大気安定な逆構造有機elデバイスの開発€š常oledでは陽極 ioleでは陰極...

6
報告 要約 フレキシブルディスプレーを実現するためには,フレキシブルなプラスチック等の基板上で安定 に発光する有機ELデバイスが必要である。自発光型のデバイスでありフレキシブルディスプレー に適しているとされる有機ELデバイスでは,電子を注入する陰極部に用いる材料が酸素や水分に 弱く,フレキシブル基板上ではデバイスが劣化してしまう。そこで,酸素や水分に強い有機EL デバイスの開発を行った。通常の有機ELデバイスとは電極構造を逆にした逆構造有機ELデバイ スに適した大気安定な電子注入材料を開発した。開発した電子注入材料の優れた電子注入性によ り,逆構造有機ELデバイスは通常構造の有機ELデバイスと同等の高い発光効率が得られた。ま た,プラスチックを用いて大気安定性の評価を行った結果,開発した逆構造有機ELデバイスは高 い大気安定性を示した。 ABSTRACT A light - emitting device that can emit stably on a flexible substrate such as plastic film is necessary to realize a flexible display. The cathode of the organic light-emitting diode(OLED)is sensitive to oxygen and moisture, and conventional OLEDs deteriorate on flexible substrate. We succeeded in demonstrating a novel OLED having resistance to oxygen and moisture. An air- stable electron injection layer suitable for the inverted OLED with a bottom cathode was developed. The efficiency of the inverted OLED is similar as that of the conventional OLED. In addition, the inverted OLED, which is encapsulated by plastic film, operates stably in air due to the high resistance of the electron injection layer to oxygen and moisture. 大気安定な逆構造有機ELデバイスの開発 深川弘彦 清水貴央 Development of Air−Stable Inverted Organic Light−Emitting Diode Hirohiko FUKAGAWA and Takahisa SHIMIZU NHK技研 R&D/No.145/2014.5 48

Upload: danghanh

Post on 13-Apr-2018

227 views

Category:

Documents


3 download

TRANSCRIPT

報告

要約 フレキシブルディスプレーを実現するためには,フレキシブルなプラスチック等の基板上で安定に発光する有機ELデバイスが必要である。自発光型のデバイスでありフレキシブルディスプレーに適しているとされる有機ELデバイスでは,電子を注入する陰極部に用いる材料が酸素や水分に弱く,フレキシブル基板上ではデバイスが劣化してしまう。そこで,酸素や水分に強い有機ELデバイスの開発を行った。通常の有機ELデバイスとは電極構造を逆にした逆構造有機ELデバイスに適した大気安定な電子注入材料を開発した。開発した電子注入材料の優れた電子注入性により,逆構造有機ELデバイスは通常構造の有機ELデバイスと同等の高い発光効率が得られた。また,プラスチックを用いて大気安定性の評価を行った結果,開発した逆構造有機ELデバイスは高い大気安定性を示した。

ABSTRACT A light-emitting device that can emit stably on a flexible substrate such as plastic film isnecessary to realize a flexible display. The cathode of the organic light-emitting diode(OLED)issensitive to oxygen and moisture, and conventional OLEDs deteriorate on flexible substrate. Wesucceeded in demonstrating a novel OLED having resistance to oxygen and moisture. An air-stable electron injection layer suitable for the inverted OLED with a bottom cathode wasdeveloped. The efficiency of the inverted OLED is similar as that of the conventional OLED. Inaddition, the inverted OLED, which is encapsulated by plastic film, operates stably in air due tothe high resistance of the electron injection layer to oxygen and moisture.

大気安定な逆構造有機ELデバイスの開発

深川弘彦 清水貴央

Development of Air−Stable Inverted OrganicLight−Emitting Diode

Hirohiko FUKAGAWA and Takahisa SHIMIZU

NHK技研 R&D/No.145/2014.548

発光 発光

(a)通常OLED (b)逆構造OLED(iOLED)

