腹部大動脈周囲リンパ節郭清と血管処理 - jsvs1994年2月...

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腹部大動脈周囲リンパ節郭清と血管処理 山田 眞一 岡島 邦雄 磯崎 博司 中田 英二 竹田 旨:腹部大動脈周囲リンパ節郭清は,合理的な拡大手術の1つに位置づけられる. その理論的根拠として,①大動脈周囲リンパ節を郭清することにより長期生存が得られる こと,②術前術後管理技術が向上したこと,③胃周囲のリンパ流の解明が進んだことな どが挙げられる. 腹部大動脈周囲リンパ節の郭清において,血管損傷をきたさないかぎり,特殊な血管外 科のテクニックを必要としない.しかし一度血管損傷をきたすと大血管だけに,大量出血 につながる危険性を有している. No. 16郭清時損傷しやすい血管部位は,①下大静脈損傷,②腰静脈損傷,③左腎静脈 損傷,④左副腎静脈損傷,⑤性腺静脈損傷が挙げられる.特に大量出血につながりやす いのは,①と②である.下大静脈損傷は,そのものを直接損傷することは少なく,郭清時 にリンパ節および周囲組織を強く牽引することにより下大静脈から直接分枝する細い静脈 流入部を裂くことにより生じる.さらに腰静脈損傷は,大動脈・下大静脈問リンパ節郭清 時に発生する.腰静脈は下大静脈の背側に存在するため確認しづらく,また下大静脈を牽 引することにより発生する. 血管損傷をおこさないコツは,①十分な視野のもとに行う,②解剖学的知識をもって 手術に臨む,③剥離層を間違えないことなどが大切であると考察した. (日血外会誌3 : 43-48, 1994) 索引用語:胃癌,腹部大動脈周囲リンパ節郭清,血管損傷 はじめに 近年,早期胃癌とくに腫瘍長径の小さな胃癌が増加 し,内視鏡下粘腹切除1)や,幽門輪温存を始めとする縮 小手術が施行されるが,一方かなり進行した胃癌例も 減少していないのが現状である.これら進行症例に対 しては根治性が得られるならば拡大手術が施行される 大阪医科大学一般・消化器外科(Tel : 0726-83-1221) 〒569 高槻市大学町2-7 受付:1993年10月20日 受理:1993年12月3日 が,腹部大動脈周囲リンパ節郭清は,この拡大手術の 1つとして位置づけられる2). 腹部大動脈周囲リンパ節郭清が,積極的に行われる ようになった背景には,腹部大動脈周囲リンパ節(以 下No. 16リンパ節)転移陽性例で,郭清により5年以 上の生存例が散見されるようになったこと3),また胃 周囲リンパ流の検討から,腹部大動脈周囲とくに左腎 静脈周囲のリンパ節は,胃リンパ流の要であり4),転移 頻度も高いことがわかってきたからである5).本稿で は胃周囲リンパ節からNo. 16リンパ節への転移経路, 転移率,郭清の適応を述べ,さらに郭清手技と損傷し 43

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  • 腹部大動脈周囲リンパ節郭清と血管処理

    山田 眞一   岡島 邦雄  磯崎 博司

        中田 英二   竹田 幹

    要  旨:腹部大動脈周囲リンパ節郭清は,合理的な拡大手術の1つに位置づけられる.

    その理論的根拠として,①大動脈周囲リンパ節を郭清することにより長期生存が得られる

    こと,②術前術後管理技術が向上したこと,③胃周囲のリンパ流の解明が進んだことな

    どが挙げられる.

     腹部大動脈周囲リンパ節の郭清において,血管損傷をきたさないかぎり,特殊な血管外

    科のテクニックを必要としない.しかし一度血管損傷をきたすと大血管だけに,大量出血

    につながる危険性を有している.

