黒部市立地適正化計画 - kurobe2...

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黒部市立地適正化計画 平成 30 年3月

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黒部市立地適正化計画

平成 30 年3月

黒 部 市

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目 次

1.立地適正化計画とは 1 1-1 立地適正化計画とは 1

1-2 立地適正化計画の位置づけ 2

2.黒部市の現状及び課題 3

2-1 都市の概況 3

(1) 位置・地勢 3

(2) 沿革 3

(3) 都市計画区域・用途地域 4

2-2 現状把握 6

(1) 人口等 6

(2) 土地利用 16

(3) 都市交通 19

(4) 都市機能 25

(5) 経済活動 29

(6) 地価 30

(7) 災害 31

(8) 財政 34

2-3 上位・関連計画 37

(1) 第2次黒部市総合振興計画 37

(2) まち・ひと・しごと創生 黒部市人口ビジョン・黒部市総合戦略 38

(3) 黒部市都市計画マスタープラン 39

(4) 黒部市地域公共交通網形成計画 40

2-4 課題の整理 41

3.立地適正化計画の基本方針 45

3-1 まちづくりの方針 45

3-2 立地適正化の基本方針 48

3-3 立地適正化計画区域の設定 50

3-4 立地適正化計画の計画期間 50

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4.誘導区域等の設定 51

4-1 居住誘導区域の設定 51

(1) 居住誘導区域とは 51

(2) 居住誘導区域の設定 52

(3) 人口密度の予測 57

4-2 都市機能誘導区域の設定 58

(1) 都市機能誘導区域とは 58

(2) 都市機能誘導区域の設定 58

5.誘導施設の設定 61

5-1 誘導施設の設定 61

(1) 誘導施設とは 61

(2) 誘導施設設定の考え方 63

(3) 誘導施設の設定 65

6.誘導施策の設定 66

6-1 居住及び都市機能を誘導するための施策 66

(1) 施策の方向性 66

(2) 居住誘導区域における誘導施策 67

(3) 都市機能誘導区域における誘導施策 68

7.目標の設定 69

7-1 目標の設定 69

(1) 目標指標の設定 69

(2) 評価方法 71

8.届出制度 72

8-1 届出制度 72

(1) 居住誘導区域外における届出の対象となる行為 72

(2) 都市機能誘導区域外における届出の対象となる行為 74

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わが国では、急速な少子高齢化を背景に、今後加速度的に人口減少が進むことが予測される

ため、高齢者や子育て世代が安心できる健康で快適な生活環境の実現や、財政面及び経済面に

おける持続可能な都市経営を可能とすることが大きな課題となっています。

こうした背景から、住民や民間事業者と行政が一体となってコンパクトなまちづくりに取り

組んでいくため、都市再生特別措置法が一部改正され(平成 26 年 8 月施行)、市町村は立地

適正化計画を策定することが可能になりました。(都市再生特別措置法第 81 条第 1 項)

この計画は、都市全体の観点から居住機能や医療・福祉・商業等の都市機能の配置や公共交

通の充実に関する包括的なマスタープランであり、コンパクトなまちづくりと地域交通の再編

との連携による「多極ネットワーク型コンパクトシティ」を目指すための計画です。

本市においても少子高齢化を背景に人口減少が進んでおり、地域社会の維持や労働力の減少、

地域経済の衰退等、様々な影響が懸念されています。

本市の最上位計画である「第2次黒部市総合振興計画」(現在作成中)や「まち・ひと・しご

と創生 黒部市総合戦略 ~戦略K~」(平成 29 年3月改訂)で掲げた目標を達成するため、地

域の持続性と自立を可能とする都市空間の再構築を図り、黒部市ならではの都市構造を将来的

に維持するとともに、これを支えるネットワークを構築していきます。

図.立地適正化計画のイメージ

1.立地適正化計画とは

1-1 立地適正化計画とは

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立地適正化計画は、市町村の総合計画や都道府県の都市計画区域マスタープランに即する

とともに、市町村の都市計画マスタープランとの調和が保たれ、かつ、都市の防災に関する

機能の確保が図られるように配慮されたものでなければなりません。(都市再生特別措置法第

81 条第 9・10 項)

立地適正化計画の記載事項は以下のとおりです。法定事項が記載された立地適正化計画が

法定の手続きにより公表されたときは、市町村の都市計画マスタープランの一部とみなされ

ます。(都市再生特別措置法第 82 条)

なお、都市機能誘導区域に誘導施設の立地を図るために必要な事業等を記載した立地適正

化計画を国土交通大臣に提出することにより、都市再生整備計画(都市再生特別措置法第 47

条第 1 項)の提出があったものとみなされます。

表.立地適正化計画の記載事項

記載することとされている項目

(都市再生特別措置法第81条第2項)

◆住宅及び都市機能増進施設の立地の適正化に関する基本的な方針

◆居住誘導区域

◆居住誘導区域に居住を誘導するための市町村の施策

◆都市機能誘導区域

◆都市機能誘導区域ごとに立地を誘導すべき都市機能増進施設

◆都市機能誘導区域に都市機能増進施設の立地を誘導するための市町村の施策

◆都市機能誘導区域に都市機能増進施設の立地を図るために必要な事業等

本計画については、以下のとおり「黒部市総合振興計画」などに即するとともに、各分野

の計画と連携した計画として位置づけます。

図.黒部市立地適正化計画の位置づけ

1-2 立地適正化計画の位置づけ

各分野の計画との連携

黒部市都市計画マスタープラン

【都市計画法第 18条の2】

黒部市立地適正化計画

【 】

まち・ひと・しごと創生

黒部市総合戦略

【まち・ひと・しごと創生法第 10 条第1項】

黒部市総合振興計画

黒部市学校教育基本計画

(H20.2) 黒部市地域公共交通網形成

計画(H27.4)

黒部市空家等対策計画

(H29.3)

黒部市子ども・子育て支援

事業計画(H27.3)

黒部市地域福祉計画

(H21.3)

黒部市地域防災計画

(H28.3)

黒部市公共施設の再編に関

する基本計画(H27.10)

黒部市高齢者福祉計画

(H27.3)

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(1)位置・地勢

本市は、富山県北東部に位置し、北から東には入善町・朝日町・長野県の県境が、南から

西は魚津市・上市町・立山町に接しており、面積は 427.96k ㎡で、富山県の約 10%を占

めます。

本市の地形は、北アルプスから富山湾まで約 3,000mの標高差があり、高山帯から低山帯、

さらに黒部川の広大な扇状地、富山湾沿岸部など変化に富んでいます。

年間平均気温は平野部で 14℃、年間降水量は平野部で 2,277mm、山岳部で 4,000mm

以上と、我が国屈指の多雨多雪地帯となっています。

図.黒部市の位置

資料)第1次黒部市総合振興計画 他

(2)沿革

本市は、縄文時代から集落が形成されており、南北朝時代には地方豪族により荘園が、中

世には城が築かれました。江戸時代の初めに加賀藩領となり、このころに新田開発や治水事

業が行われ、現在の都市基盤が形成されました。

1871 年(明治 4 年)7 月の廃藩置県により新川県となり、その後、石川県となって、ふ

たたび分離して富山県となり、市域は新川郡に含まれることになりました。

1953 年(昭和 28 年)10 月の町村合併促進法の施行に伴い、1954 年(昭和 29 年)

4 月に旧黒部市が、同年 7 月に旧宇奈月町がそれぞれ誕生し、各市町は独自の行政運営を行

ってきました。その後、平成 18 年 3 月 31 日、旧黒部市と旧宇奈月町が合併し、新「黒部

市」が誕生しました。

2.黒部市の現状及び課題

2-1 都市の概況

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(3)都市計画区域・用途地域

本市の都市計画区域は、昭和 10 年4月に都市計画区域が指定(当初)されており、その

後、合併による拡大や区域の見直しを経て、平成 28 年3月 31 日現在、11,595ha(行政

区域の 27.1%)が指定されています。

また、用途地域は、市街地を中心とした 623.3ha(行政区域の 1.5%)が指定されており、

このうち工業専用地域を除いた面積は 539.3ha であり、用途地域内に本市人口の約3割の

方が居住しています。人口密度は 23.9 人/ha となっています。

表.黒部市の面積と人口

区 分 行政区域 都市計画区域 用途地域

面 積 42,796ha 11,595ha 623.3ha

面 積(構成比) 100.0% 27.1% 1.5%

人 口 41,852 人 41,790 人 12,862 人

人 口(構成比) 100.0% 99.9% 30.7%

人口密度 1.0 人/ha 3.6 人/ha 23.9 人/ha

資料)平成 22年国勢調査、黒部市都市計画基礎調査 他

図.黒部都市計画区域

資料)黒部市都市計画課

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図.用途地域指定状況

資料)黒部市都市計画課

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(1)人口等

1)人口の推移

本市の人口は、1985 年(昭和 60 年)以降、1990 年(平成2年)の 43,754 人をピ

ークに漸減しており、2015 年(平成 27 年)では 40,991 人となっています。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2060 年(平成 72 年)には 24,930 人

と、2010 年(平成 22 年)の約6割まで減少することが予測されています。

そのため、本市では、出生率の向上に向けた取り組みや企業誘致をはじめ本市の魅力を最

大限に活かした移住・定住施策などの各種施策・事業の推進により、2060 年(平成 72 年)

で 33,010 人と設定しています。

このほか、民間活力の導入として、地元民間企業がまちなかに建設中の環境配慮型の先進

的な住宅群や、黒部駅周辺のまちづくりの一環として整備している住宅群などの次世代型の

居住環境整備を進めており、若年層を中心とした人口の増加が見込まれます。

図.人口の推移

資料)国勢調査

図.将来人口の推計

43,588 43,754 43,439 43,084 42,694 41,852 40,991

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

50,000

1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

人口(人)

人口

40,72039,358

37,77336,044

34,22232,363

30,50728,664

26,80024,930

41,852

33,010

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年

社人研推計 黒部市の人口ビジョンでの推計(人)

2-2 現状把握

資料)まち・ひと・しごと創生 黒部市人口ビジョン

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2)年齢3区分別人口の推移

年齢3区分別人口によれば、1985 年(昭和 60 年)以降、年少人口(0~14 歳)の減少、

老年人口(65 歳以上)の増加による少子高齢化が進行しているとともに、働き手である生

産年齢人口(15~64 歳)の減少も顕著となっています。

高齢化率(65 歳以上の人口が占める割合)については、1985 年(昭和 60 年)で 12.8%

であったのが、2015 年(平成 27 年)で 30.5%と倍増しており、3人に1人が 65 歳以

上となっています。

図.年齢3区分別人口の推移

資料)国勢調査

9,160 7,726 6,738 6,063 5,757 5,569 5,117

28,854 29,304 28,562 27,716 26,670 25,091 22,855

5,574 6,721 8,139 9,305 10,264 11,108 12,266

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

50,000

1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

人口(人)

年少人口 生産年齢人口 老年人口

21.0 17.7 15.5 14.1 13.5 13.3 12.7

66.2 66.9 65.8 64.3 62.5 60.1 56.8

12.8 15.4 18.7 21.6 24.0 26.6 30.5

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

人口構成比(%)

年少人口 生産年齢人口 老年人口

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他方、「まち・ひと・しごと創生 黒部市人口ビジョン」によれば、年少人口(0~14 歳)

は、2030 年(平成 42 年)まで減少が続きますが、それ以降は若干の増加に転じた後、ほ

ぼ横ばいで推移すると見込まれています。

また、生産年齢人口(15~64 歳)においても減少が続きますが、2045 年(平成 57 年)

以降は下げ止まり、それ以降は、ほぼ横ばいで推移すると見込まれています。

老年人口(65 歳以上)については、2020 年(平成 32 年)まで増加した後、2040 年

(平成 52 年)まではほぼ横ばいで推移し、それ以降は減少すると見込まれています。

図.年齢3区分別人口の推計

図.年齢3区分別人口の推計(2010 年を 100)

