青森市新総合計画 -元気都市あおもり 市民ビジョ …...3 第1...

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青森市新総合計画 -元気都市あおもり 市民ビジョン- 後期基本計画 【平成 28 年度~平成 32 年度】 平 成 28 年 2 月 (資料 1)

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青森市新総合計画

-元気都市あおもり 市民ビジョン-

後期基本計画

【平成 28 年度~平成 32 年度】

平 成 28 年 2 月

青 森 市

(資料 1)

Page 2: 青森市新総合計画 -元気都市あおもり 市民ビジョ …...3 第1 後期基本計画のあらまし 後期基本計画は、「青森市新総合計画-元気都市あおもり

目 次

第1部 総論 ..................................................................... 1

1 後期基本計画のあらまし ...................................................... 3 2 計画の体系図 ................................................................. 4

第2部 各論 ..................................................................... 7

第1章 市民と共に築く 市民のための自立したまち ............................. 9 第1節 地域コミュニティを核とした市民自治の推進 ................................. 10 第2節 効果的・効率的な行政経営 ................................................. 16

第2章 健やかで心安らぎ 人と人がつながり支え合うまち ..................... 22 第1節 保健・医療の充実 ......................................................... 23 第2節 高齢者福祉の充実 ......................................................... 30 第3節 障がい者福祉の充実 ....................................................... 35 第4節 子ども・子育て支援の充実 ................................................. 38 第5節 暮らしを支える福祉の充実 ................................................. 43 第6節 ユニバーサル社会の形成 ................................................... 46

第3章 人々が集い活気にあふれ 地域に根ざした産業が躍動するまち .......... 50 第1節 農林水産業の振興 ......................................................... 51 第2節 農林水産基盤の維持・保全 ................................................. 57 第3節 商工業の振興 ............................................................. 61 第4節 雇用機会の拡大 ........................................................... 67 第5節 観光の振興 ............................................................... 70

第4章 歴史と文化を受け継ぎ 未来を創造する人を育むまち ................... 76 第1節 学校教育の充実 ........................................................... 77 第2節 社会教育・生涯学習の推進 ................................................. 84 第3節 文化・芸術の推進 ......................................................... 88 第4節 スポーツ・レクリエーションの推進 ......................................... 93

第5章 自然をまもり親しみ 安全・安心で暮らしやすいまち ................... 98 第1節 自然環境の保全 ........................................................... 99 第2節 快適な生活環境の確保 .................................................... 105 第3節 防災体制の充実 .......................................................... 111 第4節 安全・安心な市民生活の確保 .............................................. 116

第6章 空・海・陸の道で行き交う 雪に強く住みよい美しいまち ............. 121 第1節 拠点の形成 .............................................................. 122 第2節 土地利用・都市景観の形成 ................................................ 130 第3節 快適な居住空間の確保 .................................................... 134 第4節 広域・都市内交通網の充実 ................................................ 138

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1

第1部 総論

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2

白紙ページ

Page 5: 青森市新総合計画 -元気都市あおもり 市民ビジョ …...3 第1 後期基本計画のあらまし 後期基本計画は、「青森市新総合計画-元気都市あおもり

3

第1 後期基本計画のあらまし

後期基本計画は、「青森市新総合計画-元気都市あおもり 市民ビジョン-」基本構想に掲

げた将来都市像『水と緑と人が共生し 地域の絆で築く 市民主役の元気都市・あおもり』の

実現に向けた具体的な取組を示しています。

「計画の体系図」を示した『第1部 総論』と、まちづくりの分野ごとに具体的な取組を示

した『第2部 各論』で構成しています。

平成28(2016)年度から平成32(2020)年度までの5年間としています。

本計画には、施策の進捗度を測定するため「目標とする指標」を設定しています。

指標は、本計画に掲げた施策すべてに設定するとともに、それぞれ直近の実績値を基準値と

し、これまでの実績値の推移のほか、国・県の動向、今後の施策展開などを総合的に勘案して、

計画最終年度の平成32年度における目標値を定めています。

計画の推進に当たっては、指標の達成度など、施策の評価・検証を通じて、着実に推進する

とともに、本市のまちづくりを取り巻く環境変化に応じて適宜見直しを行うなど、柔軟かつ的

確に対応していきます。

計画の役割

計画の構成

計画の期間

計画の推進

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第2 計画の体系図

青森市新総合計画

元気都市あおもり 市民ビジョン

基本構想

後期基本計画

基本政策

政策

将来都市像

水と緑と人が共生し 地域の絆

基本視点

施策

行動力ある地域コミュニティが息づく協働のまち

地域資源活力ある

人口減少・少子高齢化時代に対応した持続可能なまち

(25)

(75)

第2章健やかで心安らぎ 人と人がつながり支え合うまち

第3章人々が集い活気にあふれ 地域根ざした産業が躍動するまち

第1章

市民と共に築く 市民のため

の自立したまち

青森市民憲章 非核・平和のまち宣言

第1節

第3節

第2節

農林水産業の振興

商工業の振興

農林水産基盤の維持・保全

第2節

第3節

第4節

第6節

第1節

第5節

高齢者福祉の充実

障がい者福祉の充実

子ども・子育て支援の充実

ユニバーサル社会の形成

保健・医療の充実

暮らしを支える福祉の充実

第2節

効果的・効率的な行政経営

地域コミュニティを核とした

市民自治の推進

第1節

第1項

地域資源を活かした青森らしい産業の育成

第2項

地場産業の経営体質の強化

第3項

流通機能の強化

第4項

地域と一体となった商店街の形成

第1項

農地の維持・保全

第2項

足腰の強い農業経営の促進

第3項

競争力の高い漁業経営の促進

第1項

意欲ある担い手の育成

第2項

森林の維持・保全

第1項

障がい者の地域生活支援の充実

第2項

障がい者の自立した生活の確保

第1項

生涯を通じた健康づくりの促進

第2項

感染症対策の充実

第3項

地域医療の充実

第1項

地域包括ケア体制の充実

第2項

高齢者の生きがい・元気づくりの充実

第3項

介護サービスの充実

第2項

生活困窮者の自立促進

第1項

地域福祉の充実

第1項

男女共同参画社会の形成

第2項

互いを尊重し支え合う社会の形成

第3項

平和意識の高揚

第1項

妊娠・出産支援の充実

第2項

子ども支援の充実

第3項

子育て支援の充実

第4項

国民健康保険制度の安定的運用

第4項

行政サービスへの民間活力の活用

第1項

市民参加・参画による政策の推進

第2項

市民との情報共有の充実

第4項

多様な主体の連携協働によるまちづくりの推進

第1項

戦略的な行財政運営

第2項

職員の能力開発と組織の活性化

第3項

行政サービスの利便性の向上

第3項

地域コミュニティの活性化

第4項

あおもり産品の販売力の強化

第3項

漁港・漁場環境の維持・保全

4

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で築く 市民主役の元気都市・あおもり

を活かした個性とまち

求心力の高い青函交流圏の中枢として賑わうまち

人と自然、人と人とが共生するまち

第6章空・海・陸の道で行き交う 雪に強く住みよい美しいまち

第4章歴史と文化を受け継ぎ 未来を創造する人を育むまち

第5章自然をまもり親しみ 安全・安心で暮らしやすいまち

地域 に

の趣旨平和都市宣言 「男女共同参画都市」青森宣言

第1節

第2節

第3節

第4節

自然環境の保全

快適な生活環境の確保

防災体制の充実

安全・安心な市民生活の確保

第1節

第2節

第3節

第4節

学校教育の充実

社会教育・生涯学習の推進

文化・芸術の推進

スポーツ・レクリエーション

の推進

第1節

第3節

第4節

第2節

拠点の形成

快適な居住環境の確保

広域・都市内交通網の充実

土地利用・都市景観の形成

第5節

観光の振興

第4節

雇用機会の拡大

第1項

自然保護活動の推進

第2項

ごみの減量化・リサイクルの強化

第3項

再生可能エネルギーの導入・省エネ活動の促進

第1項

適正な汚水排除・処理の確保

第2項

公害対策の推進

第3項

適正な廃棄物処理の確保

第4項

衛生的な生活環境の確保

第1項

防災力・消防力の総合的な強化

第2項

災害防止対策の推進

第1項

交通安全活動の推進

第2項

防犯対策の推進

第3項

消費者自立支援対策の推進

第1項

教育活動の充実

第2項

教育環境の充実

第1項

生涯を通じた学習活動の推進

第2項

未来を切り拓く青少年の育成

第1項

文化・芸術活動の推進

第2項

文化芸術資源の継承・まちづくりへの活用

第3項

文化財の保存・発信

第1項

スポーツ・レクリエーション活動の推進

第2項

ウィンタースポーツの推進

第3項

競技水準の向上

第3項

就学指導・支援の充実

第1項

活発な移住・交流を支える広域交流拠点の形成

第2項

機能的でにぎわいのある都市拠点の形成

第3項

暮らしやすい日常生活拠点の形成

第1項

良好な住まいづくりの促進

第2項

雪対策の推進

第1項

広域交通網の充実

第2項

都市内公共交通の充実

第3項

快適な道路環境の確保

第1項

効率的で計画的な土地利用の推進

第2項

緑豊かな美しい都市景観の形成

第2項

観光資源の充実

第3項

受入態勢の充実

第4項

国内外からの誘客の推進

第1項

広域観光の推進

第1項

本市の強みを活かした企業誘致の推進

第2項

仕事と生活の調和のとれた働き方の促進

第4項

地域と一体となった商店街の形成

5

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白紙ページ

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第2部 各論

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8

白紙ページ

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9

第1章

市民と共に築く

市民のための自立したまち

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10

第1章 市民と共に築く 市民のための自立したまち

第1節 地域コミュニティを核とした市民自治の推進

� 本市は、市民・議会・行政の役割分担のもと、市民自治を進めていくためのルールとなる『(仮

称)まちづくり基本条例』の制定とともに、「市民意識調査」や、市民・各種団体などが直

接、市長と懇談などを行う「まちづくり政策形成市民懇談会」などを実施し、市民の声を市

政に反映するなど、市民をはじめとするまちづくりの多様な主体と行政の、連携・協働によ

るまちづくりを進めています。

《市民参加・参画、情報共有の状況》

� 行政運営への市民参画を一層進めるため、年齢や地域性などを考慮した効率的・効果的な市

民参加・参画のプロセス・手法とするとともに、多様な分野における情報を分かりやすく提

供し、市民が積極的に市政へ参加・参画しやすい環境の構築を図る必要があります。

《多様な主体の連携・協働の状況》

� 個人の価値観やライフスタイルの変化により、教育、福祉など、様々な分野で行政やまちづ

くりに対する市民ニーズは、複雑化・多様化し、従来の行政サービスだけでは十分に対応で

きない課題も生じてきており、市民が安全・安心で快適に暮らせるまちづくりを進めるため

には、まちづくりの多様な主体と行政がそれぞれ英知を集結し、互いの連携・協働によるま

ちづくりを進める必要があります。

� また、人口減少・少子高齢化の進展など、市民生活を取り巻く社会環境の変化に伴い、多様

化・複雑化する地域課題を解決するためには、行政のみならず、市民や町(内)会をはじめ

とする、地域の活動主体などが連携し、地域主体のまちづくりを進める必要があります。

《地域コミュニティの状況》

� 近年の人口減少や急速な少子高齢化、核家族化、単身世帯の増加、市民の価値観の多様化な

どを背景とした地域への帰属意識の希薄化によって、地域活動を支える人材不足が深刻化し

ており、地域コミュニティの弱体化が懸念されています。

� 東日本大震災を契機として、人と人との絆の大切さ、特に地域コミュニティの重要性が見直

されており、地域コミュニティ活動の一層の活性化を図る必要があります。

現状と課題

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11

市民が容易かつ継続的に市政へ参加できる環境を構築し、市民参加・参画による政策の形

成・実践を進めるとともに、市民との情報共有に向け、市民視点に立った積極的かつ分かりや

すい情報提供を進めます。

また、地域コミュニティの活性化を図り、市民や地域、NPO、民間企業、大学など多様な主

体の連携・協働によるまちづくりを進めます。

地域コミュニティを

核とした市民自治の推進

第4項 多様な主体の連携協働による

まちづくりの推進

第1項 市民参加・参画による政策の推進

第2項 市民との情報共有の充実

第3項 地域コミュニティの活性化

施策の体系

基本方向

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第1項 市民参加・参画による政策の推進

《市民の自治意識の高揚》

� 市民が、直接、市長やその他の市の幹部職員と対話する機会などの充実を図るとともに、『(仮

称)まちづくり基本条例』の理念や趣旨を広めることを通じ、自治に関する市民の意識啓発

を図ります。

� 市民、町(内)会、NPOなど、多様な主体のまちづくりに関する活動を、広く市民に周知す

るとともに、ボランティアなどの社会貢献活動への参加機会に関する市民への情報提供を通

じ、若年層をはじめ、あらゆる年齢層のまちづくりへの参加・参画意識の高揚を図ります。

《市民参加・参画機会の拡充》

� 市の政策形成過程へ市民が参加・参画するパブリック・インボルブメントや市民によるワー

クショップなどの手法を活用し、市民が主体となって、市の政策・事業などを検討・立案す

る機会の充実を図ります。

� 附属機関など、政策検討機会への市民参加を進めるほか、市政運営の各過程(政策の形成、

実施、評価)において、市民が容易かつ継続的に参加・参画できる機会の充実を図ります。

※基準値は、前期基本計画で用いた「市の政策などに関する審議会における公募委員割合」

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

附属機関等への市民参加割

合 市民の意見を市政に反映すること及び

市の基本的な方向性や新たな方針・指

針を検討する過程において市民意見を

反映することを目的とする附属機関等

における公募委員割合

20.4% (平成27年度)

50.0%

市政運営への参加のしやすさに

対する満足度 市政運営に参加しやすいと思う市民の

割合(市民意識調査)

6.8% (平成27年度)

10.0%

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第2項 市民との情報共有の充実

《積極的な情報提供》

� 市民が参加する会議などの機会や市の広報媒体を活用し、政策や方針などについての政策形

成過程からの積極的な情報提供・情報公開を行います。

� 本市の保有するデータを、機械判読可能な形で市民に公表し、二次利用を促進することによ

り、市政の透明性・信頼性の向上を図ります。

� 公文書などについて、法や条例などの関係規定に基づいた、公正かつ適切な情報開示を行い

ます。

《効果的な情報提供の推進》

� 市民が知りたい情報・市民に伝えたい情報と、その効果的な提供方法を的確に把握しながら、

広報媒体を選択するとともに、情報提供の際には、「伝える」ことに重点を置き、視覚的な

工夫などを通じ、市民視点に立った分かりやすい情報提供を行います。

� ホームページやメールマガジン、SNSのほか、広報紙、ラジオ、テレビ、新聞など、多様な

媒体を活用した広報機能の充実を図るとともに、年齢や地域性などによる情報格差に配慮し

た情報発信を行います。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

市ホームページへのアクセス数 市ホームページにおけるコンテンツア

クセス件数

9,452,933件 (平成26年度)

12,060,000件

市政情報の提供に対する満

足度 市政に関する必要な情報を得ることが

できていると思う市民の割合(市民意

識調査)

14.6% (平成27年度)

20.0%

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第3項 地域コミュニティの活性化

《担い手の確保》

� 地域に暮らすすべての住民の安全・安心や暮らしやすさの維持・向上を図るため、住民の参

画と協力に支えられている地域コミュニティの必要性について、広く市民に分かりやすく伝

えることで、さらなる地域コミュニティ活動への参加を促進します。

� 町(内)会をはじめとする地域活動団体の法人化や、市民活動団体の設立に向けた取組への

助言・情報提供など、地域において活動する団体や組織の育成を進めます。

� 地域コミュニティ活動を行う団体間の連携を促進し、交流を通じた情報共有を進めるととも

に、研修会などを通じて地域コミュニティを牽引する人材の発掘・育成を図ります。

《地域コミュニティ活動の促進》

� 地域の祭りや各種行事など、世代やライフスタイルの違いを超え、地域住民が集うことがで

きる場づくりや環境づくりに対する支援を通じ、地域への誇りや愛着を醸成し、地域コミュ

ニティにおけるつながりを強める活動を促進します。

� 地域の特性やニーズに応じ、地域が所有・管理する市民館の運営やコミュニティ活動に対す

る支援などを通じ、地域の実情に応じた、地域のコミュニティ活動の促進に向けた環境づく

りを進めます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

社会活動に参加したことが

ある市民の割合 1年間に、NPOやボランティア、町(内)

会などの社会活動に参加した市民の割

合(市民意識調査)

21.6% (平成27年度)

24.6%

町(内)会加入率 全世帯数に占める町(内)会に加入して

いる世帯数の割合

71.6% (平成27年度)

71.6%

地域コミュニティの活性化

関連事業による活動数 町(内)会などの地域コミュニティが、

地域コミュニティの活性化を目的とした

市の事業を活用して行った活動件数

163件 (平成27年度)

188件

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第4項 多様な主体の連携協働によるまちづくりの推進

《多様な主体の役割分担》

� 市民や各種団体など、多様な主体が力を合わせた市民自治の実現に向け、市民と共に、本市

のまちづくりに関する基本理念や基本原則を明らかにし、市民の権利と責務、議会と行政の

責務など、まちづくりの基本的事項を定めた『(仮称)まちづくり基本条例』に基づき、市

民・議会・行政が、担うべき役割を果たしていくことができる環境づくりを進めます。

《教育・研究機関との連携》

� 青森公立大学をはじめとする連携協定を締結している地元の4つの大学などとの連携を通

じ、政策形成をはじめとするまちづくりへ教育・研究機関の豊富な知識や技術、人材、機能

などの活用を進めます。

� 市内の大学が実施する市民を対象とした公開講座の活用などを通じ、地域の住民が行う社会

活動を支援するなど、地域による公共的活動を促進します。

《多様な主体が連携する環境づくり》

� 行政をはじめ、市民やボランティア、NPO、民間企業、大学など、まちづくりの多様な主体

のネットワーク化を進めるとともに、パートナーシップの育成に向けた交流・活動への支援

を通じ、協働によるまちづくりを創造することができる環境づくりを進めます。

� 市民、町(内)会、各種団体などと行政が連携・協働するとともに、地域における多様な主

体が共にまちづくりを進める地域づくり組織の育成・活動を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

市民活動団体との連携事業数 市が市民活動団体と連携して実施した

事業数

28件 (平成27年度)

34件

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第1章 市民と共に築く 市民のための自立したまち

第2節 効果的・効率的な行政経営

� 本市は、国・地方を通じた厳しい財政環境に対して、市民自治の仕組みづくりや、限りある

経営資源を効果的・効率的に活用するなど、将来世代に責任を持てる行財政運営基盤の確立

を目指して取組を進めています。

《行財政改革の状況》

� 厳しい財政環境の中で、限りある経営資源を有効に活用しながら、多様化する市民ニーズや

新たな課題などにも迅速かつ的確に対応していくとともに、財政基盤の確立と効果的・効率

的な行政経営を目指し、『青森市行財政改革プラン2016』に基づいた取組を着実に進める必

要があります。

《行財政運営の状況》

� 社会保障費の増大などによる財政の硬直化や人口減少の影響などによる税収減少など、財政

環境の厳しさが増しており、将来にわたり、市民ニーズに的確に対応していくためには、こ

れまでの枠組みに捉われない柔軟な行政サービスを展開する必要があります。

� また、このような状況の中、市民生活の安定を図っていくためには、市民視点に立ち、民間

企業などと連携しながら限られた経営資源をこれまで以上に効果的・効率的に活用し、戦略

的な行財政運営を進める必要があります。

《組織体制の状況》

� 少子高齢化の進展や、生産年齢人口が減少する中で、多様化する市民ニーズや新たな行政課

題へ対応するため、限られた経営資源の中で、中長期的な視野に立ち優先度の高い分野に経

営資源を投入していく選択と集中の戦略型の行政運営を確実に実施していく組織体制の構

築と人材の育成を進める必要があります。

《行政サービスの利用環境の状況》

� 本市の広大な行政面積や、全域が特別豪雪地帯であるという特性、市民ニーズの多様化や高

齢化が進展している現状などを踏まえ、市民の利便性の向上の観点から、身近な公共施設や

ICTを有効に利活用するなど、誰もが容易に行政情報を手に入れられ、行政サービスを利用

しやすい環境の充実を図る必要があります。

《行政サービスの担い手の状況》

� 様々な環境変化や多様化する市民ニーズに対応し、サービス水準の確保と効果的・効率的な

行財政運営を図るため、今後も積極的に、行政サービスを共に担い得る民間企業やNPOなど

の民間活力を活用していく必要があります。

市民ニーズの的確な把握のもと、市民視点の効果的・効率的な行財政運営を進めるとともに、

市民の期待に応えることができる人材の育成と組織体制づくりを進めます。

また、ICTや身近な公共施設などを有効活用しながら、誰もが行政サービスを利用しやすい

環境づくりや、行政サービスの質的・効率的向上に向けた民間活力の活用を進めます。

現状と課題

基本方向

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17

効果的・効率的な

行政経営

第4項 行政サービスへの民間活力の活用

第1項 戦略的な行財政運営

第2項 職員の能力開発と組織の活性化

第3項 行政サービスの利便性の向上

施策の体系

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18

第1項 戦略的な行財政運営

《持続可能な財政運営》

� 未利用公有財産の計画的な売却・活用など、自主財源の確保に向けた取組を進めるとともに、

市民の経済的事情などに応じた市税や使用料の納付相談の受付や、コールセンターによる納

付勧奨などを通じた収納対策の強化を図ります。

� 中期財政計画において設定した目標に基づいた取組を進め、健全な財政運営を図ります。

《効果的・効率的な行政運営》

� 施設の管理運営体制の見直しや、ファシリティマネジメントの推進、内部事務の適正性の確

保と併せた効率向上など、現状を不断に見直し、行政運営の最適化を進めます。

� 市民視点に立つとともに、社会・経済環境を踏まえ、優先度を見極めた施策の重点化や、事

業の選択と集中などを通じ、効果的・効率的な経営資源の投入による戦略的な施策展開を図

ります。

� PDCA マネジメントサイクルを基本とした行政経営の仕組みのもと、人や物、費用、ノウハ

ウなど、経営資源を効果的・効率的に活用するとともに、市政運営に、市民をはじめとする

ステークホルダーの声を反映します。

� 監査業務の高度化などを通じ、自律的チェック機能を強化するとともに、行政経営に関する

情報を組織内外に公表するなど、行政運営におけるプロセスの透明性とアカウンタビリティ

の充実を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

実質単年度収支 単年度収支から、実質的な赤字・黒字

要素(基金積立、基金取崩し、市債繰

上償還)を加減したもの

△35.4億円 (平成26年度)

黒字

財政調整のための基金残高 財政調整積立金、市債管理基金、公共施

設整備基金の合計額

70.9億円 (平成26年度)

50.0億円

基礎的財政収支 市債などの借金や基金取崩しなどを除

いた歳入と、過去の借金の元利払いや

基金積立を除いた歳出との差(臨時財

政対策債を除く)

△19.6億円 (平成26年度)

黒字

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19

第2項 職員の能力開発と組織の活性化

《組織体制の強化》

� 常に最適な組織体制を構築するとともに、縦割の弊害を排除し、社会・経済情勢の変化や多

様化する市民ニーズ、高度化する行政課題などに的確かつ柔軟に対応できる、市民にわかり

やすく、機能的な組織体制を構築します。

� 行政サービスの安定的な供給や行政需要への対応に必要な人員の確保を図りながら、業務の

効率化などによる人員配置の見直しを行うとともに、事務処理能力の低下を避けるため繁忙

期を考慮した異動時期の弾力化に継続的に取り組みます。

《市民の期待に応えられる人材の育成と確保》

� 適正な評価に基づき、職務の割当てや自発的な能力開発を効果的に行うほか、高い使命感と

倫理観や時代に即した市民感覚を持ち、柔軟な思考力のもと、市民の立場に立ったよりよい

対応をするための努力を怠らないなど、市民から信頼される職員の育成を図ります。

� 職員が積極的に改革・改善に挑戦できるように職員提案制度の充実を図り、職員のやる気や

改革・改善に取り組む組織風土づくりを推進します。

� コンプライアンス研修をはじめ、多様な職員研修や人事交流を通じ、市職員としての意識改

革(モラルやモラールの高揚など)や、知識・技術の習得などの能力開発を進めます。

� 社会環境の変化や多様化する市民ニーズに対応するため、職員一人ひとりの資質向上に努め

るとともに、女性管理職登用など女性職員の活躍を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

職員提案制度における提案

数 1年間に職員が提案制度により提案し

た数

11件 (平成27年度)