陰極電子注入層(EIL)電子輸送層発光層

正孔輸送層陽極(ITO)基板

陽極

電子輸送層

発光層

電子注入層(EIL)陰極(ITO)基板

正孔輸送層

駆動用トランジスター

陽極

バリア層

選択用トランジスター

酸素・水分酸素・水分

酸素・水分

通常OLED

陰極

PENフィルム

PENフィルム

劣化

1.はじめに有機発光ダイオード(OLED:Organic Light-EmittingDiode)は,非常に薄い有機膜を積層した自発光型のデバイスで,超薄型のディスプレーを実現することが可能であり,フレキシブルディスプレーに最適な表示技術である1)。一般的なOLED(以下,「通常OLED」と呼ぶ)では,1図(a)に示すように,基板上に透明陽極であるインジウム・スズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)を成膜し,その上に正孔輸送層,発光層,電子輸送層などの複数の有機層を成膜し,最後に電子注入層(EIL:ElectronInjection Layer)および陰極を成膜する。外部から素子に電圧を印加することで,陰極から電子,陽極から正孔が注入され,発光層で再結合する。この再結合によって有機分子が励起され発光する。通常OLEDに用いられるEILや陰極の材料は,アルカリ金属(リチウム(Li),セシウム(Cs),バリウム(Ba))やアルミニウム(Al)など,仕事関数*1が小さく活性の高い材料であるため,大気中では酸素や水分の影響を受けて陰極部が酸化することなどにより劣化してしまう。したがって,通常OLEDを製品に用いる場合には,ガラスや接着剤を用いた厳密な封止を必

要とする。このことが,OLEDを用いたディスプレーや照明の高コスト化を招く1つの要因であり,フレキシブルなディスプレーや照明を実現するにあたっての大きな妨げにもなっている。当所においても,これまでに通常OLEDを用いて,2図に示すようなフレキシブル有機ELディスプレーを試作してきた2)。2図の断面構造に示すとおり,各画素は画素選択用トランジスター,画素駆動用トランジスター,および通常OLEDから構成されている。基板および封止フィルムには主にPEN(Polyethylene Naphthalate:ポリエチレンナフタレート)フィルムを用いており,ディスプレー内の通常OLEDのEILおよび陰極を大気中の水分や酸素から守るためのバリア層も形成している。通常OLEDの場合,水蒸気透過率10-6g/m2/day程度,酸素透過率も同程度の厳密な封止が必要とされている3)4)。形成したバリア層のバリア性は評価していないものの,長期間大気中に保存したディスプレーには発光しない部分が現れ,大幅な劣化が観測された。これは,試作したディスプレーのバリア性が

*1 物質の表面から1個の電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小のエネルギー。

1図 OLEDの構造

2図 通常OLEDを用いて試作したフレキシブル有機ELディスプレー

NHK技研 R&D/No.145/2014.5 49

不十分であったため,2図に示すような劣化が観測されたと考えられる。水蒸気透過率10-6g/m2/day程度の高いバリア性を示すバリア層の報告例もあるが,窒化シリコンなどの硬い材料を用いている場合が多く,フィルム上に形成した場合には,曲げに対する耐性が不明確である。また,大面積の基板上に均一かつ高品位なバリア層を形成できるかといった懸念もある。したがって,PENなどのフレキシブル基板を用いたフレキシブル有機ELディスプレーの長寿命化が,実用化のための最重要課題となっている。

2.ITOを下部陰極として用いる逆構造有機ELデバイス

この課題に対する解決策の1つとして,近年,アルカリ金属などの活性の高い材料を使わない逆構造OLED(iOLED:inverted OLED)が提案されている5)6)。このiOLEDは,1図(b)に示すように,通常OLEDとは電極の積層構造が逆である。例えば,基板方向から光を取り出すボトム・エミッション型のiOLEDの場合,基板上に成膜したITOを陰極として用い,ITO上にEILを成膜する。その上に順次,発光層などの有機層を積層する構造となる。このような逆構造のデバイスでは,有機ELデバイスの長寿命化が期待できる。それは,ボトム・エミッション型のiOLEDでは,ITOを陰極として使うことで,陰極にAlなどを用いる通常OLEDに比べて,陰極の大気安定性が大きく向上するためである。さらに,その上に積層するEILに不活性な材料を用いることができれば,酸素や水分に強いデバイスを実現することができる。これにより,バリア性の高い硬い封止材を使う必要性が軽減するため,フレキシブル有機ELディスプレーにおいて特に大きなメリットが得られる。iOLEDの研究における最大の課題は,適切なEIL材料の開発である。ITOを透明陰極として用いる場合,一般にはITOから有機層に直接電子を注入することは非常に困難である。これは,ITOの仕事関数の値と,有機層の電子を受け取る準位である最低非占有軌道(LUMO:LowestUnoccupied Molecular Orbital)とのエネルギー差が大きいことによる。ITOの仕事関数は約5eV*2であり,一般的な有機ELデバイス用の電子輸送材料のLUMOのエネルギーは3eV程度であるため,約2eV程度の電子注入障壁が界面に存在する7)~9)。通常OLEDの場合はITOから正孔輸送層に正孔を注入するが,この場合には正孔輸送層の正孔を受け取る準位である最高占有軌道(HOMO:Highest Occupied Molecular