資料)まち・ひと・しごと創生 黒部市人口ビジョン

5,569 5,348 5,091 4,939 4,902 4,980 5,125 5,189 5,142 5,009 4,923

25,15223,280 22,332 21,613 20,887 20,071 18,783 18,085 17,759 17,629 17,638

11,13012,476 12,845 12,778 12,563 12,322 12,537 12,272 11,783 11,188 10,449

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年

65歳以上 15~64歳 0~14歳(人)

100 9896

9492

8987 85

83 8179

9691

89 88

8992 93 92

90

889389

8683

8075

72 71 70 70

112115 115 113

111 113110

106

101

94

40

50

60

70

80

90

100

110

120

2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年

総数

0~14歳

15~64歳

65歳以上

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3)世帯数の推移

本市の一般世帯数は、1985 年(昭和 60 年)以降漸増しており、2015 年(平成 27 年)

では 14,737 世帯となっています。

また、高齢単身世帯や高齢夫婦世帯が急増しており、2015 年(平成 27 年)ではそれぞ

れ 1,400 世帯、1,773 世帯と、1985 年(昭和 60 年)から倍増しています。

図.世帯数の推移

資料)国勢調査

12,098 12,410 12,947

13,761 14,282 14,564 14,737

418 414

597 753

991

1,189 1,400

655 609

824

1,143

1,362

1,563 1,773

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

高齢単身・夫婦世帯数(世帯)

一般世帯数(世帯)

一般世帯数 高齢単身世帯数 高齢夫婦世帯数

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4)メッシュ人口の推移

平成 12 年と平成 22 年の国勢調査における 500mメッシュ人口の増減をみると、用途地

域が指定された三日市地区周辺の既成市街地、生地地区周辺や石田地区周辺での減少が顕著

となっています。

一方、用途地域内のあいの風とやま鉄道黒部駅周辺を含む三日市地区周辺の新市街地や用

途地域の縁辺部のほか、県道魚津入善線以南から宇奈月温泉地区周辺までの農地が広がる平

野部に散在して、増加している箇所がみられます。

図.メッシュ人口の推移

資料)国土数値情報

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図.メッシュ人口の推移(用途地域周辺拡大)

資料)国土数値情報

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5)人口分布等の経年変化

本市の人口分布の経年変化(1980 年~2000 年)を見ると、中心市街地(三日市地区周

辺)の昼間人口では各年ともに人口密度が 40 人/ha 以上の分布が見られます。

経年変化では、中心市街地の昼間人口、夜間人口ともに、人口密度が低下していることが

分かります。

図.人口分布の経年変化(1980 年~2000 年)

昼間人口分布 夜間人口分布

1980

1990

2000

資料)黒部版都市構造可視化計画

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また、本市の将来の人口と高齢化率について、2015 年(平成 22 年)から2025 年(平

成 32 年)の経年変化では、三日市地区周辺の市街地では高齢化率 40%以上の分布は見ら

れなくなりますが、生地地区周辺、石田地区周辺、三日市地区周辺の市街地以南の縁辺部な

どに高齢化率 40%以上の分布が増加することが見込まれています。

図.将来の高齢化率

資料)黒部版都市構造可視化計画

【2015 年】

【2025 年】

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6)地区別人口の推移

年少人口については、2015 年(平成 27 年)で大布施地区が 928 人と最も多くなって

おり、全般的に減少傾向が見られる中、近年、大布施地区、田家地区、荻生地区では増加傾

向が見られます。本市の中心市街地である三日市地区では減少傾向が顕著となっています。

生産年齢人口については、2015 年(平成 27 年)で大布施地区が 3,764 人と最も多く

なっており、年少人口と同様に、全般的に減少傾向が見られる中、近年、大布施地区、田家

地区では増加傾向が見られます。

老年人口については、2015 年(平成 27 年)で三日市地区が 1,735 人と最も多くなっ

ており、全般的に増加または横ばい傾向が見られる中、愛本地区では減少傾向が見られます。

図.地区別人口の推移

資料)住民基本台帳(各年9月末)

400

752

508

334

928

635

311

464

284

111

26

30

14 48 92

358

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000

生地 石田 田家 村椿 大布施三日市 前沢 荻生 若栗 東布施宇奈月 内山 音沢 愛本 下立 浦山

年少人口(人)

2010 2011 2012 2013 2014 2015

2,1

32

3,6

16

1,9

84

1,6

37

3,7

64

3,0

22

1,4

48

1,8

86

1,3

04

670

265

232

104 408

542

1,2

90

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

生地 石田 田家 村椿 大布施三日市 前沢 荻生 若栗 東布施宇奈月 内山 音沢 愛本 下立 浦山

生産年齢人口(人)

2010 2011 2012 2013 2014 2015

1,4

84

1,6

62

678 9

12

1,3

22

1,7

35

610

949

643

407

141

237

107 3

42 495 685

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

生地 石田 田家 村椿 大布施三日市 前沢 荻生 若栗 東布施宇奈月 内山 音沢 愛本 下立 浦山

老年人口(人)

2010 2011 2012 2013 2014 2015

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7)人口集中(DID)地区

本市の人口集中(DID)地区の人口については、市域全体の人口減少に伴って減少して

います。平成 27 年の国勢調査結果における人口集中(DID)地区は、本市に指定されて

おらず、三日市地区の一部にて準人口集中(DID)地区に指定されています。

図.人口集中(DID)地区の状況

資料)国土数値情報

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(2)土地利用

1)市街地の概況

1976 年(昭和 51 年)と 2009 年(平成 21 年)の土地利用の変遷をみると、用途地域

内及び県道魚津入善線沿道などにおける建物用地の増加により、都市的土地利用が進展して

います。

都市的土地利用の進展に伴い、用途地域以外の平野部において農用地などが減少していま

す。

図.土地利用の変遷

資料)国土数値情報

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2)開発動向

2007 年(平成 19 年)から 2012 年(平成24 年)の用途別の新築動向をみると、5年

間で住宅用地としての新築が 868 件、304,253.45 ㎡と最も多く、件数で全体の8割以上、

面積でも約5割を占めています。

また、用途に関わらず、多くは用途地域内及びその縁辺部、また、県道魚津入善線沿道で

の新築が集中しています。

年 次

住宅用地 商業用地 工業用地 公共施設用地 その他

件数

(件)

面積

(㎡)

件数

(件)

面積

(㎡)

件数

(件)

面積

(㎡)

件数

(件)

面積

(㎡)

件数

(件)

面積

(㎡)

平成 19 年 182 71,061.03 5 34,594.20 5 28,273.72 5 1,667.13

平成 20 年 158 59,913.75 13 18,157.84 2 8,620.14 4 6,675.32 9 5,131.78

平成 21 年 135 47,693.52 11 16,886.44 4 9,306.76 3 1,359.64 7 21,470.26

平成 22 年 88 25,666.30 8 11,771.38 1 443.26 1 1,473.60 10 3,695.84

平成 23 年 130 43,821.45 11 36,367.26 1 1,674.81 7 56,703.06 8 2,029.41

平成 24 年 175 56,097.40 10 51,195.13 3 4,687.93 5 18,292.47 12 4,824.98

合計 868 304,253.45 58 168,972.25 11 24,732.90 25 112,777.81 51 38,819.40

資料)黒部市都市計画基礎調査

図.新築動向の状況(用途地域周辺)

資料)黒部市都市計画基礎調査

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3)空き家の状況

2014 年(平成 26 年)以降の空き家件数をみると、1,000 件前後で推移しています。

また、2016 年(平成 28 年)6月 24 日における地区別の空き家件数では、生地地区が

187 件と最も多く、次いで三日市地区が 175 件、石田地区が 126 件と続いており、この

3地区で全体の約5割の空き家件数を占めています。

図.空き家件数の推移

図.地区別の空き家件数

資料)黒部市調べ(平成 28年 6月 24日)

1,003 1,007 993 995

0

200

400

600

800

1,000

1,200

平成26年3月末 平成27年3月末 平成28年3月末 平成28年6月24日

空き家件数(件)

空き家件数

187

126

24

48 49

175

39 4027

72

17

50

8

40 45 48

020406080

100120140160180200

空き家軒数(軒)

空き家軒数

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(3)都市交通

1)公共交通網の概況

本市の公共交通機関には、北陸新幹線(黒部宇奈月温泉駅)、あいの風とやま鉄道(黒部駅、

生地駅)、富山地方鉄道(16 駅)をはじめ、路線バス(5線路)、コミュニティ交通(2路

線)があります。

図.公共交通網

資料)国土数値情報

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図.公共交通網(用途地域周辺拡大)

資料)国土数値情報

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2)公共交通利用圏域

駅から半径 800mの範囲、バス停から半径 300mの範囲の圏域を示した図をみると、用

途地域に指定された地区内は、公共交通利用圏域としてほぼ網羅されているとともに、富山

地方鉄道本線及び路線バス等によって、山間部などの居住者の少ないエリア以外は、大半が

公共交通利用圏域に含まれています。

図.公共交通利用圏域

資料)国土数値情報

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図.公共交通利用圏域(用途地域周辺拡大)

資料)国土数値情報

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3)公共交通の利用状況

JR北陸本線(現在はあいの風とやま鉄道)の一日平均乗降人員は、1998 年(平成 10

年)以降、減少傾向を示していましたが、2010 年(平成 22 年)を境に持ち直しが見られ、

2013 年(平成 25 年)には 3,964 人となっています。

富山地方鉄道本線の一日平均乗降人員についても、1998 年(平成 10 年)以降、減少傾

向を示していましたが、2010 年(平成 22 年)を境に持ち直しが見られ、2013 年(平成

25 年)には 3,295 人となっています。

図.JR北陸本線の一日平均の乗降人員の推移

資料)黒部市地域公共交通網形成計画

図.富山地方鉄道本線の一日平均の乗降人員の推移

資料)富山地方鉄道株式会社

3,296 3,418 3,377 3,368 3,311 3,215 3,168 3,230 3,223 3,189 3,168 2,982 2,884 2,910 3,002 3,000

1,096 1,068 1,070 1,081 1,080 1,076 1,091 1,079 1,046 1,027 1,038 992 948 932 970 964

4,392 4,486 4,447 4,449 4,391 4,291 4,259 4,309 4,269 4,216 4,206 3,974

3,832 3,842 3,972 3,964

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

一日平均乗降人員(人)

黒部駅 生地駅 総数

4,514

4,0923,836

3,609 3,6413,477 3,377 3,413 3,474 3,382 3,397

3,145 3,120 3,122 3,177 3,295

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

一日平均乗降人員(人)

総 数

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路線バスの一日平均乗車人員は、1998 年(平成 10 年)以降、減少傾向を示しており、

2010 年(平成 22 年)から 2013 年(平成 25 年)にかけては 200 人を下回っています。

図.路線バスの一日平均の乗車人員の推移

資料)富山地方鉄道株式会社

1,025

857

751

640 619 587

375 286 260 259 233 209 184 197 199 165

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

一日平均乗車人員(人)

1日平均乗車人員

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(4)都市機能

1)都市機能

日常生活に必要となる都市機能の分布状況は以下に示すとおりです。多くの施設は三日市

地区周辺(用途地域内)に集中的に立地しています。用途地域内外でみると、金融機関や医

療機関以外の施設は用途地域外に半数以上立地しています。

ほとんどの施設は公共交通利用圏域内に立地しています。

図.都市施設配置図

資料)国土数値情報

都市施設 施設数 用途地域内 用途地域外

文化交流施設 10 2 8

金融機関 18 11 7

総合病院 1 1 0

医療施設 24 12 12

高齢者福祉施設 43 12 31

その地の教育施設 10 6 4

保育所 13 3 10

幼稚園 2 1 1

商業施設(コンビニ) 23 7 16

商業施設(スーパー等) 17 7 10

計 161 62 99

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図.都市施設配置図(用途地域周辺拡大)