29件

研修を受講した職員数 1年間に研修を受講した職員の数

1,353件 (平成26年度)

1,914件

青森市における課長相当職

以上に占める女性の割合 青森市役所における課長級以上の女性

の割合

11.6% (平成27年度)

16.4%

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20

第3項 行政サービスの利便性の向上

《行政サービス提供機能の充実》

� 市民ニーズの的確な把握のもと、市の公共施設における機能充実や、市民の身近にある公共

的な施設などの既存ストックの活用を基本とし、市民が利用する窓口や施設の業務時間を柔

軟に設定するなど、行政サービス提供機能の充実を図るとともに、民間活力などの活用によ

る行政サービスの利便性の向上を図ります。

� 市民をはじめとする来庁者を窓口などの目的の場所へ案内する庁舎内表示のわかりやすさ

の向上や、新庁舎での総合窓口化などにより、きめ細かな配慮を行い、市民が気持ちよく利

用できる行政サービス提供窓口を構築します。

《ユビキタスネット社会への対応》

� 自動交付機による各種証明書の発行や申請・届出をはじめとした行政手続きの電子化やマイ

ナンバー制度の個人番号カードを利用した各種証明書のコンビニエンスストアでの交付の

検討など、ICTを活用した行政サービス提供環境の充実について、費用対効果や市民ニーズ

などを踏まえ、ユビキタスネット社会に対応した行政サービスの高度化を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

市の窓口サービスの利用し

やすさに対する満足度 市役所の各課で提供している(申請・

届出などの)窓口サービスが利用しや

すいと思う市民の割合(市民意識調査)

23.7% (平成27年度)

30.0%

情報通信技術を活用した行政

サービスを利用したことのあ

る市民の割合 インターネットによる申請・届出書類

の入手や、自動交付機での証明書交付

などを利用したことがある市民の割合

(市民意識調査)

33.9% (平成27年度)

36.0%

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21

第4項 行政サービスへの民間活力の活用

《最適な担い手への積極的な開放》

� 民間の能力を活用しつつ、行政サービスの質的・効率的向上に向け、青森市版市場化テスト

や公の施設への指定管理者制度の導入のほか、PFI手法の積極的活用などを通じてアウトソ

ーシングを進め、最適な担い手による行政サービスの提供を積極的に進めます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

新たに外部化を実施する事業数 『青森市行財政改革プラン2016』に掲

げる、新たに外部化(PFI手法や指定管

理者制度導入施設、業務のアウトソー

シングなど)を行う事業数(累計)

20事業 (平成27年度)

28事業

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第2章

健やかで心安らぎ

人と人がつながり支え合うまち

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23

第2章 健やかで心安らぎ 人と人がつながり支え合うまち

第1節 保健・医療の充実

� 平成22年の本市の平均寿命は、男性が76.5歳、女性が85.2歳で、男女ともに国・県の平

均を下回っております。疾病別の死亡順位は、第1位が悪性新生物、第2位が心疾患、第3

位が脳血管疾患となっており、いずれも全国より高い割合となっています。

� このような中、本市では「元気都市あおもり健康づくり推進計画―健康アップあおもりプラ

ン―」に基づき、働き盛り世代の死亡の減少と、健康寿命の延伸に向けた取組を進めていま

す。

� 本市の自殺死亡率は全国の自殺死亡率を上回る数値で推移しているものの、平成22年から

は減少傾向にあります。

� 増大する医療需要に対応するため、国が医療制度の改革を行うなど、医療を取り巻く環境が

大きく変化するとともに、市民の医療に対するニーズが多様化する中、本市の医療について

は、県の基幹病院である県立中央病院や地域の中核病院である青森市民病院などの医療施設

が充実しているほか、市医師会の協力により、休日・夜間の初期救急医療を担う急病センタ

ーの運営や二次救急医療を担う病院群輪番制の運用などに取り組んでいますが、地域医療の

重要な担い手である医師・看護師などの医療従事者の確保対策や在宅医療の充実が求められ

ています。

《健康づくりの状況》

� このような中で、健康づくりについては、心身ともに健やかに生活できる社会を実現するた

め、市民が地域において主体的に健康づくり活動に取り組むための環境づくりや、食生活や

運動習慣、喫煙などの生活習慣の改善による生活習慣病の予防、さらには健診・検診の受診

率向上に向けて取り組むほか、自殺予防を含めたこころの健康づくりを進める必要がありま

す。

� また、原因不明であり、治療方法も確立していない難病患者や長期にわたり療養を必要とす

る小児慢性特定疾病の子ども、その家族の療養上の不安を軽減するための支援の充実を図る

必要があります。

《感染症対策の状況》

� 感染症対策については、これまでの感染症に加え、新型インフルエンザなどの新たな感染症

などへの対応も必要となっており、市民の健康被害を最小限に抑えるため、感染症の予防や

まん延防止に向け、迅速かつ的確に対応していく必要があります。

《地域医療の状況》

� 地域医療については、市民の適切な受診環境づくりを推進するため、適切な受診行動ができ

るよう、各医療機関の機能や役割など、医療に関する必要な情報の発信に努める必要があり

ます。

� また、患者の状態に応じた医療が提供できるよう医療機関相互の連携強化を推進するととも

現状と課題

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に、救急医療については初期救急医療から二次、三次(救命)救急医療へと適切に連携でき

る体制と機能の充実に努める必要があります。

� 地域医療を支える医師・看護師などの医療従事者の確保対策を推進する必要があります。

《国民健康保険制度の状況》

� 国民健康保険制度については、高齢社会の進展や医療の高度化に伴い、さらなる医療費の増

加が見込まれ、財政運営は厳しい状況にあることから、被保険者の健康維持増進及び医療費

の適正化を図るとともに、収納率の向上に努めるなど、構造的に財政基盤が脆弱である国民

健康保険財政の健全化を通じて安定的な運用を図る必要があります。

地域における健康づくり運動の促進をはじめ、生活習慣病の予防や疾病の早期発見・早期治

療を進めるとともに、こころの健康づくりのほか、感染症の予防とまん延防止対策を進めます。

また、持続可能な医療体制を構築し、適時適切な医療を受けることができる環境づくりを推

進するとともに、国民健康保険制度の健全で安定的な運営を進めます。

保健・医療の充実

第1項 生涯を通じた健康づくりの促進

第2項 感染症対策の充実

第3項 地域医療の充実

第4項 国民健康保険制度の安定的運用

施策の体系

基本方向

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第1項 生涯を通じた健康づくりの促進

《地域・学校・職域等連携による健康づくりの推進》

� 医師・歯科医師・薬剤師・保健師などによる健康管理の正しい知識を学ぶ機会の提供などを通じ、

健康に関する正しい知識を身につけ、効果的に活用する力であるヘルスリテラシー(健康教養)

の向上を図ります。

� 健康づくりのための人材育成の強化を図るとともに、人材を活用した市民主体の食や運動などの

健康づくり活動を推進します。

� 健康づくり活動を効果的に推進していくため、地域、学校、企業、行政などが連携し、市民が健

康づくりに取り組みやすい環境づくりを推進します。

《健診・検診受診率の向上》

� 健診・検診受診率の向上に向け、関係機関との連携のもと、生活習慣病予防に向けた各種健診・

検診を受診することの意義や重要性について啓発します。

� 市民主体の健康づくり活動における健診・検診を勧め合う環境づくりの推進のほか、健診・検診

及び精密検査未受診者への受診勧奨、事業者と協働した検診の啓発活動などを通じ、健診・検診

の重要性の普及啓発を図ります。

� 生活習慣病の早期発見と健康意識の高揚に向け、各種健診・検診の種類と内容などについて周知

するほか、特定健康診査とがん検診のセットの健診や土日の健診・検診の実施など、受診しやす

い健診・検診の環境づくりを推進します。

《生活習慣病の予防》

� がん、循環器疾患、糖尿病など予防可能な生活習慣病の発症予防と重症化予防のため、生活

習慣の改善に向けた各種情報の提供、保健相談・指導の充実などにより、市民が生活習慣の

改善や生活習慣病の早期発見のための健診・検診を受診し、受診結果に応じた適切な健康管

理に主体的に取り組むことを支援します。

� 市民が生涯を通じて適切な食習慣を身につけられるよう、地域における食生活改善のための取組

の支援や、食生活改善の推進に携わる人材の育成を通じて、バランスのとれた食の普及啓発を推

進します。

� 身体を動かすことや運動習慣の意義・必要性を普及啓発するとともに、運動の習慣づくりを推進

し、市民が気軽に運動に取り組めるよう、運動に取り組みやすい環境の整備を進めます。

� たばこの害と健康への悪影響に関する知識の普及と禁煙支援、受動喫煙防止対策を推進するほか、

過度の飲酒による健康への悪影響に対する取組を推進するとともに、未成年者や妊婦の飲酒防止

を啓発します。

� 歯と口腔の健康は全身の健康の保持増進に大切な役割を果たすことから、生涯を通じた歯・口腔

の健康づくりを進めるとともに、生活習慣病予防のための歯周病対策を進めます。

主な取組

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《こころの健康づくり》

� こころの健康を保つため、自身のこころの健康に関心をもち、上手にセルフケアができるよ

うストレスへの対処法などについて広く情報提供を行います。

� 自殺の要因になり得るうつ病への対応など、自殺予防に対する正しい知識の普及啓発を行う

とともに、相談窓口の周知や相談支援体制の充実を図ります。

� 精神保健福祉士や保健師などの関連窓口への分散配置などにより、市民がより身近なところで精

神保健福祉に関する相談ができる体制の充実を図ります。

《難病患者の支援》

� 難病患者や小児慢性特定疾病の子ども、その家族の療養上の不安の軽減を図るため、相談体

制の充実を図るとともに、保健・医療・福祉などの関係機関と連携し、難病患者などが地域

で安心して生活できるよう支援します。

参考データ

がん検診受診率 市民を対象としたがん検診

の対象者のうち受診した

市民の割合

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

胃 が ん 21.3%(平成26年度) 40.0%

肺 が ん 11.4%(平成26年度) 40.0%

大腸がん 37.7%(平成26年度) 40.0%

乳 が ん 27.1%(平成26年度) 50.0%

子宮頚がん 24.7%(平成26年度) 50.0%

指標とその説明 基準値 目標値

健康づくりサポーター数 健康づくりサポーター育成研修会を修

了した人数

120人 (平成26年度)

300人

(元気都市あおもり健康づくり推進計画)

がんの標準化死亡比 全国水準(100)と比較した本市の

がんの死亡比

(100以上の場合は全国平均より死

亡率が高く、100以下の場合には

死亡率が低いといえる。)

女性 116.3 100.0 (平成25年)

男性 122.5 100.0 (平成25年)

18.1

意識的に健康づくりに取り

組んでいる市民の割合 意識的に健康づくりに対して取り組ん

でいる市民の割合(市民意識調査)

66.4% (平成27年度)

72.4%

自殺者の割合 人口10万人当たりの自殺による死亡率

20.6 (平成26年)

26

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第2項 感染症対策の充実

《感染症の予防対策》

� 年齢に応じた各種予防接種を実施するとともに、国などとの連携による助成の実施などを通

じ、感染症の予防を推進します。

� 健康教育や研修会などの開催により、感染症の予防に対する知識の普及啓発を推進します。

《感染症のまん延防止対策》

� 感染症の検査・検診を実施し、早期発見・早期治療に繋げ、まん延防止に努めるほか、感染

症が発生した場合には、医療機関などとの連携のもと、発生状況やまん延の状態などを把握

し、迅速かつ的確に対応できる体制の充実を図り、適時適切な情報提供を推進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

結核罹患率 人口10万人当たりの結核発病者の割合

13.4 (平成26年)

10.0

麻しん・風しん予防接種の接

種率 麻しん・風しん予防接種の第2期(6歳

児)の予防接種を受けた子どもの割合

92.9% (平成26年度)

95.0%

27

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第3項 地域医療の充実

《持続可能な医療体制の構築》

� 県と連携し、県内自治体病院への勤務を条件として、弘前大学医学部入学生の修学を支援す

るとともに、高等看護学院での看護師の育成などを通じ、医療従事者の育成・確保対策を推

進することにより、医療体制の構築を図ります。

� 地域内における医療ニーズに安定して対応できる医療提供体制の構築を図るため、各医療機

関の機能分化と連携強化を推進します。

《適時適切な受診行動ができる環境づくり》

� 市の医師会・歯科医師会・薬剤師会との連携により、在宅医療の推進を図るとともに、初期

医療を担う「かかりつけ医」の普及啓発のほか、「かかりつけ薬局」の活用に向けた検討を

進めます。

� 青森市民病院をはじめとした各医療機関相互の役割分担と連携強化のもと、患者の状態に応

じた医療サービスが提供できる医療体制の構築を進めます。

� 市民が適切な受診行動が取れるよう、休日や夜間における在宅当番医など、生活に密着した

医療機関情報の提供を推進します。

� 輸血用血液の将来にわたる安定的な確保に向け、献血のPR活動や、若年層に対する献血へ

の深い理解と積極的な参加を促すための啓発活動を推進します。

《救急医療体制の充実》

� 市医師会との連携・協力のもと、休日・夜間の急病センターにおける初期救急医療の推進や、

入院救急医療を担う病院群輪番制の適切な運用のほか、救急患者の円滑な受入れに向けた医

療機関との連携の推進などを通じ、初期救急医療から三次(救命)救急医療へと適切に連携

できる体制の充実を図ります。

� 応急手当やAEDの使用方法の普及啓発に向けた救命講習の実施や、救急救命士の養成などに

よる搬送時における医療の高度化、さらには民間企業へのAED設置の促進などを通じ、病院

前救護体制の充実を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

医療体制への満足度 症状に応じて身近なところで適切な医

療が受けられると思う市民の割合(市民

意識調査)

26.8% (平成27年度)

31.8%

医師の割合 人口10万人当たりの医師の割合

214.4 (平成26年)

227.3

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第4項 国民健康保険制度の安定的運用

《適正な保険給付》

� 正確な資格管理や適切なレセプト点検による医療費などの適正な給付を推進します。

《被保険者の健康維持・増進》

� 被保険者の健康維持増進や医療費の適正化に向け、メタボリックシンドロームに着目した特

定健康診査や特定保健指導の実施のほか、人間ドックやがん検診の受診費用の一部助成など

を通じ、被保険者に対する健康診査の充実を図るとともに、生活習慣病のリスクが高い人に

対しては食生活や運動指導など、健康管理に関する訪問保健指導を推進します。

� 健康医療情報を活用し、被保険者の健康状態に即した効果的・効率的な保健事業を実施する

など、被保険者のさらなる健康保持増進を図ります。

《収納率の向上》

� 口座振替の推進のための取組を強化するほか、夜間納付相談の開催をはじめ被保険者の経済

的事情などに応じたきめ細かな納付相談を実施します。

� 広報あおもりや市ホームページなどの広報媒体を通じ、国民健康保険制度の趣旨の普及啓発

を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

特定健康診査受診率 40歳から74歳の青森市国保被保険者数

のうち、特定健康診査を受診した市民の

割合

39.5% (平成26年度)

60.0%

国民健康保険税収納率 当該年度課税分の国民健康保険税の収

納率

88.29% (平成26年度)

『(仮称)青森県国民健

康保険運営方針』を踏ま

え設定する値

特定保健指導実施率 特定健康診査受診者でメタボリック症

候群または予備軍と判定され、「要指

導」となった40歳から75歳未満の青

森市国保被保険者数のうち、保健指導

を終了した市民の割合

38.2% (平成26年度)

60.0%

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第2章 健やかで心安らぎ 人と人がつながり支え合うまち

第2節 高齢者福祉の充実

� 本市の老年人口の割合は、「国立社会保障・人口問題研究所」推計(平成 25 年 3 月)では、

平成27年に28.2%に達し、基本構想の目標年次である平成32年には 31.5%となることが

予想され、今後、高齢化がさらに進展するとともに、高齢者単身世帯及び高齢者夫婦世帯の

増加が見込まれています。

� 本市では、高齢者に関する福祉施策と介護保険制度を一体的に推進するため、平成 27 年 2

月に『青森市高齢者福祉・介護保険事業計画第6期計画』を策定し、高齢者施策の推進や介

護保険事業の適正な運営に努めています。

《高齢者の地域生活の状況》

� このような中で、高齢者の尊厳を保持し、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続ける

ことができるよう医療・介護、介護予防、住まい及び日常生活の支援が包括的に確保される

地域包括ケア体制の充実を図る必要があります。

《高齢者の生きがいづくりの状況》

� また、活力ある超高齢社会の構築に向け、高齢者が社会から孤立することなく、これまで培

った知識、経験などを活かしながら、多様な社会参加により、社会の構成員の一人として持

てる力を十分に発揮し、元気にいきいきと生きがいを持った生活を送ることができる環境づ

くりを進める必要があります。

《介護サービスの状況》

� さらに、介護を支える重要な担い手である介護従事者を育成し、高齢者が安心してサービス

を受けることができるよう、持続可能な介護体制の構築や、サービスの適正化と質の向上を

図るとともに、介護保険財政の健全化と安定的な運用を図る必要があります。

高齢者が、住み慣れた地域で安心して自立した暮らしができるとともに、健康で生きがいを

持って積極的に社会参加し、必要な福祉サービスを安心して受けることができる環境づくりを

進めます。

また、利用者が、介護サービスを安心して利用できる持続可能な介護体制の構築と介護保険

制度の安定的な運営を進めます。

現状と課題

施策の体系

基本方向

高齢者福祉の充実

第1項 地域包括ケア体制の充実

第2項 高齢者の生きがい・元気づくり

の充実

第3項 介護サービスの充実

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第1項 地域包括ケア体制の充実

《多様な主体による生活支援の充実》

� 高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、各種相談に適切に対応しながら、

日常生活に不安のある高齢者や高齢者を介護する家族などに対する高齢者福祉サービスの

提供を通じて高齢者の生活を支援します。

� 高齢者の多様化するニーズにきめ細かに対応するため、住民や社会福祉法人、社会福祉協議

会、老人クラブ、シルバー人材センター、民間企業、NPO など、多様な主体による生活支援

サービスの提供体制づくりを推進します。

《地域包括ケア体制の構築》

� 市内11の日常生活圏域に設置されている地域包括支援センターを中心としたネットワーク

を活かした医療、介護、介護予防、住まい及び日常生活の支援が包括的に確保される環境づ

くりを進めることにより、高齢者の安心な暮らしを守る拠点機能の充実を図ります。

� 各地域包括支援センターの統括調整や人材育成、後方支援などの役割を担う基幹型地域包括

支援センターを設置し、各地域包括支援センターの相談支援体制の強化を図ります。

� 地域における医療・介護の関係機関が連携して、包括的かつ継続的な在宅医療・介護を提供

することができるよう、多職種協働により在宅医療と介護サービスを一体的に提供する体制

の構築を図ります。

≪高齢者の尊厳の保持≫

� 認知症の正しい知識の普及啓発の推進、認知症の早期発見・早期対応のための支援体制の強化、

などにより、認知症高齢者やその家族を支える地域づくりを推進します。

� 権利擁護意識の啓発活動、成年後見制度の利用支援、市民後見人支援体制の強化などにより、

高齢者の権利擁護、生活支援を推進します。

� 高齢者虐待防止の普及啓発とともに、高齢者虐待の早期発見・早期対応できるよう、関係団

体との連携を強化します。

� 高齢者の安全確保のため、民生委員・児童委員など地域関係団体や民間事業者との連携のも

と、日常的な見守り体制を強化し、必要に応じて速やかに各種支援を行うとともに、行方不

明高齢者の早期発見に向けた情報提供体制の整備や近隣自治体との協議を行いながら広域

的な連携体制の構築を図ります。

《高齢者福祉施設サービスの充実》

� 民間事業者と連携し、高齢者のニーズに応じた施設機能の充実を図るとともに、施設整備な

どに対する支援や、施設利用者負担への支援などを通じ、必要な施設サービスの提供を促進

します。

� 高齢者が、さまざまな人との交流などを通じて地域と共生し、心豊かに安心して利用できる

施設環境づくりを促進します。

主な取組

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32

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

施設入所待機者の割合 要介護度4または5の要介護認定者のう

ち、在宅の待機者の割合

3.3% (平成27年度)

2.9%

高齢者福祉に関する満足度 高齢者の介護や在宅支援などのサービ

スが利用しやすいと思う市民の割合(市

民意識調査)

12.0% (平成27年度)

15.2%

地域包括ケアのネットワークに加わった関係団体・関係者数 地域ケア会議を通じて地域包括ケアのネットワークに加わった関係団体及び関係者の延べ人数

1,841人 (平成26年度)

2,254人

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第2項 高齢者の生きがい・元気づくりの充実

≪就業機会の創出≫

� 高齢者の就業機会の確保や生きがいづくりに積極的に取り組んでいる青森市シルバー人材

センターへの支援を継続するなど、関係機関と連携を図りながら高齢者の就業意欲の向上及

び就業機会の創出を図ります。

《社会活動への参加促進》

� 高齢者が、これまで培ってきた知識や経験を活かし、社会の構成員の一人として持てる力を十

分に発揮し、元気にいきいきと生きがいを持って活躍できるよう、関係機関などと連携を図り

ながら、高齢者の多様な社会参加を促進します。

� 市営バスなどの利用に対する支援などを通じ、高齢者が安心して外出し、積極的に社会参加

できる環境づくりを推進します。

《介護予防の推進》

� 介護予防に関する正しい知識の普及啓発に努めるほか、身近な地域で介護予防の取組を担う

ボランティア人材を育成するなど、高齢者が地域において主体的に介護予防活動に取り組め

るよう支援します。

� 住民自らの主体的な取組や関係団体と連携しながら介護予防活動内容の充実を図ることな

どにより、地域のつながりを維持し、身近な場所で生きがいづくりと介護予防活動に取り組

めるよう支援します。

� 高齢者の多様化するニーズにきめ細かに対応するため、関係団体と連携し、多様な主体によ

る多様な介護予防・生活支援サービスの提供体制づくりを推進します。

※「高齢者のボランティア数」の把握は平成28年度からであるため、基準値は掲げません。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

高齢者の社会参加と自立に

関する満足度 高齢者が就労や社会参加を通じ、健康

で生きがいを持って生活できると思う

市民の割合(市民意識調査)

7.5% (平成27年度)

8.6%

高齢者のボランティア数※ 青森市ボランティアセンターにボラン

ティア登録を行った65歳以上の高齢者

767人

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第3項 介護サービスの充実

《持続可能な介護体制の構築》

� 国・県及び関係団体と連携し、介護サービス従事者に対する研修や就労あっせんに関する情

報提供などを通じ、介護従事者の育成・確保を促進するとともに、資質の向上を図ります。

� 生活支援・介護予防サービスの担い手を育成・確保し、多様な主体による生活支援・介護予

防サービスの提供体制の構築を推進します。

《適正なサービス提供体制の確立》

� 介護サービスを必要とする高齢者を適切に認定し、高齢者が必要とする過不足のないサービ

スが提供されるよう、適切な給付と介護保険制度の信頼を確保し、持続可能な介護保険制度

の構築を図ります。

� ケアマネジメントの質の向上などを通じ、適正な介護サービスの提供や介護サービスの質の

向上を図ります。

� 介護サービス事業所の適正な運営の徹底に向け、指導監督体制の強化とともに、市や地域包

括支援センターなどが身近な相談機関として対応するなど、関係機関との密接な連携のもと、

介護サービスの質の確保を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

高齢者福祉に関する満足度

〔再掲〕 高齢者の介護や在宅支援などのサービ

スが利用しやすいと思う市民の割合

(市民意識調査)

12.0% (平成27年度)

15.2%

施設入所待機者の割合〔再

掲〕 要介護度4または5の要介護認定者の

うち、在宅の待機者の割合

3.3% (平成27年度)

