核融合用超伝導システムの開発研究 - kek...lhd建設経過 1989年...

36
1 核融合用超伝導システムの開発研究 核融合用超伝導システムの開発研究 三戸利行 三戸利行 核融合科学研究所 大型ヘリカル研究部 炉システム応用技術研究系 核融合科学研究所 大型ヘリカル研究部 炉システム応用技術研究系 小島・平林記念 機械工学・超伝導低温シンポジウム 第10回高エネ研メカ・ワークショップ 2009年4月9日-10日 高エネルギー加速器研究機構 小島・平林記念 機械工学・超伝導低温シンポジウム 第10回高エネ研メカ・ワークショップ 2009年4月9日-10日 高エネルギー加速器研究機構

Upload: others

Post on 10-Apr-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

1

核融合用超伝導システムの開発研究核融合用超伝導システムの開発研究

三戸利行三戸利行

核融合科学研究所大型ヘリカル研究部

炉システム応用技術研究系

核融合科学研究所大型ヘリカル研究部

炉システム応用技術研究系

小島・平林記念 機械工学・超伝導低温シンポジウム第10回高エネ研メカ・ワークショップ

2009年4月9日-10日 高エネルギー加速器研究機構

小島・平林記念 機械工学・超伝導低温シンポジウム第10回高エネ研メカ・ワークショップ

2009年4月9日-10日 高エネルギー加速器研究機構

Page 2: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

平林洋美先生の核融合科学研究所でのご略歴

平成7年4月1日 核融合科学研究所・安全管理センター・教授

核融合科学研究所・安全管理センター長 併任

平成7年9月1日 核融合科学研究所・運営協議員

平成8年4月1日 総合研究大学院大学・数物科学研究科・教授

平成10年3月31日 定年退職

2

Page 3: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

核融合科学研究所

1989年 文部科学省の大学共同利用機関として設置。

2004年 大学共同利用機関法人・自然科学研究機構の一員となる。

岐阜県土岐市下石町

核融合科学研究所全景470,899m2

3

Page 4: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

平林洋美先生との思い出

平林先生と私の関係

1980年4月~1983年3月

九州大学大学院・工学研究科・博士課程に所属(入江研究室)高エネルギー物理学研究所の受託学生として平林先生の指導を受ける

1983年4月 高エネルギー物理学研究所・助手に採用される

1984年4月 九州大学・工学博士の学位授与

1988年8月 京都大学ヘリオトロン核融合研究センター・助教授

平林先生とのエピソード高エネ研から京都大学へ移って間もない頃、平林先生から「相談したい急用があるので研究所まで来るように」との突然の呼び出しを受け、京都からつくばまで駆けつけて先生の部屋に行くと、「何の用で来たんだ?」と聞かれて愕然としたことがあります。「まあ、折角来たんだからゆっくりして行け、その後、研究は順調か?」と問いかけられ、新しい研究環境の様子やとりとめのない世間話などをして帰ることになるのですが、今思えば、環境が変わって苦労しているであろう弟子を思いやる先生一流の優しさだったのだと理解できます。

平林先生とのエピソード高エネ研から京都大学へ移って間もない頃、平林先生から「相談したい急用があるので研究所まで来るように」との突然の呼び出しを受け、京都からつくばまで駆けつけて先生の部屋に行くと、「何の用で来たんだ?」と聞かれて愕然としたことがあります。「まあ、折角来たんだからゆっくりして行け、その後、研究は順調か?」と問いかけられ、新しい研究環境の様子やとりとめのない世間話などをして帰ることになるのですが、今思えば、環境が変わって苦労しているであろう弟子を思いやる先生一流の優しさだったのだと理解できます。