資料)国土数値情報

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2)教育施設

教育施設(小学校、中学校、高等学校)の分布状況は以下に示すとおりです。小学校や中

学校については、市内の各所に立地しています。全市が対象となる高等学校については、用

途地域内(三日市地区)に立地しています。

図.教育施設配置図

資料)国土数値情報

都市施設 施設数 用途地域内 用途地域外

小学校 9 2 7

中学校 4 0 4

高等学校 1 1 0

計 14 3 11

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図.教育施設配置図(用途地域周辺拡大)

資料)国土数値情報

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(5)経済活動

本市の産業別就業人口をみると、1985 年(昭和 60 年)では、第2次産業が 11,322 人

と最も多く、次いで、第3次産業が 10,348 人、第1次産業が 2,509 人となっていました。

その後、第1次産業、第2次産業は減少傾向、第3次産業は増加傾向を示しているととも

に、1995 年(平成7年)では第3次産業が第2次産業を上回っています。2015 年(平成

27 年)では第3次産業が 10,876 人と最も多く、次いで、第2次産業が 9,056 人、第1

次産業が 828 人となっています。

2015 年(平成 27 年)における第1次産業については、就業人口全体の4%程度まで減

少しています。第2次産業については、近年の企業立地動向も反映し、減少傾向から横ばい

傾向に転じています。

図.産業別就業人口の推移

資料)国勢調査

2,509 2,017 1,971

1,205 1,136 855 828

11,322 11,416

11,326 10,991 10,084

9,150 9,056

10,348 11,087

11,713 11,760 11,738 11,288 10,876

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

人口(人)

第1次産業 第2次産業 第3次産業

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(6)地価

平成7年を基準(植木については平成 22 年基準)とした本市の地価の推移(変動率)を

みると、全般的に減少傾向を示しています。

特に本市の中心市街地である三日市字桜枝(商業地域)のほか、生地神区(第一種住居地

域)、宇奈月温泉字桃原(用途地域の指定なし)の減少率は大きく、平成 28 年では宇奈月温

泉字桃原が 0.23、三日市字桜枝が 0.35、生地神区が 0.43 と、過去 20 年間で 5 割以下に

落ち込んでいます。

図.公示地価の位置及び公示地価の推移

資料)国土交通省地価公示

0.59

0.43

1.00

0.58

1.02

0.74

0.60

0.35

1.00

0.23

1.000.95

0.00

0.10

0.20

0.30

0.40

0.50

0.60

0.70

0.80

0.90

1.00

1.10

1.20

H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28

変動率

新牧野288番7 生地神区293番1外 堀高22番10外 宇奈月町浦山407番10

生地字大町558番 三日市字桜枝3209番1 宇奈月温泉字桃原330番44外 植木207番6

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(7)災害

本市の用途地域内及び縁辺部では、土砂災害(特別)警戒区域や土砂災害危険箇所の分布

は見られません。

前沢地区、若栗地区、浦山地区、下立地区の山裾には、土石流危険区域、急傾斜地の崩壊

特別区域・崩壊区域、地すべり警戒区域などの分布が見られます。

また、山間部の東布施地区、愛本地区、山間部で黒部川谷間の内山地区、宇奈月地区には、

土石流危険区域、急傾斜地の崩壊特別区域・崩壊区域、地すべり警戒区域のほか、雪崩危険

箇所なども分布しています。

黒部川の洪水浸水想定では、海側の市街地(用途地域)の多くが 0.5~3.0mの浸水エリア

となっています。津波浸水深は石田地区の海岸部において 0.5~1.0mのエリアがみられます。

図.土砂災害(特別)警戒区域・土砂災害危険箇所の分布状況

資料)国土数値情報

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図.土砂災害(特別)警戒区域・土砂災害危険箇所の分布状況(用途地域周辺拡大)

資料)国土数値情報

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図.黒部川水系黒部川洪水浸水想定区域

資料)国土交通省 HPのデータを加工

図.黒部市津波ハザードマップ

資料)黒部市HP

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(8)財政

1)歳入

本市の平成 27 年度における歳入総額(普通会計決算)は、約 235 億円となっています。

歳入決算額の内訳をみると、市税や使用料等の自主財源は、平成 18 年度の約 120 億円

から平成 27 年度では約 111 億円となっており、なかでも主要財源である市税は約8億円

の減少となっています。

今後、人口減少が続くとともに、主たる納税対象者である生産年齢人口の減少が予測され

ていることから、さらなる市税収入の減少が予測されています。

また、市税に次ぐ財源である地方交付税については、合併の特例優遇措置として、平成 27

年度までは、旧2市町が存在しているものとして積算交付されていますが、平成 28 年度以

降は段階的に減額されます。

表.歳入(普通会計決算)と自主財源の推移

図.自主財源と自主財源率の推移

資料)地方財政調査

(単位 百万円)

平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

19,843 21,044 20,662 22,119 21,569 22,734 22,302 23,036 24,762 23,497

12,803 11,618 12,809 12,561 12,646 12,692 12,887 12,457 13,083 13,017

11,969 12,706 11,916 10,907 10,707 11,022 10,581 10,361 11,859 11,104

地方税 8,461 8,143 8,304 7,903 7,761 7,673 7,769 7,536 7,989 7,675

諸収入 1,388 2,332 2,167 1,591 1,578 920 1,130 950 1,134 722

繰越金 1,161 1,148 452 564 619 1,231 927 643 861 987

繰入金 13 299 137 132 87 460 55 475 1,173 1,063

その他 945 784 855 716 663 738 699 756 702 656

歳入合計

うち一般財源

うち自主財源

60.3% 60.4%57.7%

49.3% 49.6%

48.5%47.4% 45.0%

47.9% 47.3%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

(百万円)

地方税 諸収入 繰越金 繰入金 その他 自主財源率

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2)歳出

本市の平成 27 年度における歳出総額(普通会計決算)は、約 229 億円となっています。

歳出決算額の内訳をみると、市役所建設などに伴う普通建設事業などの投資的経費が増加

しているほか、福祉サービスなどの扶助費が増加しており、扶助費は平成 18 年度に対して

約2倍となっています。

扶助費については、今後、高齢化の進行に伴いさらなる増加が予測されています。

施設整備や更新費などの普通建設事業費は、予算全体から必ず支出することになる義務的

経費(人件費、扶助費、公債費)、行政運営費などを差し引いた残りから捻出されることにな

ります。歳入の将来的な減少が見込まれる一方で、歳出が全体として増加傾向にあるなか、

歳入と歳出のギャップを埋めるためにも、歳出額の削減が必要となっています。

図.歳出(普通会計決算)の推移

資料)地方財政調査

図.財政見通し

資料)黒部市公共施設の再編に関する基本計画

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

(百万円)

人件費 扶助費 公債費 投資的経費 その他の経費

18,694

20,593 20,09921,501

20,33821,807 21,659 22,175

23,77522,866

(百万円)

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3)公共施設等の再編

本市が保有する公共施設「建物系(ハコモノ)」は、平成 25 年度末現在、144 施設、延

床面積約 24 万 9 千㎡であり、多くの公共施設が昭和40年代から集中的に整備されてきま

した。これらの建物は老朽化が著しく進行しており、平成 25 年度末現在、築 40 年以上の

施設が約 2 割、築 30 年以上の施設が約 3 割を占め、今後、現状のままで 10 年間推移した

場合、築 40 年以上の施設は全体の半数近くに達します。

平成 27 年から平成 76 年までの 50 年間のコストを一定の条件を設定し試算したところ、

現有する全ての公共施設の更新に必要なコストは、総額で約 870 億円、平均で毎年約 18

億円となる見込みです。

一方、直近 8 年間の平均では、公共施設(建設系(ハコモノ))に係る投資的経費は約 13

億円となっており、今後、現在の 1.4 倍の費用が必要となります。仮に現状と同水準の投資

的経費を確保できたとしても年間約 5 億円の不足が生じます。

また、建物系に社会基盤系(インフラ)を加えた公共施設全体での将来更新費用は、下図

のとおりです。今後 50 年間で必要となる更新投資等は約 1,988 億円であり、1 年あたり約

39 億円が必要となる見込みです。

過去 8 年間の投資的経費は、北陸新幹線開業に向けた整備事業への投資などから1年あた

り約 40 億円となっており、今後、歳出に対し歳入の減少が予想される中で、維持更新費用

の不足が生じるため、効率的で効果的な公共施設・インフラの運営・管理が求められます。

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

(百万円)

建物系(ハコモノ)改修・改築費合計 社会基盤系(インフラ)更新費合計

図.公共施設(建設系・社会基盤系)改修・改築・更新費の見込み

50 年間の年平均必要額:3,977 百万円

建物系(ハコモノ):学校教育施設、生涯学習施設、庁舎等、市営住宅、福祉施設

社会基盤系(インフラ):道路、橋梁、消雪施設、上水道、下水道

資料)黒部市公共施設の再編に関する基本計画

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500学校教育施設

生涯学習施設

庁舎等

市営住宅

福祉施設

その他

耐震化

事後保全

H27時点で建築経過年数が50年

に到達しているもの及び新庁舎を

算入。

必要額平均約18億円

実績額平均約13億円

図.建設系(ハコモノ)年度別改築・改修費の合計 図.社会基盤系(インフラ)更新費の合計

(百万円)

(百万円)

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(1)第2次黒部市総合振興計画〔現在作成中〕

第1次黒部市総合振興計画の策定から 10 年が経過しましたが、本格的な人口減少時代に

突入し、地域経済規模の縮小や高齢化の進行、東日本大震災をはじめとする大規模自然災害

の多発、グローバル化や情報通信技術の進展、さらには北陸新幹線が開業するなど、本市を

取り巻く社会情勢は大きく変化しています。このような社会情勢の変化や時代の流れに的確

に対応しつつ、まちづくりにおいて総合的かつ計画的な行財政運営を図るための方策を示し、

市民と共有し、協働して実践していくための新たな指針として、「第2次黒部市総合振興計画」

を策定します。

■黒部市の将来像

【まちづくりテーマ】

大自然のシンフォニー 文化・交流のまち 黒部

【まちづくりの基本理念】

市民の参画と協働によるまちづくり

■まちづくりの基本方針

【6つの基本方針】

○自然と共生し、安全で安心して暮らせるまちづくり

○地域の活力を生み出す産業育成のまちづくり

○都市基盤の充実した住みやすいまちづくり

○健やかで笑顔あふれる、ぬくもりのあるまちづくり

○豊かな心と生きがいを育み、人が輝くまちづくり

○市民と行政がともに支えるまちづくり

2-3 上位・関連計画

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(2)まち・ひと・しごと創生 黒部市人口ビジョン〔平成 27年 10 月策定〕

黒部市総合戦略〔平成 29年3月改訂〕

本市は、本市の人口の将来展望を示した「黒部市人口ビジョン」、また、人口減少を克服し、

活力ある地域を実現するため平成 27 年度から 31 年度までの5か年間に取り組む施策等を

取りまとめた「黒部市総合戦略」を策定しています。

■黒部市の目指す将来人口

出生率の向上に向けた取り組みや企業誘致をはじめ黒部市の魅力を最大限に活かした移

住・定住施策などの各種施策・事業の推進により、2060 年の目標人口を社人研推計値より

約 8,000 人多い『 33,000 人 』とします。

■基本目標・基本方針・具体的施策(Key Project)