2.9%

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35

第2章 健やかで心安らぎ 人と人がつながり支え合うまち

第3節 障がい者福祉の充実

� 本市の障がい者手帳の交付状況は、平成24年には16,904人、平成25年には17,319人、平

成26年には17,843人と年々増加傾向にあります。

� 本市では、障がい者が自立した生活を営めるよう、必要なサービスの充実を図るとともに、

誰もが安心して暮らすことのできる地域社会の実現を目指し、『(仮称)青森市障がい者計画』

及び『青森市障がい福祉計画』に基づき、各種施策に取り組んでいます。

《障がい者の地域生活・福祉サービスの状況》

� このような中、障がい者が、住み慣れた地域で安心して自立した生活を送り、地域社会の一

員としてさまざまな人との交流などを通じて共生して暮らすことができるよう、生活支援の

充実、相談支援体制の充実により、ニーズに応じたきめ細かなサービスの提供を図るととも

に、関係者が連携して虐待防止に努めるほか、地域における居住支援のための機能を集約す

るなど、地域での生活を包括的に支援する体制を充実する必要があります。

《障がい者の社会参加・就労の状況》

� また、障がい者が他の人と等しく、自らの決定・選択に基づき、社会のあらゆる分野の活動

に参加しやすい環境づくりと就労の促進に向け、取り組む必要があります。

障がい者が、住み慣れた地域で安心して自立した暮らしができるとともに、持てる能力を最

大限活かし、生きがいを持って積極的に社会参加できる環境づくりや、就労の促進を図ります。

また、障がい者のニーズに応じた必要な福祉サービスを安心して受けることができる環境づ

くりを進めます。

障がい者福祉の充実

第1項 障がい者の地域生活支援の充実

第2項 障がい者の自立した生活の確保

現状と課題

施策の体系

基本方向

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36

第1項 障がい者の地域生活支援の充実

《障がい者の権利擁護》

� 障害者差別解消法の施行を踏まえ、国の基本方針に即した対応要領の作成や市民への啓発活

動など、障がいを理由とする差別の解消に向けた取組を推進します。

� 障がい者の虐待防止のため、青森市障がい者虐待防止センターと関係機関との連携協力によ

り、速やかに対応できる体制を確保するとともに、虐待防止に関する意識啓発を図ります。

《相談支援の充実》

� 関係機関と連携しながら、多様なニーズに対し総合的にサービスを提供できる相談支援体制

を構築し、身近な地域で気軽に相談できる体制の充実を図ります。

� 相談支援事業所をはじめとする保健・医療・福祉・教育などの分野が連携を図り、障がい者

のニーズに合った多様なサービスを総合的・一体的に提供する体制を構築します。

� 施設入所者などの地域生活への移行を促進するため、関係機関との連携を強化するほか、障

がいに対する理解の促進を図り、地域生活への移行を促進します。

《生活支援の充実》

� 障がいの状況に応じて必要となる日常生活用具や、身体の機能の障がいなどを補う装具に対

する支援のほか、入浴サービスやホームヘルプサービスをはじめとするさまざまな訪問サー

ビスの提供などを通じ、障がい者のニーズや特性に対応したきめ細かな日常生活支援及び

社会生活支援の充実を図ります。

� 障がいの早期発見、早期療育を行うとともに、発達障がいや情緒障がいなど障がいのある子

どもや家族のニーズを把握し、関係機関との連携のもと、成長段階に応じた相談・支援によ

り、生涯を通じた切れ目ない総合的なサービスの提供を図ります。

� 障がい者の地域生活支援をさらに推進していくため、サービス提供事業者などと連携しなが

ら、地域における居住支援機能の集約など、地域での生活を包括的に支援する体制の充実を

図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

障がい者福祉に関する満足度 障がいのある方が自立した生活を送る

ための福祉サービスが利用しやすいと

思う市民の割合(市民意識調査)

6.0% (平成27年度)

7.0%

障がい者福祉に関する相談

者数 障害者相談支援事業、障害児等療育支

援事業、精神保健福祉相談事業におけ

る相談者実人数

1,551人 (平成26年度)

1,921人

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第2項 障がい者の自立した生活の確保

《社会参加の促進》

� 外出時や移動時における支援の充実、手話通訳者や要約筆記者の派遣など、障がいの特性に

応じた意思疎通の手段を確保するとともに、意思疎通支援を行う方を養成します。

� 障がい者が利用しやすい施設環境づくりや、各種イベントの開催促進などさまざまな支援に

より、スポーツ・レクリエーションや文化・芸術活動などへの参加機会の拡大と交流機会の

充実を図ります。

《就労の促進》

� 障がい者のニーズや特性に応じ、就労に必要な知識や能力向上のための訓練、相談などによ

り一般就労に円滑に移行できるよう支援を行うとともに、一般就労が困難な方については、

創作的活動や生産活動などの福祉的就労への支援を行います。

� 障がい者雇用に向けた企業の意識醸成のため、公共職業安定所をはじめとする青森労働局な

どの関係機関と連携により、障がい者の受け入れ準備のための手法や国の支援制度の情報提

供などを行い、一般企業への雇用促進を図ります。

� 障がい者の市職員への採用や障害者雇用促進企業の優先取扱などに努めながら、障がい者雇

用の拡大を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

障がい者の社会参加と自立

に関する満足度 障がいのある方が就労や社会参加を通

じて、生きがいを持って生活できる環

境が整っていると思う市民の割合(市

民意識調査)

4.4% (平成27年度)

5.2%

民間企業における障がい者

の雇用率 青森公共職業安定所管内の常用従業員

規模50人以上の民間企業で雇用してい

る労働者数に占める障がい者の割合

1.86% (平成27年度)

2.00%

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第2章 健やかで心安らぎ 人と人がつながり支え合うまち

第4節 子ども・子育て支援の充実

� 本市の出生数は、第2次ベビーブームである昭和48年の5,087人をピークに減少傾向が続

き、平成26年では半分を大きく下回る2,020人となっており、合計特殊出生率については

1.31と、やや回復の兆しがみられるものの、全国平均や青森県の1.42を下回っています。

� 核家族化や地域コミュニティの希薄化などにより、家庭や地域での子育て機能が低下し、子

どもや子育て世帯を取り巻く環境は、必ずしも子どもの成長にとって良好とは言えない状況

が生じているとともに、女性の社会進出の進展や就労形態の変化などにより、保育に対する

ニーズはますます多様化しています。

� 平成27年 4月からの子ども・子育て支援新制度の開始に伴い、本市においても、多様なニ

ーズに基づき、認定こども園・幼稚園・保育所などにおける乳幼児期の教育・保育の提供や、

一時預かり、子育てサービスの円滑な利用に向けた支援などの地域の子ども・子育て支援の

実施などを通じて、子育て環境の一層の充実に取り組んでいます。

� また、地域の中で子どもたちが楽しく安全に過ごすことができる活動拠点として、保護者な

どのニーズに応じて放課後児童会や放課後子ども教室を開設しているほか、児童館、児童室

などを開設し、すべての小学校区で放課後の「子どもの居場所」を確保し、サービスの充実

を図っています。

《結婚から出産までの支援の状況》

� このような中で、少子化対策の一つとして、結婚を希望する人への支援や安心して妊娠・出

産できる環境づくりを進めるほか、母子の生命と健康を守るため、健康問題や養育環境など

に問題を抱えている家庭など、それぞれのケースに応じたきめ細かな保健対策に努める必要

があります。

《子ども支援の状況》

� 子ども支援については、全国的に児童虐待などの社会問題化や、地域の見守り機能の低下が

懸念されている中で、子どもの心身の健全な発達と主体的な活動を支えるため、子どもたち

が身近な地域の中で安全・安心に過ごすことができる「子どもの居場所」の確保や利用する

子どもや保護者などがきめ細かな情報を容易に入手できる環境づくりのほか、豊かで健やか

な育ちをはじめとする「子どもの権利」が保障される環境づくりに取り組む必要があります。

《子育て支援の状況》

� 子育て支援については、少子化が進行している中で、「子どもの貧困」対策のほか、ひとり

親家庭や仕事と子育ての両立など、さまざまな事情により悩みや不安を抱える子育て世帯を

地域全体で支え、安心して子育てができる環境づくりを進める必要があります。

現状と課題

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39

子どもが自ら考え、主体的に活動し、健やかに成長、発達できる環境づくりを進めます。

また、仕事と子育ての両立を含め、安心して子どもを産み育てることができるよう、多様な

ニーズに応じた子育て支援を行うほか、地域全体で子育てを支える環境づくりを進めます。

子ども・子育て支援の

充実

第1項 妊娠・出産支援の充実

第2項 子ども支援の充実

第3項 子育て支援の充実

施策の体系

基本方向

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第1項 妊娠・出産支援の充実

《結婚を希望する人への支援》

� 少子化の一つの要因とされる未婚化・晩婚化の対策として、県などが実施する取組との連携

を通じて、結婚を希望する男女が出会う機会づくりの支援を行います。

《安心して妊娠・出産できる環境づくり》

� 母子健康手帳の交付や保健師による妊産婦の訪問指導など、地域における保健指導・相談体

制の充実を図ります。

� 妊婦健診の無料化による妊娠・出産にかかる経済的負担の軽減をはじめ、国や県と連携しな

がら不妊に関する相談指導や不妊治療に関する情報提供、特定不妊治療にかかる経済的負担

の軽減を進めるなど、出産しやすい環境づくりと不妊治療への支援を推進します。

《乳幼児の健康支援の充実》

� 心と体を育む上で特に重要な時期である乳幼児期において、医師、保健師、栄養士などによ

る乳幼児(4か月児・7か月児・1歳6か月児・3歳児)健康診査や保健師による訪問指導な

どを通じて、乳幼児の心身の発育・発達の遅れなどの早期発見・早期治療を図るとともに、

疾病により長期にわたり療養を必要とする児童などを対象とした医師、保健師、栄養士によ

る専門相談など、子どもの健やかな成長に向けた保健指導体制の充実と切れ目のない支援を

行います。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

産婦の訪問指導実施率 保健師による産婦への訪問指導した割

83.2% (平成26年度)

90.0%

乳幼児健診の受診率 4か月児・7か月児・1歳6か月児・3

歳児健康診査を受診した子どもの割合

97.6% (平成26年度)

99.0%

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41

第2項 子ども支援の充実

《子どもの権利が保障される環境づくり》

� 『青森市子どもの権利条例』及び『(仮称)青森市子ども総合計画』に基づき、子どもの権

利の普及啓発、自由かつ創造的な遊びをはじめとする子どもの主体的な活動の機会や相談体

制の充実を図るほか、子どもに関わる施策の推進へ子ども自身が参画し、その役割を担うこ

とができるようにするなど、子どもが地域において心豊かで健やかに成長できる環境づくり

を進めます。

� 地域と行政、医療、福祉、教育などの関係機関が一体となって、児童虐待の発生予防、早期

発見・早期対応など、子どもや保護者に対し、適切な支援を行います。

《良好な子どもの居場所の確保》

� 児童館や児童遊園などの適正な運営管理とともに、保護者などのニーズに応じた放課後児童

会と放課後子ども教室の整備による「子どもの居場所」の確保や、効果的な情報発信を推進

します。

� 地域と連携しながら、身近な自然などの地域資源を活かした活動の実施を検討するなど、子

どもたちが地域の中で楽しく安全に過ごすことができる居場所づくりを進めます。

※新規意識調査項目であり、平成28年度実施結果をもって設定します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

子どもの活動拠点を利用し

た児童数 放課後児童会、放課後子ども教室、児

童館などを利用した延べ児童数

※平成27年度におけるこどもの活動拠

点数…105箇所

551,526人 (平成26年度)

651,847人

子どもの活動拠点に対する

満足度 本市の豊かな自然などを活かした子ど

もの遊び場や居場所など、充実した活

動拠点が確保されていると感じる市民

の割合(市民意識調査)

未測定

未設定※

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第3項 子育て支援の充実

《子育て支援の充実》

� 子育て家庭の多様なニーズに応じた乳幼児期の教育・保育の提供、延長・休日保育や病児一

時保育、一時預かりなどの取組を実施するほか、保育料軽減をはじめとする子育てにかかる

経済的負担の軽減など、子育て支援の充実を図ります。

� 子育て家庭が不安や悩み、孤立感を抱えることがないよう、すべての子育て家庭を支えるた

め、子ども支援センターと地域子育て支援センターが中心となり、認定こども園・幼稚園・

保育所などと連携し、地域全体で子育てを支援します。

� 子ども特有の疾病などについて、医療機関や関係機関などの連携強化を図るほか、出生率改

善の側面からも実施している子どもの医療費助成など、体制・経済の両面から子どもが医療

を受けやすい環境づくりを進めます。

《特に支援が必要な子どもや家庭への支援》

� 青森市ひとり親家庭等就業・自立支援センターの相談体制の充実を図るとともに、就業支援

をはじめ、ひとり親家庭などの自立に向けた取組や、国・県や関係機関などとの連携による

「子どもの貧困」対策など、世帯の実情に応じた支援の充実を図ります。

� 子どもの成長に不安や悩みを感じている家庭に対して、子ども支援センターが家庭訪問によ

る育児支援を行うほか、障がいのある子どもを持つ家庭に対しては、家庭訪問などによる療

育などの相談・指導や、障がいの特性に配慮した保育など、特に支援を必要としている子ど

もや家庭への支援を推進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

子育てに関する家庭訪問・相

談件数 子育てに不安のある家庭への訪問支援

及び子ども支援センターへの相談件数

4,390件

(平成26年度)

4,844件

子育て支援に対する満足度 子どもを安心して産み育てられる環境

が整っていると思う市民の割合(市民意

識調査)

9.5% (平成27年度)

12.0%

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第2章 健やかで心安らぎ 人と人がつながり支え合うまち

第5節 暮らしを支える福祉の充実

� 人口減少・少子高齢化の進展や核家族化の進行とともに、地域住民同士のつながりや相互扶

助機能が低下している中、本市では、『(仮称)青森市地域福祉計画』に基づき青森市社会福

祉協議会をはじめとした関係団体などとの連携のもと、地域福祉を担う人材の育成などに努

めるとともに、地域で活動している地区社会福祉協議会や民生委員・児童委員を中心に地域

福祉を展開しています。

� また、本市の生活保護受給者は、平成24年度には8,814人、平成25年度には8,865人、平

成26年度には8,879人と年々増加傾向にあり、平成26年度の本市の保護率は30.54パーミ

ルとなっており、国の保護率 17.1 パーミル、県の保護率 22.97 パーミルを大きく上回って

います。

《地域福祉の状況》

� このような中、高齢者や障がい者、子どもや子育てする人、生活困窮者など誰もが住み慣れ

た地域において安全に安心して暮らすことができるよう、関係団体などと連携を図りながら、

地域で共に支え合う意識の醸成や地域福祉の担い手の育成・確保、地域の中で支援やサービ

スが受けられる体制の充実を図る必要があります。

《生活困窮者の状況》

� 生活困窮者支援については、生活保護受給者を含めた生活困窮者の社会的・経済的な自立を

促すため、積極的に取り組む必要があります。

地域福祉の担い手の育成・確保を進めるとともに、地域福祉の活動拠点の充実や多様な主体

との連携により、地域で共に支え合い助け合う体制の充実を図ります。

また、生活困窮者の自立を促進します。

暮らしを支える福祉の

充実

第1項 地域福祉の充実

第2項 生活困窮者の自立促進

現状と課題

施策の体系

基本方向

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第1項 地域福祉の充実

《地域福祉の担い手の育成・確保》

� 地域の実情に応じた福祉サービスの提供のほか、将来を担う子どもたちに対する福祉教育の

充実や、市民に対して福祉についての関心及び理解を深める機会を提供することなどを通じ、

地域で支え合う意識づくり、権利擁護意識の向上を推進します。

� 青森市社会福祉協議会や地域福祉関係団体との連携のもと、地域福祉を推進していく担い手

を育成・確保するための仕組みづくりを進めるとともに、民生委員・児童委員やボランティ

アなどの活動について情報提供し、市民により深く理解し関心を持ってもらうことなどを通

じて、地域福祉を担う人材の育成・確保を図ります。

《地域福祉活動の充実》

� 地域の中で互いに支え合う体制づくりに向け、地域ごとの実情や住民のニーズを踏まえた支

援を行うことができるよう、青森市社会福祉協議会や地区社会福祉協議会をはじめ、地域団

体や関係機関が連携し、ネットワークの構築を図ります。

� 青森市福祉増進センター、青森市総合福祉センター、浪岡総合保健福祉センターや福祉館な

ど、地域における福祉活動機能の充実とともに、地域住民が活動しやすい環境づくりを図り

ます。

� 民生委員・児童委員、地区社会福祉協議会や社会福祉関係団体との連携を通じ、地域の身近

な相談窓口の充実を図るとともに、地域の状況に応じた各種支援制度や相談体制の充実を図

ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

人口1万人当りの福祉ボラン

ティア登録者の割合 市の人口1万人当りの青森市社会福祉

協議会への社会福祉ボランティア登録

者の割合

283.4 (平成26年度)

500.0

地域福祉に対する満足度 住み慣れた地域で安心して暮らすこと

ができると思う市民の割合(市民意識調

査)

9.2% (平成27年度)

13.4%

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第2項 生活困窮者の自立促進

《生活保護の適正実施》

� 制度の周知徹底に努めるとともに、訪問活動による被保護世帯の的確な生活実態の把握やケ

ースに応じた適切な生活指導を通じ、生活保護制度の適正な運用を推進します。

《生活困窮者の自立支援》

� 生活に困窮している人に対する相談体制の充実を図り、各種制度の利用に関する助言や情報

提供などを通じ、安定した生活を支援します。

� 生活保護に至る前の生活困窮者に対する就労支援などを行い、自立支援策の強化を図ります。

� 生活保護受給者の就労を支援するため、青森公共職業安定所などの関係機関との連携を図る

とともに、就労支援・相談員によるきめ細かな支援を行います。

� 関係機関と連携し、人や組織との関わりが希薄な人への社会参加の促進などの支援を通じ、

日常生活や社会生活における自立の促進を図ります。

※平成28年1月29日現在

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

生活保護廃止件数のうち自

立件数 年間の生活保護廃止件数のうち就労な

どによる自立件数

172件 (平成26年度)

197件

生活困窮者の就労者数 生活困窮者に対する就労支援対象者の

うち就労した人数

4人※ (平成27年度)

43人

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第2章 健やかで心安らぎ 人と人がつながり支え合うまち

第6節 ユニバーサル社会の形成

� 我が国は、社会・経済の成熟化に伴い、男女の社会における活動や個人の生き方が多様化す

る中、平成11年に『男女共同参画社会基本法』が制定され、本市においても、旧青森市に

おける『「男女共同参画都市」青森宣言』の趣旨を継承しながら、男女共同参画社会の実現

に向けた取組を進めるとともに、差別や偏見のない、誰もが暮らしやすい平和な社会の実現

に向けた取組を進めています。

� 本市には、約8百人の様々な国籍の人が居住していることや、近年の社会・経済のグローバ

ル化、外国人観光客の増加などにより、街で外国人を見かけることや、外国語の話し声が聞

こえてくることは珍しいことではなく、身近な地域社会においても異文化に接する機会が増

えています。

《男女共同参画の状況》

� 社会活動や個人の生き方が多様化する中で、性別による固定的な役割分担意識の解消に向け、

男女共同参画意識のさらなる浸透を図るとともに、女性の一層の社会参画や活躍の促進など

により、性別によらないあらゆる活動への参加拡大につながる環境づくりに取り組む必要が

あります。

《互いを尊重し支え合う社会の状況》

� 少子高齢化の進展や価値観の多様化が進む中で、一人ひとりの人権を尊重するとともに、ユ

ニバーサルデザイン化やノーマライゼーションの理念の普及により、誰もが安心して暮らし、

活動できるユニバーサル社会の形成に取り組む必要があります。

� 本市に在住するすべての人が、互いの文化や習慣の違いを認め合い、共に生きる多文化共生

のまちづくりを進めていく必要があります。

� 近年、増加傾向にあるDV、児童虐待及びインターネット上のいじめなど、あらゆる暴力のな

い社会づくりに取り組む必要があります。

《平和意識普及の状況》

� 戦争を知る世代が減少する中で、平和意識の醸成を図るとともに、青森空襲があったという

事実を風化させないため、次世代に平和の大切さを継承していく必要があります。

男女共同参画社会の形成を促進するとともに、性別や年齢、国籍、障がいの有無に関係なく、

誰もが社会の一員として互いを尊重し、認め、支え合い、共に生きる社会の形成や、平和の大

切さを次世代に引き継いでいくため、平和意識の高揚を図ります。

ユニバーサル社会の

形成

第1項 男女共同参画社会の形成

第2項 互いを尊重し支え合う社会の形成

第3項 平和意識の高揚

現状と課題

施策の体系

基本方向

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47

第1項 男女共同参画社会の形成

《総合的かつ計画的な推進》

� 『(仮称)青森市男女共同参画プラン』に基づき、男女共同参画社会の形成に向けた取組を

総合的かつ計画的に推進します。

《男女共同参画意識の醸成》

� カダール(男女共同参画プラザ)やアコール(働く女性の家)を拠点に、情報発信や啓発活

動を行うとともに、アンジュールなどの情報誌をはじめとする多様な媒体を通じて、男女共

同参画に関する理解を促進します。

� 幼児・義務教育や家庭教育などを通じて、子どもの頃からの男女共同参画意識を育みます。

� 男女が共に働き続けられ、充実した生活を送ることができるようワーク・ライフ・バランス

の意義を周知するとともに、その実現に向け企業や各種団体に働きかけを行います。

� 女性の採用・登用などの積極的な取組(ポジティブ・アクション)について、関係機関と

の連携のもと企業や各種団体に働きかけを行います。

《男女共同参画に向けた支援》

� カダール(男女共同参画プラザ)やアコール(働く女性の家)を拠点に、各種情報や活動す

る場の提供、他団体との交流や活動に関する助言などを通じて男女共同参画の実現に取り組

む団体の活動を支援し、活動団体との連携のもと、社会活動における男女共同参画の促進を

図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

男女共同参画に対する満足

度 男女共同の参画意識が職場や家庭にお

いて浸透していると思う市民の割合

(市民意識調査)

5.7% (平成27年度)

16.0%

男女共同参画意識啓発事業

への参加者数 男女共同参画に関する講座の受講者数

8,065人 (平成26年度)

9,300人

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第2項 互いを尊重し支え合う社会の形成

《ノーマライゼーション・人権擁護の推進》

� 小・中学生を対象とした「福祉読本」や人権啓発に関するリーフレットの配布などを通じた

啓発活動により、ノーマライゼーション理念と人権意識の普及啓発を図るとともに、人権擁

護委員による人権相談窓口を開設し、市民の人権擁護に努めます。

� 子ども・高齢者・障がい者に対する虐待及びインターネット上のいじめ、配偶者などへの暴

力、性的マイノリティに関する理解不足など、多様化する人権問題に適切に対応するため、

関係機関と連携し、人権意識の普及啓発を図るとともに、相談体制の充実を図り、あらゆる

暴力を許さない環境づくりを推進します。

� 高齢者や障がい者などが安全かつ快適に暮らすことができるよう、日常生活圏などのバリア

フリー化やユニバーサルデザインの導入を推進します。

《多文化共生の推進》

� 外国人住民に対する地域における情報や災害・防災情報などの多言語化をはじめとする生活

支援や、外国人住民に対する地域活動の情報提供などを通じた社会参加の促進を行うことに

より、外国人住民が地域社会の構成員として安心して暮らせる環境づくりを推進します。

� 市民に対する多文化共生の意識啓発を行うとともに、市民団体をはじめとする関係機関との

協働により開催するイベントなどを通じ、在住外国人との交流促進を図ります。

※新規意識調査項目であり、平成28年度実施結果をもって設定します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

ノーマライゼーションに対

する満足度 誰もが住み慣れた社会で普通の生活を

送ることができる街となっていると思

う市民の割合(市民意識調査)

8.5% (平成27年度)

10.2%

青森市 DV 相談支援センター

の周知度 青森市DV相談支援センターについて知

っている市民の割合

未測定

未設定※

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49

第3項 平和意識の高揚

《平和都市理念の普及啓発》

� 「青森市平和都市宣言」及び「非核・平和のまち宣言」に込められた平和への決意・願いを

具現化し、次世代に平和の大切さを継承していくために、「(仮称)青森市平和の日条例」を

制定し、継続的な平和施策を進めます。

� 戦争の悲惨さと平和の尊さを、関係団体と連携しながら先の大戦の戦没者を悼む機会などを

通じて市民に伝え、市民の平和意識の醸成を図ります。

� 学校における平和に関する指導などを通じて、子どもたちが、戦争をより身近なものとして

受け止め、平和と命の尊さへの理解を深め、平和を希求する態度を育成します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

平和関連事業に対する満足

度 戦争の悲惨さと平和の尊さへの理解が

深まり、平和意識の高揚が図られてい

ると思う市民の割合。(市民意識調査)

15.2% (平成27年度)

20.0%

平和に関する指導に地域教

材を活用している小・中学校

の割合 青森空襲などの地域教材を授業で取り

上げている市立小・中学校の割合

87.7% (平成26年度)

