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対馬地域新病院 基本計画書<要約版> 平成 23 年 3 月 新病院建設推進管理会議

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対馬地域新病院

基本計画書<要約版>

平成 23 年 3 月

新病院建設推進管理会議

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~はじめに~

この計画は対馬いづはら病院と中対馬病院を統合した「対馬地域新病院」建設事業が

長崎県地域医療再生計画に採択されたことから新病院建設の基本計画として策定いたし

ました。

策定に当たっては、①対馬地域の医療の確保と医療水準の向上、②患者中心の医療の

実現、③保健・福祉との連携強化、④安全管理の徹底、⑤健全経営の確保、⑥職員の意

識向上を基本方針に掲げました。また、対馬地域が人口減少と高齢化が著しい地域であ

ることを考慮し、病床数の適正規模(2 病院既存病床 338 床→新病院 275 床)と、介護保

険対象施設への入所待機者や独居老人の増加、あるいは老々介護の実態に鑑み、老人保

健施設やケアハウス等の整備も含めた介護保険対象施設の拡充を検討いたしました。

作成手順としては、まず、部門別ワーキンググループを設置し、新病院に対するイメ

ージや職員の夢・考え方を調査し、新病院構想案を検討しました。次いで、副院長クラ

スで組織するプロジェクトチームが、その新病院構想案を軌道修正しながら、全体像を

イメージした基本計画案を編集し、副企業長や対馬 3 病院長及び対馬市福祉保健部代表

者等で組織する新病院建設推進管理会議に諮りました。

推進管理会議では重要ポイントである建設費の県・市負担額、医療機能や経営収支、

人材確保について再度検討して基本計画書(草案)をまとめましたが、まだ、この基本計

画書(草案)には、この計画の主役とも言うべき市民の声が反映されていませんでした。

そこで、対馬市に市民代表を委員とした「対馬市新病院建設基本計画検討委員会」の設

置を要請し、新病院基本計画案について審議していただくことにいたしました。

その後、対馬市と長崎県病院企業団による市民説明会に、対馬市新病院建設基本計画

検討委員も参加していただき、旧 6 町において新病院建設の必要性、新病院の診療体制

や機能等について説明し、市民のご理解と新病院に対する要望等を伺うことにいたしま

した。

更に、対馬市は平成 23 年 2 月、全世帯(15,367 世帯)に対し、アンケートを実施する

こととし、新病院の機能、建設候補地の選定等について、市民の声を伺いました。アン

ケートの回収率は約 46%(7,089 世帯)で、救急医療体制の強化、退院や施設への転院

サポートの要望が強いことが分かりました。また、新病院建設候補地として、美津島町

グリーンピアに 56%の支持がありました。

このような経過を経て、市民の声を反映させた対馬地域新病院基本計画が完成したと

考えております。平成 23 年度は、この基本計画に沿って基本設計に着手いたしますが、

対馬市の医師会や歯科医師会との病・診連携室を新病院施設内に整備し、対馬島内の医

療従事者が総ての力を結集して、離島の医師不足を補完し、効率よい保健・医療・福祉

が展開できる仕組みの構築に全力を傾注する覚悟でございます。また、新病院に対する

皆様の厚いご期待に添えるよう、職員一同努力して参りますのでご支援のほどよろしく

お願い申し上げます。

平成 23 年 3 月 新病院建設推進管理会議 座長 糸瀬 薫

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基本計画書<要約版> 目次 (案)

第1章. 全体計画 ....................................................................................................1

1. 対馬地域新病院を取り巻く環境...................................................................................................... 1

2. 新病院の理念・基本方針................................................................................................................... 1

3. 対馬地域新病院に求められる機能と役割分担........................................................................... 2

4. 新病院の規模........................................................................................................................................ 5

5. 診療科構成............................................................................................................................................ 6

6. その他の取り組み................................................................................................................................... 7

7. 連携・情報通信ネットワーク................................................................................................................ 8

8. 病院施設の概要.................................................................................................................................10

第2章. 部門別基本計画 .......................................................................................12

1. 入院部門 ........................................................................................................12

2. 外来部門 ........................................................................................................14

3. 救急部門 ........................................................................................................16

4. 精神医療部門 .................................................................................................18

5. 手術・中材部門 ...............................................................................................19

6. 薬剤部門 ........................................................................................................21

7. 臨床検査部門 .................................................................................................22

8. 放射線部門.....................................................................................................25

9. 内視鏡部門.....................................................................................................26

10. 透析室 .........................................................................................................27

11. リハビリテーション部門 ......................................................................................28

12. 栄養部門 ......................................................................................................29

13. 健診部門 ......................................................................................................30

14. 臨床工学部門...............................................................................................31

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15. 物品管理 ......................................................................................................32

16. 医療連携部門...............................................................................................33

17. 事務・サービス施設部門 ..................................................................................34

第3章. 事業収支計画 ...........................................................................................36

第4章. 用語集 .....................................................................................................38

第5章. 新病院建設推進管理会議委員名簿 ...........................................................39

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第1章.全体計画

1.対馬地域新病院を取り巻く環境

基礎調査および両病院における新病院に対する考え方を踏まえ、新病院を取り巻く環境をSW

OT分析でみると、下表のように整理できる。新病院計画では、これらの「強み」「チャンス」

を活かし、「弱み」や「脅威」を可能な限りカバーすることを目指している。

強み(Strengths) チャンス(Opportunities)

①新病院は、対馬医療圏の中で最大規模の病院であり、

中核的な存在にある。

②両病院とも、経常収支比率が 100%を超えている。

③対馬いづはら病院は、他の離島病院と比較し、経常収

支比率・1 床当たりの入院収益・病床利用率(一般)が

高い。

④対馬いづはら病院におけるIVRや緩和医療、中対馬病

院における高度な整形外科手術などの強みを有する。

⑤大型医療機器については比較的最近更新されている。

①両病院の合併による規模の拡大により、集患力の強化

が期待される。

②近年の医療政策では、産科、小児科、救急医療などの

医療を提供する病院への予算配分(補助金・診療報酬

点数等)が手厚くなっている。

③2病院の統合によるシナジー効果で、医療の質の向上が

期待できる。

④県や企業団の独自の人材養成システムにより、医療職

の育成に取り組んでいる。

⑤現・対馬いづはら病院に介護施設の新設が計画されて

おり、医療と介護の連携促進が期待される。

弱み(Weaknesses) 脅威(Threats) ①離島であることにより、人的確保・医療連携が困難であ

る。

②限られたマンパワーの中で医療を提供しており、全国や

長崎県と比較し、圏内患者の流出が高い。

③島が南北 82km と距離がある一方で、交通インフラが発

達しておらず、高齢者の通院の便が悪い。

④両病院とも入院患者数は減少傾向にある。

⑤院内のIT化はやや遅れている。

①島外流出や高齢化による人口減少を受けて、将来患

者数の減少が予測される。

②人口減少により、医師や看護師を含めた職員確保がさ

らに困難となる可能性もある。

③全国や長崎県と比較し、人口千人対死亡率が高い状

況にある。

④がん検診など一部の予防医療サービスの受診率が低下

している。

2.新病院の理念・基本方針

【理念】

対馬に暮らす人々の健康を守り、信頼と安心の医療を提供できる病院を目指します。

【基本方針】

1. 医療の確保と医療水準の向上

2. 患者中心の医療

3. 保健・福祉との連携

4. 安全管理の徹底

5. 健全経営の確保

6. 職員の意識の向上

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3.対馬地域新病院に求められる機能と役割分担

(1) 4疾病5事業への対応

1)がん ・ がんに対する、検査(画像診断、検体検査等)・外科的治療・内科的治療の強化を図

る。内視鏡検査・治療についても、積極的な対応を行なう。

・ 特に高度な手術、特殊な治療など、専門的な施設・設備・スタッフが必要となる治

療については、大学病院・医療センターなどとの連携で対応する。

・ 一方、他病院において手術等を行なった患者についても、QOLの改善や家族への

負担を軽減するため、なるべく早期に転院を受け入れるよう対応する。

・ がん患者に対する緩和ケア医療を推進する。

2)脳卒中 ・ 脳血管疾患に対する一次救急対応、内科的治療については、現状と同様に新病院で

対応する。

・ 手術については、複数の専門のスタッフを配置する必要があることから、ドクター

ヘリ等を活用した他病院との連携で対応する。

3)急性心筋梗塞 ・ 内科的治療や、カテーテル治療については新病院での強化・充実を図る。

・ 手術については、脳血管疾患同様、専門スタッフと施設を有する大病院との連携で

対応する。

4)糖尿病 ・ 糖尿病患者の増加に対応し、新病院においても、予防・教育・治療に更に積極的に

取り組む。

5)救急医療 ・ 対馬圏域における、救急医療の中核病院としての強化充実を図る。

・ 住民ニーズに対応するため、医師の夜間診療体制を強化し、引き続き 365 日 24 時間

対応の救急医療を提供する。併せて時間外のコメディカルの体制を強化し、質の高

い救急医療の提供に努める。

・ 新病院では、ヘリコプターによる患者搬送の円滑化に取り組むほか、地域の消防と

の連携強化により、救急搬送の効率化・質の向上を目指す。

6)周産期医療 ・ 手術分娩など圏域における比較的高度な周産期医療を提供するとともに、24時間365

日体制で周産期救急を受け入れる。

・ 病的新生児・低出生体重児に対しては、地域において入院加療を行う唯一の病院と

して院内にNICU的病床を整備し、対応を充実する。

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7)小児医療 ・ 圏域において小児科を有する病院として、小児の救急医療・急性期医療・入院医療