Ⅰ 雇用を創出し、活力ある地域をつくる

○企業誘致や雇用を生み出す企業支援の推進

○基幹産業の育成・支援

○雇用環境の充実

Ⅱ 交流を促進し、人を呼び込む地域をつくる

○観光振興、地域資源等のブラッシュアップと活用

○交流・移住・定住の促進

Ⅲ 結婚・出産・子育ての希望が叶う地域をつくる

○結婚・出産・子育て支援の充実

○教育環境や就学環境の充実

Ⅳ 快適な暮らしを実現し、愛着ある地域をつくる

○交通ネットワークなどの都市基盤の充実

○健康で安心して暮らせる地域の実現

○行政と市民が一体となった地域づくりの推進

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(3)黒部市都市計画マスタープラン〔平成 22年3月策定〕

本市は、平成 18 年3月 31 日に旧2市町が合併し、新黒部市が誕生したことに加え、北

陸新幹線の新駅開業、国道8号バイパスの整備など、市を取り巻く環境が大きく変化するこ

とを踏まえ、将来のまちづくりに関する長期的な指針となる「黒部市都市計画マスタープラ

ン」を策定しています。

■都市の将来像・まちづくりの理念

【都市の将来像】

人・水・緑がきらめく ふれあいのまち

【まちづくりの理念】

○子どもから高齢者まですべての市民にとって「安全で安心なまちづくり」

○メリハリのある土地利用と公共交通を重視した「コンパクトなまちづくり」

○本市の特性を活かした「住み続けたい・訪れたい魅力的なまちづくり」

■都市整備の柱

○北陸新幹線新黒部駅(仮称)を交流拠点としたまちづくり

○地域の特性を活かしたまちづくり

○交通ネットワークを活かしたまちづくり

○安全で安心して暮らせるまちづくり

○自然と景観を活かすまちづくり

図.将来都市構造

資料)黒部市都市計画マスタープラン

国道8号

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(4)黒部市地域公共交通網形成計画〔平成 27年4月策定〕

本市では、北陸新幹線開業に伴い、ビジネスや観光等の交流促進を支える地域公共交通の

確保・充実が喫緊の課題となっているとともに、地形的な制約等による交通空白地域の解消

や、市庁舎の移転整備や市民病院の増改築等、本市の進めるコンパクトなまちづくりにより、

計画的に配置される拠点と生活交通を結ぶための公共交通ネットワークの構築・再編を実施

するため、「黒部市地域公共交通網形成計画」を策定しています。

■計画の基本方針

○鉄道を軸とした公共交通ネットワークの形成

北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅や、富山地方鉄道新黒部駅の開業により、黒部市の広域・

地域間交流を支える鉄道はこれまで以上に重要な役割を担う。また、新庁舎建設や市街地

の開発等、まちづくりが進展する中、市民生活だけでなく、ビジネス、観光の利用者の利

便性が確保され、持続するよう、鉄道を軸とした公共交通ネットワークを形成する。

○持続可能性を高める公共交通の利用促進や利用環境整備

公共交通を利用しない過度に車に依存した生活からの脱却を図り、少子高齢化の中でも

公共交通が持続し、市民の自由な移動が確保出来るよう、持続可能性を高める公共交通の

利用促進や利用環境整備を行う。

○利便性と魅力を高める公共交通環境の提供

これまで公共交通を利用していない市民が乗りたくなり、また公共交通に対して愛着を

抱くことが出来るようなデザインの導入や、利用しづらい施設の改善により、利便性と魅

力を高める公共交通環境の提供を行う。

○公共交通に関する新たな技術の導入

既存の仕組みやシステムでは実現が困難な公共交通ニーズに応えるため、環境やバリア

フリーに配慮した先進的な車両や、IT を活用した新技術等、公共交通に関する新たな技術

の導入を行う。

○公共交通網の将来構想の推進

今後の長期的なまちづくりの進展を見据え、段階的に公共交通網を整備しつつ、市民だ

けでなく、市外からのビジネス・観光等での来街者も自由に移動が出来るような、公共交

通網の将来構想を推進する。

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(1)人口・土地利用

1)人口

●本市の用途地域は、行政区域の 1.5%、都市計画区域の 5.4%で、人口の約3割が居住

しており、元々コンパクトな市街地を形成しているといえます。

●しかし、若年層の人口流出など人口減少傾向にあるほか高齢化率も高くなっており、将

来予測においても人口減・高齢化が進行すると懸念されています。一方で、世帯数は増

加傾向にあります。

●用途地域内人口密度は 23.9 人/ha と低密度な状況ですが、用途地域の縁辺部のほか、

県道魚津入善線以南から宇奈月温泉地区周辺までの農地が広がる平野部に散在して、人

口が増加している箇所がみられ、低密度な市街地が拡散している傾向がみられます。

◎あいの風とやま鉄道黒部駅周辺や三日市地区周辺の面整備が進む新市街地では新たな居

住環境が創出されており、まちなかに一定の人口密度を維持することにより、生活サー

ビスやコミュニティを持続的に確保していくことが必要です。

◎都市に活力を生み出すためにも、子育て世代や若年層の流出傾向に歯止めをかけ、交流

や定住を促すための誘導方策が必要です。

◎本市では定住促進に向けた支援を鉄道沿線に行っていますが、集約型の都市の構築に向

けた制度の検証(メリハリづけ等)を行うことが必要です。

2)土地利用

●過去 30 年間の間に、用途地域を中心として宅地化が進んでいますが、用途地域外でも

開発が進展しています。

●空き家の件数は近年 1,000 件前後で推移しており、用途地域である三日市・石田・生地

地区で全体の5割を占めています。特に、生地地区で件数が多くなっています。

●近年の開発動向をみると、用途地域の縁辺部((都)新駅中新線沿道等)や県道魚津入善

線沿道に集中しており、スプロール化の進行がみられます。

◎市街地の人口減少、低密度化が進む一方で、用途地域外の郊外部での宅地化が進行して

いることにより、まちなかの活力低下に拍車が掛かっており、人の流れを活発にしてま

ちなかの商業機能を充実させることが必要です。

◎「黒部市総合振興計画」や「黒部市都市計画マスタープラン」においても、市街地の外

延的拡大を避け、中心市街地におけるまちなか居住の促進と都市機能の充実を図るとと

もに、鉄道沿線を軸としたコンパクトなまちづくりを推進するとされており、これらの

位置付けに基づいた集約型の計画的なまちづくりが必要です。

2-4 課題の整理

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(2)公共交通

●本市には北陸新幹線、あいの風とやま鉄道、富山地方鉄道のほか、路線バスやコミュニ

ティ交通などの公共交通ネットワークが充実しており、特に用途地域(住居系)は公共

交通利用圏域に包含されています。

●鉄道の利用者は一定水準を維持している状況ですが、路線バスの利用者数は 15 年前と

比較して大きく減少しており、近年は 200 人/日前後で推移しています。

●鉄道やバスなど公共交通の運営維持にあたり、市の運営費支援が行われていますが、現

状のままでは将来的に市の財政を圧迫し続けることになります。

◎充実した公共交通ネットワークを有することは、本市の大きな強みであり、将来的な高

齢者の増加予測を踏まえると、現状の公共交通サービス水準を今後とも維持していくこ

とが必要です。

◎特に、市民の身近な交通手段である路線バスは利用者の著しい減少により、運行維持に

向けた市の補助も困難な状況が想定され、利用者の確保に向けた利用環境づくりが必要

です。

◎「黒部市地域公共交通網形成計画」では三日市・生地・石田地区などの市街地を鉄道が

骨格として結ぶ、鉄道を軸としたネットワークを形成し、市街地への利便性を高め、持

続可能性を高めることが示されており、本計画と連動した集約型の都市構造の構築が必

要であり、公共交通利用者を増やすことで健全な経営へと転換させ、市の財政負担を軽

減させていくことが必要です。

(3)都市施設

1)医療・福祉施設

●本市の医療施設は、用途地域内に集積しており、基幹病院である黒部市民病院も用途地

域内に再整備されていることから、市街地での利便性が確保されているといえます。

●児童福祉施設も用途地域内に集積しており、市街地での一定のサービス水準が確保され

ているといえます。

●高齢者福祉施設は用途地域内外にかかわらず立地していますが、その多くは公共交通利

用圏域に包含されており、市街地での利便性が確保されているといえます。

◎本市では、市街地部及び公共交通利用圏域に医療・福祉施設が立地しており、既に集約

型の構造となっていることから、将来的にもこのサービス水準を確保していくことが必

要です。

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2)教育施設

●小学校・中学校の多くは用途地域外に立地していますが、用途地域に隣接する形で立地

しているものも多く、市街地部の一定のサービス水準は確保されているといえます。

●その他の教育施設も用途地域に集積しており、一定のサービス水準は確保されていると

いえます。一方で、国際文化センターコラーレは用途地域に隣接する形で立地しており、

市街地への都市機能サービスの確保の観点から、その位置付けを検討することが求めら

れます。

◎現状のサービス水準の確保を前提としながら、将来的な施設再編の方向性も念頭に、市

街地の教育環境の確保や地域コミュニティの確保の観点からも適正な教育施設のあり方

を検討することが必要です。

3)商業施設

●スーパーやコンビニ、金融機関などの商業施設は用途地域を中心に立地していますが、

用途地域外にも多く立地する一方で、石田地区には商業施設の立地がみられません。

●三日市地区では空き店舗の増加が進んでおり、中心市街地の活力低下が著しい状況です。

●近年(都)新駅中新線沿道に商業施設の立地が集中しており、開発動向のスプロール化

が進行しています。

◎市街地部の生活の利便性を確保する観点からも、商業施設の立地は市街地部に誘導し、

サービス水準を将来的にも維持していくことが必要です。

◎中心市街地に賑わいと活力を取り戻すため、空き店舗の有効活用を図ることが必要です。

◎近年、市役所や黒部市民病院が市街地部で再整備され、鉄道駅周辺での開発もみられる

ことから、こうした動きと連動し、様々な都市施設をまちなかに集約し、効率的かつ有

機的な都市サービス機能を充実していくことが必要です。

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(4)災害

●本市の土砂災害(特別)警戒区域や土砂災害危険箇所は用途地域内及び縁辺部にはみら

れません。

●洪水浸水想定区域は用途地域が指定されている海側の市街地部の多くが浸水深 0.5~

3.0mと想定されています。

●津波時想定浸水は、沿岸部に浸水深 2.0m未満の箇所がみられますが、市街地の多くは

浸水被害が想定されていません。

◎上記の観点から、災害の危険性から用途地域において居住や都市機能を誘導することに

関する懸念は少ないといえますが、洪水時における浸水対策を含めた、災害発生時の避

難誘導のあり方など総合的に防災対策を踏まえた都市構造のあり方を検討することが必

要です。

(5)財政

●将来的な人口減少及び生産年齢人口の減少により、税収の減少が予測される一方、社会

保障費や行政運営費は増加しています。

●将来的にも教育施設や生涯学習施設の改築・改修費が増大していくことが予測され、ま

たインフラでは下水道の更新費が増加すると予測され、財政を圧迫することが懸念され

ます。

◎上記の観点から、効率的かつ効果的な公共施設の維持管理が必要であり、将来の予測も

踏まえた公共施設のあり方検討を行うことが必要です。

◎将来の高齢社会の到来を見据えた、交通の利便性や生活の利便性が高い市街地への施設

配置を検討することが必要です。

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本市の行政区域面積は 42,796ha であり、富山県内において富山市、南砺市に次いで、3