100%

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50

第3章

人々が集い活気にあふれ

地域に根ざした産業が躍動するまち

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51

第3章 人々が集い活気にあふれ 地域に根ざした産業が躍動するまち

第1節 農林水産業の振興

� 本市は、豊かな自然環境を活かして、全国有数の生産量を誇るリンゴ、農林水産省の「地理

的表示登録産品」の登録番号第1号として認定された「あおもりカシス」をはじめ、コメや

トマトなどの農業生産が展開されているほか、ホタテガイ養殖を主体に、ナマコなどの栽培

漁業などが展開されていますが、陸奥湾の高水温被害や大雨などの相次ぐ自然災害に加え、

輸入農産物の増加や環太平洋連携協定(TPP)をはじめとする経済連携の拡大による農林水

産業のグローバル化への対応など、農林水産業経営は厳しい環境におかれています。

� 特に、就業人口の減少が著しい農業においては、平成12年の6,955人に対し、平成22年に

は 4,679 人と約 4割の 2,276 人減少しているととともに、65 歳以上の農業就業者の割合が

平成12年の47.3%に対し、平成22年には57.4%に上昇し、農業就業者の約6割が65歳以

上となっており、高齢化が進行しています。

《担い手の状況》

� このような中で、農林水産業の成長産業化と食料供給力の維持・発展を図るため、新規就業

や企業の農業参入など、新たな担い手の確保を図るとともに、就業・経営の各段階に応じた

サポート体制の構築や農林水産業団体や組織経営体の育成を通じて、多様な担い手を確保す

る必要があります。

《農林水産業経営の状況》

� 生産・経営面については、就業者の高齢化にも対応した作業の省力化・効率化や新たな農産

物や栽培漁業品目の発掘・普及などにより生産性と収益性の向上による経営の高度化を図る

とともに、複数の農産物を生産する複合経営や、グリーン・ブルーツーリズムなどによる経

営の多角化などを通じて、自然災害や産地間競争などの外部環境の変化に強い経営を促進す

る必要があります。

《あおもり産品販売力の状況》

� 加工・流通・販売面については、「食のまち・青森市」を通じて、あおもり産品の販売力の

強化に向け、農商工連携・産学官金連携などを通じて、あおもり産品の抱える商品の付加価

値の低さや大消費地との距離などの「弱み」を克服し、県内最大の消費地を有する「強み」

や地域の特性を活かすなど、あおもり産品の販売促進に関する総合力を発揮できる環境を構

築する必要があります。

現状と課題

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52

担い手の育成を進めるとともに、経営の多角化や新たな品目の発掘・普及などにより、農林

水産業の安定的経営と発展を推進します。

また、生産から販売に至る産業間の連携を通じて、あおもり産品の高付加価値化や、域内外

への消費拡大を促進します。

農林水産業の振興

第4項 あおもり産品販売力の強化

第1項 意欲ある担い手の育成

第2項 足腰の強い農業経営の促進

第3項 競争力の高い漁業経営の促進

施策の体系

基本方向

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第1項 意欲ある担い手の育成

《多様な担い手の確保》

� UIJターンをも含めた新規就業者や後継者、地域と連携して農産物の生産を行おうとする企

業などに対して、県や東青地域の町村と連携しながら、相談機能や研修制度などの就業の各

段階に応じたサポート体制を構築し、意欲ある新たな担い手の育成・確保を推進するととも

に、定着化を図ります。

� 各種体験メニューやイベントなどを通じて、農林水産業に関する理解と関心を高め、新規就

業者の掘り起こしを進めます。

� 新規就業者や青年農業者・漁業者など、農林水産業従事者に対する交流会や研修会、団体活

動などの充実により、農林水産業従事者のネットワーク化を促進します。

� 地域農業の中核的な役割を担う認定農業者を育成するとともに、集落営農の組織化や法人へ

の移行を促進します。

《安定した経営体の育成》

� 各種講習会や研修会などを通じて、経営者としての継続的な経営を見据えたスキルの向上を

図ります。

� 集落営農組織や農業生産法人など、地域の実態に応じた農業生産組織を育成するとともに、

水産業経営の合理化を図るための共同化・協業化を促進します。

� 農協改革などの制度改正の動向をも踏まえながら、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合

に対し、県などの関係機関との連携による指導・助言などを通じ、農林水産業団体の経営基

盤の強化を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

担い手経営体数 認定農業者数、集落営農組織、農業生産

法人数の合計

298経営体 (平成26年度)

401経営体

新規就農者数 市内での新規就農者数

8人 (平成26年度)

11人

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第2項 足腰の強い農業経営の促進

《経営の高度化》

� コメやリンゴをはじめ、トマト、カシス、バサラコーンなどの地域特産物の安定供給体制の

構築を進めるとともに、土地利用型作物である麦・大豆・そばなどの生産の共同化などを促

進し、作業効率の向上を図ります。

� 弘前大学食料科学研究所や県の試験研究機関などとの連携を密にしながら、農業指導センタ

ーにおいて、栽培時期の拡大や市場ニーズに即した高品質で収益性の高い農産物の研究開発

を進めるとともに、高度な栽培技術の普及啓発を推進します。

� 作業の省力化と生産性の向上を図るための施設・機械などの導入を促進するとともに、経営

規模拡大に向けた経営改善のための資金需要に対し、国や県との連携を図りながら各種融資

制度、支援制度などの充実を図り、経営の合理化・近代化を促進します。

《経営の多角化》

� コメやリンゴなどを主体としながら、他の農産物を加えた複合経営や、トマト、ネギ、ピー

マンなどの市奨励作物の作付けを促進します。

� 企業や関係団体などとの連携のもと、観光体験農業の受入態勢の整備や魅力の向上を図り、

グリーン・ツーリズム活動を促進します。

《資源循環型農業》

� 減農薬・減化学肥料による、環境にやさしい環境保全型農業を推進し、安全・安心な農産物

の生産を促進します。

� 稲わらの利活用など、有機資源(バイオマス)を有効活用した土づくりを促進するとともに、

土壌や周辺環境にやさしい環境保全型生産資材の普及を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

農林水産業所得額 市民所得のうち、農林水産業所得額

23.6億円 (平成24年度)

24.3億円

米・畑作物の収入減少影響緩

和対策への加入面積 収入減少による農業経営への影響を緩

和するための国の収入減少影響緩和対

策への加入面積

1,157.8ha (平成27年度)

1,900.0ha

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第3項 競争力の高い漁業経営の促進

《経営の高度化・多角化》

� 漁業の成長産業化に向け、漁獲量の大半を占めるホタテガイ漁場の適切な管理を促進すると

ともに、優良稚貝の安定的な確保と養殖数量の適正な管理を通じて、地域特性を活かした産

地形成を推進します。

� 漁業経営の合理化・近代化に伴う資金需要に対応するため、国や県との連携のもと、融資環

境の充実を図るとともに、作業の協業化、機器類や資材の共同利用などを促進し、効率的な

漁業経営の確立を図ります。

� 弘前大学食料科学研究所や県の試験研究機関との連携を密にしながら、市水産指導センター

において、市場ニーズに即した新たな栽培漁業品種の研究、開発に取り組むとともに、漁業

者による新たな養殖漁業への取組を促進し、本市の特性に合ったつくり育てる漁業を推進し

ます。

� ナマコ・ホヤ・ワカメ種苗などの供給機能の確保に向け、市水産指導センターの機能の充実

を図ります。

� 海外からの需要の高いナマコの安定生産と付加価値化を図るため、「あおもりナマコブラン

ド化協議会」をはじめとする関係団体の連携により、ナマコのブランド化の早期確立を図り

ます。

� 企業や関係団体との連携のもと、観光体験型漁業の受入態勢の整備や魅力の向上を図り、ブ

ルー・ツーリズム活動を促進します。

� 他の産業分野とも連携しながら、海洋環境の保全と水産資源の増殖に向けた取組を促進しま

す。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

漁業生産額

漁業生産額の合計

1,602百万円 (平成26年)

2,717百万円

資源管理型漁業生産量 ナマコ生産量

87t (平成26年)

200t

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第4項 あおもり産品販売力の強化

《魅力ある商品づくりの推進》

� 6 次産業化や農商工連携・産学官金連携など、生産から販売に至る事業者間の連携体制の構

築を図ります。

� 付加価値の高い商品の開発やマーケティングリサーチなどの情報の収集・利活用を推進し、

安全・安心でおいしい、あおもり産品のブランド力の強化を図ります。

� あおもり産品の消費拡大に向け、関係団体と市で構成する「あおもり産品販売促進協議会」

を中核としたネットワークの構築を進め、「め~ど~in青森!」をキャッチフレーズとする

「食のまち・青森市」を広く全国にアピールするための体制の強化を図ります。

《地産地消活動の推進》

� 地元の優れた食材や食文化に関する市民意識の向上を図るとともに、学校給食への地元食材

の供給の拡大や加工業者、中食・外食事業者、宿泊施設、飲食店など業務用での利活用を促

進し、あおもり産品の域内消費の拡大を図ります。

� 地域イベントや直売所、スーパーなどにおける地元食材の活用を通じて、市民が手軽に地元

食材を入手できる環境づくりを図ります。

《域外への販売促進》

� 県や東青地域の町村とも連携し、大消費地である首都圏でのあおもり産品のマーケティング

機能の構築を図るとともに、トップセールスや取引商談会などを通じて、域内外の多様な販

売チャンネルに対して、商品の特性に応じた販路開拓を促進します。

� 青森市物産協会と連携した、域外とのより機動的かつ効果的な販路開拓を展開するほか、県

などと連携した販路開拓の取組や、各種イベントなどを通じて、域外での販売機能の強化・

充実を図ります。

� リンゴやナマコなど、中国をはじめとする海外からの需要が高い商品について、市場動向を

踏まえながら、国や県などの関係機関と連携し、あおもり産品の海外での販路の拡大を図り

ます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

農林水産業総生産額 市内総生産のうち、農業、林業、水産業

の生産額の合計

88.94億円

(平成24年度)

92.01億円

身近な農水産物を得ること

ができる満足度 身近な農水産物を得ることができると

思う市民の割合(市民意識調査)

20.9% (平成27年度)

26.4%

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第3章 人々が集い活気にあふれ 地域に根ざした産業が躍動するまち

第2節 農林水産基盤の維持・保全

� 農地や森林は、国土や自然環境の保全、水源のかん養、良好な景観の形成などの多面的機能

を有しているものの、農林業従事者の減少や高齢化の進展、自然災害の発生などにより、こ

れらの機能の低下が懸念されています。

《農地の状況》

� 農地については、耕作放棄地が年々増加しており、周辺農地での営農活動にも悪影響を及ぼ

す恐れがあることから、規模拡大に意欲ある担い手などへの農地の利用集積を促進するとと

もに、地域が一体となって優良農地と農村環境の保全を図る必要があります。

《森林の状況》

� 森林については、長引く木材価格の低下などにより、私有林における間伐などの適切な施業

が十分に行われていないことから、長期的な視点に立った、計画的な森林の保全管理に取り

組む必要があります。

《漁港・漁場の状況》

� 漁港・漁場については、漁港施設の維持や長寿命化など、持続的な水産業の発展に向け、生

産基盤の維持・保全に取り組む必要があります。

農林水産業の生産基盤である森林や農地、漁港などの適正な管理とその有効活用を通じて、

森林などが持つ多面的機能の確保と水産資源の保護を図ります。

農林水産基盤の

維持・保全

第1項 農地の維持・保全

第2項 森林の維持・保全

第3項 漁港・漁場環境の維持・保全

現状と課題

施策の体系

基本方向

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58

第1項 農地の維持・保全

《農地の維持・保全》

� 『青森農業振興地域整備計画』及び『浪岡農業振興地域整備計画』に基づき、優良農地の確

保を図るとともに、多面的機能支払制度や中山間地域等直接支払制度などの活用を通じて、

耕作放棄地の拡大防止を図ります。

� ほ場、農道、かんがい施設の整備や水田の汎用化など、農業生産性の向上を図るとともに、

自然災害への適切な対応や農地・水路などの機能を集落ぐるみで保全することにより、農業

生産基盤の継続的な活用を促進します。

《農地の有効活用》

� 経営規模拡大に意欲のある認定農業者や農業生産法人などの担い手に対して、農地の利用集

積を促進します。

� 耕作放棄地や耕作放棄の恐れのある農地などについて、規模拡大などに意欲的な担い手や周

辺農地所有者に情報提供するとともに、地域やNPO、民間企業への活用を促進するなど、耕

作放棄地の解消と未然防止を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

耕作放棄地面積 耕作放棄地面積の累計

419.9ha (平成26年度)

360.9ha

ほ場整備の割合 ほ場整備事業完了面積が田の耕地面積

に占める割合

74.5% (平成27年度)

79.1%

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第2項 森林の維持・保全

《森林資源の確保》

� 『青森市森林整備計画』に基づき、生産性の高い森林造成を行うとともに、除・間伐や枝打

ちなど適正かつ計画的な保育管理を促進し、健全な森林資源の維持増進を図ります。

� むつ湾の水質保全や森と海との共存など多様化・高度化する森林への要請に対応し、森と水

の循環を促進するため、市民参加による森林づくりを推進します。

《生産基盤の充実》

� 林道の保全・改良などを通じて、適切な林道環境の確保を図ることにより、生産基盤の整備

を進め、生産コストの低減や森林の適正な維持管理、さらにはレクリエーション空間として

の有効活用を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

森林施業計画の認定割合 民有林面積に占める森林施業計画の認

定面積の割合

22.9% (平成26年度)

23.0%

林道舗装延長 林道の舗装延長

12,909m (平成27年度)

13,300m

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第3項 漁港・漁場環境の維持・保全

《漁港環境の充実》

� 国の『漁港漁場整備長期計画』に基づき、漁港機能の高度化と快適で潤いのある漁港環境の

形成を推進します。

《良好な漁場環境の形成》

� ナマコの増殖場の造成など、沿岸漁場の開発により、漁業生産力の向上と漁場の効率的利用

を図ります。

� 漁場の環境を保全するため自然保護意識の高揚などを通じて、陸奥湾の水質汚染の防止を図

ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

漁港の耐震化率 市内の漁港の耐震化されている割合

0% (平成27年度)

66.0%

漁業生産量 市内の漁業生産量の合計

10,335t (平成26年)

19,204t

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第3章 人々が集い活気にあふれ 地域に根ざした産業が躍動するまち

第3節 商工業の振興

� 本市の産業は、多様な交通拠点を有する本市の特長を背景に、小・卸売業やサービス業など

の第3次産業を中心に発展してきましたが、一方では、雇用創出効果と地域経済への波及効

果が高い製造業をはじめとする第2次産業が他都市に比べ集積が進んでいない上、今後はさ

らに、企業間の国際的な競争の激化や、生産年齢人口の減少に伴う製造業を支える人材獲得

の困難化など、製造業を取り巻く環境はますます厳しくなるものと予想されます。

� さらに、人口減少・少子高齢化の進展に伴い、消費需要の低下や地域間競争の激化などが進

行することに加え、規制緩和や情報通信技術(ICT)の進展などによる流通構造の変化のほ

か、北海道新幹線開業に伴う経済効果獲得への対応など、これらの社会環境の変化などに適

切に対応した産業構造の構築が求められています。

《地場産業・産業育成の状況》

� このような中で、本市産業の自立的な発展に向け、地域資源を最大限に活かしながら、農商

工連携・産学官金連携を通じて、今後、成長が見込まれる産業や意欲のある新たな起業家の

育成などに取り組む必要があります。

� また、本市経済を支える中小企業の経営体質の改善・強化や、域外への所得流出を抑制し域

内で循環させる、地域経済の好循環を通じて、地場産業の総合力の強化を図る必要がありま

す。

《流通機能の状況》

� 流通機能については、消費市場の量的・質的変化や取引形態の変化に対応できる流通機能を

構築するため、県内外から多種多様な商品が集まる卸売市場をはじめとする物流拠点機能の

充実・高度化を図るとともに、物流基盤の強化や情報受発信機能の充実を進める必要があり

ます。

《商店街の状況》

� 商店街については、商品の流通経路の多様化や大規模小売店舗の進出による小規模小売店舗

の減少に伴い、既成市街地が空洞化しており、地域の商店街ひいては、地域全体の衰退が懸

念されることなどから、地域に根ざした商店街の活性化を図る必要があります。

現状と課題

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62

流通拠点都市としての機能充実を進めるとともに、産学官金連携を通じた、食、環境、福祉、

保健などの分野における地域特性を活かした産業の育成や、新たな分野や国外をも視野に入れ

た新たな市場に挑戦する地元企業に対する支援体制の充実を図ります。

また、中小企業者の経営安定と経営体質の強化に向けた取組をはじめ、起業・創業や再挑戦

しやすい環境づくりを進めるとともに、企業間連携を通じて地域内の産業連関を高め地域産業

基盤の強化を図るほか、地域特性に応じた個性と魅力ある商店街づくりを促進します。

商工業の振興

第4項 地域と一体となった商店街の形成

第1項 地域資源を活かした青森らしい

産業の育成

第2項 地場産業の経営体質の強化

第3項 流通機能の強化

施策の体系

基本方向

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第1項 地域資源を活かした青森らしい産業の育成

《成長が見込まれる産業の育成》

� 地域の資源や特性を活かした新産業の創出に向け、本市産業経済の優位性や弱点、外的要因

とともに、産業構造分析や経済波及効果の客観的な分析を通じて、少子・高齢化の進展に対

応した産業や、本市に存在する「食」などの多種多様な地域資源を有効に活用した青森型産

業の育成を推進します。

� 農商工連携・産学官金連携により、新技術、新商品、商品の高付加価値化などに関する情報

の共有化や共同研究を促進するとともに、県や東青地域の町村と連携し、域外の企業との取

引拡大に向けた商談機能やネットワーク化を強化し、新たな取組を進める企業への支援体制

の構築を図ります。

� 企業交流会や企業訪問などを通じて、市内企業間のネットワークの強化を図り、企業が保有

する技術やノウハウなどの知的資源を相互に活用した新商品、新サービスの開発を加速させ

るとともに、域外への所得流出を抑制し域内で循環させる、地域経済の好循環を拡大し、自

立した産業構造の確立を目指します。

� 経営環境の変化に柔軟に対応できる、経営力や技術力の高い人材を育成するため、企業が実

施する人材育成活動の充実を図ります。

《起業化の促進》

� 人口減少・少子高齢化の進展などを見据え、環境変化への対応力や競争力を備えた起業・創

業を促進します。

� 関係機関との連携を通じて、新たに起業家となる人材の発掘・育成や起業・創業に必要な情

報提供の充実を図ります。

� 起業・創業にあたっての資金面、設備面での段階や業種に応じたきめ細かな相談・支援体制

の充実を図り、起業・創業しやすい環境の構築を進めます。

《貿易の振興》

� 市内事業者の国外市場をも視野に入れた事業活動を促進するため、日本貿易振興機構など関

係団体と連携し、海外市場の状況や貿易情報の提供など、海外市場との取引を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

地域資源を活用した商品開

発の支援件数 地域資源を活用した商品開発に対し

て、市が支援した件数

237件

(平成26年度)

265件

法人設立数 法人の設立または設置の届出のあった

173件

(平成26年度)

300件

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64

第2項 地場産業の経営体質の強化

《中小企業の体質強化》

� 本市経済を支える中小企業者の経営体質の改善・強化に向け、地域企業の状況やニーズの把

握に努めながら、(公財)21 あおもり産業総合支援センターや青森商工会議所、青森市浪岡

商工会などの支援機関との連携による経営指導や各種融資制度の充実を図ります。

� 青森県中小企業団体中央会などの関係機関と連携し、企業組合や連携組織の設立・運営に係

る資金需要などの支援体制の充実を通じて、中小企業者の共同化・協業化を促進します。

《中小企業の経営支援》

� 青森商工会議所や地域の金融機関などとの連携のもと、経営改善に取り組む中小企業者に対

する指導・助言や各種支援制度の充実を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

倒産件数 負債総額1千万円以上の年間の倒産件

26件

(平成26年度)

15件

融資件数 市制度融資の利用件数

480件

(平成27年度)

555件

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65

第3項 流通機能の強化

《卸売市場の機能充実》

� 県内における生鮮食品などの流通拠点としての機能を発揮するため、流通環境の変化に即応

できる市場機能の充実を図るとともに、市場関係事業者の経営近代化、取引きの合理化を促

進します。

� 持続可能なビジネスモデルの構築を図るため、市場関係事業者と連携し、今後の流通環境の

変化を見据えた流通経路や流通機能について検討を進めます。

《物流機能の充実》

� (公財)21 あおもり産業総合支援センターや青森商工会議所、青森市浪岡商工会などの支援

機関との連携による経営指導などを通じて、卸売業者をはじめとする流通関連事業者の経営

体質の強化を図ります。

� 本市が有する青森空港、青森港、鉄道駅などの物流拠点機能を活かした地域経済の活性化に

向けた物流基盤の強化を図るとともに、各物流拠点の利活用を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

卸売市場年間取扱高 卸売市場で取扱う青果、水産物、花きの

年間の取扱金額の合計

40,303百万円 (平成26年度)

40,303百万円

流通関連事業者に対する経

営相談・指導件数 経営指導員による流通関連事業者に対

する経営相談・指導件数

7,049件

(平成26年度)

7,050件

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66

第4項 地域と一体となった商店街の形成

《商店街基盤の充実》

� 青森商店街連盟との協働により、経営者に対する商店街組合への加入促進を図るなど、商店

街組織の育成・強化を図ります。

� 開業時に低資金で事業を実践できる環境の整備を通じて、起業意欲のある商業者を育成しま

す。

《商店街の魅力の向上》

� 地域や大学と連携したイベントやイメージアップの取組を促進するなど、地域に根ざした地

域色豊かな商店街づくりを促進します。

� 消費者のニーズを踏まえながら、ねぶたをはじめとする地域資源を活かした、個性と魅力あ

る商店街づくり・個店づくりを促進します。

� 空き店舗に関する情報収集・情報提供の充実を図りながら、さまざまな支援や空き店舗・空

き地を利活用した来街者のコミュニティの場の創出を通じて、空き店舗の解消を図るなど、

にぎわいと魅力のある商業空間の形成を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

商店街商店数 商店街に加入している商店数の累計

702店 (平成27年度)

702店

商店街に対する満足度 地域の商店街が活気に満ちていると思

う市民の割合(市民意識調査)

3.2% (平成27年度)

5.7%

商店街での新規開業件数 後期基本計画期間内における、商店街で

新規に開業した件数の累計

48店

(平成27年度)

250店

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67

第3章 人々が集い活気にあふれ 地域に根ざした産業が躍動するまち

第4節 雇用機会の拡大

� 本市の求人・求職の状況については、国内景気の回復などに伴い、有効求人倍率の上昇が続

いていますが、一方で、求人・求職のミスマッチが顕著となっていることに加えて、経済の

グローバル化の進展に伴う産業構造の変化や、人口減少・少子高齢化に伴う労働力構造の変

化、非正規労働者の増加など、さまざまな要因により労働力市場が変化してきています。

《企業誘致の状況》

� このような中で、バックアップ機能やサテライトオフィスなど、企業の進出形態は多様化し

てきており、経済・雇用創出効果の高い企業の集積に向け、本市の有する地域特性や新幹線

開業によるメリットを最大限に活かした、戦略性と競争力を備えた企業誘致を展開する必要

があります。

《雇用・労働環境の状況》

� また、人材が不足傾向にある産業へのマッチングなど、国や県、企業との連携による就業機

会の拡大と雇用の安定化を図るとともに、仕事と家庭の両立を図りながら、年齢、性別を問

わず、誰もが安心して意欲を持って働くことのできる労働環境を構築する必要があります。

本市の有する地域特性を活かすとともに、新幹線開業効果を最大限に獲得しながら、戦略性

と競争力を備えた企業誘致を推進するほか、関係機関との連携によるキャリア教育、雇用・労

働相談機能の強化を通じて就業機会の充実を図るとともに、誰もが活き活きと安心して働ける

労働環境づくりを促進しながら、雇用機会の拡大を図ります。

第1項 本市の強みを活かした企業

誘致の推進

第2項 仕事と生活の調和のとれた

働き方の促進

雇用機会の拡大

現状と課題

施策の体系

基本方向

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68

第1項 本市の強みを活かした企業誘致の推進

《企業誘致の推進》

� 県や関係機関と連携を図りながら、経済動向や企業や求職者のニーズなど、的確に情報収集

を行うほか、交通の要衝などの本市の「強み」を明確にした上で、これらを最大限に活用し

た地域経済への波及効果の高い企業誘致を推進します。

� 本市の就業ニーズに対応した効率的かつ戦略的な企業誘致活動を展開するため、製造業や物

流業のほか、コールセンターなどの情報処理・提供サービス関連産業を基本に、バックアッ

プ機能やサテライトオフィスをはじめとする多様な進出形態に対応した、積極的な企業誘致

を推進します。

� 青森中核工業団地をはじめとする、市内各工業団地における企業の立地促進に向けて、雪処

理などの企業活動の向上に資する環境整備を図ります。

《受入態勢の整備》

� 本市独自の優遇制度の充実や国・県の各種制度の活用、企業ニーズに即した人材の育成など、

多様な進出形態に対応した受入態勢の整備を図ります。

《立地企業の定着化》

� 立地企業の定着化を図るため、立地企業と地域の企業との企業間連携を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