に対応する。また、新生児から成人までにいたる成育医療についても、地域及び県

内外の他機関との連携の中で一定の役割を担う。

� 8)災害医療 地域災害医療センターとして、大規模災害時の医療を確保するために必要な機能の整

備を図り、災害時における医療支援を行う。

そのため大規模な自然災害にも十分耐えられる耐震・防火性能を有した施設整備を行

なうほか、災害発生時には急激な患者増に対応可能な施設・設備を整備する。

更に、離島の特性を考慮した災害備蓄品の整備、日常からの消防等との密接な連携の

推進などに努める。

9)へき地医療 ・ 無医地区や医師が非常駐体制となっている診療所へのサポートについて、引き続き

対応していく。

(2) 対馬において求められる医療への対応

1)急性期の整形外科系疾患への対応 ・ バイオクリーン環境下を含む専門的な手術に取り組む。

・ 早期リハビリテーションに対する更なる取り組み強化を図るとともに、近隣の介護

施設との密接な連携により、「地域完結型」の医療を目指す。

2)感染症医療 ・ 感染症病床を設置し、二類感染症(鳥インフルエンザ、SARS 等)発生時の入院に対

応する。

・ 結核病床を設置し、合併症を含む結核患者への医療提供をおこなう。

・ エイズ診療の地域協力病院として、拠点病院と連携しながら HIV 検査や各種治療に

携わる。

3)精神医療 ・ 精神病棟を設置し、主に急性期の患者への入院医療に対応する。

・ 精神科デイケア、精神科作業療法を引き続き実施する。

・ 精神科外来診療についても引き続き実施するほか、患者の社会復帰を促進するため、

地域の各種施設との連携を更に拡充していく。

4)人工透析 ・ 新規透析導入については新病院での強化・充実を図る。

・ 現両病院で実施している維持透析を引き続き実施する。

・ 透析患者の高齢化に伴う合併症への対応についても強化、充実を図る。

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5)リハビリテーション ・ 主として急性期と回復期前期のリハビリテーション機能を備え、心大血管疾患リハ

ビリテーション(Ⅰ)、脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)、運動器リハビリテー

ション(Ⅰ)、呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)を実施する。

・ 摂食・嚥下訓練、言語聴覚療法等についても、引き続き実施する。

・ 患者宅や診療所に出向き実施する訪問リハビリテーションについても、新病院での

強化・充実を図る。

6)予防医療・健診 ・ 新病院では、健診機能の強化を図り、対馬市や保健所とも協力して予防医療の充実

に寄与する。

・ また、市民の生活習慣改善や健康教育にも積極的に取り組み、疾病の発症予防を支

援する。

7)在宅医療 ・ 地域の診療所、各種施設等と連携しながら、往診・訪問看護・訪問リハビリテーシ

ョン等を実施する。

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4.新病院の規模

(1) 病床数

病床数の策定にあたり、以下の点を考慮して各種算出やシミュレーションを行なった結

果、新病院における病床種別病床数は表の通りとした。

○対馬いづはら病院・中対馬病院の両病院の現有資源を最大限に活かし、今後の対馬市の医療・

健康を守る医療機能を確保しうる病床数とする。

○人口減少、高齢化といった 10 年後・20 年後の対馬の環境変化に適切に対応しうる計画とする。

○現・対馬いづはら病院の施設を活用した介護または高齢者向け施設の整備(誘致等)を推進し、そ

れら施設との適切な役割分担により対馬全体の医療と介護・福祉の全体最適化を図る。

病床種別 病床数 備考

一般病床 222 床

・ 人口の減少や在院日数の短縮化により、現 2病院の病床数よりも削減するが、一方で、圏内完結の向上なども考慮して、一定規模の病床数を確保する。

・ 現中対馬病院の療養病床を廃止することを踏まえ、「亜急性期病床」を確保して、医療ニーズの高い患者に対応する。

精神病床 45 床 ・ 島内唯一の精神病床であること、近年の患者数に大きな変動がないことから、新病院においても現在の対馬いづはら病院の病床数を維持する。

結核病床 4 床

・ 対馬における結核患者の発生は毎年 10 名程度であること、中対馬病院の 1日あたり平均入院患者数が 1名に満たないことなどを考慮し、新病院の結核病床数は 8床から 4床に縮小することとする。

感染症病床 4 床 ・ 新興感染症の発生等に対応することも考慮し、二類感染症病室4室を維持する。

計 275 床

なお、新病院開院後についても更なる人口規模の縮小およびそれに伴う患者数の減が予

測されることから、将来的には病床数の削減が可能とする施設のあり方を検討する。 (2) 外来患者数

650~750 人/日程度を見込む。 (3) 職員数

現両病院の人的資源の有効活用を図りつつ、病床規模、業務の効率化を反映した職員数

の適正化を行う。

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5.診療科構成

新病院の「標榜診療科」については、下記の 22 診療科とする。 内科、循環器内科、神経内科、血液内科、小児科、外科、脳神経外科、整形外科、リウマチ科、

泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、リハビリテーション科、精神科、放射線科、

緩和ケア科、透析科、麻酔科、臨床検査科、救急科

このほかに、院内標榜の特殊診療科・専門外来等を設置する。

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6.その他の取り組み

(1) 患者・利用者サービスの向上

1)インフォームドコンセントの推進 ・ すべての医療行為において充分な説明を行い、患者の同意を得る。

・ すべての医療行為において、患者の権利を尊重する。

2)アメニティ・プライバシー・セキュリティへの配慮 ・ 外来診察室におけるプライバシーの確保、入院病棟における個室の増加などにより、

快適な医療環境を整備する。

・ 防犯強化や個人情報取扱への考慮など、患者が安心して医療を受けられるよう配慮

する。

(2) 情報システム化の推進

・ 医療情報システム等の導入により運営を標準化することで、業務の効率化と安全性

向上を図る。

・ IT化により適切なペーパーレスを推進し、資料保管の省スペース化、コスト削減、

環境に優しい病院を実現する。

・ DWH(診療・経営データベース)に蓄積された情報を管理・活用することで、医

療と経営の質の向上を目指す。

(3) 医療安全の徹底

・ 患者の安全を守るために、全職員の教育を徹底する。

・ 施設設計にあたり、ユニバーサルデザインを取り入れ、すべての利用者が安全に利

用できる病院とする。

・ 新病院においても、(財)日本医療機能評価機構が行なう病院機能評価など第三者評

価を受審し、安全・安心な医療の維持に努める。

(4) 持続可能な病院経営の実現

・ 新病院の施設・設備整備にあたり、開院後の費用負担軽減を図る観点から、適切な規

模・費用に抑制する。

・ 新病院の理念・基本方針、また診療方針等を前提とし、医療機能を実践するにあた

り、質の高い医療の提供を最優先としながらも、効率的な運営による費用削減や収

入確保に努め、健全経営を図る。

・ コスト削減による利益増加は、質の高い医療の提供に向けた医療機器等の設備投資

や、職員賃金を含めた労働環境の改善等にもつながることから、職員一人ひとりが

病院経営を意識した医療を実施するよう、職員教育を通じてコスト意識の醸成を図

る。

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(5) 医療スタッフの確保

・ 優秀な医療スタッフの定着・確保が地域住民の方々に対する医療サービス提供の要

であることを前提に、各種対策に取り組む。

・ 長崎県が従来から行っている医師養成プログラムの活用に加え、臨床研修プログラ

ムの充実や看護師の育成制度の拡大を検討し、医療スタッフの育成・確保を図る。

・ 病院職員に対する上位資格取得の支援・教育研修の機会提供など、卒後教育・現任

研修の充実を図り、スタッフの技術・知識の向上と定着率の改善を目指す。

・ 復職研修の実施等、育児等で現場を離れたスタッフがスムーズに仕事に復帰できる

よう、適切な支援を行うことを検討する。

7.連携・情報通信ネットワーク

(1) 保健・医療・介護分野における連携の強化・充実

1)病診・病病連携 ・ 一次・二次医療については、島内での病診連携を更に充実するため、情報共有化の推

進、紹介・逆紹介の円滑化を進める。

・ 上対馬病院とは、互いの地域性・専門性を活かし合い、ともに対馬の医療を守る。

・ 特に高度専門的な医療については、引き続き本土の病院と連携する一方、急性期を

脱した患者の早期帰島を促進するための設備、運用を検討していく。

・ これらの連携策の実現のため、必要な情報システムの整備や関係医療機関が定期的

に集まる機会の創出(『対馬医療サミット(仮称)』の開催)などを検討する。

2)居宅介護支援 ・ 院内に居宅介護支援事業所を設置し、要支援状態または要介護状態にある高齢者等

が、入院から退院後の生活まで切れ目なく、安心して医療と介護が受けられるよう

支援する。

3)介護施設との連携 ・ 市内の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービスセンターなど介護施