Orbital)のエネルギーが約5.5 eV程度の材料が多く,ITOの仕事関数とのエネルギー差が小さい7)~9)。このため,ITOから正孔輸送層に正孔を注入することは容易である。このように,ITOから有機層へ効率的に直接電子を注入するためには,それに適したEILが必要である。そこで我々は,3章で述べるように,EIL材料に依存したiOLEDの特性を評価した。その結果,iOLEDに適したEIL材料を見いだし,通常OLEDと同等の発光効率を持つiOLEDの開発に成功した。また,iOLEDは通常OLEDに比べ酸素や水分に強いと提唱されてきたが,それを実証した結果はこれまで報告されていないため,4章で述べるように,iOLEDの大気安定性についても評価した。さらに5章で述べるように,iOLEDを用いたディスプレーの試作も行った。

3.電子注入層に依存したデバイス特性3図にEIL材料を変えた場合のiOLEDの特性を示す。3種類のEIL材料であるEIL-I~IIIを用いたiOLEDを,それぞれiOLED-I~IIIとする。発光材料には赤色のリン光材料であるIr(piq)3*3を用いた10)。また,比較のために,同じ発光材料を用いた通常OLEDの特性も示している。3図に示すとおり,iOLEDの特性はEILに大きく依存する。iOLED-Iでは最高輝度が5cd/m2*4しか得られていない(3図(a))。これは,EIL-Iを用いた場合には,陰極であるITOから有機層への電子注入が困難なためである。これに対し,iOLED-IIIでは低い印加電圧で高い輝度が得られており,EIL-IIIによりITOから有機層への電子注入が促進されていることが分かる。このiOLED-IIIは通常OLEDと同程度の輝度-電圧特性が得られている。また,外部量子効率*5もEILに大きく依存する(3図

(b))。iOLED-Iでは外部量子効率が1%にも満たないが,iOLED-IIでは約11%,iOLED-IIIでは約15%が得られている。通常OLEDの外部量子効率もiOLED-IIIと同等であり,EIL-IIIを用いることで,通常OLEDと同等の発光効率が得られていることになる。

4.大気安定性の評価通常OLED,iOLED-II,iOLED-IIIの3種類のデバイスの酸素・水分に対する耐性を評価した。通常OLEDの発

*2 electron volt:エネルギーの単位。1eVは,1Vの電位差がある自由空間内で電子1個が得るエネルギー。

*3 トリス(1-フェニルイソキノリナート-C2,N)イリジウム(III):tris[1-phenylisoquinolinato-C2,N]iridium(III)。

*4 cd/m2:1平方メートルあたりに照射される光量。*5 発光層に注入されたキャリヤー数に対して,発光素子の外部に放射

される光子数の割合。

報告

NHK技研 R&D/No.145/2014.550

通常OLEDでは陽極iOLEでは陰極

ガラス枠

有機層

発光

ガラス基板紫外線硬化樹脂

バリアフィルム

発光面

3mm 3mm

封止

通常OLEDでは陰極iOLEDでは陽極

iOLED-III(EIL-III)

通常OLED

(a)輝度-印加電圧特性

0 5 10 1510-2

10-1

100

101

102

103

104

印加電圧(V)

輝度(cd/m2) iOLED-II

(EIL-II)

iOLED-I(EIL-I)

10-1  100 101 102 103 1040

5

10

15

20

外部量子効率(%)

(b)外部量子効率-輝度特性

iOLED-I(EIL-I)

iOLED-II(EIL-II)

iOLED-III(EIL-III) 通常OLED

輝度(cd/m2)