市外からの新規誘致企業数 後期基本計画期間内における、市外から

誘致した企業数の累計

4社

(平成27年度)

15社

工業団地立地件数 後期基本計画期間内における、市内工業

団地に立地した企業数(現状値)(累計)

3社

(平成27年度)

10社

誘致企業の定着率 誘致した企業の市内への定着率

73.7% (平成27年度)

74.2%

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69

第2項 仕事と生活の調和のとれた働き方の促進

《キャリア研修の促進》

� 国や県などの関係機関との連携のもと、高校生・大学生のキャリア教育の支援や、若年労働

者及び未就職者を対象とした研修会を行うとともに、あおもりコンピュータ・カレッジへ職

業能力開発支援により、雇用のミスマッチ解消や求職者などの職業観・勤労観の醸成を促進

します。

� 中小企業における若年労働者に対し、セミナーや講習会などを通じて、人材育成と職場定着

を図ります。

《就業支援体制の充実》

� 国や県の制度を活用しながら、新規高卒者をはじめとする若年者の継続的な雇用機会を創出

するとともに、失業者などの雇用・就業機会の確保を図ります。

� 国や県などの関係機関と連携を密にしながら、労働や雇用に関する制度などの周知に努める

とともに、求職者及び本市へのUIJターン就職希望者に対する就業支援を行うなど、労働や

雇用について気軽に相談できる環境づくりに努めます。

《仕事と生活の調和の促進》

� 企業などにおける実情を踏まえながら、関係機関との連携のもと、事業者及び労働者に対し

て長時間労働の抑制やワーク・ライフ・バランスなどの考え方の定着による働き方改革を促

進します。

� 市内中小企業における勤労者が心身ともに健康で働き続けられるよう、青森市勤労者互助会

などを通じ、余暇活動の充実や健康増進に向けた環境づくりを支援します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

有効求人倍率 青森公共職業安定所管内の有効求人倍

0.95倍

(平成26年度)

1.00倍

雇用に関する満足度 働く場が確保されていると思う市民の

割合(市民意識調査)

2.1% (平成27年度)

3.6%

労働環境の満足度 働きやすい環境にあると思う市民の割

合(市民意識調査)

4.8% (平成27年度)

10.0%

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70

第3章 人々が集い活気にあふれ 地域に根ざした産業が躍動するまち

第5節 観光の振興

� 本市は、八甲田連峰やむつ湾などの美しい自然と、その豊かな自然の中で育まれてきた豊富

かつ多彩な食に加えて、世界に誇る青森ねぶた祭や三内丸山遺跡、温泉などといった、多種

多様な魅力ある観光資源のほか、空・海・陸で広域的なアクセスを可能とする機能を有して

います。

� 一方で、外国人旅行客の増加などに伴い、国内外の観光客の獲得に向けた観光都市間におけ

る競争が激化していることに加え、本市では、冬季における観光客数が夏季などに比べ希薄

であるなどの課題があります。

《広域観光・観光資源の状況》

� このような中で、観光地間の広域的な連携を図るとともに、自然、歴史・文化、食などの本

市ならではの観光資源の充実を図ることにより、四季を通じて滞在できる通年型・滞在型観

光を推進し、観光地としての魅力を高める必要があります。

《受入態勢・誘客宣伝活動の状況》

� また、東北新幹線新青森駅開業や北海道新幹線開業に伴う効果を最大限に獲得するとともに、

2020 年東京オリンピック・パラリンピックの開催やクルーズ客船の青森港への寄港増加な

どに対応し、観光客が回遊しやすい移動手段や周遊コースの充実を図るとともに、国内外の

観光客が快適に楽しめる観光案内や市民や事業者のホスピタリティの向上などの受入態勢

の強化を図るほか、関係団体との連携のもと、戦略的かつ的確、効果的な情報発信と誘客活

動を進めていく必要があります。

観光地としての魅力を高めるため、拠点機能を活かした県内や道南地域などとの広域観光や、

自然、歴史・文化、食などの地域特性を活かした観光資源の充実を図るとともに、ホスピタリ

ティの向上などを通じた受入態勢の強化に取り組むほか、旅行者のニーズに対応した誘客活動

などに努め、戦略的な観光振興を推進します。

現状と課題

基本方向

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71

観光の振興

第4項 国内外からの誘客の推進

第1項 広域観光の推進

第2項 観光資源の充実

第3項 受入態勢の充実

施策の体系

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72

第1項 広域観光の推進

《連携体制の構築》

� 東北新幹線新青森駅開業ならびに北海道新幹線開業などを契機に、県内各市町村や函館市な

どの道南地域との情報の共有と発信など、連携体制の強化を図ります。

� 広域でのブランドイメージの形成に向け、関係市町村や団体との連携による共同でのプロモ

ーションや情報発信を推進します。

《メニューの造成》

� 県内及び道南地域の各市町村との連携による観光資源の掘り起こしや磨き上げ、県外の空港

をはじめとする近隣の交通機関の活用も含めた広域観光ルートの開発などにより、魅力ある

観光商品の造成を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

観光入込客数(延べ人数) 本市を訪れた観光客数

5,769千人 (平成26年)

5,998千人

観光入込客数(宿泊者数) 本市を訪れた観光客数のうち宿泊者数

1,592千人

(平成26年)

1,679千人

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第2項 観光資源の充実

《観光魅力の向上》

� 本市の自然や歴史・文化、食などの観光資源を最大限に活用し、特に冬季における観光メニ

ューの強化を図りながら、観光客の多様なニーズへの対応やリピーター誘客の獲得にも対応

した、四季を通じて楽しめる観光メニュー、イベントの充実を図ります。

� 農水産物や地酒・工芸品などの特産品など、本市ならではの特産品のPR活動を促進します。

《観光施設の充実》

� 青森市文化観光交流施設ねぶたの家 ワ・ラッセをはじめ、本市の主要な観光施設間の連携

を進めるとともに、観光客が楽しめる展示内容、体験メニューなどの充実を図ります。

� 道の駅をはじめとする多機能拠点施設を活用し、観光施設などの情報を発信していきます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

観光入込客数(延べ人数)〔再

掲〕 本市を訪れた観光客数

5,769千人

(平成26年)

5,998千人

冬季観光入込客数(延べ人数) 冬季に本市を訪れた観光客数

1,538千人

(平成26年)

1,655千人

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第3項 受入態勢の充実

《ホスピタリティの向上》

� 外国人をも含めた観光客が観光情報を得やすい観光パンフレットなどの充実を図るととも

に、インターネットやスマートフォンなどの有効活用による多言語に対応した観光案内機能

の強化を図ります。

� 観光事業者をはじめ、市民一人ひとりのおもてなしの意識が醸成されるよう、ホスピタリテ

ィの向上を図るとともに、観光ボランティアガイドの充実を図ります。

《観光ルートの形成》

� バスやタクシーなどの交通事業者との連携により、広域交通拠点と点在する観光施設間を結

ぶ、観光ルートの形成を図ります。

《MICE支援の充実》

� 各種会議や大会、スポーツ合宿などの主催者に対する、市内での宿泊や移動に関する情報提

供など開催支援の充実を図るとともに、青森商工会議所や青森観光コンベンション協会など

の関係団体との連携により、受入態勢の充実を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

観光入込客数(延べ人数)〔再

掲〕 本市を訪れた観光客数

5,769千人

(平成26年)

5,998千人

おもてなしの活動をした市

民の割合 おもてなし関連活動への参加者数(市

民意識調査)

6.7% (平成27年度)

10.0%

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第4項 国内外からの誘客の推進

《誘客の促進》

� 観光客のニーズを踏まえ、情報を伝えるべきマーケットやターゲットを絞り込むとともに特

性を的確に捉えながら、戦略的な誘客宣伝活動を展開します。

� 県や関係団体との連携を図りながら、首都圏や観光客が増加傾向にあるアジア地域など、国

内外での観光プロモーションを推進します。

《観光魅力の発信》

� 本市観光資源の魅力が十分に伝わるような観光パンフレットなどのコンテンツの充実を図

りながら、インターネットをはじめとする多様な情報媒体を活用し、国内外に向けて的確か

つ効果的な観光情報・魅力を発信します。

《MICE誘致の促進》

� 国際会議観光都市である本市が有する都市の拠点性や施設などの機能、魅力的な観光資源を

活かし、青森商工会議所や青森観光コンベンション協会などの関係団体との連携により、コ

ンベンションを含めたMICE誘致を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

観光入込客数(県外客数) 県外から本市を訪れた観光客数

2,285千人

(平成26年)

2,345千人

MICE開催数 後期基本計画期間内における、本市での

MICEの開催件数(累計)

56件

(平成26年度)

300件

外国人宿泊客数 海外から本市を訪れた宿泊客数

9,357人

(平成27年)

25,357人

観光入込客数(延べ人数)〔再

掲〕 本市を訪れた観光客数

5,769千人

(平成26年)

5,998千人

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第4章

歴史と文化を受け継ぎ

未来を創造する人を育むまち

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77

第4章 歴史と文化を受け継ぎ 未来を創造する人を育むまち

第1節 学校教育の充実

� 平成 27 年 5 月 1 日現在、小学校は市立 45 校に 14,159 人が、中学校は市立 19 校、私立 2

校の計21校に8,149人が通学しており、少子化を背景に児童生徒数は毎年減少を続けてい

ます。

� 本市の小・中学校では、『青森市教育振興基本計画』に基づき、子どもたちの個を生かし、

確かな学力、豊かな心、健やかな体、未来へ飛躍できる能力などの「生きる力」を育むため、

保護者や地域の人々の協力を得ながら、「個を生かし夢をはぐくむ特色ある学校」を目指し

た活気あふれる学校教育の推進に努めています。

《教育活動の状況》

� このような中で、教育活動については、いじめや不登校などへの対応や教職員の多忙化など、

学校教育を取り巻く環境は目まぐるしく変化していることから、学校・家庭・地域における

連携のもと、良質できめ細かな学校教育を推進する必要があります。

� また、若者の職業観の低下が懸念されるほか、就業形態が多様化しているため、子どもの頃

から将来を考え、どのように自立していくかを学び、働くことや生きることへの関心や意欲

を養っていくことが求められています。

� このほか、子どもの豊かな心を育むため、公立図書館などとの連携・協力を図りながら、子

どもの読書活動を一層推進する必要があります。

《教育環境の状況》

� 教育環境については、少子化が進展する中で学校間での児童生徒数の格差が生じているとと

もに、学校施設の老朽化が進行しているため、安全で快適な教育環境の確保や、障がいのあ

る子ども一人ひとりが障がいの種類や程度に応じた適切な教育を受けることができる環境

づくりを進める必要があります。

� また、全国的に学校図書館の充実が求められており、本市の学校図書館の蔵書冊数は全国に

比べ低い水準にあることから、学校毎・生徒数規模に合わせた改善に努める必要があります。

《就学指導・支援の状況》

� 認定こども園・幼稚園・保育所から小学校へ、小学校から中学校への進学や進級に伴う子ど

ものさまざまな不安や課題(いわゆる小1プロブレム・中1ギャップ)を解消し、円滑な移

行を進めるため、学校及び教職員のみならず、子ども同士での幼・保・小・中連携の取組を

進める必要があります。

� また、児童生徒が経済的な理由によって就学できない事態が起こらないよう、すべての児童

生徒に平等な教育機会を提供する必要があります。

� このほか、現在、本市の不登校児童生徒数の割合が、県や全国平均を上回っていることから、

現状と課題

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78

不登校児童生徒に対する支援体制の強化や、特別な支援を必要とする児童生徒への支援の充

実が求められています。

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79

学校・家庭・地域が共に手を携えながら、子どもたちの確かな学力や豊かな心、健やかな体、

広い視野を養う教育活動の充実を図るとともに、多様なニーズに応じてきめ細かな指導が行き

届く安全で快適な教育環境づくりを進めます。

また、就学指導・支援の充実を通じ、児童生徒、保護者の不安を軽減するとともに、すべて

の子どもたちへ平等な教育機会の提供を進めます。

学校教育の充実

第1項 教育活動の充実

第2項 教育環境の充実

第3項 就学指導・支援の充実

施策の体系

基本方向

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80

第1項 教育活動の充実

《「生きる力」の育成》

� 児童生徒に学ぶ喜びを体験させ、確かな学力を身に付けさせる学習指導を推進するとともに、

コンピュータの操作や情報モラルなどの情報活用能力を育てるICT教育や、広い視野に立っ

て国際社会に貢献しようとする意識を醸成する国際理解教育のほか、環境教育、地域の歴史

を知る教育、キャリア教育、食育など、「生きる力」の育成を図ります。

� 学校図書館の充実や公立図書館などとの連携・協力による読書の楽しさに触れる機会の創出

など、豊かな心を育む読書活動を推進するとともに、自ら進んで運動を親しみ、体力の向上

やより良い生活を営むための健康・安全指導の充実を図ります。

� 人間尊重の精神と生命を大切にする道徳教育を推進するとともに、自己を生かし、より良い

生き方の自覚を深め、社会性を育む体験活動や異年齢集団による交流、多世代交流などの特

別活動を推進します。

� 選挙権年齢が18歳に引き下げられたことを踏まえ、主権者教育を通じた児童生徒の社会へ

の参加意識の高揚を図ります。

《質の高い教育の確保》

� 教員の専門性を高めるための研修や自校の課題解決のための組織的な校内研修の日常化な

ど、教員の指導力・資質の向上を図るための研修を推進します。

� 外国語指導助手を活用した小学校における外国語活動への対応など、教育を取り巻く環境変

化への迅速かつ柔軟な対応を図ります。

� ゲスト・ティーチャーや学習アシスタント、学校図書館の図書整理、登下校時の交通安全指

導、地域巡回指導などの学校支援ボランティアをはじめとする地域のさまざまな技能を有す

る人々による学校教育活動の支援を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

学校支援ボランティア数 市内小・中学校で学校支援ボランティア

活動をしている保護者・地域住民の人数

2,668人 (平成26年度)

2,821人

学習状況調査の県平均正答

率との差(小学5年生) 小学5年生を対象に行われる学習状況

調査4教科全体の県平均正答率との差

0.8 (平成27年度)

0.8

学習状況調査の県平均正答

率との差(中学2年生) 中学2年生を対象に行われる学習状況

調査5教科全体の県平均正答率との差

3.5 (平成27年度)

4.0

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81

教育活動に対する満足度 児童生徒に基本的・基礎的な知識・技能

が定着していると思う市民の割合(市民

意識調査)

8.2% (平成27年度)

9.2%

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82

第2項 教育環境の充実

《教育環境の向上》

� 国の40人学級の見直しと教職員定数改善に向けた動向に歩調を合わせながら、少人数学級

編制の小・中学校全学年への拡大や、『通学区域再編による教育環境の充実に関する基本計

画』に基づく適正な学校規模の確保など、多様なニーズに応じてきめ細かな指導が行き届く

望ましい教育環境の確保を図ります。

《安全で快適な学校づくり》

� 学校施設の維持管理や老朽化対策、耐震化など、子どもが安全・快適に教育を受けることが

できる環境を確保するため、適切な運営管理を進めます。

� 小・中学校への太陽光発電パネルの設置や学校図書の充実、学校ICT環境の整備など、学校

を取り巻く環境変化に対応した学校設備の充実を図ります。

� 学校給食への地元食材の活用や食物アレルギー対応を推進し、安全で安心かつ栄養バランス

のとれたおいしい学校給食づくりを進めるとともに、栄養教諭・学校栄養職員を活用した食

に関する指導を推進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

少人数学級編制を実施して

いる学年の割合 小・中学校全9学年に対する少人数学

級編制を実施している学年の割合

55.6% (平成27年度)

77.8%

教育環境に対する満足度 児童生徒が安心して教育を受けられる

環境が整っていると思う市民の割合(市

民意識調査)

13.4% (平成27年度)

15.0%

学校図書館の蔵書率 学校図書館図書標準の標準冊数に対す

る市内小・中学校の図書館に整備されて

いる図書の蔵書割合

96.2% (平成26年度)

104.0%

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83

第3項 就学指導・支援の充実

《児童生徒、保護者の不安軽減》

� 中学校区内の小・中学校が連携して一体となって取り組む教科指導・生徒指導や、認定子ど

も園・幼稚園・保育所・小学校の接続を意識した幼児と児童、指導者間の交流活動など、保

育・幼児教育から小学校教育、小学校教育から中学校教育への円滑な接続に向けた環境づく

りを進めます。

� 学校や家庭、地域、行政、関係機関などが連携しながら子どもの見守りを充実させるととも

に、いじめや不登校などの問題を抱える児童生徒の学校生活への適応支援や生活指導、スク

ールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる児童生徒へのカウンセリングのほ

か、保護者への教育相談など、子どもたちと保護者の悩みや不安を積極的に受け止める相談

指導体制の充実を図ります。

� 関係機関と連携しながら、教育上特別な支援を必要とする児童生徒のための特別支援学級の

設置や特別支援教育支援員による学習活動上の支援のほか、障がいのある児童生徒の就学指

導など、児童生徒一人ひとりのニーズに応じた適切な教育の充実を図ります。

《平等な教育機会の提供》

� 要保護及び準要保護児童生徒の保護者への就学のための経済的負担の軽減や新入学児童に

対する学用品の支給、経済的な理由で就学が困難な者に対する奨学金の貸付など、児童生

徒・学生の誰もが就学の希望をかなえられる環境づくりを進めます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

教育相談への相談件数 教育相談室の教育相談及びスクールカ

ウンセラーなどのカウンセリングの相

談件数

4,327件 (平成26年度)

4,327件

不登校から復帰した児童の

割合 小学校の不登校児童のうち、登校でき

るようになった児童の割合

48.0% (平成26年度)

48.0%

不登校から復帰した生徒の

割合 中学校の不登校生徒のうち、登校でき

るようになった生徒の割合

33.8% (平成26年度)

40.2%

Page 86: 青森市新総合計画 -元気都市あおもり 市民ビジョ …...3 第1 後期基本計画のあらまし 後期基本計画は、「青森市新総合計画-元気都市あおもり

84

第4章 歴史と文化を受け継ぎ 未来を創造する人を育むまち

第2節 社会教育・生涯学習の推進

� 本市は、市民一人ひとりが生涯にわたって、あらゆる機会、あらゆる場所を利用して、知識

や技術を学び、学んだことを活かして、明るく豊かで住みよい地域づくりに積極的に参加で

きる生涯学習の推進と、学校・家庭・地域の連携協力による社会全体の教育力の向上に努め

ています。

� 本市には、地域の学習拠点である市民センターや公民館、読書活動と学習に必要な情報収

集・提供の拠点である市民図書館、県立図書館など、市民が自主的に学習できる環境が整っ

ています。そのほか、青森公立大学をはじめとする大学4校、短期大学3校の高等教育機関

においては、さまざまな公開講座の開催や地域社会との連携が進められており、今後もさら

なる地域貢献が期待されています。

《生涯を通じた学習活動の状況》

� このような中で、幅広い年齢層や各地域における市民の多様な学習活動を一層充実していく

ため、さまざまな学習ニーズに対応した学びの機会を提供していく必要があります。

� 学習環境については、生涯学習に対する市民ニーズの高まりや多様化に対応するため、誰も

が気軽に学びたい時に学び、さまざまな情報を容易に入手できる環境づくりを進める必要が

あります。

� また、新しい公共の構築と地域の活性化に向け、地域に根ざした市民センターや公民館など

が拠点となって、市民の学習成果を活用しながら、地域の学習活動を推進する体制づくりを

進める必要があります。

《未来を切り拓く青少年育成の状況》

� 青少年の健全育成については、家庭や地域の教育力の低下が懸念されている中で、地域全体

で非行、犯罪などから子どもたちを守るため、学校・家庭・地域が連携して青少年育成に取

り組む必要があります。

� 特に、若年層への普及が著しい携帯電話やパソコンなどのICT機器の利用に伴う脅威から子

どもたちを守るための取組が求められています。

� 近年、若者の社会的自立が課題となっている中で、若者の社会性・規範意識を向上させるた

め、体験活動や異年齢交流、国際交流などを充実させていく必要があります。

� また、困難を抱えている若者がその置かれている状況を克服し、確かな社会生活を始めるこ

とができるよう支援していく必要があります。

現状と課題

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85

大学など多様な主体との連携のもと、誰もが集い学び合うことができる地域に根ざした学習

活動拠点づくりと指導者の確保を図り、市民の自主的な学習活動を推進します。

また、学校・家庭・地域の連携により、児童生徒をはじめ青少年の健全育成を進めるととも

に、教育、福祉、雇用などさまざまな分野の機関が協働して、若者の社会的自立を促進します。

社会教育・生涯学習の

推進

第1項 生涯を通じた学習活動の推進

第2項 未来を切り拓く青少年の育成

施策の体系

基本方向

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86

第1項 生涯を通じた学習活動の推進

《学習活動の推進》

� 地域やNPOなどとの連携を図りながら、各地域における課題などに対応した社会教育活動の

展開や情報発信の充実を図るほか、さまざまなメディアやワークショップ形式での講座の導

入など、子どもから高齢者まで幅広い対象者や時代のニーズに応える学習機会の充実を図り

ます。

� 社会教育の専門的知識を有するさまざまな世代の人材の養成・活用のほか、本市の歴史や文

化、産業などに触れることのできる講座の開催などを通じて、本市のことを理解し郷土愛を

育むことのできる機会の充実を図ります。

� 市民センターや公民館、図書館、地域住民に開放する学校施設などにおいて、学習に関する

情報の収集・提供や相談体制、子どもの読書活動など、誰もが気軽に学ぶことができる環境

の充実を図るとともに、市民が主体的に学習できる場所や各種講座の受講機会を提供するな

ど、地域に根ざした市民のための学習活動拠点づくりを進めます。

《多様な主体との連携》

� 青森公立大学による公開講座の開催や、民間の指導者や大学生などの講師としての活用、関

係団体の育成、学校・家庭・地域の連携協力体制の構築など、多様な主体との連携による豊

かな学習機会の提供を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

市民センター及び公民館で

開催する教育活動の参加者

数 市民センター及び公民館で開催する各

種教室、講座などの年間参加者数

100,164人 (平成26年度)

100,341人

社会教育・生涯学習に対する

満足度 誰もが興味や必要に応じて、図書館や

講座などで学ぶ環境が整っていると思

う市民の割合(市民意識調査)

19.3% (平成27年度)

23.7%

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87

第2項 未来を切り拓く青少年の育成

《学校・家庭・地域の連携による青少年の健全育成》

� 本市の豊かな自然を活かした体験活動や集団宿泊体験のほか、大韓民国平澤市との相互交流

など、青少年が地域社会の人々と触れ合う機会や、外国の文化・言語に触れる機会の確保な

どを通じて、広い視野や国際感覚、コミュニケーション能力などを学ぶことができる多様な

体験・交流活動の充実を図ります。

� 関係団体との連携による家庭及び地域の教育力を高める学習機会の充実や、学校支援協議会

による犯罪の発生・再発防止対策、子どもたちのインターネットの利用実態の学校及び関係

機関への情報提供など、青少年の非行、犯罪などの問題解消に向けた体制の充実を図ります。

《若者の社会的自立の促進》

� 文化やスポーツなどの分野において優れた業績を挙げた青少年を表彰し、その功績を称える

ことを通じて、同世代の若者が自らの夢や目標に向かってチャレンジする機運の醸成を図り

ます。

� 教育、福祉、保健、医療、雇用などさまざまな分野の機関で構成するニート、ひきこもりな

どの若者を支援するネットワークづくりや支援に携わる人材の育成など、困難を抱えている

若者の支援をするほか、地域における若者の育成支援体制の充実を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

ICT 機器の適正利用に向けた

講習会などの開催数 児童生徒及び保護者に対する情報モラ

ル教育出前講座などの開催件数

18件 (平成26年度)

32件

青少年の健全育成に対する

満足度 青少年が犯罪や非行に走ることなく、

健全に育っていると思う市民の割合

(市民意識調査)

9.0% (平成27年度)

10.4%

国際交流事業への若年者の

参加者数 国際交流事業への若年者(小学生から

大学生)の参加者数

604人 (平成26年度)

700人

青少年の自立と社会参加に

つながる事業への参加者数 自立と社会参加につながる講座などの

活動への20・30代の参加者数

97人 (平成27年度)

