠出)
引退
20歳
●『仕送り』方式 ⇒
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物価(モノの値段)が上がると
お⾦の価値が下がり
将来の⽣活設計が成り⽴たない
なぜ、『仕送り』方式?
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物価(モノの値段)の推移
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物価が上がるとお⾦の価値は下がる
アイス1個 = 30円
40年前
100円 = 個
〇40年前と現在の100円の価値を比較
現在
100円 = 個
アイス1個 = 100円
40年でお⾦の価値は約3分の1に下落
3 1
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物価が上がるとお⾦の価値が下落?
1,000万円
現在
40年後に物価が2倍になったら・・
40年後
500万円
お⾦の価値は2分の1に下落
お⾦の価値と物価は反⽐例の関係
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公的年⾦は仕送り⽅式
お⾦の価値が下がる⼼配なし
将来の⽣活設計が成り⽴つ
だから、『仕送り』方式!!
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公的年⾦の仕組み その2
保険料を払った人が年⾦をもらえる
誰もが無条件にもらえる ⇒
公的年⾦制度に加⼊し、保険料を納めることで、
年をとったときや、病気やケガで障害が残ったとき、
家族の働き⼿が亡くなったときに年⾦を受け取る
ことができる制度です。
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公的年⾦の仕組み その3
●「支える側」と「支えられる側」
⽼齢年⾦ 障害年⾦ 遺族年⾦
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『⽼齢年⾦』・・⽼後にもらえる年⾦
『遺族年⾦』・・働き手が亡くなったときに
もらえる年⾦
『障害年⾦』・・病気やケガにより障害が
残ったときにもらえる年⾦
公的年⾦は3種類
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年⾦は何歳までもらえる?
A:10年間
B:20年間
C:一生
答え:C
年金は大きな安心もお届けします!
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「いざというとき」にあなたを支えます
若くして、事故や病気により
障害を負ったり、亡くなった場合は
障害年⾦・遺族年⾦がもらえる
若い世代の様々なリスクをカバー14
2分の1約10兆円
基礎年⾦の2分の1は税⾦
2分の1約10兆円
国(税⾦)現役世代が納める保険料15
第1号被保険者(20〜60歳)
【加入員】 ⾃営業、農林漁業、無職、学⽣など
【保険料】 15,250円(月額)
【支 払】 本人 【手続き】 本人
第2号被保険者(〜65歳)
【加入員】 サラリーマン、公務員など
【保険料】 給与総額の8.737%(事業主と折半)
【支 払】 事業主 【手続き】 事業主
第3号被保険者(20〜60歳)
【加入員】 専業主婦(夫)(第2号被保険者の被扶養配偶者)
【保険料】 個⼈負担なし(配偶者の加⼊制度が負担)
【支 払】 なし 【手続き】 配偶者の会社を経由して
公的年⾦の種類と保険料※保険料額はすべて平成26年9⽉時点の額です。
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公的年⾦の種類と保険料
第1号被保険者(20〜60歳)
【加入員】 ⾃営業、農林漁業、無職、学⽣など
【保険料】 15,250円(月額)
【支 払】 本人 【手続き】 本人
※保険料額はすべて平成26年9⽉時点の額です。
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② 免除制度(全額・⼀部)
③ 若年者納付猶予制度
① 学⽣納付特例制度
(第1号被保険者のみ)
保険料の納付が困難な場合
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118万円 + 扶養親族等の数 × 38万円で計算した額以下である場合。
大学(院)、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校に在学する学⽣で、ご本⼈の前年所得(1⽉から3⽉までに申請される場合は前々年所得)が基準以下の⽅です。
申請は毎年必要です。(4⽉〜翌年3⽉までが対象期間)申請は、お住まいの市(区)役所・町村役場または年⾦事務所まで。※不慮の事故や病気が発⽣してから申請を⾏っても、障害基礎年⾦等の受給資格要件に算入されませんので、ご注意ください。
対象となる方
所得のめやす
申請は・・・
◆学⽣納付特例制度◆
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◆免除制度(全額・⼀部) ◆