設との連携を更に密接にし、地域におけるシームレスな医療・介護サービスの提供を

構築する。

・ 現・対馬いづはら病院の建物を介護施設に転換する構想を踏まえ、新病院と新介護

施設の役割分担、連携のあり方について今後、具体的な検討を行う。

4)行政との連携 ・ 地域の行政機関、特に対馬市との連携を更に強化充実することにより、検診率の向

上や各種公的制度の円滑な活用などを目指し、市が掲げる「思いやりと健やかさを

育む健康・福祉の人とまち」作りに寄与する。

・ その実現のため、院内に一部の行政機能を設け、福祉行政と医療提供のワンストッ

プサービスを提供することを検討する。

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(2) 連携を可能にする情報通信ネットワークの整備

・ 対馬市における病診・病病連携や介護施設などとの連携のツールとして、島内のどこ

で受診をしても情報を共有できる仕組み(情報通信ネットワーク)の構築を検討す

る。

・ ネットワークを活用し、島内のみならず、本土との連携強化による医療の質の向上

と住民サービスの更なる充実を図る。

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8.病院施設の概要

(1) 所在地

美津島町鶏知 ナガイタ

(2) 敷地条件

1) 建設予定地 :美津島町鶏知 2) 用途地域 :都市計画区域外 3) 建ぺい率 :開発許可の規制による 4) 容積率 :開発許可の規制による 5) 日影規制 :都市計画区域外 6) その他地域 :自然公園内(海域普通地域) 7) 地目 :なし 8) 開発行為 :市施行の開発行為・自然公園法による届け出 9) 敷地面積 :平地部分面積約 32,500 ㎡ 10) 都市施設 :敷地周辺道路状況 県道グリーンピアつしま線(幅員約 6.6m)

:電力引き込み経路 県道グリーンピアつしま線にある高圧線より :上水道引き込み経路 県道グリーンピアつしま線に埋設管あり :下水道未整備地域 :排水経路 雨水、生活排水(浄化槽設置)直接海に放流 :都市ガス未整備

11) 建物主要用途:病院、職員宿舎、保育所 12) 敷地現況 :平坦な埋立地(造成不要・一部切土の必要もあり得る) 13) 周辺環境 :漁業への影響が無いよう考慮する

:排水の水質条件は関係部署との打ち合わせによる 14) ヘリポート :重篤患者搬送用として設置を検討する。対馬空港利用も検討 15) 通信インフラ:特になし

(3) 建築計画

・ 敷地形状は不整形であるが、敷地南側に約 120m×118m(約 14,160 ㎡)の平地部分

に建物を配置できる。

・ 敷地高さは約 4m前後である。病院へのアプローチは、市道グリーンピア市街地線か

らとした。市道と敷地とは高低差が無くスムーズにアプローチできる。

・ 建物は南向き

(4) 必要駐車台数

約 750 台(職員用駐車台数含む)

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(5) その他の要件

・ ヘリコプターによる患者搬送に迅速に対応するため、敷地内へのヘリポート設置や

空港からのアクセスに配慮する。

・ タクシーやバスによる来院者のために、雨天を考慮した屋根つきの乗降場を整備す

るとともに、車椅子利用者が安全に病院へ出入りできる歩道やスロープを確保する。

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第2章.部門別基本計画

1.入院部門

(1) 病棟機能―病床種別病床数―

病床種別 病床数 備考

一般病床 222 床 HCU8床、NICU的 2床、亜急性期病床 20 床を含む。 結核病床 4 床 感染症病床 4 床

精神病床 45 床 精神病棟の詳細については、「4.精神医療部門」参照 計 275 床

(2) 病棟・病室構成

1)病棟構成 ・ 病棟構成は看護度別とし、下表の 6病棟構成とする。

・ 結核病床、感染症病床は施設上の隔離を確保した上で、「一般ケア病棟」の一部とし

て整備する。

病棟 病床数 備考

HCU 8 急性期ケア病棟 【30 床】 一般病床 22

・HCUは施設基準を取得しうる施設、設備とする。 ・救急からの搬送動線に留意する。

一般病床 142 ・NICU的病床 2床、重症個室を1含む。 ・産科病棟としてNICU的病床と同じ病棟に 18 床程度を設置する。

感染症病床 4

一般ケア病棟①・②・③ 【計 150 床】

結核病床 4 亜急性期病床 20 亜急性期ケア病棟

【計 50 床】 一般病床 30 精神病棟 45 合計 275

2)病室構成 ・ 病室は 4床室と 1床室で構成することを基本とする。

・ 1 床当たりの面積は、療養環境加算の施設基準を満たす 8 ㎡/床以上とする。また、

処置・指導・リハビリテーション・移動のためのスペースが確保できるよう配慮する。

・ 個室率は重症個室、差額個室を併せて全体の 20%程度とする。

・ 採光やレイアウトなど、患者アメニティに充分配慮したつくりとする。

3)その他の諸室 ・ 分娩室 1室(分娩台 2台)、新生児室(10 ベッド)を設置する。

・ トイレは集中式を基本とし、個室には分散トイレを設置する方向で検討する。 1重症者等療養環境特別加算を算定できる個室

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・ 病棟食堂兼デイルームを配し、早期離床やコミュニケーションの促進を図る。併せ

て、小児科を含む病棟にはプレイルームを設置する。

・ 各病棟にシャワー室を設置するほか、一部の病棟については特浴設備を設置するこ

とも検討する。

(3) その他、部門運営の特徴

・ 一般病床の看護体制は、10:1 とする。HCU病床は加算取得要件である常時 4:1

看護を想定する。

・ 診療報酬上の手当てが充実したことを踏まえ、医療スタッフの臨床業務への傾注を

図るため、看護補助者を配置する。

・ コメディカルスタッフも積極的に参画し、NST、ICT、PCT、褥瘡チームな

ど、チーム医療を推進する。

・ 病床管理、処置、検査、処方等の依頼及び記録、結果報告などは、電子カルテシス

テム等の医療情報システムを活用して効率化する方向で検討する。

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2.外来部門

・ 想定外来患者数新病院における 1日当たりの想定外来患者数は、約 650~750 人とす

る。

(1) 外来部門の構成

・ 総合外来を設置し、初診患者、自力来院した救急患者の診察・各科への振り分けを

行う。

・ 標榜診療科は下記の 22 科とする。またその他の特殊外来・専門外来を設置する。

内科、循環器内科、神経内科、血液内科、小児科、外科、脳神経外科、整形外科、

リウマチ科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、リハビリテーシ

ョン科、精神科、放射線科、緩和ケア科、透析科、麻酔科、臨床検査科、救急科

・ 患者対応の充実といった観点から、各科受付方式とする。規模があまり大きくなく、

隣接が可能な科については共有の受付とすることも考慮する。

(2) 診察室について

・ 新病院における必要外来ブース数は、想定外来患者数や現状ブース数等を考慮し、

23~29 室程度とする。具体的な診察室数については、フリーアドレス診察室の活用

も視野に入れて合理的な外来ブースの配置とする方向で設計段階にて検討を行う。

・ 外来診察中の患者プライバシーが保護できる構造とする。

・ 小児科は、防音に留意した配置や作りとする。1室は感染患者用の診察室とし、待

合や動線に配慮する。

・ 救急外来に隣接し、隔離診療室を設ける。隔離診察室は一般の外来との待合や動線

の区分に留意する。また、感染症病棟への動線を確保する。

(3) 治療・処置に関する諸室について

・ 外来患者の処置・注射・点滴等は、病状により移動困難な患者や科専用の処置室、

検査室を持つ診療科を除き、原則、中央処置室で対応する。

・ 中央処置室内には、検査等の回復室を兼ねることを考慮し、処置・点滴用ベッド 10

台程度設置可能なスペースを確保する。

・ 化学療法室内にはベッド、リクライニングチェアを併せて 5 台程度を設置するが、

将来的な増強が可能となるよう配慮する。

・ 処置に関する各室数については、以下の表にまとめる。

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室名(案) 用途、備考 室数

中央処置室

・内科系診療科の点滴、外科系診療科の点滴 ・内科系の処置(骨髄穿刺、胃瘻ケア等) ・外科系の処置、局所麻酔による小手術 ・整形外科:ブロック注射 ・採血、自己血採血 ・外来手術後の回復(患者管理) ・内視鏡、放射線検査後の回復 ・救急外来患者の観察 等

1室

各科処置室等 - 内科 (中央処置室を使用) - 整形外科 採型・ギプス室 1室 眼科 検査室 1室 泌尿器科 膀胱鏡室 1室 精神科 処置室兼問診室 1室 外科 (中央処置室を使用) - 産婦人科 内診室 1室 耳鼻咽喉科 検査室(ネブライザーコーナー含む) 1室