4

Page 5: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

講演内容

LHDの超伝導システム

ヘリカルコイル

ポロイダルコイル

超伝導バスライン

低温システム

サブクール改造

LHDの運転実績

核融合炉設計研究と今後の展望

5

Page 6: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

はじめに

• 超伝導は核融合炉実現に必要不可欠な基盤技術であり、長期的視野に立った系統的な研究開発を国際協力のもとに行っていく必要がある。

• 核融合装置の肥大化を防ぎ、経済的な炉の実現のためには、超伝導マグネットの高磁場化と高電流密度化が必須である。

• 高磁場、高電磁力の環境下で安定に動作する大電流容量の超伝導導体の開発から、巻線技術、電磁力支持技術、冷却技術等の超伝導マグネットシステムとしての総合的な研究開発が必要とされている。

6

Page 7: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

LHD建設経過

1989年 核融合科学研究所設立

超伝導R&D開始

1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始IVコイル製作開始

1992年 ヘリカルコイル導体製作開始

1993年 ISコイル製作開始下部ベルジャー製作開始

1994年 ヘリカルコイル巻線開始

1995年 OVコイル製作開始プラズマ真空容器製作開始

1996年 上部ベルジャー製作開始

1997年 装置本体完成

1989年 核融合科学研究所設立

超伝導R&D開始

1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始IVコイル製作開始

1992年 ヘリカルコイル導体製作開始

1993年 ISコイル製作開始下部ベルジャー製作開始

1994年 ヘリカルコイル巻線開始

1995年 OVコイル製作開始プラズマ真空容器製作開始

1996年 上部ベルジャー製作開始

1997年 装置本体完成

LHD装置建設経過

ヘリカルコイル巻線機

ヘリカルコイル導体

下部ベルジャー

OVコイル巻線

プラズマ真空容器製作

上部ベルジャー 装置本体完成

適切な工学R&Dの実施により、1991年からの8年計画で装置を遅延なく完成1998年3月よりプラズマ実験を開始

適切な工学R&Dの実施により、1991年からの8年計画で装置を遅延なく完成1998年3月よりプラズマ実験を開始

7

Page 8: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

External diameter 13.5 mPlasma major radius 3.9 mPlasma minor radius 0.6 mPlasma volume 30 m3

Magnetic field 3 TTotal weight 1,500 t

NBI

NBI

Local Island Divertor

(LID)

ECH84 ‒ 168 GHz

ICRF25-100 MHz

Plasma vacuum vessel

Large Helical Device(LHD)

8

NBI

NBI

Helical Valve Box

PoloidalValve Box

LHD Cryostat

Page 9: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

LHD超伝導マグネットシステム

PoloidalPoloidal CoilsCoils

Outer dia.Outer dia.13.5 m13.5 m

IS CoilsIS Coils

Helical CoilsHelical Coils

Supporting PostsSupporting PostsSupportingSupportingStructureStructure

LHD CryostatLHD Cryostat OV CoilsOV CoilsIV CoilsIV Coils

Cold massCold mass820 t820 t

Total weightTotal weight1500 t1500 t

Height.Height.8.8 m8.8 m

9

Page 10: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

ヘリカルコイル諸元

75.24 t /coilコイル重量

0.92 GJ蓄積磁場エネルギー

液体ヘリウム浸漬冷却冷却方式

6.6 Tコイル最大磁場

3.0 T磁気軸中心磁場

40 A/mm2コイル電流密度

13.0 kA定格電流

5.85 MA起磁力

10トロイダルピッチ数

2コイル数

0.975 m小半径

3.9 m大半径

10

Page 11: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

ヘリカルコイル巻線機

13軸計算機制御ヘリカル巻線機

位置制御誤差< ・2 mm昼夜連続の現地巻線

1995年1月開始1996年5月完成

13軸計算機制御ヘリカル巻線機

位置制御誤差< ・2 mm昼夜連続の現地巻線

1995年1月開始1996年5月完成

11

Page 12: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

ヘリカルコイル巻線構造ヘリカルコイル巻線構造

80 K shieldPlasma V.V.

Supporting shell

Helical coil

HC can

Shell arm

639100

R975

H-I

H-M

H-O

R. T. curedreinforced resin

Layer to layerGFRP spacer3.5 mm

Al stabilizedNbTi/Cu compositesuperconductor

Turn to turnGFRP spacer2.0 mm

> 13 kA回復電流

< 100 MPa巻線部最大応力

450 (150 x 3)総ターン数

20 (H-I:8, H-M,-O:6)

