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rved.3. 調査結果の多角的分析
2. ASEANにおける通信ネットワーク整備案件の分析
1. ASEANにおける通信ネットワーク整備案件に対する
投融資状況の調査
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1. ASEANにおける通信ネットワーク整備案件に対する投融資状況の調査
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2. ASEANにおける通信ネットワーク整備案件の分析
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通信ネットワーク整備案件 (海底ケーブル): 経済成長によるネットワーク利用拡大に備え、アジア・アフリカ・ヨーロッパを結ぶASEAN複数国への投資事例
出所: エキスパートインタビュー等
プロジェクト概要
概要
アジア-アフリカ-ヨーロッパを結ぶ通信用海底ケーブルシステムの構築• 全長約2万5,000キロ• 18ヶ国を経由
– 香港、ベトナム、カンボジア、マレーシア、シンガポール、タイ、インド、パキスタン、オマーン、アラブ首長国連邦、カタール、イエメン、ジブチ、サウジアラビア、エジプト、ギリシャ、イタリア、フランス
コンソーシアム形式で事業を推進• ケーブル経由国の電気通信業者が出資
タイムライン
2011年: プロジェクト開始
2017年: 全域での開通及び商用サービス用のケーブルシステム発売開始
案件方式
• 投資方式: 事業投資• 受注業者: 複数業者に受注
採算性見立てと工夫
初期投資費用は高額だが、参画企業は利用料と不要な区間の売却で収益• ケーブル敷設にかかる初期費用は高額• 不要区間は、近隣国企業に売却
– コンソーシアム参加社は無関係の区間でも投資• 最近はデータセンター事業者がバルクで購入
短期での投資回収は見込めないが、長期的なビッグリターンを期待• データセンターやクラウドの発達により成長の見込み
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通信ネットワーク整備案件(モバイルキャリア):中国系企業が現地企業とのコンソーシアムを組み第3のキャリアとして参入フィリピンへの投資事例
出所: エキスパートインタビュー等
概要
中国系企業が参画するコンソーシアムAがフィリピンに第3のモバイルキャリアとしての参入許可を取得
タイムライン
2016年: デュテルテ大統領が、既存2社に対する業務改善と、協力をしなかった場合の第3のキャリアの参入を提案
2018年: 大統領が、年末までに第3キャリア選出すると表明
2018年11月:コンソーシアムAが、第3キャリアとして選出される
• 投資方式: コンソーシアムの設立• 事業当事者: 中国系企業、他3社
採算性見立てと工夫
参入当初は多くの初期投資が必要だが、その後は通信キャリアとして安定的な収益を見込めるため、10年以内に採算をとれる見立て• 早急な通信インフラ整備のための設備投資にかかる費用と会社設立に向けた初期投資が必要
• 一方で、それ以降は安定した利益を見込むことが可能
コンテンツ等のサービスを併せて展開し、利益を確保することも可能• コアビジネスであるネットワーク提供には、通信インフラの整備等費用が嵩む一方、コンテンツ等は利益率が高いことが多い
プロジェクト概要 案件方式
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通信ネットワーク整備案件(タワー):中国系企業がラオス政府・企業と組み通信タワーの建設/メンテナンスのJVを設立ラオスへの投資事例
概要
中国系企業とラオス2社が合弁会社Aを設立• 携帯電話鉄塔 (タワー) の建設、メンテナンス、運営が主力事業
タイムライン
2018年8月: ラオスにおける通信インフラ投資を表明
2018年12月: 合弁会社Aが開設
• 投資方式: JVの設立• 事業当事者: 中国系企業、他2社• 受注業者: 鉄塔建築やメンテナンス、事業所の設立等は中国系企業が
行う予定
採算性見立てと工夫
一般的に、タワー事業は初期投資以外は、運営コストが少なく高収益性と通信キャリア相手の長期安定収入が期待できる• 建築時は設備投資の負担が大きいが、後はOPEXが少なく高収入• 信用リスクの低い通信キャリアを相手に長期で固定額の契約を見込むことができる
今後も通信量増大・エリア拡大等に伴い、成長が見込むことができる• 利用者や利用量の増加に伴い、より密度を高く設置が必要になる• 5G以降、より多くの基地局の設置が必要
出所: エキスパートインタビュー等
プロジェクト概要 案件方式
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3. 調査結果の多角的分析
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シンガポール政府はスマートシティ構築等を中心にデジタル化を推進シンガポールの政策動向
国内の通信インフラにおける政府振興策
1. 行政サービスのデジタル化を目的として首相府の下に設置された組織出所: 総務省「世界情報通信事情」(http://www.soumu.go.jp/g-ict/index.html)、エキスパートインタビュー等をもとにボストンコンサルティンググループが加工して分析
外資規制
ICT 政策 情報通信基本計画「インフォコム・メディア2025」で設備・技術基盤とアプリケーションやコンテンツのエコシステム構築を強調• 情報通信省が2015年に発表• ICT分野の向こう10年を見据えたプラン
「スマートネーションビジョン」でスマートシティ構築を政策化• リー・シェンロン首相が2014年に発表• 情報通信基盤設備の民間部分をIMDA、公的部門部分を
GovTech1が所掌
情報通信基盤整備政策
政府主導の固定ブロードバンド網NGNBN以外にも情報通信基盤を構築し、情報通信の可用性を拡大• ヘテロジニアス・ネットワーク(HetNet):
3G/4G/Wi-Fi/新規無線技術を横断的に接続可能• スマート・ネイション・プラットフォーム(SNP):
全国展開のセンサーネットワーク• データ・マーケットプレイス:
官民でビッグデータを相互利用するためのプラットフォーム