番目に広大な市域を有していますが、そのうち、一体の都市として総合的に整備・開発・保全

する必要がある都市計画区域面積は 11,595ha(市域全体の 27.1%)に限られ、都市計画区域内

に本市の人口の 99.9%の市民が居住しています。

また、旧黒部市の市街地を中心に指定された用途地域面積は 623.3ha(市域全体の 1.5%)と

わずかですが、用途地域内には本市の約3割の市民が居住するとともに、商業、医療、福祉、

教育、行政等の都市機能が集積し、比較的コンパクトな都市構造を形成しています。

一方、東西に広がる本市の都市計画区域においては、当該区域の中心を東西に横断する富山

地方鉄道をはじめ、中心市街地が形成された市域西部を北陸新幹線、あいの風とやま鉄道が南

北に縦断するとともに、北陸自動車道、国道8号、県道魚津生地入善線等の南北方向の幹線道

路、県道若栗生地線、県道黒部宇奈月線等の東西方向の幹線道路が区域内の各地区を連絡し、

鉄道を基軸とする公共交通及び道路網のネットワークが構築されています。

このようにコンパクトな都市構造と鉄道を基軸とする公共交通及び道路網のネットワークが

構築された本市ではありますが、今後、本市の人口は 2060 年(平成 72 年)まで減少し続ける

ことが予測されており、人口減少時代に適応しながら、活力ある地域を実現することが必要と

なっています。

また、用途地域外において宅地開発が進む一方で、中心市街地では空き家が増加するととも

に、人口減少が進行しており、活力低下が著しい状況です。

本市は、企業誘致や北陸新幹線の開通などもあいまって、一定の人口規模を維持することが

できていますが、これらの活力は用途地域外の縁辺部に拡散しており、中心市街地の活力誘導

にはつながっていません。また、まちなかに対する若年層の喪失感も漂っており、まちの魅力

づくりが急務となっています。

これらのことから、公共交通の利便性の高い中心市街地への都市機能の立地や居住の誘導を

図り、本市の持続的な発展のエンジンとなる中心市街地の再興を図ることが必要となっていま

す。

3.立地適正化計画の基本方針

3-1 まちづくりの方針

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■集約化に向けたまちづくりの方向性(ストーリーとターゲット)

前述した課題を克服し、活力ある中心市街地の再興を図るため、集約化に向けたまちづくり

の方向性(ストーリーとターゲット)を以下のように設定します。

鉄道及びバス等の公共交通ネットワーク基盤が整っている本市では、市内各所から中心市

街地へのアクセスが容易であり、中心市街地への都市機能の集約化に加え、まちの魅力の

創出が図られれば、まちなかに訪れる市民も増え、同時に公共交通利用者の増加も期待さ

れます。

民間企業の先進的な居住環境整備に関する資本投資が進んでおり、その投資効果を中心市

街地に誘導することで、活力向上が進むとともに、若年層を中心とした新たな定住人口の

増加が期待されます。

先人やシニア世代のこれまで培った豊富な経験と知識を活かし、次代を担う青少年や子育

て世代等の年層に対する支援と人材育成、郷土愛を育むなど新たな価値と地域力の創造拠

点として、まちなかの遊休地の有効活用と多機能な交流施設の整備・運営を進めるととも

に、若年層が成長し、人々が躍動することで、活気ある中心市街地の再興が期待されます。

若 年 層 の 活 躍 と 人 の 躍 動 に よ る 中 心 市 街 地 の 再 興

本計画のターゲット

まちづくりのストーリー

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本市では、「まち・ひと・しごと創生 黒部市総合戦略 ~戦略K~」を策定し、人口減少を克

服し、活力ある地域を実現するため、次のように基本目標を掲げ、各種施策に取り組むことと

しています。

【基本目標】

Ⅰ 雇用を創出し、活力ある地域をつくる

Ⅱ 交流を促進し、人を呼び込む地域をつくる

Ⅲ 結婚・出産・子育ての希望が叶う地域をつくる

Ⅳ 快適な暮らしを実現し、愛着ある地域をつくる

また、本市が策定する「黒部市都市計画マスタープラン」では、まちづくりの理念を次のよ

うに掲げ、特に土地利用に関連し、“メリハリのある土地利用と公共交通を重視した「コンパク

トなまちづくり」”を目指しています。

【まちづくりの理念】

○子どもから高齢者まですべての市民にとって「安全で安心なまちづくり」

○メリハリのある土地利用と公共交通を重視した「コンパクトなまちづくり」

○本市の特性を活かした「住み続けたい・訪れたい魅力的なまちづくり」

この他、「黒部市地域公共交通網形成計画」では、本市の進めるコンパクトなまちづくりによ

り、計画的に配置される拠点と生活交通を結ぶための公共交通ネットワークの構築・再編を実

施するため、次のように基本方針を掲げています。

【計画の基本方針】

○鉄道を軸とした公共交通ネットワークの形成

○持続可能性を高める公共交通の利用促進や利用環境整備

○利便性と魅力を高める公共交通環境の提供

○公共交通に関する新たな技術の導入

○公共交通網の将来構想の推進

前述のまちづくりの方向性を基本とし、これら上位・関連計画との整合性を図りつつ、将来

的な人口減少に適応しながら、活力ある地域を実現するため、以下のとおり“まちづくりの方

針”を掲げます。

■まちづくりの方針

『コンパクトかつ公共交通等ネットワークが充実したまちづくり』

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「3-1 まちづくりの方針」で示したように、本市においては、用途地域内に都市機能が

集積し、本市の約3割の市民が居住した比較的コンパクトな都市構造を形成しているとともに、

鉄道を基軸とする公共交通及び道路網のネットワークが構築されています。

立地適正化計画を策定するにあたっては、このような都市構造を維持し、今後も、まちづく

りの方針で掲げた『コンパクトかつ公共交通等ネットワークが充実したまちづくり』を推進し

ていくことが重要です。

また、本市が策定する「黒部市都市計画マスタープラン」、「黒部市地域公共交通網形成計画」

では、次のように設定しているとともに、定住促進に向けた「住宅取得者支援補助事業」を設

け、中心市街地及び地鉄沿線への居住誘導を推進しています。

■黒部市都市計画マスタープラン

【将来都市構造】※抜粋・要約

○中心市街地(三日市市街地とその周辺)は、集積したそれぞれの都市機能の充実

や市街地の外延的拡大を避け、中心市街地において公共交通等を重点的に整備。

○新駅周辺(新幹線新駅及び黒部ICの周辺)は、交通結節機能、交流機能、観光

情報機能、商業機能などの充実に努め、県東部の玄関口・拠点として機能。

○地鉄沿線(富山地方鉄道本線沿いに集落が連たんしている荻生駅から音沢駅に加

え、宇奈月温泉までの沿線)は、鉄道駅周辺への計画的な住宅地の誘導・集約化

を図り、鉄道網を活用した「コンパクトなまちづくり」を推進。

■黒部市地域公共交通網形成計画

【黒部市の目指す「鉄道を軸とした公共交通網が支える都市構造」】

○三日市、生地、石田地区や、富山地方鉄道沿線に集積する市街地を鉄道が骨格と

して結び、主要交通結節点や観光拠点をバス交通で結ぶ、鉄道を軸とした公共交

通網が支える都市構造を目指す。

○北陸新幹線による広域的な交流、あいの風とやま鉄道と富山地方鉄道による地域

間交流を路線バス、コミュニティバス、デマンドタクシーによるネットワークが

市内に波及させ、市民や来訪者が、市街地や観光・産業の拠点へ自由に移動でき

る体系となる。

3-2 立地適正化の基本方針

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【人口・土地利用】

●人口

・あいの風とやま鉄道黒部駅周辺や三日市地区周辺の面整備が進む新市街地では新たな居住環境が創

出されており、まちなかに一定の人口密度を維持し、生活サービスやコミュニティの持続的確保が

必要。

・定住促進に向けた支援を鉄道沿線に行っており、集約型の都市の構築に向けた制度の検証(メリハ

リづけ等)が必要。(☆)

●土地利用

・市街地の人口減少、低密度化が進む一方で、用途地域外の郊外部での宅地化が進行し、まちなかの

活力低下に拍車が掛かっており、まちなかの商業機能の充実が必要。

・上位・関連計画において、市街地の外延的拡大を避け、中心市街地におけるまちなか居住の促進と

都市機能の充実を図るとともに、鉄道沿線を軸としたコンパクトなまちづくりを推進するとされて

おり、これらの位置付けに基づいた集約型の計画的なまちづくりが必要。(☆)

【公共交通】

・充実した公共交通ネットワークを有することは、本市の大きな強みであり、将来的な高齢者の増加

予測を踏まえ、現状の公共交通サービス水準を今後とも維持していくことが必要。

・「黒部市地域公共交通網形成計画」では三日市・生地・石田地区などの市街地を鉄道が骨格として

結ぶ、鉄道を軸としたネットワークを形成し、市街地への利便性を高め、持続可能性を高めること

が示されており、本計画と連動した集約型の都市構造の構築が必要。(☆)

【都市施設】

●医療・福祉施設

・市街地部及び公共交通利用圏域に医療・福祉施設が立地しており、既に集約型の構造となっている

ことから、将来的にもこのサービス水準の確保が必要。

●教育施設

・現状のサービス水準の確保を前提としながら、将来的な施設再編の方向性も念頭に、市街地の教育

環境の確保や地域コミュニティの確保の観点からも適正な教育施設のあり方検討が必要。

●商業施設

・市街地部の生活の利便性を確保する観点からも、商業施設の立地は市街地部に誘導し、サービス水

準の将来的維持が必要。

・近年、市役所や黒部市民病院が市街地部で再整備され、鉄道駅周辺での開発もみられることから、

こうした動きと連動し、様々な都市施設をまちなかに集約し、効率的かつ有機的な都市サービス機

能の充実が必要。

【災害】

・用途地域での災害の危険性は低いものの、洪水時における浸水対策を含めた、災害発生時の避難誘

導のあり方など総合的に防災対策を踏まえた都市構造のあり方検討が必要。

【財政】

・将来の高齢社会の到来を見据えた、交通の利便性や生活の利便性が高い市街地への施設配置検討が

必要。

・効率的かつ効果的な公共施設の維持管理が必要であり、将来の予測も踏まえた公共施設のあり方検

討が必要。

※ (☆)印は、本市が推進するまちづくりの計画・施策と関連する課題

コンパクトで公共交通基盤が整っている都市構造を今後も維持するとともに、機能低下が進行する中心市

街地の再興を促すために、以下に示す基本方針に基づき、まちづくりを推進します。

■課題(概要)

■まちづくりの方針(再掲)

■立地適正化の基本方針

図.黒部市立地適正化計画の概念図

生活拠点(鉄道駅周辺及び海岸部の市街地)

○鉄道駅及び海岸部の市街地においては、公共交通の利便性を享受できるよう

に、鉄道を基軸とする公共交通ネットワークの充実を進めることで中心市街地

との連携強化により生活の利便性を確保し、居住の維持を図る。

生活拠点(集落部)

○既存の集落が形成された地域においては、市民が住み慣れた地域で愛着を感じ

ながら快適に暮らし続けることができるように、本市の自然環境や優良な農地

等との調和に配慮した居住を維持するとともに、公共交通ネットワークの充実

により、まちなかや交通結節点となる鉄道駅との連携強化を図る。

中心拠点(中心市街地)

○道路、鉄道、上下水道、通信網等のインフラが整備され、商業、医療、福祉、

教育、行政等の都市機能が集積し、充実した都市サービスが受けられ、快適な

居住環境が確保されるよう居住及び都市機能の誘導を図る。

立地適正化の基本方針(すべて)

『コンパクトかつ公共交通等ネットワークが充実したまちづくり』

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都市計画運用指針では、立地適正化計画の区域について「立地適正化計画の区域は都市計画

区域内でなければならないが、都市全体を見渡す観点から、都市計画区域全体を立地適正化計

画の区域とすることが基本となる。」(第8版都市計画運用指針、国土交通省)としています。

また、本市は、「3-1 まちづくりの方針」で整理したとおり、市域全体に対して都市計画

区域が比較的コンパクトであるとともに、都市計画区域の背骨となる富山地方鉄道等鉄道網を

軸とした公共交通ネットワークが構築されていることから、都市計画区域全体(11,595ha)を

立地適正化計画区域とします。

図.黒部市立地適正化計画区域

資料)黒部市都市計画課

都市計画運用指針では、立地適正化計画について、「一つの将来像として、おおむね 20 年後

の都市の姿を展望することが考えられるが、あわせてその先の将来も考慮することが必要であ

る。」とされています。また、「必要に応じて立地適正化計画や関連する都市計画の見直し等を

行うことが望ましく、動的な計画として運用すべきである。」としています。(第8版都市計画

運用指針、国土交通省)