リハビリテーション科 (リハビリテーション室で対応) -

皮膚科 (処置は診察室で実施) - その他 (中央処置室を使用) -

化学療法室 ・抗がん剤 ・リウマチ患者に対するレミケード注射 1室

高気圧酸素治療室 高気圧酸素治療装置 1室

(4) その他の諸室

・ 問診や看護相談、看護指導などは多目的室において対応する。多目的室は 2~3 室と

し、家族の入室も想定した広さを確保する。

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3.救急部門

(1) 救急受入れ体制

・ 対馬圏域における救急医療の中核病院として 24 時間 365 日の救急医療を提供する。

・ 初期・二次救急を中心に対応し、脳神経外科・心臓外科領域の救急については必要

に応じ本土の病院へのヘリコプター搬送など適切な手段をとる。

・ 新病院における初期救急と二次救急以上それぞれの診療体制を下表の通り構築する。

時間区分 患者区分 診療体制(必要に応じて各診療科と連携)

初期 ・総合外来 ・救急外来当番医師+外来看護師 平日時間

内 二次以上 ・当番医師+病棟(急性期ケア)チーム 初期 ・当番医師(当直)+当番看護師(当直) 平日時間

外・休日 二次以上 ・当番医師(当直)+病棟(急性期ケア)チーム(当直) ※ 上表を基本とし、必要に応じて各診療科とも連携する。

(2) 救急患者の連絡受付け、振り分け

・ 救急搬送患者は、当番医師が救急隊から直接連絡を受け、振り分けを行う。

・ 自力来院患者は、総合外来、もしくは当番医師が振り分けを行う。

(3) 診療・処置

1)初期救急 ・ 平日時間内は基本的に総合外来において診療を行う。平日時間内で総合外来が開設

していない時間については、救急外来当番医師と外来看護師が対応する。

・ 耳鼻咽喉科、眼科等の特殊診療科については当該診療科の外来で対応する。

・ 平日時間外・休日は救急外来当番(当直)の医師・看護師が対応する。このため、

救急部門に簡単な処置ができるスペースを確保した救急診察室を 2室設ける。

2)二次以上の救急 ・ 二次以上の救急は、病棟(急性期ケア)チームが対応する。このため、救急搬送患

者の入り口から当該エリアへは可能な限り短い動線となるよう、EVの位置等を考

慮する。

・ 初療室については処置ベッドを 2 台程度設置可能なスペースを確保する。放射線部

門(CT、MRI)、内視鏡部門、HCUへの動線を十分に考慮する。また救急患者

受け入れ時に外来部門の医師、看護師が同診察室へ移動することを考慮した配置と

する。

3)感染症患者(疑い含む) ・ 感染症患者、感染症の疑いのある患者については、隔離診療室等に誘導して対応す

る。隔離診察室は一般の外来との待合や動線の区分に留意する。

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4)精神科救急 ・ 精神疾患を有する患者のうち、来院理由が身体症状の場合には前述の初期/二次以

上の対応とし、精神症状による場合には精神科で対応する。

5)観察 ・ 診療後、点滴や経過観察が必要な患者については、症状により中央処置室の観察ベ

ッドにて観察するか、もしくは入院対応として病棟において対応する。

(4) ドクターカー

・ 島内の救急体制を強化するため、新病院では将来的にドクターカーに取組むことを

前提とし、救急車対応の駐車スペース・救急隊の待機場所等を整備する。

・ 併せてドクターカー運営方式に関する具体策の策定、消防との協議を進めていく。

(5) その他、部門運営の特徴

・ 医師は、病棟(急性期ケア病棟)担当者や外来担当者、必要に応じオンコールなど

により、効率的に対応する。

・ 当直医は、HCU担当医師を含めて複数名体制とする。ただし、専門性が高い患者

の場合にはオンコール対応とする。

・ コメディカルについては下表の対応とする

時間帯 放射線技師 検査技師 薬剤師 日中 平日 常勤 常勤 常勤

土日・休日 オンコール 土曜:オンコール日曜:1~2名 オンコール

夜間 オンコール オンコール オンコール

会計の対応は、時間内は医事係が実施する。時間外・休祝日において医事係の時間

外スタッフを配置するかについては継続検討とする。

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4.精神医療部門

(1) 精神科病棟

・ 主として急性期、合併症等に対応する精神病床 45 床を設置する。すべて閉鎖病棟と

想定しているが、開放処遇の患者に関する運用(入退室管理方法)に配慮するもの

とする。

・ 精神科急性期医療の体制づくりと平行して、患者の個別性を重視した退院支援に取

り組むと共に、臨床心理士の導入、各専門職種やサポートチームの協働で外来・入

院・在宅療養を支援する。

(2) 精神科作業療法

・ 入院中から積極的なリハビリテーションを行い退院後の地域生活を支援する。

・ 入院患者を対象に、誰でも参加できるオープングループ活動より開始し、対象者の

拡大とともに目的別の小グループ活動を行う。将来的には外来患者に対しても作業

療法を提供することを検討する。

(3) 精神科外来

・ 患者のプライバシーに配慮して加療を行う。

・ PSWを活用し、障害年金、生活保護等の公費申請について必要な支援を円滑に受

けられる体制及び地域との連携が行える体制にする。

(4) デイ・ケア、ショート・ケア

・ 在宅療養中の精神障害者に対し、外来治療の一環として、ふれあいの場を提供する

ことで、生活リズムを整え、自主性や協調性を養い、対人関係の改善を図りながら、

自律生活及び社会的役割の獲得を図れるよう支援する。

・ 調理設備、畳間等の活動スペースや面談室、患者用トイレ及び職員用トイレ・休憩

室を整備し、それぞれ必要なスペースを確保する。

(5) その他、部門運営の特徴

・ 医師、看護師のほか、臨床心理士、PSW、作業療法士等がチーム医療を積極的に

推進する。

・ 施設整備にあたり、洗濯乾燥スペースなど患者の生活上の利便性を確保した計画と

する。

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5.手術・中材部門

(1) 手術業務

1)実施手術等 外傷、がん、整形外科疾患(人工関節置換術を含む)、循環器系疾患(心臓血管外

科を除く)、帝王切開手術、その他の良性疾患に対する外科手術一般(内視鏡下手

術を含む)、全身麻酔下検査等

脳外科手術、心臓血管手術、小児外科手術については、病病連携により対応するも

のとする。

2)緊急手術への対応

時間内緊急手術は、随時受け入れる。使用する手術室については、緊急度を勘案し、

定期手術との調整を行う。

時間外の緊急手術については、オンコール体制にて対応する。

3)日帰り手術への対応

局所麻酔の手術については、手術室または外来中央処置室において日帰りの小手術

を行う。将来的には、現在実施していない手術について範囲を拡大することも考慮

する。

(2) 手術部門の概要

1)手術室 手術室は新病院の入院規模、両病院の手術件数実績を踏まえ、5室とする。

整形外科領域における高度手術を実施していることなどを考慮し、うち1室はバイ

オクリーンルームとする。

感染患者の手術を考慮し、うち1室は陰圧切替えが可能とする。

その他の手術室については、基本的に、手術室ごとに特定の用途を定めず、放射線

検査、顕微鏡下手術、イメージ手術、内視鏡手術等を可能とする整備を行い、柔軟

に運用する。

【手術室の設置数】

室数 特記事項 1 室 バイオクリーン手術室(前室を付設) 3 室 汎用手術室(うち 1室は陰圧切り替え可) 1 室 小手術室(眼科、皮膚科、将来的な日帰手術対応を想定) 計 5室

(3) その他、部門運営の特徴

手術部門は、CDCガイドライン等を考慮した衛生管理、施設整備とする。

手術室への入室は、歩行が困難な患者を除き、手術部門まで独歩入室とする。独歩

入室が困難な患者については、病棟ベッドにより手術ホールまで搬送してストレッ

チャーに乗せ換え、手術室にて手術台に載せ換える。

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手術スケジュールは医療情報システムを利用した手術部門における管理とし、手術

室の効率的運用を図る。

手術器械の洗浄・滅菌・供給等の業務は中央化し、中央材料室で行う。

手術器械などはセット化を行い、「基本セット」、「術式別セット」及び「単品器械」等

の組み合わせにより使用する。

【中央材料滅菌室の機器配置(案)】 機 器 台数(案)

洗浄・乾燥 ジェットウォッシャー 2 超音波洗浄装置 1 チューブ洗浄装置 1 チューブ乾燥装置 1 滅菌 高圧蒸気滅菌装置 2 低温プラズマ滅菌装置 1 EOG滅菌装置 1