現地企業への投資での参入には投資上限はないが、直接的に事業参入する場合、免許取得が必要な模様• 海外の通信サービス・プロバイダーからシンガポールの通信企業へのエクイティ投資には上限はない模様
• 一方で、市場に事業参入する場合、法人資格を取る必要があり、IMDAから免許取得する必要がある様子
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マレーシア政府は2020年までのデジタルエコノミー先進国入りを目指し、ブロードバンド拡張やeコマース促進を支援マレーシアの政策動向
国内の通信インフラにおける政府振興策
出所: 総務省「世界情報通信事情」(http://www.soumu.go.jp/g-ict/index.html)、Buddecom; Refinitiv「Mobile infrastructure, broadband, operators- statistics and analyses」、エキスパートインタビュー等をもとにボストンコンサルティンググループが加工して分析
外資系に対する規制
ICT 政策 第11次マレーシア計画 (経済開発5カ年計画 2016-2020) で、2020年先進国入りに向けた経済成長政策の一部としてICTを重視• 可住地の95%へのブロードバンド拡張、デジタル地上放送移行、通信サービス提供環境の改善等
情報通信基盤整備政策
マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は、ブロードバンドの利用可能性を高めるため競争を促進し、より安く速いブロードバンドの提供を図る• まずは、2019年に固定ブロードバンドの価格を下げる
中でも、ユニバーサル・サービス基金制度を活用して、通信基盤未発達地域をサポート• 地域や経済状況によって、通信基盤へのアクセスに格差が生じており、基金による通信サービスの地域・貧富格差是正が目的
• 具体的には、事業者から徴収した基金を活用し、通信基盤未発達地域での通信基盤構築や、貧困家庭へPC配布等に取り組む
また、2017年にはデジタル自由貿易ゾーン(DFTZ)を発足し、eコマースのハブを造る• eコマース成長率の20%への倍増が目標• 中小企業やベンチャーが地域発送センターを設けやすいよう、DFTZ内では112米ドルを超える商品への関税を下げる方針
マレーシアデジタルエコノミー公社 (MDEC) の定めるMSC
認定資格を得ることで、税や雇用等の規制が優遇される模様• 「マルチメディアコリドー (MSC) 計画 (1996)」で自国をITハブにすべく、外資企業を積極的に誘致
• MSC認定のため、当該の事業内容や財務状況等を確認。要件を満たした企業には優遇措置あり– 法人税免除、外国人の自由雇用、関連機器の輸入税免除、外資規制の撤廃等
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タイ政府は複数のデジタル化計画を発表し政府を挙げたデジタル化を進めるタイの政策動向
国内の通信インフラにおける政府振興策 外資系に対する規制
ICT 政策 「デジタルタイランドプラン」 (2016)でデジタル先進国に向けた計画を表明• 4フェーズ20年の長期計画で、20年目にはデジタルで優位性を獲得するのが目標。Phase 1(現在) では、インフラ整備、デジタル経済化、デジタル社会、電子政府を掲げる
• デジタルエコノミーソサエティ省(MDES)副大臣は「固定ブロードバンドの普及がカギ」表明
また、「Thailand 4.0 ビジョン」(2016)で価値創出経済を達成するため、産業のスマート化・付加価値化への転換を図る• 例: スマート農業化、ベンチャー企業の推進、高価値のサービスの提供、
非熟練作業者から知識労働者・熟練作業者への転換等
情報通信基盤整備政策
「ブロードバンド政策」(2010)で2020年にブロードバンド人口普及率95%目標
更に「ブロードバンド普及拡大策」(2017)で全国への低価格ブロードバンドアクセス提供を掲げる• デジタルエコノミーソサエティ省(MDES)発表• 2018年中盤までに、民間事業者がネットワークを敷設する可能性が低い地域も含めて、全ての村落に普及させる意向
電子通信機器についての投資・参入には政府許可が必要な模様
出所: 総務省「世界情報通信事情」(http://www.soumu.go.jp/g-ict/index.html)、Buddecom; Refinitiv「Mobile infrastructure, broadband, operators- statistics and analyses」、エキスパートインタビュー等をもとにボストンコンサルティンググループが加工して分析
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インドネシア政府は電子政府化や国内通信基盤の整備を進めるインドネシアの政策動向
国内の通信インフラにおける政府振興策
出所: 総務省「世界情報通信事情」(http://www.soumu.go.jp/g-ict/index.html)、Buddecom; Refinitiv「Mobile infrastructure, broadband, operators- statistics and analyses」、エキスパートインタビュー等をもとにボストンコンサルティンググループが加工して分析
外資系に対する規制
ICT 政策 「インドネシア・ブロードバンド計画」(2014)に基づきブロードバンド基盤構築を行う• eラーニング、eヘルス、電子調達、電子政府、eロジスティックス等に利用• 2019年までの、都市部・ローカル地域それぞれに対する通信基盤普及率の目標値を設定
電子政府を推し進めるため、住民登録証を電子化• 住民登録証の電子化が進めば電子政府関連の施策が進展する可能性が高く、2016年時点では人口の約9割が登録を済ませていると内務省が発表
情報通信基盤整備政策
ユニバーサル・サービス基金制度で通信基盤の拡大を行う• 政府と事業者が資金を拠出• 2003年から基金を用いた電話回線・インターネット回線の整備を進める• 2013年以降はICTインフラ整備の全領域を対象化
パラパ・リング計画で、島嶼部の通信改善のための海底ケーブル敷設を計画• 通信・情報省は2015年から段階的に全国ブロードバンド計画を推進• PPP事業であり、政府保証が供与
事業種別に設定されている外資の保有規制を順守する必要がある模様