     No. 16郭清時損傷しやすい血管部位は,①下大静脈損傷,②腰静脈損傷,③左腎静脈

    損傷,④左副腎静脈損傷,⑤性腺静脈損傷が挙げられる.特に大量出血につながりやす

    いのは,①と②である.下大静脈損傷は,そのものを直接損傷することは少なく,郭清時

    にリンパ節および周囲組織を強く牽引することにより下大静脈から直接分枝する細い静脈

    流入部を裂くことにより生じる.さらに腰静脈損傷は,大動脈・下大静脈問リンパ節郭清

    時に発生する.腰静脈は下大静脈の背側に存在するため確認しづらく,また下大静脈を牽

    引することにより発生する.

     血管損傷をおこさないコツは,①十分な視野のもとに行う,②解剖学的知識をもって

    手術に臨む,③剥離層を間違えないことなどが大切であると考察した.

    (日血外会誌3 : 43-48, 1994)

    索引用語:胃癌,腹部大動脈周囲リンパ節郭清,血管損傷

              はじめに

     近年,早期胃癌とくに腫瘍長径の小さな胃癌が増加

    し,内視鏡下粘腹切除1)や,幽門輪温存を始めとする縮

    小手術が施行されるが,一方かなり進行した胃癌例も

    減少していないのが現状である.これら進行症例に対

    しては根治性が得られるならば拡大手術が施行される

    大阪医科大学一般・消化器外科(Tel : 0726-83-1221)

    〒569 高槻市大学町2-7

    受付:1993年10月20日

    受理:1993年12月3日

    が,腹部大動脈周囲リンパ節郭清は,この拡大手術の

    1つとして位置づけられる2).

     腹部大動脈周囲リンパ節郭清が,積極的に行われる

    ようになった背景には,腹部大動脈周囲リンパ節(以

    下No. 16リンパ節)転移陽性例で,郭清により5年以

    上の生存例が散見されるようになったこと3),また胃

    周囲リンパ流の検討から,腹部大動脈周囲とくに左腎

    静脈周囲のリンパ節は,胃リンパ流の要であり4),転移

    頻度も高いことがわかってきたからである5).本稿で

    は胃周囲リンパ節からNo. 16リンパ節への転移経路,

    転移率,郭清の適応を述べ,さらに郭清手技と損傷し

    43

  • 44

     W `●●f●  W ’.大静脈後   大動脈後

    日血外会誌 3巻1号

    S大動脈外側

    図1 腹部大動脈周囲リンパ節の分類(第12版胃癌取扱い規約より引用6))

    3a)石宵動脈(No.l.No.3. No.7)

    きほ腔勤脈3b) 8干動脈・====gs

       (N0.8a≒

    ジジgタジ゛な3c)牌動脈

       (No.ll)

    経路

    (No.S)

    4)上陽間須動脈経路

    (No.4d. No.6, N0.14V, No.14A)

    l)左下横隔経路(No.2)

    2)牌動脈幹経路

      (No.45. No.lO. N・.n)

    5)祗後面経路

      (No.8p, No.12p. No.13)

    図2 腹部大動脈周囲リンパ節への転移経路

    やすい血管についての検討結果について考察した.

          No. 16リンパ節の区分

     第12版胃癌取扱い規約6)からNo. 16リンパ節の高

    さと横断面の区分が新設された(図1).高さの区分で

    は左腎静脈下縁の高さでそれより上をa,下をbとし

    ている.さらにaでは腹腔動脈,bでは下腸間膜動脈を

    境としてそれぞれalとa2に,blとb2に分類される.

    また横断面の分類は大動脈,下大静脈をそれぞれ前,

    外側,後面と大動脈・大静脈間に分類される.

         No. 16リンパ節への転移経路

     胃癌が胃周囲から腹部大動脈周囲へ転移する経路と

    しては(図2), 1.左下横隔経路,2.牌動脈経路,3.腹

    腔動脈経路,4.上腸間膜動脈経路,5. W後面経路が指

    摘されている.特に1.左下横隔経路は,上中部癌では

    第1群リンパであるNo. 2リンパ節から左下横隔動脈

    に沿って, No. 16a2 1at.へ転移する経路として重要で

    あるが,第12版胃癌取扱い規約6)からこの間にNo. 19

    リンパ節が定められている.