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6.薬剤部門

(1) 外来処方・注射

・ 外来については原則、院外処方とし、会計窓口にて処方箋を交付する。体の不自由

な患者、時間外、特殊薬や院外薬局で扱っていない薬品の場合には院内処方とし、

院内処方オーダに従い調剤する。

・ 地域の薬剤師会と病院薬剤師のネットワークを活かし、外来エリアに院外処方のF

AX受付窓口を設置する。

(2) 入院処方・注射

・ 入院患者が使用する薬剤は、原則薬剤部門が患者 1 人 1 回量ごとに包装し、搬送ス

タッフが各病棟まで搬送する体制とするが、時間外の緊急時は、定数配置薬を使用

する運用とする。

・ 注射剤は注射処方の区分(定期注射、臨時注射)に従い、原則として患者個人別セ

ット方式による払出を行う。

・ 将来的には、薬剤部門の人員状況に応じて、病棟における混注や医薬品管理、服薬

指導の強化等を検討する。

(3) 定数配置薬

・ 定数配置薬の供給はトレー交換方式とする。病棟配置薬の薬品については定数管理

を行い、適切な在庫量を維持する。

(4) 監査・調剤・服薬指導・その他

・ 薬剤部門システムに処方監査システム、調剤支援システムを導入するほか、薬剤師

による処方監査を行う。また、薬剤師は調剤に対して調剤監査を行う。

・ TPNおよび抗がん剤いずれかの混注は、原則として薬剤部門において薬剤師が行

うことする。また、今後の人員状況によっては両混注に対応する。

・ 自動分包機や薬袋発行機等により効率的に業務を提供する。

・ 臨床業務を積極的に推進するため、医薬品情報管理室(DI室)にて薬歴管理を行う。

・ 入院患者については担当薬剤師を定め、ベッドサイドもしくは服薬指導室で対応す

る。外来については外来薬渡しコーナー又は多目的室で薬剤師が対応する。

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7.臨床検査部門

(1) 臨床検査部門全体

1)臨床検査部門のあり方 ・ 臨床検査部門は検体検査業務(細菌検査を含む)、生理機能検査業務、輸血管理業務

を包括した部門とする。

分類 留意事項

検体検査 ・細菌学検査室以外の検査室は、検査技師が効率的に動けるよう輸血検査も含め間仕切りのないワンルームとする。 ・他医療機関からの受託検査、健診に関する検査にも対応する。

生理機能検査

・ABR(聴性脳幹反応)検査を除く聴力検査は耳鼻咽喉科外来で実施することとし、当該検査に必要なスペースは臨床検査部門には確保しない。

・視力検査、眼圧検査及び眼底検査等眼科に関する全ての検査は、眼科外来で実施することとし、当該検査に必要なスペースは臨床検査部門には確保しない。

病理検査・診断 ・病理検査・診断については外部委託とする。

臨床検査部門業務

輸血管理 ・自己血輸血の採血は、外来中央処置室で行う。

2)運営体制 ① 職種別人員数

職種 備考

医師 病理医の配置については考慮しない。

臨床検査技師

・ 臨床検査技師長の下に全ての臨床検査技師を配置し、臨床検査部門から各セクション(診療科を含む)に派遣することにより、技師全体の技術のレベルアップ、経営効率の向上(業務量が増えた部門への迅速な配置転換等)を図る。 ・ 専門・特殊性を考慮し、固定配置とローテーションを組み合わせることによって教育体制を確保し、持続的な安定供給を図る。

看護師 その他

助手・補助者

② 勤務体制

区分 体制 平日時間内 常勤 平日時間外 オンコール 土曜日 同上 日曜、祝日 1~2 名

(2) 検体検査・細菌検査

1)実施する検査 ○生化学検査

○血液学検査

○血清学検査

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○一般検査

○細菌学検査※

○その他検査 ・ 地域医療連携と機器の効率的な利用の観点から、特殊検査など一部の検査については、近隣の医療機関からも受託する。

・ 健診関連の検査についても、一体的に管理を行う。 ※ 遺伝子(DNA)検査は、将来的な技術発達や採算性を考慮し、委託化の方向で検討する。

2)その他の業務

業務項目 概要

検査データ管理 検査結果は全て電算管理とし、外注検査分を含め、検査結果データは、検査部門システムで一元管理する。

精度管理 院内で実施する検体検査の精度については、外部のコントロールサーベイも活用して、適正な管理を行う。

M T I (Medical Technologic Information)

新しい検査方法や試薬の情報、基準値の変更などの臨床検査情報の提供業務に積極的に取り組む方向で検討を行う。

洗浄業務 検査業務に使用する器具や再生滅菌物は、臨床検査部門内において洗浄する。

試薬管理 病院機能評価に定める基準に準じて実施する。 消耗品の発注管理も行う。離島の特性を考慮し、余裕のあるストックを持つ。

検査機器の保守点検(窓口)業務

病院機能評価に準じて実施する。 さらに、離島の特性を考慮し、検査部スタッフが医療機器について一定の知識を有し、軽微な不具合には院内で対処する。

院内感染対策業務 院内感染対策業務のサポートを行い、院内感染アウトブレイク対策に参画する。

外注検査の管理 検査項目の選定、契約関連、外注検体の前処理と保管、検査データの授受、精度管理等。

(3) 生理機能検査・超音波検査

1)業務概要

業務名 概要

循環器系検査 安静時心電図検査、負荷心電図検査(トレッドミル)、ホルター心電図解析、ABI等

脳波・筋電図検査 脳波検査、ABR検査(聴性脳幹反応)、筋電図検査、末梢神経伝導検査

呼吸機能検査 ・ 換気機能、心肺循環機能、肺拡散能力、残気量検査等 ・ 運動負荷呼吸代謝測定(トレッドミル)

その他の業務 ・ 検査結果報告 ・ データ管理 ・ 機器管理業務

超音波検査 心臓エコー、腹部エコー、頸部・血管エコー、下肢動脈エコー、乳腺エコー等 (産婦人科等の各診療科における超音波検査を除く)

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2)主要な機器 (生理機能検査部門の主要機器リスト(案):耳鼻咽喉科・眼科の検査を除く)

機器名(案) 備考 負荷心電図装置 運動負荷試験システム 長時間心電図記録解析装置 ホルター用心電図解析システム

循環系 検査エリア

ファイリングシステム(心電図室) 脳波計 生体現象データ処理装置 誘発電位検査装置 ポータブル脳波計 ファイリングシステム(脳波)

脳神経系 検査エリア

データファイリングシステム(筋電図室) 呼気ガス分析装置 呼吸代謝測定装置 呼吸系

検査エリア 呼吸機能検査装置 肺機能測定システム 循環器用超音波画像診断装置 心臓用 超音波

検査エリア 汎用超音波画像診断装置 腹部用

同機能の他施設事例より単価×必要台数の和が概ね 500 万円以上の機器を抽出

(4) 輸血管理

1)業務概要 分類 主な業務項目

輸血検査 血液型(ABO式、RhD)、交差適合試験、直接クームス試験、間接クームス試験、不規則抗体スクリーニング等

血液製剤の請求、管理 血液製剤の請求受付、日赤血液センターへの発注・検収、成分製剤の調整(分離・凍結・解凍等)、貯蔵血統の在庫管理

自己血輸血 自己血の保管管理

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8.放射線部門

(1) 画像診断・治療

・ 放射線部門における業務内容と機器台数は以下のとおりとする。

・ 気管支鏡検査およびX線TV装置を使用した内視鏡検査については、放射線部門に

おいて実施する。

業務項目 概要(案) 台数(案) 一般撮影 胸部、腹部、四肢(骨)等全身の一般撮影 3~4台 乳房X線撮影 (マンモグラフィー)

乳房の撮影 1台

X線透視撮影 (X線TV)

消化管X線造影、気管支鏡検査、TBLB(透視下経気管支肺生検)、PTCD(経皮経肝胆管道ドレナージ)、瘻孔造影、イレウスチューブ挿入等。 感染患者の気管支鏡検査を考慮し1室は陰圧対応。

2台

CT(コンピュータ断層撮影) X線CTを用いた脳、胸部、腹部、骨盤部等の全身の断層撮影 2台

MRI(磁気共鳴断層撮影) 中枢神経系、整形領域、腹部・骨盤領域、胸部・心臓領域等の任意断層像の撮像 1台

DSA(血管造影) DSAを用いた各種血管造影診断及びインターベンショナル治療(心臓カテーテルを含む)を行う 1台

骨塩定量測定装置 1台 放射線治療装置 (リニアック)

多方向から放射線を集中させ、腫瘍等の治療を行う。 1台

ポータブルX線撮影 病棟などにおけるポータブル撮影 3台

(病棟各フロア)

外科用イメージ X線装置 手術部門で使用 ESWL 手術部門で管理 1台

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9.内視鏡部門

(1) 主な内視鏡検査・処置・治療内容

・ 内視鏡部門における検査・治療内容は以下のとおりとする。

・ 気管支鏡検査およびX線TV装置を使用した内視鏡検査については、放射線部門に

おいて実施する。

検査・治療項目 検査・治療内容

内視鏡検査 内視鏡検査 上部消化管(食道、胃、十二指腸)、下部消化管(大腸)、内視

鏡的逆行性胆道膵管造影、胆道、その他(小腸等) 超音波内視鏡検査 上部消化管(食道、胃、十二指腸)、下部消化管(大腸) X線透視下の内視鏡検査 小腸、大腸 内視鏡下の処置・治療 ポリペクトミー(食道、胃、十二指腸、大腸)、EVL(食道、

胃、十二指腸)、EIS(食道、胃、十二指腸)、EMR(食道、胃、十二指腸、大腸)、ESD(食道、胃、十二指腸、大腸)、ENDP(胆管、膵管)、EST(胆管、膵管)、異物除去、胆石除去等