対象となる方
本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が基準以下の場合に保険料の納付が免除になります。免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。
申請は・・・
申請は毎年必要です。(7⽉〜翌年6⽉分までが対象期間)
申請は、お住まいの市(区)役所・町村役場または年⾦事務所まで。
学⽣納付特例と対象期間が異なります。
注意
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所得のめやす
前年所得が以下の計算式で計算した⾦額の範囲内であること【全額免除】(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
【4分の3免除】78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
【半額免除】118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
【1/4免除】158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
◆免除制度(全額・⼀部) ◆
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◆若年者納付猶予制度◆
対象となる方
20歳から30歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が基準以下の場合に保険料の納付が猶予されます。
申請は・・・
申請は毎年必要です。(7⽉〜翌年6⽉分までが対象期間)
申請は、お住まいの市(区)役所・町村役場または年⾦事務所まで。
学⽣納付特例と対象期間が異なります。
注意
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所得のめやす
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
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公的年⾦の種類と保険料※保険料額はすべて平成26年9⽉時点の額です。
第2号被保険者(〜65歳)
【加入員】 サラリーマン、公務員
【保険料】 給与総額の8.737%(事業主と折半)
【支 払】 事業主 【手続き】 事業主 24
公的年⾦の種類と保険料※保険料額はすべて平成26年9⽉時点の額です。
第3号被保険者(20〜60歳)
【加入員】 専業主婦(夫)<配偶者が第2号>
【保険料】 負担なし(配偶者の加⼊制度が負担)
【支 払】 なし 【手続き】 配偶者の会社を通じて25
年⾦⼿帳は⼤切に保管
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約5%
公的年⾦の持続性
●未納者は約5%
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給付と負担の関係
●払う保険料 もらえる年⾦
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働いているAさんは、自分の妻と子を養いつつ、自分の両親にも仕送りし、
その上で⾃分の⽼後の備えも⾏う必要が生じてきます。
⽼後
子育て 貯⾦
ローンの返済日常生活
もし、公的年⾦がなかったら・・【Aさん】 妻1人、子1人の3人家族、両親(無職)とは別居。
仕送り
月収25万円
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平均寿命80歳以上の⻑寿社会
昭和30年
(1955)
昭和45年
(1970)
昭和55年
(1980)
平成2年
(1990)
平成12年
(2000)
平成24年
(2012)
男 63.60 69.31 73.35 75.92 77.72 79.94
⼥ 67.75 74.66 78.76 81.90 84.60 86.41
出典:厚⽣労働省 簡易⽣命表(平成24年以外は完全⽣命表)
(単位:年)
平均寿命の延び
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残されたAさんの妻と子は・・
Aさんに万が一のことがあったら・・
仕送りがなくなる両親の生活は・・
⽼後
子育て 貯⾦
ローンの返済日常生活
仕送り
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公的年⾦があれば・・
妻と子は
残されたご家族の生活を
公的年⾦が一生涯支えます。
両親は
遺族年⾦ ⽼齢年⾦
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社会全体で支え合っている
支える側
支えられる側
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社会人になる将来の「あなた」に・・・