コイル層数

3コイルブロック数

12

Page 13: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

ヘリカルコイル導体諸元

18

12.5

Cu NbTi/Cu PbSn

Cu-2%Ni

Al (5N)

EBW

NbTi/Cu 成型撚線超伝導線

1360 A/mm2NbTi 臨界電流密度

Cu-2%Niアルミニウム・クラッド材

浸漬冷却冷却方式

黒化処理表面処理

電子ビーム溶接外側シース蓋部組立方法

½硬銅外側シース材

高純度アルミニウム (5N)安定化材

21 kA (@ 7 T, 4.4 K)臨界電流

13.0 (17.3) kA定格電流

12.5 mm x 18.0 mm外形

アルミニウム安定化NbTi/Cu 複合導体導体タイプ

13

Page 14: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

ポロイダルコイル諸元

25110468蓄積エネルギー/1コイル (MJ)

0.1

3.6

314

4.5

45

0.54

11.1

OV

0.1

2.8

230

4.5

25

0.47

5.64

IS

3.3流量/1流路 (g/s)

0.1圧力損失 (MPa)

4.5入口温度 (K)

上側PC: 1.0 / 下側PC: 0.8入口圧力 (MPa)

170冷却流路長 (m)

5.0起磁力 (MA)

16総重量 (t)

0.47高さ (m)

3.6中心直径 (m)

超臨界圧ヘリウム強制冷却冷却方式

IVコイル名

14

Page 15: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

ポロイダルコイル導体断面

15

Page 16: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

ポロイダルコイル導体諸元

3.0 3.5

0.890.760.76素線直径 (mm)

4.23.42.7素線のCu/SC 比

ステンレス鋼 316Lコンジット材

27.5 x 31.8

5.0

93.9

31.3

OV

23.0 x 27.6

5.4

64.8

21.6

IS

3x3x3x3x6=486撚線構造

38ボイド率 (%)

3.0コンジット厚み (mm)

23.0 x 27.6コンジット外形 (mm)

6.5最大磁場 (T)

62.4臨界電流 (kA)

20.8定格電流 (kA)

NbTi/Cu超伝導線

ケーブル・イン・コンジット導体 (CICC)導体タイプ

IV導体名

16

Page 17: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

ポロイダルコイル巻線機

5.0

144

9

16

OV

3.7

208

13

16

IS

2.7導体長 (km)

240総ターン数

15ターン数/1層

16パンケーキ数

IVコイル名

17

Page 18: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

底板に設置した下部ポロイダルコイル

18

Page 19: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

LHD超伝導システムの構成

(ヘリカルコイル用)

トランスファーチューブ

電流リードクライオスタット

ヘリウム液化冷凍装置

LHDクライオスタット

超伝導バスライン

コイル電源

(ポロイダルコイル用)

19

Page 20: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

超伝導バスライン構造

断熱真空層

超伝導バスライン構造図

断面構成

80 K 輻射シールド断熱真空層2相流ヘリウム復路2相流ヘリウム往路超伝導導体

20

Page 21: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

超伝導バスライン諸元

超伝導バスライン本数 ヘリカル用:6本、ポロイダル用:3本

最大運転電流 31.3 kA

耐電圧 5 kV (77 K ヘリウムガス中)