気管支鏡検査 気管支、肺(放射線部門 X 線透視室にて実施する)

(2) 内視鏡台数

・ 上部内視鏡検査、下部内視鏡検査を共通して行う内視鏡検査室を1室設ける。

・ 光源の設置場所、設置台数は以下の通りとする。

設置場所 設置台数

内視鏡部門 2~3台 X線透視室(気管支鏡検査) 1台 病棟 1台

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10.透析室

(1) 実施内容

・ 透析・血液浄化療法は下記の患者・治療法を対象とし、内科が担当する。

血液透析 (HD、HDF)

・ 慢性腎不全患者の透析・維持導入 ・ 合併症によるハイリスクの慢性透析患者 ・ 手術など他科治療のために入院した透析患者 ・ 急性腎不全

その他の血液浄化療法

・ 血液吸着法(DHP) ・ 白血球除去療法(LCAP) ・ 血漿交換法(PE) ・ 持続援助式血液ろ過透析(CHDF)

(2) 透析ベッド数・実施頻度

・ 透析室は透析用ベッドが 40 台程度設置できるスペースを確保し、島内に他の透析実

施施設が 1 施設のみであることを踏まえ、将来的な拡張にも配慮する。また、感染

症など隔離が必要な患者用の個室も整備する。

・ 地域の需要に応じて 1日 1~2 クールの運用とする。

(3) 病棟への出張業務

・ 入院患者への透析についても、基本的に透析室において実施する。

・ 重症感染症患者や、循環動態が安定していない症例など、透析室への移送が不可能

な入院患者については、病棟(HCU)に出向き、病棟スタッフと連携しつつ対応

する。このため、HCUと透析室の近接や機器の整備に配慮する。

(4) その他の対応

・ シャント増設術について、透析依頼元診療科が手術担当科である外科・泌尿器科に

併科依頼を行い、対応する。

・ 高度な人工血管の造設などは島外の医療機関と連携して対応する。

・ 患者教育を考慮して、透析患者のうち希望者に対する自己負担での昼食の提供を検

討する。透析患者への嗜好調査や栄養指導に積極的に取組む。

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11.リハビリテーション部門

(1) リハビリテーション内容

・ 新病院では、心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)、脳血管疾患等リハビリテーシ

ョン(Ⅰ)、運動器リハビリテーション(Ⅰ)、呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)を実施

する。

・ 精神医療分野では精神専門療法の一環として精神科作業療法を実施する。 区分 内容

物理療法 温熱療法、寒冷療法、電気・光線療法、牽引療法、過流浴等

運動療法 徒手・機器による筋力増強訓練、関節可動域訓練、持久力訓練、神経筋促通訓練、協調性訓練 等

作業療法 高次脳機能訓練、手工芸などの作業活動、ゲーム・レクリエーション等、上肢および主旨の巧緻動作・協調動作訓練、計測性訓練等運動性訓練、緊張性訓練、精神性訓練等

言語療法 発声・発後訓練、聴力・言語聞き取り能力検査・訓練、摂食・嚥下評価訓練、高次脳機能訓練

日常生活動作(ADL)訓練

起居動作・基本動作・セルフケア訓練、歩行・応用動作訓練、調理実習 等

(2) 訪問リハビリテーション

・ 患者宅、診療所にて行う訪問リハビリテーションの強化・充実を行う。

(3) その他の業務

・ 1 週間に 2回、療法士が病棟回診に同行する。問題のあるケースがあれば、多職種に

よる協議を行う。

・ リハビリテーション科において身体障害者診断書・意見書の記載等、各種診断書の

作成を行う。

・ 長崎県対馬地域リハビリテーション広域支援センターとして、介護予防、地域療育

等に関する教室や研究会、講演会を実施する。

・ 乳児検診や 1 歳 6 ヶ月検診、また学校や保育園等における相談や指導を引き続き実

施する。

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12.栄養部門

(1) 業務の概要

・ 献立管理、食数管理、栄養指導等を管理する栄養管理システム、栄養指導システム

を導入する。また、それぞれのシステムは、医療情報システムと連動するシステム

とする。 区分 内 容

食数管理 オーダ集計、食種別食数管理、検食等 栄養管理 患者訪問、アンケート、栄養ケアプラン作成等 栄養指導 ベッドサイド指導、外来指導、糖尿病教室、母親学級等

栄養療法(NST) 医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・リハビリスタッフなどと連携した栄養管理

調理業務管理 調理業務の全体管理

(2) 栄養指導・NST

・ 入院・外来患者に対し、管理栄養士による個別指導を行う。

・ 地域住民への予防医療(生活習慣病対策)を目的とした健康教室の開催や、他医療

機関との連携により退院後の栄養ケアを行う。

・ 将来的に調理実習を実施する場合は、リハビリテーション部門の施設を利用時間を

ずらして利用する。

・ 他部門のNST構成員等と協力して、対象患者の抽出、栄養評価及び栄養管理方法

の検討を行い、患者の栄養状態の改善を行う。

(3) 調理業務

1)業務の概要 ・ 食材の搬入から患者に食事が届くまでの全工程においてHACCPに基づいた管理

システムを構築し、安全な食事提供に努める。

2)食事の提供業務について ・ 調理方式は従来方式とし、クックチル等の新調理方式は用いない。

・ 配膳は中央配膳方式を採用するものとし、病棟での盛り付けは行わない。

・ 透析患者及び精神科デイ・ケア利用者、1泊ドック受診者への食事提供を行う。

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13.健診部門

(1) 新病院における健診内容

・ 事業者健診

・ 特定健診(市)

・ 人間ドック(日帰り、1泊 2 日)

(2) 健診者受付

・ 外来受付や地域連携室等と同じオープンカウンターの 1 コーナーに「健診説明コー

ナー」を設け、健診の説明、案内、当日受付を行う。利用者の集中度や業務によっ

て、医事係のスタッフと協力し合える配置とする。

・ 事前予約をした健診者用の受付として、「健診受付」を健診部門内に設ける。健診部

門の執務室に併設する。

(3) 実施場所別検査項目

・ 「健診部門専用で整備する機能」、「病院と共有する機能」はそれぞれ下表の通りと

する。

健診部門専用で整備する機能 病院と共有する機能

問診・生活指導、検体検査(検査部門依頼)、身体測定(身長・体重・標準体重・肥満度)、診察(胸部聴診、直腸診)、視力検査、聴力検査(簡易)、心電図

放射線検査(CT、MRI胸部・胃透視・マンモグラフィー・骨密度)、内視鏡検査(胃・大腸)、超音波検査、肺機能検査、聴力検査(精密)、眼底・眼圧検査

(4) 健康指導

・ 健診者に生活習慣の改善指導等を行う。

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14.臨床工学部門

(1) 臨床技術提供

・ 診療の補助者として、医師の指示の下に生命維持管理機器の稼動準備、点検、操作

等の臨床技術提供を行う。 業務分類 業務内容

呼吸関連業務 ・人工呼吸器を使用する治療に関連する業務 ・麻酔器を使用する治療に関連する業務 ・高気圧酸素治療業務

循環関連業務 (将来的に対象とすることを検討)

・IABPを使用する治療に関連する業務 ・ペースメーカを使用する治療に関連する業務 ・心臓カテーテル検査に関連する業務

代謝関連業務 ・血液透析及び血液浄化装置を使用する治療に関連する業務 (2) 医療機器保守点検、中央機器管理

・ CE室管理対象機器の日常点検、定期点検、保守関連業務等を行う。

・ 中央管理する機器については、機器の使用前点検、各部署への貸し出し、レンタル

機器の貸借管理に関する業務を行う。

・ 放射線部門、検査部門の保守管理契約を行う機器(「業者対象機器」という。)につ

いては、臨床工学部門の管理管轄外とする。

・ 部署配置機器については、各使用部署で保守・点検履歴等のデータ管理をするとと

もに、臨床工学部門でも情報を共有管理する。 管理区分 定義・対象機器

中央管理機器 【定義】 ・各部署で共通に使用する機器で、臨床工学部門が保守・点検、保管し、必要に応じて各部署に貸出を行う機器。

【対象機器】 人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプ等

部署配置機器 【定義】 ・各部署に配置され、臨床工学部門が保守・点検を行う機器。 ・定数配置機器 【対象機器】 輸液ポンプ(各部署配置分)、シリンジポンプ(各部署配置分)、電気メス、補助循環装置、人工呼吸器(HCU)、徐細動機(外来部門、救急部門)、血液透析装置(透析部門)、高気圧酸素治療装置(外来部門)、生体情報監視装置他