年⾦は「世代と世代の⽀え合い」です。年⾦は⾃分のためだけのものではありません。現役世代の納める保険料でお年寄りの年⾦が⽀えられています。また、年⾦は⽼後だけでなくいざというときの保障でもあります。公的年⾦は自分や家族の将来のために、「絶対必要」なものとして考えましょう。
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その瞬間はいきなり訪れた。一家の大黒柱だった父が急死したのだ。父の体を蝕むガンに気づいた時には、もう手遅れだった。誰もこうなることを予想などしていなかった。わずか数ヶ月前までスーツに身を包み、笑顔で働いていた父がこの世からいなくなるなんて。そして残されたのは、専業主婦だった母、まだ中学生だった私と双子の弟だった。父が亡くなってすぐのこと。私は自分の戸籍謄本を目にする機会があった。その時私が目にしたものは、父の欄に入る一本の横線だった。それは、父がもうこの世にはいないことを表す横線だった。当たり前のことながら、たった一枚の紙に私は現実をつきつけられた。何て寂しいのだろう、私は思った。わずか数ヶ月前まで私の父は確かに存在したのに、今となっては私の胸の内にしか父は存在しないのか。もはや誰も父がこの世に存在したことを証明できないのだろうか。思えば、あの時の私は何かにすがるように父の生きた証を求めていたのかもしれない。
私と父はとても仲が良かった。私は父にたくさんのことを教えてもらった。読書や歴史が好きな父に連れられて、まわった古本屋や数々の遺跡。私にとって父の存在はとても大きかった。しかし、父はもういない。このショックは言葉で言い表せない。父が居ない生活など想像つかない。私はどんな顔をして父の仏壇に手を合わせればいいのだろう。私が父の死を受け入れることは容易でなかった。しかも、何より私を不安にさせたのは、今後の生活だった。私には夢がある。それは、大好きな文学や歴史についてより深く学びたいというものだ。そしていつか研究職に就き、今まで脈々と受け継がれてきた文化を守ることのできる人になりたいというものだ。しかし、その夢を叶える為の進学にはお金がかかる。今まで専業主婦だった母に、これ以上の負担を強いることはできなかった。
しかしそんな私の胸の内を察したのか、母が言った「自分の納得がいく進路選択をしなさい。お金の心配はいいから」と。私は不思議だった。我が家のどこにそんなお金が存在しているのだろうか。戸惑う私に母は続ける。「お父さんは、遺族年金という形で私達家族を支えてくれるのよ」と。遺族年金とは、私のような突然家族を亡くした人に送られる年金だ。遺族年金は生前父がしっかり年金を納めていたこと、日本という国がしっかりとした制度をもっていることで、私達家族の下へ支給されている。年金というとお年寄りが貰うイメージしかなかった。
私は驚いたと同時に、私達家族を支えてくれる「遺族年金」に強い安心感を得ることができた。父が生前年金をきちんと納めていたから私達は今、遺族年金を受け取ることができる。遺族年金とはいわば、父が「生きていた証」である。そう気付いた時、私はとても父の存在が誇らしかった。いつでも私達家族を支えてくれる父は何て心強いのだろう。また、遺族年金をはじめとする多くの年金制度は、たくさんの日本国民の協力で成り立っている。年金を納める日本人がいなくなってしまったら、この年金制度はまるで成り立たないだろう。そういった目で見れば、年金制度とは「思いやりのかたち」なのではないだろうか。お年寄りや障害のある人、私達のように親を亡くした人、困っている人を日本中で支えることが年金なら出来るのだ。現在、年金を取り巻く状況は厳しい。少子高齢化の影響を一身に受け、年金に対して不安を抱く人は後を絶たない。国民年金の納付率はわずか六割程度だという話を聞いた。
確かに、日本の深刻な少子高齢化問題を考えた時、自分は年金を受け取ることができるのだろうかと疑問を抱くのは当然だ。私自身、父の死を通して年金の在り方を見つめなおす機会がなければ、その必要性など考えなかっただろう。しかし、今なら分かる。年金を納めることは、将来の自分だけでなくもしもの時に家族や周りの人を助けることになるのだと。もしもの場合を想定して年金を納めることもまた「思いやりのかたち」なのだ。父の死から数年。私は今、高校生になった。父の死の直後は、まさか通学できるとは思いもしなかった憧れの高校に通っている。日々の勉強や友人関係で挫けそうになることはあるが、それでも高校に進学出来るありがたさを忘れることはない。私には目標がある。それは、大学進学だ。中学生の時から抱いていた研究職に就くという夢への足掛かりに大学進学はなり得ると思うのだ。父はもういない。しかし、父は遺族年金で私達を支えてくれる。顔の知らないたくさんの日本人が遺族年金を通して、私を応援してくれる。私は決して一人ではないのだ。私はたくさんのエールを胸に夢への第一歩を踏み出そうとしている。
「わたしと年⾦」エッセイ 平成26年度厚⽣労働⼤⾂表彰作品(⾼校⽣ ⼥性)
「わたしと年⾦」エッセイとは?
⽇本年⾦機構では、公的年⾦制度の意義や、国⺠の皆さまとの結びつきなどについて、皆さまと⼀緒に考えて
いくことを⽬的として、応募者ご⾃⾝や、ご家族などの⾝近な⽅と公的年⾦制度との関わりについて、「わたしと年⾦」を
テーマにしたエッセイを募集しています。 35