最小曲げ半径 1.5 m

総延長(9本) 497 m

トランスファーライン 同軸5重フレキシブル配管

冷却方法 2相流ヘリウム強制冷却

定格流量 12 g/s

熱負荷 @ 4.4 K@ 80 K

0.3 W/m3.0 W/m

21

Page 22: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

超伝導バスライン用導体諸元

導体タイプアルミニウム安定化 NbTi/Cu

成型撚線

導体外形 17.2 mm x 35.4 mm

定格電流 31.3 kA @ 1 T, 4.4 K

臨界電流 180 kA @ 1 T, 4.4 K

素線数 9

素線直径 8.95 mm

NbTi/Cu 部直径 2.91 mm

Al:Cu:NbTi 比 8.4:0.5:0.5

ケーブルツイストピッチ 374 mm

電気絶縁 ポリアミド紙 (ノーメックス)

最小伝播電流 >31.3 kA (48.7 kA)

最大温度上昇(ホットスポットモデル)

<77 K (45.8 K)

22

Page 23: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

LHD冷却システムの全体構成

23

Page 24: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

LHD低温システム

24

Page 25: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

LHD超伝導システムの冷却方式

25

Page 26: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

低温システム構成機器

ヘリウム液化冷凍装置ヘリウム液化冷凍装置5,760 W @ 4.4K5,760 W @ 4.4KLHeLHe: 650 L/h: 650 L/h20.6 kW @ 80 K20.6 kW @ 80 K

LNLN22 貯槽貯槽 50,000 L50,000 L

LHeLHe 貯槽貯槽 20,000L20,000L

He He 乾燥器乾燥器 50 50 g/sg/s

He He 精製器精製器 50 50 g/sg/s

He He ガスタンクガスタンク2,200 m2,200 m33, 2 , 2 MPaMPa

スクリュー圧縮機8台スクリュー圧縮機8台750 750 g/sg/s + 250 + 250 g/sg/s

HC V.B.HC V.B.

PC V.B.PC V.B.

26

Page 27: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

LHDサブクール改造の背景

<Performance of helical coils>Item Achievement(Design)IHC av 11.67 kA (13.0)

B0 2.917 T @3.6 m(B0∝1/R0) (3.0 T @3.9 m)Bmax 6.2 T (6.9)

JHC 35.8 A/mm2 (40.0)

Wcoil 0.75 GJ (0.93)

飽和ヘリウム冷却時、17回の常伝導伝播現象が観測された。これら全てがヘリカルコイル下部のH-Iブロックで発生していた。

H-Iブロックで発生する理由

3ブロックで磁場が最も高い

飽和ヘリウム(気液混相)のクオリティの低下(気泡の集積)による熱伝達の劣化

#1

#2

#3

#4

#7

#8

#9

#6

常伝導伝播現象の発生場所

IV coil

IS coilOV coil

H-MH-O

He inlet

Saturated He at 4.4 K

H-I

90%

Page 28: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

LHDサブクールシステム

改造による熱負荷の増加:50g/s (1kW) +16g/s (300W) +360 W < 2kW

既存のLHDヘリウム液化冷凍機の冷凍能力の余力(約2kW)を利用して、HC入口で50g/s, 3.2KのサブクールHeをHCに供給

1. CCで減圧槽に3Kの飽和ヘリウムを生成

2. それと4.4K, 120kPaの液体Heを熱交換しサブクールHe生成

3. HC出口配管のヒーターで余剰Heを蒸発回収(50g/s)

300 W

360 W

100 W

サブクールクライオスタットの構成バイパス弁(予冷、非常時)、出口弁2段直列のCC減圧槽(w/ 熱交換器、ヒーター)

Page 29: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

LHDサブクール改造後

LHDLHDクライオスクライオス

タットタット

サブクールヘリウサブクールヘリウム発生装置ム発生装置

ヘリカルコイルヘリカルコイルバルブボックスバルブボックス

ポロイダルコイルポロイダルコイルバルブボックスバルブボックス

29

Page 30: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

0 60 120 1803.03.23.43.63.84.04.24.44.64.85.0

0123456789101112

Time [min.]