       N0.16 リンパ節の郭清適応とその頻度

     教室では, 1983年7月以降No. 16リンパ節郭清を

    術前進行癌と判定した症例に対し,初期は上中部癌を

    主体に,その後下部胃癌に対しても施行し,現在No.

    16リンパ節郭清の適応として,根治度B以上の根治性

    が得られる症例に対して,術中肉眼判定N2(十)以上

    または左噴門リンパ節(N0.2リンパ節)転移陽性例に

    適応している(表1).

     1983年7月以降, 1992年12月までにNo. 16リンパ

    節郭清施行例は161例である.これは教室での同期間

    の胃癌手術施行例1,153例中の14.0%にあたる.

    44

  • 1994年2月 山田ほか:特に郭清時血管損傷の防止について

        表1 胃癌手術施行例とD4郭清の適応

    胃癌手術施行例 1,153例(1983.7~1992.12)

    腹部大動脈周囲リンパ節郭清例 161例(14.0%)

    D4郭清の適応

     術中肉眼判定N2(十)以上例

      または

     左噴門リンパ節(No. 2)転移陽性例

          No. 16リンパ節の転移率

     占居部位別の, No. 16リンパ節の転移率は(表2),

    上部31.6%,中部20.0%,下部22.8%で,上部が最も高

    い.また全体癌では23.1%の転移率であった.転移部位

    別には上部,中部ではa2 1at.(上部:21.1%,中部:

    15.0%)が最も高い.これに対し下部ではbl preが高く

    15.8%に転移を認めた.全体癌では,a2 1at.とbl int.

    が同率で15.4%に転移が認められる.

      No. 16郭清例の深達度とリンパ節転移率

     No. 16郭清161例の深達度はm2例(1.2%), sm 10

    例(6.2%), pm 17 例(10.6%), ss 28 例(17.4%) se 79

    例(49.1%), s125 例(15.5%)であるが,リンパ節転移

    が認められたのはsm以深で,それぞれのリンパ節転

    移率は, mO%, sm 20.0%, pm Xj.DyOjSS 14.3%, se 24.1%,

    s140.0%で,si例で高い.

    RRV:右腎静脈

    LRV:左腎静脈

    SMA:上腸間膜動脈

    a:胃上中部癌,全体癌の腹部大動脈周囲へのアプロー

      チ.

    図3

    45

    表2 占居部位別腹部大動脈周囲リンパ節の転移率

    45

    No. 16転移例

    a2 lat. a2 int. bl lat. bl pre bl int.

    C

    (38)

    12 8 3 5 7 2

    3L6 21.1 7.9 13.2 18.4 5.3

     M

    (40)

    8 6 3 3 3 3

    20.0 15 7.5 7.5 7.5 7.5

    A

    (57)

    13 8 3 4 9 5

    22.8 14.0 5.3 7.0 15.8 8.8

    全体癌

     (26)

    6 4 1 2 3 4

    23.1 15.4 3.8 フ.7 H.5 15.4

    上段:症例数

    下段:転移率(%)

       No. 16郭清のアプローチと郭清手順

     1. 占居部位:上中部癌,全体癌(図3a, b)

     開腹は,多くは上部正中切開であるが,特に肥満が

    著しいときは山型横切開にて行うときもある.まず横

    筋筋腹に沿い左腎を脱転し,大動脈左側面に達し,左

    腎動脈より背側をa2からblの領域を郭清する.次に

    Toldt筋腹に沿い,豚肺脱転して左腎動脈より前面の

    a2からblの領域を郭清する.次にTOldt筋膜に沿い,

    豚牌脱転して左腎動脈より前面のa2からblの領域

    を郭清する.さらにKocherの授動術を肝十二指腸間

    b:胃上中部癌,全体癌の腹部大動脈周囲リンパ節の郭清

      手順.