都市計画運用指針の考え方を踏まえ、黒部市立地適正化計画の計画期間は、おおむね 20 年後

の 2035 年(平成 47 年)を目標年次とし、必要に応じて立地適正化計画の見直しを行うものと

します。

3-3 立地適正化計画区域の設定

3-4 立地適正化計画の計画期間

立地適正化

計画区域

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(1)居住誘導区域とは

都市計画運用指針において、「居住誘導区域は、人口減少の中にあっても一定のエリアにお

いて人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよ

う、居住を誘導すべき区域である。このため、居住誘導区域は、都市全体における人口や土

地利用、交通や財政の現状及び将来の見通しを勘案しつつ、居住誘導区域内外にわたる良好

な居住環境を確保し、地域における公共投資や公共公益施設の維持運営などの都市経営が効

率的に行われるよう定めるべきである。」とされています。

【居住誘導区域の必要性・期待される効果】

今後の人口減少や市街地のスプロール化(無計画な拡大)の進行により、市街地部

の人口密度が低下し続けると・・・

Ⅰ.日常生活を支える様々なサービス機能が衰退し、生活利便性が低下する

Ⅱ.生活利便性の低下によって、郊外・市外への人口流出が進行し、空き家・

空き地が増加する

Ⅲ.人口流出により公共交通機能が衰退し、生活利便性がさらに低下する

Ⅳ.Ⅰ~Ⅲの悪循環により、市街地は空洞化し、市の中心部としての機能を維

持できなくなる

このような事態を避けるため、居住誘導区域及び後述する都市機能誘導区域を設定

し、一定の人口密度を維持することで、日常生活を支えるサービス機能や公共交通等

を確保=市民の生活環境の確保を図る必要があります。

居住誘導区域や都市機能誘導区域を設定することにより、一定の人口密度を維持し、

市民の生活環境の確保を図ることで、以下のような効果が期待されます。

4.誘導区域等の設定

4-1 居住誘導区域の設定

●暮らしやすい生活環境が形成されることで、都市としての魅力が向上し、

企業誘致が促進されるなど、雇用機会の創出に繋がります。

●人口密度や生活環境が維持されることで、市中心部のみならず都市全体が

活性化し、市内地域間だけでなく、隣接自治体や遠方も含めた交流人口の

増加に繋がります。

●計画的な公共施設の配置・運営等(統廃合・長寿命化等)により、施設整

備や維持管理にかかる行政コストの低減を図ります。

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(2)居住誘導区域の設定

1)都市計画運用指針における区域設定の考え方

①-1 居住誘導区域を定めることが考えられる区域

ア 都市機能や居住が集積している都市の中心拠点及び生活拠点並びにその周辺の区域

イ 都市の中心拠点及び生活拠点に公共交通により比較的容易にアクセスすることがで

き、都市の中心拠点及び生活拠点に立地する都市機能の利用圏として一体的である

区域

ウ 合併前の旧町村の中心部等、都市機能や居住が一定程度集積している区域

①-2 都市再生特別措置法第81条第11項、同法施行令第22条により、次に掲げる区

域については居住誘導区域に含まないこととされていることに留意

ア 都市計画法第7条第1項に規定する市街化調整区域

イ 建築基準法第39条第1項に規定する災害危険区域のうち、同条第2項の規定に基

づく条例により住居の用に供する建築物の建築が禁止されている区域

ウ 農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第1号に規定する農用地区域又は農

地法第5条第2項第1号ロに掲げる農地若しくは採草放牧地の区域

エ 自然公園法第20条第1項に規定する特別地域、森林法第25条若しくは第25条

の2の規定により指定された保安林の区域、自然環境保全法第14条第1項に規定

する原生自然環境保全地域若しくは同法第25条第1項に規定する特別地区又は森

林法第30条若しくは第30条の2の規定により告示された保安林予定森林の区域、

同法第41条の規定により指定された保安施設地区若しくは同法第44条において

準用する同法第30条の規定により告示された保安施設地区に予定された地区

①-3 次に掲げる区域については、原則として、居住誘導区域に含まないこととすべき

ア 土砂災害特別警戒区域

イ 津波災害特別警戒区域

ウ 災害危険区域(①-2 イに掲げる区域を除く。)

エ 地すべり等防止法第3条第1項に規定する地すべり防止区域

オ 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項に規定する急傾斜地崩

壊危険区域

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①-4 次に掲げる区域については、それぞれの区域の災害リスク、警戒避難体制の整備状

況、災害を防止し、又は軽減するための施設の整備状況や整備見込み等を総合的に勘

案し、居住を誘導することが適当ではないと判断される場合は、原則として、居住誘

導区域に含まないこととすべき

ア 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第6条第1項に

規定する土砂災害警戒区域

イ 津波防災地域づくりに関する法律第53条第1項に規定する津波災害警戒区域

ウ 水防法第14条第1項に規定する浸水想定区域

エ 特定都市河川浸水被害対策法第32条第1項に規定する都市洪水想定区域及び同条

第2項に規定する都市浸水想定区域

オ 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第4条第1項に

規定する基礎調査、津波防災地域づくりに関する法律第8条第1項に規定する津波

浸水想定における浸水の区域及びその他の調査結果等により判明した災害の発生の

おそれのある区域

①-5 次に掲げる区域を居住誘導区域に含めることについては慎重に判断を行う

ア 都市計画法第8条第1項第1号に規定する用途地域のうち工業専用地域、同項第1

3号に規定する流通業務地区等、法令により住宅の建築が制限されている区域

イ 都市計画法第8条第1項第2号に規定する特別用途地区、同法第12条の4第1項

第1号に規定する地区計画等のうち、条例により住宅の建築が制限されている区域

ウ 過去に住宅地化を進めたものの居住の集積が実現せず、空地等が散在している区域

であって、人口等の将来見通しを勘案して今後は居住の誘導を図るべきではないと

市町村が判断する区域

エ 工業系用途地域が定められているものの工場の移転により空地化が進展している区

域であって、引き続き居住の誘導を図るべきではないと市町村が判断する区域

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①-6 留意すべき事項

居住誘導区域が将来の人口等の見通しを踏まえた適切な範囲に設定されるべきことは

言うまでもない。例えば、今後、人口減少が見込まれる都市においては、現在の市街化

区域全域をそのまま居住誘導区域として設定するべきではなく、また、原則として新た

な開発予定地を居住誘導区域として設定すべきではない。なお、人口等の将来の見通し

は、立地適正化計画の内容に大きな影響を及ぼすことから、国立社会保障・人口問題研

究所が公表をしている将来推計人口の値を採用すべきであり、仮に市町村が独自の推計

を行うとしても国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口の値を参酌すべきである。

また、都市機能誘導区域へ誘導することが求められる医療、福祉、商業等の身近な生活

に必要な都市機能は、各機能の特性に応じた一定の利用圏人口によってそれらが持続的

に維持されることを踏まえ、当該人口を勘案しつつ居住誘導区域を定めることが望まし

い。

一方で、居住誘導区域の設定に当たっては、市町村の主要な中心部のみをその区域と

するのではなく、地域の歴史や合併の経緯等にも十分留意して定めることが望ましい。

なお、市街地の周辺の農地のうち、生産緑地地区など将来にわたり保全することが適当

な農地については、居住誘導区域に含めず、市民農園その他の都市農業振興施策等との

連携等により、その保全を図ることが望ましい。

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2)居住誘導区域設定の検討の視点

居住誘導区域を設定するにあたって、中心市街地の特性を整理すると以下のようにまとめ

られます。

・広大な行政区域面積に対し、用途地域が指定されている面積は 1.5%であり、既にコン

パクトな市街地を形成しています。

・公共交通利用圏域を、駅から半径 800mの範囲、バス停から半径 300mの範囲として

設定した場合、中心市街地は、公共交通利用圏域としてほぼ網羅されており、公共交通

の利便性が確保されています。

・居住の誘導に必要な商業、医療、福祉、教育、行政等の各種施設の大部分が、中心市街

地である三日市地区に立地しています。

・三日市地区では、土地区画整理事業や民間企業の先進的な居住環境整備などの資本投資

が行われています。

・中心市街地である三日市地区周辺には土砂災害特別警戒区域など土砂災害の危険性が想

定されるエリアはありません。

3)居住誘導区域の設定

前章で示した中心市街地の再興に向けて、後述する都市機能誘導区域に誘導すべき施設と

して位置付ける機能を将来的にも維持していくためには、少なくとも平成 22 年ベースの人

口規模・密度の確保を図る必要があり、その基盤として中心市街地に長期的な視点から居住

を誘導していくことが求められます。

本市では、1)及び2)の観点を踏まえ、以下の考え方に基づいて居住誘導区域を設定し

ます。(次ページに居住誘導区域図を提示)

① 黒部市都市計画マスタープランで位置づけられた「中心市街地」を基本とします

③ 中心市街地において宅地化が進展していないエリアを除外します

② 工業系用途地域(工業専用地域、工業地域)を除外します

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図.居住誘導区域図

居住誘導区域面積

約 205.8ha

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(3)人口密度の予測

居住誘導区域における人口は、5,878 人(平成 27 年国勢調査より算出)となっています。

この値と居住誘導区域面積約 205.8ha(図上計測値)から、居住誘導区域の人口密度を

算出すると 28.6 人/ha となっています。

一方、国立社会保障・人口問題研究所から示された将来人口の推計結果を踏まえた居住誘

導区域内の将来人口及び人口密度は以下のように推定されます。

表.居住誘導区域における人口・人口密度の予測

平成 22 年 平成 27 年 平成 37 年 平成 47 年

行政区域人口(人) 41,852 40,991 37,773 34,222

区域内人口(人) 6,315 5,878 5,417 4,907

人口密度(人/ha) 30.7 28.6 26.3 23.8

※行政区域人口(平成 37 年~):社人研推計値

区域内人口 (平成 37 年~):平成 27 年の区域内人口と行政区域人口の比率が将来

も維持すると想定した値

上表に示すとおり、現状のままでは人口減少の進行に伴い、人口密度も低下することとな

り、目標年次である平成 47 年では、平成 27 年から約 20%減の 23.8 人/ha となる予測

となります。

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(1)都市機能誘導区域とは

都市計画運用指針において、「医療・福祉・子育て支援・商業といった民間の生活サービス

施設の立地に焦点が当てられる中では、これらの施設を如何に誘導するかが重要となる。こ

のような観点から新たに設けられた都市機能誘導区域の制度は、一定のエリアと誘導したい

機能、当該エリア内において講じられる支援措置を事前明示することにより、当該エリア内

の具体的な場所は問わずに、生活サービス施設の誘導を図るものであり、都市計画法に基づ

く市町村マスタープランや土地利用規制等とは異なる全く新しい仕組みである。原則として、

都市機能誘導区域は、居住誘導区域内において設定されるものであり、医療・福祉・商業等

の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより、これらの各種サービ

スの効率的な提供が図られるよう定めるべきである。」とされています。

(2)都市機能誘導区域の設定

1)都市計画運用指針における区域設定の考え方

①-1 留意すべき事項

ア 都市機能誘導区域は、区域内の人口や経済活動のほか、公共交通へのアクセス等を

勘案して、市町村の主要な中心部のみならず、例えば合併前旧町村の中心部や歴史

的に集落の拠点としての役割を担ってきた生活拠点等、地域の実情や市街地形成の

成り立ちに応じて必要な数を定め、それぞれの都市機能誘導区域に必要な誘導施設

を定めることが望ましい。

イ 都市機能の充足による居住誘導区域への居住の誘導、人口密度の維持による都市機

能の持続性の向上等、住宅及び都市機能の立地の適正化を効果的に図るという観点

から、居住誘導区域と都市機能誘導区域の双方を定めるとともに、居住誘導区域の

中に都市機能誘導区域を設定することとなる。

なお、居住誘導区域と都市機能誘導区域の設定が同時であることが基本となるが、

居住誘導区域の設定において、住民への丁寧な説明等のために時間を要する場合に

は、都市機能誘導区域の設定が居住誘導区域の設定に先行することも例外的に認め

られる。

ウ 都市機能誘導区域は居住誘導区域の中に設定されるものであり、都市機能誘導区域

に医療・福祉・商業等の都市機能とあわせて居住を誘導することが望ましい。

4-2 都市機能誘導区域の設定

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2)都市機能誘導区域の設定

中心市街地の再興に向けて必要となる誘導施設の立地を集約していくため、前述の定義を

踏まえ、以下の考え方に基づいて都市機能誘導区域を設定します。(次ページに都市機能誘導

区域図を提示)