Tem

pera

ture

[K]

Ope

ratin

g cu

rren

t [kA

]

HC入口平均温度

HC出口平均温度

HC容器平均温度

HC平均電流値高磁場励磁

サブクール改造後の高磁場通電特性

11.0kA以上のHC通電条件:11.0kA制定後ACロスによる発熱の影響を除去するため、2時間以上待機、且つHC出口温度4K以下

現在までの最大通電電流値は11.833 kA(3ブロックの平均値)

Subcooled He11.6 kA2.9T@R3.6 m

Saturated HeAvailable Current for Plasma Experiment : 11.0 kAAvailable Field for Plasma Experiment : 2.75T@R 3.6 m

11.0kAまでの通電でHC出口温度は約0.2K上昇(HC入口温度は変化無)このときHC最内層の温度も同程度を推定される

高磁場励磁の一例(HC通電電流値とHC系統温度変化)

Page 31: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

LHD第12サイクル運転経過

31

定常運転(プラズマ実験)

予冷運転

精製運転

加温運転285 hr631 hr

2,272 hr

669 hr

合計 3,856 hr

第12サイクル

8/15/2008 8/27 9/22 12/26/2008 1/30/2009

Page 32: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

32

LHD超伝導システムの運転実績

Operating Cycle /FY

Operating time (h) Fault time (h)

Reliability (%)Cycle Steady state

1 /1997-8 2,895 1,350 138.0 95.22 /1998 3,522 2,359 5.3 99.83 /1999 5,361 3,965 12.4 99.74 /2000 5,016 3,538 13.8 99.25 /2001 5,294 3,791 38.2 99.96 /2002 4,920 3,366 0.1 100.07 /2003 5,001 3,446 64.5 98.78 /2004 4,814 3,216 54.1 98.99 /2005 5,035 3,470 2.3 100.0

10 /2006 5,037 3,436 0 100.011/2007 5,184 3,607 23.4 99.512 /2008 3,856 2,272 0.2 100.0

Total 55,935 37,886 343.4 99.4

Page 33: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

ヘリカル型核融合炉:FFHR

電気出力 100万kW総重量 2万5千トン

33

Page 34: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

ヘリカル型核融合炉FFHRの諸元

34

Page 35: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

核融合炉設計研究と今後の展望

• 核融合科学研究所では、LHDのプラズマ実験で得られた成果、LHDの建設、運転、高性能化のための装置改良、その研究開発で培われた技術をもとに、ヘリカル型核融合発電実証炉FFHRの設計研究を進めている。

• FFHRの超伝導システムの実現には、高磁場、高電流密度で安定に動作する100 kA級の大電流容量超伝導導体の開発を始め、コイル巻線技術、冷却技術、システム構築技術等の様々な要素技術開発が必要とさる。

• 核融合科学研究所では、国内外の大学及び研究機関との共同研究を基盤としてこれらの課題に取り組んでいる。

35

Page 36: 核融合用超伝導システムの開発研究 - KEK...LHD建設経過 1989年 核融合科学研究所設立 超伝導R&D開始 1991年 ヘリカルコイル巻線機製作開始

平林先生への感謝

36

先生の好きな言葉に武田信玄の「人は石垣、人は城」がありました。

どんなに立派な装置を開発したり、優れた研究成果を上げるよりも、それができる人材を育てるほうがずっと素晴らしいとも言っておられました。

先生からいただいた数々のご恩を先生に直接お返しすることはできなくなってしまいましたが、これから育っていく後輩達へ先生からの教えを伝えることで少しでも恩返しができればと思います。

平林先生へ、伝えきれない感謝をこめて。

先生の好きな言葉に武田信玄の「人は石垣、人は城」がありました。

どんなに立派な装置を開発したり、優れた研究成果を上げるよりも、それができる人材を育てるほうがずっと素晴らしいとも言っておられました。

先生からいただいた数々のご恩を先生に直接お返しすることはできなくなってしまいましたが、これから育っていく後輩達へ先生からの教えを伝えることで少しでも恩返しができればと思います。

平林先生へ、伝えきれない感謝をこめて。