よくある質問: no. tn52834 nanodrop one を使った サンプ …...nanodrop one...

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NanoDrop One を使った サンプルコンタミネーションの同定 よくある質問 Thermo Scientific NanoDrop One 超微量紫外可視分光光度 計は、 1 2 μL の微量サンプルから DNARNA、およびタンパ ク質を正確に定量し、ダウンストリームアプリケーションを成功に 導くことを目的に設計されています。新機能 Thermo Scientific Acclaro サンプルインテリジェンステクノロジーを搭載した NanoDrop One では、サンプル中に混入しているコンタミネーシ ョン物質を特定し、コンタミネーションの影響を差し引いた実際の サンプル濃度を報告します。以下は、 Acclaroのコンタミネーショ ン同定(ID)機能に関するよくある質問に対する回答です。 1. Acclaro コンタミネーション ID 機能は、 NanoDrop One 分光光度計上でどのように機能するのですか? Acclaro コンタミネーション ID 機能は、計量化学的方法を 使ってサンプルに含まれる化学成分を分析します。この種の 分析法は、これまでフーリエ変換赤外分光 (FTIR) システムや 近赤外分光システム (Thermo Scientific Nicolet 分光計な ) で使用されています。 Acclaro アルゴリズムはスペクトルの リファレンスライブラリーに基づいています。このアルゴ リズムはサンプルスペクトルに適用され、ソフトウェアが 計量化学的な数理原理を使ってサンプルのコンタミネーション に関する予測を行うことができます。 2. どのアプリケーションメニューに Acclaro コンタミネーション ID 機能が備わっていますか? コンタミネーション ID 機能は、 dsDNARNA、および Protein A280 アプリケーションに備わっています。 Brian Matlock, Thermo Fisher Scientific, Wilmington, DE.USA キーワードAcclaro、コンタミネーションの同定、 DNARNA、タンパク質、 NanoDrop One 分光光度計、純度比 4. Acclaro コンタミネーション ID アルゴリズムは あらゆるサンプル濃度に適用できますか? いいえ、 dsDNA アプリケーションや RNA アプリケーションの 場合、 Acclaro コンタミネーション ID アルゴリズムは 260 nm 吸光度が 0.5A から 62.5A の範囲にあるサンプルにのみ適用 されます。タンパク質 A280 アプリケーションでは、 Acclaro コンタミネーション ID アルゴリズムは濃度にかかわらずあらゆ るサンプルに適用されます。右の表に Acclaro サンプルインテ リジェンステクノロジーで検出される一般的なコンタミネーシ ョンをまとめています。 3. Acclaro コンタミネーション ID テクノロジーでは どのようなコンタミネーションが検出できますか? 現時点では、 Acclaro リファレンスライブラリーは dsDNA ンプルにコンタミネーションしているタンパク質、フェノール、 およびグアニジン塩酸塩の検出に対応しています。また、 RNA サンプルではタンパク質、フェノール、およびグアニジン・イソ チシアネートの検出にも対応しています。さらに、タンパク質サ ンプルに含まれる DNA の検出も可能です。検出できるコンタ ミネーションの種類はソフトウェアのアップデートで順次追加 されます。 No. TN52834 (アクラロ) PRODUCT FAQ よくある質問: NanoDrop One アプリケーション Acclaro テク ノロジーの 適用対象 dsDNA RNA タンパク質 検出波長 260 nm 260 nm 280 nm サンプル濃度 0.5A 62.5A 25 3,125 ng/μL 0.5A 62.5A 20 2,500 ng/μL 全濃度 検出される コンタミネー ション タンパク質、フェノール、 グアニジン塩酸塩 タンパク質、フェノール、 グアニジン・ イソチシアネート DNA

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NanoDrop One を使ったサンプルコンタミネーションの同定

よくある質問Thermo Scienti� c™ NanoDrop™ One 超微量紫外可視分光光度計は、1 ~ 2 µL の微量サンプルから DNA、RNA、およびタンパク質を正確に定量し、ダウンストリームアプリケーションを成功に導くことを目的に設計されています。新機能 Thermo Scienti� c™ Acclaro™ サンプルインテリジェンステクノロジーを搭載した NanoDrop One では、サンプル中に混入しているコンタミネーシ ョン物質を特定し、コンタミネーションの影響を差し引いた実際のサンプル濃度を報告します。以下は、Acclaroのコンタミネーション同定(ID)機能に関するよくある質問に対する回答です。

1. Acclaro コンタミネーション ID 機能は、NanoDrop One 分光光度計上でどのように機能するのですか? Acclaro コンタミネーション ID 機能は、計量化学的方法を 使ってサンプルに含まれる化学成分を分析します。この種の分析法は、これまでフーリエ変換赤外分光 (FTIR) システムや近赤外分光システム (Thermo Scienti� c™ Nicolet 分光計など)で使用されています。Acclaro アルゴリズムはスペクトルのリファレンスライブラリーに基づいています。このアルゴリズムはサンプルスペクトルに適用され、ソフトウェアが計量化学的な数理原理を使ってサンプルのコンタミネーション に関する予測を行うことができます。

2. どのアプリケーションメニューに Acclaro コンタミネーション ID 機能が備わっていますか? コンタミネーション ID 機能は、dsDNA、RNA、および Protein A280 アプリケーションに備わっています。

Brian Matlock, Thermo Fisher Scienti� c, Wilmington, DE.USA

キーワード : Acclaro、コンタミネーションの同定、DNA、RNA、タンパク質、NanoDrop One 分光光度計、純度比: Acclaro、コンタミネーションの同定、DNA、RNA、タンパク質、NanoDrop One 分光光度計、純度比