光材料にもIr(piq)3を用い,EILにはフッ化リチウム(LiF),陰極にはAlを用いた。大気安定性の評価手法を4図に示す。プラスチック基板上にバリア層を形成したバリアフィルムとガラス枠とを用いて窒素(N2)を充填したボックス内に,作製した各種の有機ELデバイスを封止した。これを大気中で保存し,発光面の時間経過を観測した。有機ELデバイスを作製した基板とガラス枠との間,およびバリアフィルムとガラス枠との間の接着には,紫外線硬化樹脂*6を用いた。今回用いたバリアフィルムの水蒸気透過率は10-4 g/m2/day程度であり,この程度のバリア層であれば,大面積にも均一に成膜できるとされている。このような封止構造を用いることで,大気中の微量の酸素や水分が有機EL部に侵入し,それらがデバイスの劣化に与える影響を観測することができる。評価結果を5図に示す。通常OLEDの劣化に注目する

と,15日経過時からダークスポットと呼ばれる黒い点の劣化が顕著に観測され,約100日経過すると発光面積が半分程度になっている。このダークスポットの発生原因は,大気中の酸素や水分によるLiFやAlの劣化が主であると考えられている。次にiOLED-IIの結果に注目すると,通常OLEDよりは劣化速度が遅いものの,100日以上保存すると顕著なダークスポットが見られる。一方,iOLED-IIIでは250日以上ほとんど劣化が見られず,現在もなお観測を続けている状態である。今回,バリアフィルムを用いた評価を行うことでiOLEDの高い大気安定性を確認できた。しかし,iOLEDであればすべて劣化しにくいというわけではなく,iOLED-IIの結果から,その大気安定性は電子注入材料の種類に依存することがわかる。今回,EIL-IIIを用いるこ

*6 紫外線の光エネルギーに反応して液体から固体に化学的に変化する合成樹脂。

3図 EIL材料を変えた場合のiOLEDの特性

4図 大気安定性の評価手法

NHK技研 R&D/No.145/2014.5 51

有機EL構造 大気中保存時間

通常OLED

iOLED-II

iOLED-III

1日 15日 51日 103日

2日 20日 48日 115日

1日 26日 104日 250日

基板 ガラス

画素数320×240赤単色

精細度 80ppi

画素ピッチ 0.318mm

輝度 100cd/m2

駆動用トランジスター

選択用トランジスター

ガラス基板

iOLED

とで,高い発光効率が得られるともに,比較的高い大気安定性も確認できた。フレキシブルディスプレーへの応用を考えた場合には,EIL-IIIのような材料が適切であると言える。

5.iOLEDを用いたディスプレーの試作今回のiOLEDのディスプレーへの適用性を検証するために,InGaZnO*7をトランジスター材料に用いたバックプレーン*8上にiOLEDを作製し,動画表示を行った(6図)11)。基板にはガラスを用いており,画面サイズは5型,画素数は320×240画素(赤単色),フレーム周波数は60Hzである。画面全体において動画表示を確認することができた。輝度は100 cd/m2程度である。線欠陥が見られるものの,これは配線の短絡に起因するものである。今回は基板にガラスを用いてディスプレーへの適用性を

検証したが,今後はiOLEDを用いたフレキシブルディスプレーの試作も行う予定である。

6.まとめ酸素や水分に活性の高い材料を電極に使わないことによって,大気安定な有機ELデバイスを実現した。今回,不活性な電極であるITOを下部陰極に用いるiOLEDに適したEIL材料を見いだした。最適化したiOLEDの外部量子効率の最大値は,約15%と非常に高い値が得られた。また,バリアフィルムを用いて大気安定性を評価した結果,通常OLEDは約15日で劣化が観測されたのに対し,最適化したiOLEDは同条件下で約250日間劣化が観測され

*7 インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物。*8 トランジスターが形成された基板。この基板上に有機ELなどの表示

素子を形成することによりディスプレーが完成する。

5図 大気安定性の評価結果

6図 iOLEDを用いたディスプレーの試作

報告

NHK技研 R&D/No.145/2014.552

なかった。さらに,開発したiOLEDを用いて5型有機ELディスプレーを試作し,ディスプレーへの適用性を確認した。プラスチック等の柔軟な基板を用いたフレキシブルディスプレーの実現,そして家庭への普及のためには,本研究で