(3) その他

・ CE機器の安全管理研修や取扱説明、操作マニュアルの整備、事故情報の配信等に

より安全教育を行う。

・ 院内における機器の一元管理、修理点検マニュアルや医療機器の採算性に関する資

料等の収集といった情報管理を行う。

・ その他、機器に関する安全面・経営面に関わる情報提供、消耗部品管理、関連委員

会への参画を行う。

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15.物品管理

(1) 管理区分

・ 物品別の管理部署は以下の表の通りとする。

物品区分 小区分 管理部署

診療材料 SPD/総務係 診療材料等

一般消耗品 総務係

処方薬・注射薬 薬剤部門 医薬品

検査試薬 検査部門

中央材料滅菌室

管理物品 病棟・外来等処置用セット、手術用セット

手術部門 購入は別途専門委員会

検体 血液・尿・細胞等 検査部門

検査用物品 検査機器・検体容器 検査部門

カルテ 保管時、医事係 診療録等

フィルム(使用前含む) 放射線部門

医療機器 医療機器・保守用部品・消耗品 各部署/臨床工学室

(2) 搬送対象物品と搬送部署

・ 原則として、物品の搬送方法は人手搬送による。

搬送担当 物品区分 搬送物品 搬送部署

現病院 将来

診療材料 搬送トラック⇒中央倉庫

⇒使用部署 SPD 業者 SPD 業者

診療材料等

一般消耗品 中央倉庫⇒使用部署 各部署 各部署

処方薬(薬品・注射)

(定期・臨時) 薬局⇒病棟 各部署 各部署

医薬品

定数配置薬 薬局⇒使用部署 各部署 各部署

中央材料滅菌

室管理物品

病棟・外来等処置用セット、手

術用セット 中央材料滅菌室⇔使用部署 各部署 各部署

中央処置室⇒検査室 看護師 各部署

科専用処置室⇒検査室 看護師 各部署 検体 血液・尿・細胞等

病棟⇒検査室 検査部門 /看護師

各部署

検査用物品 検査機器・検体容器 使用部署 - 各部署

カルテ 診療情報管理室(仮称)

⇔外来受付・病棟 医事部門 受付事務

診療録等

フィルム 放射線部門⇔外来受付・病棟 医事部門 受付事務

医療機器 中央管理医療機器・保守用部

品・消耗品・修繕済み医療機器

臨床工学室⇒使用部署

使用部署 - 各部署

患者食事 患者用食事(配膳・下膳) 栄養部門⇔各病棟 栄養部門

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16.医療連携部門

・ 医療連携に関する業務に関する担当部署と業務概要は以下の通りである。(医療連携

部門以外の業務を含む)

現病院 新病院

項目 実施の 有無 実施部署 実施の

有無 実施部署 業務概要

予約センター業務 ○ 医事係 ○ 医事係

・電話による再診患者の診療、検査予約受付・予約変更 ・電話による再来初診患者の診療予約受付

紹介・逆紹介患者の窓口業務 ○ 地域連携室 ○ 地域連携室 ・紹介元機関からの依頼受付窓口 ・事前準備 ・診療予約

紹介患者の経過連絡・返送 ○ 地域連携室 ○ 地域連携室 ・紹介元機関への経過連絡の一元管理 (院内担当医への確認・調整)

地域医療機関への逆紹介 ○ 地域連携室 ○ 地域連携室 ・紹介先機関の情報管理 ・紹介先機関への紹介手続き

検査予約(病診連携) ○ 地域連携室 ○ 地域連携室 ・開業医等からによる検査予約

ドック・健診予約管理 ○ 健診部門 ○ 健診部門 ・電話等による予約受付窓口 ・当日の健診者受付

退院支援・調整業務 ○

連絡窓口は 地域連携室 調整は 師長等

連絡窓口は 地域連携室 調整は 師長等

・退院先施設等との連絡調整、確保

医療保健福祉の相談業務 ○ 医事係 ○ 医事係

・相談受付(予約) ・医療保健福祉相談 ・制度利用とその手続き、公費負担 ・退院生活相談、転院先案内 ・外来、入院患者、住民からの苦情受付

精神保健福祉の相談業務 ○ 精神医療部門スタッフ

○ 精神医療部門スタッフ

・医療保健福祉相談 ・制度利用とその手続き、公費負担 ・精神科入院患者の社会復帰支援 ・社会復帰施設等との連絡調整、確保

関連機関からの情報収集業務 × - × - ・地元医師会、他医療機関、訪問診療・訪問看護管理、訪問看護ステーション、介護施設等との連携

関連機関からの問い合わせ窓口 ○ 地域連携室 ○ 地域連携室 ・薬事関連、ケアマネ等からの問い合わせ窓口業務

地域医療機関からの患者送迎 ○ 総務係 ○ 総務係 ・搬送車の管理、運転

病床管理 ○ 入院部門 (師長)

○ 入院部門 (師長)

・病床利用状況・空床管理 ・入院・退院状況 ・移動管理(転科、転棟・転室・転床)・予約状況管理

DMAT × - 〇 救急部門 ・DMATへの参加

登録医の受付 × - × - ・登録医の申請受付、情報管理 ・登録医への各種サービス提供

懇談会・症例検討会・研修会等の開催

○ 各部署 ○ 各部署 ・開催案内等の事務局機能

広報活動 ○ 総務係 ○ 総務係 ・院内掲示・ホームページ ・広報誌等の発行、営業活動(登録医への参加等)

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17.事務・サービス施設部門

(1) 組織体制

・ 新病院における事務・サービス施設部門は、総務係、財務係、施設管理係、医事係

の 4係からなるものとする。

(2) 総務係

・ 病院の諸規程の制定、職員の人事・福利厚生に係る業務等の庶務業務、委託管理業

務を行う。

・ 委託管理業務については、各委託業務の特性や経営効率を踏まえた上で、今後、委

託の可否や具体的な導入範囲を検討する。

・ 委託化の検討に際し、委託事業者の業務改善効果および委託費用の適正化を期待し、

委託業務の包括化、複数年度契約とすることも併せて検討する。

業務項目 概要 現病院における

実施の有無

中央材料滅菌業務 院内滅菌処理・搬送業務 ×

検体検査業務 検体検査業務 ○

患者給食業務 給食調理・配膳・下膳・洗浄 いづはら:×

中対馬:○

物品管理・物流業務 診療材料購買・在庫・搬送 ○

医療機器管理業務

(保守・点検窓口等) CT、MRI、X線TV、血管造影装置等 ○

リネン業務 リネン洗浄・回収・搬送 洗浄のみ

電算室管理業務 保守、問い合わせ対応等 ○

医療事務業務 患者窓口・料金計算・会計・レセプト処理等 いづはら:×

中対馬:○

清掃業務 院内清掃業務 ○

施設管理業務 施設・設備に関する日常点検・定期法定点検等 ○

防災センター・警備業務 定位置・巡視警備業務(24 時間) ○

廃棄物処理業務(院内) 院内の移動・収集・保管 ×

廃棄物処理業務(院外) 院外への搬出・処理等 ○

駐車場管理業務 駐車場内の安全管理・料金管理 ×

(3) 財務係

経理事務や資金計画、予算・決算などに関する業務、経営状況の調査・研究、経営

計画の企画・立案などの業務を行う。

また、病院における新規の取り組みやサービスに関する企画検討を担当する。

(4) 施設管理係

院内施設、設備及び医療機器の整備・管理、エネルギー管理・清掃・警備等のファ

シリティマネジメント業務を行う。

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(5) 医事係

・ 医事業務、医療事務管理、診療情報(病歴)管理、患者窓口業務を行う。

・ 外来に設置する窓口は、「総合受付」、「再来受付(再来受付機)」、「入退院受付」、「健

診説明コーナー」、「相談窓口」、「計算・会計窓口」とする。

・ このうち「健診説明コーナー」は外来窓口の一角に設けるが、健診部門が担当する。

・ 「総合案内」は外来窓口とは離して設け、外来部門が担当する。

(6) 利用者サービス施設

・ 利用者のサービスに関わる諸室(案)については以下の表の通りとする。 諸室 室数 主な要件

利用者サービス施設

売店 1 (可能であればコンビニが望ましい)

家族控室 5 個室とする。机、いす、布団、ユニットシャワー等

軽食堂 1 外来患者、患者家族だけではなく、職員も利用可能な作りとする。

理容室 1 洗面台、机、いす等

保育所 1

その他の附帯施設等

リハビリ用散歩コース - 緑地等を利用、詳細については設計段階等で検討

(7) その他の諸室について

・ 更衣室は原則中央化とする。ただし、医師、手術部門職員、栄養部門職員について

は衛生面等の観点から専用の更衣室を部署内に設ける。

・ 休憩コーナーは原則中央化とする。

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第3章.事業収支計画

※「営業キャッシュフロー」とは経常損益から、現金支出を伴わない減価償却費・資産減耗費・繰延仮勘定費を控除したもの。

(千円)

平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成31年度 平成32年度 平成33年度 平成34年度 平成35年度 平成36年度開院初年度 開院2年度 開院3年度 開院4年度 開院5年度 開院6年度 開院7年度 開院8年度 開院9年度 開院10年度

総収益 5,565,255 5,630,728 5,600,965 5,715,158 5,759,507 5,834,897 5,872,620 5,948,447 6,025,619 6,104,166

医業収益 4,820,443 4,889,660 4,960,098 5,031,781 5,104,733 5,178,976 5,261,917 5,338,817 5,417,083 5,496,740入院収益 3,032,615 3,087,862 3,144,192 3,201,628 3,260,192 3,319,905 3,380,791 3,442,872 3,506,173 3,570,717外来収益 1,463,860 1,478,038 1,492,358 1,506,820 1,521,428 1,536,182 1,551,083 1,566,133 1,581,334 1,596,686その他医業収益 323,968 323,760 323,548 323,332 323,113 322,889 330,043 329,812 329,576 329,337