4. Acclaroコンタミネーション ID アルゴリズムは あらゆるサンプル濃度に 適用できますか? いいえ、dsDNA アプリケーションや RNA アプリケーションの場合、Acclaro コンタミネーション ID アルゴリズムは 260 nm 吸光度が 0.5A から 62.5A の範囲にあるサンプルにのみ適用されます。タンパク質 A280 アプリケーションでは、Acclaro コンタミネーション ID アルゴリズムは濃度にかかわらずあらゆるサンプルに適用されます。右の表に Acclaro サンプルインテリジェンステクノロジーで検出される一般的なコンタミネーションをまとめています。

3. Acclaro コンタミネーション ID テクノロジーでは どのようなコンタミネーションが検出できますか? 現時点では、Acclaro リファレンスライブラリーは dsDNA サンプルにコンタミネーションしているタンパク質、フェノール、およびグアニジン塩酸塩の検出に対応しています。また、RNA サンプルではタンパク質、フェノール、およびグアニジン・イソチシアネートの検出にも対応しています。さらに、タンパク質サンプルに含まれる DNA の検出も可能です。検出できるコンタミネーションの種類はソフトウェアのアップデートで順次追加されます。

A280 アプリケーションに備わっています。A280 アプリケーションに備わっています。A280 アプリケーションに備わっています。A280 アプリケーションに備わっています。A280 アプリケーションに備わっています。

No

. TN

52834

(アクラロ)

PRODUCT FAQ

よくある質問:

NanoDrop One アプリケーションAcclaro テクノロジーの適用対象

dsDNA RNA タンパク質

検出波長 260 nm 260 nm 280 nm

サンプル濃度 0.5A ~ 62.5A25 ~ 3,125 ng/µL

0.5A ~ 62.5A20 ~ 2,500 ng/µL

全濃度

検出されるコンタミネーション

タンパク質、フェノール、グアニジン塩酸塩

タンパク質、フェノール、グアニジン・イソチシアネート

DNA

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Acclaro コンタミネーション ID の結果はどのように読むのですか?

Acclaro コンタミネーション ID アイコン:Acclaro アルゴリズムが、dsDNA サンプルに含まれるコンタミネーションを検出したことを示しています。

Original:Acclaro コンタミネーション補正前の濃度結果です。青色のスペクトル

Corrected:Acclaro コンタミネーション補正後の濃度結果です。緑色のスペクトル

Impurity:検出されたコンタミネーションであり、このコンタミネーションの 260 nm 吸光度が 260 nm ピークにどの程度影響しているかを示します。オレンジ色のスペクトル

この [Results] 画面では、黄色のアラートアイコンの表示で、AcclaroアルゴリズムがDNAサンプル中のコンタミネーションを検出したことを示しています。Acclaro ソフトウェアが同定したコンタミネーションの種類と、補正された正しい DNA 濃度を確認するには、この 黄色の三角形をタップして下に示す [Contaminant Analysis] 画面を開きます。

Acclaro の [Contaminant Analysis] 画面には、サンプルに関する重要な情報が表示されます。補正前の濃度および純度比 (A260/A280)の結果は一番上の行に表示されます。これはコンタミネーション補正が適用される前の結果 (Original) です。2番目の [Corrected] には 2つの値が表示されます。1つ目の値はサンプルに含まれるdsDNAの補正濃度 (ng/µL) です(この画面は dsDNA測定結果です:画面左下に“dsDNA”と表示されています)。[Corrected] の結果は、補正後の濃度が表示されています。この値は、サンプルに含まれる純粋な核酸のソフトウェア予測濃度です。2つ目の値は %CV で、予測の信頼度を示しています。この %CV の 値が低いほど、ソフトウェアが予測した補正濃度の信頼度が高くなります。3つ目の行には、サンプルに含まれている不純物 (タンパク質、フェノール、グアニジン塩酸塩、またはグアニジン・イソチシアネート) が特定され、この不純物由来の 260 nm の吸光度が表示されます。この例の場合、%CV はコンタミネーション同定予測における信頼度を表しています。

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5. Acclaroコンタミネーション ID の結果をワークフローの中で どのように使いますか? Acclaro コンタミネーション ID 機能により、2種類の重要な 情報が得られます。まず、コンタミネーション ID 機能はサン プルに含まれる可能性のあるコンタミネーションを特定します。サンプルに含まれる潜在的コンタミネーションを特定することは、難しい抽出や精製の問題を解決し、後に続く実験でどのようにサンプルを使用するかを決定する上で役立ちます。次に、コンタミネーション ID により補正濃度を得ることができます。DNA 濃度が重要なパラメーターであるアプリケーション (PCR など) では、補正濃度が以後の実験を確実に成功させるのに役立ちます。

6. Acclaro コンタミネーション ID 機能で期待できる正確度と 感度、そして結果の正確度に影響を与える因子について 教えてください。 この機能の開発過程において、濃度既知のサンプルにさまざまなコンタミネーション物質を“スパイク”し NanoDrop Oneで測定試験を繰り返しました。通常、補正後の核酸濃度 (ソフトウェア予測濃度) は実際の濃度の 10% 以内でした。Acclaro コンタミネーション ID の感度は、実際に測定する核酸またはタンパク質に対するコンタミネーションのモル吸光係数により異なります。フェノールは、モル吸光係数が非常に高く、微量であってもスペクトルに大きな影響を与えるため、微量なコンタミネーションであっても、感度良く正確な濃度を補正できます。タンパク質は dsDNA と比較して、モル吸光係数が低いため、より多くのタンパク質がコンタミネーションされないと、スペクトルに大きな影響を与えません。