② 鉄道駅から 800m以内とします

③ 商業系用途地域(商業地域、近隣商業地域)は指定エリアに含めます

① 居住誘導区域内に設定します

④ 路線バスやコミュニティ交通の路線が重複する幹線道路沿道をエリアに含めます

⑤ 土地区画整理事業等の都市基盤整備を行った区域のうち、誘導施設の立地が予想さ

れる区域をエリアに含めます

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図.都市機能誘導区域図

図.中心市街地の公共交通網

都市機能誘導区域面積

約 105.8ha

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(1)誘導施設とは

都市計画運用指針において、「都市機能誘導区域ごとに立地を誘導すべき都市機能増進施設」

とされ、「当該区域に必要な施設を設定することとなるが、具体の整備計画のある施設を設定

することも考えられる。この際、当該区域及び都市全体における現在の年齢別の人口構成や

将来の人口推計、施設の充足状況や配置を勘案し、必要な施設を定めることが望ましい」と

されています。

前章で示したように、本市では都市機能誘導区域を、三日市市街地を中心とした中心市街

地に設定します。中心市街地における主な都市機能の施設数及び利用圏域※のカバー率は、下

記のとおりです。

表.都市機能誘導区域における施設数とカバー率

表.居住誘導区域における施設数とカバー率(参考)

5.誘導施設の設定

5-1 誘導施設の設定

施設数 カバー率

商業施設(スーパー) 4 90.9%

商業施設(コンビニ) 4 90.7%

総合病院 1 67.0%

医療施設 9 97.4%

保育園 2 92.8%

幼稚園 0 0.0%

その他の教育施設 3 98.6%

高齢者福祉施設 6 96.1%

文化交流 1 57.4%

金融機関 7 85.8%

教育機関 1 61.9%

施設数 カバー率

商業施設(スーパー) 4 93.1%

商業施設(コンビニ) 3 90.7%

総合病院 1 62.3%

医療施設 5 95.4%

保育園 2 97.8%

幼稚園 0 0.0%

その他の教育施設 3 100.0%

高齢者福祉施設 2 99.6%

文化交流 1 69.3%

金融機関 7 92.7%

教育機関 1 79.8%

※施設の利用圏域は、「都市構造の評価に関するハンドブック」に示される半径 800m圏内を利用圏域とします。

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図.都市機能誘導区域(三日市地区)における都市施設配置図

施設の立地状況と利用圏域カバー率をみると、三日市地区ではほぼすべての施設が立地し

利便性の高い地区となっています。

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(2)誘導施設設定の考え方

誘導施設は、居住者の共同の福祉や利便性の向上を図る観点で、誘導(新規整備、既存施

設の維持、集約、複合化、機能強化)すべき都市機能増進施設として設定するものです。

前章のまちづくりの方針で示したように、本市では、公共交通の利便性の高い中心市街地

への都市機能の立地や居住の誘導を図り、持続的な発展のエンジンとなる中心市街地の再興

を図ることが求められています。特に、若年層が成長し、人々がまちなかで躍動するなど魅

力的な都市空間を形成し、民間活力も呼び込むことで、活気ある中心市街地の再興を目指し

ていくことが求められています。

こうした観点から、本市において誘導施設として位置づけるべき施設は、以下のような施

設とします。

①については、多くの利用者が見込まれるとともに、施設立地を誘導し集約することで効

果的・効率的なサービスの提供が期待されるほか、周辺での民間施設の立地促進なども期待

され、中心市街地の賑わい創出や魅力向上にも寄与すると考えられます。

②については、日常生活に必要な施設であるとともに、一定の利用圏域を有することから、

立地誘導されることで利便性の向上が期待され、周辺での居住誘導に寄与すると考えられま

す。特に、起業や人材育成施設など若年層をターゲットとしてまちなかに呼び込むための機

能や空き店舗の活用が期待できる商業施設などは、まちなかの賑わい創出に寄与すると考え

られます。

中心市街地の施設立地状況に加え、居住を促し都市的サービスを提供する上で求められる

機能の必要性を整理すると以下のようにまとめられます。

② 日常的な機能であるが、機能圏域が比較的広域である施設

① 機能圏域が広域である施設

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表.誘導施設の必要性の考え方

都市機能 必要性の考え方

子育て支援機能

子育て世代の日常生活に必要な機能であり、居住地に近接したエリアでの

立地が求められる機能です。特に、子育て世代を中心市街地に呼び込む上

で重要な機能となります。

医療機能

高次医療機能については、交通の利便性の高い中心部での立地が求められ

ますが、通常の医療機能は日常生活に必要な機能であり、居住地に近接し

たエリアでの立地が求められる機能です。

福祉機能 高齢者福祉機能は集約化させるのではなく、利用者のニーズを勘案しつ

つ、市内各所に立地すべきと考えられる機能です。

教育機能

小学校や中学校は機能の性質上、市内各所に立地すべきと考えられます

が、高校や若年層の人材育成のような高等教育機能は多くの市民が集散す

る交通の利便性の高い中心部での立地が求められる機能です。

商業機能

日常生活に必要な機能であり、居住地に近接したエリアでの立地が求めら

れる機能です。また、小規模な商業施設はその立地により商店街等の活性

化が期待される施設です。

行政機能

多くの市民が集散する交通の利便性の高い中心部での立地が求められる

機能です。(※黒部市役所は中心部に新設されており、将来的な立地誘導

の必要性は低いと考えられます)

文化機能

多くの市民が集散する交通の利便性の高い中心部での立地が求められる

機能です。また、図書館などは人材育成といった若年層の教育・起業など

にも資する機能です。

交流機能

多くの市民が集散する交通の利便性の高い中心部での立地が求められる

機能であり、中心部に立地することで交流機会の相乗効果や賑わい創出に

寄与する機能です。

金融機能 日常生活に必要な機能であり、居住地に近接したエリアでの立地が求めら

れる機能です。

表.都市機能誘導区域における誘導施設の立地状況と誘導施設としての必要性

都市機能 三日市地区

現状 必要性

子育て支援機能 ◎ 高

医療機能 ◎ 高

福祉機能 ◎ 低

教育機能 ○ 高

商業機能 ◎ 高

行政機能 ◎ 低

文化機能 ○ 高

交流機能 ○ 高

金融機能 ◎ 高

必要性の判断基準

高:集約化により利便性を高めるため、立地誘導すべきであると考えられる施設

中:今後の各種施設の整備の実現性等も考慮し、位置付けを検討すべき施設

低:施設利用の観点から立地誘導を行うべきではないと考えられる施設

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(3)誘導施設の設定

本市では、誘導施設を以下のように設定します。

表.誘導施設

分類 誘導施設 法的位置付け等

①機能圏域が広域で

ある施設

●医療機能【総合病院】 医療法第1条の5第1項に規

定する施設のうち富山県が定

める救急救命センターに指定

される病院

●文化機能【図書館】 図書館法第2条第1

項に規定する施設

●交流機能

【文化ホール、市民会館、コミュニテ

ィセンター】

博物館法第 2 条第 1 項、同法

第 29 条に規定する施設

地方自治法第244条第1項の

規定により設置される施設

②日常的な機能であ

るが、機能圏域が

比較的広域である

施設

●子育て支援機能

【子育て支援センター】

児童福祉法第 6 条の 3 第 6 項

に定める地域子育て支援拠点

事業を行う施設

●教育機能

【高等学校、若年層向け人材育成施設】

学校教育法第 1 条に規定する

施設のうち高等学校、高等専門

学校

●医療機能

【総合病院以外の病院(診療所は除

く)】

医療法第1条の5第1項に規

定する施設

●商業機能

【店舗(まちなかの空き店舗を活用し

た規模の小さい商業施設)】

店舗面積 100 ㎡未満の商業施

●金融機能

【銀行、信用金庫、郵便局】

銀行法第 2 条に規定する銀行

⻑期信⽤銀行法第 2 条に規定

する⻑期信⽤銀⾏、信⽤⾦庫法

に基づく信⽤⾦庫

日本郵便株式会社法第 2 条第

4 項に規定する郵便局

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(1)施策の方向性

本計画では、「本市の拠点性と公共交通ネットワークで構築された都市構造を維持しながら、

市民が住み慣れた地域で愛着を感じながら快適に暮らし続けることができる、『コンパクトか

つ公共交通等ネットワークが充実したまちづくり』」を実現するため、居住誘導と都市機能誘

導を行い、中心拠点の形成を進めることを基本方針としています。

中心拠点としての方針は以下に示すとおりです。(再掲)

居住誘導ならびに都市機能の誘導を図るため、以下に示す施策の方向性に基づいて誘導施

策を講じるものとします。

6.誘導施策の設定

6-1 居住及び都市機能を誘導するための施策

③ 若年層が学び活躍できる環境を創出し、賑わいある中心市街地として再興します

① 居住誘導区域における居住環境・利便性の向上により一定の人口密度を確保します

中心拠点(中心市街地)