医業外収益 744,811 741,068 640,867 683,377 654,774 655,921 610,703 609,630 608,536 607,426補助金 28,456 28,456 28,456 28,456 28,456 28,456 28,456 28,456 28,456 28,456負担金 682,868 679,125 578,924 621,434 592,831 593,978 548,760 547,687 546,593 545,483その他 33,487 33,487 33,487 33,487 33,487 33,487 33,487 33,487 33,487 33,487

総費用 5,741,031 5,773,977 5,807,643 5,842,714 5,569,238 5,729,335 5,770,745 5,811,734 5,853,261 5,895,334

医業費用 5,567,604 5,604,497 5,641,909 5,679,846 5,409,315 5,571,330 5,614,838 5,657,966 5,701,666 5,745,947人件費 2,960,420 2,975,222 2,990,098 3,005,049 3,020,074 3,035,174 3,050,350 3,065,602 3,080,930 3,096,334(うち、退職給与費) 115,569 116,146 116,728 117,312 117,898 118,487 119,080 119,675 120,273 120,875材料費 1,098,497 1,114,762 1,131,316 1,148,162 1,165,305 1,182,752 1,200,508 1,218,580 1,236,973 1,255,692経費 960,843 969,350 978,008 986,818 995,785 1,124,910 1,135,104 1,144,556 1,154,176 1,163,967(うち、委託料) 343,359 343,359 343,359 343,359 343,359 343,359 343,359 343,359 343,359 343,359減価償却費 520,685 517,685 514,685 511,685 199,685 199,685 199,685 199,685 199,685 199,685資産減耗費 5,000 5,000 5,000 5,000 5,000 5,000 5,000 5,000 5,000 5,000研究研修費 22,160 22,479 22,803 23,132 23,467 23,809 24,190 24,544 24,903 25,270

医業外費用 173,427 169,480 165,734 162,869 159,922 158,006 155,907 153,767 151,594 149,386支払利息 47,427 43,939 40,855 38,796 36,670 35,313 33,791 32,236 30,653 29,039その他 125,999 125,540 124,879 124,072 123,252 122,692 122,116 121,531 120,941 120,347

医業損益 ▲ 747,161 ▲ 714,838 ▲ 681,811 ▲ 648,064 ▲ 304,583 ▲ 392,354 ▲ 352,921 ▲ 319,149 ▲ 284,583 ▲ 249,207

医業収支比率 86.6% 87.2% 87.9% 88.6% 94.4% 93.0% 93.7% 94.4% 95.0% 95.7%

経常損益 ▲ 175,776 ▲ 143,249 ▲ 206,678 ▲ 127,556 190,269 105,562 101,875 136,713 172,358 208,833

経常収支比率 96.9% 97.5% 96.4% 97.8% 103.4% 101.8% 101.8% 102.4% 102.9% 103.5%

「営業キャッシュフロー」 364,408 393,935 327,507 403,630 409,454 324,747 321,060 355,898 391,543 428,017

当期未処分利益 ▲ 175,776 ▲ 319,026 ▲ 525,704 ▲ 653,259 ▲ 462,990 ▲ 357,428 ▲ 255,554 ▲ 118,840 53,518 262,351

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【サマリー】

27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 32年度 33年度 34年度 35年度 36年度

総収益 5,565,255 5,630,728 5,600,965 5,715,158 5,759,507 5,834,897 5,872,620 5,948,447 6,025,619 6,104,166総費用 5,741,031 5,773,977 5,807,643 5,842,714 5,569,238 5,729,335 5,770,745 5,811,734 5,853,261 5,895,334経常収支比率 96.9% 97.5% 96.4% 97.8% 103.4% 101.8% 101.8% 102.4% 102.9% 103.5%当期未処分利益 -175,776 -319,026 -525,704 -653,259 -462,990 -357,428 -255,554 -118,840 53,518 262,351

100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

(1,000,000)

0

1,000,000

2,000,000

3,000,000

4,000,000

5,000,000

6,000,000

7,000,000

27年度

28年度

29年度

30年度

31年度

32年度

33年度

34年度

35年度

36年度 92.0%

94.0%

96.0%

98.0%

100.0%

102.0%

104.0%

106.0%

総収益 総費用 当期未処分利益 経常収支比率

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第4章.用語集

ページ 語句 内容 3 NICU 新生児特定集中治療室のこと。低体重や仮死状態など問題がある

新生児を集中管理する。 地域災害医療センター 災害時に救急患者の受け入れや地域の医療機関の支援等を行う

各地域の災害拠点病院。 バイオクリーン 一般エリアと比較して、生物的に無菌もしくは微生物の数が少な

い環境のこと。 12 一般病床 精神病床、感染症病床、結核病床及び療養病床以外の病床。 亜急性期病床 症状が安定した入院患者に、リハビリ等の退院支援を行うための

病床。 HCU ハイケアユニット、高度治療室のこと。急性期医療施設において、

一般病棟とICU(集中治療室)の中間に位置づけられ、重篤な患者に対して手厚い体制で治療を行うための病室。

重症個室 病状が重篤である等、医療上の必要から個室に入院する必要のある患者を収容する病室。容態を常時監視できる設備等の設置が必要となる。

13 コメディカルスタッフ 医師、歯科医師以外の医療従事者である、看護師、療法士等の総称。

NST 医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師などの多職種による、栄養サポートチーム。

ICT 医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師などの多職種による、感染制御チーム。

PCT 医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師などの多職種による、緩和医療チーム。

16 ドクターカー 医師が同乗し、処置・医療を施しながら患者を搬送できる救急車。 18 閉鎖病棟 病棟への出入り口が常時施錠されており、患者、面会者の出入り

が自由にできない病棟のこと。 PSW 精神保健福祉士のこと。国家資格であり、精神障害者の抱える生

活問題や社会問題の解決のための援助や、社会参加に向けての支援活動を行う。

19 CDCガイドライン 米国疾病予防管理センターによる感染対策のガイドライン。 21 TPN 高カロリー輸液。経口栄養ができない患者に実施する。 25 CT X線を利用し、断面を撮影する画像診断装置。 MRI 磁力を利用した画像診断装置。 DSA(血管造影) 血管に造影剤と言われるX線不透過の薬剤を注入して形状をレ

ントゲンに写し、血管の診断を行う診断装置。 骨塩定量測定装置 骨に含まれるカルシウム(骨塩量)を調べる装置。骨粗しょう症

などを調べる。 ESWL 体外衝撃波結石破砕術。衝撃波を利用して腎結石および尿管結石

を粉砕する装置。 31 IABP 大動脈内バルーンパンピング。心筋梗塞等で心臓が弱まった際

に、大動脈内に挿入したバルーンを膨らませたりしぼませたりすることにより、心臓の動きを補助する治療方法。

CE 臨床工学技士。臨床工学技士法第2条に、『医師の指示の下に呼吸、循環、代謝に関わる生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする』と定められている。

32 SPD 院内における物流管理システム。

Page 44: 対馬地域新病院...対馬地域新病院 基本計画書 平成23年3月 新病院建設推進管理会議 ~はじめに~ この計画は対馬いづはら病院と中対馬病院を統合した「対馬地域新病院」建設事業が

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第5章.新病院建設推進管理会議委員名簿

病 院 名 職 名 氏 名 備 考

対馬いづはら病院 院長 糸瀬 薫 委員(座長)

対馬いづはら病院 副院長 川上 眞寿弘 委員

対馬いづはら病院 看護部長 山田 久美子 委員

対馬いづはら病院 副看護部長 武田 惠美 委員

対馬いづはら病院 臨床検査技師長 山口 昌明 委員

対馬いづはら病院 理学療法技師長 阿比留 博次 委員

対馬いづはら病院 事務長 伊原 徹 委員

対馬いづはら病院 事務長補佐 波多野 道子 委員

中対馬病院 院長 村瀬 邦彦 委員

中対馬病院 診療部長 野口 雄司 委員

中対馬病院 看護部長 江﨑 美代子 委員

中対馬病院 看護師長 梅野 まゆみ 委員

中対馬病院 臨床検査技師長 平間 弘実 委員

中対馬病院 主任理学療法士 中田 美輝 委員

中対馬病院 事務長 熊中 健二 委員

中対馬病院 事務長補佐 宇山 忠史 委員

上対馬病院 院長 立花 一憲 委員

上対馬病院 看護総師長 山﨑 富子 委員

上対馬病院 事務長 立花 巌 委員

上対馬病院 事務長補佐 宮原 則人 委員

企業団本部 副企業長 石橋 和正 委員

企業団本部 企画部長 田本 浩嗣 委員

企業団本部 企画班係長 加藤 一征 委員

対馬市福祉保健部 健康保健課長 仁位 孝良 委員

<事務局> 新病院建設推進部:桐谷 政実(部長)、齋藤 靖(係長) アイテック株式会社(基本計画策定支援):阿部・工藤・小野・岩瀬