提案したような大気安定な有機ELデバイスが必要不可欠である。今後はフルカラーのディスプレー実現に向けて,大気安定な緑色・青色デバイスを開発する予定である。なお,iOLEDに適したEILの開発は(株)日本触媒との共同研究で行った。ここに感謝する。

参考文献 1) C. W. Tang and S. A. VanSlyke:“Organic Electroluminescent Diodes,”Appl. Phys. Lett.,Vol.51,pp.913-915(1987)

2) Y. Nakajima,Y. Fujisaki,T. Takei,H. Sato,M. Suzuki,H. Fukagawa,G. Motomura,T. Shimizu,Y.Isogai,K. Sugitani,T. Katoh,S. Tokito,T. Yamamoto and H. Fujikake:“Low-temperatureFabrication of 5-in. QVGA Flexible AMOLED Display Driven by OTFTs Using Olefin Polymer as theGate Insulator,”Journal of the SID,Vol.19/12,pp.861-866(2011)

‥3) C. Chartona,N. Schillera,M. Fahlanda,A. Hollanderb,A. Wedelb and K. Nollerc:“Development ofHigh Barrier Films on Flexible Polymer Substrates,”Thin Solid Films,Vol.502,pp.99-103(2006)

4) P. E. Burrows,G. L. Graff,M. E. Gross,P. M. Martin,M. Hall,E. Mast,C. C. Bonham,W. D.Bennett,L. A. Michalski,M. S. Weaver,J. J. Brown,D. Fogarty and L. S. Sapochak:“GasPermeation and Lifetime Tests on Polymer-based Barrier Coatings,”Proc. SPIE 4105,p.75(2000)

‥5) K. Morii,M. Ishida,T. Takashima,T. Shimoda,Q. Wang,M. K. Nazeeruddin and M. Gratzel:“Encapsulation-free Hybrid Organic-inorganic Light-emitting Diodes,”Appl. Phys. Lett.,Vol.89,pp.183510-1-183510-3(2006)

6) M. Sessolo and H. J. Bolink:“Hybrid Organic-inorganic Light-emitting Diodes,”Adv. Mater.,Vol.23,pp.1829-1845(2011)

7) W. Osikowicz,X. Crispin,C. Tengstedt,L. Lindell,T. Kugler and W. R. Salaneck:“Transparent Low-work-function Indium Tin Oxide Electrode Obtained by Molecular Scale Interface Engineering,”Appl. Phys. Lett.,Vol.85,pp.1616-1-1616-3(2004)

8) K. S. Yook and J. Y. Lee:“Organic Materials for Deep Blue Phosphorescent Organic Light-emittingDiodes,”Adv. Mater.,Vol.24,pp.1369-1390(2012)

9) L. Xiao,Z. Chen,B. Qu,J. Luo,S. Kong,Q. Gong and J. Kido:“Recent Progresses on Materials forElectrophosphorescent Organic Light-emitting Devices,”Adv. Mater.,Vol.23,pp.926-952(2011)

10)A. Tsuboyama,H. Iwawaki,M. Furugori,T. Mukaide,J. Kamatani,S. Igawa,T. Moriyama,S.Miura,T. Takiguchi,S. Okada,M. Hoshino and K. Ueno:“Homoleptic Cyclometalated IridiumComplexes with Highly Efficient Red Phosphorescence and Application to Organic Light-emittingDiode,”J. Am. Chem. Soc.,Vol.125,pp.12971-12979(2003)

11)K. Nomura,H. Ohta,A. Takagi,T. Kamiya,M. Hirano and H. Hosono:“Room-temperatureFabrication of Transparent Flexible Thin-film Transistors Using Amorphous Oxide Semiconductors,”Nature,Vol.432,pp.488-492(2004)

ふかがわひろひこ

深川弘彦し み ずたかひさ

清水貴央

2007年入局。同年から放送技術研究所において,フレキシブル有機ELディスプレーの研究に従事。現在,放送技術研究所新機能デバイス研究部に所属。博士(工学)。

2010年入局。同年から放送技術研究所において,有機EL,フレキシブルディスプレーの研究に従事。現在,放送技術研究所新機能デバイス研究部に所属。博士(工学)。

NHK技研 R&D/No.145/2014.5 53