○道路、鉄道、上下水道、通信網等のインフラが整備され、商業、医療、教育、行政

等の都市機能が集積し、充実した都市サービスが受けられ、快適な居住環境が確保

されるよう居住及び都市機能の誘導を図る。

② 都市機能誘導区域への都市施設立地誘導により利便性の高い都市構造を構築します

④ 多くの市民の日常生活を支える、快適で利便性のある公共交通機能を維持します

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(2)居住誘導区域における誘導施策

1)定住・移住の推進

居住誘導区域への定住・移住を推進するため、官民連携による移住定住施策の推進、移住・

定住体験施設の拡充と有効活用、空き家等対策(空家調査及び解体支援)、空き家情報の提供・

支援を行います。

さらに、中心市街地と地域拠点となる鉄道駅周辺を対象とする住宅取得支援事業について

は、居住誘導区域内での住宅取得に対して上乗せ助成等の強化を図り、各種事業の取り組み

を進めます。

また、定住・移住の受け皿となる住宅を確保するため、中心市街地での土地区画整理事業

により、木造密集市街地・狭隘道路等を改善し、ゆとりある利便性の高い良好な住宅基盤整

備や良好な住環境の形成に向けた都市公園機能の保全・向上に努めます。これに加え、民間

活力導入による環境配慮型の先進的な住宅群や黒部駅周辺の地域と一体となった住宅群など

次世代型の居住環境整備を活かし、若年層を中心として中心市街地の新たなライフスタイル

の提供による居住誘導を図ります。

2)道路・公共交通網の充実

広大な市域を有する本市において、中心市街地のみならず、鉄道沿線及び集落部において

も利便性が高く快適に暮らせる環境を整えるため、あいの風とやま鉄道・富山地方鉄道に対

する支援、バス交通網の整備・推進による公共交通機能の充実を図るとともに、各地域を連

絡する道路網の整備を推進します。

3)安全性を高める防災対策の強化

市民が安全に暮らせる環境を整えるため、地震等の大規模災害を想定しながら、防災対策

事業や木造住宅耐震改修に対する助成などを推進するとともに、消防施設等の整備などによ

る防災関連施設の機能強化を図ります。

また、災害時において市民が迅速に避難できるように、避難等の検討を図る情報提供およ

び出前講座による講義の実施など防災意識の高揚に努めます。

このほか、冬期における交通の安全性を確保するため、道路消雪パイプの整備などを推進

します。

4)適正な土地利用の規制・誘導

良好な中心市街地の形成を図るため、居住誘導区域外での乱開発を防ぐ観点から、地域拠

点(鉄道駅周辺)となる北陸新幹線駅周辺における適正な土地利用を推進します。

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(3)都市機能誘導区域における誘導施策

1)まちなかの賑わいの創出

中心市街地における居住及び都市機能の誘導により、まちなかの賑わいを創出するため、

起業支援体制の確立、まちの賑わい創出事業ヘの支援、まちなかにおける空き店舗ヘの新規

出店支援制度など、各種事業の推進により、学生チャレンジショップなど若年層の就業意欲

を高めることで、まちなかの賑わい創出や空き店舗活用とのマッチングを図ります。

また、持続可能で利便性の高い公共交通網の形成を目指すとともに、公共交通の利用者増

加へとつなげるため、民間企業の YKK㈱との共同運行による公共交通サービスの提供やモビ

リティハブ整備など交通まちづくり創生事業を実施します。

2)教育交流拠点の整備

市教育部局との連携の下、まちなかの市役所跡地に複数の都市施設の機能を集約し、情報

の収集・発信など人々の知的好奇心を満たす多機能な「市民交流センター」を整備するとと

もに、先人やシニア世代の経験・知識の活用や、若年層支援と人材育成など新たな価値と地

域力を創出させ、多様な交流により、人々が躍動することでまちなかの魅力を高めます。

黒部市国際文化センターコラーレは、「市民交流センター」との役割を分担させ、今後とも

活用を図ります。

3)公共空地(集約後の各施設跡地)の有効活用

交流センターへの機能統合により生まれる公共空地については、次代の人材育成につなが

る事業を実施する民間企業への売却等を検討し、賑わいと活力ある中心市街地の再興へつな

げます。

4)安心して暮らせる生活環境の確保

本市に暮らす市民誰もが、安心して暮らすことができるように、乳幼児健康診査、妊産婦

支援事業、要援護高齢者保護施設入所支援、市民病院整備などの子育て・教育、福祉、医療

に関わる各種事業の充実や既存施設の統廃合・複合化によるサービス水準の確保に努めます。

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(1)目標指標の設定

本計画の妥当性・進捗状況を客観的かつ定量的に評価するため、目標指標を設定します。

立地適正化計画の目標として下記に示す項目を掲げます。

表.目標指標

目標(項目) 設定の考え方

居住誘導区域における居住人口

増加

中心市街地における様々な都市サービス機能の維持が可

能となるよう、区域内人口を平成 22 年ベースに引き上

げます。

公共交通の利用者数増加

中心市街地の再興を図ることで、本市の公共交通ネット

ワークを形成する鉄道及びバス等の利用者数を増加さ

せ、公共交通の持続可能性を確保します。

居住誘導区域における住宅取得

支援補助事業利用者数増加

中心市街地での住宅取得支援強化により、郊外及び市外

から中心市街地への居住を誘導します。

まちなかにおける空き店舗に対

する新規出店者数増加

まちなかでの交流センター事業等の展開により、若年層

が躍動し、まちの魅力を高めることで、賑わいを呼び戻

し、中心市街地の再興を図ります。

目標(項目) 現況 中間(平成 37年) 目標年次(平成47年)

居住誘導区域における

人口の増加(人口密度)

5,878 人

(28.6 人/ha)

(平成 27 年時点)

6,315 人

(30.7 人/ha)

(区域内人口 437 人増)

6,315 人

(30.7 人/ha)

(中間目標維持)

公共交通の利用者数

増加

2,667,898 人/年

(平成 25 年時点)

3,598,000 人/年

3,650,000 人/年

居住誘導区域における

住宅取得支援補助事業

利用者数増加

26 件

(平成 28 年時点累計)

71 件

(累計)

121 件

(累計)

まちなかにおける空き

店舗に対する新規出店

者数増加

16 件

(平成 28 年時点累計)

25 件

(累計)

43 件

(累計)

7.目標の設定

7-1 目標の設定

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本市では、居住誘導区域・都市機能誘導区域の設定、誘導施設の設定を行い、様々な誘導

施策を講じることで、上記に示す目標の達成を目指します。

これにより、郊外に拡散する開発が抑制され、その結果、中心市街地に増加している、空

き家や空き店舗が減少し、本市の拠点性と公共交通ネットワークで構築された都市構造を維

持することが可能となり、市民が住み慣れた地域で愛着を感じながら快適に暮らし続けるこ

とができる都市になると期待されます。

そして、まちなかに若年層が躍動する舞台を創出し、居住及び都市機能の誘導を図ること

により、中心市街地に魅力・活力と交流が生まれ、人々を惹きつける中心拠点が形成される

ことで、中心市街地が従前の賑わいを取り戻し、本市の持続的なまちづくりを牽引していく

ものと考えます。

◇期待される効果

⇒若年層を中心とした中心市街地での居住人口の増加により、平成 27 年に指定がなく

なった DID が復活

⇒中心市街地の再興により、空き店舗活用が増加し、まちなかの店舗売上増加による経

済効果が生まれる

【平成 47 年に約2億 7,000 万円増(対平成 28 年度比較)】

⇒中心市街地が再興することで、公共交通の利用者数が増加し、鉄道・路線バス・コミ

ュニティ交通への市の財政負担が軽減

【平成 47 年に約3割減(対平成 28 年度比較)】

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(2)評価方法

都市計画運用指針では、「立地適正化計画を策定した場合においては、おおむね5年毎に計

画に記載された施策・事業の実施状況について調査、分析及び評価を行い、立地適正化計画

の進捗状況や妥当性等を精査、検討することが望ましい。また、その結果や市町村都市計画

審議会における意見を踏まえ、施策の充実、強化等について検討を行うとともに、必要に応

じて、適切に立地適正化計画や関連する都市計画の見直し等を行うことが望ましい」とされ

ています。

本計画の評価にあたっては、5年後にモニタリングを実施して直接進捗状況を確認すると

ともに、計画の評価等を実施します。また、黒部市都市計画審議会にも評価結果を報告し、

意見聴取を行い、評価結果を踏まえて必要に応じ計画の見直しを行います。

また、各施策については、PDCA サイクルの考え方に基づき、時代の潮流や様々な状況変

化に対応しながら、長期的な計画の運用・管理を行います。

Plan (計画)

Do (実施)

Action (見直し・改善)

Check (点検・評価)

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(1)居住誘導区域外における届出の対象となる行為

居住誘導区域は一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスや公

共交通サービス等が持続的に確保されるよう居住を誘導すべき区域です。

都市再生特別措置法第 88 条第1項の規定に基づき、居住誘導区域外において、一定規模

以上の住宅開発を行う場合には、これらの行為に着手する日の 30 日前までに、行為の種類

や場所などについて、市長への届出が必要となります。

届出の対象となる行為は以下のとおりです。

①開発行為

●3戸以上の住宅の建築目的の開発行為

●1戸又は2戸の住宅の建築目的の開発行為で、その規模が 1,000 ㎡以上のもの

②建築行為

●3戸以上の住宅を新築しようとする場合

●建築物を改築し、又は建築物の用途を変更して3戸以上の住宅とする場合

8.届出制度

8-1 届出制度

②建築行為の例

●3戸の建築行為

⇒届出が必要です

○1戸の建築行為

⇒届出は必要ありません。

①開発行為の例

●3戸の開発行為

⇒届出が必要です

●1,300 ㎡で1戸の開発行為

⇒届出が必要です。

○800 ㎡で2戸の開発行為

⇒届出は必要ありません。

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届出に必要となる書類や添付図書は以下のとおりです。

①届出書

◆開発行為の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(資料)様式1

◆建築行為の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(資料)様式2

◆上記2つの届出内容を変更する場合・・・・・・・・・・(資料)様式3

②添付図書

◆開発行為の場合

◎当該行為を行う土地の区域並びに当該区域内及び当該区域の周辺の公共施設を表示する

図面(縮尺 1,000 分の1以上)

◎設計図(縮尺 100 分の1以上)

◎その他参考となるべき事項を記載した図書

◆建築行為の場合

◎敷地内における住宅等の位置を表示する図面(縮尺 100 分の1以上)

◎住宅等の2面以上の立面図及び各階平面図(縮尺 50 分の1)

◎その他参考となるべき事項を記載した図書

◆上記の2つの届出内容を変更する場合

◎上記と同じ

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(2)都市機能誘導区域外における届出の対象となる行為

都市機能誘導区域は医療・福祉・商業等の都市機能を都市の中心部に誘導し集約すること

で、各種サービスの効率的な提供を図ることが可能となる区域です。

都市再生特別措置法第 108 条第3項の規定に基づき、都市機能誘導区域外において、誘

導施設の整備を行う場合には、これらの行為に着手する日の 30 日前までに、行為の種類や

場所などについて、市長への届出が必要となります。

届出の対象となる行為は以下のとおりです。

①開発行為

●誘導施設を有する建築物の建築目的の開発行為を行おうとする場合

②建築行為

●誘導施設を有する建築物を新築しようとする場合

●建築物を改築し、又は建築物の用途を変更して誘導施設を有する建築物とする場合

①届出の例

区域内であっても総合病院が誘導施設に該当しない場合は届出が必要

誘導施設に指定されている総合病院が区域外に立地する場合は届出が必要

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③対象となる施設

誘導施設 法的位置付け等

●医療機能【総合病院】 医療法第1条の5第1項に規定する施設のう

ち富山県が定める救急救命センターに指定さ

れる病院

●文化機能【図書館】 図書館法第2条第1

項に規定する施設

●交流機能

【文化ホール、市民会館、コミュニティセン

ター】

博物館法第 2 条第 1 項、同法第 29 条に規定

する施設

地方自治法第 244 条第 1 項の規定により設

置される施設

●子育て支援機能

【子育て支援センター】

児童福祉法第 6 条の 3 第 6 項に定める地域子

育て支援拠点事業を行う施設

●教育機能

【高等学校、若年層向け人材育成施設】

学校教育法第 1 条に規定する施設のうち高等

学校、高等専門学校

●医療機能

【総合病院以外の病院(診療所は除く)】

医療法第1条の5第1項に規定する施設

●商業機能

【店舗(まちなかの空き店舗を活用した規模

の小さい商業施設)】

店舗面積 100 ㎡未満の商業施設

●金融機能

【銀行、信用金庫、郵便局】

銀行法第 2 条に規定する銀行

⻑期信⽤銀行法第 2 条に規定する⻑期信⽤銀

⾏、信⽤⾦庫法に基づく信⽤⾦庫

日本郵便株式会社法第 2 条第 4 項に規定する

郵便局

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届出に必要となる書類や添付図書は以下のとおりです。

①届出書

◆開発行為の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(資料)様式4

◆建築行為の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(資料)様式5

◆上記2つの届出内容を変更する場合・・・・・・・・・・(資料)様式6

②添付図書

◆開発行為の場合

◎当該行為を行う土地の区域並びに当該区域内及び当該区域の周辺の公共施設を表示する

図面(縮尺 1,000 分の1以上)

◎設計図(縮尺 100 分の1以上)

◎その他参考となるべき事項を記載した図書

◆建築行為の場合

◎敷地内における建築物の位置を表示する図面(縮尺 100 分の1以上)

◎建築物の2面以上の立面図及び各階平面図(縮尺 50 分の1)

◎その他参考となるべき事項を記載した図書

◆上記の2つの届出内容を変更する場合

◎上記と同じ