高屈折率・低複屈折 特殊ポリカーボネート樹脂の開発高屈折率・低複屈折...

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高屈折率・低複屈折 特殊ポリカーボネート樹脂の開発 三菱ガス化学株式会社 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Iupizeta EP series の開発 (ユピゼータ EP)

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Page 1: 高屈折率・低複屈折 特殊ポリカーボネート樹脂の開発高屈折率・低複屈折 特殊ポリカーボネート樹脂の開発 三菱ガス化学株式会社 Mitsubishi

高屈折率・低複屈折特殊ポリカーボネート樹脂の開発

三菱ガス化学株式会社

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

Iupizeta EP series の開発(ユピゼータ EP)

Page 2: 高屈折率・低複屈折 特殊ポリカーボネート樹脂の開発高屈折率・低複屈折 特殊ポリカーボネート樹脂の開発 三菱ガス化学株式会社 Mitsubishi

Environmental Protection

Process

Polycarbonate

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

EPとは(名称由来)

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用途:モバイルカメラ用レンズ

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

モバイルカメラの構造

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EPシリーズ開発経緯

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

CONFIDENTIAL

2003年Iupizeta EPシリーズ開発着手

2006年Iupizeta EP-4000がデジタルカメラレンズの材料として採用

2008年携帯カメラレンズ材料Iupizeta EP-5000を開発、少量の供給を開始

2010年新プラントを稼動し生産能力を大きく拡大

2000年 特殊ポリカーボネート樹脂実験的製法を確立

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反応例

特徴①酸性度の低い水酸基を持つモノマーも重合可能

②ジオールモノマーを任意の割合で共重合可能

③同一の設備で多種のPCが製造可能

④三菱ガス化学が長年蓄積した優位的な製造技術

⑤二塩化カルボニルや有機溶媒不使用、副生物の再利用可能

開発の手法-エステル交換法-

ジオールモノマーリサイクル

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

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2、複屈折・・・光を二つに分ける性質

複屈折ゼロの材料開発

1、屈折・・・光の速度を変える(=光を曲げる)性質

この光を二つに分ける性質(=ぼやける)、複屈折性が透明材料の大問題に!!

プラスチックで複屈折ゼロを達成することに挑戦!

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

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技術の独創性

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

高屈折率、低複屈折、低環境負荷を備えたIupizeta EPシリーズの技術背景

三菱ガス化学独自のジオールdataライブラリーの抜粋

diolmonomer

構造式 Tg 屈折率 複屈折符号複屈折強度(430nm)

BPA 150℃ 1.58 + 6.3

TCDDM 70℃ 1.53 + 1.8

4,4-BP 160℃ 1.60 + 13.5

ISB 165℃ 1.50 + 3.5

BPEF 150℃ 1.64 ― 1.0

BCFL 230℃ 1.65 ― 2.3

O O OHHO

HO OH

H3C CH3

OHHO

OHHO

O

OOH

HO

H

H

OHHO

BPAとBPEFで複屈折ゼロを達成するという目標を立てる。⇒BPEF mol%=6.3/(1+6.3)×100≒87mol%と計算できる。

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低複屈折性発現のポイント

・複屈折波長分散特性 波長550nmでの複屈折性を1とする

EP2000とEP4000の複屈折分散比較

-1.5

-1

-0.5

0

0.5

1

1.5

2

400 450 500 550 600 650 700 750 800測定波長(nm)

複屈

折波

長分

散(Γ

(550nm))

EP-5000

EP-4000

可視領域で複屈折ゼロ点を持たせる⇒ゼロの近傍はゼロ!

この条件を満たす材料が、あらゆる加工下でも光を滲ませない「超」低複屈折材料となる。

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

EP Series 複屈折性

さらに応力複屈折の波長依存性(光弾性係数)もファクターとして係数に含めていく。

Page 9: 高屈折率・低複屈折 特殊ポリカーボネート樹脂の開発高屈折率・低複屈折 特殊ポリカーボネート樹脂の開発 三菱ガス化学株式会社 Mitsubishi

CH3

CH3O

O O

OO

C O

m n

C

O

O OHO

OH

CH3

CH3OHHO O

C

O

O

BPEF BPA DPC

+ +

OH

EP5000

O

・エステル交換法を用いたEP5000の重合スキーム

Tg: 150℃複屈折符号: -複屈折強度:1.0

m=87 n=13

Tg:145℃複屈折符号: +複屈折強度:6.3

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

EP Series 開発例

O OHO OH

O

OH OOHO

Phenoxyetanol

Phenol

BPEF

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1.64

1.65

1.63

1.62

1.61

1.60

1.66

1.67

1.68High

Low

High Low

EP-4000 nd=1.603 νd=28.3

EP-5000 nd=1.635 νd=23.9

EP-4500 nd=1.614 νd=25.9

EP-6500 nd=1.644 νd=22.4

EP-6000 nd=1.640 νd=23.5

Abbe number d line

Refractive

index d

line

29 28 27 26 25 24 23 22 21 20 19

1.69更なる高屈折率材料の開発へ

Iupizeta EPシリーズの展開

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

EP-7000 nd=1.651 νd=21.5

EP-8000 nd=1.661 νd=20.4

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まとめ

Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.

・三菱ガス化学が開発した高屈折率・低複屈折特殊ポリカーボネート樹脂 Iupizeta EPシリーズは、鮮明な画像を得るのに大きな障害となる複屈折を極限まで低減し、屈折率と流動性を飛躍的に向上させた樹脂である。

・今後もカメラの高性能化を支える、光学レンズ用の高屈折率材料として、市場のニーズに応えていく。