161人

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第4章 歴史と文化を受け継ぎ 未来を創造する人を育むまち

第3節 文化・芸術の推進

� 本市は、ねぶたをはじめ、棟方志功に代表される版画や、世界遺産登録を目指している三内

丸山遺跡、小牧野遺跡などの縄文遺跡のほか、津軽弁、津軽三味線、獅子踊など、個性的で

魅力的な歴史・文化資産に恵まれています。

� 本市には、文化会館をはじめ、市民ホール、市民美術展示館、中世の館、国際芸術センター

青森、北のまほろば歴史館、縄文の学び舎・小牧野館、県立美術館、県立郷土館、棟方志功

記念館など、文化・芸術と触れ合うことができる環境が整っており、市民はもとより青森県

民の文化・芸術の拠点となっています。

《文化・芸術活動の状況》

� このような中で、文化・芸術活動については、文化団体協議会などを中心に、数多くの文化・

芸術活動が本市で行われているにも関わらず、市民には十分浸透していない状況にあるため、

本市における文化芸術の将来像を見据えながら、これらの活動をより積極的に周知していく

必要があります。

� 近年、市内の文化・芸術団体の会員数の減少や、郷土芸能の継承者の高齢化やライフスタイ

ルの多様化などを背景に後継者不足の深刻化が懸念されています。このような状況を踏まえ、

文化・芸術の裾野を広げるとともに子どもの頃から豊かな心を育むため、学校や地域などの

身近な場所で、子どもたちが文化・芸術に触れ親しみ、関心を高めることができる機会の充

実を図り、後継者の育成に力を入れていく必要があります。

《文化芸術資源の状況》

� 本市の歴史・文化・祭りをはじめとする、文化芸術資源に対する市民の誇りと郷土への愛着

心を醸成するとともに、本市の魅力を高めていくため、これまで本市が振興し全国的に認知

されてきた「版画の街・あおもり」の取組はもとより、ねぶたや津軽弁などの文化芸術資源

をまちづくりに活用しながら、次代に継承していくことができる環境づくりが求められてい

ます。

《文化財の状況》

� 文化財については、世界に誇る縄文遺跡などの史跡や出土品、歴史民俗資料などを次代へ継

承するため、適正な保存管理を進めるとともに、これら貴重な文化財が持つ普遍的な価値を

国内はもとより世界に向けて積極的に情報発信していく必要があります。

現状と課題

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89

市民誰もが文化・芸術を気軽に鑑賞できるとともに、創作活動に取り組みやすい環境づくり

を進めるほか、指導者の確保を図り、本市の文化・芸術の活性化を推進します。

また、郷土の文化資産や文化財を積極的にまちづくりへ活用しながら、次の世代へ継承しま

す。

文化・芸術の推進

第1項 文化・芸術活動の推進

第2項 文化芸術資源の継承・まちづく

りへの活用

第3項 文化財の保存・発信

施策の体系

基本方向

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90

第1項 文化・芸術活動の推進

《文化・芸術の活性化》

� 著名なアーティストや劇団などの公演や日頃目にする機会のない有名な美術品の展示会な

どの開催を支援し、市民が優れた文化・芸術を鑑賞できる機会の充実を図るほか、創作・創

造の場に参加できる機会を確保するとともに、幅広い情報発信を進めます。

� 市民や市民団体による文化・芸術活動への支援や利用者目線に立った文化施設の運営のほか、

優れた成績を収めた市民及び市民団体を表彰するなど、市民が文化・芸術活動に取り組みた

くなる環境づくりを進めます。

� 小・中学生を対象とした芸術教室や発表会の開催などを通じ、文化・芸術活動の意義の醸成

と興味や関心を引き出すとともに、若手芸術家の創作活動を奨励するなど、後継者の育成を

進めます。

� 文化会館や市民ホールなどにおいて、文化・芸術に携わる市民や団体が集まり、気軽に練習

や発表、交流をすることができる環境づくりを進めるとともに、本市の文化・芸術に関する

情報を集め、利用者に情報発信するなど、文化・芸術の拠点づくりを進めます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

文化施設利用者数 市所有の文化施設の年間利用者数

540,911人 (平成26年度)

640,833人

文化・芸術に対する満足度 音楽、美術などのさまざまな芸術や文化

と身近に触れ合うことができると思う

市民の割合(市民意識調査)

15.0% (平成27年度)

20.9%

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第2項 文化芸術資源の継承・まちづくりへの活用

《アートで音楽のあるまちづくりの推進》

� 本市が所蔵する版画などの美術品の展示はもとより、ねぶたや津軽弁、津軽民謡、津軽三味

線などの有形無形の文化芸術資源を活用した「津軽」の雰囲気づくりや、本市にゆかりのあ

る棟方志功、太宰治、寺山修司などの文化・芸術作品をまちづくりに活用するなど、観光や、

郷土愛を育むための教育、地域活性化などのまちづくりにおいて、それぞれの地域が持つ美

術や音楽など多種多様な文化芸術資源の発掘や積極的な活用を推進します。

《文化芸術資源の継承》

� 民俗芸能の保存団体や地域の祭事などの活動・発表機会の提供や効果的な情報発信、後継者

育成のための講習などを通じ、本市の文化芸術資源を適正に保存・管理しながら、次代に継

承できる体制づくりを進めます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

文化資産を活用した事業の

参加者数 市が主体的に関わっている文化資産を

活用した事業の年間参加者数

7,372人 (平成26年度)

9,770人

歴史・文化、祭りなどについ

て誇りに感じている市民の

割合 歴史・文化、祭りなどについて誇りに

感じている市民の割合(市民意識調査)

72.7% (平成27年度)

78.5%

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第3項 文化財の保存・発信

《世界に向けた発信》

� 「北海道・北東北の縄文遺跡群」として早期での世界遺産登録を目指している三内丸山遺跡、

小牧野遺跡など本市の貴重な縄文遺跡群の文化的な価値について、関係自治体との連携を図

りながら国内外に向けた情報発信を進めます。

� 国の指定史跡である浪岡城跡、高屋敷館遺跡などの史跡をはじめ、埋蔵文化財からの出土品

や歴史民俗資料などの本市の貴重な文化財の魅力について、積極的なまちづくりへの活用を

進めます。

《文化財の継承》

� 歴史民俗資料や出土品などの適切な保存管理や魅力ある展示に努めます。

� 市内の埋蔵文化財包蔵地の周知や土木工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査を実施するととも

に、本市の歴史を解明する貴重な資料の研究を推進します。

※新規意識調査項目であり、平成23年度実施結果をもって基準値及び目標値を設定します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

文化財を活用した事業の参

加者数 市が管理する文化財を活用した事業の

年間参加者数

18,489人 (平成26年度)

40,233人

文化財の保存・活用に対する

満足度 埋蔵文化財、歴史民俗資料などのさま

ざまな文化財が適正に保存され、活用

されていると思う市民の割合(市民意

識調査)

19.6% (平成27年度)

26.0%

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第4章 歴史と文化を受け継ぎ 未来を創造する人を育むまち

第4節 スポーツ・レクリエーションの推進

� 本市は、誰もが生涯にわたる豊かなスポーツ・レクリエーションライフの実現と競技力の向

上を目指し、スポーツ・レクリエーション環境を充実させるとともに、競技スポーツと学校

体育との連携に努めています。

� また、冬でも気軽に楽しむことができるスポーツ・レクリエーションとして、カーリングの

振興に力を入れており、「カーリングの街・青森」の実現に向けた環境整備や、全国高等学

校カーリング選手権大会、小・中学生カーリングチャレンジカップの開催など、カーリング

人口の底辺拡大と選手の育成に努めています。

� 一方、本市には、市民体育館をはじめ、市民室内プール、屋内グラウンド、市営野球場、ス

ポーツ会館、スポーツ広場、モヤヒルズ、浪岡体育館、浪岡総合公園、新県総合運動公園、

県総合運動公園、県営スケート場など、多様な競技に対応できる施設が所在し、市民はもと

より青森県民のスポーツ・レクリエーションの拠点となっています。

《スポーツ・レクリエーション活動の状況》

� このような中で、スポーツ・レクリエーション活動については、さまざまなスポーツ団体が

活動している中で、市民の健康増進や体力向上を進めるとともに、市民の余暇時間の増大や

ライフスタイルの変化などに伴うスポーツ・レクリエーション活動に対するニーズの多様化

に対応するため、子どもから高齢者、障がいのある方まで、誰もが気軽にスポーツ・レクリ

エーションを楽しむことができるようにするとともに、市民と各団体とのつながりを生み出

す仕組みづくりなどを通じて、さまざまなスポーツ・レクリエーション団体の活動を活性化

させていく必要があります。

《ウィンタースポーツの状況》

� ウィンタースポーツについては、積雪寒冷地である本市の特徴を活かし、全国的に注目を集

めているカーリングはもとより、スキーやスノーボード、スケートなどを気軽に親しむこと

ができる環境づくりを進めるとともに、活性化を図る必要があります。

《競技水準の状況》

� 競技水準については、平成30年に韓国・平昌での冬季オリンピックの開催や、平成32年に

「2020 年東京オリンピック・パラリンピック」の開催が決定するなど、今後ますますスポ

ーツに対する注目度が高まる中、国際競技大会やプロスポーツなどにおける本市出身、本市

ゆかりの選手の活躍が、市民の郷土への誇りやスポーツへの関心を高め、本市のスポーツ人

口の裾野の拡大に寄与することから、若手選手の競技力向上や競技水準の向上に向けた取組

のほか、指導者の確保が求められています。

現状と課題

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94

ウィンタースポーツをはじめ、四季を通じて、市民誰もがスポーツ・レクリエーションに参

加できる環境づくりを進めます。

また、本市のスポーツ人口の裾野拡大に向けて、競技力の向上と指導者の確保を進めます。

スポーツ・レクリエーションの

推進

第1項 スポーツ・レクリエーション

活動の推進

第2項 ウィンタースポーツの推進

第3項 競技水準の向上

施策の体系

基本方向

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95

第1項 スポーツ・レクリエーション活動の推進

《スポーツ・レクリエーションの活性化》

� 各種スポーツ大会や市民のニーズに応じたスポーツ教室の開催をはじめ、子どもの頃からの

体力向上と健康増進を図る環境の充実など、子どもから高齢者、障がいのある方まで誰もが

気軽にスポーツ・レクリエーション活動に参加できる機会の充実や参加しやすい環境づくり

を進めます。

� スポーツへの関心や参加意欲を高めるため、国際大会や全国・東北・全県規模の大会、プロ

スポーツイベントなどの誘致を進め、市民がハイレベルなスポーツを観戦できる機会の充実

を図ります。

� 利用者目線に立ったスポーツ施設の運営のほか、「総合型地域スポーツクラブ」をはじめと

した団体に関する活動内容などの情報発信を通じて、市民がスポーツ・レクリエーション活

動に取り組みやすい環境づくりを進めます。

� 市民体育館やスポーツ会館などにおいて、スポーツを楽しむ市民や各競技団体が集まり、気

軽に練習や大会の開催、交流をすることができる環境づくりを進めるとともに、本市のスポ

ーツ・レクリエーションに関する情報や施設の利用状況などを、わかりやすく利用者に発信

するなど、スポーツ・レクリエーションの拠点づくりを進めます。

※平成28年度における実績値を踏まえて設定します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

スポーツ施設利用者数 本市所有のスポーツ施設の年間利用者

860,993人 (平成26年度)

970,204人

スポーツ・レクリエーション

に対する満足度 誰もがスポーツ・レクリエーションを

楽しむための機会や施設が充実してい

ると思う市民の割合(市民意識調査)

12.8% (平成27年度)

17.8%

障がい者のスポーツ施設利

用者数 本市所有のスポーツ施設における障が

い者の年間利用者数

未測定

未設定※

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第2項 ウィンタースポーツの推進

《ウィンタースポーツの活性化》

� ウィンタースポーツの大会やカーリング教室の開催、小学校へのスキースロープの設置など、

積雪寒冷地である本市の気候がもたらす、さまざまな恵みを活用して市民が気軽にウィンタ

ースポーツに親しむことができる機会の充実を図ります。

� ウィンタースポーツ団体の育成・支援やウィンタースポーツ施設の適正な管理及び機能充実

のほか、積極的な情報提供など、市民がウィンタースポーツに取り組みやすい環境づくりを

進めます。

� カーリングの国際試合に対応したスポーツ会館を拠点に、「カーリングの街・青森」の実現

を目指して、国際的・全国的な大会の誘致や若手選手の競技力向上及び本市カーリングの競

技水準の向上を図り、国際競技大会で活躍できる選手及びチームの輩出を目指すとともに、

観光、教育、地域活性化などのまちづくりにおいて、カーリングの積極的な活用を推進しま

す。

主な取組

目標とする指標

ウィンタースポーツ事業の

参加者数 市が主体的に関わっている各種ウィン

タースポーツ事業への参加者数

588人 (平成26年度)

856人

ウィンタースポーツ施設利

用者数 本市所有のウィンタースポーツ施設の

年間利用者数

114,206人 (平成26年度)

119,441人

ウィンタースポーツに対す

る満足度 ウィンタースポーツに親しむことがで

きる機会や環境が充実していると思う

市民の割合(市民意識調査)

19.8% (平成27年度)

22.2%

指標とその説明 基準値 目標値

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第3項 競技水準の向上

《指導者の確保》

� 各種競技の指導者講習会の開催やスポーツ推進委員による指導・助言活動、各種競技団体間

の連携強化による指導体制の充実など、中長期的な視点に立った、意欲ある優秀な指導者の

発掘・育成を図ります。

� 障がい者スポーツにおける意欲ある優秀な指導者の発掘・育成を図ります。

《競技力・競技水準の向上》

� スポーツ少年団活動の運営支援や小・中学生及び高校生を対象としたスポーツ大会の開催支

援など、競技人口の裾野の拡大に努めるほか、トップレベルの選手・指導者による講習会や

実技指導などの開催によるジュニア層の強化を図ります。

� 関係団体と連携しながら選手及び競技団体を育成・支援するとともに、優れた成績を収めた

選手及び競技団体の努力を称え表彰することで各々の達成感を高めるなど、国内外で活躍で

きる選手及び競技団体との連携を図ります。

� 障がい者スポーツにおける選手及び競技団体との連携を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

スポーツ推進委員の活動回

数 スポーツ推進委員がスポーツに関する

指導・助言などの活動を行った回数

2,228回 (平成26年度)

2,483回

スポーツ賞及びスポーツ奨

励賞受賞件数 スポーツ賞及びスポーツ奨励賞の受賞

件数

111件 (平成26年度)

147件

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第5章

自然をまもり親しみ

安全・安心で暮らしやすいまち

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第5章 自然をまもり親しみ 安全・安心で暮らしやすいまち

第1節 自然環境の保全

� 私たちのふるさとである青森市の、「青い海」「青い森」に象徴される恵み豊かな自然環境と

ともに、かけがえのない美しい地球を将来世代に引き継いでいくことが、今に生きる私たち

に課せられた重要な責務です。そこで、本市では『青森市環境方針』を掲げ、環境の保全・

改善に向けた意識啓発などの活動や、ごみ問題、地球温暖化への対策などの取組を進めてい

ます。

《自然保護活動の状況》

� 自然環境は、人が暮らしていくための重要な基盤であり、本市における自然の豊かさは、私

たちのまちが住みやすいまちであるための大切な要素となっており、豊かで美しい自然環境

を守り、さまざまな恵みを享受し続けることに対する市民意識の醸成・高揚を図るとともに、

将来世代に引き継いでいく必要があります。

《ごみ対策の状況》

� 本市におけるごみ排出量は、平成27年 4月から供用開始した新清掃工場単独での処理能力

を超過している状況にあり、ごみの減量化・資源化による排出量の削減が喫緊の課題となっ

ています。

� また、本市は類似都市に比べて市民一人一日当たりのごみの排出量が多く、資源化率も低い

ため、この現状を広く周知することで、市民・事業者のごみに関する問題意識を喚起するほ

か、市民・事業者・行政などが一体となった、ごみの減量化・資源化に向けた取組を進める

必要があります。

《再生可能エネルギー・省エネルギー対策の状況》

� 本市における平成 24 年度の温室効果ガス排出量は、約 331 万 t-CO2となっており、特に民

生(家庭・業務)部門の排出割合が高く、再生可能エネルギー源のうち住宅用太陽光発電に

ついては着実に普及率が上がっているものの、全国の普及率に比べると低い状況にあります。

� 地球規模での温暖化対策や東日本大震災を契機とした原子力発電に依存しないエネルギー

体制への転換が課題となっている中で、市民・事業者の省エネ意識を高め、化石燃料への依

存度を低減させるとともに、地域に賦存する安全・安心な再生可能エネルギーを活用した地

域分散型エネルギーの導入を図ることが求められています。

自然保護意識を醸成し、自然環境を守り育てる活動の充実を図り、森と水の循環の確保や自

然資源の持続可能な利用を進めます。

また、ごみの減量化・資源化に向けた市民・事業者・行政が一体となった活動及び再生可能

エネルギーの導入やエネルギーの地産地消、省エネルギー活動などを推進し、循環型・低炭素

社会の形成を進めます。

現状と課題

基本方向

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100

自然環境の保全

第1項 自然保護活動の推進

第2項 ごみの減量化・リサイクルの強化

第3項 再生可能エネルギーの導入・省エネ活動

の促進

施策の体系

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101

第1項 自然保護活動の推進

《自然保護意識の醸成》

� 森林などの自然を活かした公園や自然観察会をはじめとする、市民が身近な自然に触れ合う

ことができる機会を活用し、市民の自然保護意識の高揚を図ります。

� 市民が、自然保護につながる工夫を体験できる機会や、緑を守る募金活動などを通じた、家

庭や地域全体で自然保護について考える機運の醸成を図ります。

《自然保護活動の充実》

� 水道水源として良質な水を育む豊かな森や清澄な川に悪影響を及ぼす行為の未然防止に向

け、規制・監視するなど、森と水の適正な循環を促し、水道水源の保全を図るほか、海や河

川など市民が水に親しむ良好な空間の保全を図ります。

� 八甲田連峰をはじめとする山岳・丘陵地、陸奥湾、河川などにおけるごみの放置や、禁止さ

れている場所での山野草の採取など、自然環境破壊につながる行為についての注意を呼びか

け、自然を保護・保全しながら適正な利用の促進を図るなど、市民や関係団体と連携した自

然保護活動を進めます。

� 熊やカラスなどの有害鳥獣による人や財産への被害を防止するとともに、鳥獣の捕獲許可や

飼養登録などを通じ、自然鳥獣の保護を図り、人と野生動物が共存できる環境づくりを進め

ます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

自然保護活動に参加したこ

とがある市民の割合 ごみ拾いなどの自然保護活動に参加し

たことがある市民の割合(市民意識調

査)

41.1% (平成27年度)

45.0%

森林公園利用者数 1年間に森林公園を利用した市民の人

21,799人 (平成27年度)

31,000人

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102

第2項 ごみの減量化・リサイクルの強化

《多様な主体が連携した3R活動の推進》

� 市民や町(内)会、各種団体などの自主的活動主体と行政が連携を図りながら、ごみ問題の

解決に向けた Reduce(リデュース=排出抑制)・Reuse(リユース=再利用)・Recycle(リ

サイクル=再資源化)を基本とした生活スタイルの浸透を図ります。

� 市民が、ごみの減量化・資源化の取組を体験できる機会を提供するとともに、ごみと資源物

の分別方法やごみ処理の現状などについて広く情報発信するほか、子どもを含めた市民や事

業者などにおける、本市のごみ問題についての意識を高めます。

� 分別収集などを通じてリサイクル率を高めるため、平成24年度から実施している「その他

のプラスチック」の分別収集の徹底を図るほか、市民や事業者、行政など、ごみの発生に関

わるさまざまな主体が連携・協働し、ごみの分別や資源物の収集体制を構築するなど、ごみ

の減量化・資源化を進めます。

《市民のごみ減量化・資源化対策の促進》

� 家庭から排出される可燃ごみには、紙ごみや衣類などの資源物が多く含まれていることから、

分別や資源化に向けた市民への効果的な情報発信を通じてごみの減量化に対する意識啓発

を行うほか、浪岡地区に加えて平成27年11月から、青森地区で導入した「指定ごみ袋」制

度の周知を図るなど、市民がよりごみの減量化・資源化に取り組みやすい環境づくりを進め

ます。

《事業者のごみ減量化・資源化対策の促進》

� 事業所などから排出される可燃ごみには、紙ごみなどの資源物が多く含まれていることから、

細断・溶解リサイクルなどの適正処理を働きかけるほか、事業所などから排出される機密文

書以外の古紙類を回収する制度の情報発信などを通じて、事業系ごみの減量化に対する意識

啓発を行うなど、事業者がよりごみの減量化・資源化に取り組みやすい環境づくりを進めま

す。

※新規意識調査項目であり、平成28年度実施結果をもって設定します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

3Rを基本とした生活スタイ

ルが浸透していると感じる

市民の割合 3Rの意識が浸透していると感じる市

民の割合(市民意識調査)

未測定

未設定※

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103

リサイクル率 一般廃棄物の総排出量に占める資源化

量の割合

11.3%

22.8%

市民1人1日当たりのごみの

排出量 ごみの排出量を、市民1人1日当たりに

換算した量

1,133g

982g

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104

第3項 再生可能エネルギーの導入・省エネ活動の促進

《情報提供の充実・啓発活動の推進》

� 地球温暖化防止活動推進センターなどと連携・協働し、市民や事業者の地球環境に対する責

任と役割についての理解や認識を深めるとともに、情報提供や啓発イベントの開催、環境関

連資格の取得推奨などを通じて、『青森市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)』に掲げる

地球温暖化の防止や、低炭素社会の実現に向けた環境教育・環境学習の充実を図ります。

《再生可能エネルギーの導入・エネルギーの地産地消と省エネルギーの促進》

� 『脱・原発依存社会の実現に向けた方針~青森市再生可能エネルギー推進計画~』に基づき、

太陽光や地熱・温泉熱、バイオマス、雪冷熱など、地域に賦存する多くの再生可能エネルギ

ー資源の有効活用に向けて、調査研究成果などを踏まえ、本市における再生可能エネルギー

の普及や導入を促進する仕組みづくりを進めます。

� バイオマスや地熱などの再生可能エネルギーを利用した発電の実用化に向けた、弘前大学北

日本新エネルギー研究所などの関係機関との連携を通じて、本市における新たな産業の創出

を促進します。

� 環境講座などのさまざまな学習機会を活用した市民や事業者などの省エネ意識の啓発を通

じて、CO2排出削減など、低炭素社会の実現に向けた意識の醸成を促進します。

項目であり、平成23年度実施結果をもって基準値及び目標値を設定します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

省エネ行動に取り組んでい

る市民の割合 普段の生活の中で、省エネ行動に取り

組んでいる市民の割合(市民意識調査)

88.7% (平成27年度)

100%

住宅用太陽光発電システム

の設備容量 新たに設置された住宅用太陽光発電シ

ステムの設備容量(累計)

1,689.4kW (平成26年度)

3,270.0 kW

環境啓発関連イベントなど

への参加者数 市が主催する環境啓発関連イベントや

講座などへの市民の参加者数

4,050人 (平成26年度)

5,190人

温室効果ガス排出量 市域における温室効果ガスの排出量

330.6万t-CO2 (平成24年度)