  • 46

    壁側腹

    筋筋膜

    RRV:右腎静脈

    LRV:左腎静脈

    SMA:上陽問膜動脈

    a:胃下部癌の腹部大動脈周囲へのアプローチ.

    図4

    膜の裏面から十二指腸水平脚まで広範囲に施行し,b1

    のinter, pre, a2のinterの領域を郭清する.

     2. 占居部位:下部癌(図4a, b)

     まずKocherの授動術を肝十二指腸開膜から十二指

    腸水平脚まで広範囲に施行し,blのinter, pre,

    lateral,a2のinterを郭清する.a2のlateralは豚肺脱

    転して郭清する.

         N0.16郭清に伴う血管損傷

     No. 16郭清時損傷しやすい血管部位は,①下大静

    脈損傷,②腰静脈損傷,⑤左腎静脈損傷,④左副腎

    静脈損傷,⑤性腺静脈損傷が挙げられる.特に大量出

    血につながりやすいのは,①と②である.下大静脈損

    傷は,そのものを直接損傷することは少なく,郭清時

    にリンパ節および周囲組織を強く牽引することにより

    下大静脈から直接分枝する細い静脈流入部を裂くこと

    により生じる.さらに腰静脈損傷は,大動脈・下大静

    脈間リンパ節郭清時に発生する.腰静脈は下大静脈の

    背側に存在するため確認しずらく,また下大静脈を牽

    引することにより発生する.

              考  案

     最近,胃癌に対する手術療法として,進行程度に応

    じた適正化が求められている.早期胃癌に対しては,

    合理的な縮小手術が行われ,進行癌に対しては,合理

    的な拡大手術が施行される7).腹部大動脈周囲リンパ

    節郭清は,合理的な拡大手術の1つに位置づけられる.

    その理論的根拠として,①N0. 16 リンパ節を郭清す

    46

    日血外会誌 3巻1号

    b:胃下部癌の腹部大動脈周囲リンパ節の郭清手順.

    ることにより長期生存が得られること,②術前術後管

    理技術が向上したこと,③胃周囲のリンパ流の解明が

    進んだことなどが挙げられる.

     N0.16 リンパ節の郭清において,血管損傷をきたさ

    ないかぎり,特殊な血管外科のテクニックを必要とし

    ない.しかし一度血管損傷をきたすと大血管だけに,

    大量出血につながる危険性を有している.

     血管損傷をおこさないコツは,①十分な視野のもと

    に行う,②解剖学的知識をもって手術に望む,③剥

    離層を間違えないことなどが大切である.

     腹部大動脈外側のa2 1at.,bllat. の郭清のための視

    野は,左腎脱転を行うことと,譚牌を脱転することに

    より確保している.またa2 1nt.,bl int.,bl lat.の郭

    清のためには,いわゆるKocherの授動術を拡大し,肝

    十二指腸間膜後面から右結腸曲まで広範囲に剥離脱転

    することが必要である.

     剥離層は,左腎脱転操作のために,腸間膜と側壁腹

    膜との翻転部を正しく認識し,この部で切開する.ま

    た腎後筋膜を腎とともに剥離してゆくと,腸腰筋が現

    れ,ほとんど出血なく左腎脱転が施行できる8).

     豚牌脱転操作は,左腎脱転操作が行われているとき

    は,浅い層で直視下に行うことができるので容易であ

    るが,出血なく施行するためには, Toldtの筋膜層で剥

    離することが大切であり,このためには,肺静脈が確

    認できれば,その層を見失わないように剥離するのが

    コツである.

     腹部大動脈周囲リンパ節郭清を行うような症例では,

    拡大手術として他臓器を合併切除も行う必要性が高く,

  • 1994年2月 山田ほか:特に郭清時血管損傷の防止について

    特に騨臓の合併切除術式では,郭清した血管壁は,豚

    液に抵抗性が弱い.したがって膠痩を形成する不安が

    あるときにはこれに対する予防の必要性が生じる.こ

    れに対しては膠断端にコンドームをかぶせ腹腔外に誘

    導する方法が有用と考えられる.またもし廓痩に起因

    する血管損傷がおこった場合,早期に豚全摘も考慮す

    ることが大切である.