225.6万t-CO2

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105

第5章 自然をまもり親しみ 安全・安心で暮らしやすいまち

第2節 快適な生活環境の確保

� 本市は、昭和40年代に著しい地盤沈下が確認され、主要な原因である地下水の過剰な汲み

上げを規制してきたほか、騒音、振動、大気汚染、悪臭などに関する継続的な調査・監視を

はじめとする公害対策を進めています。

� また、河川や陸奥湾、かんがい用水路などの公共用水域の水質保全や、生活環境の改善、公

衆衛生を高めるため、汚水処理施設の整備を進め、汚水処理人口普及率が約86%(平成26

年度末時点)となっているほか、施設の運営管理や老朽化施設の改修など適正な維持管理に

努めています。

� さらに、一般廃棄物処理施設のほか、産業廃棄物処理施設の許可業務を担う中核市として、

一般廃棄物・産業廃棄物の適正処理の確保及び不法投棄の防止に向け、市民・排出事業者・

処理事業者への啓発や指導などの取組を進めています。

� このほか、食品・生活衛生施設の監視指導、食品の検査、情報提供、衛生知識の普及・向上

の推進や、ペットを飼養する上で飼い主が守るべきマナーやモラルの向上など衛生的な生活

環境の確保に向けた取組を進めるとともに、市営の霊園及び斎場の管理運営を行っています。

《汚水処理・公害対策の状況》

� 公害については、関係法令及び公害防止条例に基づく規制、改善指導などによって全般的に

改善されてきているものの、事業活動や市民生活に関連して発生する公害を未然に防止する

ため、市民や事業者などに対して自らが発生源とならないよう注意を促していくとともに、

生活環境の改善や衛生水準を高めるため、汚水処理施設の整備促進や、水洗化の普及啓発を

進め、市民の健康と快適な生活環境を守る必要があります。

《廃棄物処理の状況》

� 大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会・経済活動や生活様式の多様化などを背景に、廃棄

物の不適正処理による環境負荷の問題が顕在化している中、環境負荷の少ない社会を形成す

るため、市民や事業者・行政などが一体となり、一般廃棄物の適正処理を推進するほか、産

業廃棄物について、排出事業者や処理事業者の遵法意識を高めることなどを通じ、適正処理

を徹底させる必要があります。

《生活衛生対策の状況》

� 生活衛生の確保については、生活衛生施設の衛生環境や食品に対する信頼と安全性を確保す

るため、施設の監視指導や衛生知識の普及・向上などに努めるほか、ペットの飼い主に対し、

守るべきマナーやモラルの向上を図ります。

� また、核家族化や少子高齢化の進展などにより多様化する市民の墓地需要に対応していく必

要があります。

現状と課題

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106

汚水処理施設の整備や水洗化率の向上など、汚水処理に係る環境づくりを進めるとともに、

身近な環境保全活動や公害監視体制の充実、一般廃棄物及び産業廃棄物の適正処理の確保を通

じ、快適な生活環境の確保を進めます。

また、食品衛生及び生活衛生対策を進めるとともに、生活に潤いを与えるペットなどの動物

愛護意識や管理対策を進め、身近な暮らしにおける衛生的な環境の確保を図ります。

快適な生活環境の確保

第4項 衛生的な生活環境の確保

第1項 適正な汚水排除・処理の確保

第2項 公害対策の推進

第3項 適正な廃棄物処理の確保

施策の体系

基本方向

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107

第1項 適正な汚水排除・処理の確保

《汚水処理環境の整備》

� 公共下水道や農業集落排水施設について、費用対効果や市民ニーズ、それぞれの地域特性な

どに応じた効果的・効率的な整備を進めます。また、今後、老朽化した施設の増加が見込ま

れることから、既存施設の効果的・効率的な更新に努めるなどの適正・適切な維持管理を通

じ、各種施設の機能保全を図ります。

� 公共下水道などの整備予定の無い地区の住宅などにおける合併処理浄化槽の設置に対し助

成し、設置を促進するとともに、設置された浄化槽の適正な維持管理を促進します。

《水洗化率の向上》

� 未だ水洗化がなされていない住宅や事業所に対し、それぞれの地域特性に応じた普及啓発活

動を通じて水洗化を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

汚水処理人口普及率 汚水処理施設を利用できる市民の割合

85.6% (平成26年度)

88.6%

水洗化率 水洗化されている市民の割合

74.5% (平成26年度)

79.9%

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108

第2項 公害対策の推進

《市民や事業者の意識啓発》

� 市民生活や事業活動に伴う騒音・振動・悪臭などが苦情やトラブルにつながる場合があるこ

とや、家庭排水や工場廃水による河川の水質汚濁など、家庭や事業活動に起因する公害があ

ること、その他、公害の発生状況などをわかりやすく紹介することを通じ、市民や事業者が

自ら公害などの発生源とならないよう注意を促します。

《公害監視体制の充実》

� 市内全域の騒音や地盤沈下、公共用水域の水質汚濁、一般環境中の大気汚染、ダイオキシン

類汚染の状況把握に向け、定期的な監視を行うとともに、公害苦情発生時には、事業場など

から発生する騒音・振動などを適宜測定し、基準値適合状況を踏まえた指導を行うなど、適

時適切な措置を講じます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

環境基準達成率(騒音・大気・水質) 騒音・大気・水質各監視項目に係る環境

基準の達成率

95.2% (平成26年度)

96.5%

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109

第3項 適正な廃棄物処理の確保

《一般廃棄物の適正処理の確保》

� 一般廃棄物の処理に係る計画に基づき、分別収集を行うほか、一般廃棄物処理業に関する審

査・許可や、処理業者への検査・指導などを行い、一般廃棄物の適正な処理を進めます。

� 町(内)会や関係団体などと連携し、市民や事業所のごみ出しマナーの向上などを図るとと

もに、供用廃止した施設を含む廃棄物処理施設などの適正な維持管理や、周辺市町村と連携

した処理体制の確保、新たな廃棄物処理施設の適切な運営管理などを通じ、安定的・効果的・

効率的な処理体制の整備を進めます。

� ごみの適正な出し方などに対する市民意識の高揚を通じ、不法投棄を防止する環境づくりを

進めるとともに、早期発見に努め、原因者に対する是正指導など適時適切に対応します。

《産業廃棄物の適正処理の確保》

� 関係団体などと連携したパトロールや、適正処理に関する説明会、適正処理ガイドブックの

配付などの意識啓発を通じ、排出事業者や処理事業者の法令遵守を図るとともに、市民から

の通報などに対して適時適切に対応します。

� 産業廃棄物の処理業に関する許可や、排出・処理事業者に対する立入検査などを通じ、産業

廃棄物の適正処理に向けた適切な監視・指導を行います。

《その他の廃棄物などの適正保管・処理の確保》

� PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の適正な保管・処分について事業者などへ周知するとと

もに、届出書などを通じて適切に状況を把握し、公表するほか、事業所の立入検査を通じて

安全性を確保しながら PCB廃棄物の適正処理に向けた監視・指導を行います。

� 使用済み自動車の引取業などに関する登録・許可や、登録・許可事業所に対する立入検査・

指導を通じ、使用済み自動車の適正処理に向けた監視・指導を行います。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

不法投棄などの発生件数 一般廃棄物及び産業廃棄物などについ

て、新たに不法投棄や野焼きなどの不

適正処理が確認された件数

80件 (平成26年度)

59件

産業廃棄物処理施設などの適合率 立入検査において、適正処理を確認できた

産業廃棄物処理業者や事業用施設の割合

71.0% (平成26年度)

84.0%

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110

第4項 衛生的な生活環境の確保

《食品衛生及び生活衛生対策の推進》

� 食品や日常生活における衛生水準の向上に向けた情報を提供し、市民や事業者への注意を促

すとともに、営業に関する審査・許可や、食品及び食品取扱施設、生活衛生関係施設などの

監視・指導などを通じ、食中毒や感染症の発生を未然に防ぎます。

� 食品または食品関係施設の衛生に関する情報提供があった際、食中毒などの発生防止、被害

の拡大防止などに向け、調査・監視や指導・命令などを迅速かつ適切に行います。

� 市民や地域と連携を図り、アメリカシロヒトリ対策を行うほか、スズメバチ対策などの生活

環境確保に向けた助言、飲用井戸の定期的な水質検査の促進など、生活環境の保全を図りま

す。

《市営霊園などの適切な整備と管理運営》

� 核家族化や少子高齢化の進展などにより多様化する市民需要を踏まえた墓地区画などの確

保・提供に努めるとともに、霊園及び斎場に係る施設の老朽化などへの計画的な対応など適

切な管理運営を行います。

《動物愛護管理対策の推進》

� 青森県動物愛護センターと連携し、犬や猫をはじめとするペットの飼い主に対し、ペットの

糞尿処理やリード(引き綱)の使用など、他人への迷惑・危害防止のほか、予防注射の定期

的な接種を通じたペットの適正な健康管理方法の理解など、飼養する上で守るべきマナーや

モラルの向上を図ります。

� 犬や猫の飼い主から引取りの相談や依頼などがあった場合は、動物愛護精神のもとで必要な

助言や指導を行い、生活に潤いを与える動物への愛護意識の高揚を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

食中毒発生件数 1年間に発生した食中毒の件数

4件 (平成26年度)

0件

狂犬病予防注射接種率 犬の登録頭数に占める、1年間に狂犬病

予防注射を接種した割合

81.2% (平成26年度)

86.0%

犬・猫など引取数 傷病動物など、さまざまな理由から飼育

されなくなった動物を引き取った頭数

225頭 (平成26年度)

141頭

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111

第5章 自然をまもり親しみ 安全・安心で暮らしやすいまち

第3節 防災体制の充実

� 本市は、地域における防災対策に関する体制の確立や、関係機関・団体が一体となった体制

の整備に向け、『青森市地域防災計画』、『消防計画』、『(仮称)第2期青森市耐震改修促進計

画』及び『青森市国民保護計画』などに基づき、甚大な被害を与える大規模災害や、火災を

はじめとする都市型災害などの発生に備え、市民の生命を守り、財産への被害を抑制するた

めの体制や都市基盤の整備を進めています。

� また『東日本大震災を踏まえた防災対策強化推進計画』、『津波避難計画』及び『原子力災害

対策計画』を策定するなど、東日本大震災を踏まえた防災力の強化を図っています。

《防災体制の状況》

� 近年、多様化が進む危機事案に対し、的確に対応するため、災害時における関係機関や団体

などとの連携を強化するとともに、資機材の充実や消防・救助技術の向上などにより、防災

力を強化する必要があります。

� 特に、地域における初期活動が重要であることから、地域防災の主力である消防団や自主防

災組織などの地域防災の担い手を確保するとともに、訓練機会や資機材などの充実を図る必

要があります。

� また、災害時には地域の避難場所などとして機能する、都市公園や緑地などのオープンスペ

ースを確保する必要があります。

� 東日本大震災を踏まえ、地域における地震・津波に対する防災対策の強化を図るとともに、

国、県と連携し、大規模自然災害などに備えた市全域にわたる強靱なまちづくりを推進する

必要があります。

《災害防止対策の状況》

� 河川の氾濫や浸水被害、津波被害、斜面の崩壊、近年発生が増加傾向にあるいわゆるゲリラ

豪雨などの自然災害から市民を守るため、雨水排水施設を含む都市基盤の安全性を高める改

修や整備を推進していく必要があります。

� 災害時における地域の避難場所に加え、多くの避難者が適切に避難場所へ避難するための安

全な避難経路の確保や円滑な防災活動の確保などに向けた道路整備を図る必要があります。

� 災害時における建築物の被害を防止するための改修を促進するなど、災害に強い都市基盤の

整備を進める必要があります。

現状と課題

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112

市域全体の総合的な防災力・消防力の強化を図るとともに、地域が一体となった防災力・消

防力を高め、迅速かつ的確な防災・危機管理体制の構築を進めます。

また、災害を防ぎ、災害に強い都市基盤整備を進めます。

防災体制の充実

第1項 防災力・消防力の総合的な強化

第2項 災害防止対策の推進

施策の体系

基本方向

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113

第1項 防災力・消防力の総合的な強化

《防災力・消防力の強化》

� 災害時において、ボランティアや防災活動団体、ライフラインに関係する事業者、行政が一

体となった防災活動を行うことができる、効果的な防災体制づくりを進めます。

� 資機材の充実や技術の向上などを通じ、迅速かつ効果的な防災・消防活動の確保を図るとと

もに、防災拠点の充実など、防災環境の整備を図ります。

� 建築物の地震に対する安全性の向上を図るため、建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図

ります。

� 火災をはじめ、風水害、地震災害などに対する防災意識の高揚や、山岳遭難に対する注意喚

起などを通じ、災害の未然防止を図ります。

� 各種災害を未然に防止し、または被害を軽減するため、地域の特性を正確に把握し、国や県

などと連携を図り、各種災害に関する調査研究を進めます。

� 津波被害の軽減のため、ハード・ソフトの施策を柔軟に組み合わせた「多重防御」による地

域づくりを推進するとともに、地域の状況に応じた総合的な対策を講じます。

� 防災関係機関と連携し、実践的な防災訓練を実施し、災害応急対策の迅速かつ的確な遂行を

図ります。

� 国・県と連携し、国土強靱化に関する施策の総合的かつ計画的推進を図るため、国土強靱化

地域計画の策定・推進に向け検討します。

《地域の防災力・消防力の強化》

� 地域ごとの防災講習会や防災訓練などを通じ、市民一人ひとりや地域としての防災・火災予

防意識の高揚を図ります。

� 地域防災力の充実強化に向け、消防団員の確保を図るとともに、地域での自主防災組織をは

じめ、職場や学校を通じた組織など、多様な主体が連携した防災体制の強化を図ります。

� 災害時において市民が適切な避難行動が取れるよう、安全な避難経路の確保を図ります。

主な取組

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114

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

自主防災組織結成率 自主防災組織がカバーしている世帯の

割合

42.2% (平成26年度)

74.0%

防災研修や訓練への参加者数 防災に係る研修会や防災訓練への参加

者数

43,233人 (平成26年度)

43,300人

消防団員数 地域における消防団員数

1,829人 (平成26年度)

1,873人

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115

第2項 災害防止対策の推進

《災害に強い都市基盤の整備》

� 市街地における浸水被害を軽減するため、雨水管渠やポンプ場などの下水道施設や側溝、水

路などの改修・整備を進めます。

� 危険箇所については、災害の発生を未然に防止するため、河川改修や急傾斜地の崩壊防止な

ど、計画的に整備を進めます。

� 効果的な救援・救護活動をはじめとする防災活動の確保に向け、防災機能をも考慮した道路

や公園の整備など、災害時における都市防災機能を高める都市基盤の整備を進めます。

� 津波や高潮などによる災害を防止し、または最小限に止めるため、関係機関と連携し、海岸

保全施設などの施設整備を進めるとともに、地域の実情を踏まえつつ、短時間での避難が可

能となる環境づくりを進めます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

河川改修の整備率 市の事業による、沼川、牛館川、貴船川、

飛鳥川、大辺田貝川の河川改修の整備率

(整備延長(m)÷指定延長(m))

20.07% (平成27年度)

20.74%

下水道の幹線整備による都

市浸水対策達成率 下水道事業における幹線整備による都市

浸水対策の達成率(浸水対策完了面積

(ha)÷浸水対策を実施すべき面積(ha))

57.1% (平成27年度)

58.2%

災害対策に対する満足度 自然災害の被害を最小限に抑えるため

の対策が行われていると思う市民の割

合(市民意識調査)

10.3% (平成27年度)

30.0%

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116

第5章 自然をまもり親しみ 安全・安心で暮らしやすいまち

第4節 安全・安心な市民生活の確保

� 本市は、安全で安心できる市民生活の実現に向け、家庭や地域、関係団体、行政などが連携

しながら、交通事故や犯罪、消費者トラブルなどの抑制に向けた地域社会づくりに取り組ん

でいます。

� 高齢化の進展に伴い、高齢者が被害者または加害者となる交通死亡事故が顕著となっている

ほか、消費者トラブルに高齢者が巻き込まれるケースが後を絶たない状況が続いています。

� 簡易な移動手段として利用されている自転車の利用者が、交通事故の被害者になるだけでな

く、加害者となるケースがみられるようになってきています。

《交通安全対策の状況》

� 交通安全のため、幼児から成人に至るまで、ライフステージに応じた交通安全意識の啓発を

図るとともに、近年、特に顕著となっている高齢者の事故防止対策に取り組む必要がありま

す。

� 世代を問わず利用されている自転車利用者の交通ルールの遵守、マナーの向上を図る必要が

あります。

《防犯対策の状況》

� 犯罪が身近で発生し、巧妙化している中で、犯罪に対する社会的な不安感が高まっており、

地域の安全・安心を守るためには、地域や事業者、関係団体、行政が連携し、防犯対策を進

める必要があります。

《消費生活対策の状況》

� 市民が安全・安心に暮らせるよう、悪質商法など消費者トラブルが一層多様化・高度化する

中で、消費者トラブルの未然防止・拡大防止に向けて、市民への注意喚起の徹底や相談支援

体制の充実が求められています。

交通安全に対する意識を啓発し、地域が一体となった交通安全活動を促進するとともに、交

通安全施設などの充実を図ります。

また、市域全体及び地域における防犯対策の充実を図るとともに、消費生活上の被害を防ぎ、

消費生活の安全確保を図ります。

現状と課題

基本方向

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117

安全・安心な市民生活の

確保

第1項 交通安全活動の推進

第2項 防犯対策の推進

第3項 消費者自立支援対策の推進

施策の体系

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118

第1項 交通安全活動の推進

《交通安全意識の啓発》

� 地域・学校・関係団体などと連携を図りながら、効果的な機会を捉え、幼児から成人に至る

まで、ライフステージに応じた啓発活動を展開し、交通安全意識の高揚を図ります。

� 自転車による事故を防止するため、「自転車は、車道が原則、歩道は例外」などの自転車安

全利用五則に基づき、自転車利用者の交通ルールの遵守、マナーの向上を図ります。

� 高齢者が被害者または加害者となる交通事故の減少に向け、高齢者に対する交通安全指導な

どをはじめとする安全対策の充実を図ります。

� 交通事故における被害を最小限にするため、シートベルト及びチャイルドシートに関する正

しい知識や認識を啓発します。

《交通安全活動の促進》

� 『(仮称)第10次青森市交通安全計画』に基づき、市民や関係団体が主体となった交通安全

運動を促進するなど、市民や事業者、行政などが連携し、交通安全対策を進めます。

� 子どもと高齢者を交通事故から守るため、地域と行政が連携した交通安全活動を促進します。

《交通安全施設などの充実》

� 関係団体や機関などと連携し、信号機やロードミラーをはじめとする交通安全施設などの必

要性に応じた整備の促進を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

交通安全運動参加者数 交通安全運動に参加した市民の人数

16,296人 (平成27年度)

16,801人

交通事故による死傷者数 交通事故による年間の死傷者数

1,005人 (平成27年)

『(仮称)第10次青森県交通

安全計画』における数値目標

を踏まえ設定する値

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119

第2項 防犯対策の推進

《防犯体制の充実》

� 地域の安全・安心に係る情報を共有するため、まちづくりに関係する多様な主体が連携し、

犯罪などに対し安全・安心なまちづくりを推進します。

� 防犯灯の設置・管理などを通じ、地域の防犯対策を支援するとともに、地域や事業者、行政

が連携した防犯体制を構築します。

《地域における防犯対策の向上》

� 地域内での効果的な防犯対策などの情報共有を通じ、注意を喚起するなど、地域の防犯意識

の高揚を図ります。

� 地域住民相互の声掛けや見守りなど、町(内)会をはじめとする地域団体による自主的な防

犯活動を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

犯罪発生件数 刑法犯の認知件数

1,471件 (平成26年)

1,400件

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120

第3項 消費者自立支援対策の推進

《安全・安心な消費生活の促進》

� 消費者団体の活動を支援するほか、市民向けの講座などによる知識の普及を通じ、消費者が

自らトラブルを回避できるよう、啓発活動を進めます。

� 消費生活に関するトラブルの事例や対策、注意を要する点など、きめ細かい情報を広報紙や

市ホームページなどの各種広報媒体で周知するなど、適時適切な情報提供を進めます。

� 青森市民消費生活センターにおいて、トラブルの解決に向けた的確な助言を相談者に行うほ

か、必要に応じて、事業者とのあっせんや他の機関を紹介するなど、消費生活相談機能の充

実を図ります。

� 多様化・複雑化する消費者問題に対応し、消費者の安全・安心の確保に向けて、消費者団体

や関係機関などとの連携強化を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

被害に遭わないよう気をつ

けている市民の割合 消費者トラブルや悪質商法の被害に遭わ

ないように気をつけている市民の割合

(市民意識調査)

90.8% (平成27年度)

93.1%

啓発事業などへの参加者数 消費生活に関する各種啓発事業におけ

る参加者数

2,838人 (平成26年度)

3,000人

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第6章

空・海・陸の道で行き交う

雪に強く住みよい美しいまち

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122

第6章 空・海・陸の道で行き交う 雪に強く住みよい美しいまち

第1節 拠点の形成

� 本市は、国内はもとより国際航路を持つ青森空港をはじめ、東北新幹線をはじめとする各鉄

道路線のほか、青森港や東北自動車道など、空路、海路、陸路の交通ネットワークが充実し

ていることに加え、青森県の中央に位置するという地理的優位性から、140万人規模の人口

を有する青函交流圏の中核としての役割を担っています。

� 特に、函館市とは「青森・函館ツインシティ」の盟約に基づき、文化・スポーツ・観光・経

済などの幅広い分野で積極的な交流を展開し、平成26年には提携25周年を迎え、ツインシ

ティのさらなる発展を目指すほか、国内では鹿児島県屋久島町、東京都中野区、国外では大

韓民国・平澤市、中華人民共和国・大連市をはじめとするさまざまな都市との交流を進めて

います。

� また、人口減少・少子高齢化社会においても一定の圏域人口を有し活力ある社会経済を維持

するため、東青地域の各町村とも連携しながら、連携中枢都市圏の形成について検討を進め

ています。

� 本市の発展を支える都市拠点については、東北新幹線新青森駅開業や北海道新幹線開業に伴

う効果を最大限に獲得するため、中心市街地地区をはじめ、新青森駅周辺地区、操車場跡地

地区、浪岡駅周辺地区の各都市拠点における交通結節機能や交流機能の整備・検討を進めて

きました。

� 一方で、日常生活の安全・安心を支える地域コミュニティは人口減少・急速な少子高齢化や

地域住民の連帯感の希薄化に伴い、その活動を支える人材不足が深刻化し、地縁組織単体で

の地域課題解決が一層難しさを増しています。

《広域交流拠点の状況》

� このような中で、東北新幹線新青森駅開業及び北海道新幹線開業による交流圏の拡大などの

効果を活かしながら、広域交流拠点にふさわしい機能を発揮し、青函交流圏の一体的な発展

を牽引する都市づくりを進めるとともに、国内外における都市間・地域間の連携を深め、経

済・文化・観光などさまざまな分野において交流に取り組む必要があります。

� また、本市は、青森県の行政・経済・文化の中心都市として、県内から一定の人口吸引力を

保ってきましたが、人口減少社会においても地域活力の維持・向上を図るため、近隣の町村

や県内外の自治体との連携を通じた圏域づくりを進めるとともに、本市の持つ魅力を市内外

に向け情報発信し、本市に「住み続けたい」「住んでみたい」と思えるまちに向け、本市の

持つ魅力を市内外に向け情報発信するシティプロモーションの推進や移住・定住を促進する

必要があります。

現状と課題

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123

《都市拠点の状況》

� 中心市街地地区については、各都市拠点や日常生活拠点とのアクセスの利便性を高めるほか、

青森駅周辺地区におけるさらなるにぎわい機能の強化を図るとともに、ウォーターフロント

地区と連続した魅力的かつ回遊性が高い空間を創出し、行政、商業、文化、都心居住などの

都市機能が集積した交流拠点として、本市はもとより県都の顔にふさわしい地区形成を進め

る必要があります。

� 新青森駅周辺地区については、中心市街地地区や国内外を結ぶ広域交通の拠点(駅・空港・

港)とのアクセスの利便性を高めるとともに、青森らしい空間を創出し、北海道新幹線開業

に伴う効果を最大限に獲得するため、県内他都市、道南地域とを結ぶ広域交流の玄関口とし

てふさわしい地区形成を進める必要があります。

� 操車場跡地地区については、鉄道新駅などの交通施設整備を進めるとともに、地球環境に配

慮した「青い森」を象徴する緑豊かな交流拠点として、低炭素型の先導的な都市環境を創出

する地区形成を進める必要があります。

� 浪岡駅周辺地区については、津軽地方の都市との近接性を活かし、広域交流の拠点としての

機能を高めるとともに、浪岡地域における交通の利便性と快適性を高めるほか、引き続きに

ぎわい機能とホスピタリティ機能の充実を図り、津軽地方の玄関口としてふさわしい地区形

成を進める必要があります。

《日常生活拠点の状況》

� 人口減少・少子高齢化が進展する中で、歴史・文化など地域固有の特色を活かしながら、暮

らしやすい日常生活の拠点づくりを進めていくため、既存ストックの活用を基本に、地域の

実情やニーズに応じた生活環境の整備を進めるとともに、自立した地域コミュニティの構築

を図るため、『青森市地域コミュニティ・ガイドライン』に基づく、まちづくり協議会の設

立及び地域計画の作成を促進し、地域が主体となった特色あるまちづくりの形成を進める必

要があります。

青函交流圏の発展や国際化の推進などを通じて、国内外から多彩な人が行き交う広域交流拠

点としての機能充実を図ります。

また、都市拠点の機能性を高めるとともに、地域色豊かな暮らしやすい日常生活拠点の形成

を図るほか、港の持つ多面的機能を活かした魅力ある空間形成など、地域特性に応じた都市機

能の配置を進めます。

基本方向

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124

第1項 活発な移住・交流を支える

広域交流拠点の形成

第2項 機能的でにぎわいのある

都市拠点の形成

第3項 暮らしやすい

日常生活拠点の形成

拠点の形成

施策の体系

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第1項 活発な移住・交流を支える広域交流拠点の形成

《シティプロモーションの推進》

� 「暮らしたいまち、訪れたいまち」として、市内外の人々に選ばれるまちづくりを推進するた

め、本市の魅力の浸透を図るとともに、移住に繋げるためのファーストステップとして、本

市の魅力を、多くの人に知ってもらい、興味を持ってもらうため、効果的なシティプロモー

ションを推進します。

《移住・定住の促進》

� 県などと連携し、移住希望者に対し効果的な情報発信を行うとともに、移住相談の充実を図

ります。

� 本市での生活や仕事の体験機会の充実をはじめ、移住者が地域との関わりを持ちながら多様

な分野で活躍できる機会の創出や移住後のフォロー体制づくりなどを通じて、ライフステー

ジに応じた受入環境の整備を進めます。

� ふるさと青森への回帰に向け、国・県と連携し、移住にかかる不安感の軽減に向けた取組や

Uターン支援の充実を図ります。

《国際・国内交流の推進》

� 「青森・函館ツインシティ」の活性化はもとより、津軽海峡を挟んだ青森県全域と北海道道

南地域を一つの圏域とする「津軽海峡交流圏」の形成を進め、青函交流圏の一層の活性化と

圏域の魅力の相互補完を図るとともに、友好都市である屋久島町や縄文遺跡を有する都市と

の交流をはじめ、地域ならではの観光資源を活用とした交流など、さまざまな地域との多様

な交流を推進します。

� これまで築き上げてきた海外友好都市とのネットワークを活かすとともに、本市の地域特

性を活かした効果的な国際交流を推進します。

� 経済・文化・観光など、交流の効果を明確にしながら、国内外の各都市との市民レベルで

の交流を推進します。

� 外国人来訪者を迎え入れるための外国語表示の充実や、関係団体との連携による通訳ボラン

ティアなど、国際化に対応した受入体制の充実を図ります。

� 市民が気軽に国際交流活動へ参加できる環境づくりに向け、市民活動団体の自主的な活動を

支援するとともに、社会・経済をはじめとした各種分野における国際化・グローバル化の進

展に対応した地域づくりを進めるため、市民の国際交流・国際理解などを促進し、国際感覚

の醸成を図ります。

主な取組

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126

《圏域全体の活性化》

� 連携中枢都市圏の形成を通じて、本市が東青地域の中心として経済・都市機能・生活関連サ

ービスの向上を牽引し、これまで以上に圏域の活性化を図ります。

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

移住促進イベントでの相談

件数 青森暮らしサポートセンター及び市が

参加した移住促進イベントでの相談件

85件 (平成26年度)