     以上腹部大動脈周囲リンパ節郭清時の血管処理と損

    傷をきたしやすい血管について考察したが,郭清にあ

    たっては血管外科の基本にたち返り,あわてずに処理

    を確実に行うことが重要である.

              文  献

    1)比企能樹,小林伸行,嶋尾 仁:胃癌の内視鏡治

      療.臨床医, 15(11):1854-1858, 1989.

    2)西 満正,太田恵一朗,石原 省他:胃癌におけ

      る大動脈周囲リンパ節転移一臨床病理学的検

    47

    47

      討-.消化器外科, 14(2):165-176, 1991.

    3)大橋一郎,高木國夫,小西敏郎他:胃癌の大動脈

      周囲リンパ節転移陽性の5年生存例について.日

      消外会誌,9 : 112-116, 1976.

    4)出来尚史,佐藤健次,佐藤達夫:胃の臓側最終リ

      ンパ節と大動脈周囲リンパ節の関係.消化器外

      科, 14(2):153-163, 1991.

    5)山田政一,岡島邦雄:胃癌の左腎静脈周囲リンパ

      節転移に関する検討.消化器外科, 14(2):177-

      182, 1991.

    6)胃癌研究会編:胃癌取扱い規約, 1993,金原出

      版,東京.

    7)岡島邦雄,山田政一,磯崎博司:胃癌治療におけ

      る日本の現状.手術, 44(10):1361-1366, 1990.

    8)愛甲 孝,島津久明:左腎・眸・牌脱転によるN0.

      9, No. 16左上のリンパ節郭清.臨外, 43 (6):

      762-764, 1988.

  • 48

    Abstract

    Paraaortic Lymph Node Dissectionand

    Related Vascular Injury

    日血外会誌 3巻1号

    Protection Against Vascular Injury at Paraaortic Lymph Node Dissection

    Shinichi Yamada, Kunio Okajima, Hiroshi Isozaki,

    EijiNakata and Yoshi Takeda

    Department of Surgery, Osaka Medical College

    Key words: Gastric cancer, Paraaortic lymph nodes dissection, Vascular injury

    48

    Paraaortic lymph node dissection is regarded as a logical extended operation. The grounds for this

    include:1. Longer surival can be obtained with paraaortic lymph node dissection.2. There have been

    advance in the techniques of pre- and post-operative management.3. The lymphatic flow around the

    stomach has been clarified in more detail.

    Paraaortic lymph node dissection does not require any particular knowledge of vascular surgery so

    long as no injury occurs to the blood vessel. However, because of the presence of large blood vessels, any

    injury to such vessels may lead to massive bleeding.

    The vessels which are liable to be injured during paraaortic lymph node dissection are 1.the inferior

    vena cava, 2. the lumbar vein, 3.the left renal vein, 0 the left adrenal vein, and 5.the gonadal vein.

    In particular, injuries to 1.and 2.are very likely to lead to massive bleeding. Direct injury to the inferior

    vena cava, although infrequent, can occur when the inflow parts of the tiny veins branching off directly

    from the inferior vena cava are destroyed as a result of strong manupulation of lymp nodes and surround-

    ing tissues in the dissecting procedure. In addition, during injury to the lumbar vein can occur in dissection

    of the lymph nodes present between the aorta and inferior vena cava. It is not easy to locate the lumbar

    vein, since it is on the dorsal side of the inferior vena cava. Injury to the lumbar vein may also occur as

    a result of pulling the inferior vena cava.

    In order not to cause any injury to the vessels, it is important to 1.perform the operation with a

    sufficient visual field, 2. have detailed anatomical knowledge before performing the operation, and 3

    .accurately identify the part to be detached. (Jpn. J. Vase. Surg., 3: 43-48, 1994)

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