332件

国内交流事業の参加者数 市が主体的に関わっている各種国内交

流事業への参加者数

2,379人 (平成26年度)

2,414人

国際交流事業の参加者数 市が関わっている各種国際交流事業へ

の参加者数

828人 (平成27年度)

1,078人

交流活動に関する満足度 国内外を問わず多くの地域の人たちと

の交流活動が活発であると思う市民の

割合(市民意識調査)

6.2% (平成27年度)

10.0%

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第2項 機能的でにぎわいのある都市拠点の形成

《中心市街地の地区形成》

� 公共交通の利便性向上や総合都市交通ターミナル機能の強化を図り、多様な交通手段による

中心市街地地区へのアクセス環境の向上を図ります。

� 中心市街地の活性化に関する計画など各種計画に基づき、関係団体や事業者などと連携しな

がら、青森駅周辺地区の一体的なまちづくりを推進するとともに、アウガの再生に向けた取

組や民間などによる再開発を促進し、中心市街地の継続的なにぎわい創出を図ります。

� 青森駅周辺地区と青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸や、ねぶたの家 ワ・ラッセ、青森

県観光物産館アスパムなどが立地するウォーターフロント地区や中心商店街との連携に加

え、市役所など市民が集う場とも連携を図りながら魅力的かつ回遊性の高い空間を創出しま

す。

� 学生をはじめとする若者が活躍できる機会を充実させるとともに、誰もが訪れたくなる中心

市街地づくりを進めます。

《新青森駅周辺の地区形成》

� 広域的な玄関口として、多様なアクセスに対応する交通結節機能を活かしたまちづくりを推

進します。

� 新幹線利用客に青森らしさを印象付けるような空間を創出するとともに、観光情報センター

の機能を活用し、来街者のさまざまなニーズに対応できる、ホスピタリティ機能の充実を進

めます。

� 本市の豊かな自然と文化とのつながりを表現できるよう配慮しながら、石江土地区画整理事

業の一般保留地などの土地利用を促進し、新幹線利用客や周辺住民の利便性と快適性の向上

に向けた環境づくりを進めるとともに、広域的な玄関口としての役割にふさわしい施設など

の配置、誘導を進めます。

《操車場跡地の地区形成》

� 市民に親しまれる緑のネットワークの形成や市民の安全・安心を守る防災拠点などの機能充

実に向けた検討を進めるとともに、交通施設整備などによる交通機関が連携した交通結節点

機能のほか多様な市民活動が展開できる市民交流の場の創出を目指します。

《浪岡駅周辺の地区形成》

� 雪やリンゴを活用した地域ブランドの開発促進をはじめ、浪岡地域交流施設あぴねすを拠点

とした地域資源の魅力向上と浪岡地区のさまざまな情報発信を通じ、地域の住民と来訪者の

交流を進め、にぎわい機能とホスピタリティ機能の充実を図ります。

� 浪岡地区住民はもとより、弘前市や黒石市、五所川原市などの津軽方面の交通結節点として

の利便性を確保するとともに、「道の駅なみおか アップルヒル」や「青森市中世の館」に

加え、リニューアルされた「浪岡湿生花園」や「健康の森花岡プラザ」など多様な交流施設

を結ぶ観光ルートの構築など、交通拠点機能を活かしたまちづくりを進め、浪岡地区の魅力

向上を図ります。

主な取組

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128

※平成28年度に策定する次期青森市中心市街地活性化基本計画の中で目標値を設定します。

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

中心市街地の歩行者通行量 中心市街地の主要地点(20地点)での

平日の歩行者数

66,992人 (平成26年度)

未設定※

浪岡地域交流施設の入館者

数 浪岡地域交流施設あぴねすの入館者数

120,024人 (平成26年度)

130,832人

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第3項 暮らしやすい日常生活拠点の形成

《特色ある地域づくりの促進》

� 誰もが暮らしやすい日常生活を送ることができるよう、町(内)会をはじめ、市民やボラン

ティア、NPO、民間企業、大学など、地域でまちづくりに取り組む団体間の連携・協働によ

る地域づくりを促進します。

� 特色ある地域づくりを進めるため、多様な主体が連携した地域づくり組織による地域課題の

解決や地域資源の利活用を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

まちづくり協議会の設立数 『青森市地域コミュニティ・ガイドラ

イン』に基づくまちづくり協議会の設

立数

7団体 (平成27年度)

22団体

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第6章 空・海・陸の道で行き交う 雪に強く住みよい美しいまち

第2節 土地利用・都市景観の形成

� 本市では、市街地拡大に伴う中心市街地の衰退や環境との調和を、都市づくりの重要な課題

として捉え、新たな市街地の拡大の抑制と既存ストックの有効活用を基本に、「コンパクト

シティの形成」を基本理念とした都市づくりに努めています。

� 一方で、今後、長期にわたる人口減少が見込まれており、各地域において、一層の市街地の

低密度化の進行、空き地・空き家の増加や、身近な商業など生活サービス機能の低下、公共

交通の利用者減少などが想定されています。

� また、良好な景観形成に向けて、行為規制の届出対象地域を市内全域とし、景観類型区分(自

然的景観、歴史・文化的景観、市街地景観)ごとに、それぞれの地域の特性や課題に応じた

取組を進めています。

《土地利用の状況》

� このような中で、都市づくりの基本的な考え方である「人と環境にやさしいコンパクトシテ

ィ」の形成に向け、地域特性に応じ都市機能を分担し、バランスのとれたコンパクトなまち

づくりを進めるため、計画的かつ効率的な土地利用を推進するとともに、それぞれの拠点を

交通ネットワークでつなぎ相互の連携強化を図る必要があります。

《都市景観の状況》

� 都市景観については、雪国としての生活様式や地域の歴史、培われてきた自然や風土、生活、

文化などのかけがえのない市民共有の財産を守り、また、有効に活用するため、未来に向け

た都市景観の展望を市民と行政が共有する、自然と都市が調和した個性豊かな都市景観を形

成していく必要があります。

� また、個性豊かな緑と花があふれるまちなみの形成に向け、市民と行政との連携による地域

の自主的な緑化活動の推進を図る必要があります。

新たな市街地の拡大の抑制と既存ストックの有効活用を基本に、効率的な都市づくりを推進

するとともに、市民と行政が共通の将来展望を持って、豊かな自然環境と調和した美しい都市

景観の形成を進めます。

現状と課題

基本方向

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131

土地利用・都市景観の

形成

第1項 効率的で計画的な土地利用の推進

第2項 緑豊かな美しい都市景観の形成

施策の体系

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132

第1項 効率的で計画的な土地利用の推進

《適正な土地利用の推進》

� 都市づくりの基本的な考え方である「人と環境にやさしいコンパクトシティ」の考え方に基

づき、新たな市街地の拡大の抑制と既存ストックの有効活用を基本とした計画的な土地利用

を推進するとともに、土地取引に関する各種法令などを通じて、土地の投機的取引の抑制や

適正かつ合理的な土地利用の確保、公共事業用地の円滑な確保を図ります。

� 今後、一層進展が見込まれる人口減少・少子高齢化に対応し、持続可能なまちづくりを進め

るため、『都市計画マスタープラン』に掲げた都市づくりの基本理念を再認識するとともに、

新たに『(仮称)青森市立地適正化計画』を策定し、生活を支える機能の誘導と公共交通と

の連携を図り、「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」のまちづくりを進めます。

《計画的な都市基盤の形成》

� これまでの投資により蓄積された道路、下水道、公共施設などの社会資本ストックの有効活

用を基本に、住宅の集積度合いや、それぞれのエリアの持つ特性に応じたまちづくりを推進

します。

� 社会資本ストックの集積の高い中心市街地の有効活用を図るため、老朽化した建物、空き地

などの共同化・集約化により土地利用の高度化を進めます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

居住誘導区域内の居住人口

の割合 総人口に占める居住誘導区域内の居住

人口の割合

未設定※

未設定※

効率的で計画的な土地利用

の推進に関する満足度 計画的な都市基盤が形成されていると

思う市民の割合(市民意識調査)

3.9% (平成27年度)

4.7%

土地・建物の合理的かつ健全

な高度利用促進件数 中心市街地活性化基本計画区域内にお

いて市の支援などにより老朽化した建

物や未利用地などを再利用・高度化し

た事業件数(累計)

4件 (平成27年度)

9件

※平成28年度に策定する(仮称)青森市立地適正化計画の中で基準値及び目標値を設定します。

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133

第2項 緑豊かな美しい都市景観の形成

《緑と花にあふれたまちなみの形成》

� 「青い森」の名にふさわしい緑と花にあふれたまちづくりのため、市民の緑化意識の啓発や

地域住民による自主的な緑化活動を支援するとともに、地域と行政が連携して、地域性豊か

な緑化活動を推進します。

《美しい都市景観づくり》

� 『青森市景観計画』に基づき、大規模な建築物や屋外広告物の規制・誘導を通じて、自然環

境や歴史・文化的景観資源の保全を図ります。

� 都市景観に関する市民や事業者への意識啓発などを通じて、都市景観の展望を共有し、市民

活動団体との連携などによって、市民・事業者・行政が一体となった都市景観の形成を進め

ます。

� 市民や来訪者にとってわかりやすい公共施設案内の充実を図ります。

《公園・緑地の充実》

� 緑地の保全及び緑化の推進を図るため、『(仮称)青森市緑の基本計画』に基づき、市街地に

おけるレクリエーションや憩いの都市空間として、市民ニーズを踏まえながら、誰もが安全

で快適に利用できる公園・緑地の充実を図るとともに、公園空白地区の解消などに向けた検

討を進めます。

� 『青森市公園施設長寿命化計画』に基づき、老朽化した遊具や公園施設などを計画的に改

築・更新するとともに、市民や市民団体などと連携を図りながら、安全・安心に資する公園

施設の適正な管理体制の充実を進めます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

都市景観に関する満足度 まちなみが整っていると思う市民の割

合(市民意識調査)

13.6% (平成27年度)

18.4%

緑化活動累積団体数 自主的に緑化活動を行っている団体数

の累積

795団体 (平成27年度)

1,205団体

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第6章 空・海・陸の道で行き交う 雪に強く住みよい美しいまち

第3節 快適な居住環境の確保

� 本市は、人口30万人規模の都市としては、国内はもとより世界でも有数の多雪都市であり、

県庁所在地としては全国で唯一、市全域が国の特別豪雪地帯に指定されております。

� このような地域特性を踏まえ、市民にとって真に豊かさを実感できる暮らしを実現するため

『青森市住生活基本計画』に基づき、市民の住生活の安定の確保と向上の促進に向けた取組

を進めています。

� また、『青森市新雪対策基本計画』を通じて、市民・事業者・行政のパートナーシップのも

とでの雪対策の推進や、流・融雪溝の整備を進めることにより、より良い冬の暮らしの構築

を進めています。

《居住環境の状況》

� このような中で、住宅施策については、本市の豊かな自然環境と共生し、雪や災害に強く、

また、高齢者世帯や障がい者世帯、子育て世帯などに配慮した安全で快適な住まいづくりを

促進する必要があります。

� また、住宅に関する支援制度の普及啓発、空き家をはじめとする既存住宅ストックの有効活

用について取り組んでいくなど、住宅の質的向上に努める必要があります。

《雪対策の状況》

� 人口減少社会を見据えた持続可能な除排雪体制の確保、まちづくりを含む総合的な視点に立

った雪対策の推進が求められています。

� また、冬期間における安全で快適な市民生活や円滑な経済活動を確保するための対策の充実

を図るとともに、利雪・親雪のさまざまな取組を促進する必要があります。

市民・事業者・行政の協働によって、より効果的・効率的な雪対策を推進するほか、気候・

風土に適した安全で質の高い住宅ストックの形成や、多様な居住ニーズに対応できる環境づく

りを進めます。

また、雪を貴重な地域資源として、さまざまな分野において有効活用を進めます。

現状と課題

基本方向

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2

快適な居住環境の確保

第1項 良好な住まいづくりの促進

第2項 雪対策の推進

施策の体系

135

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136

第 1 項 良好な住まいづくりの促進

《多様な居住ニーズへの対応》

� 『青森市公営住宅等長寿命化計画』に基づき、市営住宅を良好な住宅ストックとして活用し

ていくための適切な管理・修繕や整備、県営住宅との連携や借上げ住宅の活用などを通じて、

誰もが快適な住生活を営むことができる環境づくりを進めます。

� まちなか居住誘導地区への民間集合住宅の誘導に努めるほか、空き家をはじめとする既存住

宅ストックの有効活用などにより、居住ニーズに応じたまちなかや郊外などへの円滑な住み

替えを促進します。

� 住まいに関する情報が容易に収集できるよう、専門機関や住宅関連団体などとの協力体制の

充実を図るとともに、住生活に関わる住宅相談窓口や、各種広報、市ホームページなどを通

じて、住宅関連情報の提供を図ります。

� 住宅に困窮する方が市営住宅に円滑な入居ができるよう、適正な入居管理による公正性の確

保に努めるなど、居住の安定確保が図られる体制を構築します。

《良好な居住環境の整備》

� 屋根雪処理の負担が少ない無落雪屋根方式などを採用した克雪住宅や既存建物の耐震診断

及び耐震改修の普及・促進などを通じて、雪や災害に強い住まいづくりを推進します。

� 長期にわたり良好な状態で有効に活用される住宅の普及・促進や、住宅リフォームなどに関

する情報提供、相談体制の充実などを通じて、住宅の適切な維持管理を図り、住宅ストック

が有効に活用される環境づくりを進めます。

� 多様化する居住ニーズに対応するため、関係機関と連携を図りながら、空き家をはじめと

する既存住宅ストックや空き地の有効活用と良質な住宅ストックの形成を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

まちなか居住誘導地区人口

の割合 まちなか居住を誘導する地区の居住人

口の割合(まちなか居住誘導エリア÷

総人口)

5.71% (平成27年度)

6.50%

住宅に対する満足度 現在住んでいる住宅について、満足して

いる市民の割合(市民意識調査)

68.2% (平成27年度)

71.5%

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137

第2項 雪対策の推進

《利雪・親雪の推進》

� 雪の持つ特性を活用し、雪の利活用や雪に親しむ取組を促進します。

� 雪国研究センターなどによる雪に関する情報の収集や発信を通じて、市民の冬期間の快適な

暮らしの構築を目指します。

《効率的な除排雪の推進》

� 除排雪作業水準の向上に努めるとともに、さまざまな情報技術などを活用し、除排雪作業状

況を的確に把握し、除排雪作業の適切な管理と効率的な実施を推進します。

� よりきめ細かく効率的な除排雪に向けて、地域との連携のもと、除排雪関連情報の共有化を

図りながら、地域の実情や特性に合った除排雪を実施します。

� 雪に関する市民相談への対応やGPS端末装置を活用したホームページによる除排雪情報の提

供など、迅速かつ的確に雪関連情報を収集・提供します。

《市民、事業者及び行政の連携による雪処理の推進》

� 『第2期青森市冬期バリアフリー計画』に基づき、歩道融雪などの効果的かつ効率的な整備

を推進します。

� 市民・事業者・行政の協働を図りながら、市民・地域が自主的に雪処理できる流・融雪溝の

整備及び利用管理組合などによる運用や雪処理施設設置への支援、また冬期における通学路

などの歩行者空間確保のための小型除雪機の貸与などを推進します。

� 地域やボランティア団体などと連携し、高齢者などの雪処理が困難な市民に対する対策を推

進します。また、豪雪時における組織的な対応の確立を目指します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

自主的な雪処理施設の整備

に対する満足度 自主的な雪処理を進めるための施設

(流・融雪溝など)が整備されている

と思う市民の割合(市民意識調査)

9.6% (平成27年度)

10.0%

流・融雪溝の整備(供用)延

長 地域の自主的な雪処理施設の整備(供

用)延長

64,368m (平成27年度)

68,437m

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第6章 空・海・陸の道で行き交う 雪に強く住みよい美しいまち

第4節 広域・都市内交通網の充実

� 本市は、新幹線、高速道路などの高速交通網をはじめとする、道路、鉄道、空港、港湾など

の国内外の都市をつなぐ交通の要衝であるとともに、路線バスを中心とした公共交通を市民

のほとんどが身近に利用できるなど、市民が円滑に移動できる交通環境の整備に努めている

ところです。

� 一方で、近年、地球温暖化防止など地球規模での環境意識が高まる中で、より環境負荷が低

い交通体系への転換が求められているほか、人口減少・少子高齢化の進展や自動車交通への

過度な依存により、公共交通ネットワークの維持が懸念されています。

《広域交通の状況》

� このような中で、広域交通の要衝としてのさらなる機能の発揮に向け、北海道新幹線開業を

契機とした鉄道網の充実や、青森空港を有することによる利便性や優位性を十分に活用して

いくとともに、クルーズ客船の寄港や北海道との物流を支える重要な拠点港としての役割、

さらには災害時の緊急物資輸送拠点としての役割を果たす青森港における港湾機能の充実

を図る必要があります。

《都市内交通の状況》

� 都市内公共交通については、人口減少・少子高齢社会や低炭素社会などの課題に対応し、雪

に強く、自家用自動車に過度に依存しない、人と環境にやさしい総合的な交通体系の実現に

向けて、誰もが円滑に移動可能で持続可能な公共交通ネットワークの構築を図る必要があり

ます。

《道路環境の状況》

� 道路の整備については、計画的に整備を進めるとともに、積雪時の歩行空間の確保はもとよ

り、年間を通じて誰もが安全で快適に移動できる道路交通環境の確保を図る必要があります。

新幹線、高速道路などの高速交通網をはじめ、道路、鉄道、空港、港湾それぞれの機能充実

と連携強化を進めるとともに、鉄道と路線バスの利便性向上や連携強化などを通じ、中心市街

地地区をはじめとする都市拠点、駅などの交通拠点、日常生活拠点を円滑に移動することがで

きる環境づくりを進めます。

現状と課題

基本方向

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広域・都市内交通網の

充実

第1項 広域交通網の充実

第2項 都市内公共交通の充実

第3項 快適な道路環境の確保

施策の体系

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第1項 広域交通網の充実

《鉄道網の整備促進》

� 県や他市町村との連携のもと、新幹線や在来線の利便性向上を促進します。

《空港の利活用の促進》

� 国や県、関係機関などとの連携を図りながら、国内外を繋ぐ拠点としての青森空港の利用促

進を通じ、国内外空港路線の維持・拡大を図ります。

《港湾機能の充実》

� 青森港の利用ニーズに対応するため、物流拠点としての機能や、大型旅客船専用岸壁を有す

る新中央埠頭の整備などによる港湾機能の充実を促進するとともに、交流面、環境面、防災

面を考慮した多面的な利活用も見据えた整備を促進します。

《高速道路などの建設促進》

� 東北縦貫自動車道八戸線などの建設促進により、都市間の人的・物的交流の活性化を促進し

ます。

《交通拠点間のネットワークの充実》

� 駅や高速道路、空港、港などの交通拠点間を有機的に連携し、市民や来街者の利便性向上の

ための環境整備を促進します。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

観光入込数(県外客数)〔再

掲〕 県外から本市を訪れた観光客数

2,285千人 (平成26年)

2,345千人

青森港航路の便数

青森港の航路の便数

5,552便 (平成26年)

5,660便

広域交通の利用しやすさに

対する満足度 広域交通を利用しやすいと思う市民の

割合(市民意識調査)

15.4% (平成27年度)

20.6%

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第2項 都市内公共交通の充実

《公共交通ネットワークの構築》

� 今後『(仮称)青森市地域公共交通網形成計画』を策定し、人口減少・少子高齢化の進展に

対応した持続可能な公共交通の確立と質的向上を図ります。

� 市民の誰もがわかりやすく利用しやすい、バス路線の再編やバスと鉄道との連携強化などに

よる都市内公共交通体系の形成を図ります。

� 多様な主体と連携し、まちづくりをサポートする都市内公共交通ネットワークの構築を図り

ます。

《利便性の高い公共交通ネットワーク環境の整備》

� 各交通機関相互の乗継環境の利便性向上を図るため、新幹線、在来線、青い森鉄道線のシー

ムレス化を促進するとともに、バス待ち環境の改善を図ります。

� 情報通信技術(ICT)を活用し、誰もがわかりやすく利用しやすい都市内公共交通に向けた

情報発信を図ります。

《拠点間の相互連携》

� 鉄道駅や拠点的なバス停留所などの交通拠点や中心市街地などの拠点間を円滑に移動でき

るための環境を整え、「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」のまちづくりを推進し

ます。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

公共交通に関する満足度 通勤・通学・買い物など身近な交通の便

が整っていると思う市民の割合(市民意

識調査)

15.9% (平成27年度)

18.0%

公共交通カバー率 青森市内において公共交通が利用でき

る地域の人口割合

未設定※

未設定※

※平成28年度に策定する(仮称)青森市地域公共交通網形成計画の中で基準値及び目標値を設定します。

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第3項 快適な道路環境の確保

《計画的な整備》

� 交通の円滑化を図るため、地区の状況などに応じて必要とされる機能について、検討や見直

しを進めながら、都市計画道路を含む道路網の効果的・効率的な整備を推進します。

《計画的な管理》

� 道路や橋梁などの既存ストックの老朽度合いに応じて、計画的な改築・更新などによって、

既存ストックの長寿命化を推進します。

《安全な通行の確保》

� 無電柱化や電柱移設などによって既存道路空間を最大限に利用するとともに、段差解消によ

る歩道のバリアフリー化などにより、渋滞解消など交通の円滑化と歩行者・自転車の安全性

確保を図ります。

主な取組

目標とする指標

指標とその説明 基準値 目標値

道路環境に関する満足度 安全で快適に移動できる道路が整って

いると思う市民の割合(市民意識調査)

14.5% (平成27年度)

17.5%

都市計画道路整備率 都市計画道路が整備されている割合

67.3% (平成27年度)

67.6%